JP2009024053A - ポリイミド系フィルム用熱硬化性組成物及びレジスト剤及び積層体。 - Google Patents

ポリイミド系フィルム用熱硬化性組成物及びレジスト剤及び積層体。 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリイミド系フィルムに対して優れた接着性だけではなくポリイミドの有する耐熱性を阻害することがないポリイミド系フィルム用の熱硬化性組成物を提供すること、および、該組成物を用いたレジスト剤や表面改質されたポリイミド系フィルムを提供することである。
【解決手段】
数平均分子量が3000以上30万以下であって、主鎖中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、イミド結合またはエーテル結合から選ばれる1種以上の結合基を有し、分子中にフェノール性芳香環構造を含む樹脂とメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも一種の硬化剤を含むことを特徴とするポリイミド系フィルム用熱硬化性組成およびそれを用いたレジスト剤、さらに表面改質されたポリイミド系積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリイミド系フィルムとの接着性が優れ、硬化性、耐熱性が優れた熱硬化性組成物及びそれを用いたレジスト剤およびポリイミド系フィルムへの積層体に関するものである。
従来より、無水ピロメリット酸やベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテルやフェニレンジアミン等の芳香族ジアミンとを等モルで反応させることにより、ポリアミック酸と呼ばれる高分子量のポリイミド前駆体を得て、該前駆体をイミド化することにより芳香族ポリイミドが得られることは知られている。芳香族ポリイミドは耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、機械的特性が優れるため、各種電気材料、電子材料として広く利用されている。フレキシブルプリント配線板の材料となるフレキシブル金属積層体としても、芳香族ポリイミドフィルム/接着剤/銅箔からなる3層フレキシブル銅貼り積層体が知られている。接着剤を使わない芳香族ポリイミド系樹脂と銅箔からなる2層フレキシブル銅貼り積層体も知られている。
ポリイミドはジメチルアセトアミドやN−メチルピロリドンに溶解したポリアミック酸を塗布乾燥し、更に高温でイミド化反応を起こさせることによりフィルム化されている。ポリイミドのイミド基は官能基間の相互作用が強いため、また、ポリイミドフィルムはイミド化時に300℃を超える温度で処理されるため、表面活性に乏しくなる。そのため、コロナ放電処理やプラズマ処理あるいはアルカリ等の薬品処理により表面改質が成されている。これらの表面処理は高価な装置を必要としたり、表面処理度が経時変化する、あるいはポリイミドの強度自体を低下させる等の問題がある。
FPC(フレキシブルプリント配線板)では回路の保護や実装時のはんだ付着防止等のために、液状あるいはフィルム状のレジスト剤が使用されている。従来のレジスト剤では基板材料のポリイミドフィルムとの接着性が不足していたり、耐屈曲性や耐熱性においても高度化する要求を満足することができていない。
ポリイミド系フィルムの接着性改良はコロナ放電処理、プラズマ処理、薬品処理以外にも多数検討されている。ポリベンズイミダゾールの薄膜をポリイミドフィルムに積層する方法(特許文献1)、対象性の悪いテトラカルボン酸二無水物をポリイミドの表層に形成する方法(特許文献2))、カップリング剤でポリイミドフィルムの表面改質を行う方法(特許文献3)等が知られている。
レジスト剤においても、ポリイミドフィルムや銅箔との接着性の改良が検討されているが、特許文献4や5にあるように、エポキシ樹脂を主成分にして各種硬化剤や調整剤を配合した物である。
特許公開2006−181769号公報 特許公開2000−43211号公報 特許公開平成8−34870号公報 特許公開2006−229127号公報 特許公開2005−298728号公報
本発明の課題は、ポリイミド系フィルムに対して優れた接着性だけではなくポリイミドの有する耐熱性を阻害することがないポリイミド系フィルム用の熱硬化組成物を提供すること、および、該組成物を用いたレジスト剤や表面改質されたポリイミド系フィルムを提供することである。
本発明者等は、ポリイミドへの接着性、耐熱性と屈曲性に優れた熱硬化性組成物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の熱硬化性組成物とそれを使用したレジスト剤およびポリイミド積層体である。
