JP2009029227A - 照明制御装置および方法、並びに、プログラム - Google Patents

照明制御装置および方法、並びに、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】車両の周囲を適切に照らす。
【解決手段】周囲状態検出部231は、前方画像センサ211により車両の前方を撮影した前方監視画像に基づいて検出した自車の周囲の状態を示す周囲状態情報を照射制御部233に供給する。照射範囲検出部232は、前方監視画像に基づいて検出したヘッドライト213により照らされている照射範囲を示す情報を照射制御部233に供給する。照射制御部233は、周囲状態情報に基づいてヘッドライト213が照らすべき目標照射範囲を求め、ヘッドライト駆動装置222に照射範囲制御信号を供給し、ヘッドライト213の照射範囲が目標照射範囲となるように制御する。本発明は、例えば、車両のヘッドライトの動作を制御する照明制御装置に適用できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、照明制御装置および方法、並びに、プログラムに関し、特に、車両の周囲を適切に照らすことができるようにした照明制御装置および方法、並びに、プログラムに関する。
運転中、カーブや上下の傾斜などにより、車両から見てこれから通る道路が存在する方向、すなわち、運転者が見るべき道路の方向は、刻々と変化する。ヘッドライトの照射方向が固定されている場合、車体の進行方向の軸に対して常に固定された方向が照らされる。従って、前方が平坦な直線道路の場合には、望ましい範囲にヘッドライトの光が照射されるが、前方がカーブになっている場合には、ヘッドライトの照射方向が望ましい角度からずれる。そのため、車両が進行する領域に光が照射されず、進行方向の確認が困難になったり、不必要な方向が照らされ、対向車の運転者など他者に迷惑をかけたりする恐れがある。
この問題を解決するために、従来、ステアリングホイールの操作角度やカーナビゲーション装置の地図情報を用いて、ヘッドライトの照射方向を水平方向(左右方向)に移動させて、前方の道路がカーブする方向、すなわち、車両の進行方向の道路を照射する技術が提案されている。
しかし、水平方向についてのみ照射方向を制御するだけでは、例えば、搭乗者や積載された荷物により車両の後部が下がった場合など、車体が上下方向に傾いた場合に対応できず、望ましい方向が照らされない場合がある。
例えば、図1に示されるように、車両11の前輪が段差13に乗り上げ、車両11の前方が上向きになった場合、図2に示されるように、車両11のヘッドライトの照射範囲は範囲C1から範囲C2へと上方向に移動する。従って、車両11のヘッドライトが下向き(ロービーム)に設定されていても、ヘッドライトの光が対向車12の運転者の視界に直接入り、対向車12の運転者が眩惑されてしまう恐れがある。また、凸凹が多い道路では、車体が頻繁に上下に揺れ、ヘッドライトの照射方向が上を向くたびに、対向車の運転者に眩しい光が照射される恐れがある。
この問題を解決するために、重力センサの計測値に基づいて、停止中の車体の傾きを検出して、ヘッドライトの照射方向を上下に制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、三次元ジャイロセンサにより車体の上下および左右方向の傾斜角を検出し、車体の上下および左右方向の傾斜角に応じて、ヘッドライトの照射角を上下および左右方向に変化させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、車両前部の底面と路面との間の距離(車高)を前後方向に離れた2点間で計測し、車高の差から車体の傾斜角度を計測し、傾斜角度の累積計算値に基づいて、ヘッドライトの光軸の角度を調節する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−85459号公報 特開2004−314856号公報 特開2004−359175号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、走行中の加速や減速などによるヘッドライトの照射範囲の上下方向のズレを補正することは困難である。
また、特許文献2または特許文献3の記載の発明のように、車体の傾きに応じてヘッドライトの照射方向のズレを補正する場合、車体の傾きが変化する前にヘッドライトの照射方向のズレを補正することはできない。従って、前方の道路の勾配が変化していても、道路の勾配が変化する地点に到達するまでは、照射方向が補正されないため、対応に遅れが生じる。
図4は、車体の傾きに応じてヘッドライトの照射方向のズレを補正するようにした車両が、平坦路を走行しており、かつ、ロービームに設定している場合の照射範囲の例を模式的に示している。ロービームに設定されているため、対向車21の運転者の目の高さにおいてヘッドライトの光の輝度は所定のレベル以下となり、対向車21の運転者が眩惑されることが防止される。
また、例えば、図4に示されるように、車体の傾きに応じてヘッドライトの照射方向のズレを補正するようにした車両31が、前方が下り坂になっている道路を走行している場合、車体の傾きは平坦路を走行している場合と変わらないため、車両31は、図3と同じ方向を照らすようにヘッドライトの照射方向を制御する。しかし、前方が下り坂になっているため、車両31の対向車32に対する相対位置が高くなり、図5に示されるように、車両31のヘッドライトがロービームに設定されていたとしても、対向車32の運転者の頭部付近に強い光が照射され、対向車32の運転者が眩惑されてしまう恐れがある。
このように、車体の傾きに応じてヘッドライトの照射方向のズレを補正するようにした場合、前方の道路の傾斜の変化への対応に遅れが生じてしまう。その上、ジャイロセンサにより車体の傾きを検出する場合、所定の期間内の検出値を平均化する必要があり、さらに遅れが発生する。
また、ジャイロセンサの代わりに加速度センサを用いる方法も考えられるが、ジャイロセンサと同様に、車体の傾きが変化する前にヘッドライトの照射方向のズレを補正することはできない。また、ジャイロセンサと同様に、加速度を検出するために所定の期間内の検出値を平均化する必要があり、さらに遅れが発生する。さらに、加速度センサを用いた場合、車両の加速や減速によって発生する加速度と、路面の傾きにより発生する加速度との識別を正確に行うことが困難であり、照射方向の正確な制御が困難になる。
また、例えば、図6に示されるように、車両31が、前方が上り坂になっている道路を走行中に、前輪が道路の段差41に乗り上げた場合について考える。この場合、車両31の前方が上方向に傾き、ヘッドライトの照射方向が上を向くため、それを補正するために、車両31は、ヘッドライトの照射方向を下げるように制御する。そのため、前方の上り坂の路面が適切に照射されなくなり、進行方向の確認が困難になる恐れがある。
さらに、例えば、図示はしないが、ブレーキによる減速などにより車両31の車体の前方が下がり、ヘッドライトの照射方向を上げる制御が行われた場合、前方の道路が坂や段差などで下がっているときには、照射方向が道路の領域より上を向いてしまい、進行方向の確認が困難になる恐れがある。
また、ヘッドライトの上下方向の照射方向のズレを補正するために、ナビゲーション装置の地図情報を用いる方法が考えられる。しかし、この方法では、路面の状態に関する詳細な情報を入手したり維持したりすることが困難である。加えて、GPS(Global Positioning System)などの位置検出手段の精度の観点から見ても、例えば、交差点において交差する道路にできた轍や道路工事による段差など、ヘッドライトの光軸が道路に対して比較的大きく変動する場合に対して、照射方向の制御が適切に行われず、進行方向の確認が困難になったり、対向車の運転者を眩惑したりする恐れがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、車両の周囲を適切に照らすことができるようにするものである。
本発明の一側面の照射制御装置は、車両に設けられ、車両の周囲を照らす照明の制御を行う照明制御装置において、照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、照明により照らされている照射範囲を検出する照射範囲検出手段と、監視画像に基づいて、車両の運転者が車両の周囲を確認するために照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲を検出する照射必要範囲検出手段と、照明の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するように、照明の照射範囲を制御する照射範囲制御手段とを備える。
本発明の一側面の照射制御装置においては、照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、照明により照らされている照射範囲が検出され、監視画像に基づいて、車両の運転者が車両の周囲を確認するために照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲が検出され、照明の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するように、照明の照射範囲が制御される。
従って、車両に設けられた照明の照射範囲を制御することができる。また、車両の周囲を適切に照らすことができ、その結果、運転者の安全を確保することができる。
この照射範囲検出手段、照射必要範囲検出手段、照射範囲制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
この照射必要範囲検出手段には、車両がこれから通る領域のうち所定の範囲内の領域である通行領域および通行領域の近傍の領域を照射必要範囲として検出させることができる。
これにより、車両がこれから通る領域を適切に照らすことができ、その結果、運転者の安全を確保することができる。
この照明制御装置は、監視画像に基づいて、車両が通行している車線である自車線を検出する車線検出手段をさらに備え、この照射必要範囲検出手段には、自車線において、車両から車両の進行方向の所定の範囲までの領域を通行領域として検出させることができる。
これにより、車両がこれから通る自車線内の領域を適切に照らすことができ、その結果、運転者の安全を確保することができる。
この車線検出手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
この照射範囲制御手段には、照明の光軸の方向を制御することにより照射範囲を制御させることができる。
これにより、照明の光軸の方向を制御して、車両の周囲を適切に照らすことができる。
この照射範囲制御手段には、照明が複数の光源により構成される場合、各光源の光量を制御することにより照射範囲を制御させることができる。
これにより、照射範囲をより詳細に制御することができる。
この照射範囲制御手段には、さらに、各光源の照射方向を制御することにより照射範囲を制御させることができる。
これにより、照射範囲をさらに詳細に制御することができる。
この照明制御装置は、監視画像に基づいて、照明により照らすことが不適切な範囲である照射不適範囲を検出する照射不適範囲検出手段をさらに備え、照射範囲制御手段には、さらに、照明により照射不適範囲に照射される光量を低減させるように照明の照射範囲を制御させることができる。
これにより、不適切な範囲を必要以上に照らすことを防止することができる。
この照射不適範囲検出手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
この照明制御装置は、監視画像に基づいて、対向車を検出する対向車検出手段をさらに備え、照射不適範囲検出手段には、検出された対向車を含む領域を照射不適範囲として検出させることができる。
これにより、対向車の運転者を眩惑することを防止することができる。
この対向車検出手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
この照明制御装置は、監視画像に基づいて、対向車の運転者の顔を検出する対向車検出手段をさらに備え、照射不適範囲検出手段には、検出された対向車の運転者の顔を含む領域を照射不適範囲として検出させることができる。
これにより、対向車の運転者を眩惑することを確実に防止しつつ、照射不適範囲を小さく抑えることができる。
この対向車検出手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
この照明制御装置は、監視画像に基づいて、照明の光を反射する先行車の反射体を検出する先行車検出手段をさらに備え、照射不適範囲検出手段には、検出された先行車の反射体を含む領域を照射不適範囲として検出させることができる。
これにより、先行車の運転者を眩惑することを防止することができる。
この先行車検出手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)などにより構成される。
