JP2009027483A - 音場再現フィルタ算出装置および音場再現システム - Google Patents

音場再現フィルタ算出装置および音場再現システム Download PDF

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Abstract

【課題】 時間領域において音場再現フィルタを求めることによって、周波数領域で求めた音場再現フィルタのような算出誤差の発生を回避すると共に、時間領域における音場再現フィルタの演算負担の軽減を図ること。
【解決手段】 音場再現フィルタ算出装置30は、時間領域において反復解法を適用することにより、音場再現フィルタの算出処理を実行する。この算出処理において、音場再現フィルタ算出装置30は、反復解法の適用に生じる相関演算処理および畳み込み演算処理のみ、周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に時間領域に演算結果を逆変換させる演算方法を用いる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、音場再現フィルタ算出装置および音場再現システムに関し、より詳細には、原音場において測定された音響特性と再現音場において測定された音響特性とに基づいて、再現音場において原音場の音場環境を再現するための音場再現フィルタを算出する音場再現フィルタ算出装置およびその装置を備えた音場再現システムに関する。
従来より、ある空間(原音場)の音場特性を収録(測定)した後、その空間とは異なる空間(再現音場)において、測定した原音場の音場環境を仮想的に再現する音場再現方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述した音場再現方法では、まず、原音場の音響特性と再現音場の音響特性とに基づいて音場再現を行うための音場再現フィルタを算出する。次に、算出された音場再現フィルタを用いて、再現音場において出力される音響信号に対して音響処理(例えば、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いた畳み込み演算処理)を行うことによって、再現音場へ出力される出力音に再現音場の音響処理を施す。このようにして音響処理が施された音響信号を再現音場で出力することによって、聴取者はあたかも原音場で聴取しているかのような感覚を再現音場で得ることが可能となる。
ところで、上述したように、再現音場において原音場の音響特性を再現するためには、再現音場における音響特性を打ち消して原音場の音響特性を再現音場において効果的に適用させる必要がある。つまり、音場再現フィルタは、再現音場の音響特性を打ち消して原音場における音響特性を顕在化させる役割を有している。
図7は、上述した音場再現フィルタと、原音場の音響特性と、再現音場の音響特性との関係を図に示したものである。原音場の音響特性をD(Z)、再現音場の音響特性をA(Z)、音場再現フィルタをQ(Z)とすると、再現音場において原音場の音響特性を再現するためには、
D(Z)=A(Z)Q(Z)・・・式1
の関係を満たす音場再現フィルタQ(Z)を求める必要が生じる。
例えば、図8(a)に示すように、原音場の対象となる空間A1のスピーカ(音源)cの数をC、制御ポイントm(空間A1において音源より出力された出力音の収音を行うポイント)の総数をMとすると、空間A1において、各スピーカc(c=1,2,・・,C)から、各制御ポイントm(m=1,2,・・,M)までのそれぞれの伝達関数は、Z変換の形式において、
Figure 2009027483
と表現することができる。
また、図8(b)に示すように、再現音場の対象となる空間A2のスピーカsの数をSとし、制御ポイントmの総数をMとすると、空間A2のスピーカs(s=1,2,・・,S)から制御ポイントm(m=1,2,・・,M)までのそれぞれの伝達関数は、Z変換の形式において、
Figure 2009027483
と表現することができる。
なお、上述した再現音場の伝達関数および原音場の伝達関数は、因果律を満たす(t<0において0)ものとする。
再現音場で原音場の音響環境を再現することが可能なシステムを音場再現システムとし、この音場再現システムにおいて再現音場で原音場の音響特性を再現する場合には、音場再現フィルタとして、例えばFIRフィルタを用いたフィルタ処理(音響処理)を行う必要がある。このフィルタ処理に用いられる音場再現システムは、時間応答の有限の時間範囲として、0≦t≦ND−1を音場再現の時間範囲の対象とする。さらに、再現音場の再生環境は、不要な反射が少なく残響時間の短い環境を用いることが望ましいことから、空間A2の時間応答を残響時間Nで打ち切って扱えるものとする。
このような条件において原音場の伝達関数は、
Figure 2009027483
と表すことができ、
また、再現音場の伝達関数は
Figure 2009027483
と表すことができる。
求める音場再現フィルタをQz(Z)とすると、Dz(Z)とAz(Z)とQz(Z)との関係は、
z(Z)=Az(Z)Qz(Z) ・・・式6
と畳み込み演算の式で表すことができ、この式6を満たすような有限の段数Lの音場再現フィルタ(FIRフィルタ)Qz(Z)は、
Figure 2009027483
で表すことができる。
ここで、qz(Z)は、
Figure 2009027483
である。
なお、段数Lは設計パラメータとして与えられる定数であり、再現しようとする伝達関数の長さや音場再現システムの演算処理能力などを考慮して適切な値が設定される。この段数Lの値に応じて音場再現フィルタが適用された音響信号の残響時間等が決定される。
上述した音場再現フィルタQz(Z)を、図7に示すように、スピーカsの入力段階において、音場再現フィルタを用いた音響処理を音響信号に施すことによって、原音場の伝達関数を再現音場で再現することが可能となる。
Z変換で表現された上述の式6
z(Z)=Az(Z)Qz(Z) ・・・式6
は、等価な線形代数方程式である
D=AQ ・・・式9
で表すことが可能である。
ここでDは、
Figure 2009027483
である。
i,jは、音源jから制御ポイントiまでの伝達関数dzi,j(Z)の時間応答の時刻tにおけるサンプル値dti,j(t)を、N+L−1個並べた列ベクトルであり、
Figure 2009027483
と表される。
ここで、0≦t≦ND−1の範囲外の時刻において、dti,j(t)の値を0とする。
Qについても同様に、
Figure 2009027483
と表すことができる。
