以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の実装装置の概略的構成を示しており、この実装装置は装置本体1を有する。この装置本体1の一側部、この実施の形態では上側部には電子部品としてのTAB部品2(以下、TAB2とする。)を供給するための部品供給部3が設けられている。
上記部品供給部3は、詳細は図示しないが、キヤリアテープから上記TAB2を打ち抜く金型装置及びこの金型装置によって打ち抜かれたTAB2を受けて上記部品供給部3から搬出する搬出手段を有する。
上記搬出手段によって上記部品供給部3から搬出されたTAB2は第1のインデックステーブル5に受け渡される。この第1のインデックステーブル5の下面には、図1と図5に示すように上記TAB2の一端部を吸着保持する4つの保持部6が周方向に90度間隔で設けられている。この第1のインデックステーブル5は、図示しない駆動源によって図1に矢印Rで示す反時計方向に90度ずつ間欠的に回転駆動されるようになっている。
上記TAB2は図1のaで示すポジションで上記第1のインデックステーブル5に受け渡され、90度回転駆動されたbのポジションで上記TAB2に設けられた端子の部分がブラッシングされてその部分に付着していて塵埃が除去される。ついで、90度回転されたcのポジションでブラッシングによって保持部6に対して生じたTAB2の位置ずれが図示しないゲージで押圧されて補正され、ついでdの受け渡しのポジションに位置決めされる。
TAB2がdのポジションに位置決めされると、図5に示すようにその下方に第1の受け渡しヘッド7が位置決めされてから上昇し、上記第1のインデックステーブル5の保持部6に上面が吸着保持されたTAB2の一端部の下面を吸着する。それと同時に、上記保持部6による吸着状態が解除され、ついで上記TAB2を吸着保持した第1の受け渡しヘッド7が下降する。
下降した第1の受け渡しヘッド7は図5に矢印Xで示す方向に水平に駆動され、第1の撮像カメラ8の下方を通って上記TAB2のエッジ部が撮像された後、テープ貼着手段11を構成する位置決め手段としての第2のインデックステーブル12の保持部13の下方に搬送される。
上記第1の撮像カメラ8の撮像信号は図示しない制御装置に設けられた画像処理部に出力され、この画像処理部でデジタル信号に変換されて上記TAB2のエッジ部のX、Y座標が算出される。
上記第2のインデックステーブル12は、図5に示すように周方向に180度間隔で上述した2つの保持部13が設けられている。この保持部13は、上記第2のインデックステーブル12の上面に立設されたガイド14に上下方向(Z方向)に沿って移動可能に支持されていて、図示しないばねにより所定の位置で弾性的に保持されている。
上記第2のインデックステーブル12が回転駆動されて保持部13が上記第1の受け渡しヘッド7の上方に位置すると、上記第1の受け渡しヘッド7が図5に矢印で示すZ方向上方に駆動される。それによって、第1の受け渡しヘッド7に吸着保持されたTAB2が上記第2のインデックステーブル12の保持部13に吸着保持される。つまり、第1の受け渡しヘッド7は第1の撮像カメラ8の撮像に基くTAB2のエッジのX、Y座標の算出結果によって位置が補正された後、第2のインデックステーブル12の保持部13にTAB2を受け渡す。
TAB2が上記保持部13に受け渡されてから、第2のインデックステーブル12が180度回転駆動されると、上記TAB2は上記テープ貼着手段11のコンベア15のコンベアベルト16の上方に対向するよう位置決めされる。
図2に示すように、上記コンベアベルト16は一対のローラ17間に無端状に張設されていて、図6に示すように厚さ方向に貫通した複数の第1の吸引孔18が全長にわたって所定間隔で穿設されている。無端状に張設された上記コンベアベルト16の上下間には支持体19が設けられている。
上記支持体19は中空状であって、その空間部19aには吸引ポンプ21が連通するよう接続されている。上記支持体19の上部壁の上面には上記第1の吸引孔18に連通する凹部22が形成され、この凹部22は第2の吸引孔23を介して上記空間部19aに連通している。それによって、上記吸引ポンプ21が作動すれば、その吸引力が上記凹部22及び上記第1の吸引孔18を介して上記コンベアベルト16の上面に作用するようになっている。
上記コンベア15の側方には、図2や図6に示すように一側面に離型紙26が貼着された異方性導電部材からなる粘着テープ27が供給リール25から離型紙26を下に向けて繰り出され、上記コンベア15と後述するように平行に水平搬送させられるようになっている。
