JP2009025475A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングローラ33の傾斜に伴う中間転写ベルト31の幅方向の張力分布の変動を応答性高く抑制して、ステアリング制御の精度と応答性とを高めた画像形成装置100を提供する。
【解決手段】付勢力調整機構37は、ステアリングローラ33の傾斜に伴う中間転写ベルト31の張力変動を相殺するように軸受け74を移動させる。カム軸82は、ステアリングローラ33を昇降させる昇降カム65の回転と、カムフォロア面79を倣って軸受け74をアーム72に沿った方向に移動させるカム80とを連動させる。カムフォロア面79は、ステアリングローラ33の正面側が上昇すると軸受け74を内側に移動させ、ステアリングローラ33の正面側が下降すると軸受け74を外側へ移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の回転体で支持されて移動するベルト部材を備えた画像形成装置、詳しくはステアリング部材を傾斜させてベルト部材を幅方向に移動させるステアリング機構に関する。
複数の回転体に支持されて移動するベルト部材、例えば中間転写ベルト、記録材搬送ベルト、転写ベルト、定着加熱ベルトを備えた画像形成装置が実用化されている。ベルト部材が移動している状態で、ステアリング回転体の傾斜量を制御してベルト部材の幅方向の位置を動的に位置決めるステアリング機構を備えた画像形成装置も実用化されている。
一般的なステアリング機構では、ステアリング回転体の傾斜量がベルト部材の進行方向を直接曲げることによりベルト部材を幅方向に移動させる(図8参照)。
しかし、ベルト部材は、支持する回転体に沿った張力分布が変化しても幅方向へ移動する。このため、ステアリング回転体を傾斜させた際にベルト部材の両端に張力差を生じると、張力差に駆動された移動が重畳されてしまい、ベルト部材の幅方向の移動を安定して制御できなくなる可能性がある。また、回転しているベルト部材の幅方向の張力分布は、種々の要因で変動して安定した制御が困難なため、幅方向の張力分布の変動は抑制することが望ましい。
特許文献1には、ベルト部材の両端の張力差を抑制する機構を付設したステアリング機構が提案されている。ここでは、中間転写ベルトのステアリング機構が示され、ステアリング回転体の傾きに伴う中間転写ベルトの両端の張力差が最小となる方向に、ステアリング回転体を傾斜させる方向を設定している。
特許文献2には、ステアリング回転体の傾斜によって生じた張力変動を、別部材のテンション回転体の傾斜量を制御して相殺させるステアリング機構が提案されている。
特開2002−2999号公報 特開2001−147601号公報
特許文献1に示されるステアリング機構では、張力分布の変動の回避を優先させるので、ステアリング効果が大きい方向へステアリング回転体を傾斜できない。ステアリング効果が大きい傾斜方向へステアリング回転体を傾けると幅方向の張力分布が大きく変動するからである。幅方向の張力分布があまり変動しないで済む傾斜方向へステアリング回転体を傾斜させても、ベルト部材を幅方向へあまり応答性高く移動できないからである。
特許文献2に示される張力制御機構では、ステアリング回転体とは別部材のテンション回転体を傾斜させるので、ステアリング回転体によるステアリング制御そのものが不安定になる可能性がある。傾斜したテンション回転体がベルト部材に対する新たな独立したステアリング回転体として機能して、ステアリング回転体の傾斜による幅方向の移動を妨げるからである。
本発明は、ステアリング回転体の傾斜に伴うベルト部材の幅方向の張力分布の変動を応答性高く抑制して、ステアリング制御の精度と応答性とを高めた画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、複数の回転体に支持されて移動するベルト部材と、前記ベルト部材を支持して傾斜角度が変更されるステアリング回転体と、前記ステアリング回転体を前記ベルト部材に押圧させる一対の付勢手段とを備えたものである。そして、前記ステアリング回転体の前記傾斜角度を変更する動作に連動して少なくとも一方の前記付勢手段の付勢力を変化させて、前記ステアリング回転体の傾斜に伴って発生する前記一対の付勢手段の付勢力差を減少させている。
本発明の画像形成装置では、ステアリング回転体の傾斜に伴うベルト部材の両端の張力差が軽減されるので、ベルト部材の両端における張力差の発生を無視したステアリング効果の高い方向にステアリング回転体を傾斜できる。
ベルト部材を支持する他の回転体やベルト部材のニップ等にベルト部材の張力変動が及ばないので、これらの位置における張力変動がステアリング回転体によるステアリング作用を撹乱しない。これらの位置における張力変動が画像品質に影響を及ぼすこともない。
また、ステアリング回転体の傾斜に伴うベルト部材の両端の張力差をステアリング回転体の位置で相殺するので、ステアリング回転体は、純粋にステアリング効果だけをベルト部材に作用できる。
従って、ステアリング回転体による応答性の高い安定したステアリング制御が実現され、ベルト部材の安定した走行によって高品位の画像を出力できる。
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、ベルト部材の幅方向の位置を動的に制御する限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。従って、中間転写ベルトのみならず、記録材搬送ベルト、感光ベルト、転写ベルト、二次転写ベルト、定着ベルト等でも実施できる。
タンデム型フルカラー画像形成装置のみならず、1つの像担持体に複数の現像装置を付設した画像形成装置、中間転写体又は記録材搬送体に付設した像担持体が3つ以下の画像形成装置でも実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図2は中間転写ベルトのステアリング制御系の説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト31の直線区間に4つの画像形成部SA、SB、SC、SDを配列したタンデム型フルカラー複写機である。
