JP2009024292A - エレクトロデポジション装置、構造体の製造方法及びそれから製造される構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エレクトロデポジション法において、所望の形状やパターンの高分子ウェブを容易に形成可能な手段の提供。
【解決手段】 原料液供給部と飛翔原料受取部の間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて原料液を供給することにより前記飛翔原料受取部上で構造体を形成させるエレクトロデポジション装置において、前記両部間の空間に形成される前記電界を変化可能な空間電界可変手段を更に有することを特徴とする、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部への飛翔原料の飛翔方向及び/又は飛翔範囲を変化させることができる装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エレクトロデポジション法(エレクトロスピニング法)による構造体(例えば平面構造体)の製造方法、前記製造方法により得られる構造体、前記製造方法が実施可能であるエレクトロデポジション装置であって、特に、ノズル電極とコレクタ電極間の電気力線パターンを空間電界を調整して制御し、所望の形状を有する構造体を製造する方法、前記製造方法により得られる構造体、前記製造方法が実施可能であるエレクトロデポジション装置に関するものである。
単繊維の直径がナノオーダーの繊維からなる高分子ウェブを作製するのに使用されている一般的な方法として、エレクトロスピニング法が知られている。この方法では、ポリマー溶液を調製した後、ポリマー溶液に高電圧を印加して口金から押し出し、極細な繊維を形成する。当該方法により、一般的には数百nmレベルの繊維径の高分子ウェブを製造することができる。
また、エレクトロスピニング法による高分子ウェブの製造方法については、マルチノズル式の連続製造方法も知られている。これは高分子溶液タンクからマルチノズルにポンプで溶液を供給し、ノズル−適用対象物間に電圧を印加し、適用対象物上に高分子ウェブを適用する方法である(特許文献1)。当該方法は、補助電極によりノズル側の電極と同極の電圧を印加し、電荷を帯びた高分子が相互干渉して反発する結果、高分子が散乱することを防止する。
また、マルチノズルに関しては、ノズル間に補助電極を設け、ノズルよりも低い電圧を印加して電気的干渉を防ぎ電界をコレクタ電極上に集中させることにより、高分子ウェブの製造速度を飛躍的に向上させる方法が開示されている(特許文献2)。
特開2002−201559号公報 特開2006−283240号公報
ここで、近年、この高分子ウェブは、半導体基板上の電線・発光体用電子銃等のエレクトロニクス分野、高性能フィルタ等の環境分野、傷口保護材や人工臓器等のメディカル分野への応用に期待されている。しかしながら、特許文献1及び2を含め、従来の方法では、適用される用途に求められる形状やパターンの高分子ウェブを製造するのに適しておらず、当該用途への適用が妨げられているという問題がある。そこで、本発明は、エレクトロデポジション法において、所望の形状やパターンの高分子ウェブを容易に形成可能な手段を提供することを目的とする。
本発明者は、ノズル電極とコレクタ電極との間の空間に形成される電界に着目し、当該電界を制御することで、所望の形状やパターンの高分子ウェブを容易に形成できることを見出し、本発明を完成させたものである。尚、上記の特許文献1及び2には、ノズル−適用対象物間に電圧を印加する他、高分子の散乱等を防止する目的で補助電極を設けるという、本発明と類似した構成が開示されている。しかしながら、当該補助電極は、いずれもノズルの横という、ノズル電極とコレクタ電極との間に形成される空間電界に影響を与えない位置に配置されていると共に、その目的も、所望の形状やパターンの高分子ウェブを容易に形成するという類ではなく、本発明とは本質的に異なる。
すなわち、本発明(1)は、原料液供給部(吐出部100)と飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)の間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)に向けて原料液を供給することにより前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)上で構造体を形成させるエレクトロデポジション装置において、
