従来、カラー画像を形成するための画像形成装置としては、いわゆるタンデム方式のものが知られている(特許文献1)。
この画像形成装置は、複数の画像形成部、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像を形成する4つの画像形成部が設けられている。各画像形成部は、例えば、トナーを担持する現像ローラと、この現像ローラと対向して配設され、静電潜像が形成されるドラムと、このドラムに対向して配設され、ドラム上に静電潜像を形成するための帯電器及び露光装置等を有する。
このようなタンデム方式の画像形成装置では、各色毎にドラムを備えているので、各色毎に現像された画像が、その色毎に順次、転写ベルトに転写される。これにより、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度でカラー画像が形成されるため、カラー画像を形成するための画像形成装置の方式として幅広く用いられている。
タンデム方式の画像形成装置では、カラー画像を形成する場合には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色にそれぞれ対応して設けられている4つのドラムをすべて駆動させる。そして、その色毎の可視像を順次転写ベルトに転写させることによりカラー画像を形成するようにしている。さらに、カラー画像を形成する場合には、各色に対応したドラムの駆動のみならず、各色の現像装置やトナー補給手段やトナー収納部の攪拌手段も、それぞれ駆動され、消費されるトナーに見合った量のトナーが補給用トナー収納部から現像装置に供給されている。
このように、タンデム方式のカラー画像形成装置では、モノクロ画像を形成する場合の装置(白黒機)に対して、多くの被駆動要素が存在し、そして、それに応じて、駆動源やその切替え手段を必要としている。
しかし、これらの要求に応じて、それぞれに対して、駆動源であるモータや駆動切替え手段である各種クラッチ・ソレノイド機構を設けると、コストの上昇を招く。また、これらのモータやクラッチ・ソレノイドを駆動するための電源や制御回路が必要となり、装置は複雑化や大型化し、その消費電力も増加してくる。
そのため、ドラムの駆動に対しては、1つのモータから4つのドラムに動力が伝達されるような動力伝達経路を構成する。そして、カラー画像を形成する場合の4つのドラムの駆動と、モノクロ画像を形成する場合の1つのドラムの駆動との切替えを、その動力伝達経路途中に電磁クラッチを介在させて、その電磁クラッチの切替えにより行なうことが提案されている。このように、電磁クラッチによる駆動の切替え手段は増えるものの、4つのドラムに対応させて4つのモータをそれぞれ設ける必要がなく、コストの低減化及び装置構成の簡略化を図ることができる。
また、タンデム方式の画像形成装置における従来のトナー補給搬送機構は、一例として、図27〜図30のような構成が取られている。
図27は、トナー補給搬送機構部分の全体図である。211・212・213・214は4つのトナー容器である。トナー容器211には、黒色(K色)のトナー画像を形成する画像形成部K(不図示)の現像装置(現像容器)に対する補給用のK色トナーが収容されている。トナー容器212には、マゼンタ色(M色)のトナー画像を形成する画像形成部Mの現像装置に対する補給用のM色トナーが収容されている。トナー容器213には、シアン色(C色)のトナー画像を形成する画像形成部Cの現像装置に対する補給用のC色トナーが収容されている。トナー容器214には、イエロー色(Y色)のトナー画像を形成する画像形成部Yの現像装置に対する補給用のY色トナーが収容されている。
図28のような、トナーモ−タ(ステッピングモ−タ)242とギア列からなる駆動機構で搬送スクリュー241を回転させる。これにより、各トナー容器211・212・213・214内のトナーを、搬送スクリュー筒221・222・223・224の端部に設けられた開口231・232・233・234から対応する現像装置の現像室へ搬送している。図29は、各色画像形成部のトナー補給搬送機構を代表して、Y色画像形成部のトナー補給搬送機構部分を拡大して示した図である。図30はその機構でのトナー搬送路部分を切断した断面図であり、トナー搬送を判りやすく示した図である。
トナー補給搬送の方法は、画像濃度(現像室内のトナーとキャリアの比)の安定化のため、現像室内へ適量のトナー補給を、搬送スクリュー241を回転するトナーモ−タ(ステッピングモ−タ)242を駆動させて行っている。トナー補給量の決定つまりトナーモ−タ242の回転の制御値は、画像形成中に画像を色分析したビデオカウント値を用いて各色トナーの消費量を算出し、その消費量分のトナー補給するように決定される。さらに、実際の濃度との差を、パッチの濃度の変化を検知し、トナー補給の補正量を決め、1ジョブ終了後や所定枚数後の紙間に、トナーモ−タ242を回転させて、搬送スクリュー端部にある開口部より、現像室部分へトナー補給をしている。このように、トナー搬送スクリュー241の回転は、記録画像により、その回転する量が決まるため、各色ごとに、トナーモ−タ242が配置され、個々に制御されている。
そして、トナー容器内のトナー攪拌243は、このモ−タ242を逆転させ、駆動ギア軸に配設されたワンウエイクラッチ244を介することで、トナー補給スクリュー241の回転出力と区別して攪拌243の回転出力を得ている。
公知の駆動切替え技術として、常時回転の駆動を、遊星歯車列と電磁ソレノイドからなるトリガ手段にて、選択的に2つの出力に切換えて使用する例が提案されている。
近年、自動車産業を初め、複写機等の画像形成装置でも、動力の切替え減速手段として遊星歯車機構が多く利用されてきている(特許文献2・3)。
