JP2009024798A - すべり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】周方向に交差する方向に延びる複数の溝に貯留する潤滑油が、軸の回転に伴ってその溝に隣接する摺動面の全域に十分に供給され、これによって優れた潤滑効果が得られ、高い面圧を受けても金属接触が抑えられて摩耗しにくく円滑な軸受作用を長期にわたって発揮させることができるすべり軸受を提供する。
【解決手段】軸受1の内周面10に、次の(A)〜(D)の条件で傾斜溝12を形成し、(A)周方向と直交する方向に対して10〜60゜の範囲、(B)周方向の溝幅Bを0.5〜5mm、(C)隣接する当該溝間の山部の表面である摺動面14の周方向の幅Aを1〜7mm、(D)摺動面の幅Aと溝幅Bとの比A/Bを0.5〜5.0、さらに、軸受1に傾斜溝12と連通する内周溝15および外周溝16を一対の状態で形成するとともに、内周溝15および外周溝16を貫通する貫通孔17を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設用機械の軸受のように、比較的寸法が大きくて軸受面である内周面に高い面圧が作用するとともに、軸受に対する軸の摺動が比較的低速度の揺動運動である軸受として好適に用いられるすべり軸受に関する。
一般に、油圧ショベル等の建設用機械が備えるアームの関節部分は、軸受に挿入された軸が、ある程度の回動角度の範囲で繰り返し相対的に揺動するようになっており、20MPa以上の高い面圧を受ける。このため、この種の軸受としては、耐摩耗性に優れた材料を用いたすべり軸受が使用され、摺動面には粘度の高い潤滑油やグリース、ワックス等が供給されている。このようなすべり軸受にあっては、高い面圧を受けても金属接触が抑えられて摩耗しにくく円滑な軸受作用を発揮する上で、摺動面への潤滑油の供給が十分になされることが求められる。このため、すべり軸受の材料としては炭素鋼の熱処理品や高力黄銅等の材料が適用され、近年では、焼結材料の適用も具体化されている(特許文献1参照)。
上記の材料や潤滑油は優れたものであるが、よりいっそうの軸受の寿命延長を目的として、軸受の内周面に、周方向に交差する方向に延びる複数の傾斜溝を形成し、その傾斜溝内に貯留する潤滑油を軸の回転に伴って摺動面に供給するようにしたすべり軸受も適用されている(特許文献2参照)。
特開2003−222133号公報 特開2006−009846号公報
上記特許文献2に記載される軸受の傾斜溝は、その傾斜溝内に貯留する潤滑油が、回転する軸によって発生する吸引作用によって引き出され、軸の回転方向に隣接する山部の摺動面に流動して、その摺動面を潤滑するといった作用効果を得るためのもので、潤滑油の貯留量が増加して供給量も十分であるとされている。ところが、ある条件下においては、潤滑油が摺動面に十分に供給されない場合が起こることが判明した。その理由としては、傾斜溝内から隣の山部の摺動面に供給される潤滑油の量が、その摺動面全域を潤滑するには不足する場合があるからと推測された。これにより、摺動面において潤滑油量が不足する箇所が生じ、その箇所で金属接触となって、軸受の摩耗が進行することがわかった。
また、この種の軸受は、軸方向を横向きにして使用される場合が多い。このとき、軸が軸受内を回転するため、潤滑油は軸の回転方向へと運ばれる。軸の回転停止時では、軸受下部が重力により高い面圧を受けるため、潤滑油量が不足していると、軸と軸受が金属接触する。そのため、潤滑油が軸受上部へ運ばれる場合では、軸の回転停止時に軸受下部の潤滑油が不足するおそれがあることから、軸受上部に運ばれた潤滑油を軸受下部に戻さなければならない。しかしながら、上記文献に記載のすべり軸受では、軸受下部へ潤滑油が戻りにくいため、軸の回転停止時に軸受下部で潤滑油量が不足してしまい、軸と軸受が金属接触をするおそれがある。
よって本発明は、周方向に交差する方向に延びる複数の溝に貯留する潤滑油が、軸の回転に伴って、その溝に隣接する山部の摺動面の全域に十分に供給され、これによって優れた潤滑効果が得られ、高い面圧を受けても金属接触が抑えられて摩耗しにくく円滑な軸受作用を長期にわたって発揮させることができるすべり軸受を提供することを目的とする。
本発明は、軸孔に挿入される軸を回転自在に支持し、その軸が摺動する内周面に、周方向に交差する方向に延びる複数の直線的な傾斜溝が周方向に間隔をおいて形成され、これら傾斜溝に潤滑油が供給されるすべり軸受であって、前記傾斜溝が、下記(A)〜(D)の条件で形成され、