上記供給リール25から繰り出された離型紙26付きの粘着テープ27は、この粘着テープ27に張力を与えるダンサローラ24a及び走行方向を水平方向に変換するガイドローラ24bを介して水平走行させられる。
上記供給リール25から繰り出された粘着テープ27はカッタ28によって一対の切断線29が所定間隔で切り込まれる。ついで、一対の切断線29の間の部分が除去ヘッド31によって除去される。それによって、粘着テープ27は所定の長さ、つまりTAB2の幅寸法と同じ長さの切断片27aに分離される。
粘着テープ27は切断片27aに分離された後、第2の撮像カメラ32によって分離された部分のエッジ部分が撮像され、その撮像信号が図示しない制御装置の画像処理部に出力される。画像処理部は上記切断片27aのエッジ部のX座標、つまり図2にXで示す粘着テープ27の搬送方向に沿う座標を算出する。なお、第2の撮像カメラ32は上記切断片27aのエッジ部を上方から撮像してもよいが、側方から撮像する方が好ましい。
上記第2の撮像カメラ32によって撮像された切断片27aは第1のヒータ30aによって約70〜80℃に予備加熱されたのち、第2のヒータ30bによって約100℃に本加熱される。それによって、切断片27aはTAB2に貼着され易い状態となる。
水平に搬送される上記粘着テープ27は、図6に示すように上記第2のインデックステーブル12の保持部13の下方に対向する箇所でバックアップ体33の上面によって下面、つまり離型紙26側が支持される。
図2にBで示す位置で、上記粘着テープ27の切断片27aが上記バックアップ体33の上面に支持されると、加圧シリンダ34に設けられた加圧体34aが図6に示す上昇位置から、図7に示すように矢印Zで示す下降方向に駆動される。それによって、上記第2のインデックステーブル12の保持部13が上記加圧体34aによって加圧されて下降するから、この保持部13に吸着保持されたTAB2の一側部の下面に上記粘着テープ27の切断片27aが貼着される。
上記保持部13が下降すると、この保持部13によるTAB2の吸着状態が解除される。それによって、TAB2は粘着テープ27の切断片27aが貼着された一端部を除く部分が上記コンベアベルト16の上面に発生した吸引力によって吸着保持され、上記離型紙26及びこの離型紙26に貼着された上記切断片27aとともに後述するように間欠的に搬送される。
TAB2に貼着された切断片27aは、冷却手段30cによって冷却される。それによって、切断片27aと離型紙16との間の粘着性が低減される。上記冷却手段30cは詳細は図示しないが、冷気発生部と、この冷気発生部に対して気体を循環させる給気部を有し、冷気発生部でによって上記切断片27aが冷却されるようになっている。
切断片27aが貼着されたTAB2は図2にCで示す受け渡し位置で取り出されて後述する部品貯留手段としての第3のインデックステーブル53に受け渡される。Cで示す受け渡し位置の1つ手前のポジションで、上記切断片27aが貼着されたTAB2は搬送方向に沿う一端と他端のエッジ部が同図に実線と鎖線で示す位置の間で往復駆動される第3の撮像カメラ40によって撮像される。そして、この第3の撮像カメラ40の撮像に基づいて、上記TAB2に切断片27aが位置ずれなく貼着されているか否かが判定され、位置ずれが生じている場合には不良品として廃棄されることになる。
上記TAB2が上記受け渡し位置Cに搬送される前、この実施の形態ではCの受け渡し位置よりも2ポジション前の位置で、上記切断片27aに貼着された離型紙26がナイフエッジ35によってTAB2の搬送方向と逆方向に方向変換される。その際、切断片27aは上記冷却手段30cによって冷却されて粘着性が低減されているから、離型紙26を切断片27aから容易に剥離することができる。
上記離型紙26の上記ナイフエッジ35によって方向変換させられた部分と、この部分と同方向に走行する無端状の上記コンベアベルト16の下側の部分は図3に示す送り機構36によって一体的に所定ピッチずつ同期して間欠的に送られるようになっている。
なお、ナイフエッジ35によって離型紙26から切断片27aを剥離するとき、この離型紙26とともにTAB2が変形して下側に巻き込まれる虞がある。そこで、ナイフエッジ35の上方には離型紙26が剥離されるTAB2を吸着保持する支持体35aが設けられている。この支持体35aは駆動機構35bによって同図に矢印で示す上下方向(Z方向)に駆動されるとともに、TAB2の搬送方向(X方向)に、このTAB2の搬送と同期して駆動されるようになっている。
