以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図14は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。ガラス扉4と前面板5とは、前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5の前側には、発射用の遊技球を貯留する上皿7が配置され、上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8には、スピーカ等の音声出力手段9からのサウンドを前側に出力する例えばスリット状の音声出力部8aが形成されている。また、前面板5の下側で前枠3の前側には、余剰球等を貯留する下皿10が配置され、下皿カバー11により覆われている。前枠3の裏側には、窓孔6に対応するように遊技盤12が着脱自在に装着されている。
遊技球を発射するための発射手段13は、下皿10の一側で前枠3の前側に設けられた発射ハンドル14と、前面板5の後方に配置された発射レール15と、前枠3の裏側に配置された発射モータ16及び打撃槌17等を備え、発射ハンドル14を操作したときに、発射モータ16により打撃槌17が作動して、前面板5の裏側に装着された図外の球送り手段により上皿7から発射レール15上に1個ずつ供給される遊技球を遊技盤12側に発射させるようになっている。
遊技盤12の前面側には、図2に示すように、発射手段13により発射された遊技球を案内するガイドレール22が略円弧状に配設されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、表示演出手段24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
表示演出手段24は、図2〜図5に示すように、遊技盤12に対して前面側から装着された前ケース体29と、この前ケース体29に対応して遊技盤12の裏面側に装着された後ケース体30とを備えている。
後ケース体30は、その後部側に演出特別図柄表示手段(表示手段)31を構成する液晶表示ユニット32が、前部側に表示隠蔽演出手段33が夫々配置されている。
表示隠蔽演出手段33は、液晶表示ユニット32の表示画面32aを開閉可能に隠蔽する演出手段であって、表示画面32aの少なくとも一部分を前側から視認不可能となるように隠蔽する閉状態と、表示画面32aの略全体を前側から視認可能となるように開放する開状態とに変化可能な緞帳(隠蔽手段)34と、この緞帳34を駆動する駆動手段35とを備えている。
緞帳34は、例えば布製で、液晶表示ユニット32の前側上部に左右方向に配置された巻き取り軸36に上端側を固定された状態で表示画面32aの前側に巻き上げ・巻き下げ可能に吊り下げられている。緞帳34の下端側には、その縁部に沿って横長状の錘部材37が装着されている。液晶表示ユニット32の前側には、左右両側に一対の案内レール38が上下方向に配置されており、緞帳34側の錘部材37の両端部37aがこの案内レール38に上下方向摺動自在に係合している。
駆動手段35は、例えばステッピングモータにより構成されており、駆動軸35aを巻き取り軸36に連結した状態で例えば後ケース体30に着脱自在に固定されている。駆動手段35は、巻き取り軸36を正方向又は逆方向に駆動することにより緞帳34を巻き上げ又は巻き下げることが可能となっている。
また、左右一方側、例えば向かって左側の案内レール38の近傍には開状態検出手段41と閉状態検出手段42とが配置されている。開状態検出手段41は緞帳34が開状態にあることを検出するためのもの、閉状態検出手段42は同じく閉状態にあることを検出するためのもので、夫々案内レール38の上端側、下端側近傍に配置されている。開状態検出手段41及び閉状態検出手段42は、例えばフォトセンサにより構成されており、緞帳34の下端側の例えば錘部材37の一端側に設けられた被検出部43を検出可能に構成されている。
前ケース体29は、その略中央に液晶表示ユニット32の表示画面32aに対応する開口状の表示窓51を備えた前飾り部材52と、緞帳34の前側で表示窓51を透視可能に閉鎖する透明板53とを備えている。前飾り部材52の前側には、普通図柄表示手段61、特別図柄表示手段62、普通保留個数表示手段63、特別保留個数表示手段64、ランプ65等が設けられている。
普通図柄表示手段61は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類、例えば2種類の普通図柄、例えば「○」「×」に対応する複数個、例えば2個のランプにより構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つのランプが交互に点灯するように所定時間点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」図柄側のランプが点灯した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」図柄側のランプが点灯した状態で、点滅が停止するようになっている。
また、普通図柄表示手段61の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光手段よりなる普通保留個数表示手段63がその発光個数により当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段26は、開閉自在な左右一対の開閉爪26aを備えた可変作動式の電動式チューリップ等により構成されており、普通図柄表示手段61の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉爪26aが所定時間開状態に作動するようになっている。
