JP2009023877A - 抗菌性ガラス粉末および抗菌性繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、変色しにくく、優れた抗菌性を有する抗菌性ガラス粉末および抗菌性繊維を作製することにより、変色しにくく、優れた抗菌性を長期間安定して発揮できる繊維製品を提供することを技術的課題とする。
【解決手段】本発明の抗菌性ガラス粉末は、繊維に抗菌性を付与するための抗菌性ガラス粉末であって、抗菌性ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%表示で、ZnO 25〜80%、B23 5〜50%、SiO2 1〜70%、MgO 0〜40%、CaO 0〜40%、SrO 0〜40%、BaO 0〜40%、Na2O 0〜20%、Li2O 0〜20%、K2O 0〜20%、Al23 0〜40%、TiO2 0〜30%、ZrO2 0〜30%含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維に抗菌性を付与するための抗菌性ガラス粉末に関し、特に、下着類等の衣料製品およびテーブルクロス等のインテリア製品等に抗菌性を付与するための抗菌性ガラス粉末に関する。
抗菌性繊維として、(1)樹脂を溶融紡糸することで作製した繊維の表面にジフェニルエーテル系、クロルヘキシジン系等の有機系抗菌剤を付着させた抗菌性繊維、(2)樹脂を溶融紡糸することで作製した繊維の表面にAg2O含有ガラス粉末を付着させた抗菌性繊維、(3)Ag+イオン含有ゼオライト粒子を繊維中に分散させた抗菌性繊維等が知られている(特許文献1〜4参照)。
特開昭62−241939号公報 特開昭63−79719号公報 特開平5−51815号公報 特開平8−175843号公報
しかし、有機系抗菌剤を繊維の表面に付着させた抗菌性繊維は、繊維製品の使用初期には優れた抗菌性を示すものの、繊維製品が繰り返し洗濯されることにより、付着させた抗菌剤が徐々に脱落し、次第に抗菌性が低下するといった問題がある。
同様にして、Ag2O含有ガラス粉末を付着させた繊維は、Agが高価であるため、その用途に制限がかかる。さらに、ガラス粉末中のAg+イオンは不安定で、紫外線が照射されたり、高温高湿下で使用すると、ガラス粉末中にAgコロイドが生成し、繊維製品が黄褐色に変色するといった問題がある。
また、Ag+イオン含有ゼオライト粒子を練り込んだ繊維は、抗菌性が乏しいだけでなく、繊維の引っ張り強度が低いため、繊維製品への加工性が悪く、しかもゼオライト粒子は吸湿性を有するため、繊維製品の保管性が悪いといった問題がある。さらに、Ag+イオン含有ゼオライト粒子を練り込んだ繊維は、ゼオライト粒子中のAg+イオンが不安定であり、樹脂を溶融紡糸し、繊維を作製する際に、樹脂の熱還元力により、Agコロイドが生成し、繊維が黄褐色に変色するといった問題がある。
そこで、本発明は、変色しにくく、優れた抗菌性を有する抗菌性ガラス粉末およびこれを用いた抗菌性繊維を作製することにより、変色しにくく、優れた抗菌性を長期間安定して発揮できる繊維製品を提供することを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、繊維に抗菌性を付与するために抗菌性ガラス粉末を採用するとともに、抗菌性ガラス粉末のガラス組成を、下記酸化物換算のモル%表示で、ZnO 25〜80%、B23 5〜50%、SiO2 1〜70%、MgO 0〜40%、CaO 0〜40%、SrO 0〜40%、BaO 0〜40%、Na2O 0〜20%、Li2O 0〜20%、K2O 0〜20%、Al23 0〜40%、TiO2 0〜30%、ZrO2 0〜30%に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の抗菌性ガラス粉末は、繊維に抗菌性を付与するための抗菌性ガラス粉末であって、抗菌性ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%表示で、ZnO 25〜80%、B23 5〜50%、SiO2 1〜70%、MgO 0〜40%、CaO 0〜40%、SrO 0〜40%、BaO 0〜40%、Na2O 0〜20%、Li2O 0〜20%、K2O 0〜20%、Al23 0〜40%、TiO2 0〜30%、ZrO2 0〜30%含有することを特徴とする。
本発明によれば、繊維に抗菌性を付与するために、抗菌性ガラス粉末を採用している。ガラス粉末は、その比表面積を大きくすることができるため、ガラス粉末に含まれるZnOがZn2+イオンとして溶出しやすく、繊維に抗菌性を付与することができる。
