JPH10246230A - 滑り軸受およびその使用方法 - Google Patents

滑り軸受およびその使用方法

Info

Publication number
JPH10246230A
JPH10246230A JP6249097A JP6249097A JPH10246230A JP H10246230 A JPH10246230 A JP H10246230A JP 6249097 A JP6249097 A JP 6249097A JP 6249097 A JP6249097 A JP 6249097A JP H10246230 A JPH10246230 A JP H10246230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
particles
sliding bearing
alloy
iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6249097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3622938B2 (ja
Inventor
Takeshi Yanase
剛 柳瀬
Motohiro Miyasaka
元博 宮坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Powdered Metals Co Ltd filed Critical Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Priority to JP06249097A priority Critical patent/JP3622938B2/ja
Publication of JPH10246230A publication Critical patent/JPH10246230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3622938B2 publication Critical patent/JP3622938B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤の流出による消費を低減することがで
き、高い面圧で揺動するような用途に用いても寿命を長
くすることができる滑り軸受を提供する。 【解決手段】 鉄炭素合金基地中にマルテンサイトを含
むとともに、銅粒子および銅合金粒子の少なくともいず
れか一方が分散している鉄基焼結合金の気孔内に、常温
で半固態状または固態状で滴点60℃以上の潤滑組成物
を充填し、この潤滑組成物は、極圧添加剤および固体潤
滑剤粒子の少なくともいずれか一方を含む油分およびワ
ックスを含有している。これにより、軸受の本体である
焼結合金が高い面圧に耐える強度と相手部材との馴染み
性とを兼ね備えるとともに、高い面圧でも良好な潤滑作
用を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、焼結合金の気孔内に
半固態状または固態状潤滑組成物を含有した滑り軸受に
係り、特に、軸受摺動面に高い面圧が作用するような用
途に用いて好適な滑り軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、滑り軸受としては多孔質焼結合金
製のものが提供されている。このような軸受の多くは、
多孔質焼結合金の気孔内に、軸受摺動面に作用する面圧
と滑り速度に応じて最適な粘度を有する潤滑油を含浸し
たものである。また、多孔質焼結合金としては、銅合金
あるいは鉄合金のものが多用されており、青銅合金のよ
うに軟質なものから焼入れされた合金鉄まで様々なもの
が提供されている。また、これらの合金中に黒鉛や二硫
化モリブデンのような固体潤滑剤を分散した合金もあ
る。
【0003】ここで、潤滑油は、スピンドル油のような
低粘度のものから、2700cSt(センチストーク)
程度の高粘度のものまで実用に共されている(日刊工業
新聞社昭和39年7月25日発行、粉末冶金応用製品−
構成部品−36項、表1.6)。また、常温で半固態状
や固態状を呈する潤滑剤としては、金属石鹸を増稠材と
して含有するグリース、グリースと油の混合物、固体潤
滑剤粒子を含む金属石鹸、石油系ワックスや合成ワック
ス、PTFE等の樹脂、金属鉛、黒鉛や二硫化モリブデ
ンのような固体潤滑剤などがある。
【0004】グリースは、多孔質焼結合金の気孔内に含
浸して使用されることもあるが、含浸させるのにかなり
の手間を要するため、通常は、ポンプなどの適当な手段
によって摺動面に供給される。固体潤滑剤を除くその他
の潤滑剤を気孔内に含浸させる場合には、潤滑剤を加熱
溶融して流動性を高めることが行われる。また、固体潤
滑剤を用いる場合には、黒鉛や二硫化モリブデンなどの
粉末を油に分散させてペースト状にし、適当な方法によ
って摺動面に供給するのが一般的である。固体潤滑剤を
用いたもので摺動面に高い面圧が作用するような滑り軸
受としては、青銅合金製の軸受本体の内周面に黒鉛片を
ほぼ等間隔に埋め込んだものがある。
【0005】このように、滑り軸受は、素材である軸受
合金はもちろんのこと潤滑形態にも様々な種類があり、
摺動形態、面圧、滑り速度、運転される環境などの種々
の使用条件に対応して、軸との馴染み性と摩擦係数およ
び耐久性を考慮し、軸受合金と潤滑剤の種類が選定され
る。とりわけ、極めて低い荷重や高速回転で使用する場
合や、逆に、大きな荷重が作用する場合や、軸受自身が
回転したり揺動や往復動するような用途の軸受では、軸
受合金の構成と潤滑剤の種類および潤滑形態の組合わせ
の微妙な違いが軸受特性に大きく影響を及ぼすことが多
いので、用途に応じて厳密に選定する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】たとえば、30MPa