最も上流側の画像形成部SDでは、感光ドラム11dにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト31に一次転写される。画像形成部SCでは、感光ドラム11cにマゼンタトナー像が形成されて、中間転写ベルト31のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部SB、SAでは、それぞれ感光ドラム11b、11aにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト31に一次転写される。
中間転写ベルト31に一次転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pに一括二次転写される。記録材Pは、給紙カセット21又は給紙トレイ27から1枚ずつ取り出されて、レジストローラ25によって二次転写部T2へ給送される。
二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置40で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、内排紙ローラ44、外排紙ローラ45を経て排出トレイ48へ積載される。
分離装置23は、各種サイズの記録材Pを積載可能な給紙カセット21からピックアップローラ22によって引き出された記録材Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ25へ向かって送り出す。
レジストローラ25は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト31のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを挟持搬送して、二次転写部T2へ給送する。
ベルト部材の一例である中間転写ベルト31は、一次転写部T1で一次転写されたトナー像を担持して、記録材Pへの二次転写が行われる二次転写部T2へ搬送する。
中間転写ベルト31は、複数の回転体の一例である駆動ローラ32、ステアリングローラ33、バックアップローラ34、及びバックアップローラ62、63に掛け渡して、軸方向には拘束されることなく支持される。中間転写ベルト31は、パルスモータM1に駆動されて、300mm/secのプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
中間転写ベルト31は、カーボンブラックを含有させて抵抗性を付与したポリイミド樹脂(PI)で無端状に形成され、厚さ100μmである。
レジマーク検出センサ60、61は、画像形成部SD、SC、SB、SAが中間転写ベルト31上にそれぞれ形成した横レジ検知マークを、バックアップローラ62に支持された位置で検知する。
二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31を介してバックアップローラ34に圧接回転して、中間転写ベルト31と二次転写ローラ36との間に二次転写部T2を形成する。
二次転写部T2では、中間転写ベルト31のトナー像に重ねて記録材Pが挟持搬送される。中間転写ベルト31に担持された負極性に帯電したトナー像は、不図示の電源から二次転写ローラ36へ正極性の電圧を印加することにより、記録材Pへ二次転写される。
画像形成部SA、SB、SC、SDは、付設された現像装置14a、14b、14c、14dで用いるトナーの色がブラック、シアン、マゼンタ、イエローと異なる以外は同一に構成される。以下では、画像形成部SAについて説明し、他の画像形成部SB、SC、SDについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部SAは、感光ドラム11aの周囲に、一次帯電装置12a、露光装置13a、現像装置14a、一次転写ローラ35a、クリーニング装置15aを配置する。
感光ドラム11aは、接地電位に接続されたアルミニウム製のシリンダの外周面に帯電極性が負極性の感光層を形成してある。感光体ドラム11aは、両端部をフランジによって回転自在に支持され、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達して矢印方向に回転する。
一次帯電装置12aは、コロナ放電により生成した負極性の帯電粒子を感光ドラム11aに照射して、感光ドラム11aの表面を一様な負極性の電位に帯電させる。
露光装置13aは、ブラックの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを多面体ミラーで走査して、帯電した感光ドラム11aの表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置14aは、負極性に帯電したトナーを感光ドラム11aに供給し、静電像の露光部分に付着させて静電像を反転現像する。現像装置14aは、磁性キャリアに混合したトナーを薄層状態で担持した現像スリーブを、感光ドラム11aに対してカウンタ方向に回転させ、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を現像スリーブに印加する。
一次転写ローラ35aは、中間転写ベルト31を介して感光ドラム11aに圧接して、感光ドラム11aと中間転写ベルト31との間に一次転写部T1を形成する。一次転写ローラ35aは、一次転写部T1を通過するトナー像に重ね合わせ中間転写ベルト31を挟持し、正極性の直流電圧を印加されて、感光ドラム11aに担持されたトナー像を中間転写ベルト31へ一次転写させる。
一次転写ローラ35aは、イオン導電系の導電剤を分散させて抵抗値を5×10Ωに調整したウレタンスポンジの表層を直径8mmの芯金に被せて外径16mmに形成されている。
