JP2009028389A - 腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース - Google Patents

腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース Download PDF

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Abstract

【課題】腹圧呼吸訓練用の呼吸関連筋強化の力点具の使用方法
【解決手段】D型マウスピース10内側11が人の下歯列aの歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状をなし、その縁12から底面中央部分13に向かってかまぼこ状に厚みを増していく。O型マウスピース20はカム形状をした物であり、その上部24が人の口蓋前部25aを覆う膨らみ形状をなし、その中央部20aが先端21から幅広部分22に向かって厚みを増していく形状為していて、その下部23もその縁から央部分23aに向かって厚みを増していく形状を為している。T型マウスピース30の上部の内側31が上歯列cの歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状の水平部30aて、水平部30aの中央下部から下方向にデルタ状に広がり且つその下部に向かって厚みを増していくデルタ状部分30bからなる垂直部である。これらの力点具の使用で呼吸関連筋強化をする。
【選択図】図13

Description

本発明は、広くは呼吸訓練用の補助具の使用方法に関するものであり、特に腹圧呼吸法習得のための訓練用の補助具の使用方法に関するものである。就中、その腹圧呼吸法習得の訓練をするための呼吸関連筋強化の力点具でありその訓練用補助具としてのマウスピースの使用方法に関するものである。
呼吸は、生物にとっては、水や食料とは異なり、比較にならないほどに重要なものであって、一時も休むことの出来ないものである。水は1日やそこら切れても死ぬことはないし、ましてや、食料の摂取は、腹は減っても1週間やそこら切れても何ともない。しかし、空気(酸素の供給)が1分でも途切れると死に至る。そして、その呼吸(酸素の供給)は、心身の状態と非常に密接に結びついている。特に、腹圧呼吸は副交感神経を刺激するので、免疫力を高める。さらに、腹圧呼吸は横隔膜の動きを強力にするため、内臓に圧縮運動をさせ内臓の働きを活性化する。この外、内臓を刺激することによって内臓脂肪をなくし、肥満症の解消に効果がある。その上、老化の原因になっている活性酸素やストレスの害を防ぐ。そして、その効果として呼吸器官の若返りに効果的である。人間の老化は、まず呼吸器官の衰えから始まると言われている。
医学書によれば、人間の肺の活動は30歳代が100%で50歳では60%に低下し、70歳では40%位に低下するから肺の働きがだんだん悪くなる。このことは、ショック博士の研究で米国のサイエンス誌にも記載されており、平成16年1月〜4月頃の日本テレビで「肺の衰えと臓器の衰えの関係」として放映もされている(図1参照)。人間は、加齢によって直線的に肺の活動が低下し、50歳で40%も低下する。肺の機能低下は次に臓器の働きを低下させるので、体の老化が直線的に進行する。その理由は、呼吸が衰え、肺からの酸素供給が少なくなると心臓や肝臓等に酸素が送られなくなり、臓器の働きが弱まるためである。後に述べる。腹圧呼吸法は呼吸器官を強化する効能があり、同時に鼻呼吸による一酸化窒素(NO)の生成によって生命エネルギーが向上する。呼吸法の進化は新たな自分を作る!。そして、肺活量を大きくし生命エネルギーを高める。かように、呼吸の仕方は生命エネルギーを左右するほど大切なことである。正しい呼吸法は、細胞に十分な酸素を供給するので生命エネルギーを高める。呼吸と精神は一体と言われ、呼吸の仕方は健康だけでなく精神にも深く影響を与えている。古来、心の修行にヨーガや座禅が行われてきたが、この時の呼吸は必ず丹田呼吸になっている。深い呼吸をすることで体内に気をめぐらせ、生命力を高めて、その者の隠れた能力を目覚めさせるのである。
座禅やヨーガの修行では丹田呼吸法によって心を安定させ、体内エネルギーを丹田部に集中させる。その修行の目的は、自分の存在を宇宙のエネルギーに融合させ、精神を安定させ悟りを得ることである。宇宙には引力の法則があって、人間は生まれたときから引力の影響を受けている。従って、体内エネルギーを重力方向の下降エネルギーにすることが大切である。しかし、呼吸が肩呼吸に悪化すると宇宙の引力の法則に反し上昇エネルギーが働くため、肉体的あるいは精神的障害を起こす。具体的には息苦しい、疲れ易い、集中力がない、気力が低下する等は呼吸の悪化によるものと思われる。特に、中高年になるとどんな者でも、多かれ少なかれ肩呼吸になっている。そのため、細胞が慢性的に酸欠状態になり、生命エネルギーが低下している。認知症・うつ病・情緒不安定などが起こり易いのは、肩呼吸で酸素不足に起因していると思われる。呼吸が肩呼吸になると、横隔膜が上昇するため体内に上昇エネルギーが働く。横隔膜の上昇は、同時に硬直を伴うので次第に息苦しくなり、緊張や不安を感じるようになり、また消化器官の不調も感じる。これまでは、肩呼吸を直す呼吸法がなかったが、腹圧呼吸法は呼吸を修復する力を持っている。その理由は、腹圧呼吸は一般的に行っている腹式呼吸よりさらに強い呼吸法であるからである。腹圧呼吸法では、横隔膜に筋力をつけ下降腹圧で呼吸する。
一般に行っている腹式呼吸法では、横隔膜を上下させて呼吸する。息を吸う時は横隔膜が下がり、息を吐くと横隔膜が胸の方へ上がる。腹式呼吸法は人間が生まれた時から無意識の中に行っていて、だれもがこの呼吸で生きている。腹圧呼吸法が腹式呼吸法と大きく違う点は、横隔膜を上下させないで呼吸することである。そのために、息は吐く時が大切である。息は吐いてから吸うので、一般の呼吸法と逆になる。腹圧呼吸で息を吐く時は、横隔膜を上げないで、反対に横隔膜を下降させて吐く。この時の力学は、横隔膜を収縮させ、ドーム状に減じて平坦に下降させて息を吐く。次に息を吸う時は横隔膜の力を弛緩させ、主に脇腹の力で吸気する要領で行う。これはちょうど魚が鰓を横に開いて呼吸するのに似ている。これに対して、腹圧呼吸を行うには、顎と口を引き、これを起点にして訓練することによって可能である。この目的のためマウスピースを使用して訓練を行う。訓練は顎を起点にして下降エネルギーを丹田部に通す要領で行う。この訓練によって体内エネルギーが下降エネルギーに変わる。また腹圧呼吸によって日常的に体内の上昇エネルギーを解消し、次第に宇宙の引力と一体の下降エネルギーで呼吸ができるようになる。
呼吸を宇宙のエネルギーと融合させることは、座禅やヨーガ等の修行の目的と一致する。また体内の下降エネルギーは増幅することが可能なので呼吸エネルギーによって精神エネルギーと肉体エネルギーを高め、新たな自分を作ることが可能である。
さらに腹圧呼吸法は息を吐く時に下降腹圧で肺の中の残気量をなくし、息を吐き切ってから吸気する。吸気は脇腹を広げ胸郭を拡張させるので、多量の息を肺活量一杯に吸うことができる。腹式呼吸法では多量の残気量が残るので息が吐ききれないのに対し、腹圧呼吸では残気量が少なく新鮮な空気を日常的に呼吸できる。したがって腹圧呼吸法をマスターすることは多量の酸素を呼吸し、細胞を活性化することによって老化を防止し、健康寿命を長く保つことができる。
特開2002−221894
本願発明の発明者は、吃音矯正を長年行ってきた。吃音の原因には多くのものがあるが、最も重要な点は吃音者の殆どの者に呼吸に何らかの欠点があると言うことを本願発明の発明者は突き止めたのである。発声は呼吸によるものであるから、このことは当然と言えば当然なことである。となると、この呼吸は「酸素の供給源」であるから、吃音だけの問題ではなく、本願発明の明細書で多々述べるごとく、体の各種の器官に深く影響しているのである。そこで、この呼吸に関して少し述べる。
本願発明に於いて解決しようとする問題点は、呼吸訓練用のマウスピースなどの力点具を用いて腹式呼吸の訓練をする必要に気づいたことである。すなわち、呼吸に従うエネルギーを置換する訓練が必要となったことである。そして、その呼吸も従来に言われている腹式呼吸とかではなく、腹圧と言う点がキーポイントとなることを発見したことである。腹圧呼吸法の効果の秘密は、「横隔膜に強い腹圧をかけ、体内の上昇エネルギーを下降エネルギーに置換する」ことである。
もう少し詳しく説明すると、その下降エネルギーを丹田部まで通すことである。これは、横隔膜に強い腹圧をかけてエネルギー置換を効率的に行い、下降エネルギーを丹田部まで通すと言うことである。このことは通常の呼吸だけでは行えない。そこで、強い腹圧を生むために、この呼吸法を得るためにマウスピース(O形、D形、T形)等の力点具を使う必要が生じ、それらを有効に利用したとである。これらの力点具により、丹田力をつけ、横隔膜をよみがえらせ、顎筋を起点にして体内エネルギーを重力エネルギー(下降エネルギー)の方向に置換するのである。腹圧呼吸法は、後述のごとく複数のステップから成り立っている。各ステップでは、目的に応じた力点具を用いる。そのことでエネルギー置換をスムーズに行うとともに、エネルギー置換を習慣づけるものである。
まず、本願発明の根底となる腹圧呼吸の理論について述べる。腹圧呼吸法は、横隔膜の弾性を利用した呼吸法である。一般の腹式呼吸では、横隔膜を上下させて呼吸する。これは、息を吸うときは横隔膜が下がり、息を吐くとこれが胸の方に上がるものである。これに対して、腹圧呼吸法では、横隔膜を腹式呼吸のように上下させない。これに対して、腹圧呼吸法では、顎を引いて丹田力で息を吐くことによって可能になる。息を吐くとき、横隔膜を上げるのではなく横隔膜をドーム上から平坦に収縮させ、この収縮力(下降腹圧)で息を吐く。このときの横隔膜のエネルギーは下向きになる。この力学は、腹式呼吸をする者の声の発声の時と同様である。声の発声の時は、腹の力で横隔膜を上げないで腹の力、即ち横隔膜を平坦にする収縮力で発声する。カラオケで歌う場合も横隔膜の収縮による腹の力で歌っている。一般の腹式呼吸では、息を吐くときに横隔膜が上がるので、このときの体内エネルギーは一時的に上昇エネルギーになる。上昇エネルギーは引力の法則に反するので、腹式呼吸では肩呼吸を直し、腹圧呼吸にするほどの修復力がない。