ここで、qi,jは、それぞれL段のFIRフィルタ係数を表すベクトルであり、
Figure 2009027483
で示される。
また、Aについては、次式のように表すことができる。
Figure 2009027483
ここで、Aの部分行列であるAi,jは、下記の式15に示すN+L−1行L列の畳み込み行列であり、斜め方向の要素が同じ値を持つ規則的なパターンによって構成される
Figure 2009027483
と表すことができ、この畳み込み行列を使用することによって、畳み込み演算処理を行列の積として表現することが可能となる。
上述したように行列D、行列A、行列Qを用いることによってQはD=AQの最小二乗解として求められる。最小二乗解は、
Q=(AtA+lELS×LS-1tD ・・・式16
を解くことで求めることができる。
ここで、AtはAの転置行列を表しており、ELS×LSはLS行LS列の単位行列を示している。
この式16で得られたQは、フィルタ段数がLの条件で最適な解となる。
特開2007−41164号公報
ところで、上述した式16を時間領域で解くことによって音場再現フィルタQを算出する場合、音場再現システムの規模が大きくなって(スピーカ数が多い場合や、マイク数が多い場合)音場再現フィルタ(FIRフィルタ)の段数Lが大きくなればなるほど、演算の計算量(計算規模)が大きくなってしまうという問題があった。そのため、時間領域において音場再現フィルタを算出する方法は、計算量等の負担から現実的な方法でないとされていた。
例えば、上述した式16
Q=(AtA+lELS×LS-1t
を具体的に数値計算で求める場合には、
R=(AtA+lELS×LS
P=At
と置いた連立一次方程式P=RQを解く問題、つまり、Q=R-1Pを求める問題に帰着させることができる。
この連立一次方程式を、コンピュータ等を用いて直接解法によって解く場合を考える。直接解法で解く方法として、例えば、ガウスの消去法等がその一例に該当する。直接解法を用いて求める未知数の数をnとすると、上述した方程式を解く計算過程で必要とされるメモリの容量はn2のオーダーとなり、演算を行う回数はn3のオーダーとなる。
音場再現フィルタを求める場合には、n=L×Sの規模の問題を解く必要があるため、例えば、フィルタ段数Lが4096(L=4096)、音場再現システムのスピーカsの数Sが64(S=64)、フィルタ計算のデータ精度が単精度実数(4バイト)であるとすると、α×256Gバイト程度のメモリ容量を備えるコンピュータが必要となり、一般的なコンピュータでは演算処理を円滑に行うことが困難であるという問題があった。
一方で、音場再現フィルタの算出を効率的に行う方法として、
z(Z)=Az(Z)Qz(Z) ・・・式6
の両辺をフーリエ変換して周波数領域で解を求めた後に、逆変換により時間領域のフィルタ係数を算出する方法が一般的に用いられている。この方法では、畳み込み演算処理の問題を周波数成分毎の掛け算の問題に置き換えることができ、行列規模がS×Sの小さな数式を周波数成分の数だけ繰り返して演算することによりフィルタ係数を計算することができる。このため、再現音場システムの規模が大きくなった場合であっても、音場再現フィルタの算出演算が容易になるという利点がある。
具体的に、式6をフーリエ変換することによって
ω(ω)=Aω(ω)Qω(ω) ・・・式17
と表すことが可能である。
ここでDω(ω)は、
Figure 2009027483
を示しており、Aω(ω)は
Figure 2009027483
を示している。
このDω(ω)、Aω(ω)を用いてQω(ω)を求める式は、
ω(ω)=(Aω (ω)Aω(ω)+lES×S-1(Aω (ω)Dω(ω))
・・・式20
となる。
ここでAω (ω)はAω(ω)の複素共役転置行列を示すものであり、
Figure 2009027483
で示される。なおconj(x)は、複素数xの複素共役を表す。
しかしながら、このように周波数領域において算出される音場再現フィルタは、時間領域において求められる最適解と値が一致せず、時間応答の正確さが不十分になってしまう傾向があった。このため、周波数領域で求められた音場再現フィルタを適用することによって、原音場の音響特性を再現音場で再現した場合には、十分な再現精度を得ることができないおそれがあった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、時間領域において音場再現フィルタを求めることによって、周波数領域で求めた音場再現フィルタのような算出誤差の発生を回避すると共に、時間領域における音場再現フィルタの演算負担の軽減を図ることが可能な音場再現フィルタ算出装置および音場再現システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る音場再現フィルタ算出装置は、原音場において測定された音響特性と再現音場において測定された音響特性とに基づいて、再現音場において原音場の音場環境を再現するための音場再現フィルタを算出する音場再現フィルタ算出装置に関し、該音場再現フィルタ算出装置は、時間領域において反復解法を適用することにより、音場再現フィルタの算出処理を実行し、前記反復解法の適用に生じる相関演算処理および畳み込み演算処理のみ、周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に前記時間領域に演算結果を逆変換させる演算方法を用いることを特徴とする。
本発明に係る音場再現フィルタ算出装置では、時間領域において反復解法を適用することにより音場再現フィルタの算出処理を実行する。このため、周波数領域に変換して演算処理を行った後に演算結果を時間領域へ逆変換することにより算出された音場再現フィルタのように、算出された値に誤差を含んでしまうことが無く、精度の高い音場再現フィルタを算出することが可能となる。
また、反復解法を用いて音場再現フィルタを算出する場合において、相関演算処理と畳み込み演算処理とを行う場合にのみ、周波数領域における演算結果を利用して時間領域における解を求めるので、演算処理の負担軽減と演算処理に利用されるメモリ容量の低減を図ることが可能となる。このため、処理全体の迅速化と演算処理に利用される演算資産の効率化を図ることが可能となる。
さらに、上述した音場再現フィルタ算出装置において、前記音場再現フィルタ算出装置が、周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に前記時間領域に演算結果を逆変換させて求められた前記相関演算処理または前記畳み込み演算処理の演算結果のうち、前記時間領域のみで前記相関演算処理または前記畳み込み演算処理を行った場合に得られる演算結果との誤差が生じ得ない範囲のデータのみを用いて、前記時間領域における前記音場フィルタの算出処理を実行するものであることが好ましい。
