JP2009026821A - 光半導体用封止剤及びトップビュー型光半導体素子 - Google Patents

光半導体用封止剤及びトップビュー型光半導体素子 Download PDF

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満 谷川
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貴志 渡邉
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Abstract

【課題】硬化させた硬化物が優れた硬度を有し、トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いた場合、その製造過程で硬化物が損傷せず、熱サイクルでクラックや剥離が発生しにくい光半導体用封止剤、及び、これを用いてなるトップビュー型光半導体素子を提供する。
【解決手段】トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いられる光半導体用封止剤であって、分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と、前記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤と、酸化ケイ素微粒子とを含有し、2mm厚の硬化物としたときに、該硬化物は、JIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20〜70であり、かつ、前記分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と前記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤との混合物を硬化させて2mm厚の硬化物としたときに、該混合物の硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20未満である光半導体用封止剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化させた硬化物が優れた硬度を有し、トップビュー型光半導体素子の発光素子を封止した際に、その製造過程で硬化物が損傷せず、熱サイクルでクラックや剥離が発生しにくい光半導体用封止剤、及び、これを用いてなるトップビュー型光半導体素子に関する。
発光ダイオード(LED)等の光半導体素子の発光素子から生じた光を取り出す方式として、反射板や導光板等を用いて発光素子から生じた光を反射させて取り出す、いわゆるサイドビュー方式が従来採用されていたが、近年、自動車用のヘッドライトや一般照明等に使用されるものには反射板や導光板等を用いずに発光素子から生じた光を直接取り出す、いわゆるトップビュー方式が注目され、トップビュー型光半導体素子についての開発がなされてきている。
ところで、光半導体素子の発光素子は、直接大気と触れると大気中の水分や浮遊するゴミ等により急速にその発光特性を低下させるため、通常、封止剤で封止された構造となっている。このような発光素子を封止する封止剤を構成する樹脂としては、接着力が高く力学的な耐久性に優れることから、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が用いられていた。
しかしながら、近年開発されているトップビュー方式の光半導体素子の発光素子を封止する封止剤には、高い透明性と非着色性とが求められるが、エポキシ系樹脂からなる従来の封止剤は、トップビュー型光半導体素子の高い輝度に耐え得る充分な耐光性を有しているとは言い難く、封止剤硬化物が着色してしまうという問題があった。
これに対して、例えば、エポキシ樹脂に化合物を添加することが検討されているが(例えば、特許文献1参照)、トップビュー型光半導体素子の高い輝度に充分耐え得る封止剤とは言い難いものであった。
一方、エポキシ樹脂に代えて、青色から紫外領域の短波長の光に対する透過性が高く、耐光性に優れるシリコーン樹脂を封止剤に用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、シリコーン樹脂からなる封止剤は、青色から紫外領域の短波長の光に対する透過性が高く、耐熱性や耐光性に優れるものの、表面タック性を有しているため、発光素子表面に異物を付着させやすく、発光面を損傷しやすいという問題があった。このような発光面に損傷が起こると、その部分からクラックが発生したり、損傷により著しい輝度の低下をまねくことになる。
これに対して、架橋密度を高めたシリコーン樹脂系封止剤は、表面のタック性はなくなり、異物の付着や発光面の損傷は防げるが、機械的強度や接着性が著しく低下し、熱サイクルを繰り返すと封止剤にクラックが入ったり、ハウジング材等から剥離が起こる等の問題があった。
特開2003−73452号公報 特開2002−314142号公報
本発明は、上記現状に鑑み、硬化させた硬化物が優れた硬度を有し、トップビュー型光半導体素子の発光素子を封止した際に、その製造過程で硬化物が損傷せず、熱サイクルでクラックや剥離が発生しにくい光半導体用封止剤、及び、これを用いてなるトップビュー型光半導体素子を提供することを目的とする。
本発明は、トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いられる光半導体用封止剤であって、分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と、前記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤と、酸化ケイ素微粒子とを含有し、2mm厚の硬化物としたときに、該硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20〜70であり、かつ、前記分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と前記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤との混合物を硬化させて2mm厚の硬化物としたときに、該混合物の硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20未満である光半導体用封止剤である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、トップビュー型光半導体素子は、発光素子を封止剤で封止した後、運搬テープやケース等に入れて運搬されるが、これらの運搬テープ等にトップビュー型光半導体素子を入れる際に、真空吸着でピックアップが行われる。また、これらの運搬テープ等に入れられたトップビュー型光半導体素子は、実装するために真空吸着でピックアップし、実装基板等にマウントされる。これら一連のピッアップや、マウントの際に真空吸着させる器具と封止剤とが接触し封止剤に傷が生じる。この封止剤に生じた傷により損傷部分からクラックが進行し、著しくトップビュー型光半導体素子の信頼性を低下させたり、封止面の損傷により著しくトップビュー型光半導体素子の輝度が低下する等の原因となっていることを見出した。これらは、反射板や導光板等を用いて光を取り出すサイドビュー型光半導体素子では真空吸着の器具はハウジング材部分と接触するため、封止剤の損傷は起こらない。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、光半導体素子を封止する封止剤として、その硬化物が所定の範囲の硬度を有するものを用いることで、現在の工程を変更することなく封止剤硬化物が損傷せずに、損傷部分からのクラックや、著しい輝度の低下を防ぐことが可能になり、また、熱サイクルで発生するクラック、剥離の問題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の光半導体用封止剤は、トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いられるものである。
上記トップビュー型光半導体素子とは、発光素子から生じた光を反射板や導光板等を用いて取り出すのではなく、直接取り出す方式の光半導体素子である。このようなトップビュー型光半導体素子は、ハウジング材のような囲いがあってもよく、ハウジング材のような囲いがなく、基板全体が封止剤で覆われていてもよい。
このような光半導体素子としては、具体的には、例えば、発光ダイオード、半導体レーザー、フォトカプラ等が挙げられる。
本発明の光半導体用封止剤は、2mm厚の硬化物としたときに、該硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度の下限が20、上限が70である。20未満であると、本発明の光半導体用封止剤を用いてトップビュー型光半導体素子製造する際のピックアップ工程等で、発光素子を封止した本発明の光半導体用封止剤の硬化物に損傷が生じてしまう。70を超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物が硬くなりすぎて耐クラック性や耐剥離性が低下し、熱サイクルでクラックや剥離が発生してしまう。好ましい下限は25、好ましい上限60である。
なお、本明細書において、「硬化物」とは、本発明の光半導体用封止剤が硬化してなる樹脂を意味する。
上記2mm厚の硬化物がこのような硬度を有する本発明の光半導体用封止剤は、分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と、上記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤とを含有する。
本発明の光半導体用封止剤において、上記分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂、及び、上記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤としては、これらを混合した混合物を硬化させて2mm厚の硬化物としたときに、該混合物の硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20未満となるものを適宜選択する。上記混合物の硬化物の硬度が20を超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物に温度サイクルでクラックが発生する。好ましくは15以下である。
なお、本発明では、分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂、及び、上記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤の混合物とは、本発明の光半導体用封止剤に後述する酸化ケイ素微粒子を除く他の成分を含む場合には、それらを含む混合物のことを意味する。
上記分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂(以下、単にシリコーン樹脂ともいう)において、上記環状エーテル含有基としては特に限定されず、例えば、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基、オキセタン基等が挙げられる。なかでも、グリシジル基及び/又はエポキシシクロヘキシル基が好適であり、特にエポキシシクロヘキシル基が好適である。