これに対し、腹圧呼吸法では、息を吐くとき横隔膜の下降腹圧で吐く。横隔膜の下降腹圧は、ドーム状になっている横隔膜の中央部を平坦近くまで収縮させることによって得られる。我々は、横隔膜の収縮力つまり腹の力で発声したり歌を歌っている。そして、息を吸う時は下降腹圧の反動で主に脇腹を広げて呼気する。この時は胸腔と腹腔が広がるので、完全な胸腹呼吸になり肺活量一杯に呼吸することができる。したがって、腹圧呼吸では息を吐く時に強い下降エネルギーにすることが大切である。この目的のために、本願発明における呼吸に関しては、所定のマウスピースを使用し、顎を力点にして体内エネルギーを下降エネルギーに置換するのである。このように、腹圧呼吸法では最終的に体内のすべてのエネルギーを重力方向の下降エネルギーに置換し、これを丹田部に通すのである。
しかして、本発明の根源である腹圧呼吸の訓練をするための補助用具たるマウスピースは、D型マウスピースとO型マウスピースとT型マウスピースとから成るものとした。このマウスピースなどの力点具で、エネルギーを置換するのである。腹圧呼吸法の効果の秘密は、「横隔膜に強い腹圧をかけ、体内の上昇エネルギーを下降エネルギーに置換する」ことである。すなわち、その下降エネルギーを丹田部まで通すことである。要するに、横隔膜に強い腹圧をかけてエネルギー置換を効率的に行い、下降エネルギーを丹田部まで通すのである。このことは、通常の呼吸だけでは行えない。そこで、強い腹圧を生むために、この腹圧呼吸法ではO型、D型、T型のマウスピースの力点具を使うのである。これらの力点具により、丹田力をつけ、横隔膜をよみがえらせ、顎筋を起点にして体内エネルギーを重力エネルギー(下降エネルギー)の方向に置換するのである。この腹圧呼吸法は、複数のステップから成り立っている。各ステップでは、下記に述べるように目的に応じた力点具を用いる。そのことでエネルギー置換をスムーズに行うとともに、エネルギー置換を習慣づけるのである。
しかして、腹圧呼吸理論であるが、腹圧呼吸法は横隔膜の弾性を利用した呼吸法である。一方、一般の腹式呼吸では、横隔膜を上下させて呼吸するのである。すなわち、息を吸うときは横隔膜が下がり、息を吐くと胸の方に上がるのである。これに対して、腹圧呼吸法では横隔膜を腹式呼吸のように上下させない。これは顎を引いて丹田力で息を吐くことによって可能になるのである。そして、息を吐くときに横隔膜を上げるのではなく、横隔膜をドーム上から平坦に収縮させ、この収縮力(下降腹圧)で息を吐く。このときの横隔膜のエネルギーは、下向きになる。この力学は、腹式呼吸をする者の発声の時と同様である。発声の時は、腹の力で横隔膜を上げないで腹の力、即ち横隔膜を平坦にする収縮力で発声する。カラオケで歌う場合も横隔膜の収縮による腹の力で歌っている。一般の腹式呼吸では息を吐くときに横隔膜が上がるので、このときの体内エネルギーは一時的に上昇エネルギーになる。上昇エネルギーは引力の法則に反するので、腹式呼吸では肩呼吸を直し、腹圧呼吸にするほどの修復力がない。これに対し、腹圧呼吸法では息を吐くとき横隔膜の下降腹圧で吐く。横隔膜の下降腹圧は、ドーム状になっている横隔膜の中央部を平坦近くまで収縮させることによって得られる。
我々は横隔膜の収縮力つまり腹の力で発声したり歌を歌っている。そして、息を吸う時は下降腹圧の反動で主に脇腹を広げて呼気する。この時は、胸腔と腹腔が広がるので、完全な胸腹呼吸になり肺活量一杯に呼吸することができる。したがって、腹圧呼吸では息を吐く時に強い下降エネルギーにすることが大切である。この目的のためマウスピースを使用し、顎を力点にして体内エネルギーを下降エネルギーに置換する。腹圧呼吸法では、最終的に体内のすべてのエネルギーを重力方向の下降エネルギーに置換し、これを丹田部に通すのである。
しかして、腹圧呼吸法の仕方であるが、この腹圧呼吸は本願発明の発明者が完成させたのである。この腹圧呼吸法では日常的に深い呼吸ができるのである。腹圧呼吸の仕方は、一般に行っている呼吸法と逆になり、息は吸ってから吐くのではなく、息を吐いてから吸う呼吸法である。腹圧呼吸法では、息を吐くことが大切である。その理由は肺の中の残気量を吐き切るためである。要するに、肺に残る濁った息を吐き切ると、その分大量の新鮮な空気を吸うことができるからである。一般の呼吸法では、肺の中の古い空気が吐き切れないために深い呼吸ができづらくなっている。
呼吸は、より多くの酸素を吸収することが大切である。大気中の酸素濃度はわずか20%しかない。少ない空気中の酸素を有効に吸うためには、息を吐き切ってから吸う腹圧呼吸法が優れている。呼吸のタイムは、吐く時間を4秒とし、吸う時間は2秒でゆっくりした呼吸になる。吐く時間が吸う時間の二倍になるのは、肺の中の残気量をなくし、深い呼吸を日常的に行うためである。腹圧呼吸法は訓練によって習得でき、習慣化することもできる。腹圧呼吸法は、マウスピース等の力点具の使用による訓練によって初めて可能である。こうして、丹田力をつけ、顎筋を起点にして体内エネルギーを重力エネルギーの方向(下降エネルギー)に置換するのである。
以下に本発明にかかる腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法の具体的な構成を詳細に記載する。この発明は、以下の6段階の訓練より成っている。
まず、その第1段階の訓練である。これは、下記のD型マウスピースを下歯列と下唇下部付近の間に装着する。そして、その腹圧呼吸訓練の第1段階での丹田部の訓練として、まず顎を引きながら下唇下部付近で内側にこのD型マウスピースを強く締める。それで、仰向けに寝て腕と肩から力を抜き両腕を体の横に沿わせるように置いた状態で呼吸する。このことによって、丹田力をつけ、以降の訓練の基礎にする。、
つぎに、その第2段階の訓練である。これは、下記のO型マウスピースをその先端を前歯方向に向け、その幅広部分を喉の方向に位置させた状態で、口蓋前部と舌べらの先端に挿入して使用する。そして、その腹圧呼吸訓練の第2段階での横隔膜下降訓練として、肩を下げて前面に出し、このO型マウスピースを力点にし横隔膜を引き下げるように使用する。
そして、その第3段階の訓練である。これは、下記のT型マウスピースをその水平部を上歯列の前歯を中心とした一並びの上歯列の歯茎の外縁と上唇上部付近の間に挿入する。一方、その垂直部を下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の歯茎の中心付近の外縁と下唇下部付近との間に挿入する。こうして、その腹圧呼吸訓練の第3段階での腹圧の降下訓練として、横隔膜の再生によって腹式エネルギーを強化し、日常的に腹圧呼吸ができるようにする。
さらに、その第4段階の訓練である。これは、下記のD型マウスピースを上記の第1段階での訓練のように装着する。こうして、その第4段階での吸引法の訓練として、再び顎を引きながら下唇下部付近でこのD型マウスピースを内側に強く締め、口を一文字に引いて軽く開き、顎も吸気方向(内側)に向けて強く引き立てて、肩を下げ腕を伸ばし、腹部の位置で壁等の垂直支え物に両腕を伸ばし腕立て伏せの要領で呼吸訓練をする。こうすることによって、横隔膜に水平力をつけ、脇腹で吸気できるようにする。、
そして、第5段階第5段階の訓練であるるこれは、下記のT型マウスピースを上記の第3段階での訓練のように口に挿入する。そして、その第5段階での脳の改革訓練として、脳に腹圧呼吸をインプットする。
最後に、第6段階の訓練である。これは、下記のD型とO型とT型の各マウスピースを上記の第1段階から第5段階での訓練のようにそれぞれ口に装着する。これで、その第6段階での完結訓練として、以上の第1段階から第5段階までの訓練を順次続行し、日常的に鼻呼吸に代わり腹圧呼吸が習慣化させる。
しかして、上記のD型マウスピースは、軟性合成樹脂製又はゴム製の長尺楕円形の板状物であって、その内側が人の下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状をなし、その板状物の縁から正面中央部分に向かって厚みを増していく形状より成る。
また、上記のO型マウスピースは、軟性合成樹脂製又はゴム製のカムの形状をした物であり、且つそのカムの形状をした物の上部が人の口蓋前部を覆う膨らみ形状をなし、さらにそのカムの形状をした物の下部もその縁から底面中央部分に向かって厚みを増していく形状を為し、その上そのカムの形状をした物の中央部が先端から幅広部分方向にに向かって厚みを増していく形状より成る。
最後に、上記のT型マウスピースは、軟性合成樹脂製又はゴム製で、その上部が長尺板状物であり、その上部内側が人の上歯の前歯を中心とした一並びの上歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状を為した水平部と、この水平部の中央下部から下方向にデルタ状に広がり且つ下部に向かって厚みを増していきこのデルタ状部分の内側が下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の中心付近の外縁を形成する円曲線を覆う形状を為した垂直部より成る。
本発明にかかる腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法は、以上のごとくになしたゆえに、上記の課題を解決して以下のごとき多大な効果が生じた。すなわち、呼吸に従うエネルギーを置換する訓練が必要となったのである。しかして、腹圧呼吸法の効果の秘密は、横隔膜に強い腹圧をかけて、体内の上昇エネルギーを下降エネルギーに置換するようにした。それで、その下降エネルギーを丹田部まで通すようにした。これは、横隔膜に強い腹圧をかけてエネルギー置換を効率的に行い、下降エネルギーを丹田部まで通すようにした。