以上の高い面圧で揺動しながら摺動するような軸受とし
ては、比較的硬い合金で構成するとともに、グリースや
それに近い高粘度の油を潤滑剤として使用すれば相応の
効果を得ることができる。しかしながら、この場合に
は、軸受から潤滑剤が流出消費されて軸受の周辺を汚染
するとともに、軸受の耐久性が低下するという問題があ
る。一方、耐久性については、前記した軸受の摺動面に
黒鉛のような固体潤滑剤片を斑点状に埋め込んだドライ
軸受が好適であるが、製造コストが他の軸受に比して2
〜3倍になるという欠点がある。よって、この発明は、
潤滑剤の流出による消費を低減することができ、高い面
圧で揺動するような用途に用いても寿命を長くすること
ができる滑り軸受を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の滑り軸受
は、鉄炭素合金基地中にマルテンサイトを含むととも
に、銅粒子および銅合金粒子の少なくともいずれか一方
が分散している鉄基焼結合金の気孔内に、常温で半固態
状または固態状で滴点60℃以上の潤滑組成物を充填
し、潤滑組成物は、極圧添加剤および固体潤滑剤粒子の
少なくともいずれか一方を含む油分およびワックスを主
体としていることを特徴としている。
【0008】上記構成の滑り軸受にあっては、鉄炭素合
金基地中に硬いマルテンサイトを含む一方で、軟質な銅
粒子および/または銅合金粒子(以下、これらを銅粒子
等と総称する)が点在したものであるから、高面圧下で
も摩耗や変形が抑制されるとともに、銅粒子等が適度に
変形して相手部品である軸と馴染み易くなる。特に、滑
り軸受が軸に対して往復移動するような使用条件では、
軸受の性能と寿命を伸ばす上で軸との馴染み性は極めて
重要である。さらに、軸受が揺動するような使用条件で
は、摺動面に局所的に高い面圧が作用するから、滑り軸
受の寿命を伸ばすためにはマルテンサイトの存在も極め
て重要である。よって、本発明の滑り軸受は、滑り軸受
が往復移動しつつ揺動するような使用条件でとりわけ性
能が発揮されると言える。
【0009】また、ワックスと油の混合物に極圧添加剤
および固体潤滑剤粒子の少なくともいずれか一方が分散
した潤滑組成物は、常温で固態状又は半固態状であるか
ら、高い面圧が作用しても摺動面の油膜が破れることが
少なく、しかも、高い粘性故に滑り軸受からの流出漏洩
も少ない。さらに、潤滑組成物に含有されたワックス
は、液状の油や金属石鹸を含むグリースに比べて熱膨張
係数が格段に大きいので、運転による温度上昇で気孔か
ら固態状又は半固態状の潤滑組成物が速やかに浸出し、
軸との金属接触摩擦が少ない油膜による潤滑形態をもた
らすことができる。なお、潤滑組成物を常温で固態状ま
たは半固態状に維持するためには、滴点(滴点法で測定
した融点)は60℃以上である必要がある。また、鉄炭
素合金基地中に固体潤滑剤を含有させることもでき、そ
の場合には、自己潤滑性が一層向上する。
【0010】次に、本発明の第2の滑り軸受は、鉄炭素
合金基地中にマルテンサイトを含むとともに、銅粒子お
よび銅合金粒子の少なくともいずれか一方と、鉄炭素合
金基地より硬質な鉄基合金粒子およびコバルト基合金粒
子の少なくともいずれか一方とが分散している鉄基焼結
合金の気孔内に、常温で半固態状または固態状で滴点6
0℃以上の潤滑組成物を充填し、潤滑組成物は、極圧添
加剤および固体潤滑剤粒子の少なくともいずれか一方を
含む油分およびワックスを主体とすることを特徴として
いる。
【0011】上記構成の滑り軸受は、第1の滑り軸受の
鉄炭素合金基地中に、鉄炭素合金基地より硬質な鉄基合
金粒子やコバルト基合金粒子を分散させたもので、この
ような硬質粒子の存在により、耐摩耗性がより一層向上
されたものとなる。鉄基合金粒子としては、粉末ハイス
の原料となる合金粉が好適である。また、コバルト基合
金粒子としては、肉盛り溶射用に市販されている耐熱耐
摩耗性合金粉(たとえば、キャボット社製、商品名:コ
バメット)が好適である。
【0012】上記第1、第2の滑り軸受では、軸との摺
動面に複数の溝を備え、その溝に、油に固体潤滑剤粒子
を分散させたペーストまたは上記した潤滑組成物を充填
することができる。このように構成することにより、ペ
ーストや潤滑組成物が熱膨張して摺動面に容易に浸出す
るため、摺動面の潤滑が円滑に行われる。なお、溝は、
摺動方向と交差あるいは平行に設けることができる。ま
た、鉄炭素合金の摺動面以外の外面の気孔を目潰しする
ことにより、熱膨張した固態状又は半固態状潤滑組成物
が摺動面に向かって積極的に押し出されるので、潤滑が
さらに良好になる。
【0013】前述のように、本発明の滑り軸受は、支持
する軸が揺動する状態で使用する場合や、滑り軸受自体
が回転する状態で使用する場合にとりわけ性能が発揮さ
れる。よって、本発明は、そのような使用態様によって
上述した滑り軸受あるいは以下に述べる滑り軸受を使用
することを特徴とする使用方法でもある。また、この明
細書に記載した滑り軸受は、軸との摺動面に作用する面
圧が30MPa以上の条件で使用した場合にも抜きん出
た性能が発揮されるので、このような使用方法も本発明
の一つである。さらに、この明細書に記載した滑り軸受
は、温度60℃未満の常温で使用することで上記した作
用、効果を確実に奏するものであるから、このような使
用方法も本発明の一つである。加えて、これら3種類の
使用方法のうち2つまたは3つを組み合わせた使用方法
も本発明の一つである。以下、本発明の好適な実施の形
態についてさらに詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、滑り軸受(以下、単に軸受
と称する)の本体である焼結合金は、以下に示す5種類
の形態が好適である。 (1)焼結合金1 焼結合金1は、鉄粉、銅粉、黒鉛粉を以下の成分組成と
なるように混合し、混合粉を成形して焼結したものであ
る。すなわち、焼結合金1は、組成が重量比でC:0.