クリーニング装置15aは、一次転写部T1を通過して感光ドラム11aの表面に残留した転写残トナーを除去して、次回のトナー像形成に備えさせる。クリーニング装置15aは、クリーニングブレードを感光ドラム11aに対してカウンタ方向に摺擦させるカウンターブレード方式である。
二次転写ローラ36は、導電性を付与したゴムローラであって、中間転写ベルト31を介して二次転写内ローラ34に圧接して、中間転写ベルト31と二次転写外ローラ36との間に二次転写部T2を形成する。
バックアップローラ34は、二次転写部T2の下流側で中間転写ベルト31の循環経路を折り曲げて、中間転写ベルト31に付着した記録材Pを曲率分離させる。
バックアップローラ34は接地電位に接続され、二次転写外ローラ36には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト31に担持されたトナー像に重ねて二次転写部を挟持搬送される記録材Pへ、中間転写ベルト31から4色のトナー像が一括二次転写される。
定着装置40は、中心にランプヒータ43を配置した加熱ローラ41に加圧ローラ42をバネ付勢により圧接して定着部T3を形成する。定着部T3は、トナー像を二次転写された記録材Pを挟持搬送して加熱加圧し、記録材Pの表面にトナー像を定着させる。
クリーニング装置47は、記録材Pに二次転写されることなく二次転写部T2を通過した中間転写ベルト31上の転写残トナーを、クリーニングブレードにより摺擦除去する。
図1を参照して図2に示すように、制御部50は、ベルトエッジセンサ54、55の出力に基づいてステアリング機構30を作動させて、中間転写ベルト31の幅方向の偏りを訂正する。
ベルトエッジセンサ54、55は、ベルトのエッジに接触するフラグの回転角度に応じたアナログ電圧を制御部50に入力する。制御部50は、ベルトエッジセンサ54によってベルトエッジの接近が検知されると、ステアリング機構30を作動させて、中間転写ベルト31を背面側へ移動させる。制御部50は、ベルトエッジセンサ55によってベルトエッジの接近が検知されると、ステアリング機構30を作動させて、中間転写ベルト31を正面側へ移動させる。
ステアリング機構30は、バックアップローラ62、63によって区分された中間転写ベルト31の区間で、ステアリング回転体の一例であるステアリングローラ33の傾斜角度を変更して、回転する中間転写ベルト31をステアリングする。
ステアリングローラ33の正面側の軸端を上昇させると、ステアリングローラ33の少し正面側で中間転写ベルト31の縁が巻き付き始めるようになって、中間転写ベルト31は、ステアリングローラ33の回転ごとに正面側へ移動する。
ステアリングローラ33の正面側の軸端を下降させると、ステアリングローラ33の少し背面側で中間転写ベルト31の縁が巻き付き始めるようになって、中間転写ベルト33は、ステアリングローラ33の回転ごとに背面側へ移動する。
バックアップ回転体の一例であるバックアップローラ62、63は、ステアリングローラ33を中間転写ベルト31の移動方向に挟んで配置される。
中間転写ベルト31の折り返し位置に配置されたステアリングローラ33の傾斜量は、バックアップローラ62、63から中間転写ベルト31が離間しない範囲で制御される。
バックアップローラ62は、ステアリングローラ33の傾きによる中間転写ベルト31の傾きを遮断して、バックアップローラ62と駆動ローラ32との間に一定の転写平面を形成する。
バックアップローラ63は、ステアリングローラ33の傾きによる中間転写ベルト31の傾きを遮断して、二次転写部T2側の中間転写ベルト31の面を一定に維持する。
<ステアリング機構>
図3は中間転写ベルトのステアリング機構の斜視図、図4はステアリング機構の正面図、図5はステアリング機構の背面図である。図6はステアリングローラの正面側を上方へ傾けた状態の説明図、図7はステアリングローラの正面側を下方へ傾けた状態の説明図、図8はステアリングローラの動作の説明図である。図8中、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図3に示すように、ステアリング機構30は、ステアリングローラ33の背面側の軸端を固定端として正面側の軸端を昇降させることにより、回転する中間転写ベルト31の進行方向を調整する。
ステアリングローラ33は、正面側の軸端を軸受け74によって、背面側の軸端を軸受け75によってそれぞれ回転自在に支持されて、中間転写ベルト31の内側面を押圧している。
ステアリング回転体の一例であるステアリングローラ33は、ベルト部材の一例である中間転写ベルト31の内側面を支持してベルト部材の一例である中間転写ベルト31の移動方向を制御する。
付勢手段、バネ部材の一例である付勢バネ70、71は、ステアリングローラ33両端をそれぞれ外側に向かって押圧するように付勢する。
正面側の軸受け74は、ユニットフレーム64に固定された支持軸76に軸支されたアーム72の回動端のU溝72aに保持されて、アーム72に沿った方向へ移動可能である。軸受け74は、付勢バネ70によってアーム72に沿った外側方向へ付勢されている。
支持軸76を囲むアーム72の背面側には、アーム72を図中右回転方向に付勢するねじりコイルバネが配置される。アーム72は、ねじりコイルバネの付勢力に逆らって昇降カム65のカム面に当接した位置で回動位置を位置決められる。
背面側の軸受け75は、ユニットフレーム64に固定されたアーム73の先端側のU溝73aに保持されて、アーム73に沿った方向へ移動可能である。軸受け75は、付勢バネ71によってアーム73に沿った外側方向へ付勢されている。
これにより、ステアリングローラ33は、付勢バネ70、71に支持されて中間転写ベルト31を外側へ付勢して中間転写ベルト31に張力を付与するテンションローラを兼ねている。中間転写ベルト31の張力は、ステアリングローラ33の正面側の軸受け74と背面側の軸受け75とに分配され、それぞれ付勢バネ70、71の付勢力と釣り合う位置まで、軸受け74、軸受け75を内側へ押し込む。