前記両部間の空間に形成される前記電界を変化可能な空間電界可変手段(空間電界制御部200)を更に有することを特徴とする、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)への飛翔原料の飛翔方向及び/又は飛翔範囲を変化させることができる装置である。
本発明(2)は、前記空間電界可変手段(空間電界制御部200)が、
前記原料液供給部(吐出部100)と前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間に配置された導電体構造物{例えば、201a(1)、201a’(1)、201b(1)、201b’(1)}と、
前記導電体構造物に対して電圧を印加可能な電源供給手段{例えば202(1)}と、
を有する電圧印加手段であると共に、
前記電圧印加手段は、前記原料液供給部(吐出部100)と前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間で、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)に向けての前記原料液の供給方向とは異なる方向から電圧を印加するよう構成されている、発明(1)の装置である。
本発明(3)は、前記異なる方向が、前記供給方向と略垂直な方向である、発明(2)の装置である。
本発明(4)は、前記空間電界可変手段(空間電界制御部200)が、
前記原料液供給部(吐出部100)と前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間に配置された磁力発生手段{空間電界制御装置200(3)}である、発明(2)の装置である。
本発明(5)は、前記飛翔原料の飛翔経路を制御可能な空間電界制御手段(空間電界制御手段200)を更に有する、発明(1)〜(4)のいずれかの装置である。
本発明(6)は、原料液供給部(吐出部100)と飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)の間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)に向けて原料液を供給することにより前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)上で構造体を形成させる、構造体の製造方法において、
前記両部間の空間に形成される前記電界を変化させることを特徴とする、前記原料液供給部(吐出部100)から供給された飛翔原料の飛翔方向及び/又は飛翔範囲を変化させることにより所望形状の構造体を製造する方法である。
本発明(7)は、前記原料液供給部(吐出部100)と前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間で、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)に向けての原料液の供給方向とは異なる方向から電圧を印加することにより前記空間電界を変化させる、発明(6)の方法である。
本発明(8)は、前記異なる方向が、前記供給方向と略垂直な方向である、発明(7)の方法である。
本発明(9)は、前記原料液供給部(吐出部100)と前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間で磁力を発生させることにより前記空間電界を変化させる、発明(6)の方法である。
本発明(10)は、前記飛翔原料の飛翔経路を制御するために、前記原料液供給部(吐出部100)と飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間に形成される空間電界を制御する、発明(6)〜(9)のいずれかの方法である。
本発明(11)は、発明(6)〜(10)のいずれかの方法により得られる構造体である。
本発明(12)は、高分子ウェブ又は粒子分散体である、発明(11)の構造体である。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書中の各用語の定義を記載する。まず、「原料液」とは、高分子溶液、高分子分散液、高分子溶融液、粒子分散液等のエレクトロデポジションにおいて原料として使用されうる液体を意味する。「飛翔原料」とは、原料液供給部から供給された原料液に由来した飛翔体である限り特に限定されず、液状であっても、或いは、飛翔中に溶媒が揮発する等の理由で原料が乾燥形態になったもののいずれをも包含する。「構造体」とは、二次元的な構造体及び三次元的な構造体のいずれをも包含し(例えば繊維構造体、粒子分散体)、また、原料液のみに由来した構造体に限定されず、他の材料(例えば、繊維、フィルム等)と原料液由来成分との複合体をも包含する。