このことは、通常の呼吸だけでは行いえない。そこで、強い腹圧を生むために、この呼吸法を得るために上記したD型とO型とT型と言うマウスピースの力点具を使う必要が生じ、それらを有効に利用した。これらの力点具により、丹田力をつけ、横隔膜をよみがえらせ、顎筋を起点にして体内エネルギーを重力エネルギー(下降エネルギー)の方向に置換したのである。以上述べた腹圧呼吸法は、複数のステップから成り立っている。それ故に、各ステップでは、目的に応じた形状から成る力点具を用いた。そのことでエネルギー置換をスムーズに行うとともに、エネルギー置換を習慣づけた。
本願発明は、腹圧呼吸により丹田力などをつけると言う目的を達成させるために、以下に述べる軟性合成樹脂製又はゴム製のその訓練用の補助具を使用する方法である。それらに使用するものは、第一に、長尺楕円形の板状物である以下のものである。それはまず、その内側が人の下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状をなす板状物であり、その板状物の縁から正面中央部分に向かって厚みを増していく形状をなしたD型マウスピースであり、これで各種の訓練をするのである。つぎに、カムの形状をした物の先端をその前歯方向に向けその幅広部分をその喉の方向に位置させた状態で使用されそのカムの形状をした物の上部が人の口蓋前部を覆う膨らみ形状をなしたもので、さらにそのカム状形物の下部もその縁から底面中央部分に向かって厚みを増していく形状を為しその上そのカムの形状をした物の中央部が先端から幅広部分方向にに向かって厚みを増していく形状をなしたO型マウスピースであり、これで各種の訓練をするのである。そして、その上部内側が人の上歯の前歯を中心とした一並びの上歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状を為した水平部と、この水平部の中央下部から下方向にデルタ状に広がり且つ下部に向かって厚みを増していく垂直部から成るT型マウスピースから成るものであり、これで各種の訓練をするのである。
しかして、本発明にかかる腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法をその具体的な実施例を用いて添付の図面と共に詳細に述べる。本願発明の各マウスピースの形状とその着用箇所および使用(訓練)順序は、本願発明にかかる腹圧呼吸に関しての訓練に密接に関係している故に、それらのマウスピースを使用した訓練の第1段階から第6段階(ステップ1〜6)を以下に述べる。
まず、その第1段階の訓練である。これは、下記のD型マウスピース10を下歯列aと下唇下部付近bの間に装着する。そして、その腹圧呼吸訓練の第1段階での丹田部の訓練として、まず顎を引きながら下唇下部付近bで内側にこのD型マウスピース10を強く締める。それで、仰向けに寝て腕と肩から力を抜き両腕を体の横に沿わせるように置いた状態で呼吸する。このことによって、丹田力をつけ、以降の訓練の基礎にする。この詳細は、以下に述べる。
ステップ1 …… 丹田部の訓練 (1ヶ月目)
まず、ステップ1で、これは丹田を強化し、腹圧呼吸の基礎である丹田力を養うものである。
[ステップ1の目的]
ステップ1の目的は、丹田を鍛えることで丹田力をつけることである。丹田は、臍から少し下の下腹部にある。ここに体の重心があり、中国医学では気(生命エネルギー)の湧き出るところとされている。丹田力は、すべての器官エネルギー置換(再生)の基礎になる。肩呼吸を腹圧呼吸に変えるためには、まず丹田呼吸をマスターする必要がある。丹田呼吸のマスターには、丹田力の強化が不可欠である。丹田力は、ステップ2以降の訓練の基礎になる。ステップ1で、しっかり丹田力を強化しておくことが大切である。丹田呼吸は非常に高度な呼吸法で、修得するまでには何年も修行が必要である。まして腹筋が弱く、上昇気流に呼吸筋や横隔膜が支配されている状態では、なおさら困難である。そういう者でも、短期で丹田力をつけられるよう、腹圧呼吸法では、丹田におもりを乗せて物理的に強化する。
[ステップ1で使う物]
D型マウスピース10である(図2〜4)。それ以外に、3〜6キログラム程度のおもりを使う。おもりはバーベルや鉄アレイとか砂を詰めた袋W(図15と16)などを利用するとよい。
[ステップ1のやり方]
a. D型マウスピース10を、図6に示すように下唇下部付近bと下歯列aの歯茎の間に装着する。装着したら顎を引きながら、下唇下部付近bで内側に強く締める。
b. ベッドや布団、ソファの上に仰向けに寝る。枕は使っても使わなくてもかまわない。
c. 腕と肩から力を抜き、両腕を体の横に沿わせるように置く。この状態のまま、お臍の上におもりを乗せる。腹筋の弱い者、やせている者、体力のない者は、最初は軽め のおもりから始めてほしい。おもりは、腹部に乗せて苦しくない程度のものにする。
d. 顎を引き、口が一文字になるように左右に引っ張り、3秒間鼻から大きく息を吸い込む。腹部に空気をためるように息を吸いながら、腹筋の力でおもりを持ち上げる(図16)。
e. 息を十分に吸ったら腹筋に力を込め、そのまま息を1秒間止める。
f. 息を1秒間止めたら、腹筋をゆるめながらゆっくり口から息を吐き、おもりを下げる(図15)。3秒で息を吐き切る。
[ステップ1のポイント]
a. 腕や肩から力を抜き、リラックスした状態で行う。肩呼吸の者は肩に力が入る癖がついているので、とくに肩の力は意識して抜くようにする。腕や肩から力を抜くには両ひじから力を抜くと効果的である。こうすると、腕や肩の力も自然に抜けてくる。
b. 顎と口を強く左右に引くのは、エネルギーを重力方向に向けるためである。目をつぶると、顎や口が引きやすくなる。
c. 呼吸と腹筋の動きがバラバラにならないように注意してほしい。呼吸と腹筋の動きを一体化させることが、この訓練の一番のポイントである。たとえば、息を止めて腹筋だけでおもりを上下させるような動きは、効果がない。
d. 丹田に意識を集中させると、丹田呼吸がしやすくなる。
[ステップ1の回数]
「吸う・吐く」を一回とし、1日400回おこなうことが基本である。連続400回は大変なので、4セット(1セット100回)に分け、さらに朝と夜にわけておこなうとよい。肩呼吸が癖になっている者は、非常に苦しく感じられるはずである。あまりにも呼吸が苦しいようなら、無理をしないことだ。30回でも40回でもかまわない。できる回数から始め、徐々に回数を増やしていく。また、400回できるようになれば、おもりWを少しずつ重くしていく。ステップ1の期間は、1ヶ月である。通常、丹田呼吸を60%程度マスターするまでに、6ヶ月程度かかる。1ヶ月の訓練ではまだまだ不十分だが、10%程度できるようになったら、ステップ2に進んでほしい。次のステップと並行しながらステップ1をおこない、次第に丹田呼吸を完成させていく。
[ステップ1の注意]
このステップは空腹時におこなうことがベターである。食後、2時間以上経過してからおこなってほしい。
[日常の呼吸]
日常の呼吸でも、丹田呼吸を取り入れるように心がけてほしい。とはいっても、長く肩呼吸の癖がついているため、最初はうまくできないであろう。しかし、丹田呼吸を意識することが大切である。意識していると、次第にできるようになっていく。日常の呼吸では4秒で吐き、2秒で吸う。次のようなことに気をつけると、日常の呼吸で丹田呼吸がしやすくなる。
a. 肩の力を抜くと同時に肩を下げ、腹筋に力を入れ、4秒で口から息を吐き切る。
b. 吸うときは、鼻から息を吸い込む。このとき、口と下顎を引き、脇腹がふくらむように呼吸する。下顎を強く引くとうまく吸い込める。吸う時間は2秒である。初めのうちは息を吸うときに丹田部が膨らみ、吐くときにいくぶん引っ込む。しかし 訓練を続けて行くと、次第に腹部に力を入れたまま、固定して呼吸できるようになる。
つぎに、その第2段階の訓練である。これは、下記のO型マウスピース20をその先端を前歯方向に向け、その幅広部分を喉の方向に位置させた状態で、口蓋25kの前部と舌べらの先端26に挿入して使用する。そして、その腹圧呼吸訓練の第2段階での横隔膜下降訓練として、肩を下げて前面に出し、このO型マウスピース20を力点にし横隔膜を引き下げるように使用する。この詳細は、以下に述べる。
ステップ2 …… 横隔膜下降訓練 (2ヶ月目)
ここでの横隔膜下降訓練は、上述したようにO型マウスピース20を図6に示すように、その口蓋25の前部に嵌めて舌べらの先端26で押し上げるようにして使用する。このステップでは、「上昇している横隔膜を下降させる訓練」である。丹田と並んで大切なのが、横隔膜である。肩呼吸している者は、例外なく、横隔膜がつり上がっている。そのため吸い込む空気の量が少なく、さまざまな支障をきたしている。また、肺を十分に使わないため、肺活量が小さくなり、肺が退化していくのである。このステップ2では、O型マウスピースを使い、横隔膜を下げる訓練をおこなう。横隔膜を下げることで多量の空気を吸い込めるようになり、肩呼吸から腹式呼吸にスムーズに移行できるようになる。
[ステップ2の目的]
横隔膜は胸腔と腹腔の間にある筋膜で、呼吸や発声の要になる重要な器官である。一般の者は、この横隔膜の上下運動によって呼吸したり、発声したりしている。しかし、長い間にわたって肩呼吸してきた者は、この横隔膜が正常に機能しなくなっている。上昇気流による強い圧力と硬直で横隔膜がつり上がり、高い位置に固定されてしまっているからである。必然的に呼吸量が少なくなり、どうしても肩で呼吸するようになる。ステップ2では、下降気流を丹田まで通し、空気を腹部にためるために必要な訓練である。十分に息を吸って横隔膜を引き下げ、横隔膜でゆっくり息が吸い込めるようにする。また、肩呼吸では肺活量が小さくなり、肺が退化している。この訓練で用いる支点棒は肋骨を広げ、肺活量を大きくする効果もある。ステップ2は、ステップ1と並行しておこなうようにしてほしい。というのは、ステップ1の丹田呼吸はまだ10%程度しか身についていない。このステップ2を並行することによって、丹田呼吸がさらにマスターできるようになるからである。ステップ2を続けていると、吸気可能タイムが格段に延びる。吸気可能タイムが格段に延びるということは、それだけ横隔膜が下がったことの証明である。吸気可能タイムの測定の仕方は、参考ページ(1)にある。
[ステップ2で使う物]