3〜1.5%、Cu:7〜30%、残部が実質的にFe
からなる成分組成を有し、基地がマルテンサイトを主体
とする組織の鉄炭素系合金であり、基地中に銅および/
または鉄を含む銅合金の形で粒子状に分散したものであ
る。この焼結合金1に不可避的に含有される不純物とし
ては、鉄粉中に通常含まれるMn及びSiが挙げられ
る。
【0015】基地の組織は全てマルテンサイトであって
も良く、一部にトルースタイトやベイナイトが含まれて
いても同等の性質を示す。さらに、一部にソルバイトが
含まれていても良い。基地の硬さはマイクロビッカーカ
ス硬さ450〜750程度が良い。また、Cは黒鉛の形
で混合粉に添加し、焼結によってCをFeの基地中に拡
散させる。また、焼結は、銅粉の形で添加されたCuが
Feと完全に合金化しない温度と時間で行い、焼結後に
焼入れ焼戻しする。なお、焼入れは、焼結の冷却過程で
行うこともできる。ここで、Cの含有量が0.3重量%
を下回ると材料強度が不充分で摩耗し易くなり、1.5
重量%を超えて含有すると硬くなり過ぎて相手部材であ
る軸の摩耗を促進する。よって、焼結合金1中のCの含
有量は、0.3〜1.5重量%とした。なお、黒鉛粉が
混合粉末中で偏在している部分では、焼結体の基地に遊
離黒鉛の形で残存する場合があり、遊離黒鉛は固体潤滑
作用を奏する。
【0016】Cuは、焼結中に一部がFeの基地中に拡
散し、一部はFeを溶かし混んで銅合金を形成する。よ
って、焼結合金を冷却すると、鉄炭素系合金の基地に銅
または銅合金相の形態で分散した組織状態になる。銅ま
たは銅合金は比較的軟質であるから、相手部材である軸
への攻撃性を抑える作用をするとともに、適度に変形し
て軸との馴染み性を向上させる。しかしながら、Cuの
含有量が7重量%を下回るとその効果が不充分であり、
30重量%を超えて含有すると、材料強度が低くなるの
で面圧が高い場合は摩耗し易くなる。よって、Cuの含
有量は、7〜30重量%とした。なお、Cuの含有量は
15重量%前後が最適である。
【0017】焼結合金の気孔には、後述する潤滑組成物
が充填されるが、有効気孔率は通常の焼結含油軸受と同
様に15〜20%程度が好ましい。面圧が特に高い場合
で軸受材料の強度および耐摩耗性が一層求められる場合
には、気孔率を15%より低くして密度を高めることも
できるが、有効気孔率が10%未満では充填される潤滑
組成物の量が少なすぎて潤滑剤の油膜切れが生じること
がある。逆に、潤滑を優先する場合には、気孔率を20
%よりも大きくすることもできるが、有効気孔率が25
%(密度:約5.8g/cm3)を上回ると、材料強度
が低くて耐摩耗性が低下することがあるので注意が必要
である。
【0018】(2)焼結合金2 焼結合金2は、前記焼結合金1の基地中に、C:0.6
〜1.7%、Cr:3〜5%、W:1〜20%、V:
0.5〜6%を含有する比較的硬質なFe基合金粒子
を、焼結合金2の全体の重量に対して5〜30重量%分
散させた合金である。このFe基合金粒子は、高速度工
具鋼(ハイス鋼)の一種に相当する組成を有し、粉末ハ
イスの原料である合金粉の形で混合粉に添加する。この
焼結合金2は、マルテンサイトを含む鉄炭素系基地にさ
らに硬い合金粒子が分散しているため、軸との摺動時に
基地の変形を効果的に低減し、基地への負担を低減す
る。よって、より高い面圧(例えば、面圧80MPa以
上)での使用に適する軸受になる。
【0019】ここで、Fe基合金粒子の焼結合金2の全
体の重量に対する含有量が5重量%未満であると、上記
した効果が不充分となり、含有量が30重量%を上回る
と相手部材の摩耗が促進し、結局は軸受としての性能が
劣化する。よって、Fe基合金粒子の含有量は5〜30
重量%とした。言い換えると、添加するFe基合金粉末
の重量は、混合粉末全体の重量に対して5〜30%であ
る。
【0020】Fe基合金粒子は、マルテンサイトを含む
鉄炭素系基地よりも硬質であれば成分組成は任意である
が、成分に含まれる炭素等の元素が焼結中に基地へ拡散
して硬さが均一化してしまうようなものは、製造コスト
の割りに効果が不充分となる。また、そのような硬質相
粒子としてNi基硬質合金を用いることも考えられる
が、その場合には、Ni基硬質合金のNiが周辺の基地
中へ一方的に拡散して硬質合金の硬さが低下し、しか
も、硬質合金と基地との固着性が悪く不適当である。よ
って、硬質相粒子を構成するFe基合金粒子としては、
上記のような不都合が生じないものを選定する必要があ
り、たとえば以下に示す合金が好適である。
【0021】(3)焼結合金3 焼結合金3は、前記焼結合金1の基地中に、C:0.6
〜1.7%、Cr:3〜5%、W:1〜20%、V:
0.5〜6%、MoまたはCoの少なくとも1種:20
%以下を含有する比較的硬質なFe基合金粒子を、焼結
合金3の全体の重量に対して5〜30重量%分散させた
合金である。このFe基合金粒子は、高速度工具鋼の一
種に相当する組成を有し、粉末ハイスの原料である合金
粉の形で混合粉に添加される。この焼結合金3の作用、
効果は前述と同様である。
【0022】(4)焼結合金4 焼結合金4は、前記焼結合金1の基地中に、Mo:55
〜70%を含有する比較的硬質なMo―Fe合金粒子
を、焼結合金4の全体の重量に対して5〜30重量%分
散させた合金である。このMo―Fe合金粒子は、JI