本発明によれば、高分子ウェブ等の構造体を製造するに際し、空間電界可変手段により飛翔原料の飛翔方向及び/又は飛翔範囲を変化させることができるため、当該構造体(例えば高分子ウェブ)を任意の模様や形状とすることが可能であるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の最良形態を説明する。尚、本発明の技術的範囲は本最良形態に限定されるものではない。具体的には、以下の最良形態では、原料液として高分子溶液を例に採る等、用語を限定的に使用しているが、本発明の技術的範囲は当該限定的用語に限定されるものではない。
装置全体の構成
図1は、本最良形態に係るエレクトロデポジション装置の全体構成の一態様を示した図である。ここで、エレクトロデポジション装置は、高分子溶液を後述するコレクタ電極110に向けて吐出するための吐出部100と、当該吐出部100と対向した位置に配されたコレクタ電極110と、当該吐出部100とコレクタ電極110との間(正確には当該吐出部100のノズル電極101とコレクタ電極110との間)に電圧を印加する電源部120と、当該吐出部100とコレクタ電極110との間(正確には前記と同様)の電界を制御するための空間電界制御部200とを有する。以下、各構成要素を詳述する。
まず、エレクトロデポジション装置の一部を構成する吐出部100は、高分子溶液を吐出可能に開口したノズル電極101と、当該ノズル電極101と液体導通関係にあり、当該高分子溶液をノズル電極101に供給するための、高分子溶液を保持するための液体コンテナ102と、液体コンテナ102内の高分子溶液を押し出してノズル電極101の開口部から外部に向けて吐出させる押圧装置(液体吐出装置、シリンジポンプ)103とを有する。ここで、押圧装置103を吐出方向に駆動制御した場合、高分子溶液が液体コンテナ102からノズル電極101へと移動し、一定量噴出されるように構成されている。高分子溶液の噴出量を一定に保つことにより、一定時間あたりに一定の高分子ウェブを構築することができる。以下、吐出部100を構成する各要素を詳述する。
まず、ノズル電極101は、前述したように開口部を有しており、コレクタ電極110に向けて高分子溶液を吐出する機能を有すると共に、それ自体が導電性であり、かつ、電源120と電気的に接続しているために電極としての機能も有している。尚、図1に示した実施態様においては、ノズル電極は一つであるが、必ずしも一つのノズルである必要は無く、複数のノズルが設けられていてもよい。また、図1においては、ノズル電極101は電極の役割を担うものであるが、ノズルと電極が一体である必要は無く、ノズルの近傍に更に電極を設けて使用する形態であってもよい。
次に、エレクトロデポジション装置の一部を構成するコレクタ電極110は、図1においては平面状の形状を有しているが、その形状には特に限定されず、例えば、円筒状の形状を有していてもよい。また、前記のように円筒状の形状を有している場合には、円筒状のコレクタ電極を回転させて、延伸しながら高分子ウェブを製造してもよい。更に、コレクタ電極110の表面に、導電領域と非導電領域のパターンが構築されていてもよい。
次に、エレクトロデポジション装置の一部を構成する電源部120は、ノズル電極101とコレクタ電極110と電気的に接続しており、両電極間に電圧を印加可能な電源である。ここで、電源部120に使用しうる電源は、特に限定されないが、例えば、直流電源、パルス電源、交流電源等が挙げられる。電源によりノズル電極に印加する電圧は、空気放電する電圧以下であれば特に限定されず、例えば、1〜50kVで好適である。
空間電界制御部の構成
次に、エレクトロデポジション装置の一部を構成する、本発明の特徴部である空間電界制御部200を詳述する。以下、第一例と第二例が、電位差により空間電界を変化させた例であり、第三例が、磁力により空間電界を変化させた例である。以下、各例を詳述する。
(第一例)
図1は、本例に係るエレクトロデポジション装置の概観図である。そして、図2は、図1の空間電界制御部200を上から眺めた図である。空間電界制御部200(1)は、空間電界制御電極201a(1)、a’(1)、b(1)、b’(1)の4つの電極と、当該各電極に電圧を印加する電源202(1)と、当該電源202(1)の電圧を制御するための電圧制御手段203(1)と、から構成される。ここで、4つの空間電界制御電極は、電荷を帯びた飛翔高分子を通過可能な枠体構造を成し、更に電極間は絶縁体等により相互に電気的に隔されている。そして、本例においては、電源202(1)の一方の極は4つの電極と等電位的に接続しており、他方の極は接地されている。