上記グリシジル基としては特に限定されず、例えば、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等が挙げられる。
上記エポキシシクロヘキシル基としては特に限定されず、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等が挙げられる。
本発明の光半導体用封止剤において、上記シリコーン樹脂は、上記環状エーテル含有基の含有量の好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が40モル%である。0.1モル%未満であると、上記シリコーン樹脂と後述する熱硬化剤との反応性が著しく低下し、本発明の光半導体用封止剤の硬化性が不充分となることがある。40モル%を超えると、上記シリコーン樹脂と熱硬化剤との反応に関与しない環状エーテル含有基が増え、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の耐熱性が低下することがあったり、硬度を上述した範囲にすることができないことがある。より好ましい下限は5モル%、より好ましい上限は30モル%である。
なお、本明細書において、上記環状エーテル含有基の含有量とは、上記シリコーン樹脂の平均組成式に含まれる上記環状エーテル含有基の量を意味する。上記平均組成式とは、上記シリコーン樹脂が種々の構造のものを含む混合物である場合に、該混合物を構成する種々の構造のシリコーン樹脂について、組成の平均をとったときに表される組成式を意味する。
このようなシリコーン樹脂としては、分子内に1個以上の環状エーテル含有基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、骨格中に下記一般式(1)で表される三官能構造単位及び/又は下記一般式(2)で表される四官能構造単位を含有することが好ましい。
Figure 2009026821
Figure 2009026821
一般式(1)中、Rは、環状エーテル含有基を表す。
なお、上記シリコーン樹脂が、骨格中に上記一般式(1)で表される構造単位以外の他の構造単位を有し、該他の構造単位中に環状エーテル含有基を有する場合、上記Rは、環状エーテル含有基又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表す。
上記直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される三官能構造単位(以下、単に三官能構造単位ともいう)は、下記一般式(1−2)又は(1−3)で表される構造、すなわち、三官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の2つがそれぞれヒドロキシル基若しくはアルコキシ基を構成する構造、又は、三官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシル基若しくはアルコキシ基を構成する構造を含む。
(RSiX1/2) (1−2)
(RSiXO2/2) (1−3)
上記一般式(1−2)及び(1−3)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
また、上記一般式(2)で表される四官能構造単位(以下、単に四官能構造単位ともいう)は、下記一般式(1−4)、(1−5)又は(1−6)で表される構造、すなわち、四官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の3つ若しくは2つがヒドロキシル基若しくはアルコキシ基を構成する構造、又は、四官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシル基若しくはアルコキシ基を構成する構造を含む。
(SiX1/2) (1−4)
(SiX2/2) (1−5)
(SiXO3/2) (1−6)
上記一般式(1−4)、(1−5)及び(1−6)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(1−2)〜(1−6)において、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
本発明の光半導体用封止剤において、上記シリコーン樹脂が骨格中に上記三官能構造単位を含有する場合、上記三官能構造単位の含有量は5モル%以上であることが好ましい。5モル%未満であると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の耐光性、耐熱性が不充分となることがある。このような三官能構造単位を有するシリコーン樹脂の好ましい平均組成式としては、例えば、下記一般式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2009026821
一般式(3)中、a、bは、a/(a+b)=0.05〜0.4、b/(a+b)=0.6〜0.95を満たし、Rは環状エーテル基であり、Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。
また、上記シリコーン樹脂が骨格中に上記四官能構造単位を含有する場合、上記四官能構造単位の含有量は5モル%以上であることが好ましい。5モル%未満であると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の耐光性、耐熱性が不充分となることがある。
また、上記シリコーン樹脂が骨格中に上述した三官能構造単位と四官能構造単位とを含有する場合、該シリコーン樹脂は、平均組成式が下記一般式(4)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2009026821
一般式(4)中、c、d、eは、(c+d)/(c+d+e)=0.3〜0.95、e/(c+d+e)=0.05〜0.7を満たし、R及び/又はRは、環状エーテル含有基であり、環状エーテルでないR又はRは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。
本発明の光半導体用封止剤において、上記シリコーン樹脂は、骨格中に下記一般式(5)で表される二官能構造単位(以下、単に二官能構造単位ともいう)を含有することが好ましい。
Figure 2009026821
上記一般式(5)中、R、Rは、環状エーテル含有基及び/又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表し、これらは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、上記環状エーテル含有基、及び、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
上記シリコーン樹脂が骨格中に上記二官能構造単位を含有する場合、上記二官能構造単位は、下記一般式(5−2)で表される構造、すなわち、二官能構造単位中のケイ素原子に結合した酸素原子の1つがヒドロキシル基又はアルコキシ基を構成する構造を含む。
(RSiXO1/2) (5−2)
上記一般式(5−2)中、Xは、OH又はORを表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
なお、上記直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、上記一般式(1−2)〜(1−6)における直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基と同様のものが挙げられる。
上記シリコーン樹脂が骨格中に上記二官能構造単位を含有する場合、該二官能構造単位の含有量の好ましい上限は95モル%である。95モル%を超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の硬度が上述した範囲を満たさないことがある。より好ましい下限は85モル%、より好ましい上限は90モル%である。
上記シリコーン樹脂が骨格中に上述した二官能構造単位を有する場合、平均組成式が下記一般式(6)、(7)、(8)、(9)、(10)又は(11)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2009026821
上記一般式(6)中、f/(f+g)=0.4〜0.95、g/(f+g)=0.05〜0.6を満たし、R、R、Rの少なくとも1つは、環状エーテル含有基であり、環状エーテル含有基でないR、R及びRは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。
Figure 2009026821
上記一般式(7)中、(h+i)/(h+i+j)=0.4〜0.95、j/(h+i+j)=0.05〜0.6を満たし、R10、R11、R12、R13、R14の少なくとも1つは、環状エーテル含有基であり、環状エーテル含有基でないR10、R11、R12、R13、R14は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。ただし、(R1011SiO2/2)と(R1213SiO2/2)とは構造が異なるものである。
Figure 2009026821
上記一般式(8)中、k/(k+l+m)=0.4〜0.95、(l+m)/(k+l+m)=0.05〜0.6を満たし、R15、R16、R17、R18の少なくとも1つは、環状エーテル含有基であり、環状エーテル含有基でないR15、R16、R17、R18は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。ただし、(R17SiO3/2)と(R18SiO3/2)とは構造が異なるものである。
Figure 2009026821
一般式(9)中、n、o、pは、n/(n+o+p)=0.4〜0.95、o/(n+o+p)=0.05〜0.6、p/(n+o+p)=0.05〜0.6を満たし、R19、R20及びR21の少なくとも1つは、環状エーテル含有基であり、環状エーテル含有基でないR19、R20及びR21は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。
Figure 2009026821
一般式(10)中、q、r、s、tは、(q+r)/(q+r+s+t)=0.4〜0.95、s/(q+r+s+t)=0.05〜0.6、t/(q+r+s+t)=0.05〜0.6を満たし、R22、R23、R24、R25及びR26の少なくとも1つは、環状エーテル含有基であり、環状エーテル含有基でないR22、R23、R24、R25及びR26は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。ただし、(R2223SiO2/2)と(R2425SiO2/2)とは構造が異なるものである。
Figure 2009026821
一般式(11)中、u、v、w、xは、u/(u+v+w+x)=0.4〜0.95、(v+w)/(u+v+w+x)=0.05〜0.6、x/(u+v+w+x)=0.05〜0.6を満たし、R27、R28、R29及びR30の少なくとも1つは、環状エーテル含有基であり、環状エーテル含有基でないR27、R28、R29及びR30は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはフッ素化物である。ただし、(R29SiO3/2)と(R30SiO3/2)とは構造が異なるものである。
本発明の光半導体用封止剤において、上記シリコーン樹脂は、更に、骨格中に下記一般式(12)で表される単官能構造単位(以下、単に単官能構造単位ともいう)を有していてもよい。