遊星歯車機構は、モータなどの駆動源を回転したままで複数の被駆動部を選択的に切替える時、コンパクトな構成のギア列で動力を伝達し、スリップなどの損失も少ない。そして、動力切替え時のスリップなどによる不安定さも少なく、確実にスムーズに切替えることが可能である。駆動源の回転を必要な速度に減速、回転方向を変えることも、遊星歯車の構成、ギア比により可能である。ギア列で駆動伝達切替えを行えるので静音化にも有効な機構であり、複写機の給紙クラッチなどクラッチ機構としても使用されている(特許文献3)。
複写機の給紙クラッチなどの例として遊星歯車機構を用いたクラッチ機構を図31により説明する。太陽歯車Aと、それに噛合う遊星歯車Bと、太陽歯車Aと同じ回転中心軸の遊星歯車Bと噛合う内歯車Cと、遊星歯車Bを回転可能に支持し同時に太陽歯車Aと同じ回転中心軸で回転可能な支持部材(以下、キャリアと記す)Dと、を有する。内歯車Cは、駆動源からの駆動が伝達されている駆動の入力軸Gに結合され一体となって回転している。さらに、駆動源からの駆動力で回転している入力軸Gつまり内歯車C(入力側)、被駆動部(負荷側)にギア列でつながっているキャリアD、そして太陽歯車Aの回転を止めるレバーFを持ったソレノイドEを配している。レバーFが引かれた状態の時は、太陽歯車Aへは負荷が繋がってないので、太陽歯車Aが空転可能な状態である。そこで、内歯車C(入力側)の回転は、遊星歯車Bを回転させるが、被駆動部へ繋がって負荷のかかったキャリアDはその負荷抵抗があるので、遊星歯車Bと噛合っている太陽歯車Aの方が回転する。つまり、出力のキャリアDは停止している。そして信号によりソレノイドが動作して前記レバーFが太陽歯車Aの回転を止めると、内歯車C(入力側)の回転は、遊星歯車Bを回転させるが、太陽歯車Aは停止されているので、遊星歯車Bが太陽歯車Aの周りを公転運動する。ここで、キャリアDには遊星歯車Bの支軸が形成されているので、遊星歯車Bの公転運動と共に、キャリアDが回転し負荷側へ駆動力が伝わる。このようにして負荷側へ駆動力を断続するクラッチの役割を果たしている。
太陽歯車A、内歯車B、キャリアDのいずれを入力側、出力側、制御側にしても成立する。
特開2002−341621号公報
特開昭61−89851号公報
特開2001−227562号公報
以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
[第1実施例]
(1)画像形成部
図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。図2は図1の部分的な拡大図である。この画像形成装置300は、タンデム方式−中間転写方式の4色フルカラー電子写真プリンタ(カラー画像形成装置:情報出力装置)である。
このプリンタ300は、駆動切替え装置により駆動切替えされるユニット駆動装置を有し、記録材上に画像を形成する画像形成装置である。プリンタ300には、コンピュータ(パソコン)・ワークステーション・イメージリーダー等の外部装置400が接続されている。この外部装置400からプリンタ300の制御デバイス(制御回路部、制御基板)350に対して電気的なカラー画像情報が入力する。そして、プリンタ300は作像動作して、記録材P上に入力画像情報に対応したフルカラー画像を形成して出力する。
Y・M・C・Kは、第1〜第4の4つの画像形成部(画像形成ユニット)であり、図面上、右側から左側に順に水平に対して左下がりに所定の間隔をおいて一列に配置されている。第1の画像形成部Yはイエロー色(Y色)のトナー画像を形成する画像形成部、第2の画像形成部Mはマゼンタ色(M色)のトナー画像を形成する画像形成部である。第3の画像形成部Cはシアン色(C色)のトナー画像を形成する画像形成部、第4の画像形成部Kは黒色(K色)のトナー画像を形成する画像形成部である。
各画像形成部Y・M・C・Kは電子写真プロセス機構であり、それぞれ、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光ドラム:以下、ドラムと記す)301を有する。各ドラム301は駆動機構(不図示)によりそれぞれ矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。各ドラム301の周囲にはドラム回転方向に沿って、一次帯電ローラ302、現像装置303、一次転写ローラ304、ドラムクリーナ305が配置されている。一次帯電ローラ302は、ドラム301の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段である。現像装置303は、ドラム301の表面に形成された静電潜像をトナー画像として顕画化する現像手段である。一次転写ローラ304は、ドラム301に形成されたトナー画像を次に説明する中間転写ベルト307に一次転写する転写手段である。ドラムクリーナ305は、中間転写ベルト307に対するトナー画像の一次転写後のドラム表面に残留した一次転写残トナーを除去するクリーニング手段である。
各画像形成部Y・M・C・Kの上側には、中間転写ベルトユニット306が配置されている。このユニット306は各画像形成部Y・M・C・Kのドラム301の上面に接触する中間転写体としての、可撓性を有する、誘電体製のエンドレスベルト(中間転写ベルト:以下、ベルトと記す)307を有する。このベルト307は、左側の駆動ローラ308と、右側の従動ロ−ラ309と、駆動ローラ308の下側のテンションローラ310と、の並行3本のローラ間に懸回張設されている。そして、ベルト307は、駆動ローラ308により、矢印の時計方向(ドラム301の回転に順方向)に、ドラム301の回転速度に対応した速度で循環移動駆動される。各画像形成部Y・M・C・Kのドラム301は、その上面が、従動ローラ309とテンションローラ310との間の下行側ベルト部分の下面に接している。また、ベルト307の内側には、下行側ベルト部分を介して各画像形成部のドラム301に対向させて4個の一次転写ローラ304が配設されている。各画像形成部のドラム301とベルト307との当接部が各画像形成部における一次転写部である。また、駆動ローラ308には、このローラ308を二次転写対向ローラとしてベルト307を介して二次転写ローラ319が接触している。このベルト307と二次転写ローラ319との当接部が二次転写部である。従動ローラ309のベルト懸回部には、ベルトクリーナ装置311が配設されている。