(1)数平均分子量が3000以上30万以下であって、主鎖中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、イミド結合またはエーテル結合から選ばれる1種以上の結合基を有し、分子中に式(1)で表される構造を50〜5000当量/トンを含む樹脂とメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化剤を含むことを特徴とするポリイミド系フィルム用の熱硬化性組成物。
Figure 2009024053
、Rは二価の炭化水素残基、nは0または1、mは1〜4の整数。ただしORに対し芳香環のオルトとパラ位のうち少なくとも一つは水素である。
(2)上記(1)に記載の熱硬化性組成物を用いたレジスト剤。
(3)上記(1)に記載の熱硬化性組成物をポリイミド系フィルムに積層した積層体。
本発明は優れた熱硬化性とポリイミド系フィルムとの接着性を併せ持つだけではなく、レジスト剤として用いた場合、銅箔への接着性、半田耐熱性、長期の耐久性等が良好な熱硬化性を示すレジスト剤や表面改質されたポリイミド系フィルムを提供する。
本発明で使用する硬化剤はメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂であり、特にフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂としては一般にフェノール樹脂として市販されているものを使用できる。またフェノール樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂が好ましい。
これらの熱硬化性樹脂はホルムアルデヒドに起因するメチロール基やメチロール基のアルキルエーテル化物が主剤の樹脂の水酸基やカルボキシル基と酸触媒の存在化で反応することにより硬化する。ポリエステルやポリアミドのような縮合系高分子やポリウレタンのような重付加重合系高分子では硬化反応に利用できる反応点は樹脂の末端基になる。主剤の樹脂の分子量が大きくなるほど、末端基の濃度が下がり、架橋密度は低下する。メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂は自己架橋することができるが、主剤の樹脂の反応点が末端基である場合、分子量の増加による架橋密度の低下が起こる。
本発明はフェノール性芳香環のオルトあるいはパラ位での親電子置換反応を利用する。本発明で使用する樹脂は、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂と組み合わせる。樹脂中には汎用的に反応点として利用されている水酸基やカルボキシル基を有してもかまわないが、フェノール性芳香環を必ず含有する。本発明で言うフェノール性芳香環は上記式(1)で示す構造であり、フェノール性水酸基を含んでもかまわないが、フェノール性水酸基の水素が炭化水素で置換したエーテル型化合物が望ましい。具体的な化合物としてはハイドロキノンのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、レゾルシノールのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールCのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールZのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、ビフェノールのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、フェノールフタレインのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。エチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドの付加モル数は1〜10の範囲の物がよい。付加モル数が大きくなると可とう性が優れるが耐熱性の低下が認められる。
本発明で使用される樹脂は式(1)で表される構造を50〜5000当量/トン、望ましくは200〜3000当量/トンの範囲で含む。50当量/トン未満であれば、架橋密度が小さくなり耐熱性が劣る。5000当量/トンを越えると架橋密度が高くなりすぎ、屈曲性が悪くなる。
本発明で使用される樹脂はポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル樹脂から選ばれる樹脂あるいはこれらの一種以上からなる共重合樹脂である。モノマーあるいはオリゴマーを高分子量化する際に形成される結合がエステル結合のものをポリエステル樹脂、ウレタン結合のものをポリウレタン樹脂、アミド結合のものをポリアミド樹脂、イミド結合のものをポリイミド、エーテル結合のものをポリエーテル樹脂と本発明では称する。なお、高分子量化する際に形成される結合はエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、イミド結合、エーテル結合のうちの2種以上を利用した共重合樹脂であってもかまわない。