Figure 2009026821
上記一般式(12)中、R31、R32及びR33は、環状エーテル含有基及び/又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表し、これらは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、上記環状エーテル含有基、及び、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
上記シリコーン樹脂が骨格中に上記単官能構造単位を含有する場合、含有量の好ましい上限は10モル%である。10モル%を超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の硬度が上述した範囲を満たさないことがある。より好ましい下限は5モル%、より好ましい上限は8モル%である。
また、上記シリコーン樹脂は、上記三官能構造単位中に環状エーテル含有基を有することが好ましい。環状エーテル含有基が三官能構造体中に含まれると、環状エーテル含有基がシリコーン樹脂のポリシロキサン骨格の外側に出やすくなり、本発明の光半導体用封止剤の硬化物が充分な3次元的架橋構造をとって耐熱性が充分なものとなり、また、硬化物に膜減りが生じることを好適に防止できる。
上記環状エーテル含有基が三官能構造単位中に結合されたシリコーン樹脂としては、具体的には、例えば、上述した一般式(3)におけるR若しくはR、一般式(4)におけるR若しくはR、一般式(6)におけるR、一般式(7)におけるR14、一般式(8)におけるR17若しくはR18、一般式(9)におけるR21、一般式(10)におけるR26、又は、一般式(11)におけるR29若しくはR30が環状エーテル含有基である場合が好適である。
ここで、上記シリコーン樹脂について、テトラメチルシラン(以下、TMS)を基準に29Si−核磁気共鳴分析(以下、NMR)を行うと、置換基の種類によって若干の変動は見られるものの、上記単官能構造単位で表される構造単位に相当するピークは+10〜0ppm付近に現れ、上記二官能構造単位及び(5−2)で表される二官能構造単位に相当する各ピークは−10〜−30ppm付近に現れ、上記三官能構造単位、(1−2)及び(1−3)で表される構造単位に相当する各ピークは−50〜−70ppm付近に現れ、上記四官能構造単位、(1−4)、(1−5)及び(1−6)で表される構造単位に相当する各ピークは−90〜−120ppm付近に現れる。
従って、29Si−NMRを測定し、それぞれのシグナルのピーク面積を比較することによって上記シリコーン樹脂の骨格を構成する構造単位の比率を測定することが可能である。
ただし、上記TMSを基準にした29Si−NMR測定で上記シリコーン樹脂の官能構造単位の見分けがつかない場合等のときは、29Si−NMR測定結果だけではなく、1H−NMRや19F−NMR等で測定した結果を必要に応じて用いることにより構造単位の比率を見分けることができる。
本発明の光半導体用封止剤において、上記シリコーン樹脂は、環状エーテル含有基とポリシロキサン骨格とがケイ素−炭素結合を介して結合していることが好ましい。環状エーテル含有基とポリシロキサン骨格とがケイ素−炭素結合を介して結合していることにより、本発明の光半導体用封止剤は、硬化物が耐熱性、耐光性、膜減りに対して優れたものとなり好ましい。例えば、OH基を反応させる付加反応により得られる樹脂を用いた場合には、環状エーテル含有基とポリシロキサン骨格とがケイ素−酸素結合を介して結合することとなり、このようなシリコーン樹脂は、硬化物が耐熱性や耐光性が充分得られない場合があるだけでなく、膜減りが悪くなることがある。
上記シリコーン樹脂は、アルコキシ基を下限が0.5モル%、上限が10モル%の範囲で含有することが好ましい。このようなアルコキシ基を含有することによって耐熱性や耐光性が飛躍的に向上する。これはシリコーン樹脂中にアルコキシ基を含有することにより硬化速度を飛躍的に向上させることができるため、硬化時での熱劣化が防止できているためと考えられる。
また、このように硬化速度が飛躍的に向上することにより、後述する硬化促進剤の添加量が比較的少ない場合でも充分な硬化性が得られるようになる。
アルコキシ基が0.5モル%未満であると、硬化速度が充分に得られず耐熱性が悪くなることがあり、10モル%を超えると、シリコーン樹脂や本発明の光半導体用封止剤の貯蔵安定性が悪くなったり、耐熱性が悪くなったりする。より好ましい下限は1モル%であり、より好ましい上限は5モル%である。
なお、本明細書において、上記アルコキシ基の含有量は、上記シリコーン樹脂の平均組成物中に含まれる上記アルコキシ基の量を意味する。
上記シリコーン樹脂はシラノール基を含有しないほうが好ましい。シラノール基はポリマーの貯蔵安定性を著しく悪化させるほか、樹脂組成物としたときの貯蔵安定性も著しく悪くなるために好ましくない。このようなシラノール基は、真空下で加熱することで減少させることが可能であり、シラノール基の量は赤外分光法等を用いて測定可能である。
本発明の光半導体用封止剤において、上記シリコーン樹脂の数平均分子量(Mn)の好ましい下限は1000、好ましい上限は5万である。1000未満であると、熱硬化時に揮発成分が多くなり、硬化物に膜減りが多くなり好ましくない。5万を超えると、粘度調節が困難になるため好ましくない。より好ましい下限は1500、より好ましい上限は15000である。
なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレンをスタンダードとして求めた値であり、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)×2本、測定温度:40℃、流速:1mL/min、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いて測定した値を意味する。
上記シリコーン樹脂を合成する方法としては特に限定されず、例えば、(1)SiH基を有するシリコーン樹脂(a)と、環状エーテル基を有するビニル化合物のハイドロシリレーション反応により置換基を導入する方法、(2)シロキサン化合物と環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物とを縮合反応させる方法等が挙げられる。
上記方法(1)において、ハイドロシリレーション反応とは、必要に応じて触媒の存在下、SiH基とビニル基とを反応させる方法である。
上記SiH基を有するシリコーン樹脂(a)としては、分子内にSiH基を含有し、上記環状エーテル含有基を有するビニル化合物を反応させた後、好ましくは、上記一般式(3)、(4)、(6)〜(8)のいずれかで表される構造となるようなものを使用すればよい。
上記環状エーテル含有基を有するビニル化合物としては、分子内に1個以上の環状エーテル含有基を有するビニル化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルシクロヘキセンオキシド等エポキシ基含有化合物等が挙げられる。なお、上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記ハイドロシリレーション反応時に必要に応じて使用する触媒としては、例えば、周期表第8属の金属の単体、該金属固体をアルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に担持させたもの、該金属の塩、錯体等が挙げられる。上記周期表第8族の金属としては、具体的には、例えば、白金、ロジウム、ルテニウムが好適であり、特に白金が好ましい。
上記白金を用いたハイドロシリレーション化反応触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンとの錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、ジカルボニルジクロロ白金等が挙げられる。
上記ハイドロシリレーション反応時の反応条件としては特に限定されないが、反応温度は、反応の速度と収率とを考慮すると好ましい下限は10℃、好ましい上限は200℃である。より好ましい下限は30℃、より好ましい上限は150℃であり、更に好ましい下限は50℃、更に好ましい上限は120℃である。
また、上記ハイドロシリレーション反応は、無溶媒で行ってもよく、溶媒を使用して行ってもよい。
上記溶媒としては特に限定されず、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。なかでも、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒が好ましく、具体的には、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸ブチルが原料の溶解性と溶媒回収率から特に好ましい。
上記方法(2)において、シロキサン化合物としては、例えば、下記一般式(13)、(14)、(15)及び(16)のシロキサン単位を持つアルコキシシラン又はその部分加水分解物が挙げられる。
Figure 2009026821
Figure 2009026821
Figure 2009026821
Figure 2009026821
上記一般式(13)〜(16)中、R34〜R39は、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
上記一般式(13)〜(16)中、R34〜R39が直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素である場合、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソへキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。
また、上記一般式(13)〜(16)中、ORで表される直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基は、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
上記シロキサン化合物において、一般式(13)〜(16)で表されるシロキサン単位を持つアルコキシシラン又はその部分加水分解物の配合比としては、後述する環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物と縮合反応させて合成したシリコーン樹脂が、好ましくは上記一般式(6)〜(11)のいずれかで表される構造となるように適宜調整する。
上記環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物としては、例えば、下記一般式(17)、(18)で表される環状エーテル含有基を有するアルコキシシラン又はその部分加水分解物が挙げられる。
Figure 2009026821
Figure 2009026821
一般式(17)、(18)中、R40及び/又はR41、並びに、R42は、環状エーテル含有基であり、R40又はR41のいずれか一方のみが環状エーテル含有基である場合、他方は、直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素又はそのフッ素化物を表し、ORは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