第1〜第4の画像形成部Y・M・C・Kの下側には、各画像形成部のドラム301に対する像露光手段として、レーザースキャナ(レーザー走査露光装置)312が配設されている。このレーザースキャナ312は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
レーザースキャナ312は、各画像形成部Y・M・C・Kのドラム301の一様帯電面を、各色の画像情報に応じて変調されたレーザー光LY・LM・LC・LKによって走査露光することによって各色の画像情報に応じた静電潜像を形成する。各画像形成部の現像装置303には、それぞれ、Y色トナーを含む現像剤、M色トナーを含む現像剤、C色トナーを含む現像剤、K色トナーを含む現像剤が収納されている。そして、各現像装置303は各画像形成部のドラム上に形成される静電潜像を対応色のトナーでトナー画像として現像する。イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
ここで、上記4つの画像形成部Y・M・C・Kにおいて、それぞれ、ドラム301と、このドラム301に作用するいくつかのプロセス手段を、一括してプリンタ本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ(CRG)としてある。本実施例では、ドラム301と、一次帯電ローラ302と、現像装置303と、ドラムクリーナ305を、カートリッジ枠体内に一体的に組み付けてプリンタ本体に対して取り外し可能に装着して使用されるカートリッジとしてある。プリンタ本体内の所定の装着位置(潜像形成位置)に装着されている状態にある各カートリッジは、それぞれ、位置決め手段(不図示)により所定に位置決め固定された状態に保持されている。また、各カートリッジ側の駆動入力部(不図示)に対してプリンタ本体側の駆動出力部(不図示)が結合している。また、各カートリッジ側の電気接点(不図示)に対してプリンタ本体側の給電系統(不図示)が導通化している。
プリンタの制御デバイス350は外部装置400から入力した電気的なカラー画像情報に基づいて、各画像形成部Y・M・C・Kを作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部Y・M・C・Kにおいて、それぞれ、回転するドラム301の面に対して所定の制御タイミングで、Y色、M色、C色、K色の色トナー画像が形成される。
各画像形成部のドラム301の面に形成される色トナー画像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム301の回転方向と順方向に、且つ各ドラム301の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト307の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト307の面に上記の4つの色トナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。各画像形成部の一次転写ローラ304には、所定の制御タイミングにて電源部(不図示)から、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の一次転写バイアスが印加される。これにより、ドラム表面のトナー画像がベルト307の外面に対して静電転写される。各画像形成部のドラムクリーナ装置305は、クリーニングブレード等で構成され、ドラム301上の一次転写残トナーをドラム表面から掻き落としドラム表面を清掃する。
一方、所定の給紙タイミングにて、記録材Pを積載収容させた給紙カセット313のピックアップローラ314が駆動される。これにより、記録材Pが繰り出され、給紙ローラ315とリタードローラ316により1枚分離給紙される。そして、その記録材Pが縦搬送パス317を通ってレジストローラ318に搬送される。
レジストローラ318は、前記の画像形成部の画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写部に送り出す。即ち、回転するベルト307上に形成された未定着のフルカラートナー画像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト307上の未定着のフルカラートナー画像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写ローラ319には、所定の制御タイミングにて電源(不図示)から、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の二次転写バイアスが印加される。これにより、ベルト307の表面のトナー画像が記録材Pに対して静電転写される。
二次転写部を出た記録材は、ベルト307の面から分離され、縦搬送ガイド320によって、画像加熱定着装置(定着ユニット)321の定着ニップ部に案内される。そして、この定着装置321により、上記の複数色のトナー画像が溶融混色されて記録材表面に固着画像として定着される。定着装置321を出た記録材Pはフルカラー画像形成物として搬送パス322を通って外排紙ローラ323により排紙トレイ324上に送り出される。これにより、一連の画像形成動作を終了する。
二次転写部にて記録材分離後のベルト307の面はベルトクリーナ装置311により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
モノ黒プリントモードの場合には、K色トナー画像を形成する第4の画像形成部Kのみが作像動作制御される。