それによって、TAB2に貼着された切断片27aから離型紙26を剥離するとき、そのTAB2は上記支持体35aによって吸着されながら搬送されるから、TAB2が離型紙とともに変形して巻き込まれるのが防止される。
上記送り機構36は、上記コンベアベルト16の側方に、このコンベアベルト16の走行方向に沿って配置された細長い箱型状の基体37を有する。この基体37の上面の一端側には矩形板状の可動体38が上記基体37の長手方向に沿って移動可能に設けられている。上記基体37の長手方向の一端面にはサーボモータ39が設けられている。このサーボモータ39が作動すると、上記基体37の内部に設けられた図示しないねじ軸が回転駆動され、このねじ軸によって上記可動体38が上記基体37の上面を往復駆動されるようになっている。
上記可動体38の上面には、第1の可動支持体41と第2の可動支持体42が設けられている。第1の可動支持体41の一側面には開閉駆動される一対の第1の搬送爪43が設けられ、第2の可動支持体42の一側面には同じく開閉駆動される一対の第2の搬送爪44が設けられている。第2の搬送爪44は第1の搬送爪43よりも長く設定されている。
それによって、図4に示すように、第1の搬送爪43が閉じる方向に駆動されると、この搬送爪43によって無端走行可能に張設されたコンベアベルト16の下側の部分が挟持され、第2の搬送爪44が閉じる方向に駆動されると、この搬送爪44によって上記コンベアベルト16と平行に配置された上記離型紙26の上記ナイフエッジ35によって方向変換された部分が挟持される。
第1の搬送爪43がコンベアベルト16を挟持し、第2の搬送爪44が離型紙26を挟持した状態で、上記可動体38が上記サーボモータ39によって図4に矢印Xで示す方向に駆動されて第1、第2の搬送爪43,44が同図に鎖線で示す位置まで移動すると、その移動量に応じて上記コンベアベルト16と上記離型紙26が搬送されることになる。第1、第2の搬送爪43,44が図4に鎖線で示す位置まで駆動されると、これら搬送爪43,44が開方向に駆動されてから、実線で示す元の位置まで戻る。
第1、第2の搬送爪43,44の駆動距離を図4に示すPとすると、上記コンベアベルト16と上記離型紙26は第1、第2の搬送爪43,44の駆動距離Pに応じた長さでピッチ送りされることになる。つまり、コンベアベルト16と離型紙26は駆動距離(ピッチ)Pで間欠的に搬送される。
上記送り機構36の基体37の長手方向他端部の上面には第1の固定支持体46と第2の固定支持体47が設けられている。第1の固定支持体46には開閉駆動される一対の第1の保持爪48が設けられ、第2の固定支持体47には開閉駆動される一対の第2の保持爪49が設けられている。
上記第1、第2の搬送爪43,44が上記コンベアベルト16と上記離型紙26を挟持して搬送するとき、上記第1、第2の保持爪48,49は開放している。上記第1、第2の搬送爪43,44が開いて元の位置に戻るときには、上記第1、第2の保持爪48,49は閉じて上記コンベアベルト16と上記離型紙26を挟持している。
それによって、第1、第2の搬送爪43,44が戻るとき、所定の位置までピッチ送りされた上記コンベアベルト16と上記離型紙26に、テンションなどによって位置ずれが発生するのが防止される。
上記サーボモータ39による上記コンベアベルト16と上記離型紙26の送り量(第1、第2の搬送爪43,44の駆動距離P)は、上記第1の撮像カメラ8によって検出されたTAB2のエッジのX座標と、上記第2の撮像カメラ32によって撮像された上記粘着テープ27の切断片27aのエッジのX座標とが図2にBで示すポジションで一致するよう設定される。それによって、TAB2に上記切断片27aを貼着するとき、TAB2の幅方向に対して切断片27aが位置ずれすることなく貼着される。
なお、上記送り機構36の第1、第2の搬送爪43,44は基体37の長手方向に沿って駆動されるときに、コンベア15のコンベアベルト16を支持した支持体19と干渉しないようになっている。たとえば、上記支持体19の下面に上記第1、第2の搬送爪43,44の入り込む凹部を、これら搬送爪43,44の移動範囲全長にわたって形成する。それによって、上記第1、第2の搬送爪43,44は上記支持体19と干渉することなく往復動させることができるようになっている。
上記粘着テープ27の切断片27aが貼着されて、コンベア15のコンベアベルト16に吸着保持されて上記受け渡し位置Cまで搬送されたTAB2は、図8に示す第2の受け渡しヘッド51によって切断片27aが貼着された一端部の上面、つまりコンベアベルト16の側方に突出した部分の上面が吸着保持される。このとき、上記第2の受け渡しヘッド51は上記第3の撮像カメラ40の撮像信号に基づいて位置決めされる。