一般式(17)、(18)中、R40及び/又はR41、並びに、R42で表される環状エーテル含有基としては特に限定されず、例えば、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基、オキセタン基等が挙げられる。なかでも、グリシジル基及び/又はエポキシシクロヘキシル基が好適である。
上記グリシジル基としては特に限定されず、例えば、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等が挙げられる。
上記エポキシシクロヘキシル基としては特に限定されず、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等が挙げられる。
上記一般式(17)中、R40及び/又はR41のいずれか一方が直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素又はそのフッ素化物である場合、具体的には、例えば、上述した一般式(1)、(2)において説明したものと同様のものが挙げられる。
また、上記一般式(17)、(18)中、ORで表される直鎖状又は分岐状の炭素数1〜4のアルコキシ基は、具体的には、上述した一般式(1−2)〜(1−6)において説明したものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(17)で表される環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物としては、具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジブトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジエトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(18)で表される環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物としては、具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2,3−エポキシプロピルトリメトキシシラン、2,3−エポキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記方法(2)において、上記シロキサン化合物と環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物とを縮合反応させる具体的な方法としては、例えば、上記シロキサン化合物と環状エーテル基を有する化合物とを水、及び、酸又は塩基性触媒の存在下で反応させてシリコーン樹脂を合成する方法が挙げられる。
また、上記シロキサン化合物を水、及び、酸又は塩基性触媒の存在下で予め反応させておき、その後に環状エーテル基を有するシロキサン化合物を反応させてもよい。
上記方法(2)において、上記シロキサン化合物と環状エーテル含有基を有する化合物とを水、及び、酸又は塩基性触媒の存在下で反応させる際に、上記環状エーテル含有基を有する化合物は、上記環状エーテル含有基が、上記シロキサン化合物及び環状エーテル含有基を有する化合物のケイ素原子に結合する全有機基に対して、下限が0.1モル%、上限が50モル%となるように配合する。
上記水の配合量としては、上記環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物中のケイ素原子に結合したアルコキシ基を加水分解できる量であれば特に限定されず、適宜調整される。
上記酸性触媒は、上記シロキサン化合物と環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物とを反応させるための触媒であり、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、オレイン酸等の有機酸;これらの酸無水物又は誘導体等が挙げられる。
上記塩基性触媒は、上記シロキサン化合物と環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物とを反応させるための触媒であり、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物;ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、セシウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;ナトリウムシラノレート化合物、カリウムシラノレート化合物、セシウムシラノレート化合物等のアルカリ金属のシラノール化合物等が挙げられる。なかでも、カリウム系触媒及びセシウム系触媒が好適である。
上記酸又は塩基性触媒の添加量としては特に限定されないが、上記シロキサン化合物及び環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物との合計量に対して、好ましい下限は10ppm、好ましい上限は1万ppmであり、より好ましい下限は100ppm、より好ましい上限は5000ppmである。
なお、上記酸又は塩基性触媒は、固形分をそのまま添加してもよく、少量の水や上記シロキサン化合物等に溶解してから添加してもよい。
上記シロキサン化合物と環状エーテル含有基を有するシロキサン化合物とを縮合反応においては、合成するシリコーン樹脂が反応系から析出することを防止できるとともに、上記水及び上記縮合反応による遊離水を共沸により除去できることから、有機溶剤を用いることが好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族系有機溶剤等が挙げられる。なかでも、芳香族系有機溶剤が好適に用いられる。
上記縮合反応時の反応温度としては特に限定されないが、好ましい下限は40℃、好ましい上限は200℃であり、より好ましい下限は50℃、より好ましい上限は150℃である。また、上記有機溶剤を用いる場合、該有機溶剤として沸点が40〜200℃の範囲内にあるものを用いることで、還流温度で容易に上記縮合反応を行うことができる。
アルコキシ基の量を調節する観点から上記方法(2)でシリコーン樹脂を合成することが好ましい。
上記アルコキシ基を適切な範囲にするには上記方法(2)は、反応の温度、反応の時間、触媒量や水の量を調節することによって上記アルコキシ基を適切な範囲にすることが可能である。
本発明の光半導体用封止剤は、分子内にグリシジル含有基を1個以上有する二官能シリコーン樹脂を含有することが好ましい。
このような二官能シリコーン樹脂を含有することにより、本発明の光半導体用封止剤は、硬化物の耐クラック性が著しく向上する。これは、上記硬化物において、分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂の環状エーテル含有基の反応により発生する架橋点の隙間に、上記シリコーン樹脂と比較すると骨格が柔軟な上記二官能シリコーン樹脂が入り込むからであると推察される。
本明細書において、グリシジル含有基とは、グリシジル基を少なくとも基の一部に含んでいればよく、例えば、アルキル基、アルキルエーテル基等の他の骨格とグリシジル基とを含有していてもよい基を意味する。
上記グリシジル含有基としては特に限定されず、例えば、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等が挙げられる。
上記二官能シリコーン樹脂としては、例えば、上記一般式(5)で表される構造単位を有する樹脂を用いることができ、具体的には、平均組成式が下記一般式(19)又は(20)で表される樹脂成分を含有することが好ましい。上記二官能シリコーン樹脂が下記一般式(19)又は(20)で表される樹脂成分を含有することで、本発明の光半導体用封止剤は、硬化物が適度な柔軟性を有することとなり、耐クラック性が極めて優れたものとなる。
Figure 2009026821
一般式(19)中、R45及び/又はR46は、グリシジル含有基であり、R43、R44は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表し、これらは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、R45又はR46のいずれか一方のみがグリシジル含有基である場合、他方は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表す。また、y/(y+z)の好ましい下限は0.6、好ましい上限は0.95、より好ましい下限は0.7、より好ましい上限は0.9であり、z/(y+z)の好ましい下限は0.05、好ましい上限は0.4、より好ましい下限は0.1、より好ましい上限は0.3である。
Figure 2009026821
一般式(20)中、R51及び/又はR52は、グリシジル含有基であり、R47、R48、R49、R50は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表し、これらは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、R51又はR52のいずれか一方のみがグリシジル含有基である場合、他方は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表す。また、A+B/(A+B+C)の好ましい下限は0.6、好ましい上限は0.95、より好ましい下限は0.7、より好ましい上限は0.9であり、C/(A+B+C)の好ましい下限は0.05、好ましい上限は0.4、より好ましい下限は0.1、より好ましい上限は0.3である。
上記二官能シリコーン樹脂の数平均分子量(Mn)の好ましい下限は1500、好ましい上限は5万である。1500未満であると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の耐クラック性が不充分となることがあり、5万を超えると、本発明の光半導体用封止剤の粘度調節が困難になることがある。より好ましい下限は2000、より好ましい上限は2万である。
このような二官能シリコーン樹脂の合成方法としては特に限定されず、例えば、上述したシリコーン樹脂を合成する方法と同様の方法が挙げられる。すなわち、SiH基を有するシリコーン樹脂(b)と、グリシジル含有基を有するビニル化合物とのハイドロシリレーション反応により置換基を導入する方法(方法(3))、アルコキシシラン化合物とグリシジル含有基を有するアルコキシシラン化合物とを縮合反応させる方法(方法(4))等が挙げられる。
上記方法(3)で二官能シリコーン樹脂を合成する場合、上記SiH基を有するシリコーン樹脂(b)としては、例えば、分子内にSiH基を含有し、上記グリシジル含有基を有するビニル化合物と反応させた後、上述した一般式(19)又は(20)で表される構造となるようなものが挙げられる。
上記グリシジル含有基を有するビニル化合物としては、分子内に1個以上のグリシジル含有基を有するビニル化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、ブタジエンモノオキサイド等が挙げられる。
また、上記ハイドロシリレーション反応時には、上述したシリコーン樹脂を合成する場合と同様に、必要に応じて触媒を使用してもよく、また、無溶媒で行ってもよく、溶媒を使用して行ってもよい。
上記方法(4)で上記二官能シリコーン樹脂を合成する場合、上記アルコキシシラン化合物としては特に限定されず、例えば、上述した一般式(14)のジアルコキシシラン化合物と同様のものが挙げられる。