そして、ステアリング機構30の正面側には、ステアリングローラ33の傾きに応じて付勢バネ70の付勢力を調整して、付勢バネ70、71の付勢力を一定の等しい値に保つ付勢力調整機構37が付設されている。
付勢力調整機構の一例である付勢力調整機構37は、ステアリングローラ33を傾斜させる動作に連動して少なくとも一方の付勢バネ70の付勢力を変化させて、傾斜に伴って発生する一対の付勢バネ70、71の付勢力差を減少させる。
一対のバネ部材の一例である付勢バネ70、71は、ステアリングローラ33の両端にそれぞれ一端が連結されている。
バネ端移動機構の一例である付勢力調整機構37は、ステアリングローラ33を傾斜させる動作に連動して一方の付勢バネ70の他端を移動させて付勢力を変化させる。
図4に示すように、アーム部材の一例であるアーム72は、ステアリングローラ33の軸受け74を回動可能に支持する。
第1カム機構の一例である昇降カム65は、アーム部材の一例であるアーム72を回動させてステアリング回転体の一例であるステアリングローラ33を傾斜させる。
第2カム機構の一例であるカムフォロア面79は、第1カム機構の一例である昇降カム65と連動して付勢バネ70の他端を移動させる。
同軸の一例であるカム軸82は、第1カム機構の一例である昇降カム65と第2カム機構の一例であるカムフォロア面79とを駆動する。
付勢バネ70の外側端は、U溝72aに沿って移動可能な軸受け74に固定され、付勢バネ70の内側端は、バネアーム78に回動可能に支持されたバネ受け84に固定されている。バネアーム78は、ユニットフレーム64に固定された支持軸77に軸支されて回転自在であるが、バネアーム78のカムフォロア面79がカム80に接触する位置へ位置決められている。
図5に示すように、一方、背面側の軸受け75を外側方向へ付勢する付勢バネ71の内側端は、バネ受け81に固定され、バネ受け81は、アーム73の中間位置に固定されている。アーム73は、ロックピン73bによってユニットフレーム64上の一定の回動位置に固定され、回動動作は行われない。
図4に示すように、付勢力調整機構37は、ステアリングローラ33の軸受け74の昇降と連動させてバネアーム78を回動させて、バネ受け84をアーム72に沿った方向へ移動させる。これにより、付勢バネ70の圧縮長さを変化させて、付勢バネ70の付勢力を調整し、ステアリングローラ33の作動に伴う付勢バネ70の付勢力の上昇を相殺して、付勢バネ71の付勢力に一致させ続ける。
ギアモータ83は、昇降カム65のカム軸82を回転させてアーム72を回動させ、アーム72の先端側の軸受け74を昇降させる。このとき、カム軸82は、昇降カム65と一体にカム80を回転させて、カムフォロア面79がカム80に接触する位置を変化させる。カムフォロア面79には、ステアリングローラ33の作動に伴う付勢バネ70の付勢力の上昇を相殺するようにバネ受け84を移動させる案内曲線が形成されている。
図6に示すように、アーム72を上方へ回動させて正面側の軸受け74を上昇させると、バックアップローラ62、63の間のベルト長さに規制されて正面側の軸受け74が内側へ押し込まれて付勢バネ70の付勢力を上昇させる。このとき、カムフォロア面79は、カムフォロア面79がカム80に接触する位置をアーム72に沿った内側方向へ移動させて、付勢バネ70の付勢力を一定に保つ。
図7に示すように、アーム72を下方へ回動させて正面側の軸受け74を下降させると、バックアップローラ62、63の間のベルト長さに規制されて正面側の軸受け74が外側へ押し出して付勢バネ70の付勢力を下降させる。このとき、カムフォロア面79は、カムフォロア面79がカム80に接触する位置をアーム72に沿った外側方向へ移動させて、付勢バネ70の付勢力を一定に保つ。
カム軸82が所定角度回転されると、昇降カム65が回転してアーム72が回動してステアリングローラ33の正面側端部が昇降する。
図8の(a)に示すように、ステアリングローラ33の正面側の端部が偏角εだけ傾斜される。
図8の(b)に示すように、このとき、ステアリングローラ33に偏角εが設定されて、ステアリングローラ33に巻き付いた中間転写ベルト31にスラスト移動量dが設定される。スラスト移動量dは、ステアリングローラ33の端部の偏角εによって制御される。
ステアリングローラ33に対する中間転写ベルト31の巻き付き開始点と巻付き終了点との間にスラスト移動量dが生じる。中間転写ベルト31に昇降カム(65:図4)の回動角に応じた幅方向の移動速度が付与され、中間転写ベルト31は、一周に一回、スラスト移動量dを得ることで、片寄り方向と反対方向へ向かって幅方向へ継続的に移動する。
<ステアリングローラの移動軌跡>
図9はステアリング機構の実寸法の説明図、図10はステアリング軌跡の説明図である。
図9に示すように、第1実施形態の画像形成装置100におけるバックアップローラ62の中心とバックアップローラ63の中心とステアリング前のステアリングローラ33の中心とを結ぶ三辺の長さがa、b、cの三角形を想定する。
角度αは80度、角度βは60度、角度γは40度、長さaは80mm、長さbは70.35mm、長さcは52.22mmである。
ステアリングローラ33の半径R1は10mm、バックアップローラ62の半径R3は15mm、バックアップローラ63の半径R2は5mmである。
アーム72の支持軸76の中心座標を(x=20mm、y=−30mm)とし、昇降カム65のカム軸82の中心座標を(x=47.82mm、y=−9.63mm)とした。
アーム72の支持軸76の中心からバネアーム78のカムフォロア面79までのシフト量を5mmとした。
バネアーム78の支持軸77の中心座標を(x=14.67mm、y=19.02mm)とし、支持軸77の中心から張架点2までの距離を25mmとした。
昇降カム65の半径R4を12mmとし、偏心量dを8mmとした。
カム80の頂点半径を12.50mmとした。
付勢バネ70、71の自然長を32.8mmとし、バネ定数を2.56N/mm(256gf/mm)とした。
ステアリング前の付勢バネ70、71の変形量を2.80mmとした。
バックアップローラ62における中間転写ベルト31の巻き付き角度Φ3は、ステアリングローラ33の移動に伴って変化するが、角度qは一定で205.80度である。
バックアップローラ63における中間転写ベルト31の巻き付き角度Φ2は、ステアリングローラ33の移動に伴って変化するが、角度pは一定で156.44度である。
中間転写ベルト31の伸びが微小と仮定すると、ステアリングローラ33の位置は、バックアップローラ62に対する巻き付き始めからバックアップローラ63に対する巻き付き終わりまでの中間転写ベルト31の長さLが一定という拘束条件に規定される。長さLは、151.45mmである。
この拘束条件に従って、図6、図7に示すように付勢バネ70が伸縮して、図9に示す軌跡に沿ってステアリングローラ33の正面側の端部が移動することは、上述したとおりである。
bを斜辺とする直角三角形の開き角度をρとすると、sin(ρ)は次式による。
sin(ρ)=(R3−R1)/b ・・・(1)
cを斜辺とする直角三角形の開き角度をσとすると、sin(σ)は次式による。
sin(σ)=(R2−R1)/c ・・・(2)
従って開き角度ρ、σは次式による。
ρ=arcsin((R3−R1)/b) ・・・(3)
σ=arcsin((R2−R1)/c) ・・・(4)
ステアリングローラ33に対する巻き付き角度をφ1とすると、ステアリングローラ33に対する巻き付き長さL1は次式による。
L1=R1*φ1
φ1=2*π−(π/2+ρ+α+σ+π/2)
=π−(ρ+α+ρ) ・・・(5)
バックアップローラ63に対する巻き付き角度をφ2とすると、バックアップローラ63に対する巻き付き長さL2は次式による。
L2=R2*φ2
φ2=2*π−(π/2−σ+β+p)
=3/2*π−(β−σ+p) ・・・(6)
バックアップローラ62に対する巻き付き角度をφ3とすると、バックアップローラ62に対する巻き付き長さL3は次式による。
L3=R3*φ3
φ3=3/2*π−(γ−ρ+q) ・・・(7)
また、正弦定理より、b、cは次式による。
b=a*SIN(β)/SIN(α)
=a*SIN(β)/SIN(β+γ) ・・・(8)
c=a*SIN(γ)/SIN(α)
=a*SIN(γ)/SIN(β+γ) ・・・(9)
なお、α、β、γは三角形の内角のため、角度α及びsinαは次式による。
α=π−(β+γ) ・・・(13)
SIN(α)=SIN(π−β−γ)=SIN(β+γ) ・・・(10)
バックアップローラ62に対する巻き付き始めからバックアップローラ63に対する巻き付き終わりまでの中間転写ベルト31の長さLは次式による。
L=L1+L2+L3+b*cosρ+c*cosσ
=R1*Φ1+R2*Φ2+R3*Φ3+((b2−(R3−R1)2)1/2+(c2−(R2−R1)2)1/2 ・・・(11)
(1)式〜(8)式を(11)式に代入すると、長さLは角度β、γの2変数の次式となる。
L(β、γ)=Cnst ・・・(12)
表1には、このようにして求めたステアリングローラ33の軌跡における角度β、γの変化を示した。
Figure 2009025475
図10には、このようにして求めたステアリングローラ33の正面側の軸端の移動軌跡を示した。
図10に示すように、第1実施形態では、ステアリングローラ33が中間転写ベルト31の移動方向の反転位置に配置されている。このため、中間転写ベルト31の巻き付き始めと巻き付き終わりとを結ぶ線分dm方向とステアリングローラ33の正面側の軸端の移動軌跡iとが平行になり、安定した効率の高いステアリング動作が可能である。
<カムフォロア面の案内曲線>
図11はカムフォロア面の案内曲線の説明図、図12はステアリング動作に伴う中間転写ベルト31の張力変化の線図である。
図5に示すように、中間転写ベルト31の背面側は、ステアリングローラ33の背面側の軸端が回動端として付勢バネ71で付勢されているので張力が一定である。
図6、図7に示すように、ステアリングローラ33の正面側の軸端が移動軌跡(i:図10)に沿って移動すると、軸受け74がアーム72に沿った方向に出入りして、付勢バネ70の押し込み量を変化させる。このとき、バネアーム78のカムフォロア面79が、カムフォロア面79とカム80との接触位置をアーム72に沿った方向へ移動させて、付勢バネ70の付勢力を一定に保つ。
カムフォロア面79は、ステアリングローラ33の正面側が上昇すると、軸受け74を内側に移動させ、ステアリングローラ33の正面側が下降すると、軸受け74を外側へ移動させる。
カムフォロワ面79は、アーム72の昇降と連動して付勢バネ70の支持軸76側を固定したバネ受け84をアーム72に沿った方向へ次式を満たすように移動させる。
εb*COS(φb)/COS(φm/2)=Const ・・・(13)
ただし、φm:ステアリングローラ33に対する中間転写ベルト31の巻き付き角、Const:定数である。
これにより、ステアリング動作に伴う中間転写ベルトの張力Tの変動を無くすことができる。
図11に示すように、バネアーム78のカムフォロア面79は、支持軸76の中心を極とする極座標表示で表2に示すように設計されている。
Figure 2009025475
カムフォロア面79がバネアーム78を制御する第1実施形態では、表3に示すように、カム80の回動角θが−25度〜+23度の範囲で、付勢バネ70の付勢力F及び中間転写ベルト31の張力Tが一定である。
Figure 2009025475
図12に示すように、ステアリングの開始位置と停止位置とではもちろん、開始位置から停止位置への移動過程においても、中間転写ベルト31の張力変動が概ね解消される。これにより、簡易な構成で高品位画像出力を実現できる。
<比較例のステアリング機構>
図13は比較例のステアリング機構の構成の正面図、図14はステアリングローラの正面側を上方へ傾けた状態の説明図、図15はステアリングローラの正面側を下方へ傾けた状態の説明図である。