本発明で使用される樹脂は数平均分子量が3000以上30万以下である。3000未満では樹脂が脆くなり取り扱いの不具合があるだけではなく、得られた硬化物の屈曲性や耐熱性が劣る。30万を超えると、溶液粘度が上昇するため作業性が劣る。
本発明では硬化性の改善のため、硬化触媒を使用することが望ましい。硬化触媒としては、硫酸、p−トルエンスルフォン酸、ドデシルベンゼンスルフォン酸、ナフタレンスルフォン酸、コハク酸、シュウ酸、およびこれらをアミン化合物で一部あるいは全部を中和したアミンブロック体が挙げられる。硬化触媒の添加量は硬化処理条件等により変るが、主剤の樹脂の0.01〜1重量%の範囲が好ましい。
本発明で用いるポリイミド系フィルムは芳香族ポリイミドを主体とする。具体的にはデュポン社のカプトン、宇部興産社のユーピレックス、カネカ社のアピカル、G.E.社のウルテム等が挙げられる。化学組成はピロメリット酸二無水物と1,4−ジアミノジフェニルエーテルからのポリイミド、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンからのポリイミド等あるいはイミド基以外にエーテル基を含有するポリエーテルイミドやアミド基を含有するポリアミドイミドであっても良い。
なお、本発明の熱硬化性組成物には、難燃剤を併用することができる。難燃剤としては、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフェート、クレジルビス(2,6−キシレニル)フォスフェート、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジメチルメチルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェノールAビス(ジクレジル)フォスフェート、ジエチル−N,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、リン酸アミド、有機ホスフィンオキサイド、赤燐等のリン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、シクロフォスファゼン、トリアジン、メラミンシアヌレート、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、シアヌル酸トリアジニル塩、メレム、メラム、トリス(β−シアノエチル)イソシアヌレート、アセトグアナミン、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラム等の窒素系難燃剤、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、芳香族スルフォンイミド金属塩、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の金属塩系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズ等の水和金属系難燃剤、シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムスズ酸亜鉛等無機系難燃剤、シリコーンパウダー等のシリコン系難燃剤が挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物を用いるレジスト剤には、消泡性を付与するためのシリコン系、あるいはアクリル系、パラフィン系の非シリコン系消泡剤やチキソ性を付与するためのシリカ、炭酸カルシウム等の流動性調整剤を添加することが望ましい。他に、タルク、雲母、ポリエチレン、各種金属塩等の結晶核剤、着色顔料、無機、有機系の充填剤、タック性向上剤等も挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物を有機溶剤に溶解させ、ポリイミド系フィルム上に塗工、乾燥することにより表面改質されたポリイミド系フィルムを得ることが出来る。塗布層の厚みは乾燥後に0.1〜30μmが好ましい。より好ましくは15μm以下がより好ましい
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下の方法によって測定したものである。
組成:ポリエステル樹脂の組成は樹脂を重クロロホルムに溶解し、H−NMRにより定量した。
数平均分子量:テトラヒドロフランを溶媒として用いてゲル浸透クロマトグラフィによりポリスチレン換算値として求めた。
銅箔との接着性試験:電解銅箔(三井金属鉱業社製、3EC−III、Rz7μm)に東レ社製エポキシ系接着剤(TE−5701)を乾燥後の厚みが7μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥後、表面改質したポリイミド系フィルムの処理面と重ね合わせ、1Kg/cm2の加圧下180℃で5分間圧着した。さらに180℃のオーブン中に1時間熱処理した。この銅箔ラミネートフィルムのT型剥離強度を引っ張り速度100mm/分、温度20℃で測定した。