また、上記グリシジル含有基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、上述した一般式(17)のジアルコキシシラン化合物と同様のものが挙げられる。
上記グリシジル含有基を有するジアルコキシシランとしては具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジブトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
上記アルコキシシラン化合物とグリシジル含有基を有するアルコキシシラン化合物とを縮合反応させる具体的な方法としては、例えば、上述したシリコーン樹脂を合成する場合のアルコキシシラン化合物と環状エーテル含有基を有するアルコキシシラン化合物とを反応させる場合と同様の方法が挙げられる。
本発明の光半導体用封止剤において、上述したシリコーン樹脂に対する上記二官能シリコーン樹脂の配合量としては特に限定されないが、上記シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は120重量部である。10重量部未満であると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の耐クラック性が充分に発揮されないことがあり、120重量部を超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の耐熱性に劣り、該硬化物が熱環境下で黄変しやすくなる場合がある。より好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は100重量部である。
本発明の光半導体用封止剤は、上記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤(以下、単に熱硬化剤ともいう)を含有する。
上記熱硬化剤としては、上記シリコーン樹脂の環状エーテル含有基と反応可能なものであれば特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、ダイマー酸変性エチレンジアミン、N−エチルアミノピペラジン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェノルスルホン、4,4’−ジアミノジフェノルメタン、4,4’−ジアミノジフェノルエーテル等の芳香族アミン類、メルカプトプロピオン酸エステル、エポキシ樹脂の末端メルカプト化合物等のメルカプタン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のフェノール樹脂類;これらフェノール樹脂類の芳香環を水素化したポリオール類、ポリアゼライン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2無水物等の脂環式酸無水物類、3−メチルグルタル酸無水物等の分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を有する3−アルキルグルタル酸無水物、2−エチル−3−プロピルグルタル酸無水物等の分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を有する2,3−ジアルキルグルタル酸無水物、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、2,4−ジメチルグルタル酸無水物等の分岐していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を有する2,4−ジアルキルグルタル酸無水物等のアルキル置換グルタル酸無水物類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類及びその塩類、上記脂肪族アミン類、芳香族アミン類、及び/又はイミダゾール類とエポキシ樹脂との反応により得られるアミンアダクト類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン類、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、ジシアンジアミド等が挙げられる。これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なかでも、脂環式酸無水物類、アルキル置換グルタル酸無水物類、芳香族酸無水物類等の酸無水物が好ましく、より好ましくは、脂環式酸無水物類、アルキル置換グルタル酸無水物類であり、特に好ましくは、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2無水物、2,4−ジエチルグルタル酸無水物である。
上記熱硬化剤が酸無水物であると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の屈折率を制御しやすくなる。
上記熱硬化剤の配合量としては特に限定されないが、上記シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は200重量部である。この範囲であると、本発明の光半導体用封止剤は、充分に架橋反応が進行し、耐熱性及び耐光性に優れるとともに、透湿度が充分に低いものとなる。より好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は120重量部である。
本発明の光半導体用封止剤は、酸化ケイ素微粒子を含有する。
上記酸化ケイ素微粒子を含有することで、本発明の光半導体用封止剤は、その硬化物の硬度を上述した範囲とすることができるとともに、本発明の光半導体用封止剤の粘度やチキソ性を調節することができる。
上記酸化ケイ素微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい上限は100nmである。100nmを超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の透明性が低下することがある。
また、上記酸化ケイ素微粒子は、性能上、BET比表面積の好ましい下限が30m/g、好ましい上限が500m/gである。30m/g未満であると、増粘効果及びチキソ性の改善効果が不充分であり、500m/gを超えると、酸化ケイ素微粒子の凝集が強くなり分散し難くなり好ましくない。
このような酸化ケイ素微粒子としては、例えば、Aerosil 50(比表面積:50m/g)、Aerosil 90(比表面積:90m/g)、Aerosil 130(比表面積:130m/g)、Aerosil 200(比表面積:200m/g)、Aerosil 300(比表面積:300m/g)、Aerosil 380(比表面積:380m/g)、Aerosil OX50(比表面積:50m/g)、Aerosil TT600(比表面積:200m/g)、Aerosil R972(比表面積:110m/g)、Aerosil R974(比表面積:170m/g)、Aerosil R202(比表面積:100m/g)、Aerosil R812(比表面積:260m/g)、Aerosil R812S(比表面積:220m/g)、Aerosil R805(比表面積:150m/g)、RY200(比表面積:100m/g)、RX200(比表面積:140m/g)(いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記酸化ケイ素微粒子の含有量としては、上述したシリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の硬度を上述した範囲にすることができないことがあり、50重量部を超えると、粘度の調整が困難になったり、透過率が低下したりする。より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は40重量部である。
本発明の光半導体用封止剤は、更に、分散剤を含有することが好ましい。分散剤を使用することによって上記酸化ケイ素微粒子の分散性が向上し、より透明性の高い光半導体用封止剤が得られる。
上記分散剤としては、例えば、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
上記分散剤の含有量としては、上述したシリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は5重量部である。0.01重量部未満であると、上記分散剤を配合する効果を殆ど得ることができず、5重量部を超えると、本発明の光半導体用封止剤の硬化物の硬度が上述した範囲を外れる場合がある。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の光半導体用封止剤は、硬化促進剤を含有することが好ましい。
上記硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類及びその塩類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;トリフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩類;アミノトリアゾール類、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の錫系、オクチル酸亜鉛等の亜鉛系、アルミニウム、クロム、コバルト、ジルコニウム等のアセチルアセトナート等の金属触媒類等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量としては特に限定されないが、上記シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限5重量部である。0.01重量部未満であると、上記硬化促進剤を添加する効果が得られず、5重量部を超えると、硬化物の着色や耐熱性、耐光性の低下が著しくなるため好ましくない。より好ましい下限は0.05重量部であり、より好ましい上限は1.5重量部である。
本発明の光半導体用封止剤は、更に、酸化防止剤を含有することが好ましい。
上記酸化防止剤としては、例えば、ホスファイト骨格、ホスホナイト骨格、ホスフェート骨格及びホスフィネート骨格からなる群より選択される少なくとも1種の骨格を有するリン系化合物(以下、単にリン系化合物ともいう)、及び、少なくとも第2位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体であるフェノール系化合物(以下、単にフェノール系化合物ともいう)が好適に用いられる。
酸化防止剤として、上記リン系化合物及びフェノール系化合物を含有することで、本発明の光半導体用封止剤は、使用環境下において硬化物に黄変が生じることがなく耐熱性に優れたものとなる。これは、以下に挙げる理由によると考えられる。
すなわち、従来のエポキシシリコーン樹脂を含有する熱硬化性組成物の硬化物に生じる黄変は、高温環境時(使用条件下)に生じたラジカルや過酸化物等から生成する黄変原因物質であると考えられており、一方、フェノール系化合物は、高温環境時(使用条件下)に生じたラジカルを安定化させる機能を有し、上記リン系化合物は、上記過酸化物を分解する機能を有する。本発明の光半導体用封止剤が、酸化防止剤として、上記リン系化合物及びフェノール系化合物を併用することで、上記フェノール化合物及びリン系化合物のそれぞれ有する機能の相乗効果が生まれ、上記黄変原因物質を効率的に安定化又は分解することができるものと考えられる。