図13に示すように、比較例のステアリング機構30Hは、第1実施形態のステアリング機構30を置き換えて図1に示す画像形成装置100に設置される。また、付勢バネ70の支持軸76側のバネ受け84Hがアーム72Hに固定されている以外は第1実施形態のステアリング機構30と同様に構成される。従って、図13〜図15中、図1〜図9と共通する構成には共通の符号を付して重複する説明を省略する。
ステアリング機構30Hでは、付勢バネ70の外側端は、U溝72aに沿って移動可能な軸受け74に固定され、付勢バネ70の内側端は、アーム72Hに固定して設けたバネ受け84Hに固定されている。
図5に示すように、付勢バネ71の外側端は、U溝73aに沿って移動可能な軸受け75に固定され、付勢バネ71の内側端は、アーム73に固定して設けたバネ受け81に固定されている。アーム73は、ロックピン73bによってユニットフレーム64上の一定の回動位置に固定されている。
図13に示すように、ギアモータ83は、昇降カム65のカム軸82を回転させて昇降カム65に当接するアーム72Hを回動させ、アーム72Hの先端側の軸受け74を昇降させる。
図14に示すように、アーム72Hを上方へ回動させて正面側の軸受け74を上昇させると、バックアップローラ62、63の間の中間転写ベルト31の長さに規制されて正面側の軸受け74が内側へ押し込まれて付勢バネ70の付勢力を上昇させる。
図15に示すように、アーム72Hを下方へ回動させて正面側の軸受け74を下降させると、バックアップローラ62、63の間の中間転写ベルト31の長さに規制されて正面側の軸受け74が外側へ押し出して付勢バネ70の付勢力を下降させる。
比較例でも、図9に示すバックアップローラ62に対する巻き付き始めからバックアップローラ63に対する巻き付き終わりまでの中間転写ベルト31の長さLが一定という拘束条件がある。この拘束条件によってステアリングローラ33の正面側の軸端の軌跡が規定される。しかし、付勢バネ70の支持軸76側の張架点がアーム72Hに固定されているため、表4に示すように、ステアリングローラ33の回動位置に応じて付勢バネ70の付勢力F及び中間転写ベルト31の正面側の張力Tが変化する。
Figure 2009025475
カム80の回動角θが−25度〜+23度の範囲で、付勢バネ70の付勢力Fが大きく変化して中間転写ベルト31の張力Tも大きく変化する。このため、中間転写ベルト31の正面側と背面側とで張力バランスが崩れて、図12に破線で示すように、ステアリング動作に伴ったベルト張力変動を生じる。
張力バランスによるステアリング効果が重畳されてしまい、中間転写ベルト31のステアリング量に対して中間転写ベルト31が幅方向へ移動する再現性、応答性が第1実施形態ほど高くない。
ステアリング動作時の張力変動はバックアップローラ62を越えて図1に示す画像形成部SA、SB、SC、SDに伝達される。画像形成部SA、SB、SC、SDで張力変動に伴う幅方向の移動が発生して各色トナー像の精密な重ね合わせを妨げていた。中間転写ベルト31の張力変動が高品位画像の出力を妨げていた。
図4に示すように、これに対して、第1実施形態のステアリング機構30は、付勢力調整機構37によって中間転写ベルト31の張力変動を図12に太線で示すように減少させている。このため、張力変動に起因する障害が除かれて高品位画像の出力が可能となる。
ところで、画像形成装置に用いられるベルト部材においては、内周面を支持する回転体が様々な機能(駆動ローラ、転写ローラ、加熱ローラ、クリーニング部材バックアップ等)を受け持つ。これらの機能上、多くの回転体については、ベルト部材の外周方向に位置の自由度を持たせて外側へ付勢を行うことが困難な場合が多い。
ステアリングローラ以外の回転体で付勢バネを設けてベルト部材に張力を付与することは、機構の複雑化を招いて、画像形成装置の小型化の観点からも望ましくない。対向する部材が有る回転体の場合、周囲の機構全体を複雑な構成で移動可能に構成する必要がある。
これに対して、第1実施形態では、ステアリングローラ33がテンションローラを兼ねている。このため、テンションローラを用いてベルト部材に張力を付与する画像形成装置に比較しても、さらに一段の部品点数削減、機構の簡素化、小型化を果たしている。
ステアリング動作に伴って発生する張力変動をステアリング動作に連動して補正するので、高いステアリング効率を確保しつつ、中間転写ベルト31の搬送精度を向上させて、高品位画像出力を実現できる。
ステアリング動作の前後はもちろん、ステアリング動作過程におけるすべてのタイミングで張力変動をほぼ0にできる。画像形成中にステアリング動作が行われても、出力画像の品質に影響が及ばない。
<第2実施形態>
図16は第2実施形態の画像形成装置のステアリング機構の説明図である。
第1実施形態は、ステアリングローラがテンションローラを兼ねている実施形態を説明している。しかし、ステアリングローラとは別にテンションローラが配置されている場合においても、テンションローラを支持する付勢バネの張架点に同様な移動機構を設けて本発明を実施できる。
第2実施形態の画像形成装置は、図1に示す画像形成装置100のステアリング機構30を図16に示すステアリング機構30Aに置き換えて構成される。ステアリング機構30Aは、ステアリングローラ33Bを傾斜させた際に発生する中間転写ベルト31の両端の張力差をテンションローラ33Aの付勢バネ70の付勢力調整によって相殺する。
図16に示すように、中間転写ベルト31は、ステアリングローラ33B及びテンションローラ33Aに支持されて矢印R2方向に移動している。
テンション回転体の一例であるテンションローラ33Aは、付勢バネ70によって、中間転写ベルト31を突き出す方向に付勢されて、中間転写ベルト31に張力を付与している。
中間転写ベルト31は、移動に伴ってテンションローラ33Aの軸方向に移動して片寄りする可能性がある。中間転写ベルト31の内周面を支持する各ローラのアライメント誤差、各ローラに沿った方向の中間転写ベルト31の張力バランス、各ローラ表面の摩擦状態の方向性等に起因して、移動方向に直行するスラスト方向へベルト変位が生じるからである。