本実施例のプリンタ300は、第1〜第4の画像形成部Y・M・C・Kを中間転写ベルト307の移動方向において、上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に配置したが、この色順に限られない。
(2)現像装置303
本実施例のプリンタ300において、各画像形成部Y・M・C・Kの現像装置303は、現像剤として、非磁性トナーと磁性キャリアを所定の重量比(TD比=トナー重量/(トナー重量+キャリア重量)で混合した二成分現像剤を用いた二成分現像方式である。
図3によりこの現像装置303を説明する。325は現像装置303の現像室(現像容器)であり、この現像室内に所定量の現像剤(二成分現像剤)が収容されている。また、この現像室325内には、現像剤攪拌搬送スクリュー326・327、現像スリーブ328、現像剤規制ブレード329が配設されている。
現像室325内の現像剤は現像剤攪拌搬送スクリュー326・327の回転により現像室325内を攪拌されながら循環搬送される。これにより、トナーとキャリアが均一に混合されるとともに、トナーが所定の極性、所定の帯電量で摩擦帯電される。
現像スリーブ328はアルミニウム等の非磁性材製の筒体であり、ドラム301に対して所定の隙間間隔(S−Dギャップ)をあけてドラム301に並行に配列されている。現像スリーブ328の内部にはマグネットロール330が非回転に固定して配設されている。現像スリーブ328はこのマグネットロール330の外回りを矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。現像室325内を循環搬送される現像剤の一部が現像スリーブ328の外面にマグネットロール330の磁力により現像剤層(磁気ブラシ層)として磁気吸着されて担持され、現像スリーブ328の回転に伴い搬送される。そして、その現像剤層の厚さが、現像スリーブ328に対して所定の隙間間隔(S−Bギャップ)をあけて配設されている現像剤規制ブレード329によって規制される。層厚規制を受けた現像剤層は、引き続く現像スリーブ328の回転によりドラム301と現像スリーブ328の対向部である現像部位に搬送される。現像スリーブ328には電源部(不図示)より所定の現像バイアスが所定の制御タイミングで印加される。ドラム301に形成されている静電潜像は現像部位において現像スリーブ328に担持されている現像剤層と現像バイアスによりトナー画像として現像される。静電潜像の現像に供された現像スリーブ328上の現像剤層は引き続く現像スリーブ328の回転により現像室内に戻し搬送され、マグネットローラ330の反発磁極部の作用により現像スリーブ328の外面から離脱する。そして、その現像スリーブの外面に新たに現像剤が供給されて担持される。
(3)トナー補給搬送機構100
各画像形成部Y・M・C・Kにおいては、現像装置303の現像室325内に収容されている二成分現像剤のトナーが静電潜像の現像に供されて逐次に消費されるので、現像剤のTD比が低下していく。そこで、制御デバイス350は、画像濃度(現像室内の二成分現像剤のTD比)の安定化のため、トナー補給搬送機構100(図3・図4)のトナー容器331から現像装置303の現像室325内に適時・適量のトナーを補給するトナー補給動作を実行する。トナー補給量の決定、つまりトナー補給搬送機構の動作制御値は、プリンタの画像形成動作中に画像を色分析したビデオカウント値を用いて各色トナーの消費量を算出し、その消費量分のトナーを補給するように決定される。さらに、実際の現像画像濃度との差を、パッチの濃度の変化を検知しトナー補給の補正量を決める。そして、1ジョブ終了後や所定枚数後の紙間に、トナー補給搬送機構を動作させて、現像装置303の現像室内に適量のトナーを補給して混入させるトナー補給動作が実行される。
本実施例におけるトナー補給搬送機構100は、図5・図6のように、第1〜第4の4つのトナー容器(トナーホッパー)331Y・331M・331C・331Kを有する(多色のトナー搬送機構)。この各トナー容器331Y・331M・331C・331Kは、各色の画像形成部Y・M・C・Kの現像装置303とは別に配設されたトナー収納部である。第1のトナー容器331Yには、第1の画像形成部Yの現像装置303に対して補給するY色トナーが収容されている。第2のトナー容器331Mには、第2の画像形成部Mの現像装置303に対して補給するM色トナーが収容されている。第3のトナー容器331Cには、第3の画像形成部Cの現像装置303に対して補給するC色トナーが収容されている。第4のトナー容器331Kは、第4の画像形成部Kの現像装置303に対して補給するK色トナーが収容されている。
第1〜第4の4つのトナー容器331Y・331M・331C・331Kは、それぞれ、収容しているトナーの色がそれぞれ異なるだけで、構成は同じである。各トナー容器331はその下部にトナー補給スクリュー部332を有し、図3・図4のように、そのトナー補給スクリュー部332を介して、それぞれ、対応する現像装置303の現像室325と連絡している。
トナー補給スクリュー部332は、トナー搬送筒部333と、この筒部内に配設したトナー搬送スクリュー104(図7)と、トナー容器331とトナー搬送筒部333とを連通させている連通パイプ部334を有する。トナー容器331内のトナーは連通パイプ部334からトナー搬送筒部333内に流入する。そして、トナー搬送スクリュー104が回転駆動されると、トナー搬送筒部333内のトナーが筒部先端側に搬送され、筒部先端側の開口部335から現像装置303の現像室325内の現像剤に補給される。上記のトナー搬送スクリュー104が、補給用トナーを収容したトナー収納部から現像装置へトナーを搬送するトナー搬送手段である。
現像室325内に補給されたトナーは、現像剤攪拌搬送スクリュー326・327の回転により現像室325内の現像剤に攪拌されながら循環搬送されて均一に混合されるとともに、所定の極性、所定の帯電量で摩擦帯電される。