スパッタ法による銅張りフィルムのテープ剥離テスト:表面改質ポリイミド系フィルムの改質面に、銅を定法によりスパッタ法により1μmの厚みで設け、スパッタ法による銅張りフィルムを得た。常態と水煮沸1時間後での碁盤目剥離テストを行った。
溶剤不溶分:デュポン社製25μmカプトンENフィルムに熱硬化組成物を乾燥後の厚みで10μmになるように塗布し所定の条件で乾燥熱処理した後、塗布フィルムの重量を精秤(W(1))後、N,N-ジメチルアセトアミドに室温で1時間浸漬した。塗布フィルムを取り出し、150℃で1時間熱風乾燥後、精秤(W(2))した。塗布層を完全にこすり落とした後のカプトンフィルムの重量も精秤(W(3))した。次式により溶剤不溶分を求めた。
溶剤不溶分(%)={(W(2)―W(3))/(W(1)−W(3))}*100
はんだ耐熱性:溶剤不溶分測定のために作成した試料を300℃はんだ浴に30秒間浸漬し外観変化を見た。
○:変化認められない。
△:膨れ、剥がれがあるが外観変化した部分の面積が20%以下。
×:20%を越える膨れ、剥がれがある。
PCTテスト:溶剤不溶分測定のために作成した試料を2気圧での飽和加圧蒸気試験を10時間実施した。外観変化を見た。
○:変化認められない。
△:膨れ、剥がれ、消失があるが外観変化した部分の面積が20%以下。
×:20%を越える膨れ、剥がれ、消失がある。
以下、実施例により本発明を具体的に例示する。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。
<実施例 1、2>
撹拌器、温度計、流出用冷却機を装備した反応缶に、ジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、エチレングリコール90部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(三洋化成社製ニューポールBPE−20)160部、及びテトラブトキシチタネート0.03部を仕込み、加熱した。内温が150℃からメタノールが溜出し始め、220℃で溜出が終わった。系内を徐々に減圧にしながら、加熱を続け脱グリコールを行った。系内は最終的に270℃、0.3mmHgに達した。得られたポリエステル樹脂(Pes−1)は表―1の欄外に記載した組成と分子量であった。Pes−1はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する構造を1560当量/トン含有する。
Pes−1をメチルエチルケトン(MEK)/トルエン(1/1重量比)に溶解した。ポリイミド系フィルム−1(宇部興産社製 ユーピレックス25S、厚み25μm)を用い、表―1に記載したポリエステル樹脂―1(Pes−1)/フェノール樹脂(Ph−1)/触媒(p−TS)からなるコート液を乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布し、200℃で5分間乾燥・熱処理を行った。コート層での銅箔との接着性とスパッタ膜の密着性を測定した。また、上記に記載した方法により溶剤不溶分測定、はんだ耐熱性テスト、PCTテストを実施した。結果を表―1に示す。
<実施例 3、4>
ジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、2−メチルー1,3−プロピレングリコール90部、レゾルシノールのエチレンオキサイド付加物140部及びテトラブトキシチタネート0.03部を用いて、実施例1のPes−1と同様の操作により、Pes−2を重合した。Pes−2はレゾルシノールのエチレンオキサイド付加物に由来する構造を2300当量/トン含有する。Pes−2をメチルエチルケトン(MEK)/トルエン(1/1重量比)に溶解した。ポリイミド系フィルムに、表―1に記載したポリエステル樹脂―2(Pes−2)/フェノール樹脂(Ph−1)/触媒(p−TS)からなるコート液を乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布し、200℃で5分間乾燥・熱処理を行った。実施例1と同様に、コート面の銅箔との接着性やコート面でのスパッタ膜との密着性評価、溶剤不溶分測定、はんだ耐熱性テスト、PCTテストを実施した。ポリイミド系フィルムは実施例3では宇部興産社製25μmユーピレックス25Sを、実施例4ではデュポン社製25μmカプトンENを用いた。結果を表―1に示す。
<実施例 5>
ポリウレタン樹脂の合成