このように、周波数領域から時間領域に逆変換させた相関演算処理または前記畳み込み演算処理の演算結果のうち、時間領域のみで演算処理を行った場合に得られる演算結果との誤差が生じ得ない範囲のデータのみを用いて、音場フィルタの算出処理を実行するので、最終的に算出される音場再現フィルタの値に誤差等が含まれてしまうことを効果的に防止することが可能となる。
また、前記誤差が生じない範囲は、前記音場再現フィルタが適用される出力音の残響時間等に応じて予め設定される前記音場再現フィルタの段数に伴って決定されるものであってもよい。
このように、誤差が生じない範囲が、残響時間等に応じて予め設定される前記音場再現フィルタの段数に伴って決定される場合には、算出された音場再現フィルタの性能を十分に確保しつつ、最終的に算出される音場再現フィルタの値に誤差等が含まれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、本発明に係る音場再現システムは、再現音場に設置されるスピーカと、該スピーカより出力させるための音響信号を再生する音響再生装置と、上述した音場再現フィルタ算出装置と、前記音響再生装置により算出された音響信号に対して、前記音場再現フィルタ算出装置によって算出された前記音場再現フィルタを用いて音響処理を施す音響処理装置と、該音響処理装置により音響処理された音響信号を前記スピーカより出力させる音響出力装置とを備えることを特徴とする。
このように、音場再現システムが、上述した音場再現フィルタ算出装置を備えることによって、周波数領域に変換して演算処理を行った後に演算結果を時間領域に逆変換して算出される音場再現フィルタのように、算出された値に誤差を含んでしまうことが無くなるので、精度の高い音場再現フィルタを用いて原音場の音響環境を再現音場において忠実に再現することが可能となる。
本発明に係る音場再現フィルタ算出装置および音場再現システムによれば、精度の高い音場再現フィルタを算出することが可能となり、さらに、音場再現フィルタの算出処理の迅速化と算出処理に利用される演算資産の効率化を図ることが可能となる。
以下、本発明に係る音場再現フィルタ算出装置および音場再現システムについて、図面を用いて詳細に説明を行う。なお、本実施の形態では、音場再現方法として境界音場制御方法を用いるものとする。境界音場制御方法とは、再現音場で出力音の聴取を行う際に、聴取者の頭部周辺位置または耳介(耳たぶ)近傍位置に複数の制御ポイントを設置し、この制御ポイントにおいて原音場の特性が再現されるように再現音場を制御して、聴感的に原音場を知覚させる方法である。
まず、原音場の音響特性を、原音場音響システムによって測定する方法について説明する。
[原音場における音響特性の測定]
図1に示すように、原音場音響システム2は、再現を望む音響空間(原音場)6に設置されるスピーカ部3と、スピーカ部3に対して音声出力を行う音声出力装置4と、音声出力装置4に対して評価音を出力するコンピュータ5と、原音場6に設置されるマイクアレイ7と、マイクアレイ7により収音された収録音の入力を行う音声入力装置8とによって概略構成されている。
スピーカ部3は、図1に示すように、原音場6の空間B1の四隅に均等に設置される4個のスピーカを備えており、各スピーカは、空間B1の左前位置に設置されるスピーカFLと、右前位置に設置されるスピーカFRと、左後位置に設置されるスピーカRLと、右後位置に設置されるスピーカRRとによって構成されている。
音声出力装置4は、コンピュータ5より出力された評価音を、スピーカ部3の各スピーカFR,FL,RR,RLに出力する役割を有している。なお音声出力装置4は、評価音の出力先をコンピュータ5の制御命令に従ってスピーカFR,FL,RR,RLへと個別に出力することが可能となっている。
ここで評価音とは、マイクアレイ7および音声入力装置8を介して収音された収録音に基づいて原音場6の音響特性を算出するために用いられる出力音であり、具体的には、収音された収録音をインパルス応答として測定することに適した音(インパルス入力音)が該当する。
マイクアレイ7は、複数(例えばM個)のマイク12が円形に配設されたマイクの一群により構成されている。マイクアレイ7は、各スピーカFR,FL,RR,RLから等距離となる空間B1の中心位置に設置されている
音声入力装置8は、マイクアレイ7によって測定されたスピーカ部3の出力音をコンピュータ5に出力する役割を有している。ここで、マイクアレイ7には複数のマイク12が設置されているため、音声入力装置8において入力されるマイクアレイ7の音響信号を測定することによって各スピーカFR,FL,RR,RLと各マイク12との間の音響特性を測定することが可能となる。
コンピュータ5は、空間B1の音響特性を測定するために、上述した評価音を生成すると共に、マイクアレイ7により収音された収録音に基づいて原音場6の音響特性を算出する機能を有している。
コンピュータ5は、評価音生成部15と、インパルス応答演算部16と、インパルス応答記録部17と、制御部18とによって概略構成されている。評価音生成部15は、上述したインパルス応答を収音するための評価音を生成する機能を有している。評価音生成部15は、制御部18の制御命令に応じて評価音を生成し、制御部18を介して音声出力装置4に評価音を出力する。
インパルス応答演算部16は、マイクアレイ7および音声入力装置8を介して収音された収録音に基づいて評価音に対するインパルス応答を算出する。
インパルス応答記録部17では、算出されたインパルス応答を音響特性として記録する。なお、インパルス応答記録部17は、一般的なハードディスク等であってもよく、またRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等で構成されているものであってもよい。
制御部18は、原音場6における音響特性を求めるために必要な処理を行う役割を有しており、演算制御処理を主として行うCPU(Central Processing Unit)、原音場6における音響特性を測定するためのプログラム等が記録されるROM(Read Only Memory)、ワークエリア等に使用されるRAM(Random Access Memory)等の一般的な演算処理器によって構成されている。