また、第1〜第4の各トナー容器331Y・331M・331C・331Kの内部には、それぞれ、回転駆動されて、トナー容器中のトナーの攪拌を行なうトナー攪拌羽根(トナー攪拌手段)71・72・73・74(図7)が配設されている。
上記の各トナー容器331Y・331M・331C・331Kにおいて、トナー搬送スクリュー104とトナー攪拌羽根71・72・73・74は、駆動切替え装置200により動作される。上記の各トナー容器331Y・331M・331C・331Kにおいて、トナー搬送スクリュー104とトナー攪拌羽根71・72・73・74とが複数の被駆動手段である。
図5は駆動切替え装置200の全体を正面側から見た斜視図、図6は裏側から見た斜視図である。図7は、図6において各トナー容器331Y・331M・331C・331Kの内部を見せた切り欠き図である。図8は駆動切替え装置200の正面図、図9は上面図、図10は背面図である。図11は、図9における(11)−(11)線視の断面図である。図12は、図9における(12)−(12)線視の断面図である。図13は、図9における(13)−(13)線視の断面図である。図14と図15はトナー搬送スクリュー駆動系のギア列だけの斜視図である。図16は駆動モータと駆動切替え部分の斜視図である。図17は駆動切替え部の断面図である。
駆動切替え装置200は、以下に説明するように、回転を発生させる1つの駆動源を有する。また、その駆動源からの動力を複数の被駆動手段に伝達する駆動切替え手段と、駆動切替え手段に対し切替え動作を作動させるための制御子と、を有し、駆動切替え手段と制御子とを複数備える。
即ち、回転を発生させる1つの駆動源(連続的に動作する1つの駆動源)としての駆動モータ1を有する。この駆動モータ1の出力軸にドライブギア2が固着されている。このドライブギア2は、回転軸4に固着されている2段ギア3の大ギア3aに噛合している。また、回転軸4にはギア5とギア41が同軸に固着されている。従って、ドライブギア2の回転により、2段ギア3・ギア5・ギア41が一体に回転する。
2段ギア3の小ギア3bは、第1〜第4の各トナー容器331Y・331M・331C・331Kの後述する遊星歯車機構(差動遊星歯車機構)25・26・27・28と連結されているギア列への入力ギア51(図10・図11)に噛合っている。遊星歯車機構25・26・27・28が複数の駆動切替え手段であり、被駆動部の駆動伝達断続装置である。
ギア5は、遊星ギア機構T(駆動切替え機構部に切替え信号を送る切替え制御部分)への駆動入力ギア6に噛合っている。
ギア41は、第1〜第4の各トナー容器331Y・331M・331C・331Kの中のトナーの攪拌を行なうトナー攪拌羽根71・72・73・74と連結されているギア列への第1の入力ギア61a(図9)に噛合っている。第1の入力ギア61aは回転軸61cに固着されており、この回転軸61cに第2の入力ギア61bが第1の入力ギア61aと同軸に固着されている。従って、ギア41の回転により第1の入力ギア61aと第2の入力ギア61bが一体に回転する。
ギア6は遊星ギア機構Tの太陽ギア8(図17)の軸に一体に嵌合されている駆動入力ギア7と噛合っている。そして、後述するように、遊星ギア機構Tのキャリア9へ動力が伝わる。キャリア9には、ボス部に割り付け溝(停止溝)10が形成され、かさ歯車11が回転中心を同じくして固定されている。このかさ歯車11と噛合うかさ歯車13は、カムシャフト12に固定され、且つカムシャフト12を回転軸としている。カムシャフト12は定置配置の軸受け部材(不図示)に回転可能に保持されている。カムシャフト12にはカム13・14・15・17が各色のトナー補給搬送部に対応して配置されており、カムシャフト12と一体的に回転する。このカム13・14・15・16により各色のトナー補給搬送部に実際に動力を伝達する遊星歯車機構25・26・27・28の動力断続を制御する。
遊星歯車機構25・26・27・28は同じ構成であるためその一つ25について、図18により説明する。(a)は遊星歯車機構25(26・27・28)の側面図、(b)は(a)における(b)−(b)線視の断面図、(c)は正面図、(d)は(a)における(d)−(d)線視の断面図である。遊星歯車機構25(26・27・28)は、動力入力部であるギア(駆動入力ギア)29を一体化された太陽ギア30、遊星ギア31、遊星ギア31を回転自在に支持する支持部材(以下、キャリアと記す)キャリア32、内歯ギア33がある。また、内歯ギア33の外周に出力ギア35が形成され、太陽ギア30、キャリア32、内歯ギア33を同軸上で回転自在に支持する軸34を有する。また、キャリア32には突起32aが形成されている。
カムシャフト12が回転し、カム13(14・15・16)が突起32aに契合する位置にくると、キャリア33の回転が停止される。すると、動力が伝わって回転している太陽ギア30の回転は、遊星ギア31に伝わる。遊星ギア31の支持軸を持ったキャリア32の回転が規制されているので、遊星ギア31はその位置で回転し、その動力を内歯ギア33へ伝える。すなわち、トナー搬送部のトナーを供給するためのトナー搬送スクリュー104へ伝達する出力側の内ギア33が回転する。
カムシャフト12が回転し、カム13が突起32aに契合する位置から外れると、キャリア33の回転は規制されない。このとき、太陽ギア30の回転は、遊星ギア31に伝わるが、内歯ギア33にはトナー搬送スクリュー104へ動力を伝達しているアイドラ110(図8・図11)が噛合していて回転負荷がかかった状態である。そのため、遊星ギア31が公転し、遊星ギア31に回転軸が形成されたキャリア33が回される。
つまり、動力が伝わって回転している太陽ギア30の回転は、回転規制されていなく負荷のかかっていないキャリア33に回転が伝わり、回転負荷がかかった内歯ギア33の回転は停止される。