より詳細には、本発明の光半導体用封止剤において、上記リン系化合物は、後述するようにリン原子に隣接する酸素原子を有するものであるため、該酸素原子と上記フェノール系化合物の水酸基とが水素結合を形成することで、上記フェノール系化合物とリン系化合物との相互作用が大きくなる。その結果、上記黄変原因物質を安定化及び分解する機能が高められ、耐熱性が従来のエポキシシリコーンを含有する熱硬化性組成物と比較して極めて優れたものとなると考えられる。
更に、上記リン系化合物が後述する芳香族環を有する構造であると、フェノール系化合物の芳香族環との間で相互作用が生じ、上記黄変原因物質を安定化及び分解する機能がより一層高められると考えられる。
上記リン系化合物は、ホスファイト骨格、ホスホナイト骨格、ホスフェート骨格及びホスフィネート骨格からなる群より選択される少なくとも1種の骨格を有するものである。これらの骨格を有することで、上記リン系化合物は、リン原子に隣接する酸素原子を有するものとなり、本発明の光半導体用封止剤中に発生する黄変原因物質を効率よく分解することができる。なかでも、ホスファイト骨格及び/又はホスホナイト骨格を有するリン系化合物が好ましい。
上記ホスファイト骨格を有するリン系化合物としては特に限定されず、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−イソプロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
上記ホスホナイト骨格を有するリン系化合物としては特に限定されず、例えば、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
上記ホスフェート骨格を有するリン系化合物としては特に限定されず、例えば、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられる。
上記ホスフィネート骨格を有するリン系化合物としては特に限定されず、例えば、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントロリン−10−オキシド等が挙げられる。
上記リン系化合物は、分子内に1以上の芳香族環を有する化合物であることが好ましい。このような分子内に1以上の芳香族環を有するリン系酸化防止剤は、分子内の芳香族環と後述するフェノール系化合物の芳香族環との間で相互作用が生じ、上述したリン系化合物とフェノール系化合物との相互作用がより大きくなる。その結果、上述した黄変原因物質の安定化又は分解させる機能がより高めることができ、本発明の光半導体用封止剤の耐熱性をより高めることができる。
なお、本発明の光半導体用封止剤において、上述したリン系化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記リン系化合物の配合量としては特に限定されないが、上記シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は2.0重量部である。0.01重量部未満であると、上記リン系化合物を添加する効果が得られないことがあり、2.0重量部を超えると、耐光性の低下が著しくなるため好ましくない。より好ましい下限は0.05重量部であり、より好ましい上限は1.0重量部である。
上記フェノール系化合物は、少なくとも第2位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体である。上記フェノール系化合物が、第2位にアルキル基を有さないものであると、高温環境時に生じたラジカルを安定化させる機能が見られなくなってしまうものとなる。
なお、本明細書において上記置換フェノール誘導体におけるアルキル基等の置換基の位置番号は、OH基に結合した炭素を第1位として時計回り、又は、反時計回りに第2、第3、第4、第5、第6と番号を振った場合の番号を意味する。従って、IUPACの命名法とは必ずしも一致しない。
上記置換フェノール誘導体におけるアルキル基は、分岐点を有していてもよく、炭素数1〜8であるアルキル基であることが好ましい。
上記アルキル基としては具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基等が挙げられる。なかでも、メチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基のいずれかであることが好ましい。
上記少なくとも第2位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体としては特に限定されないが、例えば、第2位及び第6位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体、第2位にアルキル基を有し、第6位にメチレン基又はメチン基を有する置換フェノール誘導体、及び、第2位及び第5位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
上記第2位及び第6位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体としては特に限定はされず、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス−〔2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
上記第2位にアルキル基を有し、第6位にメチレン基又はメチン基を有する置換フェノール誘導体としては特に限定されず、例えば、2,2’−ブチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノールアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
上記第2位及び第5位にアルキル基を有する置換フェノール誘導体としては特に限定されず、例えば、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等が挙げられる。
また、上記フェノール系化合物は、第6位にアルキル基を有さない置換フェノール誘導体であることが好ましい。このような置換フェノール誘導体を含有することで、本発明の光半導体用封止剤の耐熱性がより一層向上する。これは、上記第6位にアルキル基を有さない置換フェノール誘導体は、OH基に対して一方のオルト位のみにアルキル基を有する構造であり、OH基周辺の立体障害を取り除くことができるため、上記リン系化合物のリン原子に隣接する酸素原子と、フェノール系化合物のOH基との水素結合が形成されやすくなると考えられる。その結果、上記リン系化合物とフェノール系化合物との相互作用が大きくなり、上述の黄変原因物質を安定化、又は、分解させる機能が高まるからであると考えられる。
上記第6位にアルキル基を有さない置換フェノール誘導体としては特に限定はされず、例えば、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル等が挙げられる。
上記フェノール系化合物は、第4位に4級炭素含有基を有することが好ましい。このようなフェノール系化合物を含有することで、本発明の光半導体用封止剤の耐熱性がより一層向上する。これは、第4位に4級炭素を有さないフェノール系化合物は、過酷な条件での使用中に分子内反応や分子間反応でキノン骨格を有する黄変原因物質を生成し、黄変が生じる可能性があるのに対し、上記第4位に4級炭素含有基を有するフェノール系化合物は、上記黄変原因物質の生成を防ぐことができるためと考えられる。
上記第4位に4級炭素含有基を有するフェノール系化合物としては特に限定されず、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル等が挙げられる。
上述したフェノール系化合物のなかでも、特に、ビス−[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)−ブタノイックアシッド]−グリコールエステル、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレートを用いることが好ましい。
上記フェノール系化合物は、市販品を用いることもできる。市販されているフェノール系化合物としては特に限定されず、例えば、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 245、IRGANOX 259、IRGANOX 295(以上、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−90、アデカスタブ AO−330(以上、いずれもADEKA社製)、Sumilizer GA−80、Sumilizer MDP−S、Sumilizer BBM−S、Sumilizer GM、Sumilizer GS(F)、Sumilizer GP(以上、いずれも住友化学工業社製)、HOSTANOX O10、HOSTANOX O16、HOSTANOX O14、HOSTANOX O3、(以上、いずれもクラリアント社製)、アンテージ BHT、アンテージ W−300、アンテージ W−400、アンテージ W500(以上、いずれも川口化学工業社製)、SEENOX 224M、SEENOX 326M(以上、いずれもシプロ化成社製)等が挙げられる。
上記フェノール系化合物の配合量としては特に限定されないが、上記シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は2.0重量部である。0.01重量部未満であると、上記フェノール系化合物を添加する効果が得られないことがあり、2.0重量部を超えると、耐光性の低下が著しくなるため好ましくない。より好ましい下限は0.05重量部であり、より好ましい上限は1.0重量部である。
本発明の光半導体用封止剤が上記リン系化合物とフェノール系化合物とを含有する場合、上記リン系化合物とフェノール系化合物との配合比としては特に限定されないが、「リン系化合物/フェノール系化合物」(重量比)の好ましい下限が0.1、好ましい上限が20である。0.1未満であると、リン系化合物を添加する効果が得られないことがあり、20を超えると、フェノール系化合物を添加する効果が得られないことがある。より好ましい下限は0.5であり、より好ましい上限は10である。
本発明の光半導体用封止剤は、接着性付与のためにカップリング剤を含有してもよい。
上記カップリング剤としては特に限定されず、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。これらカップリング剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記カップリング剤の配合割合としては、上記シリコーン樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。0.1重量部未満であると、カップリング剤の配合効果が充分発揮されないことがあり、5重量部を超えると、余剰のカップリング剤が揮発し、本発明の光半導体用封止剤を硬化させたときに、膜減り等を起こすことがある。
また、本発明の光半導体用封止剤は、粘度を調節するための高分子量シリコーン樹脂や、消泡剤、着色剤、蛍光体、変性剤、レベリング剤、光拡散剤、熱伝導性フィラー、難燃剤等の添加剤が配合されていてもよい。