本発明の一側面の照明制御方法またはプログラムは、車両に設けられ、車両の周囲を照らす照明の制御を行う照明制御装置の照明制御方法、または、車両の周囲を照らす照明の制御を行う処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、照明により照らされている照射範囲を検出する照射範囲検出ステップと、監視画像に基づいて、車両の運転者が車両の周囲を確認するために照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲を検出する照射必要範囲検出ステップと、照明の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するように、照明の照射範囲を制御する照射範囲制御ステップとを含む。
本発明の一側面の照明制御方法またはプログラムにおいては、照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、照明により照らされている照射範囲が検出され、監視画像に基づいて、車両の運転者が車両の周囲を確認するために照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲が検出され、照明の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するように、照明の照射範囲が制御される。
従って、車両に設けられた照明の照射範囲を制御することができる。また、車両の周囲を適切に照らすことができ、その結果、運転者の安全を確保することができる。
この照射範囲検出ステップは、例えば、照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、照明により照らされている照射範囲をCPUまたはECUにより検出する照射必要範囲検出ステップにより構成され、この照射必要範囲検出ステップは、例えば、監視画像に基づいて、車両の運転者が車両の周囲を確認するために照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲をCPUまたはECUにより検出する照射必要範囲検出ステップにより構成され、この照射範囲制御ステップは、例えば、照明の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するように、照明の照射範囲をCPUまたはECUにより制御する照射範囲制御ステップにより構成される。
本発明の一側面によれば、車両に設けられた照明の照射範囲を制御することができる。特に、本発明の一側面によれば、車両の周囲を適切に照らすことができる。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図7は、本発明を適用した灯火システムの一実施の形態を示すブロック図である。図7の灯火システム101は、周囲情報センサ111、灯火制御システム112、および、灯火部113を含むように構成される。
周囲情報センサ111は、灯火システム101が設けられた車両(以下、自車とも称する)の周囲の状態を表すデータ(以下、周囲状態データとも称する)を検出し、周囲状態データを灯火制御システム112に供給する。
灯火制御システム112は、周囲情報センサ111からの周囲状態データに基づいて、灯火部113による灯火の制御を行う。灯火制御システム112は、灯火制御部121および照射範囲制御部122を含むように構成される。
灯火制御部121は、周囲情報センサ111からの周囲状態データに基づいて、灯火部113に光を照射させる範囲を求め、灯火部113の照射範囲を制御するための制御信号(以下、照射範囲制御信号とも称する)を照射範囲制御部122に供給することにより、灯火部113の照射範囲を制御する。灯火制御部121は、周囲状態検出部131、照射範囲検出部132、および、照射制御部133を含むように構成される。
周囲状態検出部131は、周囲情報センサ111からの周囲状態データに基づいて、例えば、自車に対してどの方向に道路があるかなどの自車の周囲の状態を検出し、検出した状態を示す周囲状態情報を照射制御部133に供給する。
照射範囲検出部132は、周囲情報センサ111からの周囲状態データに基づいて、灯火部113により照らされている照射範囲を検出し、検出した照射範囲を示す情報を照射制御部133に供給する。
照射制御部133は、周囲状態検出部131により検出された自車の周囲の状態に基づいて、灯火部113が照らすべき範囲(以下、目標照射範囲と称する)を求める。照射制御部133は、灯火部113の照射範囲が目標照射範囲となるように制御する照射範囲制御信号を照射範囲制御部122に供給する。
照射範囲制御部122は、照射範囲制御信号に基づいて、灯火部113の照射範囲を制御する。
灯火部113は、照射範囲制御部122により制御される照射範囲に光を照射する。
図8は、図7の灯火システム101を、車両のヘッドライトの照射範囲を制御するヘッドライトシステムに適用した場合の実施の形態を示すブロック図である。なお、図中、図7と対応する部分については下2桁が同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
図8のヘッドライトシステム201は、前方画像センサ211、ヘッドライト制御システム212、および、ヘッドライト213を含むように構成される。
図7の周囲情報センサ111に対応する前方画像センサ211は、ヘッドライトシステム201が設けられていている車両(以下、自車とも称する)の前方、すなわち、ヘッドライト213により照らされている方向を撮影し、その結果得られた画像(以下、前方監視画像とも称する)をヘッドライト制御システム212に供給する。
図7の灯火制御システム112に対応するヘッドライト制御システム212は、図7の灯火制御部121に対応するヘッドライト制御ECU(Electronic Control Unit)221、および、図7の照射範囲制御部122に対応するヘッドライト駆動装置222を含むように構成される。
ヘッドライト制御ECU221は、ヘッドライト213の照射範囲を制御するための照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給することにより、ヘッドライト213の照射範囲を制御する。ヘッドライト制御ECU221が所定の制御プログラムを実行することにより、図7の周囲状態検出部131に対応する周囲状態検出部231、図7の照射範囲検出部132に対応する照射範囲検出部232、および、図7の照射制御部133に対応する照射制御部233を含む機能が実現される。
周囲状態検出部231は、前方画像センサ211からの前方監視画像に基づいて、自車の周囲の状態を検出し、検出した状態を示す周囲状態情報を照射制御部233に供給する。
照射範囲検出部232は、前方画像センサ211からの前方監視画像に基づいて、ヘッドライト213により照らされている照射範囲を検出し、検出した照射範囲を示す情報を照射制御部233に供給する。
照射制御部233は、照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給し、ヘッドライト駆動装置222を制御することにより、ヘッドライト213の照射範囲を制御する。より具体的には、照射制御部233は、周囲状態検出部231からの周囲状態情報に基づいて、ヘッドライト213が照らすべき目標照射範囲を求める。照射制御部233は、ヘッドライト213の照射範囲が目標照射範囲となるように制御する照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給する。
ヘッドライト駆動装置222は、照射制御部233からの照射範囲制御信号に基づいて、ヘッドライト213の光量、照射方向、光を照射するパターン(形状)などを制御することにより、ヘッドライト213の照射範囲を制御する。
ヘッドライト213は、例えば、ハロゲンビームヘッドライト、ディスチャージヘッドライト、LED(Light Emitting Diode)ヘッドライトなど、ランプ、レンズ、反射鏡などの光学系の部品などからなるランプユニットにより構成され、自車の前方に光を照射する。
ヘッドライト213の光源は、例えば、従来のハロゲンランプなどからなる点光源、または、複数のLED、または、DLP(登録商標)(Digital Light Processing)などで用いられるマイクロミラーを配列した多光源とされる。
例えば、ヘッドライト213の光源としてLEDを採用した場合、多数のLEDからの光をレンズにより配光して光を照射するので、LEDの一部をオフすることにより、照射範囲の輝度や形状を変化させることができる。また、LEDが点滅するデューティ比を個々に変化させることにより、輝度を調整することが可能である。さらに、レンズとの位置関係に応じて、個々のLEDの輝度を制御することにより、各方向に照射される光の強弱を制御することができる。
また、例えば、ヘッドライト213の光源としてマイクロミラーを採用した場合、各方向に照射される光の性質を極めて詳細に制御することができる。具体的には、ヘッドライト213のレンズの後方に多数のマイクロミラーを縦横に配列し、個々のマイクロミラーの角度および角度を切換えるタイミングを制御し、ランプの光をマイクロミラー群に照射して反射させ、レンズを通して前方に照射することで、各方向に照射される光の強弱を制御することができる。例えば、自車の前方の所定の領域を所定の数(例えば、縦100×横300)の領域に分割し、個々の領域ごとに明るさを制御することができる。
ヘッドライト213が点光源である場合、照射制御部233は、例えば、ヘッドライト213の光軸の方向または光量を制御する照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給する。ヘッドライト駆動装置222は、例えば、照射範囲制御信号に基づいて、モータやソレノイドなどによりヘッドライト213を機械的に駆動し光軸の方向を移動させたり、ヘッドライト213の光量を制御したりすることにより、ヘッドライト213の照射範囲を制御する。
また、ヘッドライト213が多光源である場合、照射制御部233は、例えば、ヘッドライト213から照射される光の各方向の強度分布を示す照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給する。ヘッドライト駆動装置222は、例えば、照射範囲制御信号に基づいて、各光源の光量を制御し、ヘッドライト213から照射される光のパターン、および、各方向に照射される光の強度の分布を変化させることにより、ヘッドライト213の照射範囲を制御する。なお、ヘッドライト213の光源が、マイクロミラーなど光源ごとに照射方向の制御が可能である場合、ヘッドライト駆動装置222が、各光源の照射方向を個別に制御することによりヘッドライト213の照射範囲を制御することも可能である。さらに、点光源の場合と同様に、ヘッドライト駆動装置222が、ヘッドライト213全体を機械的に駆動して、ヘッドライト213の照射方向を制御するようにしてもよい。
図9は、前方画像センサ211の一実施の形態を示すブロック図である。この前方画像センサ211は、前方監視カメラ251および画像取得部252を含むように構成される。
前方監視カメラ251は、例えば、HDRC(High Dynamic Range CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)(登録商標))などの対数変換型撮像素子、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子、もしくは、CMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)撮像素子などの撮像素子、および、レンズなどにより構成される動画を撮影可能なカメラにより実現される。前方監視カメラ251は、例えば、自車の車室内のルームミラー付近に取り付けられ、ヘッドライト213により照らされている方向である自車の前方の道路およびその近傍を撮影し、動画像としての前方監視画像を動画像として画像取得部252に出力する。
画像取得部252は、前方監視カメラ251により撮影された前方監視画像を取得し、周囲状態検出部231および照射範囲検出部232に供給する。
なお、前方監視カメラ251の撮像素子としては、対数変換型撮像素子など輝度ダイナミックレンジの広い撮像素子を用いるのが好適である。
図10は、対数変換型撮像素子を用いた場合の前方監視カメラ251の機能的構成を示すブロック図である。この前方監視カメラ251は、レンズ281、および対数変換型撮像素子282を含むように構成される。対数変換型撮像素子282は、例えば、HDRC(登録商標)などの対数変換型の撮像素子とされ、光検出部291、対数変換部292、A/D変換部293、および撮像タイミング制御部294を含むように構成される。
前方監視カメラ251により撮像される被写体から発せられた光(あるいは、被写体により反射された光)は、レンズ281に入射し、対数変換型撮像素子282の光検出部291の図示せぬ光検出面に結像する。
光検出部291は、例えば、複数のフォトダイオードからなる受光素子などにより構成される。光検出部291は、レンズ281により結像された被写体の光を、入射された光の明るさ(照度)に応じた電荷に変換し、変換した電荷を蓄積する。光検出部291は、撮像タイミング制御部294から供給される制御信号に同期して、蓄積した電荷を対数変換部292に供給する。