制御部18は、上述したように評価音生成部15に対して評価音を生成させると共に、生成された評価音を音声出力装置4に出力する役割を有している。また、制御部18は、音声入力装置8より入力される収録音に基づいてインパルス応答演算部16においてインパルス応答を算出させると共に、算出されたインパルス応答を原音場6における音響特性として、インパルス応答記録部17に記録させる役割を有している。
上述したように構成される原音場音響システム2において、制御部18は、評価音生成部15に対して評価音を生成させて、音声出力装置4を介して、生成させた評価音をスピーカ部3の各スピーカFR,RL,RR,RLより出力させる。音声出力装置4は、評価音をスピーカから出力させる場合、制御部18の制御命令に応じてスピーカ毎に個別に評価音を出力させる。
マイクアレイ7では、いずれかのスピーカより出力された出力音を複数(M個)のマイク12で収音し、音声入力装置8を介して制御部18へと出力する。制御部18では、音声入力装置8より取得した収録音に基づいて、インパルス応答演算部16にインパルス応答の演算処理を行わせ、演算処理されたインパルス応答をインパルス応答記録部17に記録させる。制御部18は、このインパルス応答の演算処理をそれぞれのスピーカに対して実行し、各スピーカに対応する音響特性をインパルス応答記録部17に記録させて、原音場6における音響特性測定処理を終了する。
なお、原音場音響システム2において測定される音響特性は、スピーカ部3の4個の各スピーカFR,RL,RR,RLとマイクアレイ7のM個のマイク12との間における多数のインパルス応答に基づいて求められており、この全てのインパルス応答に基づいて求められる音響特性がインパルス応答記録部17に記録される。
[再現音場における音響特性の測定]
次に、再現音場における音響特性を測定するための再現音場音響システムについて説明する。本実施の形態では、実験室の空間B2を再現音場の一例として用いている。このように実験室を再現音場として用いることによって、上述した原音場6の音響環境を実験室内で忠実に再現することができる。
図2に示すように、再現音場音響システム20は、再現音場21である実験室の空間B2に設置されるスピーカ部22と、スピーカ部22に対して音声出力を行う音声出力装置4と、音声出力装置4に対して評価音を出力するコンピュータ5と、原音場6に設置されるマイクアレイ7と、マイクアレイ7により収音された収録音の入力を行う音声入力装置8とによって概略構成されている。
ここで、再現音場音響システム20に用いられる音声出力装置4と、コンピュータ5と、マイクアレイ7と、音声入力装置8とは、上述した原音場音響システム2において用いられる音声出力装置4と、コンピュータ5と、マイクアレイ7と、音声入力装置8と同一の構成であって同一の機能を備えるものであるため、その詳細な説明は省略する。
また、コンピュータ5を概略構成する評価音生成部15と、インパルス応答演算部16と、インパルス応答記録部17と、制御部18とは、上述した原音場音響システム2のコンピュータ5を概略構成する評価音生成部15と、インパルス応答演算部16と、インパルス応答記録部17と、制御部18と同一の構成であって同一の機能を備えるものであるため、その詳細な説明は省略する。
スピーカ部22は、図2に示すように、マイクアレイ7を中心として等距離を保つようにして円形に配設された複数(例えばM個)のスピーカ23によって構成されている。このスピーカ23は、音声出力装置4より出力された評価音を出力することが可能となっている。
一方で、音声出力装置4は、評価音の出力先をコンピュータ5の制御命令に従って各スピーカ23へと個別に出力することが可能となっている。
上述したように構成される再現音場音響システム20において、制御部18が再現音場21の音響特性測定処理を行う場合、制御部18は、評価音生成部15に評価音を生成させて、音声出力装置4を介して、生成させた評価音をスピーカ部22の各スピーカ23より出力させる。音声出力装置4は、評価音をスピーカ23から出力させる場合、制御部18の制御命令に応じてスピーカ23毎に個別に評価音を出力させる。
マイクアレイ7では、いずれかのスピーカ23より出力された出力音を複数(M個)のマイク12で収音し、音声入力装置8を介して制御部18へと出力する。制御部18では、音声入力装置8より取得した収録音に基づいて、インパルス応答演算部16にインパルス応答の演算処理を行わせ、演算処理されたインパルス応答を、インパルス応答記録部17に記録させる。制御部18は、このインパルス応答の演算処理をそれぞれのスピーカ23に対して実行し、各スピーカ23に対応する音響特性をインパルス応答記録部17に記録させて、再現音場6における音響特性測定処理を終了する。
なお、再現音場音響システム20において測定される音響特性は、スピーカ部22のM個の各スピーカ23とマイクアレイ7のM個のマイク12との間における多数のインパルス応答に基づいて求められており、この全てのインパルス応答に基づいて求められる音響特性が、インパルス応答記録部17に記録される。
[音場再現フィルタの算出]
次に、原音場音響システム2において算出された音響特性と、再現音場音響システム20において算出された音響特性とに基づいて、再現音場21において原音場6の音響環境を実現するための音場再現フィルタを算出する処理について説明する。
図3は、音場再現フィルタを算出するための音場再現フィルタ算出装置(音場再現フィルタ算出装置)30を示したブロック図である。
音場再現フィルタ算出装置30は、フィルタ算出処理部31と、原音場特性記録部32と、再現音場特性記録部33と、フィルタ情報記録部34とにより概略構成されている。
原音場特性記録部32には、原音場6において測定された音響特性が記録されており、インパルス応答記録部17と同様に、ハードディスクや、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等の一般的な記録装置によって構成されている。また、同様に、再現音場特性記録部33には、再現音場21において測定された音響特性が記録されており、ハードディスク等の一般的な記録装置によって構成されている。
フィルタ情報記録部34は、フィルタ算出処理部31によって算出された音場再現フィルタが記録される記録媒体である。フィルタ情報記録部34も、原音場特性記録部32や再現音場特性記録部33と同様に、一般的な記録装置によって構成されている。
フィルタ算出処理部31は、原音場特性記録部32に記録される音響特性と、再現音場特性記録部33に記録される音響特性とに基づいて、音場再現フィルタを算出する処理を行う。なお、フィルタ算出処理部31は、音場再現フィルタの算出処理を主として行うCPU(Central Processing Unit)、音場再現フィルタを算出するためのプログラム等が記録されるROM(Read Only Memory)、ワークエリア等に使用されるRAM(Random Access Memory)等の一般的な演算処理器によって構成されている。