(A)周方向と直交する方向に対して10°〜60゜の範囲で傾斜している。
(B)周方向の溝幅Bが0.5〜5mm。
(C)隣接する当該傾斜溝間の山部の表面である摺動面の周方向の幅Aが1〜7mm。
(D)前記山部の摺動面の幅Aと前記溝幅Bとの比A/Bが0.5〜5.0。
さらに、前記すべり軸受の内周および外周に少なくとも一対の状態で環状溝が形成されるとともに、前記内周に形成された環状溝は前記傾斜溝に連通しており、前記一対の環状溝を互いに連通させる貫通孔が少なくとも1つ形成されることを特徴としている。
上記条件のうち、(A)の条件は、摺動方向と直交する仮想線が軸受内周のどの位置においても、摺動面と前記傾斜溝とを交差するように傾斜溝の傾斜角度、傾斜溝の幅および摺動面の幅を設定され、軸受内周のどの部分に軸の荷重が掛かっても、軸面は常に摺動面と傾斜溝との両方に接して、摺動面に潤滑油を常時供給する作用を得るための条件である。
また、上記条件のうち、(B)〜(D)を満たした相乗作用により、本発明に係る傾斜溝は従来よりも細くしても摺動面に十分な潤滑油が供給される。このような傾斜溝により、軸の回転に伴って溝内から引き出されて隣の山部の摺動面に流動する潤滑油の量は、その山部の全域にいきわたる量が確保され、このため十分な潤滑効果を得ることができる。すなわち、これらの条件は、内周面に形成する傾斜溝により摺動面を十分に潤滑するために最適化されたものである。
すなわち、本発明のすべり軸受は、特許文献2のすべり軸受を改良したものであり、上記(B)〜(D)の条件により、摺動面全域へ十分な量の潤滑油の供給を果たしたものである。また、摺動面の周方向の幅Aおよび前記摺動面の幅Aと前記溝幅Bとの比A/Bを最適化したことにより、本発明のすべり軸受は、従来のすべり軸受よりも周方向の溝幅Bを狭く、また傾斜溝の傾斜角度を拡大設定でき、摺動面が受ける面圧を低減させたものである。なお、本発明で言う溝幅Bおよび摺動面の幅Aは、上記のように周方向の幅であり、溝の延びる方向に対して直交する方向の幅ではない。
さらに、本発明のすべり軸受では、内周および外周に貫通孔により連通した一対の環状溝が形成されている。この環状溝と貫通孔により、軸の回転で軸受上部に貯留した潤滑油を、軸の回転を停止させたときに高い面圧を受ける軸受下部へ円滑に戻すことができる。このため、潤滑油を摺動面にまんべんなく供給でき、軸の回転停止時の潤滑油不足による軸受下部の金属接触が抑えられる。この結果、摺動面の潤滑をより効率的に行い、かつ、潤滑油の給脂期間を例えば2倍以上に延ばすことが可能となり、すべり軸受の長寿命化を図ることができる。
また、本発明のすべり軸受は焼結合金製であり、すべり軸受の傾斜溝の深さdが0.1〜3mmであることが好ましい。すべり軸受を焼結合金で製作することにより、原料である金属粉末を金型を用いて成形する際に傾斜溝を容易に形成することができるため、効率よく生産することができる。また、傾斜溝が上記条件の深さであると、傾斜溝内に潤滑油が確実に貯留し、かつ、潤滑油を摺動面へ十分に供給できる。
本発明によれば、軸受の内周面に形成する潤滑油貯留用の溝の、周方向に直交する方向に対する傾斜角度、周方向の溝幅、溝間の摺動面の周方向の幅、溝と摺動面との周方向の幅の比、内周面に占める面積率を、その溝から摺動面全域に十分に潤滑油が供給されるように最適化したので、優れた潤滑効果が得られ、高い面圧を受けても金属接触が抑えられて摩耗し難く円滑な軸受作用を発揮させることができる。また、すべり軸受の内周および外周に貫通孔により連通した一対の環状溝を形成することにより、軸の回転で上部に貯留した潤滑油を軸の回転を停止したときに高い面圧を受ける軸受下部へ円滑に戻すことができる。これらの結果、摺動面の潤滑をより効率的に行い、かつ、潤滑油の給脂時間を延長することが可能になり、すべり軸受の長寿命化が図れるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1および図2は、一実施形態の円筒状のすべり軸受を示しており、図1は斜視図、図2は側面図である。図2の上側は、軸受1の側面の断面図を表している。また、図3は、軸受1の内周面10の展開図である。この軸受1の内周面10には、周方向(図2の矢印Rで示す方向)に交差する方向に延びる複数の直線的な傾斜溝12が、周方向に等間隔をおいて形成されている。また、軸受1の内周および外周には周方向に延びる環状の内周溝15および外周溝16が全周にわたって1つずつ形成されている。これら内周溝15と外周溝16は軸受1の軸方向のほぼ中央に形成されている。そして、軸受1には、これら内周溝15と外周溝16とを連通する貫通孔17が形成されている。この場合、貫通孔17は、互いに180°位相がずれた位置に1つずつ、計2つ形成されている。