特別図柄表示手段62は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能である。本実施形態では、特別図柄に10種類の数字図柄「0」〜「9」と記号図柄「−」とが用いられており、「0」〜「9」が大当たり態様、「−」が外れ態様に設定されている。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光手段よりなる特別保留個数表示手段64がその発光個数により大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出特別図柄表示手段31は、特別図柄表示手段62による特別図柄の変動表示と時間的に同調して演出特別図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出特別図柄を例えば各種の演出画像と共に液晶表示ユニット32の表示画面32aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出特別図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出特別図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能である。本実施形態では、「0」〜「9」の10種類の数字図柄を左、中、右の演出特別図柄に夫々用いており、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものを大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものを外れ態様としている。
なお、演出特別図柄表示手段31による演出特別図柄の変動後の停止図柄は、特別図柄表示手段62による特別図柄が大当たり態様で停止する場合にはその特別図柄と同じ数字図柄よりなる大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。例えば、特別図柄が「7」で停止する場合には演出特別図柄は「7・7・7」で停止し、特別図柄が「−」で停止する場合には演出特別図柄は「3・4・5」等の任意の外れ態様で停止するようになっている。
大入賞手段27は、遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変化可能な開閉板27aを備えた可変作動式であって、特別図柄表示手段62の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板27aが前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
なお、大入賞手段27は、その開放から所定時間(例えば28秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すること等の所定条件の成立により開閉板27aを閉じると共に、その開放動作を所定回数(例えば15回)繰り返すようになっている。
図6は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図6において、71は主制御基板、72は演出制御基板、73は図柄制御基板で、これら各制御基板71〜73は、遊技盤12に装着された表示演出手段24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤12を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板71は、主に遊技盤12側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等により構成される普通乱数作成処理手段81、普通始動口チェック処理手段82、普通乱数記憶手段83、普通図柄処理手段84、普通利益状態発生手段85、特別乱数作成処理手段86、特別始動口チェック処理手段87、特別乱数記憶手段88、特別図柄処理手段89、特別利益状態発生手段90、制御コマンド送信手段91等を備えている。
普通乱数作成処理手段81は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定用乱数の他、変動後の普通図柄が当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる当たり図柄用乱数、変動後の普通図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ普通図柄選択用乱数、その他の所定の乱数を所定時間毎に繰り返し発生する普通乱数作成処理を行うように構成されている。