尚、当該例では、空間電界制御電極用の電源が一個である場合を例示したが、例えば、すべての電極に対して異なる電源を配したり、対向する電極に対して一つの電源を配する等、どのような構成を採ってもよい。例えば、空間制御電極201a(1)及びa’(1)を一対の対向電極とし、これらに印加される電圧をコントロールすれば、x方向での高分子の飛翔方向や範囲(エリア)のコントロールが可能になると共に、空間制御電極201b(1)及びb’(1)を一対の対向電極とし、これらに印加される電圧をコントロールすれば、y方向での高分子の飛翔方向や範囲(エリア)のコントロールが可能になる。
(第二例)
図3は、本例に係る空間電界制御部200(2)を上から眺めた図である。尚、本例に係るエレクトロデポジション装置の概観図は図1と同様であるので省略する。空間電界制御部200(2)は、中空円形状の空間電界制御電極201(2)と、当該各電極に電圧を印加する電源202(2)と、当該電源202(2)の電圧を制御するための電圧制御手段203(2)と、から構成される。ここで、第一例と比較すると、枠体がすべての位置で等電位である点で共通し、その形状が円形である点と、電極を構成する部材が一つである点で相違する。
(第三例)
図4は、本例に係るエレクトロデポジション装置の概観図である。尚、空間電界制御装置200(3)以外は基本的に例1と同一であるので、以下では空間電界制御装置200(3)のみ詳述することとする。本例における空間電界制御装置200(3)は、磁場を発生可能な、x方向で対向した一対の偏向板201a(3)及び201a’(3)と、磁場を発生可能な、y方向で対向した一対の偏向板201b(3)及び201b’(3)とから構成される。ここで、偏向板201a(3)及び201a’(3)は、ノズル電極101とコレクタ電極(図示せず)の間に発生した電気力線を図中のx軸方向に曲げるよう作用する。他方、偏向板201b(3)及び201b’(3)は、ノズル電極101とコレクタ電極(図示せず)の間に発生した電気力線を図中のy軸方向に曲げるよう作用する。尚、当該例に係る空間電界制御装置の原理は、ブラウン管の偏向板と同様の原理である。したがって、本例で詳述しなかった箇所、例えば、磁場をどのように発生させるかやどのように制御するか等については、ブラウン管における周知技術がそのまま適用可能である。
以上、発明の本最良形態に係る装置の構成について述べた。尚、本発明における空間電界制御部200は、例えば、上記例の二以上を組み合わせて使用することも可能である。
構造体の製造方法
続いて、本最良形態に係るエレクトロデポジション装置を用いた、エレクトロデポジションによる構造体を製造する方法について詳述する。
(原料液)
まず、液体コンテナ102内に、原料液として高分子溶液又は高分子溶融液を充填する。尚、本最良形態に係る装置において使用できる原料液は、特に限定されないが、例えば、高分子溶液、高分子分散液、高分子溶融液、粒子分散液が挙げられる。高分子溶液、高分子分散液、高分子溶融液に使用する高分子は、特に限定されないが、ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、ウレタン、ナイロン等の汎用高分子、導電性高分子、タンパク質等の天然高分子等を用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ナイロン66、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、セルロース、ポリエーテルウレタン、ポリ乳酸、ポリカプロラクタン、フィブロイン、コラーゲンが挙げられる。また、使用される高分子は、単一成分に限定されるものではなく、上述の高分子等を二種以上混合して使用してもよい。またさらに、原料液は高分子溶液だけに限られず、例えば金属、セラミックス等の無機物を主成分としたゾル,ゲルを用いてもよい。これらゾル,ゲルを高分子溶液として使用することにより、配向性を有する無機系材料からなるウェブを製造することが可能である。さらに、このウェブを焼結することで無機系焼結繊維からなるウェブを製造することが可能である。尚、原料液として使用する粒子分散液は、特に限定されないが、金、チタニア等のナノ粒子が挙げられる。
ここで高分子溶液を使用する場合、溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、アセトン、クロロホルム、エタノール、メタノール、トルエン、キシロール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。使用する溶媒は、単一成分に限定されるものではなく、上述の溶剤等を二種以上混合して使用してもよい。さらに、高分子溶液の電気特性を改善するために、水に対して、水酸化ナトリウム、塩化リチウム等の電解質を添加してもよい。
(構造体の形状制御)