図4および図5は軸受1の軸孔11に軸20が回転自在に挿入された状態の断面図であり、図4は傾斜溝12を示す断面図、図5は内周溝15および外周溝16を示す断面図である。軸20は、傾斜溝12間の山部13の表面である摺動面14を摺動しながら揺動運動する。
この軸受1は、内周面の直径が20〜150mm程度、軸方向高さが20〜150mm程度であり、油圧ショベル等の建設用機械が備えるアームの関節部分において、主に軸方向を横向きに配置されて、横方向に配置された軸20の荷重をその内周面10で支承し、20MPa以上の高面圧下で、最大摺動速度が20〜50mm/s程度の速度となる揺動運動に使用されるものである。このような軸20の揺動運動は、揺動角の両端で静止するとともに、運動方向が切り替わるというように動作する。すなわち、静止状態と摺動状態とを繰り返しながら運転される。したがって、この種のすべり軸受においては、動摩擦係数とともに、静止摩擦係数の両者を低減することが要求される。特に静止摩擦係数は動摩擦係数に比して値が大きいため、金属接触を防止するためには静止摩擦係数を低減することが重要である。
本実施形態の軸受1は、前出の特許文献2のすべり軸受を改良したもので、特許文献2のすべり軸受と同様に、軸受1の内周面10に設けた傾斜溝12に潤滑油を貯留し、この潤滑油が、回転する軸により発生する吸引作用によって引き出され、軸20の回転方向に隣接する山部13の表面である摺動面14に流動して、その摺動面14を潤滑する作用を得るものである。
また、軸受1は、軸20の摺動方向(図2の矢印R方向)と直交する仮想線が軸受内周のどの位置においても前記傾斜溝12と摺動面14とに交差するように、傾斜溝12の傾斜角度θ、傾斜溝12の幅および摺動面14の幅が設定され、軸受内周のどの部分に軸20の荷重が掛かっても、軸面は常に傾斜溝12と摺動面14との両方に接して、摺動面14に潤滑油を常時供給する作用を有する。また、傾斜溝12は、軸受1の外部から異物が浸入した場合に、異物の逃げ場として作用し、異物が摺動面14に浸入することを防止して、異物による摩耗を防止する効果も有する。
上記の作用を有する傾斜溝12において、傾斜溝12の間隔すなわち摺動面14の幅が広いと、摺動面14が受ける面圧が低下するが、その一方で広すぎると摺動面14全域への良好な潤滑油の供給がなされなくなる。また、摺動面14の幅が狭いと、潤滑油の供給を行い易くなるが、軸20の荷重を受ける摺動面14の面積が減少するため、摺動面14が受ける面圧が増大するので金属接触が生じ易くなる。これらの観点から本発明者等が検討した結果、摺動面14の周方向の幅A(摺動面の幅A)を1〜7mmとすると、摺動面14が受ける面圧が著しく増大することなく、摺動面14全域への良好な潤滑油の供給が果たせることことを見出した。したがって、本実施形態の軸受1は、摺動面14の幅Aを1〜7mmとする。
傾斜溝12の幅については、狭すぎると潤滑油の貯留量が乏しくなり、摺動面14への潤滑油の十分な供給が果たせなくなる。その一方で傾斜溝12の幅が広すぎると、潤滑油が漏洩し易くなるとともに、軸20の荷重を受ける摺動面14の面積が減少するため、摺動面14が受ける面圧が大きくなることにより金属接触が生じ易くなり、動摩擦係数が増加する。これらの観点から検討した結果、摺動面14の幅Aを上記のように設定した場合、傾斜溝12の周方向の幅B(溝幅B)を0.5〜5mmと、特許文献2よりも狭く設定しても、摺動面14への潤滑油の十分な供給が果たせ、動摩擦係数を低減できることを見出した。このことから、本実施形態の軸受1は、溝幅Bを0.5〜5mmとする。また、軸受1においては、横幅Bを上記のように特許文献2のものよりも狭く設定した場合においても、摺動面14が受ける面圧は特許文献2のものよりも低減でき、より効果的に摺動面14全域への良好な潤滑油の供給が果たせる。