また、本発明によれば、繊維に抗菌性を付与するために、Zn2+イオンを溶出させる抗菌性ガラスを採用している。Zn2+イオンは、細菌等の細胞壁に吸着したり、細胞内で凝縮し、所謂オリゴジナミー効果を発揮して、細菌等の生育を阻害し、繊維に抗菌性を付与することができる。Zn2+イオンは、従来の抗菌性ガラスに含まれるAg+イオンのように、紫外線等でガラスが着色し難いため、繊維製品を長期間使用しても、繊維製品が着色し難くなり、初期の色調を保つことができる。
本発明の抗菌性ガラス粉末は、ガラス組成範囲を上記のように規制している。このようにガラス組成範囲を規制すれば、Zn2+イオンの溶出速度を最適な範囲に調節することができ、長期間に亘って、繊維製品に抗菌性を付与することができる。また、このようにガラス組成範囲を規制すれば、ガラスの熱的安定性を向上させることができ、ガラス粉末を安定して生産することができる。さらに、このようにガラス組成範囲を規制すれば、ガラス粉末の耐水性を向上させることができ、繊維製品を長期間使用しても、繊維製品が白濁し難く、初期の色調を保つことができる。
第二に、本発明の抗菌性ガラス粉末は、実質的にAg2Oを含有しないことに特徴付けられる。ここで、本発明でいう「実質的にAg2Oを含有しない」とは、ガラス組成中のAg2Oの含有量が1000ppm(0.1モル%)以下の場合を指す。
第三に、本発明の抗菌性ガラス粉末は、抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50が0.5〜25μmであることに特徴付けられる。ここで、本発明でいう「平均粒子径D50」は、レーザー回折法で測定した値を指す。
第四に、本発明の抗菌性繊維は、抗菌性ガラス粉末を含有する抗菌性繊維であって、該抗菌性ガラス粉末が上記の抗菌性ガラス粉末であることに特徴付けられる。
第五に、本発明の抗菌性繊維は、抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50が0.5〜25μmであることに特徴付けられる。
第六に、本発明の抗菌性繊維は、抗菌性ガラス粉末の含有量が0.1〜20質量%であることに特徴付けられる。
第七に、本発明の抗菌性繊維は、抗菌ガラス粉末が抗菌性繊維中に分散されていることに特徴付けられる。
第八に、本発明の繊維製品は、抗菌性繊維で構成される繊維製品であって、該抗菌性繊維が上記の抗菌性繊維であることに特徴付けられる。
第九に、本発明の繊維製品は、繊維製品が衣料製品であることに特徴付けられる。
本発明の抗菌性ガラス粉末は、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%表示で、ZnO 25〜80%、B23 5〜50%、SiO2 1〜70%、MgO 0〜40%、CaO 0〜40%、SrO 0〜40%、BaO 0〜40%、Na2O 0〜20%、Li2O 0〜20%、K2O 0〜20%、Al23 0〜40%、TiO2 0〜30%、ZrO2 0〜30含有することを特徴とする。本発明の抗菌性ガラス粉末において、ガラス組成範囲を上記のように限定した理由は次の通りである。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を指す。
ZnOは、ガラスに抗菌性を与える主要因子であり、Zn2+イオンとして溶出して、繊維に抗菌性を付与する成分である。ZnOの含有量は25〜80%、好ましくは40〜65%である。ZnOの含有量が40%より少ないと、抗菌作用が弱まる傾向が出始め、ZnOの含有量が25%より少ないと、抗菌効果が期待できなくなる。一方、ZnOの含有量が80%より多いと、ガラス化が困難になる。
23は、ガラス形成酸化物であり、ZnOを多量に含み、且つ溶解性を有するガラスを得るための必須成分である。B23の含有量は5〜50%、好ましくは10〜35%である。B23の含有量が5%より少ないと、ガラス化が困難になる。一方、B23の含有量が35%より多いと、ガラスの耐水性が悪くなる傾向がみられ、50%より多いと、耐水性が急激に悪くなり、ガラスが樹脂の耐用期間中にすべて溶け出してしまう。その結果、長期間に亘って抗菌性を維持し難くなる。
SiO2は、ガラス形成酸化物であり、ZnOを多量に含み、且つ溶解性を有するガラスを得るための必須成分である。SiO2の含有量は1〜70%、好ましくは1〜45%である。SiO2の含有量が1%より少ないと、ガラスの溶融中に結晶が析出しやすくなり、ガラスを生産し難くなる。一方、SiO2の含有量が45%より多いと、Zn2+イオンの溶出量が低下する傾向にあり、70%より多いと、Zn2+イオンの溶出量が著しく低下し、十分な抗菌性を繊維製品に付与し難くなる。