S規格に規定された炭素含有量が少ないフェロモリブデ
ン合金粉の形で混合粉に添加される。この焼結合金4の
作用、効果は前述と同様である。
【0023】(5)焼結合金5 焼結合金5は、焼結合金1の基地中に、Cr:5〜15
%、Mo:20〜40%、Si:1〜5%を含有するC
o合金粒子を、焼結合金5の全体の重量に対して5〜3
0重量%分散させた合金である。この合金粒子は、肉盛
り溶射用に市販されている耐熱耐摩耗性合金粉(たとえ
ば、キャボット社製、商品名:コバメット)である。こ
の焼結合金5の作用、効果は前述と同様である。なお、
前記(2)〜(5)の焼結合金は、特開平8―1094
50号公報で本出願人が既に提案した合金である。
【0024】(6)焼結合金6 焼結合金6は、焼結合金1〜5の基地中に、黒鉛、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、窒化硼素、窒化け
い素、弗化黒鉛、エンスタタイトの少なくとも1種の粒
子を3重量%以下分散させた合金である。固体潤滑作用
のあるこれら粒子は、摺動中の金属接触を少なくし、耐
摩耗性を向上させる。これらの成分は、含有量が多いほ
ど効果があるが、3%を超えて含有すると基地の強度を
低下させて摩耗を促進することがある。
【0025】次に、これらの焼結合金1〜6の気孔に
は、以下のような潤滑組成物を充填する。この潤滑組成
物は、滴点が60℃以上であり、常温で半固態状または
固態状をしていて、油分とワックスの混合物中に極圧添
加剤および固体潤滑剤粒子の一方または両方を含むもの
である。ワックスは、石油系のパラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、植物系のカルナバワック
ス、ライスワックス、キャンデリラワックス、動物系の
みつろう、鉱物系のモンタンワックス、合成のポリエチ
レンワックスのいずれかである。
【0026】中でも石油系のパラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックスは、添加する油分としてギヤ
油、作動油、タービン油のような市販の工業用潤滑油と
なじみ性が良いという特長と、熱膨張係数が格段に大き
いため、摺動による昇温で早期に摺動面へ浸出し易いと
いう特長がある。例えば、常温から60℃までの体積膨
張は、市販のグリースが約0.5%であるのに対し、例
えばマイクロクリスタリンワックスにギヤ油を70%添
加混合した潤滑組成物では約3%である。
【0027】ワックスはそれ自身で潤滑効果があるが、
油分を含むと、面圧と滑り速度に適合する潤滑組成物と
しての適当な硬さと油分自身の潤滑効果が得られるよう
になる。高い面圧では、固体潤滑と流体潤滑の中間的な
潤滑が望ましく、摺動部は液状となっているとしても、
潤滑組成物全体としては運転摺動中に半固態状または固
態状態であれば良い。潤滑組成物が固態のペースト状と
いうことができる状態であるときの混和稠度は、40℃
で400である。40℃の混和稠度が400を超える
と、潤滑組成物が柔らかすぎて流動性を示すようにな
り、高い面圧が作用する使用条件には不適となる。ま
た、潤滑組成物がワックスだけのような硬さを有する
と、硬過ぎて剪断抵抗が高いため潤滑効果が低くなる。
前記したワックスでは、油分は潤滑組成物のうちの30
〜80%程度の範囲にすると好適である。また、油分と
しては石油系潤滑油や合成潤滑油が用いられ、粘度が高
いものを用いると多くの油分を含有させることができ好
適である。軸受の一般的な使用温度は常温から50℃程
度であるから、使用温度で固態状または半固態状を示す
ために潤滑組成物の滴点は60℃以上とする。
【0028】ワックスと油分の混合物だけでも潤滑性は
良好であるが、高い面圧が作用しても油膜が破れないよ
うにするために、極圧添加剤および固体潤滑剤粒子の少
なくともいずれか一方を添加する。これらを添加するこ
とによって、軸受と軸との金属接触が抑制され、軸受性
能が長期にわたって維持される。極圧添加剤の添加に際
しては、ギヤ油や各種作動油等の工業用潤滑油には極圧
添加剤が含まれているので、ギヤ油等を用いれば良い。
また、ギヤ等には、酸化防止剤や錆止め剤、さらには増
稠剤等が含まれているので好適である。
【0029】極圧添加剤としては、例えば硫黄系ではオ
レフィンポリサルファイド、硫化油脂、ジアルキルサル
ファイド、塩素系では塩素化パラフィン、りん系ではア
リル燐酸エステル、複合型ではクロロナフサザンデー
ト、有機金属塩ではナフテン酸鉛、チオ燐酸亜鉛、その
他としてMoコンプレックス、ほう酸塩等が知られてい
る。極圧添加剤は、適当な油に混合した状態で、または
単体で前述のワックスおよび油分に添加することができ
る。潤滑組成物中の極圧添加剤の含有量は1.5重量%
を超えてもそれ以上の効果が望めないので、1.5重量
%以下、好ましくは0.5〜1重量%が良い。
【0030】また、極圧添加剤に替えて黒鉛、二硫化モ
リブデン、二硫化タングステンPTFE、弗化黒鉛、弗
化カルシウム等の固体潤滑剤粒子を添加しても効果が得
られる。これら固体潤滑剤粒子は、予め油分に混合分散
させておいてからワックスと混合すると製造が容易であ
る。潤滑組成物中の固体潤滑剤の含有量は1.5〜2.