このようにして、カムシャフト12が回転し、カム13が、キャリア33の回転をON/OFFすることで、駆動力をトナー搬送スクリュー104側に伝達する出力のOFF/ONの制御を行なう。
上記複数の遊星歯車機構25・26・27・28が、1つの駆動モータ1からの動力を、複数の被駆動手段としての、各トナー容器におけるトナー搬送スクリュー104とトナー攪拌羽根71・72・73・74とに伝達する駆動切替え手段である。
また、遊星歯車機構25・26・27・28への動力伝達は段ギア3からギア列を介して別ルートのギア列で伝えられる。
図15を参照して、例えば、Y色トナー搬送部の駆動切替えのための遊星歯車機構25へ動力を伝えるルートは次ぎのようになる。即ち、2段ギア3からアイドラギア34、隣りのM色トナー搬送部用遊星歯車機構26の入力ギア35、アイドラギア36、を経てY色トナー搬送部の遊星歯車機構25のギア29へ繋がるルートである。
C色、K色の各トナー搬送部も同じようにトナー搬送部用遊星歯車機構の入力ギアとその間のアイドラギアで繋がり、夫々のトナ−搬送部用遊星歯車機構を介し搬送スクリュー104まで駆動が伝えられるように構成している。
さて、図17により遊星ギア機構Tについて説明する。遊星ギア機構Tは先に述べたように、入力ギア(駆動入力ギア)7が太陽ギア8の軸に固定され一体で回転する。太陽ギア8に遊星ギア40が噛合っており、さらにその外側に内歯ギア41が遊星ギア40に噛合っている。そして、遊星ギア40を回転自在に支持する支持部材であるキャリア9があり、軸43を同一中心にして太陽ギア8、内歯ギア41、キャリア9が回転可能に支持されている。
そして、かさ歯車11に形成された割付溝10(本実施例では4つのトナー搬送部向けとホームポジションを検知するための1つ計5つの溝がある)に入り込んだレバー49が係合している。このレバー49は、ソレノイド48が励磁されることにより吸引され、割付溝より外れる。これにより、かさ歯車11が回転する。また、励磁が解けると、レバー49がともとに戻る。そのため、レバー49が割り付け溝10の1つ隣の溝に入り、かさ歯車11の回転を止める。所定の回転角かさ歯車11が回転し、これに噛合ったかさ歯車13によりカムシャフト12を所定角度回転させる。カム13・14・15・16はカムシャフト12に対し所定角度ずつ位相を変えて取り付けられている。そして、ソレノイド48の励磁・励磁解除を繰り返すことにより、前記遊星歯車機構25・26・27・28のキャリア32の突起部32aに係合する位置に順次くるよう配置されている。また、かさ歯車11にはセンサー板45がとりつけられており、前記ホームポジション用の割付溝10でかさ歯車11が停止した時、センサー44で検知できるようになっている。これは動作途中で電源を切るなり停止した時、どの色のトナーから供給を始めてよいかわからないので、一度、ホームポジションまで回転させて動作を始めるためである。
この遊星ギア機構Tは、出力側のかさ歯車11の回転をソレノイド48で直接止めている。この方法で、かさ歯車11の回転角度、つまりカム13・14・15・16の角度を決めることができる。
上記において、割付溝10が、出力部であるかさ歯車11のボス部に所定の回転角ごとに設けた停止溝である。レバー49が、その停止溝10に係合することにより出力部であるかさ歯車11の回転を停止させる停止部材である。ソレノイド48が、その停止部材49を制御する制御駆動源である。そして、停止溝10、停止部材49、制御駆動源48により出力部であるかさ歯車11を所定の回転角で停止させ、その回転角位置を伝え、複数の被駆動部の動力伝達を制御する制御部材により各被駆動部の駆動切替えを制御する。また、前記停止溝10に対応し、各被駆動部の駆動伝達断続装置に配置された制御部材が出力部であるかさ歯車11の回転にともない一体的に動き停止する。これにより、各被駆動部の駆動伝達断続装置の動力断続を行う。
先に述べたように遊星歯車機構は、入力側に対し2つある出力側のどちらかの回転を止めることで、他方に駆動力を繋げる切替え機構である。出力側の一方を負荷に繋げ、他方を無負荷状態にしておく。この時、後者は空転し、前者は停止している。そして、後者の回転を止めることで前者を回転させることによりクラッチ機構として応用している。これは入力側に対する負荷の軽い方が回転する原理である。遊星歯車機構は増減速装置としての役割を持っている。しかし本実施例のようにレバー49によりかさ歯車11の回転停止を解除した時、内歯ギア41が無負荷に近い状態では内歯ギア41の回転を止めて、かさ歯車11の回転をスムーズに切替えられない可能性がある。
そこで、スプリング(弾性部材)50が、キャリア9に取り付けられたバネ座52と内歯ギア41のボス部46に取り付けられた押え部材51との間に付勢された状態ではめ込まれている。このスプリング50が、バネ座52、押え部材53を押すことにより、内歯ギア41を付勢し、内歯ギア41の回転を妨げる摩擦力を生じさせている。これにより、内歯ギア41の回転を規制するトルクリミッターの働きをさせている。このことにより、駆動切替えをスムーズにすることができ、特に駆動源を逆回転させたときのショックなどにも対応でき、ギア等の破損も防止できる。上記において、内歯ギア41と支持部材であるキャリア9との間に設けられた弾性部材により与えられるトルクリミッター機構が内歯ギア41の回転を規制する手段である。
また、このときキャリア9側にも同じように摩擦力が働くが、太陽ギア8と内歯ギア41のギア比により入力側である太陽ギア8側に対する負荷はキャリア9側の方が軽くなるように設定できる。
図19で説明すると、太陽歯車Aの歯数をZA、遊星歯車Bの歯数をZB、内歯歯車Cの歯数をZCとする。太陽歯車Aを入力側とする。そうすると、キャリアD側を回転させるときキャリアDの回転数は、太陽歯車A側の回転数の1/(ZC/ZA+1)となり、内歯歯車Cを回転させるときの内歯歯車の回転数は、太陽歯車A側の回転方向とは逆回転で−ZA/ZCとなる。