また、上記の幅Aと溝幅Bは、摺動面14全域に潤滑油を十分に供給するにあたり密接な関係にある。すなわち、溝幅Bを上記範囲内で広く設定すれば、傾斜溝12に貯留される潤滑油の量が多くなるため、摺動面14に供給できる潤滑油量が多くなり、幅Aを大きく設定して、摺動面14の受ける面圧を低下させることが可能となる。一方、溝幅Bを狭く設定すると、傾斜溝12に貯留される潤滑油の量が少なくなるため、摺動面14に供給できる潤滑油量が少なくなり、幅Aを狭く設定せざるを得なくなる。したがって、良好な潤滑状態を得るためには、幅Aと溝幅Bを適切な比とすることが必要である。
この観点より、本実施形態の軸受1では、幅Aと溝幅Bとをそれぞれ上記のように設定するとともに、幅Aと溝幅Bとの比A/Bを0.5〜5.0の範囲に設定する。幅Aと溝幅Bとの比A/Bが上記範囲内であれば、摺動面14が受ける面圧が過大とならず、良好な摺動面14全域への潤滑状態が得られ、動摩擦係数を低減できるとともに、摩耗し難く円滑な軸受作用を長期にわたって発揮するすべり軸受とすることができる。一方、幅Aと溝幅Bとの比A/Bが0.5に満たない場合、幅Aが溝幅Bに比して小さくなり過ぎて、摺動面14が受ける面圧が過大となり、金属接触が発生し易くなり、場合によっては座屈等の変形が生じるおそれがある。また、A/Bが5.0を超えると、幅Aが溝幅Bに比して大きくなり過ぎて、摺動面14全域への良好な潤滑状態を得難くなって、金属接触が発生し易くなり、摩耗が生じるおそれがある。
軸受1は、上記のように幅A、溝幅Bおよび幅Aと溝幅Bの比A/Bを最適化したことにより、摺動面14が受ける面圧が著しく増大することなく、摺動面14全域への良好な潤滑油の供給が果たしたもので、これにより金属接触の発生を抑制するとともに動摩擦係数が低減され、摩耗し難く円滑な軸受作用を長期にわたって発揮することを実現した。また、このように摺動面14全域への良好な潤滑油の供給が果たされる結果、起動時および揺動角の両端での静止時においても、軸20と軸受1の摺動面14との間に潤滑油の油膜が維持され、静止摩擦係数の低減、および静止状態から運動状態へと移行する際の金属接触の防止が果たされる。
上記のように幅Aと溝幅Bの各々の大きさ、およびそれらの比A/Bを設定しても、傾斜溝12の傾斜角度θが小さすぎる場合、内周面10の軸20と接触する部分において、接触部分が横切る傾斜溝12の数と摺動面14の数は少なくなるとともに、傾斜溝12の長さと摺動面14の長さが長くなって、接触部分全体としては、潤滑状態が不均一な状態となる。傾斜溝12の傾斜角度θがある程度を超えると、接触部分を横切る傾斜溝12の数と摺動面14の数が増加するとともに、傾斜溝12の長さと摺動面14の長さが適切なものとなり、摺動部全域への良好な潤滑状態が得られる。一方で、傾斜溝12の傾斜角度θが大きすぎると、接触部分を横切る傾斜溝12の数と摺動面14の数はさらに増加するものの、潤滑油が傾斜溝12に沿って流動して、摺動面14への供給が不十分となる。これらの観点より傾斜溝12の傾斜角度θは10〜60°が適切であり、好ましくは15〜50°程度、より好ましくは20〜40°程度で摩擦係数が低く安定した値を示すので好適である。すなわち、本実施形態においては、幅Aと溝幅Bの各々の大きさおよびそれらの比A/Bを最適に設定したことにより、傾斜溝12の傾斜角度を特許文献2に比して適用範囲の拡大を果たしたもので、その結果、すべり軸受の設計の自由度が向上したものとなる。
溝の間隔は図1〜3に示すような等間隔でもよいが、上記の幅A、溝幅Bおよび摺動面の幅Aと溝幅Bの比A/Bの範囲となるように形成すれば等間隔でなくともよい。また、傾斜溝12の深さdは、浅いと潤滑油の貯留量が少なく、摺動面14全域に潤滑油を供給することができないので、0.1mm以上とする必要がある。その一方で、傾斜溝12の深さdを深くしすぎると、傾斜溝12の底部に対して摺動面14の高さが大きくなり、高面圧、揺動運動の運転環境の下、摺動部の座屈が発生するおそれがある。このため傾斜溝12の深さdは3mm以下に止めるべきである。
なお、傾斜溝12の断面形状は、図示例では矩形状であるが、円弧状、U字状等、任意の形状が選択されるが、軸の揺動運動時に摺動面に潤滑油を供給し易いV字状、あるいは上面の幅が大きい台形状のものとすることが好ましい。また、傾斜溝12から傾斜溝12間の摺動面14に移行する角部は、潤滑油の流動性の向上や摩擦低減のために面取り加工されていることが望ましく、特に、傾斜溝12の断面形状が円弧状、U字状のものについては面取り加工されていることが望ましい。