O型マウスピース20と支点棒を使う。支点棒は直径3〜4センチ、長さ60センチほどの棒である。丸い棒でも、四角い棒でもかまわない。ただし、しならない棒を使うことに注意してほしい。
[ステップ2のやり方]
a. 両足を肩幅に広げて立つ。背中の中央に支点棒を当て、両肘を軽く曲げて棒にかける。この姿を取ると、両肘のあたりが横隔膜の位置になる。棒をしっかり横隔膜に当てる。肘が高すぎたり低すぎたりすると横隔膜に当たらなくなるので、気をつけてほしい。
b. 口にO型マウスピース20を装着する。幅に広いほうを奥、狭いほうを前にする。
c. O型マウスピース20を舌の上面前半と上顎の間にはさみ、舌で上顎に押しつけるようにする。このとき、口と顎は吸気方向(内側)に強く引く。口は横一文字に引いて軽く開き、スマイルしているような表情をつくる。
d. 肩を下げ、前に出す。その姿勢で、支点棒を軽く前に引きながら深呼吸する。
e. 深呼吸の方法は、鼻から目いっぱい息を吸う。鼻の吸い方は、ホップ、ステップ、ジャンプの3回を1セットとして深呼吸をおこなう。まずホップで十分に吸って吐く。 2回目のステップでは、1回目のホップより強く十二分に吸って吐く。そして3回目 のジャンプのときは、十二分に吸ってさらに3秒吸い込もうと頑張ってから、息を吐 く。
f. 息を吸うときは、マウスピースを上顎に押しつけ、舌で上顎を持ち上げるように力を入れる。このマウスピースが力点になり、横隔膜を引き下げる。
g. これ以上息を吸えないところまで吸ったら、腕と舌の力をゆるめながら、口から息を吐く。
[ステップ2のポイント]
a. 必ず、肩を下げて前面に出す。肩を後方に引くと肩呼吸になりやすくなる。
b. ポイントは、何といってもホップ、ステップ、ジャンプの3回でワンセットの息の吸い方である。すなわち、ホップで十分に吸って吐き、ステップの時は十二分に吸って吐く。そして、3回目のジャンプの時は十二分に吸って、もうこれ以上吸えなくなっても、さらに3秒間息を吸おうとすることが大切である。
c. ステップ2での呼吸は、全力を挙げておこなってほしい。一度おこなうと顔が真っ赤になり、頭がクラクラするかもしれない。それくらい一生懸命やらないと、効果が上がらない。
[ステップ2の回数]
深呼吸はホップ、ステップ、ジャンプの3回で1セットとし、1日20セットおこなう。朝と夜の2回に分け、10セットずつおこなうとよい。1セットおこなったら5呼吸ぐらい休んで息を整え、2セット目を全力でおこなう。このステップも、ステップ1同様、基礎訓練である。1ヶ月で終わりということではなく、他の訓練と並行して根気よく続けてほしい。
[日常の呼吸]
なるべくマウスピースを装着し、丹田呼吸を心がけてほしい。丹田部に力を込め、舌で上顎を押しながら、マウスピースを力点にして強く鼻から息を吸う。マウスピースを力点にする理由は、肩呼吸を腹式呼吸に改めやすくするためである。マウスピースを外しているときも、装着時と同じように舌を上顎に押しつけ、舌を力点にして深く息を吸う。4秒で吐き切り、2秒で鼻から吸う呼吸を心がけ、そのリズムを覚えてほしい。日常呼吸は、訓練が10なら8くらいの力でおこなう。力を入れないと、横隔膜は活性化しない。
そして、その第3段階の訓練である。これは、下記のT型マウスピース30をその水平部30aを上歯列cの前歯を中心とした一並びの上歯列cの歯茎の外縁と上唇上部付近dの間に挿入する。一方、その垂直部30bを下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列aの歯茎の中心付近の外縁と下唇下部付近bとの間に挿入する。こうして、その腹圧呼吸訓練の第3段階での腹圧の降下訓練として、横隔膜の再生によって腹式エネルギーを強化し、日常的に腹圧呼吸ができるようにする。その詳細は以下に述べる。
ステップ3 …… 腹圧の訓練 (3ヶ月目)
このステップでは、「横隔膜に力をつけて鍛え直す訓練」と「体内エネルギーを丹田部に通す訓練」である。これまでのステップで丹田力がつき、横隔膜が下がるようになっている。このスッテプ3ではその成果を利用し、腹式のエネルギー(腹圧)をさらに強化する。そのことで横隔膜を鍛え直し、口から丹田まで下降エネルギーを貫かせる。この横隔膜の再生によって腹式エネルギーが強化され、日常的に腹圧呼吸ができるようになる。この腹圧の訓練は、図13と14に示すようにT型マウスピース30の上部が上歯列cの歯茎と上唇上部付近dの間に挿入され、その下部が下歯列aの歯茎と下唇下部付近bとの間に挿入されるようにして使用される。
[ステップ3の目的]
ステップ3は、これまでの丹田力をつける訓練と横隔膜の訓練の成果を利用しておこなう。腹圧呼吸とは、腹式呼吸よりさらに強い腹圧の力を使っておこなう呼吸である。一般の者は、腹式呼吸を何の苦もなくおこなっている。しかし、長い間、肩呼吸の癖がついてしまっている者は、腹部に力がないため、腹式呼吸がなかなかできない。ステップ3には、2つの目的がある。
a. 腹圧呼吸をするには、横隔膜を下げるだけでは、不十分である。腹圧で体内エネルギーを丹田部に通すために、横隔膜を鍛え直して力をつける。
b. 染みついてしまった肩呼吸の癖を変えるには、そもそもの元凶である体内エネルギーの流れを変える必要がある。体内エネルギーを変えるためには、横隔膜に内在しているストレス、つまり上昇気流を解消し、それを下向きのエネルギーに変えなければならない。そのために腹圧の訓練をし、強い腹圧で呼吸ができるようにする。
[ステップ3で使う物]
T型マウスピース30とプレッシャーバンドを使用する。プレッシャーバンドには5キログラムの張力があり、ステップ3をおこなうと腕を通じて5キログラムの圧力が肩にかかるようになっている、肩への5キログラムの圧力が下向きのエネルギーとなって腹圧にかかり、横隔膜を活性化する。
[ステップ3のやり方]
a. T型マウスピース30を装着する。装着するときは、上下の歯茎と上下の唇のそれぞれの上下付近cと下部付近b間にはさむ。
b. はさんだら、口の奥のほうに押しつけるように、上下の唇と外側の歯茎で締めつける。装着が終われば、口と顎を水平に引く。
c. 両足を半歩ほど広げて立ち、プレッシャーバンドを足の裏の中央にかけ、2つの輪を後ろで交差させる。腕を真っ直ぐ伸ばし、後ろ手でプレッシャーバンドを持つ。
d. 肩を下げ、腹部と胸を幾分前に出し、肩呼吸と胸式呼吸にならないようにする。両腕は身体の側面につけ、ひじは伸ばす。
e. 息を吸うときは丹田力を使い、肩を下げるようにして横隔膜と丹田力で目いっぱい吸う。時間は3秒くらい。このとき顎を引き、脇腹(水平力)の力でおこなう。
f. 目いっぱい吸うと、腹部は吸った息でパンパンに膨れるが、今度はその膨らんだ腹を引っ込めないようにして、腹の力(腹式)で低音発声(声帯を震わせる程度のカスレ音)する。
g. 6秒間低音発声しながら、息を吐いていく。このとき、息は全部吐き切る。息を吐いたとき、横隔膜が上がるために腹が引っ込むが、訓練を続けていくと次第に引っ込みが少なくなり腹式発声ができるようになる。
h. 低音発声しながら息を吐き切ったら、次に腹式の力で大きく息を吸う。そしてまた低音発声しながら6秒間腹式で息を吐き、その後大きく吸って低音発声に移る。この訓練は3回で1セットで、10セットを1単位として、1日に2単位(合計20セット)おこなう。
[ステップ3のポイント]
a. 姿勢に注意してほしい。腹部を前方に突き出すようにし、上体は幾分反り気味にする。腹部を引っ込めた「くの字」で訓練すると効果がない。
b. 最大のポイントは、息を吸うときも吐くときも、腹圧を使うことである。特に、息を吐くときは低音発声しながら吐き出すが、腹部は引っ込めず、横隔膜の水平力を最大に使うように心がける。
c. 息を吐くときに発する声は、横隔膜の戻る力を利用する。発声しながら息を吐いていくと、下降気流はだんだん強くなり、吐き終わったときには最大の腹圧になっている。
d. プレッシャーバンドは正しく使ってほしい。間違った用法をすると、肩呼吸になるので注意が必要である。
[回数]
1日2単位(20セット)おこなう。この訓練は大変息苦しくやいづらいものである。その理由は横隔膜の上昇と硬直、筋力不足のためであるが、続けると横隔膜の上昇と硬直が次第に取れてくる。ステップ3を1ヶ月ほどおこなうと、息を吐き切ったときに、胸の奥がチクチクと痛くなる。これは縮んでいた横隔神経が伸びるためである。この痛みが感じられれば、矯正の効果がしかっり出ている。また、かなり肩の力が抜け、腹式の力がつく。これは上昇エネルギーが置換され、下降エネルギーが丹田部に通るためである。さらに訓練を積むと、胸から腹部にかけてずっしりとした重圧感を感じるようになる。これは横隔膜が下がり、腹圧がついてきたうれしい証拠である。
[注意]
食後2時間以上経過してから、訓練を始めてほしい。
[日常の呼吸]
腹圧呼吸を習慣化するため、普段からなるべくT型マウスピース30を使って呼吸する。使えないときは、顎と口を強く引いて呼吸するように心がける、このときも、まず4秒で吐いて、2秒で鼻から吸う。4秒吐いて2秒吸う呼吸を日常的におこなっていると、1ヶ月ほどで腹圧呼吸が身につく。訓練のときのように声を出さなくてもかまわないが、腹部から低音を発するような気持ちで吐くとよい。
さらに、その第4段階の訓練である。これは、下記のD型マウスピース10を上記の第1段階での訓練のように装着する。こうして、その第4段階での吸引法の訓練として、再び顎を引きながら下唇下部付近bでこのD型マウスピース10を内側に強く締め、口を一文字に引いて軽く開き、顎も吸気方向(内側)に向けて強く引き立てて、肩を下げ腕を伸ばし、腹部の位置で壁等の垂直支え物に両腕を伸ばし腕立て伏せの要領で呼吸訓練をする。こうすることによって、横隔膜に水平力をつけ、脇腹で吸気できるようにする。その詳細は、以下に述べる。
ステップ4 …… 吸引法の訓練 (4ヵ月目)
このステップ4は、「横隔膜に水平力をつけ、わき腹で吸気できるようにする訓練」である。腹圧呼吸をマスターするためには、横隔膜を下げるだけでは十分ではない。それで、下降した横隔膜に水平力をつけ、空気を十分にため込めるようにする必要がある。横隔膜に水平力がつくと、脇腹で吸気できるようになる。この横隔膜に水平力をつけるために、上述した丹田部の訓練のように、上記のD型マウスピース10を図6に示すように、下歯列a歯茎と下唇下部付近bに挿入し再び使うのである。
