以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域91がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器(第1可変表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器(第2可変表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
主基板31には、ホワイトノイズにもとづくハードウェア乱数を発生する乱数発生回路501が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の時期に乱数発生回路501が出力するデータを入力し、入力したデータを、乱数を生成するためのカウンタ(RAM55の領域)に設定する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは、電源バックアップされていない。従って、停電等が生じた後、電力供給が復旧したときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理を実行し、RAMの内容を初期化する。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、電源基板910の構成を図4のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を許可したり遮断したりするための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源になる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のスイッチングレギュレータ(図4では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図4に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922Aには、VBBも供給されている。例えば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aを介して主基板31に出力される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号は、ランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。また、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板に搭載した場合に、リセット信号をハイレベルにすることになる電圧値を異ならせるようにしてもよい(例えば、主基板31における場合を最も高くして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対するリセット信号がハイレベルになるタイミングを最も遅くする。)。
電源監視回路920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号は、主基板31に搭載されている入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15およびステップS45,S46)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S44の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、表示結果指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。なお、表示結果指定コマンドとして複数種類のコマンドがあるが、ステップS44の処理では、RAM55に保存されていた表示結果指定コマンド(電力供給が停止した時点において最後に送信した表示結果指定コマンド)を示すデータにもとづくコマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドには合算保留記憶数を示すデータが含まれるが、ステップS44の処理では、RAM55に保存されていた合算保留記憶数を示すデータを含む合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS45)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS46)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
さらに、CPU56は、乱数発生回路501からデータを読み出して(ステップS14A)、乱数発生回路501から読み出したデータを、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタに初期値としてセットするとともに、乱数発生回路501から読み出したデータを、RAM55におけるランダム1用初期値バッファに初期値として保存しておく(ステップS14B)。CPU56は、さらに乱数発生回路501からデータを読み出し、読み出したデータを、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタに初期値としてセットするとともに、乱数発生回路501から読み出したデータを、RAM55におけるランダム5用初期値バッファに初期値として保存しておく(ステップS14C)。なお、乱数(大当り判定用乱数、普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタのそれぞれに応じた複数の乱数発生回路501を設けてもよい。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)にもとづく第1特別図柄の可変表示に対応して(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)にもとづく第2特別図柄の可変表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:大当りとしない場合にリーチするか否か決定する(リーチ判定用)
(9)ランダム9:遊技状態(確変状態/通常状態)を決定する(遊技状態決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(9)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図7に示された乱数(特に、ランダム1,3,4,9)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダム1(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルは、ROM54に格納されている。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図8(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図8(B)参照)とがある。図8(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、有効始動入賞が生じたときに、ランダム1を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とし、特別図柄の変動を開始するときに、大当り判定用乱数値が図8に示す大当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当り(大当りまたは2R大当り(小当たり))とすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りの場合よりも多く、例えば15ラウンドである。
2R(2ラウンド)大当り(小当り)とは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される大当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態が確変状態に移行することはない。
図9は、リーチ判定テーブルを示す説明図である。リーチ判定テーブルとは、ランダム8(リーチ判定用乱数)と比較されるリーチ判定値が設定されているテーブルである。リーチ判定テーブルは、ROM54に格納されている。リーチ判定テーブルには、第1特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が3以下(4未満)の場合に用いられる判定テーブル(図9(A)参照)と、第1特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が4以上の場合に用いられる判定テーブル(図9(B)参照)と、第2特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が3以下(4未満)の場合に用いられる判定テーブル(図9(C)参照)と、第2特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が4以上の場合に用いられる判定テーブル(図9(D)参照)とがある。
CPU56は、有効始動入賞が生じたとき(特別図柄の変動開始時でもよい。)に、ランダム8を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値をリーチ判定用乱数値とし、特別図柄の変動開始時に、リーチ判定用乱数値が図9に示すリーチ判定値に一致すると、リーチすることに決定する。
図9に示すように、合算保留記憶数が多い場合には、リーチすることに決定される割合は低い。また、第1特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブル(図9(A),(B)参照)と第2特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブル(図9(C),(D)参照)とを比較すると、リーチ判定値の数が異なっている。具体的には、第2特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブルにおけるリーチ判定値の数の方が少ない。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が4以上か否かで、使用するリーチ判定テーブルを変えているが、「4」は一例であって、使用するリーチ判定テーブルを変えるための値として他の値を用いてもよい。また、使用するリーチ判定テーブルを変えるための値として、複数の値を用いてもよい。一例として、合算保留記憶数が4未満の場合に用いられるリーチ判定テーブルと、合算保留記憶数が4〜6の場合に用いられるリーチ判定テーブルと、合算保留記憶数が7以上の場合に用いられるリーチ判定テーブルとを用いるようにする。
上記の判定用乱数および表示用乱数は、CPU56によって定期的(この実施の形態では2ms毎)にカウントアップされ、カウント値が最大値を越えると最小値(例えば、0や1)に戻される。
カウンタのカウント値は定期的にカウントアップされるので、何らかの手段でカウントアップの周期やカウンタのカウント値が1周する周期が検出されると、例えば大当り判定値と一致する乱数値を発生するタイミングが認識されてしまう。すると、大当り判定値と一致する乱数値が発生するタイミングを狙った遊技を行うことによって、頻繁に「大当り」を発生させることが可能になってしまう。大当り判定値と一致する乱数値が発生するタイミングを狙うために、遊技機に不正基板が取り付けられる場合がある。そのような不正基板は遊技制御を行う回路部分から外部に出力される信号を導入し、その信号にもとづいて遊技制御を行う回路部分の起動タイミングを検出し、大当り判定値と一致する乱数値が発生するタイミングを検出している。そして、不正基板は、そのタイミングに同期するように、遊技制御を行う回路部分に所定の信号(始動入賞信号)を送り「大当り」を不正に発生させることが可能になる。その結果、遊技機を設置している遊技店に不利益が生じてしまう。
「大当り」を生じさせる乱数値の発生を狙った不正信号による不正行為を防止するために、カウント値が1周(例えば、631種類の乱数のいずれかを発生させたい場合には631歩進すること)すると、カウント値を特定の値(例えば、0)に戻すのではなく、カウンタにランダムな値を設定するようにすることが提案されている。そのようなカウンタ制御を行えば、外部から「大当り」を生じさせる乱数値の発生を狙うことが難しくなる(例えば、特開平11−70252号公報参照)。以下、カウント値が1周した場合にカウンタにランダムな値を設定することをカウンタの初期値を変更するという。
しかし、特開平11−70252号公報に記載されている方式では、乱数を生成するためのカウンタのカウント値が1周しない限り、カウンタの初期値は変更されない。
一般に、遊技機に対して電力供給が開始されるとCPU56はカウンタのカウント値を特定の値(例えば、0)に初期化するので、遊技機に対する電力供給が開始されてからカウンタのカウント値が1周するまでは、「大当り」を生じさせる乱数値の発生タイミングを狙うことが可能になってしまう。遊技機に対して電力供給が開始されたときでなくても、CPU56にリセット信号が与えられてCPU56が再度初期状態から制御を開始する場合にも、CPU56はカウンタのカウント値を特定の値(例えば、0)に初期化するので、遊技機に対する電力供給が開始されてからカウンタのカウント値が1周するまでは、「大当り」を生じさせる乱数値の発生タイミングを狙うことが可能になってしまう。
そこで、この実施の形態では、CPU56は、カウンタのカウント値が1周した場合にカウンタの初期値を変更するとともに、遊技機に対して電力供給が開始されたときに実行する初期化処理(ステップS10〜S15)において、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに、乱数発生回路501から読み出したデータを初期値として設定する(図5におけるステップS14B参照)。また、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタに、乱数発生回路501から読み出したデータを初期値として設定する(図5におけるステップS14C参照)。なお、CPU56は、遊技機に対して電力供給が開始されたときだけでなく、リセット信号が入力されて初期化処理を実行するときにも、ステップS14B,S14Cの処理を実行する。
乱数発生回路501は、ホワイトノイズ(白色雑音)にもとづく乱数を発生する回路である。ホワイトノイズにもとづく乱数は一様乱数である。一様乱数とは、所定の区間(例えば、0〜630や0〜1023などの数値範囲)において、その区間(数値範囲)に含まれる全ての数値の出現確率が同じであるような乱数である。すなわち、数値範囲における各数値が、ランダムに、かつ、同程度の割合で発生する乱数である。
図10は、乱数発生回路501の一構成例を示すブロック図である。ただし、図10には、数値範囲が24=16(0〜15)である場合の構成例が示されている。図10に例示する乱数発生回路501は、ホワイトノイズにもとづく乱数の一例としてM系列(maximum length sequences)の符号を発生する回路である。M系列の符号(M系列乱数)を発生する回路は、ホワイトノイズと見なせる乱数すなわちホワイトノイズにもとづくディジタル値の乱数を発生する回路として、通信システム等ではよく用いられている。M系列の符号を発生する回路は、0と1をランダムに発生する。また、発生パターンの周期が理論的に最大である。従って、M系列の符号を発生する回路がデータをシリアル出力するように構成されている場合、その回路が出力するビット(0または1)を任意の時点から連続して入力してn(正の整数)ビットのデータとした場合に、nビットのデータが示す数値(n=4の場合には0〜15のいずれか)は、その後に出力されるnビット毎のデータが示す各数値との間でランダム性(同じ数値が時間的に規則性なく出現すること)を有し、各数値を乱数と見なすことができる。
