JP2009027483A - 音場再現フィルタ算出装置および音場再現システム - Google Patents
音場再現フィルタ算出装置および音場再現システム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 音場再現フィルタ算出装置30は、時間領域において反復解法を適用することにより、音場再現フィルタの算出処理を実行する。この算出処理において、音場再現フィルタ算出装置30は、反復解法の適用に生じる相関演算処理および畳み込み演算処理のみ、周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に時間領域に演算結果を逆変換させる演算方法を用いる。
【選択図】 図3
Description
D(Z)=A(Z)Q(Z)・・・式1
の関係を満たす音場再現フィルタQ(Z)を求める必要が生じる。
Dz(Z)=Az(Z)Qz(Z) ・・・式6
と畳み込み演算の式で表すことができ、この式6を満たすような有限の段数Lの音場再現フィルタ(FIRフィルタ)Qz(Z)は、
Z変換で表現された上述の式6
Dz(Z)=Az(Z)Qz(Z) ・・・式6
は、等価な線形代数方程式である
D=AQ ・・・式9
で表すことが可能である。
ここで、0≦t≦ND−1の範囲外の時刻において、dti,j(t)の値を0とする。
を解くことで求めることができる。
ここで、AtはAの転置行列を表しており、ELS×LSはLS行LS列の単位行列を示している。
Q=(AtA+lELS×LS)-1AtD
を具体的に数値計算で求める場合には、
R=(AtA+lELS×LS)
P=AtD
と置いた連立一次方程式P=RQを解く問題、つまり、Q=R-1Pを求める問題に帰着させることができる。
Dz(Z)=Az(Z)Qz(Z) ・・・式6
の両辺をフーリエ変換して周波数領域で解を求めた後に、逆変換により時間領域のフィルタ係数を算出する方法が一般的に用いられている。この方法では、畳み込み演算処理の問題を周波数成分毎の掛け算の問題に置き換えることができ、行列規模がS×Sの小さな数式を周波数成分の数だけ繰り返して演算することによりフィルタ係数を計算することができる。このため、再現音場システムの規模が大きくなった場合であっても、音場再現フィルタの算出演算が容易になるという利点がある。
Dω(ω)=Aω(ω)Qω(ω) ・・・式17
と表すことが可能である。
Qω(ω)=(Aω *(ω)Aω(ω)+lES×S)-1(Aω *(ω)Dω(ω))
・・・式20
となる。
図1に示すように、原音場音響システム2は、再現を望む音響空間(原音場)6に設置されるスピーカ部3と、スピーカ部3に対して音声出力を行う音声出力装置4と、音声出力装置4に対して評価音を出力するコンピュータ5と、原音場6に設置されるマイクアレイ7と、マイクアレイ7により収音された収録音の入力を行う音声入力装置8とによって概略構成されている。
次に、再現音場における音響特性を測定するための再現音場音響システムについて説明する。本実施の形態では、実験室の空間B2を再現音場の一例として用いている。このように実験室を再現音場として用いることによって、上述した原音場6の音響環境を実験室内で忠実に再現することができる。
次に、原音場音響システム2において算出された音響特性と、再現音場音響システム20において算出された音響特性とに基づいて、再現音場21において原音場6の音響環境を実現するための音場再現フィルタを算出する処理について説明する。
Q=(AtA+lELS×LS)-1AtD ・・・式16
に基づいて
R=(AtA+lELS×LS)
P=AtD
と置いた場合における連立一次方程式P=RQを解くことにより、時間領域における音場再現フィルタQ(Q=R-1P)を求める。
Q=(AtA+lELS×LS)-1AtD ・・・式16
を解く必要がある。ここで、反復解法を用いて音場再現フィルタQを算出する場合、反復計算において必要とされる行列形式は、規則的な畳み込み行列になるという特徴がある。このため、本発明に係る音場再現フィルタ算出装置30では、この畳み込み行列を利用した特徴的な演算処理を行うことによって、計算過程に必要なメモリ量をフィルタ段数Lに比例するオーダーまで削減することが可能となる。
(1)行列R:R=(AtA+lELS×LS)の演算処理
(2)行列P:P=AtDの演算処理
(3)初期値計算におけるRとベクトルとの積Rq0との演算処理
(4)反復計算におけるRとベクトルとの積Rσμとの演算処理
また、行列Rの演算に要する記憶容量も増大するという問題があった。
相関演算処理を行う一般式を
Sω(ω)=conj(gω(ω))hω(ω) ・・・・式26
となる。ここでconj(x)はxの複素共役を示している。
S’t(τ)=St(τ) ・・・式28
になるとは限らず、式28を満たさない解を、図4に示す共役勾配法の演算処理にそのまま用いると、求められた音場再現フィルタに誤差が生じてしまうという問題がある。
S’t(τ)=St(τ) ・・・式28
となるように調整を行う。
ε0=p−Rq0 ・・・式33
を求める。なお、εμは、反復回数μでの暫定的な解をqμとしたときの、誤差ベクトルを示したものである。
相関演算処理を行う一般式を
Sω(ω)=gω(ω)hω(ω) ・・式43
となる。
S’t(τ)=St(τ) ・・・式45
になるとは限らないという問題がある。ここで、NFFTは、高速フーリエ変換を実施するときのデータ長であり、mod(τ−t,NFFT)は、τ−tをNFFTで割ったときの余りを示している。