普通始動口チェック処理手段82は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に普通乱数作成処理手段81で作成された当たり判定用乱数値と当たり図柄用乱数値とを夫々取得し、それら当たり判定用乱数値及び当たり図柄用乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段83に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段84は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段61が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段83に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合(普通保留個数が1以上の場合)に、普通乱数記憶手段83に最も早く記憶された当たり判定用乱数値を取り出し、その当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに基づいて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果と、普通乱数記憶手段83に当たり判定用乱数値と共に記憶されている当たり図柄用乱数値又は別途取得された外れ普通図柄選択用乱数値とに基づいて、変動後の普通図柄の停止図柄を選択する停止図柄選択機能、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果と、停止図柄選択機能による停止図柄の選択結果との少なくとも一方に基づいて、複数種類の普通図柄変動パターンの中から1つを選択する変動パターン選択機能、当たり判定機能、停止図柄選択機能、及び変動パターン選択機能による判定/選択結果に基づいて、制御コマンド送信手段91を介して演出制御基板72側に普通停止図柄指定コマンド、普通図柄変動パターン指定コマンド、普通変動停止指定コマンド等の普通図柄の変動制御コマンドを送信させる機能等を備えている。
普通利益状態発生手段85は、普通図柄処理手段84の当たり判定機能による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段61の変動後の普通図柄が当たり態様となることに基づいて、特別図柄始動手段26の開閉爪26aを所定時間開放させる普通利益状態を発生させるものである。
特別乱数作成処理手段86は、変動後の特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定用乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄用乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別乱数作成処理手段86による特別乱数作成処理により、例えば大当たり判定用乱数は0000H〜0125Hの294個の範囲で、大当たり図柄用乱数は00H〜09Hの10個の範囲で、夫々繰り返し生成される。
特別始動口チェック処理手段87は、特別図柄始動手段26による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に特別乱数作成処理手段86で作成された大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値を夫々取得し、それら当たり判定用乱数値及び当たり図柄用乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段88に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段89は、特別図柄に関する処理を行うもので、大当たり判定処理手段94、特別停止図柄選択処理手段95、変動パターン選択処理手段96等を備えている。
大当たり判定処理手段94は、乱数抽選により変動後の特別図柄を大当たり態様とするか否かの大当たり判定を行うもので、特別図柄表示手段62が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段88に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されている場合(特別保留個数が1以上の場合)に、特別乱数記憶手段88に最も早く記憶された大当たり判定用乱数値を取り出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに基づいて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択処理手段95は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、大当たり判定処理手段94による大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段88に大当たり判定用乱数値と共に記憶されている大当たり図柄用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するように構成されている。
例えば、大当たり判定処理手段94による判定結果が大当たり判定であった場合には、大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり態様の図柄である「0」〜「9」の何れかが選択され、大当たり判定処理手段94による判定結果が外れ判定であった場合には、外れ態様の図柄である「−」が選択される。なお、特別図柄の停止図柄が選択されると、例えば特別図柄の停止図柄をセットするための特別停止図柄番号に、大当たり態様の図柄である「0」〜「9」に対応する00H〜09H、外れ態様の図柄である「−」に対応する0AHの何れかがセットされるようになっている。
変動パターン選択処理手段96は、演出特別図柄の変動パターンを選択するもので、大当たり判定処理手段94による大当たり/外れの判定結果に基づいて、複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択するように構成されている。