フィルタ算出処理部31は、上述したように、
Q=(AtA+lELS×LS-1tD ・・・式16
に基づいて
R=(AtA+lELS×LS
P=At
と置いた場合における連立一次方程式P=RQを解くことにより、時間領域における音場再現フィルタQ(Q=R-1P)を求める。
以下、フィルタ算出処理部31が、時間領域において音場再現フィルタを求める処理を説明する。フィルタ算出処理部31は、時間領域において式16の最適解を求めるために、反復解法を用いるものし、特に本実施の形態では反復解法の解法例として共役勾配法を用いて演算を行うものとする。
反復解法は、解の収束に必要な処理の反復回数が直接解法よりも少なく、1回の反復当たりに必要な計算リソース(メモリ使用量と演算量)が少なくなるという特徴を有している。未知数の数がnの場合であって、算出を行うための方程式の行列が疎行列(要素のほとんどの成分が0となる行列)となる場合に反復解法で解を求めると、一般的に、係数行列に必要なメモリ使用量と一回の反復に必要な演算回数とがnのオーダーとなり演算効率が高くなる。一方で、方程式の行列が密行列の場合は、演算回数のオーダーがn2のオーダーとなってしまい、nが大きい場合には計算が困難になるという特徴を有している。本実施の形態に示すように、反復解法で音場再現フィルタを求める場合には、係数行列として疎行列ではなく大規模密行列を扱う必要が生じる。
音場再現フィルタQを算出するためには、上述したように式16
Q=(AtA+lELS×LS-1tD ・・・式16
を解く必要がある。ここで、反復解法を用いて音場再現フィルタQを算出する場合、反復計算において必要とされる行列形式は、規則的な畳み込み行列になるという特徴がある。このため、本発明に係る音場再現フィルタ算出装置30では、この畳み込み行列を利用した特徴的な演算処理を行うことによって、計算過程に必要なメモリ量をフィルタ段数Lに比例するオーダーまで削減することが可能となる。
具体的には、方程式の組み立て処理と反復計算の処理とに用いられる主要な行列演算を、高速フーリエ変換(FFT)を利用した相関演算処理と畳み込み演算処理とで演算することによって、計算量を大幅に削減(具体的には、高速フーリエ変換による計算オーダーに比例したレベル(LlogLに比例した計算オーダー)まで削減)することができる。このため、音場再現システムの規模が大きくなっても、一般的なコンピュータを用いて演算処理を行うことが可能となる。
本発明に係る演算処理を用いることによって、具体的には、フィルタ段数Lが4096(L=4096)、音場再現システムのスピーカsの数Sが64(S=64)である場合の音場再現フィルタの演算を、1Gバイト程度のメモリを搭載したコンピュータで実行することが可能となる。
図4は、共役勾配法を使用して音場再現フィルタを算出する処理を示したフローチャートである。フローチャートに従って時間領域で演算処理を行った場合には、次述する(1)〜(4)の演算処理において処理負担が増大するという問題があった。
(1)行列R:R=(AtA+lELS×LS)の演算処理
(2)行列P:P=AtDの演算処理
(3)初期値計算におけるRとベクトルとの積Rq0との演算処理
(4)反復計算におけるRとベクトルとの積Rσμとの演算処理
また、行列Rの演算に要する記憶容量も増大するという問題があった。
本実施の形態に係るフィルタ算出処理部31では、上述したように、(1)〜(4)の演算を行う場合に、高速フーリエ変換(FFT)を用いて周波数領域における演算処理を行い、演算処理された演算結果を逆高速フーリエ変換(IFFT)によって時間領域の演算結果に逆変換する(時間領域の演算結果に戻す)ことによって、演算処理負担の軽減を図っている。
まず、初期演算として、行列Rと行列Pとの計算について説明する。
行列Rは、上述したように
Figure 2009027483
で示される。
ここで行列Rの各要素は、
Figure 2009027483
で示される。
また行列Ri,jの各要素は、
Figure 2009027483
で示される。
但し、
Figure 2009027483
である。
Rの部分行列Ri,jは、相関行列であって規則正しいパターンを持ち、斜め方向の要素の値が同一の値になるという特徴を有している。上述した部分行列Ri,jでは、2L−1個の異なる値を備えている。このため、係数行列Rの演算を行う場合には、重複する値をメモリ等の記憶領域に記憶せず、異なる値のみをベクトルとして記憶することによって、フィルタ算出処理部31の演算処理で使用されるメモリ使用量をLのオーダーで削減することが可能となる。
また、それぞれの要素の値を示す式24
Figure 2009027483
において{}内は伝達関数同士の相関演算の形となっている。
このため、相関演算処理を行う場合、高速フーリエ変換(FFT)を用いてrti,j(τ)の値を周波数領域の値に変換して解を求めた後に、求められた解を逆フーリエ変換(IFFT)により逆変換して、時間領域におけるrti,j(τ)の相関演算処理の解を求める。このように周波数領域において演算処理を行うことによって、処理負担を軽減させることができる。
しかしながら、高速フーリエ変換を用いて相関演算処理を行う場合には以下の点で注意が必要である。
相関演算処理を行う一般式を
Figure 2009027483
で表すと、両辺をフーリエ変換することによって、
ω(ω)=conj(gω(ω))hω(ω) ・・・・式26
となる。ここでconj(x)はxの複素共役を示している。
上述したように、フーリエ変換されたSω(ω)の値を周波数成分の掛け算を用いて求めた後に、求めた解を逆フーリエ変換して時間領域の時系列データに変換することによって、時間領域において演算を行う場合に比べて迅速かつ容易に解を求めることができる。
但し、高速フーリエ変換を利用して相関演算処理を行う場合、周波数領域の掛け算を用いてSω(ω)の解を求めた後に逆フーリエ変換によって時間領域に戻した演算結果S’(τ)は
Figure 2009027483
となる。ここで、NFFTは、高速フーリエ変換を実施するときのデータ長であり、mod(t+τ,NFFT)は、t+τをNFFTで割ったときの余りを示している。
このように、逆フーリエ変換によりS’t(τ)を求めた場合には、全てのτについて
S’t(τ)=St(τ) ・・・式28