5重量%であることが望ましい。固体潤滑剤の含有量が
1.5重量%未満であると高面圧に対する効果が不充分
となり、2.5重量%を上回ると潤滑組成物の見掛硬さ
が高くなって潤滑が不安定になる虞があるからである。
固体潤滑剤粒子は、焼結合金の気孔への含浸性を良くす
るために粒径が50μm以下のものを用いると良い。軸
受の耐久性をさらに良好にするためには、極圧添加剤と
固体潤滑剤粒子の両方を含有させることが望ましい。
【0031】潤滑組成物の製造方法は使用時の面圧によ
って適宜選定するが、たとえば粘度150〜2500c
St程度の極圧添加剤入り潤滑油をヒーター付きの減圧
容器に充填し、ワックスの融点より約10〜50℃程度
高い温度に加熱して液状にしておく。この潤滑油に、ワ
ックスおよび固体潤滑剤を添加して混合する。この液状
にされた潤滑組成物の中に前述の焼結合金軸受を浸漬
し、油の含浸と同様に減圧容器を密封、減圧して気孔内
に潤滑組成物を含浸させる。この潤滑組成物は、グリー
スに比べて加熱中の粘度が低いため含浸し易く、冷却し
たときに油分が分離し難いので高面圧下での性能が優れ
ている。減圧容器から取り出した軸受の表面には、液状
の潤滑組成物が水たまりのように付着することがあるの
で、液状のうちに熱風を当てるか遠心力を与えるかして
除去するか、軸受の孔にマンドレルを通して拭き取って
おくことが望ましい。また、油脂類は結晶が小さいと摩
擦特性が良好になるので、含浸処理した軸受を急冷して
油脂類の結晶を小さくすると良い。
【0032】上記のような軸受は、マルテンサイトを含
む硬い鉄炭素系合金基地に軟質な銅や銅合金相が分散し
ているので、軸受の本体である焼結合金が高い面圧に耐
える強度と相手部材との馴染み性とを兼ね備えている。
また、焼結合金の気孔に、油分およびワックスに極圧添
加物や固体潤滑剤を含む潤滑組成物が充填されているの
で、相手部材と摺動すると、温度上昇に伴って気孔内の
潤滑組成物が膨張し、これが摺動面に浸出して圧力を発
生するから、摺動面が金属接触せずに潤滑され、高い面
圧でも良好な潤滑作用を示す。また、潤滑組成物が常温
で固態状または半固態状であるから、軸受の外に流れ出
るようなことがない。よって、軸受の周囲を汚染しない
ことは言うまでもなく、潤滑効果を長時間持続すること
ができ、軸受の性能を長期にわたって維持することがで
きる。
【0033】なお、軸受の摺動面に摺動方向と交差する
方向あるいは平行な方向に複数の溝を設け、その溝にも
前述した潤滑組成物、または油に固体潤滑剤粒子を分散
させてペースト状にしたものを充填しておくと、潤滑が
さらに円滑に行われるようになる。特に、このように構
成すると、最初から軸に潤滑剤が接触しているので、運
転初期の潤滑が円滑に行われる。また、軸受の摺動面以
外の外面を封孔または小さな気孔に目漬しすれば、潤滑
組成物が熱膨張したときに摺動面へ積極的に浸出するの
で、潤滑組成物の圧力が高くなって摩耗が効果的に防止
される。
【0034】この軸受は、低面圧では摩擦係数が高いの
で最適とはいえないが、面圧が30MPa以上で使用さ
れる用途に好適である。このような用途としては、例え
ば、貨物昇降機のエキスパンダー用軸受、ブルトーザー
やパワーショベルのような建設機械の関節用軸受、プレ
ス機械用軸受、車輌等制動装置リンク用軸受、ヒンジ用
軸受、物品移動ロボットの関節軸受、キャスター用軸受
などが挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。軸受の焼結合金を製作するために下記の原料粉
末を用意した。 アトマイズ鉄粉:粒度100メッシュ以下 電解銅粉:粒度100メッシュ以下 黒鉛粉:粒度200メッシュ以下 鉄合金粉A:高速度工具鋼SKH2相当の組成で、F
e―0.8%C―4%Cr―18%W―1%V、粒度2
00メッシュ以下 鉄合金粉B:高速度工具鋼SKH51相当の組成で、
Fe―0.8%C―5%Cr―6%W―5%Mo―1%
V、粒度200メッシュ以下 鉄合金粉C:Fe―65%Mo、粒度200メッシュ
以下 Co合金粉:Co―8.5%Cr―28%Mo―2.
5%Si、粒度200メッシュ以下(キャポット社製、
品名:コバメット) エンスタタイト粉:日本タルク製 ステアリン酸亜鉛粉
【0036】
【表1】
【0037】これらの粉末を表1に示す割合で混合し
た。なお、ステアリン酸亜鉛は、成型時の潤滑のために
添加するものであり、これを除く混合粉末を100%と
したときに、全ての混合粉末に0.75%添加した。各
混合粉末について密度6.2g/cm3の軸受円筒形状
に圧粉成形し、成形体を還元雰囲気中、最高温度110
0℃で焼結した。次に、焼結体を温度850℃の浸炭雰
囲気中で保持したのち焼入れを行い、180℃で40分
間焼戻しを行った。そして、切削加工により、内径10
mm、外径16mm、高さ10mmの軸受形状にした
後、脱脂剤中で超音波を与えて試料表面および気孔内の
焼戻し油を除去し試験用試料とした。試料1の断面の顕
微鏡組織は、基地がマルテンサイトとトルースタイト
で、赤みのある銅が分散していた。また、鉄基硬質合金
を含む試料2〜4および6は、組織中に、分散している
粒状炭化物に加えて硬質粒子がさらに点在した顕微鏡組
織であった。
【0038】次に、比較のための試料として、組成がC
u―10%Sn―0.5%Ni―0.5%黒鉛であり、
銅錫合金基地中にニッケルと黒鉛粒子が分散した有効気
孔率が20%の焼結合金製軸受(試料番号7)を作成し
た。
【0039】次に、気孔に含浸する潤滑組成物として下
記のものを準備した。 (a)温度40℃における粘度220cStの市販の極
圧添加剤入り工業用ギヤ油60重量%と、滴点70℃の
パラフィンワックス40重量%とを90℃に加熱、混合
した後、この混合物99重量%に対し、粒子径50μm
以下の鱗片状黒鉛粉1重量%を混合した潤滑組成物潤滑
組成物:滴点65℃、25℃における混和稠度150
(下線部数値につきご確認下さい) (b)温度40℃における粘度460cStの市販の極
圧添加剤入り工業用ギヤ油70重量%と、滴点80℃の
マイクロクリスタリンワックス30重量%を100℃に
加熱、混合した潤滑組成物:滴点75℃、25℃におけ
る混和稠度180
【0040】(c)前記(b)の潤滑組成物98重量%
に、粒子径2μm以下の二硫化モリブデン粉2重量%を
混合(工業用ギヤ油に予備混合した状態で添加)した潤
滑組成物:滴点75℃、25℃における混和稠度180 (d)滴点が95℃の市販のカルシウムグリース (e)温度40℃における粘度320cStの市販の極
圧添加剤入り工業用ギヤ油
【0041】これらの潤滑組成物を上記した各軸受試料
に含浸した。含浸は加熱ヒーター付きの減圧含浸器を用
い、含浸温度は潤滑組成物(a)は90℃、(b)およ
び(c)は100℃、(d)は150℃、(e)は50
℃で行った。次に、これらの軸受試料について軸受耐久
試験を行った。軸受耐久試験は、軸受試料を試験機のハ
ウジングに固定し、軸受試料の孔に焼入れされた構造用
炭素鋼の軸を装着して軸心と直角方向に均等に荷重を加
え、面圧60MPaの状態で繰り返し半回転させて行っ
た。軸受試料の周辺の気温は40℃とし、最大摺動速度
は1m/分とした。この試験条件は、高面圧下で低速摺
動であり、摺動面の潤滑が困難な状態と言うことができ
る。表2に、軸受試料の温度が安定している状態から温
度上昇傾向が認められたときまでの摺動距離(単位:
m)を示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示すように、比較的軟質な青銅合金
で構成された試料7と比較すると、本発明の鉄合金製軸
受(試料1〜6)は耐久性が格段に優れていることが判