アルカリ土類金属酸化物MgO、CaO、SrO及びBaOは、ガラスの粘性を下げる効果があり、ガラスの溶融を助けるフラックスのような働きをする。これらの成分の含有量は何れも0〜40%、好ましくは0〜20%である。これらの各成分が20%より多いと、繊維製品の外観に影響を及ぼしやすくなり、40%より多いと、長期間の使用により繊維製品が白濁し、初期の光沢が失われやすくなる。
Li2Oは、ガラスの粘性を下げ、ガラスの溶融性を向上させる働きがある成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜1%である。Li2Oの含有量が1%より多いと、ガラスの耐水性が悪くなる傾向が現れ、20%より多いと、ガラスが繊維製品の耐用期間中にすべて溶け出してしまうおそれがある。
Na2Oは、ガラスの溶融性を改善するために添加する成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜4%、更に好ましくは0〜0.5%である。Na2Oの含有量が20%より多いと、長期間の使用により繊維製品が白濁し、初期の光沢が失われやすくなる。
2Oは、ガラスの粘性を下げ、ガラスの溶融性を助ける働きがある成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜1%である。K2Oの含有量が1%より多いと、ガラスの耐水性が悪くなる傾向が現れ、20%より多いと、ガラスが繊維製品の耐用期間中にすべて溶け出してしまうおそれがある。
Al23は、ガラスの耐水性を向上させる成分であり、その含有量は0〜40%、好ましくは0〜30%である。Al23の含有量が30%より多いと、ガラスの粘性が上昇する傾向が現れ、40%より多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎ、商業レベルでガラスの溶融が困難になる。
TiO2は、ガラスの耐酸性や耐アルカリ性を調整するための成分であり、酸やアルカリの暴露が予測される場合に、ガラス組成中に適当量含有させることにより、繊維製品に適度な抗菌性を長期間付与できる。その含有量は0〜30%、好ましくは0〜20%である。TiO2の含有量が20%より多いと、溶融し難くなる傾向が現れ、30%より多いと、商業レベルで溶融が困難になる。
ZrO2は、ガラスの耐酸性や耐アルカリ性を調整するための成分であり、酸やアルカリの暴露が予測される場合に、ガラス組成中に適当量含有させることにより、繊維製品に適度な抗菌性を長期間付与できる成分である。その含有量は0〜30%、好ましくは0〜20%である。ZrO2の含有量が20%より多いと、ガラスを溶融し難くなる傾向が現れ、30%より多いと、商業レベルで溶融が困難になる。
上記成分以外にも、抗菌性を損なわない範囲で、ガラス組成中にその他の成分を20%まで含有させることができる。例えば、抗菌性を向上させるために、Ag2Oを添加することができる。Ag2Oを添加する場合、その含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.1%である。Ag2Oの含有量が1%より多いと、樹脂の延伸等の熱処理や紫外線でガラス中にAgコロイドが生成し、ガラスが着色しやすくなる。なお、ガラスの着色を確実に防止するためには、Ag2Oの添加量を0.1%以下とするのが望ましい。
本発明の抗菌性ガラス粉末において、ガラス粉末の平均粒子径D50は0.5〜25μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。ガラス粉末の平均粒子径D50が0.5μmより小さいと、ガラス粉末の抗菌性が短時間で損なわれるおそれがある。一方、ガラス粉末の平均粒子径D50が25μmより大きいと、単位重量当たりのZn2+イオンの溶出速度が小さくなり、十分な抗菌性を確保できないおそれがある。
本発明の抗菌性繊維は、上記の抗菌性ガラス粉末を含有する。ガラス粉末は、比表面積が大きいため、Zn2+イオンが溶出しやすくなり、繊維に優れた抗菌性を付与することができる。また、ガラス粉末中のZn2+イオンは、その溶出速度が遅く、長期の使用によりZn2+イオンが徐々に溶出するため、これらを含有する繊維は、抗菌性を長期間維持することができる。さらに、抗菌性ガラス粉末は、有機系抗菌剤に比べて、耐水性に優れることから、これを用いた繊維製品は、洗濯等により白濁し難く、初期の光沢を保つことができる。