対数変換部292は、例えば、複数のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などにより構成される。対数変換部292は、MOSFETのサブスレッショルド特性を利用して、光検出部291から供給される電荷を、各画素ごとに、電荷の数(電流の強さ)の対数、すなわち、被写体の光の光量の対数にほぼ比例した電圧値に変換したアナログの電気信号を生成する。対数変換部292は、生成したアナログの電気信号をA/D変換部293に供給する。
A/D変換部293は、撮像タイミング制御部294から供給される制御信号に同期して、アナログの電気信号をデジタルの画像データ(以下、単に画像とも称する)にA/D変換する。例えば、14bitの符号なし2進数のデジタルの画像データに変換される場合、画像データの輝度値(あるいは画素値)は、最も暗い0から最も明るい214−1の範囲の値をとる。A/D変換部293は、変換したデジタルの画像データを画像取得部252に供給する。
このように、対数変換型撮像素子282を用いた前方監視カメラ251は、光検出部291に入射した被写体の光の明るさ、すなわち、入射光量の対数に比例した輝度値(あるいは画素値)からなるデジタルの画像データを出力する。なお、対数変換型の撮像素子については、例えば、特表平7−506932公報などにその詳細が開示されている。
なお、対数変換型撮像素子282の光検出部291においては、変換した電荷を蓄積せずに、そのまま対数変換部292に供給させるようにすることも可能である。
図11は、対数変換型撮像素子282、CCD撮像素子、銀塩フィルム、および、人の目の感度特性を示すグラフである。図11の横軸は、入射光の照度(単位は、ルクス(lux))の対数値を示し、縦軸は入射光の照度に対する感度を示している。線301は対数変換型撮像素子282の感度特性を示し、線302はCCD撮像素子の感度特性を示し、線303は銀塩フィルムの感度特性を示し、線304は人の目の感度特性を示している。
対数変換型撮像素子282は、上述したように、入射光量の対数にほぼ比例した輝度値(あるいは画素値)からなる画像データを出力するので、入射光量が大きくなった場合でも、対数変換型撮像素子282を構成するフォトダイオードやMOSFETなどの素子の容量が飽和したり、各素子に流れる電流や印加される電圧が各素子の入力に応じた出力を行うことができる範囲を超えることがない。従って、撮像可能な輝度の範囲内において、ほぼ正確に入射光量の変動に応じた輝度値(あるいは画素値)を得ることができる。すなわち、CCD撮像素子、銀塩フィルム、および、人の目より広い、例えば、約1ミリルクスから太陽光の輝度より高い約500キロルクスまでの約170dBのダイナミックレンジで、被写体からの入射光量の強さをほぼ正確に反映した輝度値(あるいは画素値)からなる画像を撮像することができる。なお、前方監視カメラ251に用いる対数変換型撮像素子282のダイナミックレンジは、上述した170dBに限定されるものではなく、利用目的に応じて、約100dBあるいは200dBなど、必要なダイナミックレンジに対応したものを用いるようにすればよい。
従って、対数変換型撮像素子282を用いた前方監視カメラ251は、人が視認できる輝度範囲において、輝度クリッピングが発生しないため、絞りやシャッタースピードなどを調整して入射光量を調整する必要がない。すなわち、前方監視カメラ251は、入射光量を調整しなくても、被写体の詳細な輝度の分布を忠実に撮像することができる。
例えば、昼間に車内から車の前方を撮像する場合、画角内に太陽が入っていても、前方監視カメラ251は、入射光量を調整せずに、太陽と前方の道路の輝度の分布を忠実に再現した画像を撮像することができる。また、夜間に車内から車の前方を撮像する場合、対向車のヘッドライトが前方から照らされていても、前方監視カメラ251は、入射光量を調整せずに、対向車のヘッドライトの光から自車のヘッドライトに照らされていない領域までの輝度の分布を忠実に再現した画像を撮像することができる。
また、CCD撮像素子および銀塩フィルムでは、線302および線303に示されるように、ガンマ特性などの要因により感度特性が入射光の照度の対数に比例しないのに比べて、対数変換型撮像素子282では、感度特性が入射光の照度の対数にほぼ比例する。
このように、対数変換型撮像素子282を用いた前方監視カメラ251は、輝度クリッピングの発生、入射光量の調整、ガンマ特性の影響を受けない。従って、前方監視カメラ251により撮像された画像データの輝度値(あるいは画素値)は、被写体の輝度の変動および被写体の動きをほぼ忠実に反映するように変動する。すなわち、フレーム間の画像データの差分をとった差分データの各画素の差分値は、被写体の輝度の変動および被写体の動きがほぼ忠実に反映された値となる。
なお、以下、図10の前方監視カメラ251をヘッドライトシステム201に適用した場合の例について説明する。図10の前方監視カメラ251を用いることで、ヘッドライト213の照射光の輝度が高い明るい領域、ヘッドライト213の照射光の輝度が低い暗い領域、ヘッドライト213に照らされていない暗い領域、対向車のヘッドライト、街灯、工事現場の照明など、広い輝度範囲において輝度差が忠実に反映された前方監視画像を取得することができる。従って、この前方監視画像を画像処理することにより、輝度差が大きい被写体を相互に識別することが可能となる。
なお、前方監視カメラ251の輝度ダイナミックレンジを拡大するために、対数変化型の撮像素子以外の技術を適用するようにしてもよい。
図12は、周囲状態検出部231の機能的構成を示すブロック図である。周囲状態検出部231は、道路領域画像処理部321、道路状態解析部322、対向車検出部323、運転席検出部324、運転者検出部325、先行車検出部326、および、周囲状態情報出力部327を含むように構成される。
道路領域画像処理部321は、前方監視画像に対して所定の画像処理を行い、輝度値の分布の検出、エッジの検出、道路の区分線の検出、道路標識の検出、移動体の検出、静止物の検出などを行う。
道路状態解析部322は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、走行中の道路および周辺の道路の状態などの自車の周囲の状態の検出を行う。道路状態解析部322は、検出結果を示す道路状態情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
対向車検出部323は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、対向車の位置などの検出を行う。対向車検出部323は、検出結果を示す対向車情報を運転席検出部324および周囲状態情報出力部327に供給する。
運転席検出部324は、対向車情報に基づいて、所定の手法を用いて、前方監視画像における対向車の運転席の位置を検出する。運転席検出部324は、検出した対向車の運転席の位置を示す運転席情報を運転者検出部325に供給する
運転者検出部325は、運転席情報に基づいて、所定の手法を用いて、対向車の運転者の顔の検出を行う。運転者検出部325は、検出した対向車の運転手の顔の位置を示す対向車運転者情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
先行車検出部326は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法を用いて前方監視画像をさらに詳細に分析し、先行車の位置などの検出を行う。先行車検出部323は、検出結果を示す先行車情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
周囲状態情報出力部327は、道路状態情報、対向車情報、対向車運転者情報、および、先行車情報を含む周囲状態情報を照射制御部233に供給する。
図13は、照射制御部233の機能的構成を示すブロック図である。照射制御部233は、照射必要範囲検出部361、照射不適範囲検出部362、ズレ検出部363、照射パターン設定部364、および、制御信号出力部365を含むように構成される。
照射必要範囲検出部361は、図17などを参照して後述するように、周囲状態情報に基づいて、運転者が自車の周囲を確認するためにヘッドライト213により照らす必要がある範囲(以下、照射必要範囲と称する)を検出し、検出した照射必要範囲を示す情報をズレ検出部363および照射パターン設定部364に供給する。
例えば、夜間に安全に運転を行うためには、自車から自車の前方の所定の距離の範囲内あるいは所定の時間内に自車が通行する範囲内の自車線の路面、その自車線の路面から車や障害物が存在する高さまでの空間、および、その自車線の路面の左右の所定の距離の範囲内の空間(例えば、歩行者や自車線の外から自車線内に進入してくる車両、障害物などの物体が存在する可能性のある空間)を、運転者から見えるように所定の明るさの光で照らす必要がある。その所定の明るさの光で照らす必要がある範囲が、照射必要範囲である。なお、道路のカーブや勾配によって、自車から見て自車線が存在する方向は変化するので、それに応じて、照射必要範囲も変化する。
照射不適範囲検出部362は、図29などを参照して後述するように、周囲状態情報に基づいて、ヘッドライト213により照らすことが不適切な範囲(以下、照射不適範囲と称する)を検出し、検出した照射不適範囲を示す情報を照射パターン設定部364に供給する。
ヘッドライト213により照らす範囲が広いほど、運転者の視界は良好になる一方、対向車の運転者や自車の周囲の人に不必要に強い光を照射して問題が発生する場合がある。例えば、対向車の運転者の頭部がある方向や、先行車の運転者に強い光を反射する先行車のミラーがある方向には、対向車や先行車の運転者を眩惑する可能性があるので、強い光を照射すべきではない。また、自車線および自車の走行に影響を与える可能性のある物体が存在する可能性のある空間から大きく離れた方向は、安全確認のために無関係な方向であり、例えば、民家の窓などが存在する可能性があるので、強い光を照射すべきではない。このように、ヘッドライト213により強い光を照射すべきでない範囲が、照射不適範囲である。
なお、照射必要範囲から照射不適範囲に含まれる範囲を除いた範囲が目標照射範囲となる。
ズレ検出部363は、図27および図28などを参照して後述するように、照射範囲検出部232により検出されたヘッドライト213の現在の照射範囲と、照射必要範囲検出部361により検出された照射必要範囲との間のズレを検出し、検出したズレを示す情報を制御信号出力部365に供給する。
照射パターン設定部364は、照射必要範囲のうち照射不適範囲に含まれない範囲、すなわち、目標照射範囲の光量をほとんど変化させずに、照射必要範囲のうち照射不適範囲に含まれる範囲の光量を低減または0にするためのヘッドライト213の照射パターンを求め、求めた照射パターンを示す情報を制御信号出力部365に供給する。
制御信号出力部365は、照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給し、ヘッドライト213が目標照射範囲を照らすように制御する。
次に、図14のフローチャートを参照して、図8のヘッドライトシステム201により実行されるヘッドライト制御処理について説明する。なお、この処理は、例えば、自車のエンジンが始動されたとき開始される。
ステップS1において、ヘッドライト制御ECU221は、制御を開始するかを判定する。例えば、ヘッドライト制御ECU221は、自車のヘッドライト213が点灯されるまで、制御を開始しないと判定し、ヘッドライト213が点灯されたとき、制御を開始すると判定し、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、前方監視カメラ251は、前方監視画像の撮影を開始する。画像取得部252は、前方監視カメラ251により撮影された前方監視画像を取得し、周囲状態検出部231の道路領域画像処理部321、および、照射範囲検出部232に供給する処理を開始する。
ステップS3において、周囲状態検出部231は、周囲状態検出処理を実行する。周囲状態検出処理の詳細については、図16を参照して後述するが、この処理により、自車の周囲の状態が検出され、検出結果を示す周囲状態情報が照射制御部233の照射必要範囲検出部361および照射不適範囲検出部362に供給される。
ステップS4において、照射範囲検出部232は、現在の照射範囲を検出する。前方監視画像において、ヘッドライト213により照らされた領域は、ヘッドライト213から照射される光の強度、ヘッドライト213からの距離、および、領域内の光の反射率に応じた高い輝度の領域として検出される。従って、照射範囲検出部232は、前方監視画像において、ヘッドライト213により照らされている道路およびその近傍など、周囲より明るい領域を現在の照射範囲として検出する。
具体的には、照射範囲検出部232は、例えば、前方監視画像において輝度が閾値を超える領域を抽出し、現在の照射範囲とする。この閾値は、例えば、平均的な舗装された平坦な道路をヘッドライト213により照射した場合に撮影された前方監視画像における照射範囲の最大輝度の60%の値に設定される。