る。また、鉄炭素系焼入れ組織の基地に銅と鉄銅合金が
分散した合金からなる試料1は、硬質粒子が分散されて
いる合金(試料2〜6)と比較すると耐久性はやや劣っ
ているが、面圧がやや低い用途であれば特性は充分であ
る。また、硬質粒子が分散されている合金(試料2〜
5)の耐久性は総じて高く大差がないが、これらと比較
すると、基地に固体潤滑剤を含有する試料6は、さらに
良好な耐久性を示すことが判った。
【0044】次に、軸受の気孔に含浸された潤滑剤の種
類による耐久性を比較すると、高粘度ギヤ油(e)やグ
リス(d)を含浸させた試料に比べて、ワックスとギヤ
油の混合潤滑組成物(b)およびそれに固体潤滑剤を含
むもの(aおよびc)を含浸させた試料は、耐久性が格
段に優れていることが判る。グリース(d)は、その粘
性の大きさからある程度の耐久性を有するものと思われ
たが、ギヤ油と比較してもそれ程良好とは言えない結果
となった。その原因は、グリースを加熱して液状とした
後に冷却すると、グリースから油分が分離する現象が生
じ、試料の気孔に含浸させる際にも同様の現象が生じて
潤滑能力が変化したためと考えられる。
【0045】なお、グリースを含浸した試料では試料か
らのグリースの流出はやや少なかったが、高粘度ギヤ油
(e)を含浸させた試料では、試験中に油が軸受端面に
伝って流出しており、潤滑油のロスになって耐久性に影
響しているとともに、軸受の周辺を汚染することが予想
される。また、ワックスとギヤ油の混合潤滑組成物
(b)およびそれに固体潤滑剤を含むもの(aおよび
c)を含浸させた試料では、軸受内周の面取部と軸との
間に浸出が認められたが、流出はしていなかった。
【0046】次に、試料2(高速度工具鋼SKH2相当
組成の硬質相分散合金)の焼結体端面と外周面を塑性流
動させて目漬しした後、熱処理を施し、軸受所定寸法に
切削加工するとともに内周面に摺動方向に沿う5本の溝
を形成した。この焼結軸受に潤滑組成物c(ワックス+
ギヤ油+二硫化モリブデン)を前記と同様にして含浸し
た。この試料を試験機のハウジングに圧入し、前記と同
様に耐久試験を行ったところ、摺動距離は1900mで
あった。このように耐久性が格段に優れているのは、潤
滑組成物が内周の溝に充填されている分だけ多いこと
と、溝から潤滑組成物が摺動面に供給され易いこと、端
面と外周面が液密に閉鎖されているので、潤滑組成物が
熱膨張により摺動面に供給され易いことによるものと考
えられる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の軸受にお
いては、マルテンサイトを含む硬い鉄炭素系合金基地に
軟質な銅や銅合金相が分散しているので、軸受の本体で
ある焼結合金が高い面圧に耐える強度と相手部材との馴
染み性とを兼ね備えている。また、焼結合金の気孔に、
油分およびワックスに極圧添加物や固体潤滑剤を含む潤
滑組成物が充填されているので、摺動面が金属接触せず
に潤滑され、高い面圧でも良好な潤滑作用を示す。ま
た、潤滑組成物が常温で固態状または半固態状であるか
ら、軸受の外に流れ出るようなことがなく、軸受の周囲
を汚染しないことは言うまでもなく、潤滑効果を長時間
持続することができ、軸受の性能を長期にわたって維持
することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】次に、気孔に含浸する潤滑組成物として下
記のものを準備した。 (a)温度40℃における粘度220cStの市販の極
圧添加剤入り工業用ギヤ油60重量%と、滴点70℃の
パラフィンワックス40重量%とを90℃に加熱、混合
した後、この混合物99重量%に対し、粒子径50μm
以下の鱗片状黒鉛粉1重量%を混合した潤滑組成物潤滑
組成物:滴点65℃、25℃における混和稠度150 (b)温度40℃における粘度460cStの市販の極
圧添加剤入り工業用ギヤ油70重量%と、滴点80℃の
マイクロクリスタリンワックス30重量%を100℃に
加熱、混合した潤滑組成物:滴点75℃、25℃におけ
る混和稠度180

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄炭素合金基地中にマルテンサイトを含
    むとともに、銅粒子および銅合金粒子の少なくともいず
    れか一方が分散している鉄基焼結合金の気孔内に、常温
    で半固態状または固態状で滴点60℃以上の潤滑組成物
    を充填し、この潤滑組成物は、極圧添加剤および固体潤
    滑剤粒子の少なくともいずれか一方を含む油分およびワ
    ックスを主体としていることを特徴とする滑り軸受。
  2. 【請求項2】 鉄炭素合金基地中にマルテンサイトを含
    むとともに、銅粒子および銅合金粒子の少なくともいず
    れか一方と、上記鉄炭素合金基地より硬質な鉄基合金粒
    子およびコバルト基合金粒子の少なくともいずれか一方
    とが分散している鉄基焼結合金の気孔内に、常温で半固
    態状または固態状で滴点60℃以上の潤滑組成物を充填
    し、この潤滑組成物は、極圧添加剤および固体潤滑剤粒
    子の少なくともいずれか一方を含む油分およびワックス
    を含有していることを特徴とする滑り軸受。
  3. 【請求項3】 前記鉄炭素合金基地より硬質な鉄基合金
    粒子またはコバルト基合金粒子の含有量が5〜30重量
    %であることを特徴とする請求項2に記載の滑り軸受。
  4. 【請求項4】 Cuの含有量が7〜30重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の滑り軸
    受。
  5. 【請求項5】 前記鉄炭素合金基地中に黒鉛、二硫化モ
    リブデン、二硫化タングステン、窒化硼素、窒化けい
    素、弗化黒鉛、エンスタタイトの1種または2種以上の
    粒子を3重量%以下含有していることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の滑り軸受。
  6. 【請求項6】 前記ワックスは、パラフィンワックス、
    マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、ラ
    イスワックス、キャンデリラワックス、みつろう、モン
    タンワックス、ポリエチレンワックスのいずれかである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の滑り
    軸受。
  7. 【請求項7】 前記ワックスは、パラフィンワックス、
    マイクロクリスタリンワックスの少なくともいずれか一
    方であり、前記油分は極圧添加剤を含む工業用潤滑油で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    滑り軸受。
  8. 【請求項8】 前記ワックスの含有量が20〜40重量
    %であり、このワックスは、0.5〜1.5重量%の極
    圧添加剤および1.5〜2.5重量%の固体潤滑剤粒子
    の少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする
    請求項7に記載の滑り軸受。
  9. 【請求項9】 軸との摺動面に複数の溝を備えており、
    その溝に、油に固体潤滑剤粒子を分散させたペーストま
    たは前記潤滑組成物を充填したことを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の滑り軸受。
  10. 【請求項10】 前記鉄炭素合金の摺動面以外の外面の