TAB2の上面を吸着保持した第2の受け渡しヘッド51は同図に矢印Zで示す上昇方向に駆動されてから、Xで示す水平方向に移動し、図1に示す上述した部品貯留手段としての第3のインデックステーブル53の上方に位置決めされる。
ついで、第2の受け渡しヘッド51は図8に鎖線で示すようにZ方向下方に駆動されて上記第3のインデックステーブル53に設けられた保持部54にTAB2を受け渡す。この保持部54は上記TAB2の下面の切断片27aが貼着された部分の近くである、幅方向と交差する方向の中途部を吸着保持する。つまり、TAB2は上記第2の受け渡しヘッド51と上記第3のインデックステーブル53によって切断片27aが設けられた面を下に向けて搬送される。
図1に示すように、上記第3のインデックステーブル53の上面には複数、この実施の形態では8つの上記保持部54が周方向に等間隔で設けられている。そして、この第3のインデックステーブル53は保持部54が設けられた間隔と同じ45度の角度で、周方向に間欠的に回転駆動されるようになっている。
上記第3のインデックステーブル53の8つの保持部54に供給保持されたTAB2は、部品受け渡し手段としての第4のインデックステーブル56に受け渡される。この第4のインデックステーブル56は後述する駆動手段60によってX、Y、Z及びθ方向に駆動されるようになっていて、その下面の周辺部には図1と図9に示すように周方向に45度の間隔で8つの保持部57が設けられている。
上記第4のインデックステーブル56は、上記駆動手段60によって図1にS1で示す受け渡し位置と、S2で示す実装開始位置と、S3で示す実装終了位置とに順次位置決めされて駆動されるようになっている。
受け渡し位置S1では、図9に示すように第4のインデックステーブル56は第3のインデックステーブル53の上方に位置し、これらのインデックステーブル53,56が回転方向に同期して間欠駆動されることで、TAB2を吸着保持した第3のインデックステーブル53の8つの保持部54の上方に第4のインデックステーブル56の8つの保持部57が順次対向する。
各保持部54,57が対向したときに、上記第4のインデックステーブル56が図9に矢印で示すZ方向下方に駆動される。それによって、上記TAB2が第3のインデックステーブル53の保持部54から第4のインデックステーブル56の保持部57に受け渡される。つまり、第3のインデックステーブル53に保持された8つのTAB2が第4のインデックステーブル56に順次一括して受け渡される。
上記第4のインデックステーブル56の保持部57は図11に示すようにその垂直部57aにガイド溝58が上下方向に貫通して形成されていて、このガイド溝58にはヒータ59aを内蔵した可動部材59が後述するように移動可能に入り込むようになっている。
受け渡し位置S1で8つのTAB2が受け渡された第4のインデックステーブル56は上記駆動手段60によって実装開始位置S2に駆動される。実装開始位置S2には、実装テーブル61の上面に保持された液晶表示パネルからなる基板WがX、Y、Z及びθ方向に対して位置決めされている。
つまり、基板WはTAB2が実装される一側部を上記実装テーブル61から突出させて保持されていて、第4のインデックステーブル56が実装開始位置S2に位置決めされると、8つの保持部57のうちの1つが図1に示すように基板Wの一側部のTAB2が実装される8つの実装位置nのうちの、最も左端に位置する実装位置nの上方に位置決めされる。
図10に示すように、位置決めされた保持部57の上方には後述するように上記加圧シリンダ62が対向位置するようになっている。この加圧シリンダ62のロッド62aの先端は連結部材62bを介して上記可動部材59の上端に連結されている。そして、第4のインデックステーブル56が45度ずつ回転駆動されると、各保持部57に形成されたガイド溝58に対して上記加圧シリンダ62のロッド62aに連結された上記可動部材59が順次対向位置するようになっている。
そして、保持部57のガイド溝58に上記可動部材59が対向位置したとき、上記加圧シリンダ62のロッド62aが駆動される。それによって、上記可動部材59が保持部57に設けられたガイド溝58に入り込み、このガイド溝58に沿って下方へ移動するから、保持部57の下端に吸着保持されたTAB2が加圧されることになる。