本実施形態では、大きく分けて、リーチ状態を経由して大当たり態様で停止するリーチ大当たり変動パターンAと、リーチ状態を経由して外れ態様で停止するリーチ外れ変動パターンBと、リーチ状態を経由することなく外れ態様で停止するリーチなし外れ変動パターンCという大きく分けて3種類の特別図柄変動パターンが用意されている。更に、リーチ大当たり変動パターンA及びリーチ外れ変動パターンBには、例えば表示変動中等に表示隠蔽演出手段33の動作、即ち緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1及びリーチ外れ開閉変動パターンB1と、緞帳34の開閉動作を伴わないリーチ大当たり変動パターンA0及びリーチ外れ変動パターンB0とで構成されている。なお、上記5種類の変動パターンA0,A1,B0,B1,Cには、変動時間や変動内容を異ならせた1又は複数の変動パターンを設けることができる。
特別停止図柄選択処理手段95による特別停止図柄の選択処理、変動パターン選択処理手段96による特別図柄変動パターンの選択処理が終了すると、制御コマンド送信手段91を介して演出制御基板72側に特別図柄変動パターン指定コマンド及び特別停止図柄指定コマンドが送信され、更にその後、変動パターン選択処理手段96により選択された変動パターンに対応する変動時間の経過に合わせて特別図柄停止コマンドが送信されるようになっている。
特別利益状態発生手段90は、大当たり判定処理手段94による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段62の変動後の特別図柄が「7」等の大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利となる特別利益状態を発生させるもので、特別図柄表示手段62の変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に、大入賞手段27が開状態となる開放作動状態をインターバル時間を挟んで所定回数(例えば15回)繰り返し発生させるようになっている。
制御コマンド送信手段91は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板72等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、遊技機本体1に電源が投入されたことに基づいて電源投入コマンドを演出制御基板72等に送信する機能、普通図柄処理手段84の制御に基づいて普通図柄変動パターン指定コマンド、普通停止図柄指定コマンド、普通変動停止指定コマンド等の普通図柄の変動制御コマンドを演出制御基板72側に送信する機能、特別図柄処理手段89の制御に基づいて特別図柄変動パターン指定コマンド、特別停止図柄指定コマンド、特別図柄停止コマンド等の演出特別図柄の変動制御コマンドを演出制御基板72側に送信する機能、各種遊技状態に応じて演出制御基板72側に音声、ランプの制御コマンドを送信する機能等を備えている。
演出制御基板72は、表示隠蔽演出手段33、音声出力手段9、ランプ65等の演出手段の制御を行うもので、制御コマンド送受信手段101、表示隠蔽制御手段102、音声制御手段103、ランプ制御手段104等を備えている。
制御コマンド送受信手段101は、主制御基板71側からの制御コマンドを受信する機能と、それら主制御基板71から受信した制御コマンドのうち、図柄表示制御に関する各種コマンドを図柄制御基板73側に送信する機能と、各種エラーに関するエラー表示指定コマンドを図柄制御基板73側に送信する機能等を備えている。
表示隠蔽制御手段102は、表示隠蔽演出手段33に関する制御を行うもので、所定の開閉指令に基づいて緞帳34の開閉動作を制御する開閉制御手段105、緞帳34の動作異常を判定するエラー判定手段106等を備え、所定のタイミングで表示隠蔽演出手段33の原点復帰処理、センサ状態確認処理、通常開閉処理等を行うようになっている。
原点復帰処理は、緞帳34を所定の原点位置、例えば全開位置への復帰動作を行わせる処理であり、例えば遊技機本体1に電源が投入されて演出制御基板72に電源が供給されたときに行われるが、本実施形態では、更に特別図柄の各変動開始時にも行われるようになっている。
原点復帰処理は、例えば図7に示すような手順で行われる。まず、開閉制御手段105の制御により、緞帳34を開方向に動作させる方向に駆動手段35の駆動動作が開始される(S1)。これにより、駆動手段35が正方向に駆動され、それによって巻き取り軸36が正方向に回転して、緞帳34がその上端側から巻き取り軸36に順次巻き取られていく。
そして、その駆動動作が開始されてからの動作量が最大動作量に達するまでに開状態検出手段41がONとなれば(S2:Yes)、その時点で駆動手段35の駆動動作が停止され(S4)、原点復帰処理は終了する。これにより、緞帳34は開状態(原点位置)で停止する。もちろん、電源投入時に緞帳34が原点位置にある場合には、開状態検出手段41は既にONとなっているため、緞帳34は停止したままで原点復帰処理は終了する。
ここで、最大動作量は、閉状態検出手段42がON(検出状態)となる閉状態と、開状態検出手段41がONとなる開状態との間の移動に要する動作量と同じか又はそれよりも大きな値に設定される。なお、最大動作量は、例えば閉状態検出手段42がON(検出状態)となる閉状態と、開状態検出手段41がONとなる開状態との間の移動に要する時間により設定し、駆動手段35の駆動が開始されてからの経過時間が最大動作量として設定される時間に達したか否かを判断するようにすればよい。