S’t(τ)=St(τ) ・・・式45
となるように調整を行う。
次に、再現音場21である実験室の空間B2において原音場6である実験室の音響環境を再現する処理について説明する。再現音場21における原音場6の音響環境の再現は、音場再現システムによって実現される。
2 …原音場音響システム
3 …(原音場音響システムの)スピーカ部
4 …音声出力装置(音響出力装置)
5 …(原音場音響システムの)コンピュータ
6 …原音場
7 …マイクアレイ
8 …音声入力装置
12 …(マイクアレイの)マイク
15 …評価音生成部
16 …インパルス応答演算部
17 …インパルス応答記録部
18、42、56 …制御部
20 …再現音場音響システム
21 …再現音場
22 …(再現音場の)スピーカ部
23 …(スピーカの)スピーカ
30 …音場再現フィルタ算出装置
31 …フィルタ算出処理部
32 …原音場特性記録部
33 …再現音場特性記録部
34 …フィルタ情報記録部
40、55 …コンピュータ(音響処理装置)
41 …オーディオ機器(音響再生装置)
43 …畳み込み演算処理部
44 …音場再現フィルタ記録部
A1 …(従来の原音場の)空間
A2 …(従来の再現音場の)空間
B1 …(本実施の形態に係る原音場の)空間
B2 …(本実施の形態に係る再現音場の)空間
c、s …(従来の原音場および再現音場に設置される)スピーカ
FL、FR、RL、RR …(本実施の形態に係る原音場に設置される)スピーカ
m …制御ポイント
Claims (4)
- 原音場において測定された音響特性と再現音場において測定された音響特性とに基づいて、再現音場において原音場の音場環境を再現するための音場再現フィルタを算出する音場再現フィルタ算出装置に関し、
該音場再現フィルタ算出装置は、
時間領域において反復解法を適用することにより、音場再現フィルタの算出処理を実行し、
前記反復解法の適用に生じる相関演算処理および畳み込み演算処理のみ、周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に前記時間領域に演算結果を逆変換させる演算方法を用いること
を特徴とする音場再現フィルタ算出装置。 - 前記音場再現フィルタ算出装置は、
周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に前記時間領域に演算結果を逆変換させて求められた前記相関演算処理または前記畳み込み演算処理の演算結果のうち、前記時間領域のみで前記相関演算処理または前記畳み込み演算処理を行った場合に得られる演算結果との誤差が生じ得ない範囲のデータのみを用いて、前記時間領域における前記音場フィルタの算出処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の音場再現フィルタ算出装置。 - 前記誤差が生じない範囲は、前記音場再現フィルタが適用される出力音の残響時間等に応じて予め設定される前記音場再現フィルタの段数に伴って決定されること
を特徴とする請求項2に記載の音場再現フィルタ算出装置。 - 再現音場に設置されるスピーカと、
該スピーカより出力させるための音響信号を再生する音響再生装置と、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の前記音場再現フィルタ算出装置と、
前記音響再生装置により算出された音響信号に対して、前記音場再現フィルタ算出装置によって算出された前記音場再現フィルタを用いて音響処理を施す音響処理装置と、
該音響処理装置により音響処理された音響信号を前記スピーカより出力させる音響出力装置と
を備えることを特徴とする音場再現システム。
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JP2014045252A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 音場収音再生装置、方法及びプログラム |
JP2014045253A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 音場収音再生装置、方法及びプログラム |
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JP2002062900A (ja) * | 2000-08-17 | 2002-02-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 収音装置及び受信装置 |
JP2006227152A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 計算装置およびその計算装置を利用した収音装置 |
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CSNG199900097001; 岡部馨、榎田隆氏: 'マルチチャンネルによる音場制御の基礎検討' テレビジョン学会技術報告 第17巻,第36号, 19930625, pp.1-8, 社団法人テレビジョン学会 * |
JPN6010004678; 岡部馨、榎田隆氏: 'マルチチャンネルによる音場制御の基礎検討' テレビジョン学会技術報告 第17巻,第36号, 19930625, pp.1-8, 社団法人テレビジョン学会 * |
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