例えば、図15に模式的に示される夜間に撮影された前方監視画像の例においては、自車のヘッドライト213により照らされた2つの楕円により示される領域C101が、現在の照射範囲として検出される。
なお、上述したように、対数変換型撮像素子282を用いた前方監視カメラ251により撮影された前方監視画像では、被写体の詳細な輝度の分布が各画素の値にほぼ正確に反映されているため、ヘッドライト213の照射範囲を正確に検出することができる。
また、平坦な道路の場合、前方監視画像における照射範囲のうち、自車に近い路面に対応する下部の領域が最も明るく、自車から遠い上部の領域に行くほど暗くなる。従って、前方監視画像の下部ほど、照射範囲を抽出するための輝度の閾値を大きくするようにしてもよい。このように、自車からの距離に応じて閾値を定めることで、より正確に現在の照射範囲を検出することができる。
なお、自車から路面の各領域までの距離は、例えば、前方監視画像において検出される区分線の形状に基づいて求めることが可能である。具体的には、前方監視画像の下端は、自車の直前の路面であり、前方監視カメラ251からの距離は予め分かっているので、前方監視画像の下端において検出される区分線の幅は、検出される位置に基づいて求めることができる。また、自車が通行している車線(以下、自車線とも称する)の左右の区分線の前方監視画像における幅は、自車からの距離に応じて前方監視画像の上に行くほど狭くなる。従って、前方監視画像における左右の区分線の幅に基づいて、前方監視画像の各高さの路面までの距離を計算することができる。
なお、レーザレーダなどの測距手段を用いて、自車から路面の各領域までの距離をより正確に検出するようにしてもよい。
また、例えば、ヘッドライト213が、LEDなどの点滅光源を用いている場合、点灯状態のときと消灯状態のときの前方監視画像の画素の値の差分を求め、差分値に基づいて現在の照射範囲を検出するようにしてもよい。これにより、ヘッドライト213以外の光の影響を除去することができ、より正確に現在の照射範囲を検出することができる。
ところで、前方監視カメラ251が撮影する方向と範囲は、前方監視カメラ251の取り付け位置、および、レンズが向いている方向によって決定される。従って、前方監視画像において検出される物体の自車からの実際の距離および方向は、前方監視画像上における該物体の位置から求めることができる。従って、照射範囲検出部232は、例えば、前方監視画像上の位置に基づいて、現在の照射範囲の位置として自車からの実際の距離および方向を求める。
照射範囲検出部232は、検出した照射範囲を示す情報を照射制御部233に供給する。
ステップS5において、照射制御部233は、照射範囲ズレ検出処理を実行する。照射範囲ズレ検出処理の詳細については、図17を参照して後述するが、この処理により、ヘッドライト213の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレが検出される。
ステップS6において、ヘッドライト制御システム212は、照射範囲制御処理を実行する。照射範囲制御処理の詳細については、図29を参照して後述するが、この処理により、目標照射範囲を照らすようにヘッドライト213の照射範囲が制御される。
ステップS7において、ヘッドライト制御ECU221は、制御を終了するかを判定する。制御を終了しないと判定された場合、処理はステップS3に戻り、ステップS3以降の処理が実行される。
一方、例えば、ヘッドライト213が消灯されるか、または、自車のエンジンが停止された場合、ステップS7において、制御を終了すると判定され、ヘッドライト制御処理は終了する。
次に、図16のフローチャートを参照して、図14のステップS3の周囲状態検出処理の詳細について説明する。
ステップS21において、道路領域画像処理部321は、画像処理を行う。具体的には、道路領域画像処理部321は、前方監視画像に対して所定の画像処理を行い、輝度値の分布の検出、エッジの検出、道路の区分線の検出、道路標識の検出、移動体の検出、静止物の検出などを行う。例えば、上述した図15の前方監視画像においては、自車および対向車401が走行中の道路であって、前方で右方向にカーブする道路の両端の区分線402L,402R、および、センターライン403が検出される。そのうち、自車が走行する領域の左側の境界の区分線402Lと右側の境界のセンターライン403との間の車線が自車線として検出される。また、片側1車線の道路では、自車が走行する領域の右側のセンターライン403と、さらに右側の区分線402Rとの間の車線が対向車線として検出される。
道路領域画像処理部321は、画像処理の結果を示す情報を道路状態解析部322、対向車検出部323、および、先行車検出部326に供給する。
ステップS22において、道路状態解析部322は、道路状態を解析する。具体的には、道路状態解析部322は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、走行中の道路および周辺の道路の状態などの自車の周囲の状態の検出を行う。道路状態解析部322は、検出結果を示す道路状態情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
なお、道路状態情報は、少なくとも、自車に対する自車線の位置および進行方向、幅、形状などを含む。また、以下に示す情報を検出して、道路情報に含めるようにすることが可能である。
・隣接する車線に関する情報(例えば、車線の幅、自車に対する位置および進行方向、形状など)
・対向車線に関する情報(例えば、車線の幅、自車に対する位置および進行方向、形状など)
・歩道に関する情報(例えば、自車に対する歩道の位置および進行方向、幅など)
・障害物に関する情報(例えば、障害物の種類、自車に対する位置および進行方向、形状、大きさ、速度など)
・ガードレール、道路標識、交通信号機など道路に付帯する物に関する情報(例えば、付帯物の種類、自車に対する位置、形状、大きさなど)
・周囲の歩行者、自転車に関する情報(例えば、自車に対する歩行者または自転車の位置および進行方向、速度など)
・走行中の道路と交差する道路に関する情報(例えば、自車に対する道路の位置、幅、方向、車線の位置など)
・走行中の道路と交差する道路を走行する車両に関する情報(例えば、自車に対する車両の位置および進行方向、形状、大きさ、速度など)
・道路の周辺にあるもの(例えば、建物、家屋、店舗、公園など)に関する情報(例えば、ものの種類、自車に対する位置、形状、大きさなど)
・周囲の環境に関する情報(例えば、天候、空の色、明るさなど)
・路面の状態に関する情報(例えば、舗装/未舗装、乾燥/非乾燥、舗装の種類、凹凸の程度など)
上述したように、前方監視画像において検出される物体の自車からの実際の距離および方向は、前方監視画像上における該物体の位置から求めることができるため、道路状態解析部322は、例えば、前方監視画像上の位置に基づいて、道路状態情報に含まれる各物体の位置として自車からの実際の距離および方向を求める。
ステップS23において、対向車検出部323は、対向車の検出処理を行う。具体的には、対向車検出部323は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、対向車の位置などの検出を行う。
例えば、昼間の場合、対向車検出部323は、車両の前方の形状の特徴を用いて、前方監視画像に写っている対向車の検出を行う。
また、例えば、夜間の場合、対向車検出部323は、前方監視画像において、ヘッドライトの形状に類似した強い光が写っている領域を検出することにより、ヘッドライトが点灯した対向車の検出を行う。例えば、上述した図15の前方監視画像の場合、対向車401の左右のヘッドライト411L,411Rの光を検出することにより、対向車401が検出される。なお、この場合、強い光が検出された位置が、対向車線付近であるか否かを判定することにより、ヘッドライトと街灯などの他の光とを識別することができ、検出精度を高めることができる。
上述したように、前方監視画像において検出される物体の自車からの実際の距離および方向は、前方監視画像上における該物体の位置から求めることができるため、対向車検出部323は、例えば、前方監視画像上の位置に基づいて、対向車の位置として自車からの実際の距離および方向を求める。
対向車検出部323は、検出結果を示す対向車情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
なお、対向車の検出方法は、特定の方法に限定されるものではなく、より正確、迅速、かつ、簡単に対向車を検出できる方法を適用することが望ましい。また、複数台の対向車を一度に検出するようにしてもよい。
ステップS24において、対向車検出部323は、ステップS23の処理の結果に基づいて、対向車が検出されたかを判定する。対向車が検出されたと判定された場合、処理はステップS25に進む。
ステップS25において、運転席検出部324は、対向車の運転席を検出する。具体的には、対向車検出部323は、対向車情報を運転席検出部324に供給する。運転席検出部324は、ステアリングホイール、インストルメントパネルを設けるためのダッシュボードの突起などの運転席の特徴に基づいて、前方監視画像における対向車の運転席の位置を検出する。運転席検出部324は、検出した対向車の運転席の位置を示す運転席情報を運転者検出部325に供給する。
なお、対向車の運転席の検出方法は、特定の方法に限定されるものではなく、より正確、迅速、かつ、簡単に対向車の運転席を検出できる方法を適用することが望ましい。
ステップS26において、運転者検出部325は、対向車の運転者の顔を検出する。具体的には、例えば、運転者検出部325は、運転席検出部324より検出された対向車の運転席付近において、人の顔の認識処理を行うことにより、対向車の運転者の顔の検出を行う。
上述したように、前方監視画像において検出される物体の自車からの実際の距離および方向は、前方監視画像上における該物体の位置から求めることができるため、運転者検出部325は、例えば、前方監視画像上の位置に基づいて、対向車の運転者の顔の位置として自車からの実際の距離および方向を求める。
運転者検出部325は、検出した対向車の運転手の顔の位置を示す対向車運転者情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
なお、対向車の運転者の顔の検出方法は、特定の方法に限定されるものではなく、より正確、迅速、かつ、簡単に対向車の運転者の顔を検出できる方法を適用することが望ましい。
また、例えば、検出精度は落ちるが、対向車の運転席の平均的な高さに運転者の顔があるものとして、運転者の顔の位置を特定するようにしてもよい。
一方、ステップS24において、対向車が検出されなかったと判定された場合、ステップS25およびS26の処理はスキップされ、処理はステップS27に進む。
ステップS27において、先行車検出部326は、先行車の検出処理を行う。具体的には、先行車検出部326は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、先行車の位置などの検出を行う。
例えば、昼間の場合、先行車検出部326は、車両の後方の形状の特徴を用いて、前方監視画像に写っている先行車の検出を行う。
また、例えば、夜間の場合、先行車検出部326は、前方監視画像において、テールランプの形状に類似した強い光が写っている領域を検出することにより、テールランプが点灯した先行車の検出を行う。なお、この場合、強い光が検出された位置が、自車線内であるか否かを判定することにより、テールランプと街灯などの他の光とを識別することができ、検出精度を高めることができる。
さらに、先行車検出部326は、自車のヘッドライト213の光を先行車の運転者の顔の方向に反射する可能性のある、ルームミラー、ドアミラー、バックミラーなどの先行車の反射体の検出を行う。
上述したように、前方監視画像において検出される物体の自車からの実際の距離および方向は、前方監視画像上における該物体の位置から求めることができるため、先行車検出部326は、例えば、前方監視画像上の位置に基づいて、先行車および先行車の反射体の位置として自車からの実際の距離および方向を求める。
先行車検出部326は、検出結果を示す先行車情報を周囲状態情報出力部327に供給する。
なお、先行車および先行車の反射体の検出方法は、特定の方法に限定されるものではなく、より正確、迅速、かつ、簡単に先行車および先行車の反射体を検出できる方法を適用することが望ましい。また、複数台の先行車を一度に検出するようにしてもよい。
ステップS28において、周囲状態情報出力部327は、周囲状態情報を出力し、周囲状態検出処理は終了する。具体的には、周囲状態情報出力部327は、道路状態情報、対向車情報、対向車運転者情報、および、先行車情報を含む周囲状態情報を照射制御部233の照射必要範囲検出部361および照射不適範囲検出部362に供給する。
次に、図17のフローチャートを参照して、図14のステップS5の照射範囲ズレ検出処理の詳細について説明する。
ステップS41において、照射必要範囲検出部361は、照射必要範囲を検出する。