なお、可動部材59を下降方向に駆動する手段は加圧シリンダ62に限られず、サーボモータやリニアモータなどの他の駆動手段を用いるようにしてもよい。
上記駆動手段60は、図12乃至図14に示すように、上記第4のインデックステーブル56をX、Y、Z及びθ方向に移動可能に支持するための門型状の架台71を有する。この架台71は、図12に示すように上記第4のインデックステーブル56が移動する実装開始位置S2と実装終了位置S3とに沿う方向、つまり装置本体1の幅方向に沿って設けられている。
上記架台71の上面にはXガイド体72が設けられ、このXガイド体72の上面には上記アーム63の基端部が上記Xガイド体72に沿うX方向に移動可能に支持されている。上記Xガイド体72の一端には上記アーム63を図12に矢印Xで示す方向に駆動するXモータ73が設けられている。
図14に示すように、上記アーム63の中途部下面にはY可動体74が上記X方向と交差するY方向に沿って移動可能に設けられている。このY可動体74は、上記アーム63の基端に設けられたYモータ75によって上記Y方向に駆動されるようになっている。
上記Y可動体74の下面にはZ駆動源76及びθ駆動源77が順次設けられている。このθ駆動源77は、上記第4のインデックステーブル56の回転中心の上面に設けられた支軸78を所定角度ずつ間欠的に回転駆動するようになっている。つまり、上記第4のインデックステーブル56はX、Y、Z及びθ方向に駆動可能となっている。
上記アーム63の先端には上記加圧シリンダ62が軸線を垂直にして設けられている。上記第4のインデックステーブル56をY方向に駆動することで、この第4のインデックステーブル56に設けられた保持部57のガイド溝58が上記加圧シリンダ62のロッド62aに連結部材62bを介して設けられた上記可動部材59に対向するよう位置決めされる。
つまり、第4のインデックステーブル56をY方向に位置決めした後、このインデックステーブル56を周方向に沿って設けられた保持部57の配置角度に応じて間欠的に回転駆動すれば、複数の保持部57のガイド溝58を上記可動部材59に順次対向するよう位置決めすることができる。
上記実装テーブル61から突出した基板Wの上記TAB2が実装される一側部の下面は図10に示すバックアップツール65によって支持される。このバックアップツール65はベース盤66に設けられたガイド67に沿って駆動されるようになっている。このガイド67は上記実装テーブル61の一側の長手方向に沿って設けられている。なお、この実施の形態では、上記実装テーブル61は上記ベース盤66に固定されているが、ベース盤66に対してX、Y、Z及びθ方向に駆動されるように設けてもよい。
上記バックアップツール65の幅寸法は上記TAB2の幅寸法と同じ或いはわずかに大きく設定されている。それによって、上記基板Wの上記TAB2が実装される部分の下面を支持するようになっている。
上記バックアップツール65の幅方向両側にはそれぞれ第4の撮像カメラ68(一方のみ図示)が設けられている。基板WにTAB2を実装する前に、一対の第4の撮像カメラ68によって上記基板WとTAB2とが撮像され、その撮像信号によってTAB2と、基板WのTAB2が実装される位置とのX、Y座標が算出される。そして、算出されたX、Y座標に基いて上記基板Wに対してTAB2が位置合わせされる。
基板WとTAB2とが位置合わせされると、第4のインデックステーブル56がZ方向下方に駆動されて保持部57が基板Wの一側部の上面に接近する。ついで、上記加圧シリンダ62によって可動部材59が下降方向へ駆動される。
それによって、可動部材59は保持部57に形成されたガイド溝58に沿って下方へ移動するから、上記保持部57の下端面に吸着保持されたTAB2が上記可動部材59によって加熱されながら押圧され、基板Wの一側部の実装位置nに実装される。
基板Wに1つのTAB2が実装されると、上記第4のインデックステーブル56は回転軸線である支軸78の軸線を基板Wに対して図1に矢印Xで示すように平行に移動させながら45度回転駆動される。それによって、つぎのTAB2が保持された保持部57が基板Wの一側部の2番目の実装位置nの上方に位置決めされる。
それと同時に、バックアップツール65がベース盤66のガイド67に沿うX方向に駆動され、基板WのつぎにTAB2が実装される実装位置nの下面を支持する。その状態で、基板Wに対してTAB2が上記バックアップツール65に設けられた第4の撮像カメラ68の撮像に基いて位置決めされた後、そのTAB2を基板Wに実装するということが繰り返される。
そして、基板Wの一側部に8つのTAB2を実装し終えた時点で、第4のインデックステーブル56は図1にS3で示す実装終了位置まで移動する。