ノズル電極101とコレクタ電極110との間に直流高電圧を印加した状態で、シリンジポンプを作動させてノズル電極101より高分子溶液等を放出する。原料液に高分子溶液を用いた場合、放出された高分子溶液等は、ノズル電極101からノズル電極101とコレクタ電極110との間に生じている電界場中に放出される。電界場に放出された高分子は、電気力線にそって飛翔し構造体を形成する。すなわち、電気力線の形状を空間電界制御部200により制御することにより、得ようとする形状を有する構造体を製造することができる。
ここで、上述の例1〜例3に従い、空間電界を制御した場合を説明する。まず、電位差により電気力線の構造を制御する例1及び例2の場合から説明すると、空間制御電極に対して、ノズル電極101と同極側の電圧を印加するとき、エレクトロデポジションにより生成される構造体のスポットは狭いものとなり、一方、反対極側の電圧を印加したとき、構造体のスポットは広いものとなる。また、第一例に係る空間電界制御装置200(1)において、空間電界制御電極201a(1)/a’(1)と201b(1)/b’(1)に対して独立した電源を有する構成とした場合、例えば、空間電界制御電極201a(1)/a’(1)に対してコレクタ電極101と同極側の電圧を印加して、空間電界制御電極に201b(1)/b’(1)に対してコレクタ電極101と反対極側の電圧を印加した場合には、堆積する構造体の形状は、楕円形状となる。更に、例えば、飛翔高分子がマイナスビームである場合、空間電界制御電極201a(1)/a’(1)の一方をプラスとし他方をマイナスとしたときには、当該マイナスビームは、プラス側の電極の方に曲がる。このように、構造体のスポットの広狭の制御のみならず、多彩な制御を行うことが可能となる。
次に、磁場により電気力線を制御する例3の場合を説明すると、偏向板に所望の磁力を発生させるために、所定の電流を流す。これにより、空間に磁場が発生する結果、ノズル電極部100とコレクタ電極110の間に発生する電気力線を適当な形状パターンに変化させることが可能となる。そのため、構造体の飛翔する経路を制御することができるため、適用しようとする位置に構造体を形成することができる。
ここで、高分子ウェブの形態(形状、径等)は、上記の空間電界制御部による電気力線の形状のみならず、ノズル径、ノズル電極からの液の供給速度(吐出速度)、電極間距離、電極間電圧、液性、コレクタ電極を回転させる場合には、回転速度(線速度)、等に依存する。例えば、コレクタ電極110に回転型の電極を採用した場合には、回転速度(線速度)を高分子溶液の供給速度より速くすることにより、構築される高分子ウェブにテンションをかけた状態で、配向性を有する高分子ウェブが製造可能である。尚、回転速度は、通常、表面線速度が0.1m/分〜100m/sとなる範囲内である。ここで、より高強度(高い破断強度)を有する高分子ウェブを得る観点からは、コレクタ電極を高速回転させることが好適である。
製造される構造体とその用途
本発明に係る高分子ウェブは、用途に適合した形態(形状、径等)を備えているので、各種用途、例えば、半導体基板上の電線・発光体用電子銃等のエレクトロニクス分野、高性能フィルタ等の環境分野、傷口保護材や人工臓器等のメディカル分野で使用可能である。また、本最良形態に係る装置により、得られる粒子分散体は、光学、医療分野等への応用が可能である。
実施例1
図1及び図2に示したエレクトロデポジション装置を構築し、実際にエレクトロデポジションを行った。
吐出部100(容量1mlのガラス製シリンジに、内径0.5mmのルアーロック付金属製ノズルを装着したシリンジポンプ)にポリビニルアルコール(MW200,000)の5%水溶液0.5mlをいれ、毎分75μl吐出するように調整した。
吐出部100のノズル電極101とコレクタ電極110間距離を180mmに調節し、ノズル電極101を正として15kVの電圧を直流電源により印加した。このとき概略40乃至50μAの電流が観測された。
さらに図2に示した空間電界制御電極211a、a’、b、b’(100mm×100mmの正方形)に+3kVの電圧を直流電源により印加した。
押圧装置103を駆動することにより、ノズル電極101とコレクタ電極110間にポリビニルアルコールの微細繊維が発生し、コレクタ電極110にその繊維が付着、堆積した。
10分間押圧装置103を駆動した後、電圧印加と押圧装置103の駆動を停止した。コレクタ電極110の表面には微細な繊維が堆積していた。繊維の付着状況を観察したところ、コレクタ電極110上の半径約7cmの範囲に繊維が付着していた。また付着繊維層の厚さは付着領域全域でほぼ均等であった。
コレクタ電極上の堆積物をはがして顕微鏡で観察し、顕微鏡視野内の繊維200本を任意に選び、その平均繊維径を測定したところ118nmであった。
比較例1