例えば、ZA=14、ZB=12、ZC=38とすると、キャリアDの回転数は7/26、対する内歯歯車Cの回転数は−7/19となる。キャリアD、内歯歯車Cに同じ負荷がかったとすると、太陽歯車Aに対しては7/26:7/19となり、キャリアDは内歯歯車Cに対して19/26=約0.73の太陽歯車Aに対する負荷となる。内歯歯車C側の負荷が重くなるので、キャリアD側が回転することとなる。もちろん、キャリアD側に繋がる比駆動側の負荷も加えた状態でキャリアD側の負荷が軽くなるようにする必要がある。
よって、本実施例のようなスプリング50による付勢方法でも、減速比の違いで同じ摩擦力が働くとしても、内歯ギア41側の方が入力側の太陽ギア8への回転負荷トルクとしては大きくなる。そのため、内歯歯車41、キャリア9のどちらの回転を止めていなくても内歯ギア41の回転が止まり、キャリア9が回転し始めることになる。
また、キャリア9側でスプリング50を受けるばね座52をキャリア9の回転に影響しないように設定することで、スプリング50の力の設定条件等緩和することができる。
たとえば、ばね座52の回転止めを装置本体等に固定して設け、ばね座52とキャリア9との間に滑り部材等を入れて摩擦力を低減する方法、ばね座52を本装置支持部などに固定しキャリア9にばね50の力がかからないようにする方法などである。
図20・図21・図22に、それぞれ、1つのトナー容器におけるトナー搬送・攪拌・駆動切替え装置の正面図・上面図・背面図を示す。図23は、図21における(23)−(23)線視の断面図である。図24は、図21における(24)−(24)線視の断面図である。このトナー搬送・攪拌・駆動切替え装置の構成は、第1〜第4のトナー容器331Y・331M・331C・331Kの各トナー容器とも同じ構成である。
103はトナー容器の中のトナーの攪拌を行なうトナー攪拌羽根71(72・73・74)と一体に回転するトナー攪拌羽根ギアである。105はトナー搬送スクリュー104と一体に回転するトナー搬送スクリューギアである。
トナー攪拌羽根ギア103は、図20〜図24のように、伝達アイドラギア106・107・108・109を介して入力ギア61bと噛合っている。トナー搬送スクリューギア105は伝達アイドラギア109・110を介して、駆動切替え手段としての遊星歯車機構(遊星歯車機構を用いたクラッチ機構)25(26・27・28)と噛合っている。
遊星歯車機構25・26・27・28に対し切替え動作を作動させるための複数の制御子、その複数の制御子に対する動作信号、及び制御アクチュエ−タについて説明する。
駆動モ−タ1の回転は、駆動モータ1に固着されたドライブギア2から2段ギア3に伝わる。そして、2段ギア3から軸4を介してギア5と、ギア5と噛合うギア6を経て、遊星ギア機構Tを含む駆動切替え機構部に切替え信号を送る切替え制御部分(駆動切替え部分)へ伝えられる。
切替え制御部分は、各遊星歯車機構(駆動切替え手段)25〜28のキャリア32部分に形成された突起32aを係止する位置に、それぞれ、制御子としてのカム(突出形状部)13・14・15・16を形成したカムシャフト(制御軸)12を有する。この複数のカム13・14・15・16は同じ軸を中心とし個々に位相が異なる。そして、ソレノイド48にてカムシャフト12の回転が停止する遊星ギア機構Tを有する。この制御軸としてのカムシャフト12の回転をON・OFFさせるソレノイド構造が制御アクチュエータである。そして、制御子としての4つのカム13・14・15・16に対する動作信号を、カム13・14・15・16の数よりも少ない制御アクチュエータで制御している。本実施例では、4つのカム13・14・15・16に対する動作信号は、1つの制御アクチュエータで制御し、それぞれのカム13・14・15・16に対し個々の制御値である。
カムシャフト12のカム13・14・15・16が、それぞれ、第1〜第4の4つのトナー容器331Y・331M・331C・331Kのトナー搬送・攪拌機構に対応して配置されており、カムシャフト12と一体的に回転する。ソレノイド48のON/OFFによって、回転しているカムシャフト12を、カムシャフトに設けた回転位置検出手段(ロ−タリエンコ−ダ等の装置)で検出して、所定の位置で、所定の時間停止させる事が可能となる。
次に、駆動切替え装置の動作について、手順を追って説明する。図25A・図25Bのフロ−チャ−トは、駆動切替え装置200の制御を表し、これらは、制御デバイス350の中に組み込まれている。コピ−開始の信号にて、設定コピ−枚数と記録画像を認識し、第1〜第4の各色の画像形成部Y・M・C・Kのドラム301への書き込み記録画像の映像信号より、「画像信号−トナー量比較」テ−ブルにて記録画像に必要な使用トナー量を予測算出する。その使用量を補充するためのトナー補給スクリュー104の回転数(時間)を「補給トナー量−スクリュー回転数」テ−ブルで算出する。そして、各色のカム13・14・15・16の静止時間を計算する。そして、S8の色判別部の制御にて、色順(Y・M・C・Kの順)で、前記のカム静止時間カム静止ソレノイド48を順次動作させ切替る。つまり、Y色位置でカムをY補給時間静止させ、駆動モ−タをONにして、Y色の搬送スクリューを回転させ、この静止時間の分、Yトナ−を搬送補給する。同様に、S9からS14のステップをM色・C色・K色の順に行なわせ、K色終了の後、色判別部の制御にて、S15のステップに進み、一枚の画像形成分のトナ−が搬送される。これらのステップを順次行い、S1の枚数カウントにて、所定枚数カウントされると、S16のステップに進み、コピ−終了となる。ここで、トナー補給・攪拌の駆動源である駆動モ−タ1は画像形成と共に回転させている。
従って、前述のように、駆動モ−タ1とギア列でつながっている攪拌羽根・遊星ギア駆動切替えの太陽ギアと切替え制御部分の遊星ギア機構Tの出力部であるかさ歯車11は回転している。