基板Wの一側部に複数のTAB2を実装したならば、実装テーブル61から基板Wが搬出され、新たな基板Wが上記実装テーブル61に供給される。実装テーブル61に対して基板Wの搬出と供給を行なう間に、第4のインデックステーブル56は実装終了位置S3から受け渡し位置S1に移動する。
一方、第4のインデックステーブル56の保持部57に保持されたTAB2を基板Wに実装している間に、第3のインデックステーブル53の保持部54にはテープ貼着手段11によって粘着テープ27が所定の長さに切断された切断片27aが貼着されたTAB2が供給保持されている。
つまり、上記構成の実装装置によれば、8つの保持部57にTAB2を受けた第4のインデックステーブル56が受け渡し位置S1から実装開始位置S2に移動し、この実装開始位置S2から実装終了位置S3に移動しながらTAB2を基板Wに実装している間に、第3のインデックステーブル53の保持部54には、テープ貼着手段11によって粘着テープ27(切断片27a)が貼着されたTAB2が供給される。
そして、実装テーブル61からTAB2が貼着された基板Wを搬出し、その実装テーブル61に新たな基板Wを供給する間に、上記第4のインデックステーブル56の保持部57は、第3のインデックステーブル53の保持部54に保持されたTAB2を受けることができる。そのため、実装テーブル61に新たな基板Wが供給されたならば、この基板Wに対してTAB2の実装を直ちに開始することが可能となる。
つまり、キヤリアテープからTAB2を打ち抜き、このTAB2を種々の工程を経て粘着テープ27が貼着された状態で供給できるようにするまでの時間が、粘着テープ27が貼着されたTAB2を基板Wに実装する時間よりも長く掛かる。しかしながら、第4のインデックステーブル56の保持部57に保持されたTAB2を基板Wに実装している間に、上記第3のインデックステーブル53にはテープ貼着手段11によって粘着テープ27が貼着されたTAB2を貯えておくことができる。
そのため、実装テーブル61からTAB2が実装された基板Wを搬出し、新たな基板Wを供給している間に、上記第4のインデックステーブル56は第3のインデックステーブル53から粘着テープ27が貼着されたTAB2を受けて実装位置に戻ることができるため、待ち時間の発生がほとんどなくなるから、基板Wに対するTAB2の実装速度を向上させることができる。
また、TAB2を部品供給部3から供給して第3のインデックステーブル53に貯留するまでの工程と、第4のインデックステーブル56に保持されたTAB2を基板Wに実装する工程とを分離した。
そのため、TAB2を基板Wに実装する工程が、TAB2を第3のインデックステーブル53に貯留するまでの工程に影響されることがないから、第4のインデックステーブル56による実装速度でTAB2を基板Wに実装することができる。
第4のインデックステーブル56によってTAB2を基板Wに実装する工程は、TAB2を部品供給部3から供給して第3のインデックステーブル53に貯留するまでの工程よりも速い速度で行なうことができる。
しかしながら、TAB2を基板Wに実装する工程では、第4のインデックステーブル56に対して基板Wを搬入及び搬出することが必要となるから、そのことを考慮すると、第3のインデックステーブル53にTAB2を貯留する工程と、第4のインデックステーブル56のTAB2を基板Wに実装する工程とではほぼ同じ作業時間となるから、全体として待ち時間が生じることなくTAB2を基板Wに実装することができる。
なお、上記第3のインデックステーブル53にTAB2を貯留するときのこの第3のインデックステーブル53の回転速度は、上記第4のインデックステーブル56に受け渡されたTAB2を上記基板Wに実装するときの上記第4のインデックステーブル56の回転速度よりも遅く設定されている。また、上記第3のインデックステーブル53に貯留されたTAB2を上記第4のインデックステーブル56に受け渡すときにはこれら両者のインデックステーブル53,56は同じ速度で回転駆動される。
つまり、TAB2に切断片27aを貼着して第3のインデックステーブル53に貯留する時間は、第4のインデックステーブル56に受け渡されたTAB2を基板Wに実装する時間よりも長く掛かる。そのため、各インデックステーブル53,56は異なる回転速度で制御されるが、第3のインデックステーブル53に貯留されたTAB2を上記第4のインデックステーブル56に受け渡すときにこれらの回転速度を同じにすることで、TAB2を第3のインデックステーブル53から第4のインデックステーブル56に確実に受け渡すことができる。