本発明の抗菌性繊維において、抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50は0.5〜25μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50が0.5μmより小さいと、抗菌性繊維の抗菌性が短時間で損なわれるおそれがある。一方、抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50が25μmより大きいと、単位重量当たりのZn2+イオンの溶出速度が小さくなり過ぎ、十分な抗菌性を確保できないおそれがある。
本発明の抗菌性繊維において、抗菌性ガラス粉末の含有量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。抗菌性ガラス粉末の含有量が0.1質量%より少ないと、抗菌性繊維の抗菌性が乏しくなる。一方、抗菌性ガラス粉末の含有量が20質量%より多いと、抗菌性が過剰になるとともに、紡糸性や繊維製品への加工性が損なわれる。
本発明の抗菌性繊維は、樹脂を加工、或いは天然繊維を加工することで作製される。抗菌性繊維に抗菌性ガラス粉末を含有させる方法として、種々の方法を採用することができる。例えば、(1)樹脂中に抗菌性ガラス粉末を分散させた後、これを熱処理し、繊維状に延伸成形する方法、(2)天然繊維、或いは樹脂を延伸成形した繊維にガラス粉末をバインダー樹脂により付着させる方法を採用することができる。前者の抗菌性繊維で作製された繊維製品は、摩擦、洗濯等で抗菌性が損なわれにくく、長期に亘って、抗菌性を維持することができる。後者の方法は、製造工程を簡略化できるため、抗菌性繊維の製造コストを低下させることができる。
本発明の抗菌性繊維において、抗菌ガラス粉末は繊維中に分散していることが好ましい。このようにすれば、Zn2+イオンが徐々に溶出することになるとともに、繰り返し洗濯しても、抗菌性ガラス粉末が脱落し難く、長期に亘って抗菌性を維持することができる。なお、本明細書の段落[0035]の前者の方法を採用すれば、このような抗菌性繊維を得ることができる。
抗菌性繊維を構成する繊維は、天然繊維、半合成繊維、合成繊維のいずれであってもよい。天然繊維は、綿、羊毛、麻、絹等が使用できる。合成繊維を形成するための樹脂として、例えばフェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、SAN樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、EVA樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニルサルファイド系樹脂等や、これらの複合体が使用できる。特に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂は、繊維状に延伸成形しやすく、衣料製品に好適である。
本発明の抗菌性繊維において、必要に応じて、染料、難燃剤、酸化防止剤、耐衝撃強化剤、消臭剤、防汚剤、帯電防止剤等を添加することができる。
本発明の繊維製品は、上記の抗菌性繊維を含有しているため、抗菌性を有している。本発明の繊維製品は、衣料製品およびインテリア製品であることが好ましい。これらの用途は、抗菌性を付与する必要性があり、紫外線等で着色等が生じないことが要求される。衣料製品として、例えば、コート類、紳士外衣、婦人外衣、学生服、子供服、乳児服等の外衣類、セーター類、ワイシャツ、ブラウス類等の中衣類、ランジェリー、肌着類等の下着類、ガウン、パジャマ、ネグリジェ及び寝巻き等の寝衣類、着尺、羽織、長襦袢、帯及び和装裏地等の和装品等、マフラー、ショール、ネクタイ及び帽子等の服飾用品等、トレーナー、海水着、野球等のユニホーム及びテニスウェア等のスポーツ衣料、事務服、作業服、作業シャツ、各種制服、白衣等のワーキングウェア等が挙げられる。特に、下着類は、抗菌性および外観に対する要求が厳しいため、本発明のメリットを的確に享受することができる。また、インテリア製品として、例えば、布団側地、ベッドパッド、敷きパッド、シーツ等の寝装品、カーテン、カーペット、壁紙、テーブルクロス等が挙げられる。特に、テーブルクロスは、抗菌性および外観に対する要求が厳しいため、本発明のメリットを的確に享受することができる。
本発明の繊維製品において、繊維製品中の抗菌性ガラス粉末の含有量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。抗菌性ガラス粉末の含有量が0.1質量%より少ないと、繊維製品の抗菌性が乏しくなる。一方、抗菌性ガラス粉末の含有量が20質量%より多いと、抗菌性が過剰になるとともに、摩擦、洗濯等により、抗菌性繊維が切れやすくなる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1〜3は、本発明の実施例(試料No.1〜13)、比較例(試料No.14、15)を示している。
Figure 2009023877
Figure 2009023877
Figure 2009023877
各試料は次のようにして作製した。
まず酸化亜鉛、硼酸、純珪石、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化銀を所定の混合量になるように混合した後、白金−ロジウム合金坩堝に入れ、1300〜1600℃で4時間溶融した。溶融後、肉厚が約1mmのフィルム状に成形した。これをボールミルによって粉砕し、目開き63ミクロンの篩を通し、ガラス粉末の平均粒径がSALD−2000J(株式会社島津製作所製)で10μmになるように調整し、各試料を得た。
さらに、ポリエステル系樹脂粉末と各抗菌性ガラス粉末試料を質量比で95:5の割合で混合した後、溶融紡糸し、0.1mmφの抗菌性繊維を延伸成形した。これを編み込み、10cm×10cm×0.3mmの布状の繊維製品に加工し、抗菌性および外観について評価した。結果を各表に示す。
抗菌性は、次のようにして評価した。まず大腸菌が2×103個/cm2の割合で存在するように調整された菌入りのゼラチンをシート状に加工し、これを繊維製品上に貼り付けた。次に、35℃で100時間培養した後、菌数を顕微鏡にて計数し、生菌が10個未満であったものを「○」、10個以上検出されたものを「×」とした。
外観は、加速試験(繊維製品を水中に浸漬して500時間煮沸)で評価した。加速試験後、繊維製品の表面を試験前と比較し、初期の光沢を維持しているものを「○」、白く濁って光沢を失っているもの、或いは黄色に着色しているものを「×」とした。
表1〜3から明らかなように、試料No.1〜13は、良好な抗菌性を示し、また加速試験後も外観の劣化が認められなかった。一方、表3から明らかなように、試料No.14は、Ag2Oを1.1%含有しているため、外観の評価が不良であった。また、試料No.15は、ZnOの含有量が少ないため、抗菌性の評価が不良であった。
本発明の抗菌性ガラス粉末は、繊維に抗菌性を付与するために用いることができる。特に、下着類等の衣料製品およびテーブルクロス等のインテリア製品等に抗菌性を付与するために用いることができる。

Claims (9)

  1. 繊維に抗菌性を付与するための抗菌性ガラス粉末であって、
    抗菌性ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%表示で、ZnO 25〜80%、B23 5〜50%、SiO2 1〜70%、MgO 0〜40%、CaO 0〜40%、SrO 0〜40%、BaO 0〜40%、Na2O 0〜20%、Li2O 0〜20%、K2O 0〜20%、Al23 0〜40%、TiO2 0〜30%、ZrO2 0〜30%含有することを特徴とする抗菌性ガラス粉末。
  2. 実質的にAg2Oを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ガラス粉末。
  3. 抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50が0.5〜25μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌性ガラス粉末。
  4. 抗菌性ガラス粉末を含有する抗菌性繊維であって、
    該抗菌性ガラス粉末が請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性ガラス粉末であることを特徴とする抗菌性繊維。
  5. 抗菌性ガラス粉末の平均粒子径D50が0.5〜25μmであることを特徴とする請求項4に記載の抗菌性繊維。
  6. 抗菌性ガラス粉末の含有量が0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項4または5に記載の抗菌性繊維。
  7. 抗菌ガラス粉末が抗菌性繊維中に分散されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の抗菌性繊維。
  8. 抗菌性繊維で構成される繊維製品であって、
    該抗菌性繊維が請求項4〜7のいずれかに記載の抗菌性繊維であることを特徴とする繊維製品。
  9. 繊維製品が衣料製品であることを特徴とする請求項8に記載の繊維製品。
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