中間転写ベルト31の片寄りは、放置すると、中間転写ベルト31が各ローラの縁に達して中間転写ベルト31の損傷や脱落を招くため、片寄りの反対方向へ移動させて修正する必要がある。
しかし、リブ、つば、案内溝等の機械的な幅方向の拘束構造に頼る場合、恒常的にベルト側構造とローラ側構造とが摩擦するため、消費電力、摩擦熱、摩擦変動に伴う回転ムラ等が問題となる。
このため、テンションローラ33Aの上流側にステアリングローラ33Bを配置している。ステアリングローラ33Bの背面側は第1実施形態と同様に傾斜の基点として付勢バネ71で外側に付勢されている。
そして、中間転写ベルト31の片寄り状態の検知結果に応じてステアリングローラ33Bの傾斜量を調整して、中間転写ベルト31を片寄りの逆方向へ移動させて、中間転写ベルト31の幅方向の位置を動的に制御している。(図2参照)。
しかし、ステアリングローラ33Bの傾斜量を変化させると、中間転写ベルト31の張力変動が発生する可能性がある。特に、中間転写ベルト31のステアリング効果が高い方向へステアリングローラ33Bを傾斜させると、テンションローラ33Aが近傍に存在しても、中間転写ベルト31の両端に張力差が発生する(表4参照)。
そして、中間転写ベルト31の両端に張力差が発生すると、中間転写ベルト31のステアリング制御が不安定になったり、トナー像の転写に影響を及ぼしたりする可能性がある。
そこで、一端側でテンションローラ33Aの正面側の軸受けを外側に付勢する付勢バネ70の他端106を、ステアリングローラ33Bの偏角εに連動して移動させて、中間転写ベルト31の両端の張力差を軽減している。
付勢力調整機構は、ステアリングローラ33Bの正面側の軸受けの昇降と連動させて、付勢バネ70の他端106を移動させる。これにより、付勢バネ70の圧縮長さを変化させて、付勢バネ70の付勢力を調整し、ステアリングローラ33Bの作動に伴う付勢バネ70の付勢力の上昇及び下降を相殺する。
ここで、ステアリングローラ33Bの正面側の端部が偏角εだけ傾斜した場合を考える。このとき、図8の(b)に示すように、ステアリングローラ33(33B)に対する中間転写ベルト31の巻き付き開始点と巻付き終了点との間にスラスト移動量dが生じる。
図16に示すように、巻き付き開始点103と巻き付き終了点104との距離をdm、距離dmの方向とステアリング方向のなす角をφs、ステアリングローラ33Bの軸方向の長さをksとする。
このとき、偏角εとスラスト移動dとの関係は次式となる。
d=ε*dm/ks*COS(φs) ・・・(14)
従って、巻き付き開始点103と巻き付き終了点104とを結んだ方向にステアリング方向が一致する(φs=0→COS(φs)=max)とき、偏角εに対するスラスト移動量dが最大となる。
そして、距離dmの方向とステアリング方向のなす角φsが増大すると、COS(φs)の比率で、偏角εに対するスラスト移動量dが低下して、ステアリング効率が低下する。
図16に示すように、付勢バネ70に付勢されたテンションローラ33Aによって中間転写ベルト31に張力Tfが発生していると想定する。付勢バネ70のバネ定数をKb、付勢バネ70の変形量をεb、テンションローラ33Aに対する中間転写ベルト31の巻き付き角をφmとする。また、テンションローラ33Aに対する中間転写ベルト31の巻き付き開始点と巻き付き終了点とを結んだ線分の垂直二等分線と付勢バネ70の付勢方向のなす角をφbとする。
このとき、次式が成立する。
Tf=Kb*εb*COS(φb)/(2*COS(φm/2))・・・(15)
ステアリングローラ33Bの偏角εが変化すると、(14)式の変数のうち、εb、φb、φmが同時に変化して、張力Tfに変化が生じる。
しかし、付勢バネ70の他端106を(14)式のTfが一定になるように移動すれば、言い換えれば次式のように移動すれば、ステアリング過程を通じて中間転写ベルト31の張力Tfが一定に維持される。
εb*COS(φb)/COS(φm/2)=Const ・・・(13)
このことは、第1実施形態のように、ステアリングローラ33がテンションローラを兼ねて付勢バネ70によって付勢されている場合でも同様である。
従って、ステアリング動作に連動して(13)式の関係を保って付勢バネ70の付勢力を変化させることによって、ステアリング過程及びステアリング前後における中間転写ベルト31の両端の張力差を解消できる。
図1に示すように、これにより、中間転写ベルト31の走行が安定して画像品質のばらつきが軽減される。また、一次転写部T1、二次転写部T2、感光ドラム11aの回転等に対するステアリング動作の影響をほとんど無くすことができ、画像形成装置100のより高品位な画像出力を実現できる。
なお、特許文献1では、(13)式の関係が保てる方向へステアリング回転体を移動しているが、付勢バネ70の付勢力を変化させていないことは言うまでもない。
従って、第1実施形態及び第2実施形態は、(13)式を用いて以下のように定義される。
第1実施形態及び第2実施形態は、ステアリング動作に連動して、εb*COS(φb)/COS(φm/2)=Constの関係が保たれるように、一対の付勢手段の少なくとも一方の付勢力を調整する付勢力調整機構を備える。
<その他の実施形態>
図17は第3実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図18は第4実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
第1実施形態は、実施形態の一例として中間転写ベルトによる実施形態を説明しているが、第1実施形態で説明したステアリング機構30は、中間転写ベルト31以外でのステアリングにも採用できる。
図17に示すように、画像形成部SA、SB、SC、SDを記録材搬送ベルト31Dに沿って配列した画像形成装置200は、ステアリング機構30を用いて記録材搬送ベルト31Dを幅方向に位置決める。