上記第3のインデックステーブル53に貯留されたTAB2を第4のインデックステーブル56に受け渡す速度は、TAB2に粘着テープ27を貼着したり、TAB2を基板Wに実装する速度に影響されることがない。
すなわち、第3のインデックステーブル53と第4のインデックステーブル56を備えたことで、TAB2に対する粘着テープ27の貼着と、TAB2の基板Wへの実装との作業を分離して行なうことができる。そのため、TAB2を第3のインデックステーブル53から第4のインデックステーブル56に受け渡す受け渡し速度を自由に設定することができるから、その受け渡し速度を基板WにTAB2を実装する実装速度よりも速くすれば、生産性をさらに向上させることが可能となる。
テープ貼着手段11によって粘着テープ27の切断片27aが貼着されたTAB2は、切断片27aが貼着された面を下に向けて第3のインデックステーブル53から第4のインデックステーブル56に受け渡されて基板Wに実装される。つまり、TAB2は切断片27aが貼着されてから基板Wに実装されるまで、切断片27aが貼着された面を下に向けて搬送される。
そのため、TAB2の切断片27aには塵埃が付着し難いから、基板Wの端子と、この基板Wに切断片27aを介して実装されたTAB2の端子との間に塵埃が介在してTAB2の接続不良を招くのを防止することができる。
上記テープ貼着手段11では、TAB2に粘着テープ27の切断片27aを貼着したならば、その切断片27aに貼着された離型紙26をナイフエッジ35によって方向変換して剥離するようにした。上記離型紙26と、TAB2を吸着保持したコンベアベルト16は送り機構36によって同期して間欠的に搬送される。
つまり、離型紙26とコンベアベルト16を送り機構36によって同期して間欠的に送りながら、上記粘着テープ27の切断、切断された切断片27aのTAB2への貼着などの作業と同期して、TAB2に貼着された粘着テープ27の切断片27aから離型紙26を剥離することができる。
そのため、TAB2に貼着された切断片27aから離型紙26を剥離するために専用の作業時間を設ける必要がないから、上記TAB2への切断片27aの貼着や貼着後の離型紙26の剥離を能率よく、迅速に行なうことが可能となる。
上記テープ貼着手段11での上述した一連の作業の能率を向上させることができれば、第4のインデックステーブル56によるTAB2の基板Wへの実装速度を速くしても、その間に切断片27aが貼着されたTAB2を第3のインデックステーブル53に貯えておくことができる。
したがって、上記テープ貼着手段11での切断片27aの貼着や離型紙26の剥離などの一連の作業能率を向上させることができれば、部品供給部3から供給されたTAB2を基板Wに実装するまでの実装作業全体の作業能率を向上させることが可能となる。
上記ナイフエッジ35によってTAB2に貼着された切断片27aから離型紙26を剥離する際、離型紙26が方向変換されると、TAB2が変形して離型紙26とともに引き込まれる虞がある。
しかしながら、ナイフエッジ35によって離型紙26を剥離する際、TAB2を支持体35aによって吸着保持するようにしたから、TAB2が離型紙26とともに変形して引き込まれるのを防止することができる。
上記支持体35aはコンベアベルト16と同期して駆動される。そのため、TAB2は支持体35aによって保持されながら搬送されるから、TAB2を支持体35aで吸着保持しても、上記テープ貼着手段11での作業のサイクルが中断されて生産性が低下するようなことがない。
上記コンベアベルト16と離型紙26は送り機構36によって同期して搬送駆動される。送り機構36の第1の搬送爪43と第2の搬送爪44とによる上記コンベアベルト16と離型紙26の駆動距離Pは、第2の撮像カメラ32によって切断された粘着テープ27切断片27aのエッジを撮像し、その撮像信号に基いて制御するようにしている。
一方、第2のインデックステーブル12の保持部13に供給されるTAB2は、その過程で第1の撮像カメラ8によって撮像されて位置が認識されている。
そのため、第2のインデックステーブル12の保持部13に保持されて位置決めされたTAB2に対し、所定長さに切断された粘着テープ27の切断片27aを正確に位置決めすることができるから、上記TAB2の幅方向に対して上記切断片27aを位置ずれが生じることなく貼着することが可能となる。