本発明の光半導体用封止剤の粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は500mPa・s、好ましい上限が5万mPa・sである。500mPa・s未満であると、光半導体素子の封止剤として用いたときに、液ダレが起こり光半導体素子を封止できないことがあり、5万mPa・sを超えると、均一かつ正確に光半導体素子を封止できないことがある。より好ましい下限は1000mPa・s、より好ましい上限が1万mPa・sである。
なお、本明細書において、上記粘度は、E型粘度計(東機産業社製、TV−22型)を用いて25℃、5rpmの条件で測定した値である。
また、本発明の光半導体用封止剤は、耐光性試験後の光線透過率の低下率が10%未満であることが好ましい。10%以上であると、本発明の光半導体用封止剤を用いてなる光半導体素子の光学特性が不充分となる。なお、上記耐光性試験とは、本発明の光半導体用封止剤を硬化させた厚さ2mmの硬化物に、高圧水銀ランプに波長340nm以下の光をカットするフィルターを装着し、100mW/cmで24時間照射する試験であり、上記耐光試験後の光線透過率は、上記耐光性試験後の上記硬化物を用いて、波長400nmの光の透過率を日立製作所社製「U−4000」を用いて測定した値である。
また、本発明の光半導体用封止剤は、耐熱性試験後の光線透過率の低下率が10%未満であることが好ましい。10%以上であると、本発明の光半導体用封止剤を用いてなる光半導体素子の光学特性が不充分となる。なお、上記耐熱性試験とは、本発明の光半導体用封止剤を硬化させた厚さ2mmの硬化物を150℃のオーブンに500時間放置する試験であり、上記耐熱性試験後の光線透過率は、上記耐熱性試験後の上記硬化物を用いて、波長400nmの光の透過率を日立製作所社製「U−4000」を用いて測定した値である。
本発明の光半導体用封止剤は、2mm厚の硬化物が、JIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度の下限が20、上限が70であるため、本発明の光半導体用封止剤を用いてトップビュー型光半導体素子の発光素子を封止することで、その後のピックアップ工程等で該硬化物が傷付くことがない。
本発明の光半導体用封止剤の製造方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール、ビーズミル等の混合機を用いて、常温又は加温下で、上述したシリコーン樹脂、熱硬化剤、酸化ケイ素微粒子、及び、必要に応じて上記硬化促進剤、酸化防止剤等の各所定量を混合する方法等が挙げられる。
本発明の光半導体用封止剤を用いてトップビュー型光半導体素子の発光素子を封止することで、トップビュー型光半導体素子を製造することができる。本発明の光半導体用封止剤を用いてなるトップビュー型光半導体素子もまた、本発明の1つである。
上記発光素子としては特に限定されず、例えば、上記光半導体素子が発光ダイオードである場合、例えば、基板上に半導体材料を積層して形成したものが挙げられる。この場合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。
上記基板としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。また、必要に応じ基板と半導体材料の間にバッファー層が形成されていてもよい。上記バッファー層としては、例えば、GaN、AlN等が挙げられる。
上記基板上へ半導体材料を積層する方法としては特に限定されず、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法等が挙げられる。
上記発光素子の構造としては、例えば、MIS接合、PN接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合、ダブルヘテロ構造等が挙げられる。また、単一又は多重量子井戸構造とすることもできる。
本発明の光半導体用封止剤で発光素子を封止する方法としては特に限定されず、例えば、モールド型枠中に本発明の光半導体用封止剤を予め注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後、硬化させる方法、発光素子を挿入した型枠中に本発明の光半導体用封止剤を注入し硬化する方法等が挙げられる。
本発明の光半導体用封止剤を注入する方法としては、例えば、ディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等が挙げられる。更に、その他の封止方法としては、本発明の光半導体用封止剤を発光素子上へ滴下、孔版印刷、スクリーン印刷、又は、マスクを介して塗布し硬化させる方法、底部に発光素子を配置したカップ等に本発明の光半導体用封止剤をディスペンサー等により注入し、硬化させる方法等が挙げられる。
本発明のトップビュー型光半導体素子は、具体的には、例えば、発光ダイオード、半導体レーザー、フォトカプラ等が挙げられる。このような本発明の光半導体素子は、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライト、照明、各種センサー、プリンター、コピー機等の光源、車両用計測器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト、スイッチング素子等に好適に用いることができる。
本発明によれば、硬化させた硬化物が優れた硬度及び密着性を有し、トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いた場合、その製造過程で硬化物が損傷せず、熱サイクルでクラックや剥離が発生しにくい光半導体用封止剤、及び、これを用いてなるトップビュー型光半導体素子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(合成例1)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(440g)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(160g)を入れ50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.2g)/水(170g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(1.3g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーAを得た。ポリマーAの分子量はMn=2000、Mw=3800であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.83(EpSiO3/20.17
であり、3−グリシドキシプロピル基含有量は22モル%、エポキシ当量は550g/eq.であった。
なお、分子量は、ポリマーA(10mg)にテトラヒドロフラン(1mL)を入れ溶解するまで攪拌し、Waters社製の測定装置(カラム:昭和電工社製 Shodex GPC LF−804(長さ300mm)×2本、測定温度:40℃、流速:1mL/min、溶媒:テトラヒドロフラン、標準物質:ポリスチレン)を用いてGPC測定により測定した。また、エポキシ当量は、JIS K−7236に準拠して求めた。
(合成例2)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(440g)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(160g)を入れ50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.2g)/水(170g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(1.3g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーBを得た。ポリマーBの分子量はMn=2300、Mw=4800であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.84(EpSiO3/20.16
であり、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基含有量は22モル%、エポキシ当量は550g/eq.であった。
なお、ポリマーBの分子量及びエポキシ当量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例3)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(400g)、トリメトキシメチルシラン(100g)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(100g)を入れ50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.3g)/水(180g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(1.4g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーCを得た。ポリマーCの分子量はMn=3200、Mw=5400であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.71(MeSiO3/20.18(EpSiO3/20.11
であり、3−グリシドキシプロピル基含有量は15モル%、エポキシ当量は780g/eq.であった。
なお、ポリマーCの分子量及びエポキシ当量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例4)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(350g)、トリメトキシメチルシラン(125g)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(125g)を入れ50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.2g)/水(190g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(1.3g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーDを得た。ポリマーDの分子量はMn=2900、Mw=4600であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.65(MeSiO3/20.22(EpSiO3/20.13
であり、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基含有量は19モル%、エポキシ当量は660g/eq.であった。
なお、ポリマーDの分子量及びエポキシ当量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例5)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(400g)、トリメトキシメチルシラン(50g)、テトラメトキシシラン(50g)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(100g)を入れ50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.3g)/水(180g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(1.4g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーEを得た。ポリマーEの分子量はMn=2600、Mw=3600であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.73(MeSiO3/20.09(EpSiO3/20.10(SiO4/20.08