    気孔を目潰ししたことを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の滑り軸受。
  11. 【請求項11】 支持する軸が揺動するか滑り軸受が回
    転する状態で使用することを特徴とする請求項1〜10
    のいずれかに記載の滑り軸受の使用方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかに記載の滑
    り軸受の使用方法であって、軸との摺動面に作用する面
    圧が30MPa以上の条件で使用することを特徴とする
    滑り軸受の使用方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれかに記載の滑
    り軸受の使用方法であって、温度60℃未満の常温で使
    用することを特徴とする滑り軸受の使用方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10のいずれかに記載の滑
    り軸受の使用方法であって、支持する軸が揺動するか滑
    り軸受が回転する条件と、使用する軸との摺動面に作用
    する面圧が30MPa以上の条件と、温度60℃未満の
    常温で使用する条件のうちの2つまたは3つの条件で使
    用することを特徴とする滑り軸受の使用方法。
JP06249097A 1997-02-28 1997-02-28 滑り軸受およびその使用方法 Expired - Fee Related JP3622938B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06249097A JP3622938B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 滑り軸受およびその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06249097A JP3622938B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 滑り軸受およびその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10246230A true JPH10246230A (ja) 1998-09-14
JP3622938B2 JP3622938B2 (ja) 2005-02-23

Family

ID=13201677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06249097A Expired - Fee Related JP3622938B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 滑り軸受およびその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3622938B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003064873A1 (en) * 2002-01-30 2003-08-07 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Oil-impregnated sintered sliding bearing
JP2004360731A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Komatsu Ltd 滑り軸受およびそれを用いる作業機連結装置
US7234871B2 (en) 2004-06-23 2007-06-26 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Sliding bearing for use under high load
JP2008057626A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Hitachi Constr Mach Co Ltd 軸受装置用のブッシュ
US7438979B2 (en) 2003-05-26 2008-10-21 Komatsu Ltd. Thermal spray membrane contact material, contact member and contact part, and apparatuses to which they are applied
WO2009075131A1 (ja) * 2007-12-12 2009-06-18 Tsubakimoto Chain Co. チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン
JP2012067893A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Ntn Corp 焼結軸受
WO2012067378A2 (ko) * 2010-11-17 2012-05-24 두산인프라코어 주식회사 윤활 특성이 향상된 슬라이딩 베어링
CN104204574A (zh) * 2012-03-19 2014-12-10 Ntn株式会社 烧结金属轴承
WO2016092966A1 (ja) * 2014-12-08 2016-06-16 日本精工株式会社 軸受装置
JP2016180465A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱マテリアル株式会社 含油摺動部材、含油軸受および含油摺動部材の製造方法
CN111957954A (zh) * 2019-05-20 2020-11-20 海安县鹰球粉末冶金有限公司 一种粉末冶金含油轴承制造工艺
CN115340898A (zh) * 2022-08-08 2022-11-15 四川盛杰机电设备有限责任公司 一种金刚线润滑剂及其制备方法、应用

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7014367B2 (en) 2002-01-30 2006-03-21 Hitachi Powered Metals Co., Ltd. Oil-impregnated sintered sliding bearing
WO2003064873A1 (en) * 2002-01-30 2003-08-07 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Oil-impregnated sintered sliding bearing
US7438979B2 (en) 2003-05-26 2008-10-21 Komatsu Ltd. Thermal spray membrane contact material, contact member and contact part, and apparatuses to which they are applied
US7648773B2 (en) 2003-05-26 2010-01-19 Komatsu Ltd. Thermal spray membrane contact material, contact member and contact part, and apparatuses to which they are applied
JP2004360731A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Komatsu Ltd 滑り軸受およびそれを用いる作業機連結装置