図18は、自車が平坦な直線道路の車線のほぼ中央を一定の速度で走行している場合における、前方監視カメラ251の撮影範囲R11とヘッドライト213の照射範囲L11との関係を、横方向から見て模式的に表した図であり、図19は、そのときに撮影される前方監視画像を模式的に表した図である。なお、図19において、区分線S111LとセンターラインS111Cの間の車線が自車線であり、センターラインS111Cと区分線S111Rの間の車線が対向車線である。
自車のヘッドライト213の光軸が適切に調整されている場合、図18および図19に示される照射範囲が、平坦路における適切な照射範囲となる。すなわち、図18に示されるように、ヘッドライト213の照射範囲が前方監視カメラ251から点線で示される方向に見え、自車線の左右方向のほぼ中央を中心とする自車から適切な距離だけ離れた領域を照らしている、図19の2つの点線の楕円により示される照射範囲C111が前方監視画像において検出される場合、ヘッドライト213の照射範囲が適切な範囲であると言える。
一方、自車が現在走行している路面と前方の路面とが平坦でない場合、例えば、前方が上り坂または下り坂になっている場合、ヘッドライト213の照射範囲は、適切な範囲から前後方向にずれる。
図20は、前方が上り坂になっている場合の、前方監視カメラ251の撮影範囲R21とヘッドライト213の照射範囲L21との関係を、横方向から見て模式的に表した図であり、図21は、そのときに撮影される前方監視画像を模式的に表した図である。なお、図21において、区分線S121LとセンターラインS121Cの間の車線が自車線であり、センターラインS121Cと区分線S121Rの間の車線が対向車線である。また、図21の点線の補助線は、前方の道路が平坦な場合の道路の位置、すなわち、図19の道路と同じ位置を示している。
この場合、運転者から見て、ヘッドライト213の照射方向は適切な方向から下にずれ、照射範囲は適切な範囲から手前にずれる。すなわち、ヘッドライト213により適切な場合よりも近くが照らされ、図21の照射範囲C121は、図19の照射範囲C111と比較して面積が狭くなり、運転者の視認が困難な領域が増える。
また、図示はしないが、前方が下り坂になっている場合、運転者から見て、ヘッドライト213の照射方向は適切な方向から上にずれ、照射範囲は適切な範囲から遠くにずれる。すなわち、ヘッドライト213により適切な場合よりも遠くが照らされ、照射範囲は、図19の照射範囲C111と比較して面積が広くなり、必要以上の範囲がヘッドライト213により照らされる。この状態で対向車が近づいてきた場合、ヘッドライト213の強い光が対向車の運転者の目に入り、対向車の運転者を眩惑させたり、ヘッドライト213の強い光がミラーなどにより反射され、先行車の運転者の目に入り、先行車の運転者を眩惑させたりしてしまう恐れがある。
さらに、図22に示されるように、前方が右カーブになっている場合、運転者から見て、ヘッドライト213の照射方向は適切な方向から左にずれ、照射範囲C131は適切な範囲から左にずれる。従って、図19の照射範囲C111と比較して、自車がこれから通る道路が照らされる面積が狭くなり、運転者の視認が困難な領域が増える。なお、図22において、区分線S131LとセンターラインS131Cの間の車線が自車線であり、センターラインS131Cと区分線S131Rの間の車線が対向車線である。
また、図示はしないが、前方が左カーブになっている場合、運転者から見て、ヘッドライト213の照射方向は適切な方向から右にずれ、照射範囲は適切な範囲から右にずれる。従って、図19の照射範囲C111と比較して、自車がこれから通る道路が照らされる面積が狭くなり、運転者の視認が困難な領域が増える。
そこで、照射必要範囲検出部361は、自車がこれから通る領域のうち所定の範囲内の領域、および、その領域内に移動してくる移動物体(例えば、車両や歩行者など)あるいは静止している障害物などが存在する可能性があり、安全を確保するために確認が必要である近傍の領域を照射必要範囲として検出する。
例えば、照射必要範囲検出部361は、周囲状態情報に基づいて、自車の前方の自車線内の所定の範囲内の領域(以下、照射必要道路領域とも称する)、および、照射必要道路領域の近傍の所定の範囲の領域を含む範囲を照射必要範囲として検出する。なお、照射必要範囲道路領域は、例えば、現在の自車の位置から自車の進行方向において所定の距離先(例えば、30m先)までの自車線内の領域、または、現在の自車の位置から自車の進行方向において所定の時間内(例えば、5秒以内)に自車が走行する距離先までの自車線内の領域に設定される。
例えば、図23に示されるように、自車が平坦な直線道路を走行している場合、上述した図3の照射範囲C11と同様の照射範囲C151が照射必要範囲として検出される。なお、図23において、区分線S151LとセンターラインS151Cの間の車線が自車線であり、センターラインS151Cと区分線S151Rの間の車線が対向車線である。また、車両421は、対向車線を走行する対向車を示している。
また、例えば、図24に示されるように、自車が、前方が下り坂になっている直進道路を走行している場合、照射必要道路領域は、平坦な直線道路を走行している場合と比較して、上下方向において下方向の範囲となる。従って、図24の照射必要範囲C161は、図23の照射必要範囲C151と比較して、下方向に移動する。なお、図24において、区分線S161LとセンターラインS161Cの間の車線が自車線であり、センターラインS161Cと区分線S161Rの間の車線が対向車線である。また、車両431は、対向車線を走行する対向車を示している。
さらに、例えば、図25に示されるように、自車が、前方が右にカーブしている平坦路を走行している場合、照射必要道路領域は、平坦な直線道路を走行している場合と比較して、左右方向において右方向の範囲となる。従って、図25の照射必要範囲C171は、図23の照射必要範囲C151と比較して、右方向に移動する。なお、図25において、区分線S171LとセンターラインS171Cの間の車線が自車線であり、センターラインS171Cと区分線S171Rの間の車線が対向車線である。
また、例えば、図26に示されるように、自車が、前方が下り坂で右にカーブしている道路を走行している場合、照射必要道路領域は、平坦な直線道路を走行している場合と比較して、上下方向において下方向、かつ、左右方向において右方向の範囲となる。従って、図26の照射必要範囲C181は、図23の照射必要範囲C151と比較して、下方向かつ右方向に移動する。なお、図26において、区分線S181LとセンターラインS181Cの間の車線が自車線であり、センターラインS181Cと区分線S181Rの間の車線が対向車線である。
照射必要範囲検出部361は、検出した照射必要範囲を示す情報をズレ検出部363および照射パターン設定部364に供給する。
図17に戻り、ステップS42において、ズレ検出部363は、上下方向ズレ検出処理を実行する。上下方向ズレ検出処理の詳細については、図27を参照して後述するが、この処理により、ヘッドライト213の現在の照射範囲と照射必要範囲との間の上下方向のズレが検出される。
ステップS43において、ズレ検出部363は、左右方向ズレ検出処理を実行し、照射範囲ズレ検出処理は終了する。左右方向ズレ検出処理の詳細については、図28を参照して後述するが、この処理により、ヘッドライト213の現在の照射範囲と照射必要範囲との間の左右方向のズレが検出される。
次に、図27のフローチャートを参照して、図17のステップS42の上下方向ズレ検出処理の詳細について説明する。
ステップS61において、ズレ検出部363は、照射必要範囲の方向の上下方向の角度を求める。具体的には、ヘッドライト213が点光源である場合、ズレ検出部363は、例えば、照射必要範囲に最も近い範囲を照射することが可能なヘッドライト213の光軸の方向を、照射必要範囲の方向(以下、照射必要方向とも称する)として求める。そして、ズレ検出部363は、自車の車体の水平面に対する照射必要方向の上下方向の角度を求める。
また、ヘッドライト213が多光源である場合、ズレ検出部363は、例えば、照射必要範囲の重心の位置を求め、左右の各ヘッドライト213のレンズの中心を結ぶ線分の中点から照射必要範囲の重心に向かう方向を、照射必要方向として求める。そして、ズレ検出部363は、自車の車体の水平面に対する照射必要方向の上下方向の角度を求める。
ステップS62において、ズレ検出部363は、現在の照射範囲の方向の上下方向の角度を求める。具体的には、ヘッドライト213が点光源である場合、ズレ検出部363は、例えば、現在のヘッドライト213の光軸の方向を、現在の照射方向として求める。そして、ズレ検出部363は、自車の車体の水平面に対する現在の照射方向の上下方向の角度を求める。
また、ヘッドライト213が多光源である場合、ズレ検出部363は、例えば、現在の照射範囲の重心の位置を求め、左右の各ヘッドライト213のレンズの中心を結ぶ線分の中点から照射必要範囲の重心に向かう方向を、現在の照射方向として求める。そして、ズレ検出部363は、自車の車体の水平面に対する現在の照射方向の上下方向の角度を求める。
ステップS63において、ズレ検出部363は、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向を比較する。すなわち、ズレ検出部363は、ステップS61において求めた照射必要方向の上下方向の角度と、ステップS62において求めた現在の照射方向の上下方向の角度とを比較する。
ステップS64において、ズレ検出部363は、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向が一致するかを判定する。ズレ検出部363は、照射必要方向の上下方向の角度と現在の照射方向の上下方向の角度との差が所定の範囲を超える場合、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向が一致しないと判定し、処理はステップS65に進む。
ステップS65において、ズレ検出部363は、上下方向のズレを通知して、上下方向ズレ検出処理は終了する。具体的には、ズレ検出部363は、照射必要方向の上下方向の角度と現在の照射方向の上下方向の角度との差を示す情報を制御信号出力部365に供給する。
一方、ステップS64において、ズレ検出部363は、照射必要方向の上下方向の角度と現在の照射方向の上下方向の角度との差が所定の範囲内である場合、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向が一致すると判定し、処理はステップS66に進む。
ステップS66において、ズレ検出部363は、上下方向のズレがないことを通知して、上下方向ズレ検出処理は終了する。具体的には、ズレ検出部363は、照射必要方向と現在の照射方向との間に上下方向のズレがないことを示す情報を制御信号出力部365に供給する。
次に、図28のフローチャートを参照して、図17のステップS43の左右方向ズレ検出処理の詳細について説明する。
ステップS81において、ズレ検出部363は、照射必要範囲の方向の左右方向の角度を求める。具体的には、ズレ検出部363は、上述した図27のステップS61において求めた照射必要方向の自車の進行方向に対する左右方向の角度を求める。
ステップS82において、ズレ検出部363は、現在の照射範囲の方向の左右方向の角度を求める。具体的には、ズレ検出部363は、上述した図27のステップS62において求めた現在の照射方向の自車の進行方向に対する左右方向の角度を求める。
ステップS83において、ズレ検出部363は、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向を比較する。すなわち、ズレ検出部363は、ステップS81において求めた照射必要方向の左右方向の角度と、ステップS82において求めた現在の照射方向の左右方向の角度とを比較する。
ステップS84において、ズレ検出部363は、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向が一致するかを判定する。ズレ検出部363は、照射必要方向の左右方向の角度と現在の照射方向の左右方向の角度との差が所定の範囲を超える場合、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向が一致しないと判定し、処理はステップS85に進む。
ステップS85において、ズレ検出部363は、左右方向のズレを通知して、左右方向ズレ検出処理は終了する。具体的には、ズレ検出部363は、照射必要方向の左右方向の角度と現在の照射方向の左右方向の角度との差を示す情報を制御信号出力部365に供給する。
一方、ステップS84において、ズレ検出部363は、照射必要方向の左右方向の角度と現在の照射方向の左右方向の角度との差が所定の範囲内である場合、照射必要範囲と現在の照射範囲の方向が一致すると判定し、処理はステップS86に進む。
ステップS86において、ズレ検出部363は、左右方向のズレがないことを通知して、左右方向ズレ検出処理は終了する。具体的には、ズレ検出部363は、照射必要方向と現在の照射方向との間に左右方向のズレがないことを示す情報を制御信号出力部365に供給する。
次に、図29のフローチャートを参照して、図14のステップS6の照射範囲制御処理の詳細について説明する。