本実施形態の軸受1には、上述したように内周および外周に、内周溝15および外周溝16が形成され、これら内周溝15と外周溝16とが貫通孔17とによって連通されている。これら内周溝15、外周溝16および貫通孔17は、上記した傾斜溝12にまんべんなく潤滑油を供給する作用を有する。すなわち、上記のように、軸受1は軸方向を横向きにして、横方向に配置された軸20の荷重を受けながら揺動運動されるが、揺動運動により移送された潤滑油や軸受1より滲み出した潤滑油は、この内周溝15、外周溝16および貫通孔17を通じて、軸受下部(図中下側)に集められ、軸受下部の傾斜溝12に供給されるとともに、軸20の荷重を受ける摺動面14への潤滑油の供給に寄与する。内周溝15と外周溝16は、軸方向に同じ長さの箇所に一対として用いることが貫通孔17を形成する点で好ましい。また、内周溝15と外周溝16は、軸受1の軸方向長さが長い場合、複数設けてもよい。
図5に示すように、内周溝15と外周溝16を連結する貫通孔17は、外周溝16により回収された潤滑油を内周溝15および傾斜溝12に供給する。この作用を効率よく得るためには、貫通孔17は最も下部に配置される必要がある。貫通孔17を例えば5〜8個程度と多く、かつ均等に配置すると、何れかの貫通孔17が下部側に位置することとなるため、軸受1の組み付けの際に、貫通孔17の位相に気を配る必要がなくなるので好ましい。
潤滑油は、マシン油(工業用潤滑油)、グリース、ワックスと油の混合物等を使用することができる点で従来のものと同様であるが、傾斜溝12を上記範囲となるよう傾斜角度θ、幅A、溝幅Bおよび幅Aと溝幅Bの比A/Bを形成することで、従来のものよりも広い粘度範囲の潤滑油を使用できる。例えば、特許文献1等の傾斜溝を形成しない単純な円筒形状のすべり軸受において使用できるマシン油は、40℃以上の動粘度が414〜1100mm/s程度(ISO粘度グレードのISO VG 460〜1000相当)程度でしかない。しかしながら、上記条件範囲の傾斜溝12を形成した軸受1では、40℃における動粘度が1650mm/sの範囲のもの(ISO VG 1500相当)まで使用することが可能となる。これは、流動し難い高粘度の潤滑油であっても、軸受1においては、傾斜溝12の傾斜角度θ、幅A、溝幅Bおよび幅Aと溝幅Bの比A/Bを上記範囲に設定したことにより、摺動面14への潤滑油の供給状態が改善されたことの効果である。このような高粘度の潤滑油は流動し難いが、強固な油膜を形成できる。したがって、本実施形態の軸受1においては、高粘度の潤滑油を使用することにより、さらに金属接触を防いで摩耗の発生を防止し、軸受寿命の延長を図ることも可能である。また、グリースは、傾斜溝を形成しない単純な円筒形状のすべり軸受の場合、混和ちょう度が、205〜265程度(JIS K2220に規定の2〜4号ちょう度)のものしか使用できないが、軸受1では、混和ちょう度が130程度(5号ちょう度)のものまで使用できるようになる。
軸受1の材料は特に限定されず、熱処理された炭素鋼や、高力黄銅等の溶製材料を用いることができる。この場合、傾斜溝12は、鋳造、押し出し、機械加工等の手段で形成することができる。また、軸受1の材料として焼結材料を用いることもできる。焼結材料は、原料粉末を金型に充填した後、上下方向よりパンチを用いて圧縮成形して得られた成形体を焼結して得られる材料で、傾斜溝12の雄型をコアロッドに形成しておくことで、容易に付与できるので好ましい。また焼結材料は、溶製材料に比して組成のバリエーションが広く、溶製材料では得られない金属組織の材料が容易に得られる点からも推奨される。また、軸受1に推奨される焼結材料は、特許文献2に記載のものと同様である。
本実施形態の軸受1によれば、軸20が回転すると、それに伴って傾斜溝12内に貯留する潤滑油が傾斜溝12内から引き出されて軸20の回転方向に流動し、摺動面14に供給され、軸20との摺動が潤滑される。傾斜溝12が上記の傾斜角度θ、幅A、溝幅Bおよび幅Aと溝幅Bの比A/Bの各条件を満たすことにより、傾斜溝12内から摺動面14に流動する潤滑油の量は、その摺動面14の全域にいきわたる量が確保される。また、このように摺動面14の全域にいきわたった潤滑油は静止時においても保持される。このため十分な潤滑効果を得ることができ、動摩擦係数とともに静止摩擦係数も低減することができる。また、軸受1の内外周に形成された内周溝15と外周溝16および貫通孔17により揺動運動により移送された潤滑油を軸受下方に回収して傾斜溝12に供給するから上記の動摩擦係数および静止摩擦係数を低減する効果を長期にわたり維持することができる。これらの効果により、本実施形態の軸受1は、高い面圧を受けても長期にわたって潤滑効果が維持され、摩耗し難く耐久性が向上した軸受となる。また、内周溝15および外周溝16は、摺動面14近傍の潤滑油が消耗すると、摺動面14から離れた位置の傾斜溝12の潤滑油を内周溝15から回収して供給するので、潤滑油の給脂期間を2倍以上に延長することができる。
次に、本発明の効果を実証する実施例を説明する。
[第1実施例]
アトマイズ鉄粉に、アトマイズ銅粉を18質量%と、黒鉛粉を0.8質量%とを添加した原料粉末100質量部に、さらに成形潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粉0.5質量部を添加して混合し、この混合粉を、外径95mm、内径80mm、高さ(軸長)80mmの円筒形状に圧縮成形した。この成形体を1120℃の還元性ガス中で焼結し、続いて850℃に加熱した後に油焼入れし、温度180℃で焼戻しを行って軸受の試料を作製した。
作製した軸受について、表1に示す条件の傾斜溝の本数、幅および深さで、周方向(摺動方向)と直交する方向に対する傾斜角度は20°と共通させて、機械加工により内周面に断面台形状の傾斜溝を形成した。また、機械加工により内周および外周に幅5mm、深さ1mmの環状の内周溝、外周溝を形成するとともに内外周溝を連通する貫通孔を等間隔に2個形成した。次いで、これら軸受に40℃における動粘度460mm2/sのマシン油を真空含浸して、表1に示す傾斜溝本数、山部の表面である摺動面の幅A、傾斜溝の溝幅B、摺動面の幅Aと溝幅Bとの比、傾斜溝の面積率および深さを有する軸受(試料番号01〜40)を作製した。なお、摺動面の幅Aおよび溝幅Bは各々周方向の幅であり、溝に直交する方向の幅ではない。なお、表1の下線で示す値は、本発明範囲を逸脱することを示している。
作製した軸受の試料01〜38を貫通孔が軸の鉛直下に配置されるようハウジング内に固定し、それら軸受の内周面と、焼入れして研磨処理した鋼製の軸の表面に混和ちょう度が280のグリース(リチウムグリース2号)を塗布し、各軸受の軸孔に軸を挿入した。軸受試料の内周面と軸とのクリアランスは300μm程度である。次いで、軸を、ラジアル方向に650Nの荷重を与えながら、角度10°の範囲を0.5mm/分といったすべり速度で揺動させた。なお、揺動させるにあたっては、振り子運動の末端位置でそれぞれ0.5秒間休止させた。この時、トルクセンサにて測定したトルク値より求めた静止摩擦係数および動摩擦係数の値(平均値)を、表1に併記する。
Figure 2009024798
以下に試験結果についての考察を記す。
(1)摺動面の幅Aの影響:図6参照
表1の試料番号01〜07の軸受は、摺動面の幅Aと傾斜溝の溝幅Bとの比(A/B)をほぼ同じとした上で、幅Aを変化させてその影響を調べたものである。これらの試料において、摺動面の幅Aが1mmに満たない試料番号01の軸受では、摺動面の幅Aが小さすぎることから荷重に耐えられず山部が座屈変形し、その結果、溝幅Bが小さくなって潤滑油の供給が不十分となって静止摩擦係数および動摩擦係数の値が大きくなっている。一方、摺動面の幅Aが1mmの試料番号02の軸受では、荷重に十分耐えることができ、山部の変形は認められなかった。また、摺動面の幅Aが小さいことから傾斜溝からの潤滑油の供給を十分に受けることができ、静止摩擦係数および動摩擦係数も小さい値を示している。また摺動面の幅Aが大きくなるにしたがい静止摩擦係数および動摩擦係数は徐々に増加する傾向を示すものの、摺動面の幅Aが7mm(試料番号06)までは十分に小さい値を維持している。しかしながら、摺動面の幅Aが7mmを超える試料番号07の軸受では、摺動面の幅Aが大きく、傾斜溝からの潤滑油の供給が不十分となって静止摩擦係数および動摩擦係数がともに急激に増加している。これらのことから、摺動面の幅Aは1〜7mmの範囲が適切であることがわかる。
(2)溝幅Bの影響:図7参照
表1の試料番号08〜17の軸受は、摺動面の幅Aと溝幅Bとの比(A/B)を、試料番号08〜12の軸受と、試料番号13〜17の軸受とでほぼ同じとした上で、溝幅Bを変化させてその影響を調べたものである。これらの試料において、溝幅Bが0.5mmに満たない試料番号08の軸受では、摺動面の幅Aが十分であるにもかかわらず摺動面に供給する潤滑油が不十分となり、摩擦係数が大きい値を示している。一方、溝幅Bが0.5mmの試料番号09の軸受では、溝幅Bが十分に大きく摺動面に十分な潤滑油が供給できることにより、静止摩擦係数および動摩擦係数が急激に低下している。また、溝幅Bが0.5〜5mmの範囲において、両摩擦係数は低く安定した値を示している。しかしながら、溝幅Bが5mmを超える試料番号17の軸受では、溝幅Bに対する摺動面の幅Aの比(A/B)が一定であるため、摺動面の幅Aが大きくなって摺動面に十分な潤滑油が供給されず、静止摩擦係数および動摩擦係数ともに急激に増加している。これらのことから、溝幅Bは0.5〜5mmの範囲が適切であることがわかる。
(3)摺動面の幅Aと溝幅Bとの比(A/B)の影響:図8,9参照
表1の試料番号18〜25と試料番号26〜33は、それぞれ溝本数を一定(前者が72本、後者が36本)にして、なおかつ摺動面の幅Aと溝幅Bを変えて、摺動面の幅Aと溝幅Bとの比(A/B)の影響を調べたものであり、試料番号18〜25(溝本数が72本)の結果が図8、試料番号26〜33(溝本数が36本)の結果が図9である。これらの試料よりA/Bが0.5に満たない試料番号18,26の軸受は、溝幅Bに対する摺動面の幅Aが大きく、摺動面に十分な潤滑油が供給されないことから、静止摩擦係数および動摩擦係数が大きい値を示している。一方、A/Bが0.5〜5の範囲の試料番号19〜24(溝本数が72本の場合)、試料番号27〜32(溝本数が36本の場合)の軸受では、摺動面に十分な潤滑油が供給することができ、静止摩擦係数および動摩擦係数ともに低く安定した値を示している。しかしながら、A/Bが5を超える試料番号25,33の軸受では、溝幅Bに対して摺動面の幅Aが大きく、このため摺動面に十分な潤滑油が供給されず急激に静止摩擦係数および動摩擦係数が増加している。これらのことからA/Bを0.5〜5の範囲とする必要があることがわかる。
(4)傾斜溝の深さdの影響:図10参照
表1の試料番号20および34〜40の軸受は、傾斜溝の深さの影響を調べたものである。これらの試料より、傾斜溝の深さが0.1mmに満たない試料番号34の軸受では、傾斜溝の深さが浅すぎて傾斜溝に十分な潤滑油が貯留されず、このため摺動面への潤滑油の供給量が不十分となり、静止摩擦係数および動摩擦係数がともに大きい値を示している。一方、傾斜溝の深さが0.1mmの試料番号35の軸受では、傾斜溝が潤滑油を十分に貯留する深さを有しており、この結果、摺動面への潤滑油の供給量が十分になり、静止摩擦係数および動摩擦係数ともに急激に低下している。また、傾斜溝の深さが0.1〜3mmの範囲では、静止摩擦係数および動摩擦係数はともに低く安定した値を示している。しかしながら、傾斜溝の深さが3mmを超える試料番号40の軸受では、傾斜溝が深くなりすぎた結果、摺動面が荷重に耐えきれず摩耗が発生した。これらのことから、傾斜溝の深さは0.1〜3mmの範囲が適切であることがわかる。
[第2実施例]
第1実施例と同様の原料粉末を用い、同様に成形、焼結を行って作製した軸受試料について、溝の本数を72本、摺動面の幅Aを2.07mm、溝幅Bを1.42mm、溝の深さを0.7mmと共通させ、周方向(摺動方向)と直交する方向に対する傾斜角度を表2に示す条件に変更して、機械加工により内周面に断面台形状の傾斜溝と、第1実施例と同様の環状の内周溝、外周溝および貫通孔を形成した。次いで、第1実施例と同様にマシン油を真空含浸して表2に示す傾斜溝の傾斜角度を有する軸受(試料番号41〜53)を作製した。作製した軸受の試料41〜53を第1実施例と同様にして揺動試験を行い、得られた静止摩擦係数および動摩擦係数の値を表2に併記する。なお、表2に傾斜溝のが傾斜角度が20°の例として第1実施例の試料番号21の軸受の動摩擦係数の値を併記する。
Figure 2009024798
(5)傾斜溝の傾斜角度の影響:図11参照
表2の試料番号21および41〜53の軸受は、傾斜溝の傾斜角度の影響を調べたものである。これらの試料より、傾斜溝の傾斜角度が10°に満たない軸受(試料番号41,42)および傾斜溝の傾斜角度が60°を超える軸受(試料番号51〜53)は、静止摩擦係数および動摩擦係数がともに高い値を示すが、傾斜溝の傾斜角度が10〜60°の軸受(試料番号21,43〜50)の軸受は静止摩擦係数および動摩擦係数ともに低い値を示している。また、傾斜溝の傾斜角度が15〜50°の軸受(試料番号21,44〜49)では、両摩擦係数がより小さくなっており、傾斜溝の傾斜角度が20〜40°の軸受(試料番号21,45〜48)は、両摩擦係数が最も低く、かつ安定した値を示している。これらのことから傾斜溝の角度は10〜60°の範囲で静止摩擦係数および動摩擦係数の低減の作用が顕著であり、15〜50°がより好ましく、20〜40°が最も好ましいことがわかる。
[第3実施例]
第1実施例と同様の原料粉末を用い、同様に成形、焼結を行って作製した軸受試料について、溝の本数を72本、摺動面の幅Aを2.07mm、溝幅Bを1.42mm、溝の深さを0.7mm、周方向(摺動方向)と直交する方向に対する傾斜角度を20°と共通させた断面台形状の傾斜溝を内周面に機械加工により形成するとともに、第1実施例と同様の環状の内周溝、外周溝および貫通孔を機械加工により形成したものと、内周溝、外周溝および貫通孔を形成しないものの2種を作製した。次いで、両者に第1実施例と同様にマシン油を真空含浸して内周溝、外周溝および貫通孔を有する軸受試料とこれらを有さない軸受試料を作製した。作製した2種の軸受試料を第1実施例と同様にして連続して揺動試験を行い、静止摩擦係数が0.15を超える時点を寿命として運転時間の比較を行った。
その結果、内周溝、外周溝および貫通孔を有する軸受試料は、これらを有しない軸受試料が寿命に到達する時間の倍以上の時間連続運転しても寿命に達せず、内周溝、外周溝および貫通孔を有する軸受試料は、これらを有しない軸受試料に比して2倍以上の寿命を示すことが確認された。
本発明のすべり軸受は、比較的大型で、20MPa以上の面圧が作用し、すべり速度が比較的遅く揺動して作動するような用途に好適である。具体的には、例えばブルトーザやパワーショベルのような建設機械の関節用軸受、物品移送ロボットの関節軸受等が挙げられる。
本発明の一実施形態の軸受の斜視図である。 図1に示した軸受の側面図および側面断面図である。 図1に示した軸受の内周面を示す展開図である。 同軸受に軸を挿入した状態の傾斜溝形成部の断面図である。 同軸受に軸を挿入した状態の内周溝および外周溝形成部の断面図である。 摺動面の幅Aの影響を明らかにする実施例の試験結果であって、その幅Aと静止摩擦係数および動摩擦係数の関係を示す線図である。 傾斜溝の溝幅Bの影響を明らかにする実施例の試験結果であって、その溝幅Bと静止摩擦係数および動摩擦係数の関係を示す線図である。 傾斜溝の本数が72本の場合における、摺動面の幅Aと溝幅Bとの比(A/B)の影響を明らかにする実施例の試験結果であって、A/Bと静止摩擦係数および動摩擦係数の関係の一例を示す線図である。 傾斜溝の本数が36本の場合における、摺動面の幅Aと溝幅Bとの比(A/B)の影響を明らかにする実施例の試験結果であって、A/Bと静止摩擦係数および動摩擦係数の関係の一例を示す線図である。 傾斜溝の深さdの影響を明らかにする実施例の試験結果であって、その溝の深さdと静止摩擦係数および動摩擦係数の関係を示す線図である。 傾斜溝の傾斜角度の影響を明らかにする実施例の試験結果であって、その傾斜角度と静止摩擦係数および動摩擦係数の関係を示す線図である。
符号の説明
1…軸受(すべり軸受)
10…内周面
11…軸孔
12…傾斜溝
14…摺動面
15…内周溝(環状溝)
16…外周溝(環状溝)
17…貫通孔
20…軸
A…摺動面の周方向の幅
B…傾斜溝の周方向の溝幅
R…周方向
S…周方向と直交する方向

Claims (3)

  1. 軸孔に挿入される軸を回転自在に支持し、その軸が摺動する内周面に、周方向に交差する方向に延びる複数の直線的な傾斜溝が周方向に間隔をおいて形成され、これら傾斜溝に潤滑油が供給されるすべり軸受であって、
    前記傾斜溝が、下記(A)〜(D)の条件で形成され、
    (A)周方向と直交する方向に対して10°〜60゜の範囲で傾斜している。
    (B)周方向の溝幅Bが0.5〜5mm。
    (C)隣接する当該傾斜溝間の山部の表面である摺動面の周方向の幅Aが1〜7mm。
    (D)前記山部の摺動面の幅Aと前記溝幅Bとの比A/Bが0.5〜5.0。
    さらに、前記すべり軸受の内周および外周に少なくとも一対の状態で環状溝が形成されるとともに、前記内周に形成された環状溝は前記傾斜溝に連通しており、
    前記一対の環状溝を互いに連通させる貫通孔が少なくとも1つ形成されることを特徴とするすべり軸受。
  2. 前記傾斜溝の深さdが0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
  3. 前記軸受が焼結合金製であることを特徴とする請求項1または2に記載のすべり軸受。
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