ここで、例えば、第1の画像形成部Yの現像装置303への第1のトナー容器331Yからのトナー搬送は、制御デバイス350からの信号で、カム静止ソレノイド48を駆動させてカムシャフト12を回転させる。そして、第1のトナー容器331Yに対応する遊星歯車機構25のキャリア32の突起32aを停止させる位置でカム13を所定時間静止させる。この所定時間の静止期間において、第1のトナー容器331Yのトナー搬送スクリュー104に遊星歯車機構25の出力側ギアが回転し、アイドラギアを介して第1のトナー容器331Yのトナー搬送スクリュー104が回転する。これにより、トナー搬送筒部333の開口部335から現像装置303の現像室325内に所定の計算量のY色トナーが補給される。
同様の制御手順で、第2〜第4の画像形成部M・C・Kの現像装置303にも対応するトナー容器331M・331C・331Kから適時・適量のトナー補給がなされ、所定コピ−完了後、駆動がOFFされ、画像コピ−が終了する。
上記のように、駆動切替え手段とその制御子とを複数備え、複数の制御子に対する動作信号を、制御子の数より少ない制御アクチュエ−タで制御する。これにより、駆動源と制御アクチュエ−タの数が減り、装置構成の簡易となり、装置の小型軽量化・駆動エネルギ−(電力)の省エネ化の効果がある。
さらに、回転を発生させる駆動源は1つの駆動源であって、制御子に対する動作信号は1つの制御アクチュエ−タで制御し、それぞれの制御子に対して個々の制御値をとることが可能であるので、簡易な装置構成で複雑な制御切替えが可能となる効果がある。
さらに、駆動切替え手段は、遊星歯車機構を用いたクラッチ機構で、制御子は同じ軸を中心とし個々に位相の異なった突出形状からなる制御軸で、制御アクチュエ−タは制御軸の回転をON/OFFさせるソレノイド構造である。この構成により、簡易な装置構成である効果と合わせて、簡単な制御方法で個々に駆動切替えできる効果がある。
さらに、画像形成装置及びその被駆動手段を、カラー画像形成装置の各スクリューの回転トナー搬送手段と各トナー収納部のトナー攪拌手段とすることで、複雑化したトナー補給搬送・攪拌機構を構成が簡単で取り扱い易くなる。これにより、画像形成装置の小型化・安価な構成で実現することのできる効果がある。
前述したように、従来のカラー画像形成装置では、白黒機に対し、画像作成過程で多くの駆動切替え機構や駆動源を必要としている。特に、トナー補給機構部分の駆動切替えにおいて、各色ごとに切替え機構・駆動源が存在するような複雑な機構を有していた。これら駆動切替え機構や駆動源の増加は、装置構成を複雑化し機能の信頼性を悪化させたり、動力エネルギ−を増やし省エネの阻害要因であった。これらの機構を簡易な構成とし、駆動源を減らし、取り扱い易く、小型化軽量・安価な構成で実現する駆動切替え機構が望まれていた。
そこで、本実施例では、1つの駆動源(モ−タ)1からの動力を、複数の遊星クラッチと、1つのアクチュエ−タ(ソレノイド)とで構成する事で駆動切替えする機構にしている。この構成にて、1つの駆動源と1つのアクチュエータとを用いて複数の被駆動部へ動力を選択的に伝達する動力伝達装置である。特に、課題となっているカラートナーの補給搬送機構で、複数(4色)のカラートナーの搬送(スクリュー)と攪拌との回転制御を行なわせることができる。複数個のモ−タが一つになる。これにより、消費電力を下げることができ、また、減速装置等のギア系列の共有が可能で、駆動ユニット重量の低減や省スペ−ス化、さらに、電源の小型化や駆動源を減らすことで信頼性向上に、そして、装置全体の小型軽量化等を得る事ができる。
以上のように、コンパクトで、複雑な駆動回路を必要としない、少ない駆動源から複数の被駆動部へ動力を伝達切替え制御する、簡単な構成、コンパクト、安価な駆動力切替え装置を提供することができる。
[第2実施例]
本発明に係る駆動切替え装置は、第1実施例のようなトナー搬送機構の駆動切替えに留まらず、1つの駆動源で複数の被駆動部を動かすことに応用可能である。
図26は、本発明に従う駆動切替え装置200を記録材搬送機構の給紙駆動に応用した例である。
駆動モータ1から遊星ギア機構Tへの駆動伝達、ギア7から太陽ギア8、遊星ギア40、内歯ギア41、キャリア9まで動作とも先の第1実施例と同じである。そして、かさ歯車11にあたるところをキャリア9と一体的に回転し、割付溝10も形成された割付板55に変えている。そして、割付板55上にピン56、57が固定されており、割付板55と一緒に回転する。
給紙ローラ58と59はそれぞれ別ルートの記録材(用紙)を搬送するローラである。ローラ58、59の駆動ローラには駆動ギア60、61がついていて遊星歯車機構62、63の出力側ギア64、65(内歯ギア)に噛み合っている。そして、前記割付板55が回転してピン56、57が遊星歯車機構62・63のキャリア66、67の突起部66a、67aに係合する位置にくると給紙ローラ58、59を回し始める。割付溝10の位置、ピン56、57の位置と突起部66a、67aの位置の配置により給紙ローラ58と59のどちらを動かすか、またどちらも動かさないようにするか、切替えることができる。
センサー44を2つ設け、給紙ローラ58、59のどちらが給紙しているか検知することも可能である。
このように1つの駆動源から複数の被駆動部58・59、特に3つ以上の被駆動部もしくは切替えの数のものの切替え制御に有効である。
本発明に係る駆動切替え装置200は、プリンタ、コピー機、FAXなどの画像形成装置の駆動部で、駆動源の駆動力を複数の被駆動部へ選択的に切り替え駆動するものものに利用可能である。具体的には、トナー搬送、給紙ローラ駆動、両面紙搬送、現像器やクリーナなどの感光ドラムへの着脱などに使用できる。画像形成装置以外の他の装置分野でも、1つの駆動源で複数の被駆動部を切替えて動作させるものに利用可能である。
本発明によれば、複雑化した駆動切替え装置を、簡易な機構構成で実現して、特に、カラー画像の画像形成装置を、簡単で取り扱い易く、小型化・省エネで安価な装置構成で実現することができる。