ステップS101において、制御信号出力部365は、照射範囲の上下方向のズレを補正するための照射角度を求める。具体的には、制御信号出力部365は、現在のヘッドライト213の照射方向、および、検出された照射必要範囲と現在の照射範囲の方向の上下方向のズレに基づいて、現在の照射範囲と照射必要範囲との上下方向のズレを補正するためのヘッドライト213の上下方向の照射角度を求める。
ステップS102において、制御信号出力部365は、照射範囲の左右方向のズレを補正するための照射角度を求める。具体的には、制御信号出力部365は、現在のヘッドライト213の照射方向、および、検出された照射必要範囲と現在の照射範囲の方向の左右方向のズレに基づいて、現在の照射範囲と照射必要範囲との左右方向のズレを補正するためのヘッドライト213の左右方向の照射角度を求める。
ステップS103において、照射不適範囲検出部362は、周囲状態情報に基づいて、対向車が存在するかを判定する。対向車が存在すると判定された場合、処理はステップS104に進む。
ステップS104において、照射不適範囲検出部362は、対向車に対応する照射不適範囲を検出する。具体的には、照射不適範囲検出部362は、周囲状態情報に示される対向車の運転者の顔の位置に基づいて、対向車の運転者の顔およびその周辺を含む範囲を照射不適範囲として検出する。照射不適範囲検出部362は、検出した照射不適範囲を示す情報を照射パターン設定部364に供給する。
なお、照射不適範囲が広くなるが、例えば、対向車の運転席付近を照射不適範囲として検出するようにするようにしてもよい。この場合、上述した図16のステップS26の処理を省略することが可能となる。
また、照射不適範囲が広くなるが、例えば、対向車の所定の一部または全部を照射不適範囲として検出するようにするようにしてもよい。この場合、上述した図16のステップS25およびS26の処理を省略することが可能となる。
一方、ステップS103において、対向車が存在しないと判定された場合、ステップS104の処理はスキップされ、処理はステップS105に進む。
ステップS105において、照射不適範囲検出部362は、周囲状態情報に基づいて、先行車が存在するかを判定する。先行車が存在すると判定された場合、処理はステップS106に進む。
ステップS106において、照射不適範囲検出部362は、先行車に対応する照射不適範囲を検出する。具体的には、照射不適範囲検出部362は、周囲状態情報に示される先行車に取り付けられている反射体の位置に基づいて、先行車の反射体およびその周辺を含む範囲を照射不適範囲として検出する。照射不適範囲検出部362は、検出した照射不適範囲を示す情報を照射パターン設定部364に供給する。
なお、照射不適範囲が広くなるが、例えば、先行車の所定の一部または全部を照射不適範囲として検出するようにしてもよい。
一方、ステップS105において、対向車が存在しないと判定された場合、ステップS106の処理はスキップされ、処理はステップS107に進む。
ステップS107において、照射パターン設定部364は、照射パターンを設定する。具体的には、照射パターン設定部364は、照射必要範囲のうち照射不適範囲に含まれない範囲の光量をほとんど変化させずに、照射必要範囲のうち照射不適範囲に含まれる範囲の光量を低減または0にするためのヘッドライト213の照射パターンを求める。照射パターン設定部364は、求めた照射パターンを示す情報を制御信号出力部365に供給する。
なお、ステップS107の処理は、ヘッドライト213が点光源であり、照射パターンを変更することができない場合、省略することが可能である。
ステップS108において、ヘッドライト制御システム212は、照射範囲を制御し、照射範囲制御処理は終了する。具体的には、例えば、ヘッドライト213が点光源である場合、制御信号出力部365は、ヘッドライト213の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するために、ステップS101およびS102において求められた上下および左右方向の照射角度に対応した方向にヘッドライト213の光軸の方向を移動させるように指示する照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給する。ヘッドライト駆動装置222は、供給された照射範囲制御信号に従って、ヘッドライト213の光軸を上下または左右方向に回転させ、指示された方向と一致させる。ヘッドライト213により照射必要範囲が照らされるようになる。
なお、ヘッドライト213が点光源である場合、照射パターンの制御はできないため、照射必要範囲に照射不適範囲が含まれる場合、照射不適範囲を照射範囲から除くように、ヘッドライト213の光軸を回転させるようにしてもよい。
また、例えば、ヘッドライト213が多光源である場合、制御信号出力部365は、ヘッドライト213の現在の照射範囲と照射必要範囲との間のズレを補正するとともに、照射不適範囲に照射される光量を低減させるために、ステップS101およびS102において求められた上下および左右方向の照射角度に対応する方向を中心とする方向を照射するとともに、照射パターン設定部364により設定された照射パターンでヘッドライト213を点灯させるように指示する照射範囲制御信号をヘッドライト駆動装置222に供給する。
例えば、ヘッドライト213が、LEDなど個々の光源の照射方向が固定されている光源により構成されている場合、ヘッドライト駆動装置222は、供給された照射範囲制御信号に従って、ヘッドライト213が、ステップS101およびS102において求められた上下および左右方向の照射角度に対応する方向を中心とする方向に光を照射するとともに、設定されたパターンで点灯するように、ヘッドライト213の各光源の光量を調整する。これにより、ヘッドライト213により照射必要範囲が照射されるとともに、照射不適範囲の光量が低減または0にされる。
また、例えば、ヘッドライト213が、マイクロミラーなど個々の光源の照射方向が可変である光源により構成されている場合、ヘッドライト駆動装置222は、供給された制御信号に従って、ヘッドライト213が、ステップS101およびS102において求められた上下および左右方向の照射角度に対応する方向を中心とする方向に光を照射するとともに、設定されたパターンで点灯するように、ヘッドライト213の各光源の光量および照射方向を調整する。これにより、ヘッドライト213により照射必要範囲が照射されるとともに、照射不適範囲の光量が低減または0にされる。
なお、ヘッドライト213は、一般的にハイビームに設定されている場合とロービームに設定されている場合とで、光量および照射範囲が異なるため、制御信号出力部365が、それぞれの場合に応じて、照射方向および各光源の光量の制御を行うようにすることも可能である。例えば、ハイビームの場合、ロービームの場合よりも照射範囲が広いので、照射方向を変化させる角度がより少なくなるように制御したり、ハイビームの場合、ロービームの場合と比較して、対向車の運転者に与える影響が大きいので、対向車の運転者に照射される光量がより少なくなるように制御したりすることが考えられる。
以上のようにして、例えば、上述した図24に示されるように、自車が、前方が下り坂になっている直進道路を走行している場合、ヘッドライト213の照射方向が適切な方向より上を向いており、照射範囲が適切な範囲より遠方にずれていることが検出され、それに応じて、ヘッドライト213の照射範囲が自車に近づくように制御される。その結果、図24に示されるように、前方の下り坂において自車から適切な距離だけ離れた照射範囲C161に光が照射され、自車の運転者の確認が必要な適切な位置が明るく照らされる。また、対向車431の運転者の目にヘッドライト213の強い光が照射され、対向車431の運転者が眩惑されることが防止される。
また、例えば、上述した図25に示されるように、自車が、前方が右にカーブしている平坦路を走行している場合、ヘッドライト213の照射方向が適切な方向より左を向いており、照射範囲が適切な範囲より左にずれていることが検出され、それに応じて、ヘッドライト213の照射範囲が右に移動するように制御される。その結果、図25に示されるように、前方の右方向にカーブしている自車線のほぼ中央を中心とする照射範囲C171に光が照射され、自車の運転者の確認が必要な適切な位置が明るく照らされる。
さらに、例えば、上述した図26に示されるように、自車が、前方が下り坂で右にカーブしている道路を走行している場合、ヘッドライト213の照射方向が適切な方向より左上を向いており、照射範囲が適切な範囲より左かつ遠方にずれていることが検出され、それに応じて、ヘッドライト213の照射範囲が右かつ自車に近づくように制御される。その結果、図26に示されるように、前方の右方向にカーブしている自車線のほぼ中央を中心とし、前方の下り坂において自車から適切な距離だけ離れた照射範囲C181に光が照射され、自車の運転者の確認が必要な適切な位置が明るく照らされる。
このように、自車がこれから進行する道路の傾斜が上下に変化したり、道路の方向が左右に変化したりした場合、自車が道路の傾斜または方向が変化する位置に到達する前に、ヘッドライト213の照射範囲が、その変化に迅速に追従するように制御される。
また、従来のハイビームとロービームだけの切換えと比較して、照射範囲をきめ細かく制御することができる。
なお、以上の例は、ヘッドライトシステム201の実施の形態の一例であり、他にも、多数の形態が考えられる。以下にその例を示す。
例えば、ヘッドライト213にRGBの3色の光源を用いて、現在の照射範囲と目標照射範囲とのズレに応じて、各照射方向の光の色、スペクトル分布などを制御するようにしてもよい。
また、対向車の検出結果に基づいて、対向車線を検出し、対向車線と判定された車線の方向とは逆の方向に照射範囲をシフトするようにしてもよい。これにより、対向車の運転者を眩惑することが防止される。この場合、対向車が存在しないときには、対向車線を検出することはできないが、対向車が存在しないため、特に対向車線に対する照射範囲の制御を行う必要はない。
さらに、ヘッドライト213が、ハイビームおよびロービームの切換えしかできない場合、例えば、ハイビームおよびロービームのうち、照射範囲がより目標照射範囲に近い方を選択するように制御することが考えられる。この方法は、ヘッドライト213が、ハイビームおよびロービームの2つの状態だけでなく、3つ以上の状態に設定可能な場合にも適用することができる。
また、道路の状態に応じて、より詳細に照明範囲を制御するようにしてもよい。
例えば、高速道路を走行中の場合、一般道路を走行中の場合と比較して、走行速度が速く、車間距離が長くなるので、運転者がより遠くまで確認できるよう、より遠くまで照らすように照射範囲を制御することが考えられる。
また、例えば、市街地を走行中の場合、郊外を走行中の場合と比較して、対向車が多いため、対向車の運転者の顔が存在する可能性がある方向を強い光で照射しないように制御し、郊外を走行中の場合、市街地を走行中の場合と比較して、遠くまで照らすように制御することが考えられる。
さらに、例えば、山岳道路を走行中の場合、カーブが多く、突然対向車が現れる可能性が高いため、市街地などを走行している場合と比較して、下方向を照らすとともに、左右方向を広く照らすように照射範囲を制御することが考えられる。
また、ヘッドライト213の照射範囲を検出するための閾値を高く設定し、検出される照射範囲を実際の照射範囲より狭くするようにしてもよい。これにより、道路の形状や傾き、障害物などにより発生する、検出される照射範囲の形状の変化が小さく抑えられ、より正確に照射範囲を制御することが可能になる。
さらに、上述したように、自車線を基準にして照射必要範囲を検出するようにした場合、例えば、車線を変更するときなど2つの車線をまたいで走行しているときには、自車線を特定できず、照射必要範囲を適切に検出できない可能性がある。
この場合、例えば、前方監視画像の下端において、自車の左右の車輪の間に道路の区分線が検出されたとき、自車が車線をまたいでいると判定する。自車が車線をまたいでいる場合、例えば、自車が直前に走行していた車線、または、車体のより多くの部分を含む車線など、いずれか一方の車線を選択し、選択した車線を自車を中心とする位置に移動させた仮想的な車線を基準にして、照射必要範囲を検出することが考えられる。
また、車線をまたいでいる場合に、またいでいる2つの車線のうちいずれかの車線で対向車が検出されたときには、対向車が検出された車線を対向車線と判定し、対向車線の方向から対向車線でない車線の方向に照射範囲を移動させるように制御することも考えられる。
さらに、照射必要範囲の定義および検出方法は、上述した定義および検出方法に限定されるものではない。例えば、上述したように前方の自車線の形状に沿って正確に照射必要範囲を検出する必要はない。
例えば、前方の自車線の左右の方向を、曲率が所定の値以上の左方向の急カーブ、曲率が所定の値未満の緩やかな左カーブ、直線道路、曲率が所定の値未満の緩やかな右カーブ、曲率が所定の値以上の右方向の急カーブの5種類に分類し、前方の自車線の上下の方向を、所定の値以上の勾配の上り坂、平坦な道路、所定の値以上の勾配の下り坂の3種類に分類する。そして、前方の自車線の状態を、左右方向の5種類×上下方向の3種類の合計15通りに分類し、各状態に対して予め照射必要範囲を定義しておき、前方の道路の状態に応じて、照射必要範囲を設定するようにしてもよい。