撹拌器、温度計、流出用冷却機を装備した反応缶に、予め乾燥させた溶剤メチルエチルケトン60部、トルエン60部、シクロヘキサノン60部と数平均分子量が1000の1,6−ヘキサンジオールベースのポリカーボネートジオール100部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物15部、さらにジフェニルメタンジイソシアネート35部、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.01部を加え、80℃で10時間反応させ、数平均分子量35000のポリウレタン樹脂(PU−1)を得た。PU−1にはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する構造を290当量/トン含有する。
ポリイミド系フィルム−1に、PU−1/メラミン樹脂(Me−1)/触媒からなるコート液を乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布し、180℃で5分間乾燥、熱処理を行った。実施例1と同様に、コート面の銅箔との接着性やコート面でのスパッタ膜との密着性評価、溶剤不溶分測定、はんだ耐熱性テスト、PCTテストを実施した。結果を表―1に示す。
<実施例 6〜9>
撹拌器、温度計、流出用冷却機を装備した反応缶に、予め乾燥させた溶剤テトラヒドロフラン50部、無水トリメリット酸クロライド21部を投入し溶解した。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物16部、テトラヒドロフラン30部およびピリジン8部からなる溶液を、15分間かけて滴下した。系内を65℃に加熱して5時間反応させた。反応後、500mlの水に注ぎ、沈殿させた。沈殿物をろ過、乾燥後、テトラヒドロフラン/無水酢酸で再結晶した。得られた化合物はNMR分析の結果、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物と無水トリメリット酸が1対2(モル比)からなるエステル化合物で末端基は酸無水物基である。
得られた酸無水物化合物6.6部を1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン2.7部とN,N−ジメチルアセトアミド18部からなる溶液に添加した。溶液を室温で5時間攪拌後、無水酢酸20mlとピリジン12ml加え、さらに1時間攪拌した。反応混合物を500mlの水に投入した。黄色の沈殿物をろ過し、乾燥した。得られた樹脂はNMRの測定からポリエステルポリイミド樹脂(Pes−PI−1)であり、Pes−PI−1にはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する構造を1000当量/トン含有する。数平均分子量は5800であった。
実施例6では、ポリイミド系フィルム−1に、Pes−PI−1/フェノール樹脂(Ph−1)/触媒からなるコート液を乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布し、220℃で2分間乾燥・熱処理を行った。なお、Pes−PI−1はγ―ブチロラクトンに溶解させて用いた。実施例1と同様に、コート面の銅箔との接着性やコート面でのスパッタ膜との密着性評価、溶剤不溶分測定、はんだ耐熱性テスト、PCTテストを実施した。
実施例7では、ポリイミド系フィルムー3を、実施例8ではポリイミド系フィルムー4を用いた。実施例9ではポリイミドフィルムー4を用い、硬化剤としてベンゾグアナミン樹脂(Bg−1)を用いて、実施例6と同様に評価した。結果を表―1に示す。
<比較例 1>
ポリイミド系フィルム(PI−1)をそのまま用いて、銅箔との接着性、スパッタ膜の密着性を調べた。結果を表―1に示す。
<比較例 2〜4>
ポリイミド系フィルム(PI−1)の表面処理を表―1に記載したコート剤、を用いて行い、実施例1と同様に評価した。結果を表―1に示す。なお、比較例2ではPes−1の硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用い、触媒としてジブチル錫ジラウレートを用いた。比較例3ではフェノール性芳香環を含有しないポリエステル樹脂(Pes−3)を用いた。比較例4で用いたポリエステルポリイミド(Pes−PI−2)は実施例6で用いたポリエステルポリイミド(Pes−PI−1)のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の代わりにシクロヘキサンジメタノールを原料とした。比較例4のポリエステルポリイミド(Pes−PI−2)はフェノール性芳香環を含有しない。
<実施例 10>
実施例1で用いたポリエステル樹脂(Pes−1)を用いて下記のレジスト剤を作成した。
ポリエステル樹脂―1 100部
アクリル系消泡剤 2部
シリカ(粒径0.12μm) 4部
γ―ブチロラクトン 50部
フ゜ロヒ゜レンク゛リコールモノメチルエーテル
アセテート 50部
硬化剤 フェノール樹脂(Ph-1) 20部
触媒 p−TS 0.2部