図18に示すように、画像形成部Sの感光ドラム11に形成したトナー像を転写ベルト31Eに吸着させた記録材に転写する画像形成装置300は、ステアリング機構30を用いて転写ベルト31Eを幅方向に位置決める。
また、加熱された定着ベルト31F、31Gで記録材を挟持搬送してトナー像を定着させる定着装置40Bは、ステアリング機構30を用いて定着ベルト31F、31Gを幅方向に位置決める。
従って、本発明は、中間転写ベルトのステアリングのみならず、定着装置の定着ベルトのステアリング、記録材搬送ベルトのステアリング、転写ベルトのステアリングにおいても同様に実施できる。
言うまでもなく、トナーを静電像に付着して形成したトナー像を記録材に転写する画像形成装置では、従来、様々なベルト部材が用いられている。
ベルト部材の張架面上で各色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する中間転写ベルトは、そのような本発明を実施可能なベルト部材の一例に過ぎない。
張架面に対向部材とのニップを形成して、未定着のトナー像や仮定着されたトナー像が乗った記録材を挟持加熱して画像定着を行う定着ベルトもまた、そのようなベルト部材の一例に過ぎない。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 中間転写ベルトのステアリング制御系の説明図である。 中間転写ベルトのステアリング機構の斜視図である。 ステアリング機構の正面図である。 ステアリング機構の背面図である。 ステアリングローラの正面側を上方へ傾けた状態の説明図である。 ステアリングローラの正面側を下方へ傾けた状態の説明図である。 ステアリングローラの動作の説明図である。 ステアリング機構の実寸法の説明図である。 ステアリング軌跡の説明図である。 カムフォロア面の案内曲線の説明図である。 ステアリング動作に伴う中間転写ベルトの張力変化の線図である。 比較例のステアリング機構の構成の正面図である。 ステアリングローラの正面側を上方へ傾けた状態の説明図である。 ステアリングローラの正面側を下方へ傾けた状態の説明図である。 第2実施形態の画像形成装置のステアリング機構の説明図である。 第3実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 第4実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
符号の説明
30 ステアリング機構
31 ベルト部材(中間転写ベルト)
32、33、34 回転体(駆動ローラ、ステアリングローラ、バックアップローラ)
33、33B ステアリング回転体(ステアリングローラ)
33A テンション回転体(テンションローラ)
37 付勢力調整機構、バネ受け移動機構(付勢力調整機構)
62、63 バックアップ回転体(バックアップローラ)
65 第1カム機構(昇降カム)
70、71 付勢手段、バネ部材(付勢バネ)
72 アーム部材(アーム)
74 ステアリング回転体の一方の軸受け部(軸受け)
79 第2カム機構(カムフォロア面)
82 同軸(カム軸)
100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 複数の回転体に支持されて移動するベルト部材と、
    前記ベルト部材を支持して傾斜角度が変更されるステアリング回転体と、
    前記ステアリング回転体を前記ベルト部材に押圧させる一対の付勢手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記ステアリング回転体の前記傾斜角度を変更する動作に連動して少なくとも一方の前記付勢手段の付勢力を変化させて、前記ステアリング回転体の傾斜に伴って発生する前記一対の付勢手段の付勢力差を減少させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記付勢手段は、前記ステアリング回転体の両端にそれぞれ一端が連結された一対のバネ部材であって、
    前記ステアリング回転体を傾斜させる動作に連動して一方の前記バネ部材の他端を移動させて前記付勢力を変化させるバネ受け移動機構を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記ステアリング回転体は、前記ベルト部材の折り返し位置に配置され、
    前記ベルト部材の移動方向に前記ステアリング回転体を挟んで、一対のバックアップ回転体が配置され、
    前記ステアリング回転体の傾斜量は、前記一対のバックアップ回転体から前記ベルト部材が離間しない範囲で制御されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記ステアリング回転体の一方の軸受け部を回動可能に支持するアーム部材と、
    前記アーム部材を回動させて前記ステアリング回転体を傾斜させる第1カム機構と、
    前記第1カム機構と連動して前記バネ部材の他端を移動させる第2カム機構と、を有し、
    前記第1カム機構と第2カム機構とは同軸で駆動されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 複数の回転体に支持されて移動するベルト部材と、
    前記ベルト部材の内側面を支持して前記ベルト部材の移動方向を制御するステアリング回転体と、
    前記ベルト部材の内側面を支持して前記ベルト部材に張力を付与するテンション回転体と、
    前記テンション回転体の両端をそれぞれ外側に向かって付勢する一対の付勢手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記テンション回転体を傾斜させる動作に連動して少なくとも一方の前記付勢手段の付勢力を変化させて、前記傾斜に伴って発生する前記一対の付勢手段の付勢力差を減少させることを特徴とする画像形成装置。
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