また、ヘッドライト213が多光源である場合、異なるタイミングで個々の光源を点灯させるように制御して、個々の光源が点灯したタイミングで撮影された前方監視画像を画像処理することにより、それぞれの光源の照射範囲を個別に検出することができる。これにより、例えば、左右のヘッドライト213の照射範囲を個別に検出することができる。同様の方法により、フォグライトやコーナーライトなど補助的に組み合わせされるライトの照射範囲をそれぞれ個別に検出することが可能になる。
あるいは、全ての光源が点灯したタイミングで撮影された前方監視画像を画像処理することにより、全ての光源により照射された照射範囲をまとめて検出することも可能である。
また、以上の説明では、前方監視画像を画像処理することにより、照射範囲を検出する例を示したが、例えば、前方の道路の状態を検出する複数の周囲情報センサを組み合わせて、前方の道路を検出し、照射範囲を検出するようにしてもよい。
さらに、以上の説明では、適切な照射範囲と現在の照射範囲とのズレを、照射必要範囲を検出し、照射必要範囲と現在の照射範囲のズレにより検出する例を示したが、以下に述べるように、照射必要範囲を検出せずに、適切な照射範囲と現在の照射範囲とのズレを求めることが可能である。
上述した図21に示されるように、ヘッドライト213により照射される路面が、自車が現在走行している路面の傾斜と異なり上り坂になっている場合、ヘッドライト213の照射範囲が前方監視カメラ251から見える位置および方向が変化する。そして、前方監視画像におけるヘッドライト213の照射範囲C121は、図19の照射範囲C111と比較して、上下方向の幅が狭くなる。また、照射範囲C121の重心は、照射範囲C111と比較して、前方監視画像上で下に移動する。逆に、図示はしないが、前方が下り坂の場合の照射範囲は、図19の照射範囲C111と比較して、上下方向の幅が広くなり、重心は、照射範囲C111と比較して、前方監視画像上で上に移動する。
この照射範囲の重心の位置が変化する程度は、前方監視カメラ251の取り付け位置、光軸方向、および、撮影範囲、並びに、ヘッドライト213の光を投射する範囲、および、光軸方向によって決まる。また、ヘッドライト213の照射範囲は、自車と路面との位置関係に応じて変化する。従って、前方が平坦な路面の場合の前方監視画像において想定されるヘッドライト213の照射範囲の重心の位置と、実際に前方監視画像において検出されたヘッドライト213の照射範囲の重心の位置との差に基づいて、前方の路面の傾きの程度に応じた照射範囲のズレを検出することができる。
なお、この場合、照射範囲のズレの検出に用いる照射範囲の重心として、例えば、照射範囲の形状、または、照射範囲の輝度値の分布に基づいて検出した重心を用いることが可能である。
また、前方の路面の傾きを、前方監視画像において検出される車線の形状に基づいて検出するようにすることも可能である。例えば、上述した図21に示されるように、前方の道路のうち上り坂の部分は、前方の道路が平坦な場合と比較して、自車線の左右の区分線の間の角度が小さくなる。また、図示はしないが、前方の道路が下り坂になっている場合、前方の道路のうち下り坂の部分は、前方の道路が平坦な場合と比較して、自車線の左右の区分線の間の角度が大きくなる。従って、走行中の道路が直進している場合、前方監視画像における自車線の左右の区分線の間の角度を求めることで、前方の路面の傾きを求めることができる。そして、前方の路面の傾きに基づいて、ヘッドライト213の照射範囲が適切な照射範囲に対してどの程度ずれているかを計算することができる。
また、図30に示されるように、前方監視画像において検出されるヘッドライト213の照射範囲C201の上下方向のほぼ中央における自車線の幅W11は、ヘッドライト213の照射範囲が適切な位置から手前にずれた場合、すなわち、適切な位置より近くを照らした場合、照射範囲が適切な場合と比較して広くなり、ヘッドライト213の照射範囲が適切な位置から後ろにずれた場合、すなわち、適切な位置より遠くを照らした場合、照射範囲が適切な場合と比較して狭くなる。従って、車線幅W11を、適切な照射範囲の場合の値と比較することにより、照射範囲の前後方向のズレの有無および程度を検出することができる。なお、図30において、区分線S201LとセンターラインS201Cの間の車線が自車線であり、センターラインS201Cと区分線S201Rの間の車線が対向車線である。また、車両451は、対向車線を走行する対向車を示している。
なお、この場合、照射範囲内の自車線の幅を2カ所以上で検出し、検出した車線幅に基づいて、照射範囲の前後方向のズレを検出するようにしてもよい。例えば、図30の照射範囲C201を縦方向において3等分し、照射範囲C201内の車線幅を、区分けされた3つの領域の境界線の位置の2カ所で検出する。そして、検出した2つの車線幅に基づいて、照射範囲の前後方向のズレを検出するようにしてもよい。
また、例えば、直線道路を走行していた車両がカーブに接近した場合、ヘッドライト213の照射範囲は自車線に対して右または左にずれる。例えば、図31に示されるように、前方の道路が右方向にカーブしている場合、照射範囲C211が自車線に対して左方向にずれ、図示はしないが、前方の道路が左方向にカーブしている場合、照射範囲が自車線に対して右方向にずれる。なお、図31において、区分線S211LとセンターラインS211Cの間の車線が自車線であり、センターラインS211Cと区分線S211Rの間の車線が対向車線である。
従って、前方監視画像におけるヘッドライト213の照射範囲と自車線との位置関係に基づいて、適切な照射範囲からの左右方向のズレの有無および程度を求めることができる。具体的には、直線道路を走行している場合、ヘッドライト213の照射範囲の上下および左右方向の中央は、自車線の左右方向の中央に近い位置となる。従って、前方監視画像におけるヘッドライト213の照射範囲の中央と自車線の左右方向の中央との位置関係に基づいて、適切な照射範囲からの左右方向のズレの有無および程度を求めることができる。
より具体的には、ヘッドライト213の照射範囲の上下および左右方向の中央が、自車線の左右方向の中央よりも右に位置している場合、照射範囲が適切な照射範囲より右にずれていると判定することができ、自車線の左右方向の中央よりも左に位置している場合、照射範囲が適切な照射範囲より左にずれていると判定することができる。また、ズレの大きさに基づいて、照射範囲のズレの程度を検出することができる。
また、自車線の左右の境界となっている区分線が検出された場合、各区分線は、ヘッドライト213により照らされた部分と照らされない部分とに分かれる。この自車線の左右の区分線のヘッドライト213により照らされた部分の形状および位置に基づいて、照射範囲の左右のズレを検出することができる。例えば、左側の区分線の照らされている部分の前方監視画像上での傾きおよび位置に基づいて、自車線の左側と照射範囲との関係が求められ、右側の区分線の照らされている部分の前方監視画像上での傾きおよび位置に基づいて、自車線の右側と照射範囲との関係が求められる。この方法により、自車が自車線の中央からずれている程度も同時に検出することができる。
さらに、前方監視画像において検出される照射範囲の形状または照射範囲内の車線の形状に基づいて、照射範囲のズレを検出することも可能である。
基本的に、車両が通行する道路は、坂道など水平でない場合もあるが、ほぼ平面であり、ヘッドライト213の照射範囲の形状は、ほぼ所定の範囲内で変化する。また、前方監視画像において、ヘッドライト213の照射範囲の形状は、路面が自車に対して存在する状態に応じて変化する。すなわち、ヘッドライト213により斜めから路面に照射された光の照射範囲は、路面が自車に対して存在する状態に応じた形状で前方監視画像に現れる。従って、ヘッドライト213の照射範囲が、自車に対してどの方向にあるかを、前方監視画像において検出される照射範囲の形状に基づいて求めることができる。
例えば、照射範囲のズレの方向および程度に応じて想定される照射範囲の形状または照射範囲内の車線の形状のパターンを計算などによって予め求め、複数パターン記憶しておく。そして、前方監視画像において検出された照射範囲の形状または照射範囲内の車線の形状を、記憶されているパターンと比較し、最も近いパターンに対応する方向および程度で照射範囲がずれていると判定することができる。これにより、照射範囲の前後左右のズレを一度に検出することが可能となる。
また、前方監視画像において検出される自車線の領域の形状に基づいて、照射範囲のズレを検出することができる。前方監視画像において検出される自車線の領域のうち自車に近い手前の領域は、台形に近い形状となる。道路が直線かつ平坦で、自車の車体の姿勢が水平で、自車が車線のほぼ中央を車線とほぼ平行に走行している場合、前方監視画像において検出される自車線の領域は、左右対称となり、左右の辺の間の角度は、前方監視カメラ251の取り付け位置に応じた所定の角度となる。
例えば、自車が加速し車体の前方が沈むと、検出される自車線の領域の左右の辺の間の角度は小さくなり、自車が加速し車体の前方が持ち上がると、検出される自車線の左右の辺の間の角度は大きくなる。また、例えば、前方の道路が右または左にカーブし、自車の前後方向の中心軸と自車線の中心軸の方向が一致しない場合、検出される自車線形状の左右の辺は、左右対称の状態から、それぞれ逆の方向にずれる。さらに、例えば、前方の路面が上り坂となっている場合、検出される自車線の領域の左右の辺の間の角度は小さくなり、前方の路面が下り坂となっている場合、検出される自車線の領域の左右の辺の間の角度は大きくなる。
自車線の実際の幅は、前方監視画像における自車の直前の車線幅に基づいて求めることができるため、検出される自車線の領域の形状(台形の形状)に基づいて、次に走行する道路の領域が、平坦な直線道路と比較して、上下および左右方向にどの程度ずれているかを検出することができる。そして、検出されたズレの程度に基づいて、次に走行する道路の領域が、前方監視カメラ251や自車の車体に対してどちらの方向に存在するかを求めることができる。
以上の説明における、照射範囲のズレの程度は、例えば、車体の前後の軸の方向を基準とする角度などにより表すことができる。なお、ズレの大きさを表す単位は角度に限定されるものではなく、例えば、装置の内部において、角度に変わる内部表現を用いてもよい。例えば、平坦な直線道路における中心軸の位置で表すことも可能である。
なお、例えば、サスペンションの作動により車体と路面の高低差が変化し、前方監視カメラ251と路面との間の高さおよび角度が変化した場合、その変化に伴い、検出される照射範囲、自車線、または、区分線の形状が変化する。従って、以上のように、検出される照射範囲、自車線、または、区分線の形状に基づいて照射範囲のズレを検出するようにした場合、例えば、サスペンションの作動量を検出するセンサ、または、車体下部に取り付けた距離センサなどを用いて、車両の高さの変化を測定し、測定した値に応じて、検出された照射範囲、自車線、または、区分線の形状を補正するようにすることにより、検出精度を高めることができる。
また、直線道路では車線の幅がほぼ一定であるので、前方監視画像で検出された自車線の形状に基づいて、路面の傾きを正確に求めることができるが、コーナー付近では自車線の幅が変化する場合があり、前方監視画像で検出された自車線の形状に基づいて、路面の傾きを正確に求めることができない恐れがある。これに対して、レーザレーダなどを用いて、路面までの距離を求めることで、検出精度を向上させることが可能である。
例えば、レーザレーダで検出した路面までの距離と、その距離における自車線の前方監視画像上での幅をもとに自車線の幅を計算する。そして、求めた自車線の幅と前方監視画像上の形状との関係から、路面の勾配の有無と程度をより正確に計算することが可能である。このようにして求めた路面の傾きに応じて、より適切に照射範囲を制御することができる。
また、照射範囲をより正確に検出するために、周囲状態検出部において検出する情報の種類を増やすことが考えられる。図32の周囲状態検出部501は、図12の周囲状態検出部231に対して、検出する情報の種類を追加したものである。なお、図中、図12と対応する部分については同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
周囲状態検出部501は、道路領域画像処理部321、道路状態解析部322、対向車検出部323、運転席検出部324、運転者検出部325、先行車検出部326、周囲状態情報出力部327、ガイドビーム検出部511、および、投影パターン検出部512を含むように構成される。
ヘッドライト213の光量は周辺になるほど徐々に減衰していくため、照射範囲を極めて正確に検出することは困難である。そこで、ヘッドライト213の光軸とほぼ同じ軸上に出射される近赤外光のガイドビームを用いることにより、照射範囲の方向をより正確に検出することが可能となる。また、ガイドビームを近赤外光とすることにより、ガイドビームにより対向車の運転者などを眩惑することが防止される。