[ステップ4の目的]
肩呼吸の者は、腹式呼吸ができなくなっている。その理由の一つに、横隔膜の水平力がなくなっていることがある。横隔膜の水平力は、丁度魚のエラに相当する。魚はエラを開いて水を吸い込み、吐くときはエラを閉める。人間の呼吸もこれと同じで、肺の下(脇腹)を開いて息を吸い、肺の下をすぼめて息を吐くのが一般的である。横隔膜に水平力がついて初めて、脇腹で吸気できるようになる。ステップ4は、横隔膜に水平力をつけ、脇腹で吸気する「吸気法」の訓練である。
[ステップ4で使う物]
D型マウスピース10を用いる。装着法は、ステップ1を参考にする。
[ステップ4のやり方]
a. D型マウスピース10を装着し、顎を引きながら、下唇下部付近bでマウスピース10を内側に強く締める。口を一文字に引いて軽く開き、顎も吸気方向(内側)に向けて強く引く。
b. 壁に向かって30センチのところに立つ。肩を下げ、腕を伸ばし、腹部の位置で壁に両腕をつく。両手は握る。手をつくのは横隔膜の少し下で、両手の間隔は肩幅の半分くらいである。
c. 腕立て伏せの要領で、口から息を吐きながら、体の角度が15度程度になるまでゆっくり前方へ倒していく。このとき、マウスピースを内側に締めつけるように、強く引く。
d. 次に、両手で壁等の垂直ささえ物を押し、その反動で鼻から息を吸いながら、体を起こしていく。息を吸う時間は2秒である。このとき丹田力を使い、脇腹を左右に広げるように意識して息を吸うことが大きなポイントである。
e. 体を起こしたら、bのように体が15度くらいになるまで前に倒しながら、口から息を吐いていく。腹部を引っ込めず、脇腹を引っ込めるようにして低い声を出しながら息を吐く。吐く時間は、吸う時間の倍の4秒である。
[ステップ4のポイント]
a. 最大のポイントは、脇腹を意識して呼吸することである。息を吸うときは脇腹を左右に広げ、吐くときはすぼめる。これが横隔膜の水平力である。丹田や水平力がまだついていなくても、常に脇腹を意識して息を吐くことを心がけよ。
b. 腕の曲げ伸ばしは、肩を下げた状態ででおこなう。その状態であれば、肩呼吸にならないからである。
c. 口は一文字にし、顎も引く。
d. 腹部の前方は、吸うときも吐くときも、引っ込めないようにする。
e. 息を吐くときは、吸うときの倍の時間(4秒)かける。これは腹圧呼吸の基本である。
f. 息を吐くときに発する声は、横隔膜の戻る力を利用する。つまり、水平力で声をだすように心がけるのである。
[ステップ4の回数]
「吐く・吸う」を1回とし、3回で1セットとする。朝と夜に10セットずつ、1日20セットおこなう。1セットおこなうとかなり疲れるので、ゆっくり呼吸を整えてから2セットおこなう。
[日常の呼吸]
日常でも、なるべくD型マウスピース10をつけ、脇腹を意識して呼吸する。マウスピースを使えないときでも、顎と口を引き、4秒で吐いて2秒で吸う。
息を吸うときは下唇下部付近bで下の歯茎を強く締めつけるような気持ちで、丹田と横隔膜の力でおこなう。吐くときは、丹田に力を入れ、腹部を引っ込めないように気をつける。訓練のときのように声を出さなくてもいいが、腹部から低音を発するような気持ちで吐くとよいであろう。肩呼吸になっていれば、まず次のうちどれかに該当する。
a. 胸が息苦しく,動悸があり、疲れやすい。
b. 腹部に力がなく、呼吸時に肩が上がる。
c. 姿勢が前かがみになり、猫背気味になっている。
d. 呼吸が止まり、無呼吸になることがたびたびある。
e. 吸気可能タイムが20秒以下。
これらの中で、数字的に判断するものがeの「吸気可能タイム」である。吸気可能タイムは、息を吐き切ってから息を吸い、これ以上吸えなくなるまでの時間である。息を吸い始めるときにストップウォッチを押し、どれくらいゆっくり息を吸えるか計る。腕時計でも、秒針やデジタルのタイマー表示のついているものであれば計ることができる。一般に、腹式呼吸の場合、吸気可能タイムは50〜60秒である。肩呼吸になっていると、横隔膜がつり上がって硬くなっているため、腹式呼吸ができなくなっている。そこで、肩で呼吸することで酸素を補おうとするわけであるが、吸気可能タイムが非常に短くなる。大体20秒以下で、ひどい場合は10秒以下のこともある。肩呼吸は、酸素を十分に取り込めない。それで、全身の細胞は酸欠状態になる。酸欠状態になるとエネルギーをうまくつくれなくなり、日々の生活から活力が失われる。これでは健康な生活などとうてい望めないことになる。
腹圧呼吸法では、腹圧で横隔膜を日常的に使い、活性化する。そのことで、「進化の法則」が作用し、横隔膜や横隔神経が正常な状態に甦るのである。こうした状態になれば、体内の上昇エネルギーが解消され、下降エネルギーに置換される。ここに、肩呼吸を修正する腹圧呼吸法の第1の秘密があるのだ。腹圧呼吸法をマスターすると、日常的に有酸素呼吸ができるのである。有酸素呼吸は完全な胸腹呼吸になり、息を吐くときは下降腹圧(丹田力)でおこなう。息を吸うときは、横隔膜(腹筋)の水平力(わき腹)でおこなう。横隔膜の水平力で吸気すると、胸部が広がり、肺活量を大きくして息を吸うことができるようになる。この呼吸は、丁度魚が水を吸うとき、エラを横に広げて呼吸することに似ている。
そして、第5段階第5段階の訓練であるるこれは、下記のT型マウスピース30を上記の第3段階での訓練のように口に挿入する。そして、その第5段階での脳の改革訓練として、脳に腹圧呼吸をインプットする。その詳細は、以下の通りである。
ステップ5 …… 脳の改革
この訓練は、脳に腹圧呼吸をインプットする事である。ステップ4までの訓練と日常の呼吸法によって肩呼吸が50%くらい改善されるので、その分横隔膜の力がつく。しかしこの時点ではまだ上昇気流が働いていて肩呼吸の癖は直っていない。ここで油断すると、すぐ元に戻ってしまう。その理由は、脳の命令が肩呼吸の方へ行って、腹式呼吸へは行っていないからである。このため、まだ横隔膜の退化が直っていないので、腹式呼吸ができないのである。通常、悪い癖を直すにはその癖が身についた年月がかかると言われている。肩呼吸の癖は呼吸器官の組織的癖であるから、それだけ根深く頑固で直りづらいものである。肩呼吸は、急になるのでなく長い年月の中にかかる。例えば、肩呼吸がひどくなると姿勢が悪くなり変形する。また、横隔膜が退化して腹部が引っ込むようになる。このため、前かがみの姿勢からひどくなると猫背に変わる。肩呼吸によって、姿勢まで変形するようになるには数十年の年月が経っている。したがって<肩呼吸を直すには数十年もかかるのが普通である。
本願発明にかかる呼吸法では、これを呼吸工学的な力で短期間に肩呼吸を改善して行くのである。しかし、油断して上昇気流を発生させる要因があれば元に戻ってしまうこともある。肩呼吸は、それほど直りづらいものである。その理由は、肩呼吸は脳と呼吸機能が一体になっているからである。したがって、肩呼吸は単純な方法で直る性質の癖ではないのである。肩呼吸を直すには、脳を含めた呼吸機能の改善訓練が必要になる。例えば、訓練によって腹式呼吸が50%できるようになっても、まだ肩呼吸が50%残っているのである。腹圧呼吸は、腹式呼吸をさらに強くした呼吸で肩呼吸を直す修復力がある。そこでステップ5からは、腹圧呼吸をマスターし肩呼吸を完全に解消し、体内エネルギーを下降エネルギーに改造するのである。
※腹圧呼吸の手法
腹圧呼吸を日常的におこなうには、ステップ4の吸引法で養成した力を使う。T型マウスピース30を使って、唇と顎を引き(吸引方向)息を4秒吐いて2秒吸う呼吸法である。息を吐くときは横隔膜に強い呼気圧をかけ下降腹圧で息を吐き、息を吸うときは横隔膜を弛緩させ脇腹で吸気する。このときの呼吸は、口を閉めるので鼻呼吸になる。また、横隔膜は弾性体として使う。呼吸の仕方は4秒間呼気圧で息を吐くとき、指を折って1・2・3・4と数を数える。指を使うと指が仲介者になって脳と横隔膜に命令するのである。脳は同時に二つのことができない。それで、指を使って秒数を頭で数えると、脳はそのことだけに集中する。そのため、肩呼吸の命令は出されず、腹圧呼吸だけに意識が集中するのである。日常的にこの腹圧呼吸を続けると、脳には自然に腹圧呼吸がインプットされ続け習慣化 されて行く。これによって、肩呼吸の改造がスムーズにおこなわれ、同時に鼻呼吸が可能になる。以上のようにして、一旦腹圧呼吸を身につけ習慣化すると、二度と肩呼吸が再発することはない。腹圧呼吸法には、生理活性か効果があるので長寿達成に役立つ呼吸法である。
最後に、第6段階の訓練である。これは、下記のD型とO型とT型の各マウスピース10,20,30を上記の第1段階から第5段階での訓練のようにそれぞれ口に装着する。これで、その第6段階での完結訓練として、以上の第1段階から第5段階までの訓練を順次続行し、日常的に鼻呼吸に代わり腹圧呼吸が習慣化させる。この訓練は、以下のごとくである。
ステップ6 …… 完結訓練
訓練は引き続きおこなう
以上の訓練は、ステップ1からステップ5まで一応終わってもまだ不十分である。腹圧呼吸が100%身につくまで引き続き訓練を行う必要がある。以後の訓練は、1ヵ月ごとでなく1週間ごとにステップ1からステップ5までをそれぞれのステップ用のマウスピースを使用して順次訓練を続行する。この間の日常の呼吸は、T型マウスピース30を使用して腹圧呼吸を鼻でおこなう。T型マウスピース30は、昼の間だけで夜は使わない。約3〜4年で腹圧呼吸法がすっかり習慣化できるようになるのだ。この時点ではT型マウスピース30を使用しなくても自然に顎と口が引けるようになり、日常的に鼻呼吸に代わり腹圧呼吸が習慣化するのである。T型マウスピース30の使用は腹圧呼吸を実行するときだけに使用し、人前で話すときまたは会社等での勤務中は使用しない。
しかして、上記のD型マウスピース10は、軟性合成樹脂製又はゴム製で、本実施例ではシリコン樹脂製からなり、ほ乳瓶の吸い口に使用されているものである。これは、長尺楕円形の板状物である。そして、図3の平面図のように、その内側11が人の下歯(図3を参照)の前歯を中心とした一並びの下歯列aの外縁を形成する円曲線を覆う形状をなす板状物である。その上に、その板状物の周辺である縁12から底面中央部分13に向かってかまぼこ状に厚みを増していく形状をなしている(図4に示す図2の右側面図も参照)。