乱数発生回路501は、クロック入力端子504に入力されるクロック信号にもとづいてデータをシフトするシフトレジスタ502と、シフトレジスタ502の最終段の出力と中途の段の出力との排他的論理和を演算する排他的論理和回路503とを含む。排他的論理和回路503の出力は、シフトレジスタ502の初段に入力される。また、シフトレジスタ502の最終段の出力は、出力端子505から出力される。この実施の形態では、出力端子505から遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、シフトレジスタ502からシリアル信号によるデータが入力されるが、入力されたデータを4ビット毎に区切ったデータ(10進数で0〜15のいずれか)は、ランダムな乱数になっている。
なお、図10に示された例では、シフトレジスタ502の段数が4であるから数値範囲は24=16(0〜15)になるが、数値範囲を210=1024(0〜1023)にしたい場合には、シフトレジスタ502の段数を10にすればよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が扱う数値範囲が631(0〜630:ランダム1の場合)である場合には、例えば、シフトレジスタ502の段数が10である乱数発生回路501から入力されるデータを10ビット毎に区切り、10ビットで表されるデータ(10進数で0〜1023のいずれか)が630を越えた場合には、任意の数値に置き換えればよい。ランダム1の数値範囲を例えば0〜511とすれば、シフトレジスタが9段で構成された乱数発生回路を用いて、その乱数発生回路の出力をそのまま使用できる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が扱う数値範囲が1〜13の14(ランダム5の場合)である場合には、例えば、シフトレジスタ502の段数が4である乱数発生回路501から入力されるデータを4ビット毎に区切り、4ビットで表されるデータ(10進数で0〜15のいずれか)が0または13を越えた数値である場合には、任意の数値に置き換えればよい。なお、ランダム5の数値範囲を例えば0〜15とすれば、シフトレジスタが4段で構成された乱数発生回路を用いて、その乱数発生回路の出力をそのまま使用できる。ただし、図10に例示されているM系列の符号を発生する回路は0と1をランダムに出力するので、例えば、シフトレジスタ502の段数が4である乱数発生回路501を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、連続する任意のビット数(4以外でもよい)のデータを入力して、入力したデータが示す数値を乱数値(この例では、カウンタに設定される初期値)としてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、乱数発生回路501からシリアル信号によるデータが入力されるように構成されているが、例えば乱数発生回路501と遊技制御用マイクロコンピュータ560との間にシリアル−パラレル変換器を設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を示すデータとして、パラレル信号によるデータが入力されるように構成されていてもよい。また、乱数発生回路501の内部において、出力端子505の手前にシリアル−パラレル変換器を設けてもよい。
また、この実施の形態では、初期化処理において、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに乱数発生回路501から読み出したデータを初期値として設定し(図5におけるステップS14B参照)、続いて、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタに乱数発生回路501から読み出したデータを初期値として設定しているが(図5におけるステップS14C参照)、ステップS14Bの処理が実行されてからステップS14Cの処理が実行されるまでにCPU56による処理時間(例えば、マイクロ秒オーダー)が経過するので、クロック入力端子504に入力されるクロック信号の周波数が高ければ(例えば、MHzオーダー)、処理時間の間に乱数発生回路501の出力は変化するので、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタと普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタに同じ値が設定されることはない。なお、1つの乱数発生回路501を使用する場合には、一例として、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに初期値を設定するときには、乱数発生回路501から順次シリアル出力されるデータから連続する10ビット(10進数で0〜1023のいずれかになる)を入力すればよく、普通図柄当り判定用乱数を生成するために、乱数発生回路501から順次シリアル出力されるデータから連続する4ビット(10進数で0〜15のいずれかになる)を入力すればよい。なお、上述したように、乱数(大当り判定用乱数、普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタのそれぞれに応じた複数の乱数発生回路501を設けてもよい。
また、乱数発生回路501は、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは非同期に動作している(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の動作クロック信号とクロック入力端子504に入力されるクロック信号とは周波数が異なっている。)ので、また、遊技機に対して電力供給が開始されたとき、または遊技制御用マイクロコンピュータ560にリセット信号が与えられたとき(遊技制御を開始したとき)から、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS14Bの処理を開始するときまでの時間は一定ではない。なぜなら、リセット信号を生成するリセット回路は一般にコンデンサを含む回路であり、コンデンサへの充電によってコンデンサの電圧が所定値になるとリセット信号を出力する(具体的には、リセット信号をハイレベルにする。)のであるが、コンデンサに対する充電速度は、温度等の環境条件に応じて変わるからである。なお、遊技機に対して電力供給が開始されたときにも、リセット信号を生成するリセット回路から遊技制御用マイクロコンピュータ560にリセット信号が与えられる。遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技制御を開始したときから、ステップS14Bの処理を開始するときまでの時間は一定ではないので、例えば、リセット信号を連続して遊技制御用マイクロコンピュータ560に与えても、カウンタに設定される初期値は一定ではない。
また、この実施の形態では、ホワイトノイズにもとづく乱数としてM系列の符号を発生する乱数発生回路501を例示するが、ホワイトノイズにもとづく乱数発生回路として、抵抗器や半導体素子等に流れる電流の揺らぎに伴う雑音(アナログ的なホワイトノイズに相当)にもとづく乱数を発生する回路(例えば、特開2001−344094号公報参照)や、その他の熱雑音にもとづく乱数を発生する回路や、発振回路を利用した発振回路型乱数回路等を使用することもできる。それらの回路は、例えば、ランダムに変化するアナログ的なホワイトノイズのレベル(電流値など)をディジタル化することによって乱数を得るように構成される。
図11は、図6に示された遊技制御処理で実行される判定用乱数更新処理(ステップS23)を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS201)。そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値が最大値(この例では630)を越えている場合には、カウント値を0に戻す(ステップS202,S203)。以下、ランダムn(n:1,2,・・・)を生成するためのカウンタをランダムn用カウンタということがある。
次いで、CPU56は、ランダム1用カウンタのカウント値が初期値としてランダム1用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS204)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS205)。すなわち、ランダム6を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム1用初期値バッファに保存するとともに(ステップS206)、抽出された値を、ランダム1用カウンタに設定する(ステップS207)。よって、この時点で、ランダム1用カウンタの初期値が変更される。
次に、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタ(ランダム5用カウンタ)の値を+1する(ステップS211)。ランダム5用カウンタの値が最大値(この例では13)を越えている場合には、カウント値を1に戻す(ステップS212,S213)。
次いで、CPU56は、ランダム5用カウンタのカウント値が初期値としてランダム5用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS214)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム7(ランダム1初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS215)。すなわち、ランダム7を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム5用初期値バッファに保存するとともに(ステップS216)、抽出された値を、ランダム5用カウンタに設定する(ステップS217)。よって、この時点で、ランダム5用カウンタの初期値が変更される。
また、CPU56は、ランダム9(遊技場隊決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS218)。そして、ランダム9を生成するためのカウンタの値が最大値(この例では599)を越えている場合には、カウント値を0に戻す(ステップS219,S220)。
図12は、図6に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS24)、図5に示されたメイン処理における割込余り時間(遊技制御処理終了後、次回の2msタイマ割込が発生するまでの時間)で繰り返し実行される初期値用乱数更新処理(ステップS18)を示すフローチャートである。
初期値用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS231)。ランダム6用カウンタの値が最大値を越えている場合には、カウント値を0に戻す(ステップS232,S233)。なお、最大値は、ランダム1の場合と同様に630である。
また、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS234)。ランダム7用カウンタの値が最大値を越えている場合には、カウント値を1に戻す(ステップS235,S236)。なお、最大値は、ランダム5の場合と同様に13である。
図13は、図11に示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム1の最初の値は451になっている。つまり、図5に示されたステップS14Bの処理において、乱数発生回路501から読み出されたデータが「451」であった例が示されている。図13において、ステップS14Bの処理が実行された時点がAで示されている。そして、最初はランダム1用初期値バッファに初期値として「451」が保存されているので、カウント値が「450」まで進み、そこで+1されて値が451になると、ステップS204の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS205の処理でランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図13においてBで示されている。
ここで、その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「19」であったとする。すると、ランダム6として「19」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS206)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「19」から歩進することになる。
ランダム1を生成するためのカウンタの値が歩進して「19」になると、ステップS204の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS205の処理でランダム6が抽出される。なお、この時点は、図13においてCで示されている。その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「195」であったとする。すると、ランダム6として「195」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS206)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「195」から歩進する。
そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値が歩進して「195」になると、ステップS204の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS205の処理でランダム6が抽出される。なお、この時点は、図13においてDで示されている。その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「n」であったとする。すると、ランダム6として「n」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS206)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「n」から歩進する。なお、図13において、星印(☆)は、カウント値が「3(大当り判定値とする。)」になる位置を示している。星印の位置は、周毎に異なっている。
以上のように、ランダム1を生成するためのカウンタの値が1周(631カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム1を生成するためのカウンタ(大当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム6の値もランダムな値になるので、大当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
さらに、1周目(図13における最上段の場合)のランダム1を生成するためのカウンタの初期値は、ホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路501の出力にもとづいて決定される。上述したように、乱数発生回路501の出力は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理におけるステップS14Bの処理を実行するときに異なる値になる。すなわち、初期化処理を複数回実行した場合に、それぞれの実行において、ランダム1を生成するためのカウンタの初期値は異なる。このことは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするような不正行為がなされても、不正行為者はランダム1を生成するためのカウンタの初期値を認識できず、その結果、ランダム1が大当り判定値と一致するタイミングを把握できないことを意味する。つまり、2周目以降に大当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進を始めさせることによって、ランダム1が大当り判定値に一致するタイミングを狙って不正な始動入賞信号を主基板31に送り込むことを困難にした上で、さらに、1周目においても、ランダム1が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことを困難にすることができる。