ガイドビーム検出部511は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、上述したガイドビームが照射されている位置を検出し、検出結果を示す情報を周囲状態情報出力部327に供給する。そして、ガイドビームの位置の検出結果を用いることにより、左右のヘッドライト213の照射範囲の中心を正確かつ容易に検出することができる。
また、ガイドビームの代わりに、所定のパターンの近赤外光をヘッドライト213の光軸とほぼ平行に出射し、路面に投影されたパターンの大きさおよび方向を検出する。そして、検出結果に基づいて、検出されたヘッドライト213の照射範囲を補正することにより、ヘッドライト213の照射範囲をより正確に検出することが可能となる。
投影パターン検出部512は、道路領域画像処理部321による画像処理の結果を受けて、所定の手法により前方監視画像をさらに詳細に分析し、路面に投影された近赤外光のパターンの大きさおよび方向を検出し、検出結果を示す情報を周囲状態情報出力部327に供給する。そして、近赤外光のパターンの検出結果を用いて、検出されたヘッドライト213の照射範囲を補正することにより、より正確に照射範囲を検出することができる。
なお、近赤外光のガイドビームおよびパターンは、どちらか一方のみを用いるようにしてもよいし、両方用いるようにしてもよい。また、この場合、前方監視カメラ251には、近赤外光を撮影可能なカメラが用いられる。
なお、本発明の実施の形態においては、照射不適範囲の検出処理を省略し、照射必要範囲のみを検出し、照射必要範囲をそのまま目標照射範囲として照射範囲を制御するようにすることも可能である。この場合、照射不適範囲を検出し、目標照射範囲に反映する場合と比較して、ヘッドライト213の光により対向車および先行車の運転者を眩惑する可能性は高くなるが、従来と比較すると、照射範囲が適切に制御されることにより、対向車および先行車の運転者を眩惑する可能性は低くなる。
また、以上の説明では、車両の前方を照らすヘッドライトの照射範囲を制御する例を示したが、本発明は、上述した例に限定されず、例えば、ヘッドライトと組み合わせて用いる補助ライト、車両の後方を照らすバックライト、交差点で一次停止したときに確認が必要な左右の領域を照らすライトなど、車両の周囲を照らす他の照明装置の照射範囲の制御に適用することが可能である。
さらに、本発明は、上述した車両のライトの照射範囲の制御以外にも、運転者の確認が必要な方向を照らす照明が設けられている移動体の照射範囲の制御に適用することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図33は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)601,ROM(Read Only Memory)602,RAM(Random Access Memory)603は、バス604により相互に接続されている。
バス604には、さらに、入出力インタフェース605が接続されている。入出力インタフェース605には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部606、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部607、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部608、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部609、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア611を駆動するドライブ610が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU601が、例えば、記憶部608に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース605及びバス604を介して、RAM603にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU601)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア611に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア611をドライブ610に装着することにより、入出力インタフェース605を介して、記憶部608にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部609で受信し、記憶部608にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM602や記憶部608に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
従来のヘッドライトの照射方向の制御方法の問題点を説明するための図である。 従来のヘッドライトの照射方向の制御方法の問題点を説明するための図である。 従来のヘッドライトの照射方向の制御方法における照射範囲の例を示す図である。 従来のヘッドライトの照射方向の制御方法の他の問題点を説明するための図である。 従来のヘッドライトの照射方向の制御方法の他の問題点を説明するための図である。 従来のヘッドライトの照射方向の制御方法のさらに他の問題点を説明するための図である。 本発明を適用した灯火システムの一実施の形態を示すブロック図である。 本発明を適用したヘッドライトシステムの一実施の形態を示すブロック図である。 前方画像センサの一実施の形態を示すブロック図である。 対数変換型撮像素子を用いた場合の前方監視カメラの機能的構成を示すブロック図である。 対数変換型撮像素子、CCD撮像素子、銀塩フィルム、および、人の目の感度特性を示すグラフである。 周囲状態検出部の機能的構成を示すブロック図ある。 照射制御部の機能的構成を示すブロック図である。 ヘッドライトシステムにより実行されるヘッドライト制御処理を説明するためのフローチャートである。 前方監視画像の例を示す模式図である。 図14のステップS3の周囲状態検出処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 図14のステップS5の照射範囲ズレ検出処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 前方監視カメラの撮影範囲とヘッドライトの照射範囲の関係の例を示す模式図である。 前方監視画像の例を示す模式図である。 前方監視カメラの撮影範囲とヘッドライトの照射範囲の関係の他の例を示す模式図である。 前方監視画像の他の例を示す模式図である。 照射範囲のズレを説明するための図である。 照射必要範囲の例を示す図である。 照射必要範囲の他の例を示す図である。 照射必要範囲のさらに他の例を示す図である。 照射必要範囲のさらに他の例を示す図である。 図17のステップS42の上下方向ズレ検出処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 図17のステップS43の左右方向ズレ検出処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 図14のステップS6の照射範囲制御処理を説明するためのフローチャートである。 ヘッドライトの照射範囲の例を示す図である。 ヘッドライトの照射範囲のズレを説明するための図である。 周囲状態検出部の機能的構成の他の例を示すブロック図である。 コンピュータの構成の例を示すブロック図である。
符号の説明
101 灯火システム
111 周囲情報センサ
112 灯火制御システム
113 灯火部
121 灯火制御部
122 照射範囲制御部
131 周囲状態検出部
132 照射範囲検出部
133 照射制御部
201 ヘッドライトシステム
211 前方画像センサ
212 ヘッドライト制御システム
213 ヘッドライト
221 ヘッドライト制御ECU
222 ヘッドライト駆動装置
231 周囲状態検出部
232 照射範囲検出部
233 照射制御部
251 前方監視カメラ
321 道路領域画像処理部
322 道路状態解析部
323 対向車検出部
324 運転席検出部
325 運転者検出部
326 先行車検出部
327 周囲状態情報出力部
361 照射必要範囲検出部
362 照射不適範囲検出部
363 ズレ検出部
364 照射パターン設定部
365 制御信号出力部
501 周囲状態検出部
511 ガイドビーム検出部
512 投影パターン検出部

Claims (12)

  1. 車両に設けられ、前記車両の周囲を照らす照明の制御を行う照明制御装置において、
    前記照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、前記照明により照らされている照射範囲を検出する照射範囲検出手段と、
    前記監視画像に基づいて、前記車両の運転者が前記車両の周囲を確認するために前記照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲を検出する照射必要範囲検出手段と、
    前記照明の現在の照射範囲と前記照射必要範囲との間のズレを補正するように、前記照明の照射範囲を制御する照射範囲制御手段と
    を含む照明制御装置。
  2. 前記照射必要範囲検出手段は、前記車両がこれから通る領域のうち所定の範囲内の領域である通行領域および前記通行領域の近傍の領域を前記照射必要範囲として検出する
    請求項1に記載の照明制御装置。
  3. 前記監視画像に基づいて、前記車両が通行している車線である自車線を検出する車線検出手段を
    さらに含み、
    前記照射必要範囲検出手段は、前記自車線において、前記車両から前記車両の進行方向の所定の範囲までの領域を前記通行領域として検出する
    請求項2に記載の照明制御装置。
  4. 前記照射範囲制御手段は、前記照明の光軸の方向を制御することにより前記照射範囲を制御する
    請求項1に記載の照明制御装置。
  5. 前記照射範囲制御手段は、前記照明が複数の光源により構成される場合、各光源の光量を制御することにより前記照射範囲を制御する
    請求項1に記載の照明制御装置。
  6. 前記照射範囲制御手段は、さらに、各光源の照射方向を制御することにより前記照射範囲を制御する
    請求項5に記載の照明制御装置。
  7. 前記監視画像に基づいて、前記照明により照らすことが不適切な範囲である照射不適範囲を検出する照射不適範囲検出手段を
    さらに含み、
    前記照射範囲制御手段は、さらに、前記照明により前記照射不適範囲に照射される光量を低減させるように前記照明の照射範囲を制御する
    請求項1に記載の照明制御装置。
  8. 前記監視画像に基づいて、対向車を検出する対向車検出手段を
    さらに含み、
    前記照射不適範囲検出手段は、検出された前記対向車を含む領域を前記照射不適範囲として検出する
    請求項7に記載の照明制御装置。
  9. 前記監視画像に基づいて、対向車の運転者の顔を検出する対向車検出手段を
    さらに含み、
    前記照射不適範囲検出手段は、検出された前記対向車の運転者の顔を含む領域を前記照射不適範囲として検出する
    請求項7に記載の照明制御装置。
  10. 前記監視画像に基づいて、前記照明の光を反射する先行車の反射体を検出する先行車検出手段を
    さらに含み、
    前記照射不適範囲検出手段は、検出された前記先行車の反射体を含む領域を前記照射不適範囲として検出する
    請求項7に記載の照明制御装置。
  11. 車両に設けられ、前記車両の周囲を照らす照明の制御を行う照明制御装置の照明制御方法において、
    前記照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、前記照明により照らされている照射範囲を検出する照射範囲検出ステップと、
    前記監視画像に基づいて、前記車両の運転者が前記車両の周囲を確認するために前記照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲を検出する照射必要範囲検出ステップと、
    前記照明の現在の照射範囲と前記照射必要範囲との間のズレを補正するように、前記照明の照射範囲を制御する照射範囲制御ステップと
    を含む照明制御方法。
  12. 車両の周囲を照らす照明の制御を行う処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    前記照明により照らされている方向を撮影した監視画像に基づいて、前記照明により照らされている照射範囲を検出する照射範囲検出ステップと、
    前記監視画像に基づいて、前記車両の運転者が前記車両の周囲を確認するために前記照明により照らす必要がある範囲である照射必要範囲を検出する照射必要範囲検出ステップと、
    前記照明の現在の照射範囲と前記照射必要範囲との間のズレを補正するように、前記照明の照射範囲を制御する照射範囲制御ステップと
    を含む処理をコンピュータに行わせるプログラム。
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