かようにして、図5に示すその使用状態の一部省略正面図(やや上から見た図)と図6の右側面一部省略断面図のように、その下歯列aと下唇下部付近b(図5では省略、図6に示す右側面一部省略断面図を参照)の間に挿入されて使用されるものである。長尺楕円形の板状物であって、その内側が人の下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状をなし、その板状物の縁から正面中央部分に向かって厚みを増していく形状より成る。
また、上記のO型マウスピース20は、軟性合成樹脂製又はゴム製で、これも本実施例ではシリコン樹脂製からなり、ほ乳瓶の吸い口に使用されているもので、基本的には図7に示す平面図のごとくにカム形状をした物である。しかして、図8に示すその右側面図のようにそのカムの形状をした物の上部24が人の口蓋25の口蓋前部25a(図9)を覆うようにその上面中央部分24が膨らんだ形状をなしている。そして、そのカムの形状をした物の中央部20aが先端21から幅広部分22に向かって厚みを増していく形状為している(図8参照)。さらに、そのカムの形状をした物の下部23もその底面中央部分23aが膨らんだ形状をしている。
こうして、図9に示すその使用状態の右側面図のごとくに、そのカムの形状をした物の先端21をその前歯列cの方向に向けその幅広部分22をその喉の方向に位置させた状態で使用される。具体的2は、その口蓋前部25と舌べらの先端26に挿入されて使用される。しかして、このO型マウスピース20は、その腹圧呼吸訓練の第2段階の横隔膜下降訓練に使用されるものである。
ある。
最後に、上記のT型マウスピース30は(図10のこの正面図と図11のこの平面図と図12のこの右側面図を参照)、軟性合成樹脂製又はゴム製で、これも本実施例ではシリコン樹脂製からなり、ほ乳瓶の吸い口に使用されているものである。このT型マウスピース30は、その上部内側31が人の上歯の前歯(図9を参照)を中心とした上歯列cの歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状を為している。
そして、その前歯を中心とした一並びの上歯列cの歯茎の外縁と上唇上部付近dの間に挿入されて使用される。さらに、この水平部30aの中央下部から下方向にデルタ状に広がり且つその下部に向かって厚みを増していくデルタ状部分30bから成っている。このデルタ状部分30bの内側32は、下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列aの中心付近の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状をなしこの下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列aの中心付近の歯茎の外縁を形成する円曲線と下唇下部付近bとの間に挿入されて使用される垂直部から成るものである(図13に示すこの部分の一部省略正面図と図14に示すその右側面図を参照)。
しかして、本願に関する腹圧呼吸の優れた点は、普通の呼吸のもとに深呼吸をしてその状態で呼吸を止めてその持続時間を比較すると素人にも簡単に判断できる。すなわち、腹圧呼吸のもとでのその耐久時間は、普通の呼吸のもとでのその耐久時間を軽く倍を超えるからである。
この腹圧呼吸をすることが困難になると言うことは、その呼吸に関連する筋肉の働きが弱くなっているとか、混乱を生じているためである。それ故に、加齢による認知症などは呼吸における酸素不足の脳への影響が当然に考えられる。あるいは、子供の時にどもり真似をするとどもってしまう、などもその狂いからであることは容易に考えられる。したがって、その腹圧呼吸の強化のために本願発明の力点具を以下のごとくに使用して、その強化を図るものである。
肩呼吸を直す修復力あり!
以上、本願発明の各マウスピースを使用しての全ての訓練について述べた。それで、本願発明にかかる腹式呼吸の理論を再び続ける。しかして、人間は皆加齢と共に老化する。老化はまず呼吸機能から衰えると言われる。それで、腹式呼吸ができなくなり、臓器に酸素が送れなくなると、加速度的に老化が進行する。呼吸機能は、まず肺の活動が50歳では60%位に衰え、60歳で50%、70歳では40%しか働かなくなる。腹圧呼吸が衰えて呼吸筋が働かなくなると、それを補うため肩を使って呼吸することになる。呼吸が肩呼吸になると呼吸筋が次第に退化するため、一段と肩呼吸が進行する。その理由は、人間には進化の法則が働いているため、使わない機能が退化するからである。呼吸筋が退化し肩呼吸が進行すると、肋間筋が硬化し胸がしぼむので、息苦しさがひどくなる。また、姿勢が悪くなり、前屈みから猫背に変わる。
腹圧呼吸法では、肩呼吸を修復する力を持っている。その理由は、呼吸筋を日常的に使って活性化する点にある。進化の法則では、よく使う機能は発達し、使わない機能は衰えて退化する。腹圧呼吸の修復力の秘密は、進化の法則によって上昇エネルギーを解消し、体内エネルギーを引力の法則に沿って重力エネルギーにバランスさせ、置換する点にある。
肩呼吸を直す上昇力改造理論!
深い呼吸(肺活量一杯)ができる力学!
腹圧呼吸法は、横隔膜の弾性を利用した呼吸法である。一般の腹式呼吸では、横隔膜を上下させて呼吸する。息を吸うときは横隔膜が下がり、息を吐くと胸の方に上がる。これに対し、腹圧呼吸法では横隔膜を腹式呼吸のように上下させない。これは、顎を引いて丹田力で息を吐くことによって可能になる。息を吐くとき、横隔膜を上げるのではなく横隔膜をドーム状から平坦に収縮させ、この収縮力(下降腹圧)で息を吐く。この時の横隔膜のエネルギーは下向きになる。
この力学は、腹式呼吸の者の発声の時と同様である。発声の時は、腹の力で横隔膜を上げないで腹の力、即ち横隔膜を平坦にする収縮力で発声する。カラオケで歌う場合も横隔膜の収縮による腹の力で歌っている。
一般の腹式呼吸では息を吐くときに横隔膜が上がるので、この時の体内エネルギーは一時的に上昇エネルギーになる。上昇エネルギーは引力の法則に反するので、腹式呼吸では肩呼吸を直し、腹圧呼吸にするほどの修復力がない。
これに対し、腹圧呼吸法では息を吐くとき横隔膜の下降腹圧で吐く。横隔膜の下降腹圧は、ドーム状になっている横隔膜の中央部を平坦近くまで収縮させることによって得られる。我々は、横隔膜の収縮力つまり腹の力で発声したり歌を歌っている。そして、息を吸う時は下降腹圧の反動で主に脇腹を広げて呼気する。この時は、胸腔と腹腔が広がるので、完全な胸腹呼吸になり肺活量一杯に呼吸することができる。したがって、腹圧呼吸では息を吐く時に強い下降腹圧をかけて吐くことが大切である。この目的のために、息を吐く時間を4秒と長くして残気量(濁った息)を吐き切ってから2秒吸う。したがって、腹圧呼吸は横隔膜を上下させて呼吸するのではなく横隔膜の弾性を利用し、横隔膜の下降エネルギーで呼吸する。そして、この下降エネルギーが肩呼吸を直す修復力になる。
肺活量を大きくし有酸素呼吸をする!
一般に行っている腹式呼吸は肺活量が十分で、必要な酸素を供給できる呼吸法である。一方<腹圧呼吸法では肺活量が腹式呼吸よりさらに大きく、より多くの酸素を供給することができる。その秘密は、腹圧呼吸法は息を吐くとき横隔膜を収縮させ、荷重をかけて吐き、息を吸うときは脇腹を横に広げ、完全な胸腹呼吸ができることである。この目的のため腹圧呼吸では、腹式呼吸と逆に息を吐いてから吸う。そして<息を吐くときは呼気圧を強くして吐き、息を吸うときは横隔膜の収縮荷重を開放し弛緩させる。横隔膜の弾性による反動を利用して、肺活量を大きくして呼吸量を増加させる呼吸法である。
腹圧呼吸は、習慣化すると日常的に有酸素呼吸ができるので、体の酸素欠乏を防ぎ、多くの酸素を内臓や脳に送ることができる。有酸素呼吸は生命エネルギーを高め、若さを維持するのに役立つだけでなく、酸欠によって起こる認知症等にも効果的である。
最近、街で認知症の者を見かけるが、認知症になると皆猫背になっている。猫背のため腹部と胸部が引っ込んで腹式呼吸ができなくなっている。これは、腹式呼吸のための呼吸筋が退化したために起こるのである。呼吸筋が退化すると、呼吸を補うため代わりとして肩を使って呼吸するようになる。肩呼吸では、呼吸量が少なく十分な酸素を脳に送れないため、脳が酸欠状態になる。脳は人間の思考等情報処理のため、大量の酸素が必要である。その酸素が慢性的に不足するため、脳の働きが悪くなる。認知症は肩呼吸の結果として起こり得る。腹圧呼吸法をマスターするには、上記したごとくに、D型力点具等のマウスピースによる訓練が必要である。
ここで、鼻呼吸が健康によい理由を述べる。日本人は、欧米人に比べて口呼吸が多いと言われる。また、呼吸法についてあまり関心がなく呼吸を軽視しがちである。自分の呼吸が正しく行われているかどうか考えてみる必要があると思う。呼吸は、一般に鼻から息を吸うのがよいとされている。例えば、座禅とか中国の気功や太極拳、インドのヨーガ等は皆鼻呼吸で行う。その理由は、鼻には鼻毛があって、埃やウイルスなどの侵入を防ぐこと、また鼻の奥には脳下垂体があって、脳を刺激することによって心の安定や免疫力を高めることができると言われている。
腹圧呼吸法では日常的に鼻呼吸を行う。その理由は、口と顎を引き(口の奥方向へ)下降腹圧で息を吐いてから吸うからである。この時肺に残っている残気量を吐き切ることが大切である。このため、吐く時間を4秒と長くして、吸う時間は2秒で行う。吐く時間を吸う時間の2倍にすることによって肺の中の残気量が無くなり、その分多量の酸素を鼻から吸うことができる。また、鼻呼吸を行うと免疫力が高まることは一般に知られている。この外、腹圧呼吸によるすばらしい効果が最近明らかになっている。それは鼻呼吸によって、一酸化窒素を発生させることができることである。一酸化窒素(NO)のすばらしい効果については、この物質を発見したアメリカのルイス・イグナロ博士が1999年に一酸化窒素(NO)の生理活性の発見でノーベル賞を受賞したことによっても明らかである。
一酸化窒素の素晴らしい生理活性作用!