になるとは限らず、式28を満たさない解を、図4に示す共役勾配法の演算処理にそのまま用いると、求められた音場再現フィルタに誤差が生じてしまうという問題がある。
このような問題を回避して、式28の関係式を満たす解を求めるために、本実施の形態に係るフィルタ算出処理部31では、g、hに適当な数の0データを追加し、高速フーリエ変換のデータ長さNFFTを増やすことによって、求めたいτの範囲におけるS’t(τ)の値が
S’t(τ)=St(τ) ・・・式28
となるように調整を行う。
従って、上述したrti,j(τ)を求める場合にも、逆フーリエ変換によって求められた解が正確な値となるように(時間領域のみの演算により求められる解とに誤差が生じないように)、−L+1≦t≦L−1の範囲のデータのみを用いて演算を行う。つまり、誤差の生じない範囲は、音場再現フィルタが適用される出力音の残響時間等に応じて予め設定される音場再現フィルタの段数Lに応じて決定される。
また、行列Pの各要素も同様に、相関演算処理の結果として計算することが可能である。行列Pは
Figure 2009027483
で示される。
ここで行列Pの各要素は、
Figure 2009027483
で示される。
また行列Pi,jの各要素は、
Figure 2009027483
で示される。
このpti,j(τ)の{}内は伝達関数同士の相関演算の形となっているため、行列Rと同様に、pti,j(τ)に対して高速フーリエ変換を適用し、pti,j(τ)の値を周波数領域の値に変換して解を求め、求められた解を逆フーリエ変換して時間領域の解に逆変換することにより値を求めることができる。このように周波数領域の解を時間領域の解に逆変換する処理を用いることにより、演算処理の負担を軽減させることができる。
pti,j(τ)の演算を行う場合にも、逆フーリエ変換により求められる値が正確な値となるように、0≦t≦L−1の範囲のデータのみを用いて解を求める。
このようにして予め行列Rおよび行列Pの演算結果を求めてメモリ等に記憶しておくか、または、図4に示すフローチャートの演算処理過程において行列R,Pを用いた演算を行う必要が生じた際にその都度R,Pの演算を行うことによって、音場再現フィルタの算出処理を実行する。
次に、図4に示すフローチャートに基づいて、フィルタ算出処理部31の具体的な処理について説明する。
フィルタ算出処理部31は、図4に示すように、初期値としてjに1を代入し、μに0を代入するする(ステップS.1)、ここでjは、原音場6におけるスピーカの数を示している。またμは、音場再現フィルタQのj列目の値を算出するために実行された演算回数(反復回数)を示すパラメータであり、具体的には、ステップS.3〜ステップS.5の処理を繰り返し実行した回数を示している。
次にフィルタ算出部31は、初期設定を行う(ステップS.2)。初期設定では、P,Qのj列目の値をp,qとおき、適当な初期値q0を用いてεμ
Figure 2009027483
の初期値であるε0の値
ε0=p−Rq0 ・・・式33
を求める。なお、εμは、反復回数μでの暫定的な解をqμとしたときの、誤差ベクトルを示したものである。
ここで。ε0の算出に用いられる行列Rとベクトルとの演算処理(Rq0の演算)について説明する。
係数行列Rは
Figure 2009027483
で示される。
ここに任意のベクトルxを
Figure 2009027483
(但し、xの各要素はxi,1は、
Figure 2009027483
とする。)
とし、行列Rと任意のベクトルxとの積yを
Figure 2009027483
(但し、yの各要素はyi,1は、
Figure 2009027483
とする。)とすると、
yは、
Figure 2009027483
となり、
yの部分行列であるyi,1は、
Figure 2009027483
となり、
Figure 2009027483
として計算される。
ここでyti,1(τ)の{}の内は畳み込み演算を示している。畳み込み演算処理を行う場合には、相関演算処理を行う場合と同様に、高速フーリエ変換を用いてyti,1(τ)の値を周波数領域の値に変換することによって周波数領域で解を求めた後に、逆フーリエ変換(IFFT)を行うことによって時間領域での値を求めることができる。このように周波数領域において求められた解を時間領域の解に逆変換することによって、演算処理の負担を軽減させることができる。
しかしながら、高速フーリエ変換を用いて畳み込み演算処理を行う場合にも以下の点で注意が必要である。
相関演算処理を行う一般式を
Figure 2009027483
で表すと、両辺をフーリエ変換することによって、
ω(ω)=gω(ω)hω(ω) ・・式43
となる。
上述したように、フーリエ変換されたSω(ω)の値を周波数成分の掛け算を用いて求めた後に、求めた解を逆フーリエ変換して時間領域の時系列データに変換することによって、時間領域において演算を行う場合に比べて迅速かつ容易に解を求めることができる。
但し、高速フーリエ変換を利用して畳み込み演算処理を行う場合にも、周波数領域の掛け算を用いてSω(ω)の解を求めた後に、逆フーリエ変換によって時間領域に戻した結果S’t(τ)が
Figure 2009027483
となり、相関演算処理と同様に、求められたS’t(τ)の全てのτについて
S’t(τ)=St(τ) ・・・式45
になるとは限らないという問題がある。ここで、NFFTは、高速フーリエ変換を実施するときのデータ長であり、mod(τ−t,NFFT)は、τ−tをNFFTで割ったときの余りを示している。
上述したような問題を回避して、式45の関係式を満たす解を求めるために、本実施の形態に係るフィルタ算出処理部31では、g、hに適当な数の0データを追加し、高速フーリエ変換のデータ長さNFFTを増やすことによって、求めたいτの範囲におけるS’t(τ)の値が
S’t(τ)=St(τ) ・・・式45
となるように調整を行う。
従って、上述したRq0を求める場合にも、逆フーリエ変換によって求められた解が正確な値となるように(時間領域のみの演算により求められる解とに誤差が生じないように)、0≦t≦L−1の範囲のデータのみを用いてεμの計算を行う。
また、フィルタ算出処理部31は、σμ
Figure 2009027483
の初期値であるσ0の値
Figure 2009027483
の値を算出する。ここで、σμは、後述するステップS.4におけるRσμの計算に用いられる。
また、フィルタ算出処理部31は、共役勾配法の収束判定に用いられるパラメータをηとして設定する。ηは収束を判断するための閾値パラメータとしての定数であって、このパラメータに基づいて誤差が収束判定条件を満たす値となった場合(次式48を満たす場合)、フィルタ算出処理部31は、解が収束したと判断して反復計算を終了する。