であり、3−グリシドキシプロピル基含有量は14モル%、エポキシ当量は760g/eq.であった。
なお、ポリマーEの分子量及びエポキシ当量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例6)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(750g)、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン(150g)を入れ、50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.9g)/水(250g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(2.1g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーFを得た。ポリマーFの分子量はMn=11000、Mw=25000であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.90(EpMeSiO2/2 0.10
であり、3−グリシドキシプロピル基含有量は14モル%、エポキシ等量は760g/eq.であった。アルコキシ基含有量は0.2モル%であった。
なお、ポリマーFの分子量及びエポキシ当量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例7)
2000mLの温度計、滴下装置付セパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン(125g)、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン(375g)、トリメトキメチルシシラン(100g)を入れ50℃で攪拌した。その中に水酸化カリウム(1.0g)/水(138g)をゆっくりと滴下し、滴下し終わってから50℃で6時間攪拌した。その中に、酢酸(1.1g)を入れ、減圧下で揮発成分を除去し、酢酸カリウムをろ過してポリマーを得た。得られたポリマーをヘキサン/水を用いて洗浄を行い減圧下で揮発成分を除去し、ポリマーGを得た。ポリマーGの分子量はMn=2700、Mw=8200であり、29Si−NMRより
(MeSiO2/20.30(EpSiO2/20.48(MeSiO3/20.22
であり、3−グリシドキシプロピル基含有量は46モル%、エポキシ等量は220/eq.であった。アルコキシ基含有量は2モル%であった。
なお、ポリマーGの分子量及びエポキシ当量、アルコキシ含有量は、合成例1と同様にして求めた。
(実施例1)
ポリマーA(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(実施例2)
ポリマーB(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(実施例3)
ポリマーB(100g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(実施例4)
ポリマーC(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(実施例5)
ポリマーD(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(実施例6)
ポリマーE(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(比較例1)
ポリマーA(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(比較例2)
ポリマーB(70g)、ポリマーF(30g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、15g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(比較例3)
ポリマーG(100g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、100g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.2g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(比較例4)
ポリマーG(60g)、ポリマーF(40g)、リカシッドMH−700G(酸無水物、新日本理化社製、60g)、U−CAT SA 102(硬化促進剤、サンアプロ社製、0.5g)、サンドスタブ P−EPQ(酸化防止剤、クラリアント社製、0.1g)、AEROSIL R8200(酸化ケイ素微粒子[トリメチルシリル処理、比表面積:160m/g]、日本アエロジル社製、20g)を入れ混合・脱泡を行い、光半導体素子用封止剤を得た。この封止剤を型に充填し、100℃×3時間、130℃×3時間で硬化し、厚さ2mmの硬化物を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた光半導体素子用封止剤、及び、その硬化物について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)初期光線透過率
厚さ2mmの硬化物を用いて400nmの光線透過率を日立製作所社製U−4000を用いて測定を行った。
(2)硬度
厚さ2mmの硬化物を用いて、JIS K7215に準拠したタイプDにて硬度を測定した。
また、実施例及び比較例の組成物から酸化ケイ素微粒子を除いて組成物を作成し、厚さ2mmの硬化物を作製し、これを用いて同様に硬度を測定した。
(トップビュー型光半導体素子の作製)
リード電極付きハウジング材(PPA)に、ダイボンド材によって主発光ピークが460nmの発光素子が実装されており、発光素子とリード電極とを金ワイヤーで電気的に接続されているトップビュー型光半導体素子に、実施例及び比較例で作製した封止剤を注入し、100℃×3時間+130℃×3時間で硬化させトップビュー型光半導体素子を得た。
(3)プローブ接触試験
上記で作製したトップビュー型光半導体素子を、23℃の温度に24時間放置した。そのトップビュー型光半導体素子の封止剤表面に、23℃下で直径1.5mmの円柱状のプローブを接触させ、3秒間200gの荷重をかけた。その後、プローブを取り除き、顕微鏡を用いて封止剤の表面の損傷の確認を行った。表面の損傷がないものを○、表面の損傷があるものを×として評価した。
(4)冷熱サイクル試験
上記で作製したトップビュー型光半導体素子(20個)を−50℃で30分間、125℃で30分間の冷熱サイクルを1000サイクル行い、顕微鏡を用いてクラック、ハウジング材からの剥離の個数を確認した。
また、上記プローブ接触試験を行ったトップビュー型光半導体素子(20個)も同様に−50℃で30分間、125℃で30分間の冷熱サイクルを1000サイクル行い、顕微鏡を用いてクラック、ハウジング材からの剥離の個数を確認した。
Figure 2009026821
本発明によれば、硬化させた硬化物が優れた硬度を有し、トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いた場合、その製造過程で硬化物が損傷せず、熱サイクルでクラックや剥離が発生しにくい光半導体用封止剤、及び、これを用いてなるトップビュー型光半導体素子を提供することができる。

Claims (8)

  1. トップビュー型光半導体素子の発光素子の封止に用いられる光半導体用封止剤であって、分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と、前記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤と、酸化ケイ素微粒子とを含有し、
    2mm厚の硬化物としたときに、該硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20〜70であり、かつ、
    前記分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂と前記環状エーテル含有基と反応する熱硬化剤との混合物を硬化させて2mm厚の硬化物としたときに、該混合物の硬化物のJIS K7215に準拠したタイプDで測定した硬度が20未満である
    ことを特徴とする光半導体用封止剤。
  2. 分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂は、前記環状エーテル含有基がエポキシシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項1記載の光半導体用封止剤。
  3. 分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂は、前記環状エーテル含有基の含有量が0.1〜50モル%であることを特徴とする請求項1又は2記載の光半導体用封止剤。
  4. 分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂は、骨格中に下記一般式(1)で表される三官能構造単位及び/又は一般式(2)で表される四官能構造単位を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の光半導体用封止剤。
    Figure 2009026821
    Figure 2009026821
    一般式(1)中、Rは、環状エーテル含有基を表す。
  5. 分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂は、骨格中の三官能構造単位及び/又は四官能構造単位の含有量が5モル%以上であることを特徴とする請求項4記載の光半導体用封止剤。
  6. 分子内に環状エーテル含有基を有するシリコーン樹脂は、骨格中に下記一般式(5)で表される二官能構造単位を、40〜95モル%含有することを特徴とする請求項4又は5記載の光半導体用封止剤。
    Figure 2009026821
    一般式(5)中、R、Rは、環状エーテル含有基、又は、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素或いはそのフッ素化物を表し、これらは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
  7. 更に、分散剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の光半導体用封止剤。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光半導体用封止剤を用いてなることを特徴とするトップビュー型光半導体素子。
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