最新の「生命医学情報」によると、一酸化窒素が人間にとって免疫力を高め、認知症やガンの予防等に著しい効果があるとされている。また、一酸化窒素(NO)は不老長寿を可能にするほどの生理効果がある物質とされていて、人間が若さを保ち、元気に生きるために欠かせないものとされている。しかし、人間は30歳を過ぎると一酸化窒素の体内生成が低下し続けると言われている。このため、30歳を過ぎると加速度的に老化が進み、誰でも老化を避けることができなかった。不老長寿は人間の夢であるが、今日その夢が可能になったと言っても過言ではないと思う。その理由は、一酸化窒素を体内で人工的に生成させることができるからである。一酸化窒素を日常的に生成させる方法としては、次の方法がある。
a 呼吸法
b 有酸素運動
ここでは呼吸法(腹圧呼吸法)について、そのやり方を説明する。
(1)日常の呼吸法
日常の呼吸で一酸化窒素を生成させるには、腹圧呼吸法を身につけ鼻呼吸を行うことである。腹圧呼吸法は、口と顎を奥へ引き、これを力点にして息はまず吐き切る。次に息を吸うときは、丹田力と腹式の力で鼻からゆっくり息を吸う。日常的に鼻呼吸を行うときの呼気と吸気のタイムは次の要領で行う。
呼気タイム・・・・4秒(吐き切る)
吸気タイム・・・・2秒(深呼吸する)
腹圧呼吸法では口を閉めて、鼻から息を吸うのが呼吸の要領で、ゆっくりした感じの呼吸法である。一酸化窒素は、脳からも多量に生成されるので、鼻からゆっくり息を吸うことによって鼻の粘膜と脳からも同時に一酸化窒素を生成させ、これを体内に取り入れることができる。老化の原因になっている活性酸素は、ストレスや疲労等によって四六時中発生している。一酸化窒素は、活性酸素を消す作用によって細胞の老化を防ぐ。しかし、一酸化窒素は寿命(3〜6秒)が短いため日常に随時一酸化窒素を生成させないと、活性酸素の発生に追いつかないことがある。この点、腹圧呼吸法を身につけると随時に一酸化窒素を生成させ、日常的に活性酸素を無害化し老化を防ぐことができる。
老化を防ぎ若返りの効果が大きい!
呼吸は、心身の状態と密接に結びついている。特に、腹圧呼吸は副交感神経を刺激するので、免疫力を高める。そして、第2に腹圧呼吸は横隔膜の動きを強力にするため、内臓に上下運動をさせ内臓の働きを活性化する。この外、内臓を刺激することによって内臓脂肪をなくし、肥満症の解消に効果がある。そして、第3に老化の原因になっている活性酸素やストレスの害を防ぐ。さらに、第4の効果として呼吸器官の若返りに効果的である。人間の老化はまず呼吸器官から衰えると言われている。
医学書によれば、人間の肺の活動は30歳代が100%で、50歳では60%に低下し、70歳では40%位に低下するから肺の働きがだんだん悪くなる。人間は、加齢によって直線的に肺の活動が低下し、50歳で40%も低下する。肺の機能低下は、次に臓器の働きを低下させるので、体の老化が直線的に進行する。その理由は、呼吸が衰え、肺からの酸素供給が少なくなると心臓や肝臓等に酸素が送られなくなり、臓器の働きが弱まるためである。腹圧呼吸法は、呼吸器官を強化する効能があり、同時に鼻呼吸による一酸化窒素(NO)の生成によって生命エネルギーが向上する。
呼吸法の進化は新たな自分を作る!
肺活量を大きくし生命エネルギーを高める!
呼吸の仕方は、生命エネルギーを左右するほど大切なことである。正しい呼吸法は、細胞に十分な酸素を供給するので生命エネルギーを高める。呼吸と精神は一体と言われ、呼吸の仕方は健康だけでなく精神にも深く影響を与えている。古来、心の修行にヨーガや座禅が行われてきたが、この時の呼吸は必ず丹田呼吸になっている。深い呼吸をすることで体内に気をめぐらせ、生命力を高めて、その者の隠れた能力を目覚めさせるのである。座禅やヨーガの修行では、丹田呼吸法によって心を安定させ、体内エネルギーを丹田部に集中させる。修行の目的は、自分の存在を宇宙のエネルギーに融合させ、精神を安定させ悟りを得ることである。宇宙には引力の法則があって、人間は生まれたときから引力の影響を受けている。従って、体内エネルギーを重力方向の下降エネルギーにすることが大切である。
しかし、呼吸が肩呼吸に悪化すると宇宙の引力の法則に反し上昇エネルギーが働く。そのため、肉体的あるいは精神的障害を起こす。具体的には、息苦しいとか疲れ易いとか集中力がないとか気力が低下する等は呼吸の悪化によるものと思われる。特に、中高年になるとどんな者でも、多かれ少なかれ肩呼吸になっている。そのために、細胞が慢性的に酸欠状態になり、生命エネルギーが低下している。認知症・うつ病・情緒不安定などが起こり易いのは、肩呼吸で酸素不足に起因していると思われる。呼吸が肩呼吸になると、横隔膜が上昇するため体内に上昇エネルギーが働く。横隔膜の上昇は、同時に硬直を伴うので次第に息苦しくなり、緊張や不安を感じるようになり、また消化器官の不調も感じる。これまでは、肩呼吸を直す呼吸法がなかったが、腹圧呼吸法は呼吸を修復する力を持っている。その理由は、腹圧呼吸は、一般的に行っている腹式呼吸よりさらに強い呼吸法であるからである。腹圧呼吸法では、横隔膜に筋力をつけ下降腹圧で呼吸する。一般に行っている腹式呼吸法では横隔膜を上・下させて呼吸する。息を吸う時は横隔膜が下がり、息を吐くと横隔膜が胸の方へ上がる。腹式呼吸法は人間が生まれた時から無意識の中に行っていて、だれもがこの呼吸で生きている。
腹圧呼吸法が腹式呼吸法と大きく違う点は、横隔膜を上・下させないで呼吸することである。そのために、息は吐く時が大切である。息は吐いてから吸うので、一般の呼吸法と逆になる。腹圧呼吸で息を吐く時は、横隔膜を上げないで、反対に横隔膜を下降させて吐く。この時の力学は。横隔膜を収縮させ、ドーム状に減じて平坦に下降させて息を吐く。次に息を吸う時は、横隔膜の力を弛緩させ、主に脇腹の力で吸気する要領で行う。これは、丁度、魚が鰓を横に開いて呼吸するのに似ている。腹圧呼吸を行うには、顎と口を引き、これを起点にして訓練することによって可能である。この目的のため、本願発明のマウスピースを使用して訓練を行う。訓練は、顎を起点にして下降エネルギーを丹田部に通す要領で行う。この訓練によって、体内エネルギーが下降エネルギーに変わる。また、腹圧呼吸によって日常的に体内の上昇エネルギーを解消し、次第に宇宙の引力と一体の下降エネルギーで呼吸ができるようになる。
呼吸を宇宙のエネルギーと融合させることは、座禅やヨーガ等の修行の目的と一致する。また、体内の下降エネルギーは増幅することが可能なので、呼吸エネルギーによって精神エネルギーと肉体エネルギーを高め、新たな自分を作ることが可能である。さらに、腹圧呼吸法は、息を吐く時に下降腹圧で肺の中の残気量をなくし、息を吐き切ってから吸気する。吸気は、脇腹を広げ胸郭を拡張させるので、多量の息を肺活量一杯に吸うことができる。腹式呼吸法では、多量の残気量が残るので息が吐ききれないのに対し、腹圧呼吸では残気量が少なく新鮮な空気を日常的に呼吸できる。したがって、腹圧呼吸法をマスターすることは多量の酸素を呼吸し、細胞を活性化することによって老化を防止し、健康寿命を長く保つことができる。
呼吸の法則!
呼吸は大宇宙の意志に従って行う!
腹圧呼吸法を修得する目的は、体内エネルギーを宇宙のエネルギーに融合させることにある。人間は、出生の時から自然に呼吸をして生まれている。これは、誰から教えられたことでもなく、呼吸をして生きることを知っているからである。赤子が自然に呼吸して生きることを知っているのは、人間が宇宙の法則に従って生きなければならないことを運命づけられているからである。したがって、人間の呼吸には不思議な神秘性がある。人体は小宇宙とも言われていて、宇宙の一部になっている。大宇宙には、「万有引力の法則」があり、万物を支配している。小宇宙と言われる人間の体も「万有引力の法則」を受けており、呼吸も例外ではない。赤子が自然に呼吸できるのは、宇宙の意志に従っているためと思われる。
また、人間は「万有引力の法則」と同時に「進化の法則」も受けている。進化の法則では、「よく使う機能は発達し、使わない器官は衰えて退化する」という法則で、これも大宇宙の意志である。人間は、この二大法則を守って生きていかなければならない運命を背負っている。大宇宙の意志を守って生きているか否かで人間の寿命に大きな差が出るのは当然と言わなければならない。宇宙の法則は健康だけでなく精神面にも大きな影響を与えている。精神と肉体は一体であり、また呼吸も肉体と一体である。したがって、呼吸は単に酸素を取り入れるだけでなく、人間の心と健康、そして寿命をも支配している。通常、人間の呼吸は腹式呼吸である。その理由は、自然の法則に沿っているからである。腹式呼吸の者は、常に平常心であり物事に動じない。これは、体内エネルギーと精神エネルギーが引力と協調しているからである。人間の呼吸は、宇宙と融合させることができれば生命エネルギーが高まり、百歳現役も可能になると思う。
肥満の解消に効果的!
内臓脂肪をとる!
肩呼吸の者は、中高年になると腹部が出て肥満になる可能性がある。これは、内臓脂肪が溜まって脂肪代謝が悪いために起こると言われている。内臓脂肪は、内臓の表面を覆っている脂肪が過剰に蓄えられている状態のことである。この肥満を解消または予防するには、運動によって脂肪分を燃焼させることが最も良いこととされている。運動のうち、例えばジョギングが良いと言われるが、これは走る運動によって内臓を上下に運動させ、脂肪を燃焼させるからである。内臓脂肪は、運動だけでなく呼吸法でもとることができる。悪い呼吸か良い呼吸かによって、内臓脂肪の燃焼には大きな差がある。悪い呼吸には、肩呼吸があり、良い呼吸には腹圧呼吸法がある。次にそれぞれの特徴を理論的に説明する。
(1) 肩呼吸の場合
肩呼吸になると、腹式呼吸ができなくなる。このため、腹部で息ができなくなり、その代わりとして肩を動かして息をする。進化の法則によれば、「使われない器官」は退化するから肩呼吸が習慣化すると、横隔膜が上昇して動きが悪くなって退化してしまう。腹式呼吸では、横隔膜を上下させて呼吸しているのに対し、肩呼吸では横隔膜が吊り上がったままで内臓の動きが悪くなっている。横隔膜の下には多くの内臓がある。この内臓の動きによって人間は生きていられるのである。内臓も腕や足の筋肉と同様に運動させることが必要である。
しかし、肩呼吸では横隔膜の下にある肝臓・腎臓・胃・腸等の臓器に運動させることができない。このため内臓についた脂肪が消費されることなく、どんどんたまって脂肪太りの原因になっている。また、肥満の原因には呼吸による酸素不足がある。肩呼吸の場合は呼吸量が少ないだけでなく、無呼吸になり呼吸が止まることがしばしばある。このため、内臓が酸素不足になり、その働きが悪くなるだけでなく運動不足によって、内臓脂肪が燃焼しないのが内臓肥満の原因になる。したがって、肥満を解消するには第一にジョギング等の運動をすることであり、そして、第2に肩呼吸を腹式呼吸または腹圧呼吸に変え、有酸素呼吸をすることが大切である。
(2)腹式呼吸の場合
腹式呼吸は、横隔膜の上下運動で呼吸する。息を吸う時は横隔膜を腹部の方に下げ、息を吐く時は横隔膜が胸の方に上がる。腹式呼吸で内臓に運動させるには、息を吸って横隔膜を下げるとそれに伴って内臓も下がる。また、息を吐いて横隔膜が上がると内臓も上がる。このように呼吸時に内臓が上下運動する。しかし、呼吸時の上下運動はジョギングの時のような激しく強い運動ではなく、ごく軽い運動であるから肥満を解消するほどのエネルギーはない。
(3)腹圧呼吸の場合
腹圧呼吸法では、腹式呼吸のように横隔膜は大きく上下させない。腹式呼吸では息を吸う時に横隔膜が下がり、この時内臓も同時に下がる。これに対し、腹圧呼吸は、横隔膜の弾性を利用し筋肉の収縮と弛緩によって内臓に運動を与える。この時の運動は、内臓の上下運動より寧ろ圧力による圧縮運動になる。腹圧呼吸は、4秒吐いて2秒吸う呼吸である。そして、息を吐く時が大切で、腹式呼吸で息を吐く時と逆になる。腹式呼吸で息を吐く時は横隔膜が胸の方に上がるが、腹圧呼吸では横隔膜を下降させ、下降腹圧を4秒かけてから2秒で吸気する。これに対し腹式呼吸は1分間に15回位呼吸するので、約2秒吸って、2秒吐く。
横隔膜の下降腹圧は、初めドーム状になっている横隔膜に呼気をかけドーム状から平坦近くになるまで筋肉を収縮させ下降させる。この時、内蔵には強い下降腹圧がかかり圧縮される。そして、息を吸う時は横隔膜を弛緩させ元のドーム状に戻して呼気する。腹圧呼吸で息を吐く時の圧力は、発声時の圧力と同じくらいでかなり強い力で行う。また、4秒間下降腹圧をかけるので内蔵を圧縮させる力は、腹式呼吸より数倍も強い力をかけて運動させることになる。そして、この下降腹圧が内臓の脂肪を解消する。また同時に息を吸うときは横隔膜の弛緩による反動によって脇腹(水平力)で呼気できるので、肺活量一杯に有酸素運動ができる。一般に、内臓脂肪解消等の健康法としてジョギングが行われているが、ジョギングは公園等外出して行うため、いつでもできるわけではない。しかし、腹圧呼吸法による方法では家庭でプレッシャーバンドの圧力(5kg)を横隔膜にかけ、内臓に強い圧力運動を随時に与える事ができる。また、日常の呼吸法では、息を吸うときに4秒、吐く時に腹圧を日常的にかけることができる便利さがある。以上のように腹圧呼吸法は、百歳現役のために必要なあらゆる生理効果が期待できる。
本願発明の呼吸訓練は、吃音の矯正ばかりでなく、認知症の予防などの呼吸が関連する全ての分野に利用可能となる。
肺の衰えと臓器の衰えの関係を示した図表である。 本発明にかかる腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法の一実施例のD型マウスピーの正面面を示したものである。 図2の実施例の平面図を示したものである。 図2のもののA−A線断面図である。 図2の実施例のものの使用状態の一部省略のやや上からの正面図を示したものである。 図2の実施例のものの使用状態の右側面一部省略断面図を示したものである。 本発明にかかる腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法の一実施例のO型マウスピーの正面面を示したものである。 図7のものの右側面図である。 図7のものの使用状態の右側面図を示したものである。 本発明にかかる腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法の一実施例のT型マウスピーの正面面を示したものである。 図10のものの平面図を示したものである。 図10のものの右側面図を示したものである。 図10のT型マウスピースの使用状態の一部省略正面図を示したものである。 図10のT型マウスピースの使用状態の一部省略右側面図を示したものである。 訓練者が寝ておもりを腹に乗せてステップ1の訓練をしている状態の正面図であって、空気を吐いたた時を示している。 訓練者が寝ておもりを腹に乗せてステップ1の訓練をしている状態の正面図であって、空気を吸った時を示している。
符号の説明
10 D型マウスピース
11 板状物内側
12 板状物の周辺である縁
13 板状物の底面中央部分
20 O型マウスピー
21 カムの形状をした物の先端
22 カムの形状をした物の幅広部分
23 カムの形状をした物の下部
24 カムの形状をした物の上部
25 人の口蓋
25a 口蓋前部
26 舌べらの先端
30 T型マウスピース
30a T型マウスピースの水平部
30b T型マウスピースの垂直部
31 上部内側
32 T型マウスピースのデルタ上部分の内側
a 下歯列
b 下唇下部付近
c 上歯列
d 上唇上部付近

Claims (1)

  1. 第1段階の訓練で下記のD型マウスピースを下歯列と下唇下部付近の間に装着しその腹圧呼吸訓練の第1段階での丹田部の訓練としてまず顎を引きながら下唇下部付近で内側にこのD型マウスピースを強く締め仰向けに寝て腕と肩から力を抜き両腕を体の横に沿わせるように置いた状態で呼吸することによって丹田力をつけ以降の訓練の基礎にし、
    第2段階の訓練で下記のO型マウスピースをその先端を前歯方向に向けその幅広部分を喉の方向に位置させた状態で口蓋前部と舌べらの先端に挿入して使用しその腹圧呼吸訓練の第2段階での横隔膜下降訓練として肩を下げて前面に出しこのO型マウスピースを力点にし横隔膜を引き下げるように使用し、
    第3段階の訓練で下記のT型マウスピースをその水平部を上歯列の前歯を中心とした一並びの上歯列の歯茎の外縁と上唇上部付近の間に挿入しその垂直部を下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の歯茎の中心付近の外縁と下唇下部付近との間に挿入してその腹圧呼吸訓練の第3段階での腹圧の降下訓練として横隔膜の再生によって腹式エネルギーを強化し日常的に腹圧呼吸ができるようにし、
    第4段階の訓練で下記のD型マウスピースを上記の第1段階での訓練のように装着しその第4段階での吸引法の訓練として再び顎を引きながら下唇下部付近でこのD型マウスピースを内側に強く締め口を一文字に引いて軽く開き顎も吸気方向(内側)に向けて強く引き立てて肩を下げ腕を伸ばし腹部の位置で壁等の垂直支え物に両腕を伸ばし腕立て伏せの要領で呼吸訓練をすることによって横隔膜に水平力をつけ脇腹で吸気できるようにし、
    第5段階の訓練で下記のT型マウスピースを上記の第3段階での訓練のように口に挿入しその第5段階での脳の改革訓練として脳に腹圧呼吸をインプットし、
    第6段階の訓練で下記のD型とO型とT型の各マウスピースを上記の第1段階から第5段階での訓練のようにそれぞれ口に装着しその第6段階での完結訓練として以上の第1段階から第5段階までの訓練を順次続行し日常的に鼻呼吸に代わり腹圧呼吸が習慣化させる、
    ことより構成されることを特徴とした腹圧呼吸法習得のための訓練補助用マウスピース使用方法。
    上記のD型マウスピースは、軟性合成樹脂製又はゴム製の長尺楕円形の板状物であってその内側が人の下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状をなしその板状物の縁から正面中央部分に向かって厚みを増していく形状より成る。
    上記のO型マウスピースは、軟性合成樹脂製又はゴム製のカムの形状をした物であり且つそのカムの形状をした物の上部が人の口蓋前部を覆う膨らみ形状をなしさらにそのカムの形状をした物の下部もその縁から底面中央部分に向かって厚みを増していく形状を為しその上そのカムの形状をした物の中央部が先端から幅広部分方向にに向かって厚みを増していく形状より成る。
    上記のT型マウスピースは、軟性合成樹脂製又はゴム製でその上部が長尺板状物でありその上部内側が人の上歯の前歯を中心とした一並びの上歯列の歯茎の外縁を形成する円曲線を覆う形状を為した水平部とこの水平部の中央下部から下方向にデルタ状に広がり且つ下部に向かって厚みを増していきこのデルタ状部分の内側が下歯の前歯を中心とした一並びの下歯列の中心付近の外縁を形成する円曲線を覆う形状を為した垂直部より成る。
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