得られたレジストを三井金属社製電解銅箔(18μm)および、ポリイミド系フィルム(PI−1)に乾燥後の厚みで10μm塗布し、150℃30分間乾燥・熱処理を実施した。実施例1と同様にはんだ耐熱テスト、碁盤目剥離テスト、PCTテストを実施した。
はんだ耐熱性テスト、常態と沸水処理後の碁盤目剥離テスト、PCTテスト全てにおいて異常が見られなかった。
<実施例 11>
実施例6で用いたポリエステルポリイミド樹脂(Pes−PI−1)を用いて下記のレジスト剤を作成した。
ポリエステルポリイミド樹脂―1 100部
アクリル系消泡剤 2部
シリカ(粒径0.12μm) 4部
γ―ブチロラクトン 50部
フ゜ロヒ゜レンク゛リコールモノメチルエーテル
アセテート 50部
硬化剤 フェノール樹脂(Ph-1) 20部
触媒 p−TS 0.2部
実施例10と同様に評価を行った。ただし、乾燥・熱処理は200℃5分間行った。
はんだ耐熱性テスト、常態と沸水処理後の碁盤目剥離テスト、PCTテスト全てにおいて異常が見られなかった。
<比較例5>
ジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、エチレングリコール75部、ネオペンチルグリコール85部及びテトラブトキシチタネート0.03部を用いて、実施例1のPes−1と同様の操作により、Pes−3を重合した。Pes−3は式(1)に記載した、フェノール性芳香環を含有しない。ポリエステル樹脂(Pes−3)を用いて、実施例10と同様にレジストを作成し、評価した。はんだ耐熱性テスト、常態と沸水処理後の碁盤目剥離テスト、PCTテスト全てにおいて不良であった。
<比較例6>
無水トリメリット酸クロライド21部シクロヘキサンジメタノール7.2部から実施例6と同様にして両末端が酸無水物基であるエステル化合物を合成して、さらに実施例6と同様に得られた化合物をテトラヒドロフラン/無水酢酸で再結晶した。得られた化合物はNMR分析の結果、シクロヘキサンジメタノールと無水トリメリット酸が1対2(モル比)からなるエステル化合物で末端基は酸無水物基である。
得られた酸無水物化合物4.3部を1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン2.7部とN,N−ジメチルアセトアミド15部からなる溶液に添加した。
溶液を室温で5時間攪拌後、無水酢酸20mlとピリジン12ml加え、さらに1時間攪拌した。反応混合物を500mlの水に投入した。黄色の沈殿物をろ過し、乾燥した。得られた樹脂はNMRの測定からポリエステルポリイミド樹脂(Pes−PI−2)である。
実施例11で用いたポリエステルポリイミド樹脂(Pes−PI−1)の代わりに、フェノール性芳香環を含有しないポリエステルポリイミド樹脂(Pes−PI−2)を用いて、実施例11と同様にレジストを作成し、評価した。はんだ耐熱性テスト、常態と沸水処理後の碁盤目剥離テスト、PCTテスト全てにおいて不良であった。
Figure 2009024053
本発明はポリイミド系フィルムに対して優れた接着性を有する熱硬化性組成物及びそれを用いたレジスト剤、さらに該熱硬化性組成物により表面改質されたポリイミド系フィルムに関するものであり、耐熱性や耐久性に優れたポリイミド系積層体やレジスト剤を提供することができる。



Claims (3)

  1. 数平均分子量が3000以上30万以下であって、主鎖中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、イミド結合またはエーテル結合から選ばれる1種以上の結合基を有し、分子中に式(1)で表される構造を50〜5000当量/トンを含む樹脂とメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化剤を含むことを特徴とするポリイミド系フィルム用の熱硬化性組成物。
    Figure 2009024053
    、Rは二価の炭化水素残基、nは0または1、mは1〜4の整数。ただしORに対し芳香環のオルトとパラ位のうち少なくとも一つは水素である。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性組成物を用いたレジスト剤。
  3. 請求項1に記載の熱硬化性組成物をポリイミド系フィルムに積層した積層体。



































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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011256242A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリイミド前駆体、感光性樹脂組成物及びテトラカルボン酸二無水物

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