そして、フィルタ算出処理部31は、収束条件の判断処理(ステップS.3)を行う。収束条件の判断式は、
Figure 2009027483
で表される。フィルタ算出処理部31は、この判断式に基づいて解の収束を判断する。
収束条件を満たさなかった場合(ステップS.3においてNoの場合)、フィルタ算出処理部31は、Rσμの計算を行う(ステップS.4)
Rσμの計算を行う場合にも、上述した行列Rとベクトルとの積を求める計算に該当するため畳み込み演算処理によって計算を行うことが可能である。このため、フィルタ算出処理部31は、高速フーリエ変換によって周波数領域でRσμの解を求めた後に、逆フーリエ変換を行うことによって時間領域の値を求める。この場合においても、時間領域において解に誤差が生じないように、0≦t≦L−1の範囲のデータのみを用いて解を求める。
そして、フィルタ算出処理部31は、求められたRσμの値と、εμ、σμとを用いて、
Figure 2009027483
Figure 2009027483
Figure 2009027483
を算出し、さらに、μに1を加える(μ=μ+1)処理を行う(ステップS.5)。
そして、フィルタ算出処理部31は、ステップS.5において算出されたεμとPとを用いて、収束条件の判断処理(ステップS.3)を繰り返し実行する。
収束条件を満たす場合(ステップS.3においてYesの場合)、フィルタ算出処理部31は、ステップS.5において算出されたqμの値を、音場再現フィルタQにおけるj列目の解とする(ステップS.6)。
その後、フィルタ算出処理部31は、j=Cであるかどうか、つまり、音場再現フィルタにおける全ての列(1〜C列)の解を求めたか否かを判断し(ステップS.7)、jがCでない場合(ステップS.7においてNoの場合)には、jに1を加え、μに0を代入した後に(ステップS.8)、処理をステップS.2に移行して上述した処理を繰り返し実行する。
jがC(j=C)である場合(ステップS.7においてYesの場合)、フィルタ算出処理部31は、全ての列の音場再現フィルタの値を求めたものと判断して、音場再現フィルタの算出処理を終了する。算出された音場再現フィルタは、フィルタ算出処理部31によってフィルタ情報記録部34に記録される。
[再現音場における原音場の音響環境再現処理]
次に、再現音場21である実験室の空間B2において原音場6である実験室の音響環境を再現する処理について説明する。再現音場21における原音場6の音響環境の再現は、音場再現システムによって実現される。
図5は、音場再現システム1の概略構成を示したブロック図である。音場再現システム1は、図5に示すように、再現音場21である実験室の空間B2内に設置されスピーカ部(スピーカ)22と、スピーカ部22に対して音声出力を行う音声出力装置(音響出力装置)4と、音声出力装置4に対して評価音を出力するコンピュータ(音響処理装置)40と、音響信号を出力することが可能なオーディオ機器(音響再生装置)41と、オーディオ機器41によって再生される音響信号をコンピュータ40に出力する音声入力装置8とによって概略構成されている。
ここで、音場再現システム1に用いられる音声出力装置4と、音声入力装置8と、スピーカ部22とは、再現音場音響システム20において用いられる音声出力装置4と、音声入力装置8と、スピーカ部22と同一の構成であって同一の機能を備えるものであるため、その詳細な説明は省略する。
オーディオ機器41は、CD、DVD、MD等の記録媒体に記録される音楽情報を読み出して音響信号として出力する装置である。オーディオ機器41において再生された音響信号は、音声入力装置8を介してコンピュータ40に入力される。
コンピュータ40は、オーディオ機器41によって再生される音響信号を、音声入力装置8を介して取得し、取得した音響信号に音響処理を施すことによって、再現音場21で出力される音響信号により、原音場6の音響環境を再現させる役割を有している。
コンピュータ40は、制御部42と、畳み込み演算処理部43と、音場再現フィルタ記録部44とによって概略構成されている。音場再現フィルタ記録部44には、上述した音場再現フィルタ算出装置30によって算出された音場再現フィルタが記録されている。音場再現フィルタ記録部44は、一般的な記録装置によって構成されている。
畳み込み演算処理部43は、制御部42の制御に応じて、音声入力装置8によって入力された音響信号に対して音響処理を施す。より詳細には、音場再現フィルタ記録部44に記録される音場再現フィルタを用いて、音響信号に畳み込み演算処理を行うことにより、スピーカ部22のスピーカ23から出力される音響信号に音響処理を施す。
畳み込み演算処理部43によって、音場再現フィルタによる音響処理が施された音響信号には、再現音場21における音響特性を打ち消すと共に、原音場6の音響特性を再現音場21において効果的に適用させるための音響効果が付加されている。従って、音場再現システム1において、音場再現フィルタを適用した音響信号をスピーカ22より出力させることによって、再現音場21で原音場6の音響特性を再現することが可能となり、聴取者はあたかも原音場6で聴取しているかのような感覚を再現音場21で得ることが可能となる。
以上説明したように、実施の形態に係るフィルタ算出処理部31では、原音場6の音響特性と再現音場21の音響特性とにより求められる音場再現フィルタの算出処理を、すべての演算過程で周波数領域における演算結果を時間領域に逆変換する演算手法を用いて行うのではなく、時間領域において反復解法を用いて音場再現フィルタを求める演算方法を原則として採用するので、誤差を含まない精度の高い音場再現フィルタを算出することが可能となる。
さらに、反復解法を用いて音場再現フィルタを算出する場合において、相関演算処理と畳み込み演算処理とを行う場合にのみ、周波数領域における演算結果を利用して時間領域における解を求めるので、演算処理の負担軽減と演算処理に利用されるメモリ容量の低減を図ることが可能となる。このため、処理全体の迅速化と演算処理に利用される演算資産の効率化を図ることが可能となる。
特に、周波数領域において計算された相関演算処理の結果と畳み込み演算処理の結果とを時間領域において利用する場合には、周波数領域に変換させることによって求められる解と時間領域のみで演算を行って求められる解とに誤差が生じることを防ぐため、時間領域へと逆フーリエ変換された解のうち、解の値が不一致とならない所定範囲のデータのみを用いて音場再現フィルタの算出処理を行う。このため、最終的に算出される音場再現フィルタの値に誤差等が含まれてしまうことを効果的に防止することが可能となる。