空間電界制御電極211a、a’、b、b’に電圧を印加しない以外は、実施例1と同条件で、エレクトロデポジションを行った。
10分間押圧装置103を駆動した後、電圧印加と押圧装置103の駆動を停止した。コレクタ電極110の表面には微細な繊維が堆積していた。繊維の付着状況を観察したところ、コレクタ電極110上の半径約18cmの範囲に繊維が付着していた。また付着繊維層の厚さは付着領域全域でほぼ均等であった。
コレクタ電極110上の堆積物をはがして顕微鏡で観察し、顕微鏡視野内の繊維200本を任意に選び、その平均繊維径を測定したところ125nmであった。
本発明に係る装置により、用途に適合した、様々な形態の構造体を製造することができるので、各種用途(例えば、半導体基板上の電線・発光体用電子銃等のエレクトロニクス分野、高性能フィルタ等の環境分野、傷口保護材や人工臓器等のメディカル分野)で有用である。
図1は、本最良態様に係る装置を示した図である。 図2は、本最良形態に係る装置に使用し得る空間電界制御電極の構成を示した図である。 図3は、本最良形態に係る装置に使用し得る空間電界制御電極の構成を示した図である。 図4は、本最良形態に係る装置に使用し得る空間電界制御電極の構成を示した図である。

Claims (12)

  1. 原料液供給部と飛翔原料受取部の間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて原料液を供給することにより前記飛翔原料受取部上で構造体を形成させるエレクトロデポジション装置において、
    前記両部間の空間に形成される前記電界を変化可能な空間電界可変手段を更に有することを特徴とする、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部への飛翔原料の飛翔方向及び/又は飛翔範囲を変化させることができる装置。
  2. 前記空間電界可変手段が、
    前記原料液供給部と前記飛翔原料受取部との間に配置された導電体構造物と、
    前記導電体構造物に対して電圧を印加可能な電源供給手段と、
    を有する電圧印加手段であると共に、
    前記電圧印加手段は、前記原料液供給部と前記飛翔原料受取部との間で、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けての前記原料液の供給方向とは異なる方向から電圧を印加するよう構成されている、請求項1記載の装置。
  3. 前記異なる方向が、前記供給方向と略垂直な方向である、請求項2記載の装置。
  4. 前記空間電界可変手段が、
    前記原料液供給部と前記飛翔原料受取部との間に配置された磁力発生手段である、請求項1記載の装置。
  5. 前記飛翔原料の飛翔経路を制御可能な空間電界制御手段を更に有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の装置。
  6. 原料液供給部と飛翔原料受取部の間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて原料液を供給することにより前記飛翔原料受取部上で構造体を形成させる、構造体の製造方法において、
    前記両部間の空間に形成される前記電界を変化させることを特徴とする、前記原料液供給部から供給された飛翔原料の飛翔方向及び/又は飛翔範囲を変化させることにより所望形状の構造体を製造する方法。
  7. 前記原料液供給部と前記飛翔原料受取部との間で、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けての原料液の供給方向とは異なる方向から電圧を印加することにより前記空間電界を変化させる、請求項6記載の方法。
  8. 前記異なる方向が、前記供給方向と略垂直な方向である、請求項7記載の方法。
  9. 前記原料液供給部と前記飛翔原料受取部との間で磁力を発生させることにより前記空間電界を変化させる、請求項6記載の方法。
  10. 前記飛翔原料の飛翔経路を制御するために、前記原料液供給部と飛翔原料受取部との間に形成される空間電界を制御する、請求項6〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項記載の方法により得られる構造体。
  12. 高分子ウェブ又は粒子分散体である、請求項11記載の構造体。
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KR20200020897A (ko) 2017-07-25 2020-02-26 후지필름 가부시키가이샤 부직포 제조 방법 및 장치

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