JP4514416B2 (ja) * 2003-06-02 2010-07-28 株式会社小松製作所 滑り軸受およびそれを用いる作業機連結装置
KR100827358B1 (ko) 2004-06-23 2008-05-07 히다치 훈마츠 야킨 가부시키가이샤 고하중용 미끄럼 베어링
CN100362251C (zh) * 2004-06-23 2008-01-16 日立粉末冶金株式会社 高负荷用滑动轴承
US7234871B2 (en) 2004-06-23 2007-06-26 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Sliding bearing for use under high load
JP2008057626A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Hitachi Constr Mach Co Ltd 軸受装置用のブッシュ
US8771119B2 (en) 2007-12-12 2014-07-08 Tsubakimoto Chain Co. Lubricant composition for chains, and chain
WO2009075131A1 (ja) * 2007-12-12 2009-06-18 Tsubakimoto Chain Co. チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン
JP2009144005A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Tsubakimoto Chain Co チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン
US9200670B2 (en) 2010-09-27 2015-12-01 Ntn Corporation Sintered bearing
CN103119313B (zh) * 2010-09-27 2015-10-21 Ntn株式会社 烧结轴承
JP2012067893A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Ntn Corp 焼結軸受
CN103119313A (zh) * 2010-09-27 2013-05-22 Ntn株式会社 烧结轴承
WO2012043140A1 (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Ntn株式会社 焼結軸受
US8815407B2 (en) 2010-11-17 2014-08-26 Doosan Infracore Co. Ltd. Sliding bearing having improved lubrication characteristics
WO2012067378A2 (ko) * 2010-11-17 2012-05-24 두산인프라코어 주식회사 윤활 특성이 향상된 슬라이딩 베어링
WO2012067378A3 (ko) * 2010-11-17 2012-09-13 두산인프라코어 주식회사 윤활 특성이 향상된 슬라이딩 베어링
CN104204574A (zh) * 2012-03-19 2014-12-10 Ntn株式会社 烧结金属轴承
WO2016092966A1 (ja) * 2014-12-08 2016-06-16 日本精工株式会社 軸受装置
JPWO2016092966A1 (ja) * 2014-12-08 2017-09-14 日本精工株式会社 軸受装置
JP2016180465A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱マテリアル株式会社 含油摺動部材、含油軸受および含油摺動部材の製造方法
CN111957954A (zh) * 2019-05-20 2020-11-20 海安县鹰球粉末冶金有限公司 一种粉末冶金含油轴承制造工艺
CN115340898A (zh) * 2022-08-08 2022-11-15 四川盛杰机电设备有限责任公司 一种金刚线润滑剂及其制备方法、应用
CN115340898B (zh) * 2022-08-08 2023-06-06 四川盛杰机电设备有限责任公司 一种金刚线润滑剂及其制备方法、应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3622938B2 (ja) 2005-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100827358B1 (ko) 고하중용 미끄럼 베어링
JP5378530B2 (ja) 耐摩耗性が向上した滑り軸受け及びその製造方法
KR100434770B1 (ko) 자기윤활성소결마찰재및그제조방법
KR101222882B1 (ko) 소결 슬라이딩 재료, 슬라이딩 부재, 연결장치 및 슬라이딩부재가 적용되는 장치
CN103221702B (zh) 润滑特性提高的滑动轴承
JPH10246230A (ja) 滑り軸受およびその使用方法
CN101415963B (zh) 滑动轴承
EP2312174B1 (en) Slide bearing with grease
JP4514416B2 (ja) 滑り軸受およびそれを用いる作業機連結装置
CN106048440B (zh) 轴承材料
Furlan et al. Thermal stability of the MoS2 phase in injection moulded 17-4 PH stainless steel
US20110249923A1 (en) Sintered bush
JP2006200024A (ja) 摺動材料およびその製造方法
JP2022102784A (ja) 摺動部材、軸受、摺動部材の製造方法、軸受の製造方法
KR100881935B1 (ko) 분말 야금 부품을 포함하는 구름 베어링
CN101793291B (zh) 烧结含油轴承
JP4619302B2 (ja) すべり軸受及びその製造方法
JP3978042B2 (ja) 建設機械用焼結滑り軸受
CN112567057A (zh) 一种无铅超硬自润滑铜合金及其制造方法
CN101101023A (zh) 钨钼合金自润滑轴承
da Costa Gonçalves et al. Self-lubricating sintered composites with hexagonal boron nitride and graphite mixtures as solid lubricants
KR100261059B1 (ko) 동계 소결합금부재의 제조방법
JP4451277B2 (ja) すべり軸受用グリス
Juszczyk et al. PM Non-Ferrous and Special Materials: Assessment of Tribological Properties and Wear Resistance of Copper Matrix Composite Materials Containing Lubricating Phase Particles

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071203

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees