JP2009023298A - 射出成形品 - Google Patents

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恵士 多賀谷
Yasuo Imai
康雄 今井
Akio Yamaguchi
晃生 山口
Tsutomu Kawai
努 河合
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Abstract

【課題】射出成形によって形成されるバネ部、ヒンジ部、あるいはスナップ部の特性に優れており、しかも、廃棄時に焼却処分したとしても化石燃料由来のCO2を排出することのない射出成形品を提供することにある。
【解決手段】雑音吸収具用ケースは、ポリアミド11を射出成形することによって一体成形されたもので、フェライトを夫々に収納するように分割された2個のケース部2,3と、ケース部2,3同士を連結する帯状のヒンジ4と、ケース部2,3のヒンジ4で連結されてない側の閉じ位置に係止フック12と係止爪13とを有する形態で、ヒンジ4を、ケース部2,3の縁より所定距離離してケース部2,3の外周壁に取り付けた構造とされている。
【選択図】図7

Description

本発明は、弾性変形可能な構造とされた部分を有する射出成形品に関する。
従来、ケーブルクランプやフェライトコアを収容する保護ケースは、ポリアミド66もしくはポリアミド6によって形成された射出成形品が主流であった。
しかしながら、上記のような射出成形品は、バネ部の特性、ヒンジ部の強度、スナップ部のスナップ剛性を改善するため、あるいは、冬場の低温時の折損対策のために、吸水処理を施さなければならない、という問題があった。
また、近年では、PPC(普通紙複写機)、各種家電製品、自動車などにおいて利用される各種樹脂成形品に関しては、各製品の廃棄時に化石燃料由来のCO2の排出量を低減することが求められている。しかし、ポリアミド66やポリアミド6のような石油系原材料の樹脂製品では、そのような要求に応じることができない、という問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、射出成形によって形成されるバネ部、ヒンジ部、あるいはスナップ部の特性に優れており、しかも、廃棄時に焼却処分したとしても化石燃料由来のCO2を排出することのない射出成形品を提供することにある。
以下、上記目的を達成するために本発明において採用した特徴的構成について説明する。
本発明の射出成形品は、弾性変形を伴って他の部材に対して圧接するバネ部、弾性変形を伴って取付穴や被係合部に対して係合する係合片を有するスナップ部、および一方の部分と他方の部分とを連結するとともに弾性変形を伴って前記一方の部分を前記他方の部分に対して相対的に変位させるヒンジ部、以上3種の弾性変形可能な構造の内、少なくとも1種を有する形態で、前記弾性変形可能な構造を含む成形品全体が、ポリアミド11を射出成形することによって一体成形されていることを特徴とする。
すなわち、本発明の射出成形品は、例えば、ケーブルを束ね、保護するクランプ製品や、ケーブルからの電磁波を吸収するフェライトを収容、保護する保護ケースなどとして利用するのに好適な射出成形品であって、バイオマス材料であるポリアミド11を使用したものである。
ポリアミド11のようなバイオマス材料は、カーボンニュートラルであり、環境対応型である。すなわち、バイオマス材料は、植物由来の有機化合物を出発原料として合成されるものであり、その成分として含まれる炭素は、植物が光合成によって大気中から吸収したものである。従って、廃棄時に焼却処分されたとしても、大気中から吸収したCO2しか排出されないことになるので、化石燃料由来の有機化合物を出発原料として合成されるものとは異なり、環境に優しい材料とみなすことができる。
また、ポリアミド11の材料物性は、破断伸度が100%以上、シャルピー衝撃強度(ノッチなし:−30℃)が破断なし、曲げ弾性率が800〜3000MPa程度を示し、燃焼に関しては自己消火型の特性を示す。また、吸水率が0.7%以下である。
従って、低吸水率(0.7%以下)であることと、曲げ弾性率が800〜3000MPaであることから、吸水処理を施さなくても成形品のヒンジ部における割れを防止することができ、また、スナップ部のスナップ剛性についても、吸水処理を施すことなく十分に改善することができる。
また、破断伸度が100%以上、シャルピー衝撃強度(ノッチなし:−30℃)が破断なしであることから、冬場の低温時に使用しても製品破損を招きにくい成形品となる。
さらに、ポリアミド11のようなバイオマス材料を使った成形品であるため、環境に優しいもの(カーボンニュートラル)となる。
加えて、ポリアミド66製の従来品の場合、屋外での使用はできなかったが、ポリアミド11は耐候性に優れているので、屋外での使用も可能である。
また、ポリアミド11の成形品は、自己潤滑性に優れているので、スナップ部を取付穴へ挿入する作業が容易で、取付穴からの引抜強度もポリアミド66と同レベルの強度を持つ(曲げ弾性率がポリアミド66と同等)。
従って、以上のような特性を持つ射出成形品によれば、射出成形によって形成されるバネ部、ヒンジ部、あるいはスナップ部の特性に優れており、しかも、廃棄時に焼却処分したとしても化石燃料由来のCO2を排出することのない射出成形品を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、いくつかの具体的な例を挙げて説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態として例示する保持ケースについて説明する。
以下に説明する保持ケースは、ポリアミド11を射出成形することによって形成された射出成形品である。
図1は保持ケース1の斜視図を示し、保持ケース1はヒンジ4を介して接続された2つのケース部2,3と係止部材から構成される。ケース部2,3は図2に示すように内部に円筒半割り状のフェライト5を収納するように形成される。
図3,図4に示すように、ケース部2の底部には中に入れられたフェライト5を上方に付勢するために2本の付勢爪6,6が弾性変形可能に内側に突出させて設けられる。さらに、図5に示すように、ケース部2の内面には、その中央にフェライト5が飛び出さないように上方から押さえるための幅広の押さえ爪8,8が両側に夫々に設けられている。
又、図6,図7,図10に示すように、一方のケース部2の開閉側の押さえ爪8の両側には背の高い係止フック12,12がケース部3の外面からはみ出さないように設けられている。さらに、図8に示すように、ケース部2の両端面の側壁部の内側にフェライト5の両端面に当接させるための突起10,10が夫々2個ずつ設けられている。
そして、又、図7に戻り、電線を通すための略半円形で歯18aをもつ切欠部18が両端面に夫々に設けられている。一方、反対側のケース部3にも図3に示すように、ケース部2と同様に底部にはフェライト5を上方に付勢するために2本の付勢爪7,7が内側に突出させて設けられる。
さらに、図5に示すように、内面にはフェライト5を押さえる幅広の押さえ爪9,9が夫々に設けられている。又、図3,図9,図10に示すように、開閉側の押さえ爪9の両側には背の高い係止爪13,13がケース部3の外面からはみ出さないように設けられている。
さらに、図8に示すように、ケース部3の両側の側壁部の内側にフェライト5の両端面に当接させるための凸部11,11が夫々2個ずつ設けられている。そして、図7に示すように、電線を通すための略半円形で歯17aをもつ切欠部17が両端面に夫々に設けられている。
次に、ケース部2,3を接続させるヒンジ4は、図11,図12に示すように、帯状をなし、ケース部2,3を閉じた際にヒンジ4がほぼ伸びきる長さをしており、内面中央部には幅方向に渡って凸部4aを有してある。又、ヒンジ4の端部4b,4bはケース部2,3の夫々の縁から所定距離離れた位置Lの外壁に一体成形で接続させてある。
さらに、ケース部2,3の外面にケース部2,3を閉じた際にヒンジの外面4cがケース部2,3の外面からはみ出さないように収納できるだけのヒンジ4の厚さより深い凹部14が設けてある。
フェライト5は、図2に示すように、円筒状半割りした形状の上面を電線を通すための半円形断面の溝5bを設けて形成される。図1に示すように保持ケース1は、合成樹脂により一体形成され、各爪やフックには適度な弾性が与えられる。
図2に示すように、保持ケース1のケース部2内にフェライト5が挿入される。フェライト5はケース部2内に挿入された状態で、図5に示すような押さえ爪8,8で上縁部を押さえられるとともに、図8に示すような両端面の突起10,10がフェライト5の端面に当接して軸方向のケース部2内にガタつきを阻止して、安定した状態でケース部2内に保持される。
又、同様にケース部3においても、挿入されてフェライト5は、押さえ爪9,9により押さえられ、凸部11,11がフェライトの端面に当接させて安定した状態でケース部3内に保持される。
このように、フェライト5はケース部2,3内に挿入され、押さえ爪8,8,9,9に単に係合して保持されているだけなので、例えば、フェライト5の一部が破損して交換したい場合や逆にケース部2,3だけを交換する場合も極めて容易に行うことができる。
このように、ケース部2,3内にフェライト5を挿入した状態の保持ケース1は、図11,図12,図13に示すように、ケース部2,3を開いた際には、ケース部2,3の外面に対してヒンジ4は外側に90度曲がるだけで済むからヒンジ4が壊れ難い。
又、ケース部2,3を閉じた際には、ケース部2,3の外面に対してヒンジ4はほぼ直線状となり、ケース部2,3の外面に対してヒンジ4の外面4cがはみ出さないから外部の物に引っかかるようなことがないし、ヒンジ4の凸部4aがケース部2,3の外面の一定の場所に当接しているからケース部2,3の外面は常に直線の状態を維持できる。
尚、図3,図4に示すようにケース部2,3の底部の2本の付勢爪6,7がフェライト5を中央に付勢しても、ヒンジ4の凸部4aがケース部2,3の凹部14にぴったりと当接して帯状のヒンジ4が既に張りを持たせて引っ張っておりそれ以上に伸びることがないから、従来例の図14(c)に示すようにケース部2,3の間に隙間ができるようなことがない。
なお、上記実施形態では、保持ケース1を2分割にして説明したが大きな保持ケースの場合は3分割或いは4分割等にしてもよい。
[第2実施形態]
次に第2実施形態として例示する固定具について、図14ないし図16に基づいて説明する。
以下に説明する固定具は、ポリアミド11を射出成形することによって形成された射出成形品である。
まず図15及び図16に示すように、本実施形態の固定具は、基板112とシャーシ128との間隔を一定に保つとともに絶縁状態を維持するものである。固定具の中央には支柱113が形成されており、この支柱113の上部には支柱113の軸方向と垂直に張り出す角形の基台114が設けられ、更にその基台114上には基板112を固定する固定脚部117が設けられている。一方、支柱113の下部にはシャーシ128と結合する取付機構129が設けられている。
次に、図14に基づいて、上記固定脚部117を構成する連結板122,弾性逆止片123,124,連結片125,126及び弾性抑止片115,116について、順次説明する。
基台114の上面114aの中央部には、支柱113の軸方向に伸びる連結板122が連設されており、この連結板122の上端部122aの両側には、基台114側に向けてやや外方向に広がって伸びる変形可能な弾性逆止片123,124が設けられている。
また弾性逆止片123,124の左右の先端部123a,124aは、弾性逆止片123,124の広がり過ぎを防止する薄肉の連結片125,126を介して基台114に連設されている。
更に基台114上には、連結片125,126を挟んで一対の弾性抑止片115,116が設けられており、この弾性抑止片115,116は各弾性逆止片123,124の下方近傍に配置され、両弾性逆止片123,124の下端の拡開方向と垂直に、それぞれ反対方向に伸びて基台114の外縁近傍まで達している。
該弾性抑止片115,116は、各々基台114から上方に傾斜して伸びる突出部115a,116aを備え、その突出部115a,116aの先端から抑止部115b,116bが基台114の上面114aとほぼ平行に伸びている。この抑止部115b,116bの上部には、基板112(図15)を内側から抑止する平らな抑止面115c,116cが形成されている。
尚、抑止部115b,116bの下方の基台114の一部は、弾性抑止片115,116がたわんだ場合の邪魔にならないように他の部分より薄くなっている。
そして、この様な固定具を基板112に取り付ける場合には、図15及び図16に示すように、基板112に弾性逆止片123,124より幾分小さな固定孔127を穿設しておき、その固定孔127へ弾性逆止片123,124を圧入すると、左右の先端部123a,124aは内側に弾性変形して固定孔127を貫通し、基板112の外側の表面と係合して基板112を下方に押圧する。
このとき一対の弾性抑止片115,116は下方へ弾性変形して、抑止面115c,116cによって基板112の内側から基板112を抑止する。これにより、基板112は弾性逆止片123,124と弾性抑止片115,116とによって強く挟持されて、しっかりと固定される。
次に、本実施形態の固定具の効果を説明する。
本実施形態の固定具は、基板112を固定する場合には、弾性抑止片115,116が基台114上で上下にたわんで基板112を抑止する構成なので、弾性抑止片115,116が大きく左右に広がることがない。従って、左右方向の寸法(図15−C)を小さく抑えて、基板112に多くの電子部品119等を載置できるという利点がある。
また、弾性抑止片115,116は、基板112を挟んで弾性逆止片123,124の下方近傍に配置されて、弾性逆止片123,124の拡開方向とほぼ垂直に伸びているので、基板112を上下から押圧する位置(作用点)が近接している。従って、基板112を挟持する力が強いので、固定具が外れにくい。
更に、基板112を着脱する際に、固定具に対して基板112が大きく傾くことがあるが、本実施形態の弾性抑止片115,116は、基台114上にコンパクトに形成されているので、この様な場合でも単にわずかに下方にたわむだけであり、過剰に大きな弾性抑止片を採用したもののように、大きく下方に押圧されて損傷が生ずることがない。
その上、この弾性抑止片115,116は、基台114上に形成されているので、下方向に力が加わった場合でも、弾性抑止片115,116は基台114にあたるまでの必要最小限しか曲がらない、従って、基板112が一定以上に下降することを防ぐので、基板112の下方に配置された電子部品119等の破損や、配線のショート等を防止できる。
尚、固定する基板112の厚さの関係で、弾性抑止片115,116の抑止面115c,116c全体が基板112に接する場合は、その接触面積が広いので固定具に加わる前後左右の荷重に対して強く、また、基板112が厚く、弾性抑止片115,116が下方に曲がって抑止面115c,116c全体が基板112に接しない場合は、弾性抑止片115,116は大きく下方にたわむので、強い押圧力で基板112を固定できる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態として例示するクランプについて説明する。
本実施例のクランプ201は、ポリアミド11を射出成形することによって形成された射出成形品である。
図17、図18に示すように、クランプ201においては、基部202の一端部に開閉部材203が連接されている。開閉部材203の中間部には肉薄のヒンジ部204が設けられており、このヒンジ部204にて屈伸できる。
開閉部材203の先端にはU字状のフック部205が連接されている。フック部205には突起206が設けられ、先端は摘み207とされている。また、フック部205の付近には支え突起208が設けられている。
一方、基部202の他端部には連結部材209が立設されており、その先端部にはフック部205を受け入れる収容孔210と、突起206を係止するための係止受211a及び嵌合縁211bが設けられている。
このクランプ201は、開閉部材203をヒンジ部204にて屈曲させて、フック部205を収容孔210に挿し込んで突起206を係止受211aに係止させると、基部202、開閉部材203及び連結部材209により閉鎖環が形成されるので、その閉鎖環にて例えば電線を保持できる。
また上記の閉鎖環が形成されたときには、嵌合縁211bがフック部205と支え突起208との間に嵌合状にはまり込む。そして、連結部材209を閉鎖環の内側に倒す力が作用した場合には、支え突起208がこの力を受けて連結部材209が倒れるような変形を防止する。これにより、連結部材209を閉鎖環の内側に倒す力が作用したために突起206と係止受211aとの係止が解除されるのを防止する。
また、上述の閉鎖環が形成された状態で摘み207に力を加えてフック部205を弾性変形させて、突起206と係止受211aとの係止を解除すればフック部205を収容孔210から抜き取ること、つまり閉鎖環を開放することができる。
次に固定機構について説明する。
まず、基部202の下部には支柱部212が立設されている。
この支柱部212の先端部には、一対の弾性係止片213からなる鏃型のスナップ214の頭部が連接されている。従って、弾性係止片213は、その可動端部215を支柱部212に近づける方向に弾性変形でき、その弾性変形から復帰できる。
弾性係止片213の可動端部215からは中継片216が延出されている。中継片216は、板状の支柱部212の両側に平行状に配されている。
その中継片216の上端部は、それぞれ弾性片217の一方の端部に連接されている。2枚の弾性片217はゆるやかな弓状に湾曲していて、支柱部212を挟んで互いに反対方向に延出されている。
その弾性片217の先端部からは、基部202側へ(図17(a)で上向きに)側片218が延出されている。側片218の先端部218aは、それぞれ内側(開閉部材203、連結部材209側)に曲がっているが、開閉部材203又は連結部材209に接触してはいない。
これら中継片216、弾性片217及び側片218により操作片が構成されている。
また、弾性片217の上側(基部202側)には、基部202から延出された副弾性片219が配されている。副弾性片219は、弾性片217と同様にゆるやかな弓状に湾曲していて、弾性片217の上面に沿って延伸されているが、その先端部219aは(他の部分も)、弾性片217に接触していない。
このクランプ201は、図19に示すように、板材(例えば筐体の板金、プリント基板等)220に取り付けられる。板材220にはクランプ201を取り付けるための取付口221が設けられている。
クランプ201の取付手順は、公知のスナップを備えたものと同様で、まず板材220の取付口221にスナップ214の頭部を入れて、例えば基部202の上面に力をかけて押し込む。すると、弾性係止片213が取付口221の内周から受ける反力で可動端部215を支柱部212に近づける方向に弾性変形しながらスナップ214が取付口221に進入する。言うまでもないが、スナップ214が取付口221に進入すれば支柱部212も取付口221に進入するし、やがて中継片216も取付口221に進入する。
スナップ214が取付口221に進入して弾性片217の先端部が板材220に接触すると、板材220から受ける反力で弾性片217が弾性変形する。
スナップ214の押し込みがさらに進行して弾性片217の弾性変形も進行すると、弾性片217の上面が副弾性片219の先端部219aに接触するので、弾性片217から先端部219aに及ぼされる押圧力によって副弾性片219も弾性変形する。
つまり、スナップ214の押し込みの初期には弾性片217だけが弾性変形する期間があり、その期間を過ぎると弾性片217と共に副弾性片219も弾性変形する。なお、副弾性片219の先端部219aが弾性片217の上面に接触しているが、副弾性片219の弾性変形に伴って接触位置は変化する。
スナップ214がさらに押し込まれて、可動端部215が取付口221を通過すると、取付口221の内周からの反力が解除されるので、弾性係止片213が弾性復帰して可動端部215の端面を取付口221の周縁部に係止させる。
一方、弾性片217及び副弾性片219は、スナップ214の可動端部215が取付口221の周縁部に係止しても弾性変形したままであり、その弾性反発力によりスナップ214の弾性係止片213とで板材220を挟持する。これにより、図19に示すように、クランプ201が板材220に取り付けられる。なお、副弾性片219の先端部219aは、弾性片217と側片218とのコーナー部分にまでは達しておらず、側片218には接触していない。
また、2枚の側片218は、弾性片217の弾性変形が図17(a)に示す上に凸の状態から図19に示すように平坦化される変形であるために、基部202側に傾き、その先端部218aを開閉部材203、連結部材209に当接させる。
この取付作業に際してスナップ214を取付口221に押し込むときに、はじめに弾性片217だけが弾性変形し、ある程度押し込んでから副弾性片219も弾性変形するので、押し込み初期に要する力を低減できる。従って、大きな力が掛けられて固定機構が傾き、弾性片217が折損したり、その弾性力が大きく低下したり、スナップ214が取付口221のエッジで傷ついたりすることはなくなる。
また、クランプ201が板材220に固定された状態では弾性片217及び副弾性片219の弾性反発力が作用し、それによって充分な支持力が得られるので、クランプ201のがたつきが防止される。また、外力が作用しても簡単には傾けられないから、そのような傾きによって弾性片217又は副弾性片219が折損したり、弾性力が大きく低下するもない。
しかも、弾性片217及び副弾性片219の2枚バネによって支持力を得る構成であるから、各バネ(弾性片217又は副弾性片219)のバネ荷重を低く設定できる。従って、長期の使用でも劣化しにくく(バネ性が低下しにくいので)、長期にわたって安定性を維持できる。
さらに、側片218は、少なくとも固定機構が板材220に固定された状態では、側片218の先端部218aが、基部202に連設された部材である開閉部材203、連結部材209に当接する。このため、クランプ201に外力が作用した際に側片218が支えとなるので、クランプ201の傾き防止に効果的である。
一方、板材220に取り付けられたクランプ201を取り外したい場合は、2枚の側片218を両側から押さえて挟みつけるように力を加える。すると、側片218が支柱部212に接近するように変位し、この変位が弾性片217に伝わり、これを支柱部212に向けて変位させる。その弾性片217の変位は中継片216を介してスナップ214の可動端部215に伝わり、これを取付口221の中心側に弾性変位させて、可動端部215を取付口221の周縁部から離れさせる。つまり係止が解除されるから、そのままクランプ201を板材220から引き離すようにして、スナップ214を取付口221から抜き取ればよい。
このように2枚の側片218を両側から押さえて挟みつけるように力を加えたときには、開閉部材203、連結部材209に当接している側片218の先端部218aが支点となるので、側片218に加えられた力が、可動端部215を取付口221の中心側に弾性変位させる力として効率よく作用する。
また、クランプ201を板材220に取り付けた状態では、副弾性片219は側片218とは接触していない。それだけでなく、副弾性片219の先端部219aと側片218との間には、上述のように側片218が支柱部212に接近変位するのに充分な間隔がある。従って、クランプ201を取り外すために側片218を支柱部212に接近させる方向に変位させる際に、副弾性片219が抵抗にならない。つまり、クランプ201を板材220から取り外すための操作は容易である。
[変形例等]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、特定の形態に形成された保持ケース、固定具、クランプを例示したが、本発明の射出成形品は、上記特定の形態を持つものに限定されるものではない。より具体的には、射出成形によって形成されるバネ部、ヒンジ部、あるいはスナップ部を有する射出成形品であれば、ポリアミド11を射出成形して、これらバネ部、ヒンジ部、あるいはスナップ部を成形することにより、強度や曲げなどの各種特性に優れた射出成形品を得ることができる。
第1実施形態として例示した保持ケースを開いた状態を表す斜視図。 保持ケースにフェライトを取り付けた状態を表す斜視図。 保持ケースを開いた状態を表す正面図。 図3のA−A断面図。 図3のB−B端面図。 図3の平面図。 図3の左側から見た側面図。 図3のC−C断面図。 図3の底面図。 図3の背面図。 図3のD−D端面図。 ヒンジの要部を表す断面図。 保持ケースを閉じた状態を表す斜視図。 第2実施形態として例示した固定具の斜視図。 同固定具の正面図。 同固定具の側面図。 第3実施形態として例示したクランプを表す図であり、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその左側面図、(d)はその底面図、(e)はその右側面図、(f)はその背面図。 同クランプの斜視図。 同クランプの取付状態の説明図。
符号の説明
1・・・保持ケース、2,3・・・ケース部、4・・・ヒンジ、4a・・・凸部、4b・・・端部、4c・・・外面、5・・・フェライト、5b・・・溝、6,7・・・付勢爪、8,9・・・押さえ爪、10・・・突起、11・・・凸部、12・・・係止フック、13・・・係止爪、14・・・凹部、17,18・・・切欠部、17a,18a・・・歯、112・・・基板、113・・・支柱、114・・・基台、114a・・・上面、115・・・弾性抑止片、115a・・・突出部、115b・・・抑止部、115c・・・抑止面、117・・・固定脚部、119・・・電子部品、122・・・連結板、122a・・・上端部、123・・・弾性逆止片、123a・・・先端部、125・・・連結片、127・・・固定孔、128・・・シャーシ、129・・・取付機構、201・・・クランプ、202・・・基部、203・・・開閉部材、204・・・ヒンジ部、205・・・フック部、206・・・突起、207・・・摘み、208・・・支え突起、209・・・連結部材、210・・・収容孔、211a・・・係止受、211b・・・嵌合縁、212・・・支柱部、213・・・弾性係止片、214・・・スナップ、215・・・可動端部、216・・・中継片、217・・・弾性片、218・・・側片、219・・・副弾性片、218a,219a・・・先端部。

Claims (1)

  1. 弾性変形を伴って他の部材に対して圧接するバネ部、弾性変形を伴って取付穴や被係合部に対して係合する係合片を有するスナップ部、および一方の部分と他方の部分とを連結するとともに弾性変形を伴って前記一方の部分を前記他方の部分に対して相対的に変位させるヒンジ部、以上3種の弾性変形可能な構造の内、少なくとも1種を有する形態で、前記弾性変形可能な構造を含む成形品全体が、ポリアミド11を射出成形することによって一体成形されている
    ことを特徴とする射出成形品。
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