以上、本発明に係る音場再現フィルタ算出装置および音場再現システムについて図面を用いて詳細に説明を行ったが、本発明に係る音場再現フィルタ算出装置および音場再現システムは上述した実施の形態に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施の形態では、音場再現フィルタ算出装置30で音場再現フィルタを算出した後に、算出した音場再現フィルタを音場再現システム1の音場再現フィルタ記録部44に記録させて音響信号に音響処理を施す構成であったが、音場再現フィルタの算出を音場再現システム1において行う構成であってもよい。
図6は、音場再現フィルタ算出装置30におけるフィルタ算出処理部31の機能を、コンピュータ55の制御部56で処理させることにより、音場再現フィルタの算出処理を行うことが可能な音場再現システム57を示したブロック図である。
図6に示す音場再現システム57では、実施の形態において説明した音場再現システム1(図5参照)に比べて、コンピュータ55内に、原音場特性記録部32と、再現音場特性記録部33とが設けられている点で相違する。
音場再現システム57では、制御部56が、原音場特性記録部32に記録される音響特性と、再現音場特性記録部33に記録される音響特性とに基づいて、音場再現フィルタを算出する処理を行い、算出された音場再現フィルタを音場再現フィルタ記録部44に記録する。そして、制御部56は、畳み込み演算処理部43に対して、音場再現フィルタ記録部44に記録される音場再現フィルタを用いて、入力された音響信号に対する畳み込み演算処理を行う。
このように、音場再現システム57において、音場再現フィルタの算出処理を行わせることによって、音場再現フィルタ算出装置30を別途設ける必要が無くなるので、システム構成の簡略化を図ることが可能となる。また、音場再現システム57において音場再現フィルタの算出処理を行わせることによって、処理の円滑化と迅速化を図ることが可能となる。
実施の形態に係る原音場音響システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る再現音場音響システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る音場再現フィルタ算出装置の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るフィルタ算出処理部による音場再現フィルタの算出処理を示したフローチャートである。 実施の形態に係る音場再現システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る音場再現システムの他の概略構成例を示すブロック図である。 一般的な音場再現システムにおける音場再現フィルタと原音場の音響特性と再現音場の音響特性との関係を示した図である。 (a)一般的な原音場の構成を示した図であり、(b)は一般的な再現音場の構成を示した図である。
符号の説明
1、57 …音場再現システム
2 …原音場音響システム
3 …(原音場音響システムの)スピーカ部
4 …音声出力装置(音響出力装置)
5 …(原音場音響システムの)コンピュータ
6 …原音場
7 …マイクアレイ
8 …音声入力装置
12 …(マイクアレイの)マイク
15 …評価音生成部
16 …インパルス応答演算部
17 …インパルス応答記録部
18、42、56 …制御部
20 …再現音場音響システム
21 …再現音場
22 …(再現音場の)スピーカ部
23 …(スピーカの)スピーカ
30 …音場再現フィルタ算出装置
31 …フィルタ算出処理部
32 …原音場特性記録部
33 …再現音場特性記録部
34 …フィルタ情報記録部
40、55 …コンピュータ(音響処理装置)
41 …オーディオ機器(音響再生装置)
43 …畳み込み演算処理部
44 …音場再現フィルタ記録部
A1 …(従来の原音場の)空間
A2 …(従来の再現音場の)空間
B1 …(本実施の形態に係る原音場の)空間
B2 …(本実施の形態に係る再現音場の)空間
c、s …(従来の原音場および再現音場に設置される)スピーカ
FL、FR、RL、RR …(本実施の形態に係る原音場に設置される)スピーカ
m …制御ポイント

Claims (4)

  1. 原音場において測定された音響特性と再現音場において測定された音響特性とに基づいて、再現音場において原音場の音場環境を再現するための音場再現フィルタを算出する音場再現フィルタ算出装置に関し、
    該音場再現フィルタ算出装置は、
    時間領域において反復解法を適用することにより、音場再現フィルタの算出処理を実行し、
    前記反復解法の適用に生じる相関演算処理および畳み込み演算処理のみ、周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に前記時間領域に演算結果を逆変換させる演算方法を用いること
    を特徴とする音場再現フィルタ算出装置。
  2. 前記音場再現フィルタ算出装置は、
    周波数領域への変換処理によって演算処理を行った後に前記時間領域に演算結果を逆変換させて求められた前記相関演算処理または前記畳み込み演算処理の演算結果のうち、前記時間領域のみで前記相関演算処理または前記畳み込み演算処理を行った場合に得られる演算結果との誤差が生じ得ない範囲のデータのみを用いて、前記時間領域における前記音場フィルタの算出処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音場再現フィルタ算出装置。
  3. 前記誤差が生じない範囲は、前記音場再現フィルタが適用される出力音の残響時間等に応じて予め設定される前記音場再現フィルタの段数に伴って決定されること
    を特徴とする請求項2に記載の音場再現フィルタ算出装置。
  4. 再現音場に設置されるスピーカと、
    該スピーカより出力させるための音響信号を再生する音響再生装置と、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の前記音場再現フィルタ算出装置と、
    前記音響再生装置により算出された音響信号に対して、前記音場再現フィルタ算出装置によって算出された前記音場再現フィルタを用いて音響処理を施す音響処理装置と、
    該音響処理装置により音響処理された音響信号を前記スピーカより出力させる音響出力装置と
    を備えることを特徴とする音場再現システム。
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