この実施の形態では、さらに、普通図柄判定用乱数の初期値もランダムになるように制御される。図14は、図11に示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム5(普通図柄判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム5の最初の値は8になっている。つまり、図5に示されたステップS14Cの処理において、乱数発生回路501から読み出されたデータが「8」であった例が示されている。図14において、ステップS14Cの処理が実行された時点がAで示されている。そして、最初はランダム5用初期値バッファに初期値として「8」が保存されているので、カウント値が「7」まで進み、そこで+1されて値が8になると、ステップS214の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS215の処理でランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図14においてBで示されている。
ここで、その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「3」であったとする。すると、ランダム7として「3」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS216)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「3」から歩進することになる。
ランダム5を生成するためのカウンタの値が歩進して「3」になると、ステップS214の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS215の処理でランダム7が抽出される。なお、この時点は、図14においてCで示されている。その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「6」であったとする。すると、ランダム7として「6」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS216)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「6」から歩進する。
そして、ランダム5を生成するためのカウンタの値が歩進して「6」になると、ステップS214の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS215の処理でランダム7が抽出される。なお、この時点は、図14においてDで示されている。その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「k」であったとする。すると、ランダム7として「k」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS216)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム6を生成するためのカウンタは、初期値「k」から歩進する。なお、図14において、星印(☆)は、カウント値が「11(当り判定値とする。)」になる位置を示している。星印の位置は、周毎に異なっている。
以上のように、ランダム5を生成するためのカウンタの値が1周(1〜13の14カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム5を生成するためのカウンタ(普通図柄当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム7を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム7の値もランダムな値になるので、普通図柄当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
さらに、1周目(図14における最上段の場合)のランダム5を生成するためのカウンタの初期値は、ホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路501の出力にもとづいて決定される。上述したように、乱数発生回路501の出力は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理におけるステップS14Cの処理を実行するときに異なる値になる。すなわち、初期化処理を複数回実行した場合に、それぞれの実行において、ランダム5を生成するためのカウンタの初期値は異なる。このことは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするような不正行為がなされても、不正行為者はランダム5を生成するためのカウンタの初期値を認識できず、その結果、ランダム5が当り判定値と一致するタイミングを把握できないことを意味する。つまり、2周目以降に普通図柄当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進を始めさせることによって、ランダム5が当り判定値に一致するタイミングを狙って不正な入賞信号を主基板31に送り込むことを困難にした上で、さらに、1周目においても、ランダム5が普通図柄当り判定値に一致するタイミングを狙うことを困難にすることができる。
なお、この実施の形態では、ホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路501の出力にもとづいて初期値が設定されるカウンタとして、ランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム5を生成するためのカウンタを例示したが、乱数発生回路501の出力にもとづいて初期値が設定されるカウンタに限られない。大当りの種類(確変大当り/通常大当り)を決定するための遊技状態決定用乱数(ランダム9)を生成するためのカウンタについて、ランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム5を生成するためのカウンタに対する上記の制御と同様の制御を行ってもよい。さらに、時短状態にするか否か決定するための乱数(時短判定用乱数:普通図柄確変判定用乱数ともいう)を使用する遊技機では、それらの乱数を生成するためのカウンタについて、ランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム5を生成するためのカウンタに対する上記の制御と同様の制御を行ってもよい。
また、この実施の形態では、乱数を生成するためのカウンタのカウント値の1周目にのみホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路501の出力にもとづいて決定したが、2周目以降の初期値を更新するときにも、乱数発生回路501の出力にもとづいて初期値を決定し、決定した初期値をカウンタに設定するようにしてもよい。
さらに、この実施の形態では、遊技機に対して電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにランダム1を生成するためのカウンタのカウント値やランダム5を生成するためのカウンタのカウント値が保存されていた場合には、それらのカウンタのカウント値は電力供給が停止したときのカウント値に復元されることになるが、バックアップRAMにカウンタのカウント値が保存されていた場合でも、乱数発生回路501の出力にもとづいて初期値を決定し、決定した初期値をカウンタに設定するようにしてもよい。つまり、バックアップRAMにデータが保存されていた/いないに関わらず、乱数発生回路501の出力にもとづいて初期値を決定し、決定した初期値をカウンタに設定するようにしてもよい。このことは、確変判定用乱数(遊技状態決定用乱数)や時短判定用乱数等についても同様である。
なお、本発明による遊技機の技術分野においてホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路を使用する従来技術があるが(例えば、特開2000−42227号公報参照)、従来技術は、ソフトウェア乱数によるランダム1等に代えて乱数発生回路が発生した乱数を用いるという技術に止まり、本発明のように、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタの1周目に着目し、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタの初期値について、乱数発生回路から読み出したデータにもとづいて初期値を設定するという技術は、例えば上記の公開公報には開示されていない。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、所定の移行条件が成立したときに遊技状態を特定遊技状態に移行させる遊技機において、判定用の数値(例えば、ランダム1)を所定の数値範囲内で更新する判定用数値更新手段と、所定の条件成立(例えば、始動入賞が生じたこと。)に応じて判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値と所定の判定値とにもとづいて、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当り遊技状態、始動入賞を成立させる可変入賞球装置が開放している状態、確変状態、時短状態)に移行させるか否か判定する手段とが設けられ、さらに、ホワイトノイズにもとづくハードウェア乱数を発生する乱数発生回路と、遊技制御を開始したときに、乱数発生回路から読み出したデータにもとづいて判定用数値更新手段の第1の初期値を設定する第1の初期値設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS14A,S14B,S14Cの処理を実行する部分)とが設けられているので、不正行為をさらに効果的に防止できるようになる。
さらに、この実施の形態では、第1の初期値設定手段が第1の初期値を設定した後、判定用数値更新手段の数値が所定値(例えば、設定された初期値)になると、判定用数値更新手段の第2の初期値(例えば、ランダム5やランダム7の値)を設定する第2の初期値設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS207の処理を実行する部分)と、所定の割込(例えば、2msタイマ割込)が発生したことにもとづいて開始される遊技制御処理(例えば、ステップS21〜S33の処理)の実行が終了した後、再び所定の割込が発生するまでの残り時間において第2の初期値を繰り返し更新する初期値用数値更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS18の処理を実行する部分)とが設けられているので、遊技制御を開始したときだけでなく、その後でも不正行為を効果的に防止できる。
図15は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図15において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図15に示すように、短縮変動が行われないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、短縮変動が行われるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。なお、この実施の形態では、確変状態および時短状態において短縮変動の変動パターン#5〜#8を使用する。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9においてリーチ演出が実行される場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#8のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。例えば、変動パターン#1’〜#8’を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#8のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#1’〜#8’のいずれかを使用する。その場合、例えば、変動パターン#1〜#8を示すデータが設定された変動パターンテーブルと、変動パターン#1’〜#8’を示すデータが設定された変動パターンテーブルとが別個にROM54に格納される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図16は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図17に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図17に示された極性と逆極性であってもよい。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図18に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類または小当りを示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9502(H)は、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)を指定する演出制御コマンド(状態指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、状態指定コマンドを受信すると、例えば、演出表示装置9における背景画面を、遊技状態に応じた画面に変更する。変更されるものは、例えば画面色である。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定3指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図18に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図18に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1可変表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の可変表示と第2可変表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1可変表示部と第2可変表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図19および図20は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図19(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図19(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に状態指定コマンド、、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図20(A)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。なお、さらに、状態指定コマンドを送信してもよい。
図20(B)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、停電復旧指定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。RAM55に形成されている演出図柄種類格納領域は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄種類格納領域に保存されていたデータにもとづいて表示結果特定コマンドを送信する。また、RAM55に形成されている合算保留記憶数カウンタの値は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保存されていた合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図21に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
図22および図23は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、入力ポート0(図21参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS311)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS312)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。より具体的には、演算結果が0になった状態に変化した場合(直前の2ms前の判定では0であり、今回の判定で0になった場合)に、始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、入力ポート0の第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。また、この実施の形態では、入力ポート0の内容を直接ロードしているが、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をRAM55の所定の領域に設定している場合には、その領域の内容をロードするようにしてもよい。また、ステップS312の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図24は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS311に示されたように入力ポート0からロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS320)。図21に示すように、第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット7に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット7が1であるということは、入力ポート0のビット7の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
また、ロードされたデータのビット7が1でないということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを意味する。ロードされたデータのビット7が1でない場合には、第2始動口スイッチ14aについての処理を実行するためにステップS331に移行する。
CPU56は、入力ポート0のビット7が1である場合には、RAM55に形成されている第1保留数カウンタの値が上限値(第1保留記憶の上限数)である4であるか否か確認する(ステップS321)。4である場合には、ステップS328に移行する。4でない場合には、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS322)。また、RAM55に形成されている合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS323)。
また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータ(第1保留記憶であることを示すデータ)をセットする(ステップS324)。
図25(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図25(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図25(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図25(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図25(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限数(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限数(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS325)。具体的には、CPU56は、ソフトウェア乱数を第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、ステップS325では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜4,8,9(図7参照)の値を抽出する。また、図25(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS325の処理では、合算保留記憶数に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS326)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS327)。CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータに合算保留記憶数カウンタの値を設定する。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。また、第1始動入賞指定コマンドのEXTデータに第1保留記憶数カウンタの値を設定してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、入力ポート0からロードした内容のビット6が1であるか否か確認する(ステップS328)。ビット6が1である場合には、ステップS331に移行する。ステップS328の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS321〜S327の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS331〜S337の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。よって、例えば、遊技球を検出したスイッチが検出信号をオン状態にする期間が極めて短くなったような状況が生じても、確実にスイッチがオン状態になったことにもとづく処理を完了できる。また、2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS321〜S327およびステップS331〜S337の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。
ステップS331では、CPU56は、RAM55に形成されている第2保留数カウンタの値が上限値(第1保留記憶の上限数)である4であるか否か確認する(ステップS321)。4である場合には、処理を終了する。4でない場合には、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS332)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS333)。
また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータ(第2保留記憶であることを示すデータ)をセットする(ステップS334)。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS335)。具体的には、CPU56は、ソフトウェア乱数を第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。ステップS335では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜4,8,9(図7参照)の値を抽出する。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS336)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS337)。CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータに合算保留記憶数カウンタの値を設定する。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。また、第2始動入賞指定コマンドのEXTデータに第1保留記憶数カウンタの値を設定してもよい。
なお、始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータを始動口ポインタに設定し、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理を実行するようにしてもよい。具体的には、ステップS322およびステップS332の処理を例にすると、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、始動口スイッチ通過処理における最初の処理として第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS322およびステップS332の処理を例にしたが、ステップS325およびステップS335の処理ならびにステップS326およびステップS336の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS325およびステップS335の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行う(ステップS326およびステップS336の場合)ことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、ステップS323の処理とステップS333の処理とを一の処理に共通化することもでき、ステップS327の処理とステップS337の処理とを一の処理に共通化することもできる。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図25(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理も、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、遊技状態に応じて状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS59)。ステップS59の処理で確変フラグがセットされていたら状態2指定コマンドを送信し、時短フラグがセットされていたら状態3指定コマンドを送信し、確変フラグも時短フラグもセットされていない場合には、状態1指定コマンドを送信する。
また、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム1(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図8(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図8(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしない場合には、小当りとするか否か判定する(ステップS76)。小当りとすることに決定された場合には、小当りフラグをセットする(ステップS77)。そして、ステップS81に移行する。小当りとしない場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS78)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS79)。この場合には、例えば偶数図柄のいずれかに決定する。そして、ステップS81に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数を読み出し(ステップS72)、遊技状態決定用乱数にもとづいて確変大当りとするか否か決定する。確変大当りとすることに決定した場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS74)。次いで、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS75)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS76)。この実施の形態では、確変大当りとすることに決定した場合には、停止図柄を確変図柄(例えば、「3」または「7」)に決定する。確変大当りとしないことに決定した場合には、停止図柄を確変図柄意外の大当り図柄(例えば、「3」、「5」または「7」以外の奇数図柄)に決定する。なお、この実施の形態では、小当りとする場合の停止図柄は、「5」であるとする。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS81)。なお、確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
また、この実施の形態では、遊技状態決定用乱数にもとづいて確変大当りとするか否か決定するが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類(確変大当り、通常大当り)とを決定するようにしてもよい。また、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS90)。大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS91に移行する。大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。
そして、変動パターンを決定する。具体的には、確変フラグまたは時短フラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブル(図15参照)から、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する(ステップS102,S103)。短縮変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#6〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン#5を選択しない。確変フラグおよび時短フラグがセットされていない場合には、非短縮変動パターンテーブル(図15参照)から、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する(ステップS102,S104)。非短縮変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#2〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン#1を選択しない。
そして、CPU56は、ステップS103またはS104で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図18参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。なお、ステップS101〜S104の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。また、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いる場合には、ステップS103,S104の処理で、例えば、特別図柄ポインタが示す変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。
また、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図15参照)に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。なお、ステップS105の処理の前にステップS106の処理が実行されるように構成してもよい。すなわち、変動パターンコマンドを送信する前に、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)を送信するようにしてもよい(図19(B)参照)。
ステップS91では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS92)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS93,S94)。
次いで、乱数バッファ領域からリーチ判定用乱数を読み出す(ステップS95)。そして、RAM55の所定の領域に保存されている合算保留記憶数カウンタの値(ステップS58の処理で減算される前の値)が所定値(この例では4)以上であるか否か確認し(ステップS96)、所定値以上であれば、特別図柄ポインタの値および合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上である場合に用いるリーチ判定テーブルにもとづいてリーチするか否か決定する(ステップS97)。また、所定値未満であれば、特別図柄ポインタの値および合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満である場合に用いるリーチ判定テーブルにもとづいてリーチするか否か決定する(ステップS98)。
ステップS97の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値であれば図9(B)に示されたリーチ判定テーブルを用い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値であれば図9(D)に示されたリーチ判定テーブルを用いる。また、ステップS98の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値であれば図9(A)に示されたリーチ判定テーブルを用い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値であれば図9(C)に示されたリーチ判定テーブルを用いる。
ステップS97の処理またはステップS98の処理でリーチすることに決定した場合には、ステップS105に移行する。リーチしないことに決定した場合には、CPU56は、変動パターンを、はずれ変動パターンとしての変動パターン#1(確変フラグまおよび時短フラグがセットされていない場合)または変動パターン#5(確変フラグまたは時短フラグがセットされている場合)に決定する(ステップS100)。そして、ステップS105に移行する。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS108で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
図29は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図18参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112,S113)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114,S115)。確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116)。なお、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。次いで、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS117)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS118)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りまたは小当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当りまたは確変大当りに決定されている場合である。
ステップS140では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図32は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図32に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS158)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS159)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。そして、時短フラグをセットし(ステップS162)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS163)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図33は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグおよび小当りフラグをリセットし(ステップS171)、大当り終了1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS172)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図33に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。なお、この実施の形態では、小当り遊技が終了したときにも大当り終了1指定コマンドを送信するが、小当り遊技が終了したときには、大当り終了1指定コマンドとは異なる演出制御コマンド(例えば、小当り終了指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
図34は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図5におけるステップS45参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS46で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態)、CPU56は、入力ポート0のビット0(カウンタスイッチ23からの検出信号の入力ビット)の値が0から1に変化したか否か確認する(ステップS586)。CPU56は、入力ポート0のビット7またはビット6が0から1に変化した場合(すなわち、カウンタスイッチ23がオンした場合)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS586,S587)。なお、図32および図33に示された大当り終了処理および小当り終了処理において、カウントスイッチ検出時間(遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでの時間)が経過してから特別図柄プロセスフラグの値が0に戻される。よって、遊技球が大入賞口に入賞したがカウントスイッチ23で検出されないうちにステップS586,S587の処理が実行されることはない。すなわち、正常にカウントスイッチ23が遊技球を検出したにも関わらず異常入賞報知指定コマンドが送信されてしまうということはない。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウンタスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行する。
なお、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞を検出して報知する制御が行われるが、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15への異常入賞を検出して報知する制御も行うようにしてもよい。その場合、可変入賞球装置15の制御状態は普通図柄プロセスフラグの値によって判定できるので、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が可変入賞球装置15が開放している状態を示していないときに第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態になったことを検出したときにも、異常入賞報知指定コマンドを送信する。その異常入賞報知指定コマンドは、大入賞口への異常入賞が検出されたときに送信される異常入賞報知指定コマンドと区別可能であることが好ましい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図35は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図36は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図18参照)であるのか解析する。
図37〜図39は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS46の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
また、受信した演出制御コマンドが状態指定コマンドであれば(ステップS6363)、受信した状態指定コマンドを、RAMにおける状態指定コマンド格納領域に格納する(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
図40は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図40に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図40(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図40(B)参照)。
図41〜図44は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図41〜図44に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。また、(8−合算保留記憶数)個の丸枠を表示する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、(8−合算保留記憶数)個の丸枠全てを表示するのではなく、後述する枠内に数字が表示される丸枠のみを表示するようにしてもよい。
図41および図42には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第1保留記憶数と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
図41(A)〜図41(D)には、第2保留記憶数が0であって、第1保留記憶数が、0、1、2、4の場合の例が示されている。図41に示すように、第1保留記憶数をn(n=1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の赤色丸印の右上に表示されている丸枠)中に、nの次の数字から4までの数字が昇順に表示される。なお、図41には、n=3の場合は例示されていない。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が0である(この場合には第1保留記憶数も0である。)場合には数字表示はなされていないが、合算保留記憶数が0である場合に、4個の丸枠中に、順次、1、2、3、4の数字を表示してもよい。
図42(A)〜図42(D)には、第2保留記憶数が0でない場合の例が示されている。図42に示すように、第1保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の赤色丸印または緑色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、(合算保留記憶数+1)の数字から、昇順に数字が表示される。
なお、第2保留記憶数が0である場合を含めても、第1保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠内に、(合算保留記憶数+1)の数字から、昇順に数字が表示されるといえる。ただし、合算保留記憶数が0の場合を除く。
また、図41および図42に示された例では、表示されている数字のうち最も値が大きい数字は、第1保留記憶のみが増加して、合算保留記憶数がその数字の値になると、第1保留記憶数が上限数に達することを意味する。
図43および図44には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第2保留記憶数と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
図43(A)〜図43(D)には、第1保留記憶数が0であって、第2保留記憶数が、0、1、2、4の場合の例が示されている。図43に示すように、第2保留記憶数をn(n=1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の緑色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、nの次の数字から4までの数字が昇順に表示される。なお、図43には、n=3の場合は例示されていない。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が0である(この場合には第2保留記憶数も0である。)場合には数字表示はなされていないが、合算保留記憶数が0である場合に、4個の丸枠内に、順次、1、2、3、4の数字を表示してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、(8−合算保留記憶数)個の丸枠全てを表示するのではなく、後述する枠内に数字が表示される丸枠のみを表示するようにしてもよい。
図44(A)〜図44(D)には、第1保留記憶数が0でない場合の例が示されている。図44に示すように、第2保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の赤色丸印または緑色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、(合算保留記憶数+1)の数字から、昇順に数字が表示される。
図43および図44に示された例では、表示されている数字のうち最も値が大きい数字は、第2保留記憶のみが増加して、合算保留記憶数がその数字の値になると、第2保留記憶数が上限数に達することを意味する。
図45(A)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図45(A)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の灰色丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図45(B)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図45(B)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図45(A)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、灰色丸印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図45(B)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
図46は、停電復旧指定コマンドを受信した場合の演出表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。図46に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドを受信すると、演出表示装置9の演出図柄表示領域91に、遊技状態が復旧して、停電前の遊技状態から遊技を続行できることを報知するための表示を行う。この実施の形態では、停電復旧時に合算保留記憶表示部18cにおける表示態様が所定の態様(この例では、灰色丸印)に変更されるが、遊技状態が復帰されることの報知(停電前の遊技状態から遊技を続行できることの報知)が同時になされることによって、合算保留記憶表示部18cの表示態様の変更に対して不審感を抱く遊技者が現れることを防止できる。
図47は、図35に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図48は、図47に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。
また、演出制御用CPU101は、状態1指定コマンドを受信している場合(具体的には状態指定コマンド格納領域に状態1指定コマンドが格納されている場合)には、演出表示装置9の表示画面における背景画像の色を、通常状態における色としてあらかじめ決められている色に変更する制御を行う(ステップS813,S814)。また、状態2指定コマンドを受信している場合(具体的には状態指定コマンド格納領域に状態2指定コマンドが格納されている場合)には、演出表示装置9の表示画面における背景画像の色を、確変状態における色としてあらかじめ決められている色に変更する制御を行う(ステップS815,S816)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS817)。
図49および図50は、図47に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。次いで、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS821)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS822)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS823)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS825)。その後、ステップS828に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS825)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS826)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS827)。その後、ステップS828に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。また、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS829)。なお、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図51は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図51に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として1ライン上の3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として1ライン上の3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての1ライン上の3図柄として「135」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、1ライン上の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、演出表示装置9に導出表示される1ライン上の3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
また、1ライン上とは、演出表示装置9に例えば9図柄が表示される場合には、左上から右下に向かう斜めライン(ライン上には計3つの演出図柄がある。)、右上から左下に向かう斜めライン、縦のライン、または横のラインである。以下、1ライン上の3図柄を左中右図柄という。例えば、大当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、左中右図柄が揃って停止表示される。小当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、「135」が停止表示される。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出制御用CPU101は、ステップS829の処理を実行した後、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図52は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図52に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
図53は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図54は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(ステップS854)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄および演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜3指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図56は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が演出表示装置9に表示される。例えば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、小当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合であって、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(ステップS886,S889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(ステップS889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、例えば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、演出表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
図57は、図35に示された演出制御メイン処理におけるステップS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS784)。
ステップS785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS789)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS790)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図58は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図58(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図58(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図58(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図58(C)の右側参照)。
図59は、ステップS709の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS971)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図38におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS976に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS972)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS973,S974)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS975)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS976では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS977)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS978)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図58(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS979)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS980)。
図60は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図60(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図60(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図60(C)には、演出表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化報知が実行されている期間であるか否かに関わらず、異常入賞が生じたことを検出したら異常入賞報知指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化報知が実行されている期間では異常入賞報知指定コマンドを受信しても異常報知の処理を行わずに初期化報知を継続することによって、初期化報知を異常報知よりも優先させるようにしてもよい。その場合、初期化報知が実行されている期間中に異常入賞報知指定コマンドを受信したら、初期化報知が実行されている期間が終了したときに異常報知を行うようにしてもよい。
図61〜図63は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理(ステップS708)を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS951に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、ステップS701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の灰色丸印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(ステップS904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の灰色丸印の画像を表示させる(図45(A)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(ステップS905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(ステップS906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS910)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(ステップS913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、状態1指定コマンド受信後であれば(具体的には、状態指定コマンド格納領域に状態1指定コマンドが格納されていれば)、(4(上限数)−n(第1保留記憶数))個の丸枠内に、(合算保留記憶数+1)の数字から昇順に数字を表示する(図41および図42参照)制御を行う(ステップS914,S915)。なお、数字を表示する制御を行うときに、演出制御用CPU101は、VDP109に対して数字を表示することを指示する指令信号を出力する。
また、演出制御用CPU101は、第1始動入賞カウンタの値が所定値(例えば、2)以上になったことを条件に、ステップS915の処理を実行するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS921)。「4」になっていなければ、ステップS907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS922)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、ステップS907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞にもとづく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞にもとづく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞にもとづく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている灰色丸印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(ステップS923)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(ステップS924)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS925)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS926)。ステップS926では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS907に移行する。
このような制御を行うことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示部18cに不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には(ステップS909)、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS931)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS941に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS932)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS933)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS934)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(ステップS935)。
そして、状態2指定コマンドまたは状態3指定コマンド受信後であれば(具体的には、状態指定コマンド格納領域に状態2指定コマンドまたは状態3指定コマンドが格納されていれば)、(4(上限数)−n(第2保留記憶数))個の丸枠内に、(合算保留記憶数+1)の数字から昇順に数字を表示する(図43および図44参照)制御を行う(ステップS936,S937)。
なお、演出制御用CPU101は、第2始動入賞カウンタの値が所定値(例えば、2)以上になったことを条件に、ステップS937の処理を実行するようにしてもよい。
また、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS938)。「4」になっていなければ、ステップS948に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS939)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、ステップS948に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている灰色丸印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(ステップS944)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(ステップS945)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS946)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS947)。ステップS947では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS948に移行する。
ステップS948では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
ステップS941では、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS942)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(ステップS943)。そして、ステップS948に移行する。
ステップS951では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS952)、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印または灰色丸印を消去し、各丸印または灰色丸印を、消去された丸印または灰色丸印の側にシフトして表示するように制御する(ステップS953)。そして、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(ステップS954)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS955)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS961)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS962)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS963)。
合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータでない場合には、「第2」を示すデータであるか否か確認する(ステップS956)。「第2」を示すデータであれば、第2始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS957)。そして、ステップS961に移行する。合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第2」を示すデータでない場合には、不明始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS958)。そして、ステップS961に移行する。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶に対応した表示態様(この例では赤色丸印)と第2保留記憶に対応した表示態様(この例では緑色丸印)とが混在して表示される。混在していても、第1保留記憶に対応した表示態様と第2保留記憶に対応した表示態様とは異なっているので、遊技者は、第1保留記憶と第2保留記憶とを識別可能である。また、遊技状態が通常状態であるときには、第1保留記憶数(図柄の変動の第1実行条件の成立数)と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(この例では、図41および図42に例示された数字表示)が行われる。
遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、第2保留記憶数(図柄の変動の第2実行条件の成立数)と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(この例では、図43および図44に例示された数字表示)が行われる。
確変状態および時短状態では、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるので、所定時間当たりの第2始動入賞口14への遊技球の入賞可能性は、第1始動入賞口13への遊技球の入賞可能性よりも高い。よって、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづく第2始動入賞が生じやすくなる。そこで、確変状態および時短状態では、第2保留記憶数と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を優先して実行する。つまり、始動入賞が生じやすい方の始動入賞口に対応する保留記憶について、保留記憶数と保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を優先して実行する。
また、通常状態では、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められていないので、所定時間当たりの第1始動入賞口13への遊技球の入賞可能性は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞可能性よりも高いといえる。そこで、確変状態および時短状態では、第1保留記憶数と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を優先して実行する。つまり、始動入賞が生じやすい方の始動入賞口に対応する保留記憶について、保留記憶数と保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を優先して実行する。
また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、合算保留記憶表示部18cにおいて、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。すなわち、第1保留記憶に対応した表示態様および第2保留記憶に対応した表示態様とは異なる態様で表示がなされる。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印(赤色丸印もしくは緑色丸印)または灰色丸印が1つ減る。
図64〜図66は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。なお、図64〜図66において、「赤丸」は赤色の丸印(赤色丸印)を意味し、「緑丸」は緑色の丸印(緑色丸印)を意味する。また、「灰丸」は灰色の丸印(灰色丸印)を意味する。
図64(A)は、ステップS913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増えた場合の例を示す。図64(B)は、ステップS943の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづくのか第2始動入賞記憶にもとづくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図64(C)は、ステップS913,S923の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図65(D)は、ステップS961の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。図65(E)は、ステップS904,S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の灰色丸印が合算保留記憶表示部18cに表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。
図65(F)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図65(F)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS933,S935の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図65(F)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図65(F)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図66(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図66(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS911,S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図66(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図66(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図66(H)は、図66(H)の左側に示す状態(図66(G)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、 図66(H)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後に始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した分については、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行うことができる。なお、第1始動入賞に対応するものか第2始動入賞に対応するものか不明である表示(灰色丸印)を、いずれの始動入賞に対応するものか判明した時点で、正規の表示(赤丸または緑丸)に変更してもよい。例えば、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)の受信に応じて変更するようにしてもよい。
また、図66(G)に示された例を参照すると、図66(G)の右側に示された状態(NO5のみに「第1」が設定されている状態)から保留記憶が増加し、NO6,7,8のデータに「第1」が設定された状態になった時点で、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「灰丸」表示を第2始動入賞に対応する「緑丸」に変更する。第1始動入賞の上限数と第2始動入賞の上限数はそれぞれ4であり、合算保留記憶数が8で「第1」のデータが4つになった場合には、「灰丸」表示に対応するものは全て第2始動入賞のはずだからである。
また、例えば、合算保留記憶数が2でNO1とNO2に「不明」のデータが設定されている状態から保留記憶が増加し、「第1」のデータまたは「第2」のデータが4つになった時点で、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つの「不明」のデータを、4つになったデータではない方のデータ(4つになったデータが「第1」であれば「第2」、4つになったデータが「第2」であれば「第1」)に変更する。また、表示も、「灰丸」から、「赤丸」または「緑丸」に変更する。このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、上限数にもとづいて「不明」のデータが「第1」のデータまたは「第2」のデータであると判明した時点で、「不明」のデータを「第1」のデータまたは「第2」のデータにするとともに、合算保留記憶表示部18cの表示態様を正常な表示態様に戻す。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、合算保留記憶数指定コマンドとともに、または合算保留記憶数指定コマンドに代えて、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドを送信するように構成されている場合には、停電復旧指定コマンドとともに送信された第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な演出制御コマンド、または停電復旧指定コマンドの送信後に送信された第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な演出制御コマンド(電力供給の復旧時には第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドを送信しない場合)によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶数または第2保留記憶数が上限数である4になっていることを認識したときに、「不明」のデータを「第1」のデータまたは「第2」のデータにするとともに、合算保留記憶表示部18cの表示態様を正常な表示態様に戻すことができる。
図67〜図70は、第2の実施の形態における合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図67および図68には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第1保留記憶数と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
図67(A)〜図67(D)には、第2保留記憶数が0であって、第1保留記憶数が、0、1、2、4の場合の例が示されている。図67に示すように、第1保留記憶数をn(n=1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の赤色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、nの次の数字から4までの数字が昇順に表示される。なお、図67には、n=3の場合は例示されていない。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が0である(この場合には第1保留記憶数も0である。)場合には数字表示はなされていないが、合算保留記憶数が0である場合に、4個の丸枠内に、順次、1、2、3、4の数字を表示してもよい。
図68(A)〜図68(D)には、第2保留記憶数が0でない場合の例が示されている。図68に示すように、第1保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の赤色丸印または緑色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、(n+1)の数字から上限数を示す数字までが昇順に表示される。
なお、第2保留記憶数が0である場合を含めても、第1保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠内に、(n+1)の数字から上限数を示す数字までが昇順に表示されるといえる。ただし、合算保留記憶数が0の場合を除く。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、(8−合算保留記憶数)個の丸枠全てを表示してもよいが、(4(上限数)−n)個の丸枠のみを表示するようにしてもよい。
また、図67および図68に示された例では、表示されている数字のうち最も値が大きい数字は第1保留記憶数の上限数を示す。
図69および図70には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第2保留記憶数と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
図69(A)〜図69(D)には、第1保留記憶数が0であって、第2保留記憶数が、0、1、2、4の場合の例が示されている。図69に示すように、第2保留記憶数をn(n=1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の緑色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、nの次の数字から4までの数字が昇順に表示される。なお、図69には、n=3の場合は例示されていない。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が0である(この場合には第1保留記憶数も0である。)場合には数字表示はなされていないが、合算保留記憶数が0である場合に、4個の丸枠内に、順次、1、2、3、4の数字を表示してもよい。
図70(A)〜図70(D)には、第1保留記憶数が0でない場合の例が示されている。図70に示すように、第2保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠(最も右上の赤色丸印または緑色丸印の右上に表示されている丸枠)内に、(n+1)の数字から上限数を示す数字までが昇順に表示される。
なお、第1保留記憶数が0である場合を含めても、第2保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の丸枠内に、(n+1)の数字から上限数を示す数字までが昇順に表示されるといえる。ただし、合算保留記憶数が0の場合を除く。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、(8−合算保留記憶数)個の丸枠全てを表示してもよいが、(4(上限数)−n)個の丸枠のみを表示するようにしてもよい。
また、図69および図70に示された例では、表示されている数字のうち最も値が大きい数字は第2保留記憶数の上限数を示す。
図71および図72は、第2の実施の形態における保留記憶表示制御処理(ステップS708)の一部を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、状態1指定コマンド受信後であれば(具体的には、状態指定コマンド格納領域に状態1指定コマンドが格納されていれば)、(4(上限数)−n(第1保留記憶数))個の丸枠内に、(n+1)の数字から4までの数字を昇順に表示する(図67および図68参照)制御を行う(ステップS914,S915A)。
なお、演出制御用CPU101は、第1始動入賞カウンタの値が所定値(例えば、2)以上になったことを条件に、ステップS915Aの処理を実行するようにしてもよい。
また、状態2指定コマンドまたは状態3指定コマンド受信後であれば(具体的には、状態指定コマンド格納領域に状態2指定コマンドまたは状態3指定コマンドが格納されていれば)、(4(上限数)−n(第2保留記憶数))個の丸枠内に、(n+1)の数字から4までの数字を昇順に表示する(図69および図70参照)制御を行う(ステップS936,S937A)。保留記憶表示制御処理におけるその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同様である(図61〜図63参照)。
なお、演出制御用CPU101は、第2始動入賞カウンタの値が所定値(例えば、2)以上になったことを条件に、ステップS937Aの処理を実行するようにしてもよい。
第2の実施の形態でも、遊技状態が通常状態であるときには、第1保留記憶数(図柄の変動の第1実行条件の成立数)と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(この例では、図67および図68に例示された数字表示)が行われる。また、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、第2保留記憶数(図柄の変動の第2実行条件の成立数)と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(この例では、図69および図70に例示された数字表示)が行われる。
図73は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の他の例を示す説明図である。図73に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。また、(8−合算保留記憶数)個の丸枠が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。
図73(A),(B)には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第1保留記憶数と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個分の丸枠を示す位置に、その位置を特定可能な画像(図73に示す例では矢印の画像)を表示する制御を行う。
図73に示された例では、位置を特定可能な画像は、第1保留記憶のみが増加して、第1保留記憶を示す表示(赤色丸印)が、位置を特定可能な画像が示す箇所まで表示されると、第1保留記憶数が上限数に達することを意味する画像に相当する。
なお、第2保留記憶数と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合にも、図73に示す例と同様に、第2保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個分の丸枠を示す位置に、その位置を特定可能な画像(例えば矢印の画像)を表示する制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、(8−合算保留記憶数)個の丸枠全てと位置を特定可能な画像(例えば矢印の画像)とを表示するのではなく、(4(上限数)−n)個分の丸枠のみを表示することによって、第1保留記憶数が上限数に達すること、または第2保留記憶数が上限数に達することを報知するようにしてもよい。
図73に示す例でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が通常状態であるときには、第1保留記憶数(図柄の変動の第1実行条件の成立数)と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(図73に例示された矢印表示)をVDP109に行わせる。また、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、第2保留記憶数(図柄の変動の第2実行条件の成立数)と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(例えば矢印表示)をVDP109に行わせる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理および演出制御用マイクロコンピュータ100の処理は第1の実施の形態における処理と同様であるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS915,S937の処理(図61および図62参照)において、図73に例示された矢印表示をVDP109に行わせるための指令信号をVDP109に出力する処理を行う。
図73に示す表示例を実現するために、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、成立数表示手段としての合算保留記憶表示部18cに、所定の表示態様で第1実行条件の成立数および第2実行条件の成立数を特定可能な表示を行わせるとともに、第1計数手段が計数した第1実行条件の成立数と第1実行条件の上限数との差、および第2計数手段が計数した第2実行条件の成立数と第2実行条件の上限数との差を特定可能な表示を行わせる成立数表示制御手段を含むことになるが、さらに、成立数表示制御手段は、上限数との差を特定可能な表示として、上限数に相当する表示部(例えば、丸枠)を指し示す表示を合算保留記憶表示部18cに行わせるように制御する。
図74は、合算保留記憶表示部18cの表示状態のさらに他の例を示す説明図である。図74に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。また、(8−合算保留記憶数)個の丸枠が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。また、この例では、(上限値−保留記憶数)の値を示す保留可能数を示す表示領域18dが、演出表示装置9の表示画面に設けられている。
図74(A),(B)には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第1保留記憶数と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)の保留可能数を示す画像を、表示領域18dに表示する制御を行う。
図74に示された例では、表示領域18dにおける保留可能数を示す画像は、第1保留記憶のみが、保留可能数を示す画像が示す数だけ増加すると、第1保留記憶数が上限数に達することを意味する画像に相当する。
なお、第2保留記憶数と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合にも、図74に示す例と同様に、第2保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)の保留可能数を示す画像を表示領域18dに表示する制御を行う。
図74に示す例でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が通常状態であるときには、第1保留記憶数(図柄の変動の第1実行条件の成立数)と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(図74に例示された表示領域18dにおける表示)をVDP109に行わせる。また、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、第2保留記憶数(図柄の変動の第2実行条件の成立数)と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示(図74に例示された表示領域18dにおける表示)をVDP109に行わせる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理および演出制御用マイクロコンピュータ100の処理は第1の実施の形態における処理と同様であるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS915,S937の処理(図61および図62参照)において、図74に例示された表示領域18dにおける表示をVDP109に行わせるための指令信号をVDP109に出力する処理を行う。
図74に示す表示例を実現するために、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、成立数表示手段としての合算保留記憶表示部18cに、所定の表示態様で第1実行条件の成立数および第2実行条件の成立数を特定可能な表示を行わせるとともに、第1計数手段が計数した第1実行条件の成立数と第1実行条件の上限数との差、および第2計数手段が計数した第2実行条件の成立数と第2実行条件の上限数との差を特定可能な表示を行わせる成立数表示制御手段を含むことになるが、さらに、成立数表示制御手段は、上限数との差を特定可能な表示として、上限数を報知する表示(例えば、(4(上限数)−n)個の丸枠の個数を示す数字)を合算保留記憶表示部18cに行わせるように制御する。
図75は、第3の実施の形態における合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図75には、第1保留記憶と第2保留記憶とを表示するとともに、第1保留記憶数と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合の表示例が示されている。
図75(A)には、第1保留記憶数が2であり第2保留記憶数が2であって、合算保留記憶数が4である場合の例が示されている。図75(B)には、第1保留記憶数が1であり第2保留記憶数が2であって、合算保留記憶数が3である場合の例が示されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶表示部18cに、第1保留記憶を示す画像(この例では、中味が存在しているかのように表示される瓶)と第2保留記憶を示す画像(この例では、剣)とを、始動入賞の発生順に表示する制御を行う。さらに、合算保留記憶表示部18cに、第1保留記憶数をn(n=1,2,3,4)とすると、(4(上限数)−n)個の第1保留記憶を想起させるような画像(この例では、中味が存在していないかのように表示される瓶)を表示する制御を行う。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2保留記憶数と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示を行う場合にも、図75に示す例と同様に、第2保留記憶数をn(n=0,1,2,3,4)とすると、第1保留記憶を示す画像(この例では、中味が存在しているかのように表示される瓶)と第2保留記憶を示す画像(この例では、剣)とを、始動入賞の発生順に表示する制御を行うとともに、(4(上限数)−n)個の第2保留記憶を想起させるような画像(例えば、実際の第2保留記憶を示す画像としての剣に類似した画像(一例として色が異なる剣))を表示する制御を行う。
図76および図77は、第3の実施の形態における保留記憶表示制御処理(ステップS708)の一部を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、演出制御用CPU101は、状態1指定コマンド受信後であれば(具体的には、状態指定コマンド格納領域に状態1指定コマンドが格納されていれば)、(4(上限数)−n(第1保留記憶数))個の第1保留記憶の保留可能残数のキャラクタ、すなわち中味が存在していないかのように表示される瓶の画像の表示を合算保留記憶表示部18cにおいて表示させるための指令信号をVDP109に出力する(ステップS914,S915B)。
なお、演出制御用CPU101は、第1始動入賞カウンタの値が所定値(例えば、2)以上になったことを条件に、ステップS915Bの処理を実行するようにしてもよい。
また、状態2指定コマンドまたは状態3指定コマンド受信後であれば(具体的には、状態指定コマンド格納領域に状態2指定コマンドまたは状態3指定コマンドが格納されていれば)、(4(上限数)−n(第2保留記憶数))個の第2保留記憶の保留可能残数のキャラクタ、すなわち中味が存在していないかのように表示される瓶の画像の表示を合算保留記憶表示部18cにおいて表示させるための指令信号をVDP109に出力する(ステップS936,S937B)。演出制御用マイクロコンピュータ100のその他の処理、および遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理は第1の実施の形態における処理と同様である。
なお、演出制御用CPU101は、第2始動入賞カウンタの値が所定値(例えば、2)以上になったことを条件に、ステップS937Bの処理を実行するようにしてもよい。
第3の実施の形態でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が通常状態であるときには、第1保留記憶数(図柄の変動の第1実行条件の成立数)と第1保留記憶の上限数との差を特定可能な表示をVDP109に行わせる。また、遊技状態が確変状態または時短状態であるときには、第2保留記憶数(図柄の変動の第2実行条件の成立数)と第2保留記憶の上限数との差を特定可能な表示をVDP109に行わせる。
図75に示す表示例を実現するために、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、成立数表示手段としての合算保留記憶表示部18cに、所定の表示態様で第1実行条件の成立数および第2実行条件の成立数を特定可能な表示を行わせるとともに、第1計数手段が計数した第1実行条件の成立数と第1実行条件の上限数との差、および第2計数手段が計数した第2実行条件の成立数と第2実行条件の上限数との差を特定可能な表示を行わせる成立数表示制御手段を含むことになるが、さらに、成立数表示制御手段は、上限数との差を特定可能な表示として、上限数との差に相当する数の画像であって、第1実行条件に相当する画像または第2実行条件に相当する画像に類似する画像(例えば、第1実行条件に相当する画像または第2実行条件に相当する画像の枠部)の表示を合算保留記憶表示部18cに行わせるように制御する。
なお、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。