第4のインデックステーブル56の保持部57に吸着保持されたTAB2を基板Wに実装する際、保持部57を駆動せず、基板Wの実装位置に位置決めされた保持部57の上方に位置する可動部材59を加圧シリンダ62によって下降方向に駆動し、この可動部材59を保持部57に形成されたガイド溝58に入り込ませて保持部57の下端面に保持されたTAB2を基板Wに実装するようにした。
そのため、複数の保持部57を第4のインデックステーブル56に固定して設ければよく、従来のように上下方向に移動可能に設けてばねによって弾性的に保持するということをせずにすむから、部品点数が少なくし、構成の簡略化を図ることができる。
また、基板WにTAB2を実装するときに保持部57と可動部材59を一体化し、第4のインデックステーブル56が回転駆動されるときには保持部57と可動部材59を別々にした。
そのため、可動部材59を第4のインデックステーブル56とともに回転させる必要がない、つまり第4のインデックステーブル56に可動部材59を設けずにすむから、第4のインデックステーブル56の特に保持部57が設けられた周辺部の重量が軽減される。
それによって、第4のインデックステーブル56を高速で回転させて停止させるという動作を繰り返して行っても、第4のインデックステーブル56の慣性力が小さいので、振動の発生が少ないばかりか、振動が発生しても静定するまでの時間を短くできるから、TAB2を基板Wに精度よく、しかも能率よく実装することができる。さらに、第4のインデックステーブル56のインデックス性能も向上させることができる。
基板Wに実装されるTAB2に貼着された粘着テープ27の切断片27aは、TAB2を実装するときに可動部材59に設けられたヒータ59aによって加熱される。つまり、複数の保持部57にそれぞれ保持されたTAB2は1つの可動部材59によって加熱される。
そのため、各保持部57に保持されたTAB2に貼着された切断片27aはほぼ同じ温度に加熱されるから、複数のTAB2を切断片27aによって基板Wにほぼ同等の接着力で実装することができる。つまり、基板Wの側辺部に複数のTAB2を接着強度にばらつきが生じることなく実装することができる。
1つの可動部材59によって複数のTAB2を基板Wに実装するようにしている。そのため、複数のTAB2を基板Wに実装するときの温度を、1つの可動部材59に設けられたヒータ59aによって制御できるから、複数のTAB2の実装時の温度制御を容易に、しかも確実に同一温度に設定することができる。
上記保持部57にTAB2を吸着保持する吸着機構だけを設け、ヒータ59aは1つの可動部材59に設けるようにした。
TAB2はヒータ59aによって加熱されると伸びが生じるが、第4のインデックステーブル56の保持部57に吸着保持されているときには加熱されていないため、伸びが生じることがない。
そのため、TAB2を基板Wに実装する前にこれらを第4の撮像カメラ68で撮像するとき、TAB2がヒータ59aの熱影響を受けることがないから、TAB2を基板Wに精度よく実装することが可能となる。
複数の保持部57の下端面に吸着保持されたTAB2は、加圧シリンダ62によって同じストロークで駆動される可動部材59によって基板Wに加圧される。そのため、複数の保持部57の高さ寸法に多少のばらつきがあっても、各保持部57に吸着保持されたTAB2を上記可動部材59によって同じ加圧力で基板Wに実装することができるから、そのことによってもTAB2を接着強度にばらつきが生じることなく基板Wに実装することができる。
基板WにTAB2を実装する際、基板Wが載置された実装テーブル61を駆動せず、第4のインデックステーブル56を駆動手段60によって回転させながら基板Wの一側に沿う方向に移動させて、第4のインデックステーブル56に設けられた複数の保持部57を基板Wの一側部の10装置に順次位置決めするようにした。
そのため、TAB2と基板Wとの両方を駆動して位置決めする従来に比べて基板Wに対するTAB2の位置決めを迅速に行なうことができる。しかも基板Wを駆動しないため、基板Wに振れが生じ、その振れによってTAB2の実装位置に誤差が生じるということもない。つまり、TAB2の実装精度の向上を図ることもできる。
3…部品供給部、5…第1のインデックステーブル、7…第1の受け渡しヘッド、11…テープ貼着手段、12…第2のインデックステーブル(位置決め手段)、26…離型紙、27…粘着テープ、27a…切断片、53…第3のインデックステーブル(貯留手段)、56…第4のインデックステーブル(実装手段)、58…ガイド溝、59…可動部材、60…駆動手段、61…実装テーブル、62…加圧シリンダ(実装手段)、65…バックアップステージ。