或いは、駆動手段35としてステッピングモータを用いている場合には、緞帳34が閉状態と開状態との間で移動するのに要する駆動手段35のステップ数により最大動作量を設定し、駆動手段35の駆動が開始されてからのステップ数が最大動作量として設定されているステップ数に達したか否かを判断するようにしてもよい。
一方、駆動動作が開始されてからの動作量が、開状態検出手段41がONになることなく最大動作量に達した場合には(S3:Yes)、開方向未検出エラー処理(S5)が行われた後に原点復帰処理は終了する。
この開方向未検出エラー処理(S5)は、例えば図8に示すような手順で行われる。まず、開方向未検出エラーフラグと閉方向未検出エラーフラグとがチェックされ(S11)、それらの何れかが既にONとなっている場合には(S11:Yes)、それ以降の処理を行うことなくここで開方向未検出エラー処理は終了する。
開方向未検出エラーフラグと閉方向未検出エラーフラグとの何れもONでない場合には(S11:No)、緞帳34を開方向に動作させる方向に駆動手段35の駆動動作が低速で開始される(S12)。これにより、駆動手段35が正方向に低速で駆動され、それによって巻き取り軸36が正方向に回転して、緞帳34がその上側から巻き取り軸36に低速で順次巻き取られていく。
なお、ここで緞帳34の巻き上げ動作を再度低速にて行うのは、1回目の開方向への駆動動作が正常に行われなかった原因として駆動手段35のトルク不足が考えられるためである。トルク不足が原因であれば、再度低速で駆動することにより異常が解消される可能性がある。
そして、その低速での駆動動作が開始されてからの動作量が最大動作量に達するまでに開状態検出手段41がONとなれば(S13:Yes)、その時点で駆動手段35の駆動動作が停止され(S15)、開方向未検出エラー処理は終了する。これにより、緞帳34は開状態(原点位置)で停止する。
一方、低速での駆動動作が開始されてからの動作量が、開状態検出手段41がONになることなく最大動作量に達した場合には(S14:Yes)、エラー判定手段106により緞帳34の動作異常と判定され、開方向未検出エラーフラグがONにされると共に(S16)、図柄制御基板73側に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信され(S17)、開方向未検出エラー処理は終了する。
センサ状態確認処理は、表示隠蔽演出手段33のセンサ、即ち開状態検出手段41及び閉状態検出手段42の状態を確認するための処理であり、例えば遊技機本体1に電源が投入されて主制御基板71から演出制御基板72側に電源投入コマンドが送信されることに基づいて行われる。
センサ状態確認処理では、例えば図9に示すように、開動作確認処理(S21)、閉動作確認処理(S22)、開動作確認処理(S23)が順次行われる。
開動作確認処理(S21、S23)の手順は、上述した原点復帰処理(図7)と同様であるため説明は省略する。
閉動作確認処理(S22)は、例えば図10に示すような手順で行われる。まず、開閉制御手段105の制御により、緞帳34を閉方向に動作させる方向に駆動手段35の駆動動作が開始される(S31)。これにより、駆動手段35が逆方向に駆動され、それによって巻き取り軸36が逆方向に回転して、緞帳34が巻き取り軸36から順次繰り出されていく。
そして、その駆動動作が開始されてからの動作量が最大動作量に達するまでに閉状態検出手段42がONとなれば(S32:Yes)、その時点で駆動手段35の駆動動作が停止され(S34)、閉動作確認処理は終了する。これにより、緞帳34は閉状態で停止する。
一方、駆動動作が開始されてからの動作量が、閉状態検出手段42がONになることなく最大動作量に達した場合には(S33:Yes)、閉方向未検出エラー処理(S35)が行われた後に閉動作確認処理は終了する。
この閉方向未検出エラー処理(S35)は、例えば図11に示すような手順で行われる。まず、開方向未検出エラーフラグと閉方向未検出エラーフラグとがチェックされ(S41)、それらの何れかが既にONとなっている場合には(S41:Yes)、それ以降の処理を行うことなくここで閉方向未検出エラー処理は終了する。
開方向未検出エラーフラグと閉方向未検出エラーフラグとの何れもONでない場合には(S41:No)、エラー判定手段106により緞帳34の動作異常と判定され、閉方向未検出エラーフラグがONにされると共に(S42)、図柄制御基板73側に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信される(S43)。
このように、再度閉方向への駆動を行うことなくエラーと判定するのは、閉方向への駆動動作異常の場合には駆動手段35のトルク不足が原因である可能性は極めて低く、また緞帳34が既に閉状態にある場合に更に閉方向への駆動を行うと、緞帳34が巻き取り軸36に逆巻きされて新たな異常を引き起こす恐れがあるからである。
その後、緞帳34を開方向に動作させる方向に駆動手段35の駆動動作が低速で開始される(S44)。これにより、駆動手段35が正方向に低速で駆動され、それによって巻き取り軸36が正方向に回転して、緞帳34がその上側から巻き取り軸36に低速で順次巻き取られていく。
そして、その低速での駆動動作が開始されてからの動作量が緞帳34の開方向への最大動作量に達するまでに開状態検出手段41がONとなれば(S45:Yes)、その時点で駆動手段35の駆動動作が停止され(S47)、閉方向未検出エラー処理は終了する。この場合、開方向への駆動は正常に行えたことにより、閉方向未検出エラーフラグがONとなった状態で、緞帳34は開状態(原点位置)で停止する。
一方、低速での駆動動作が開始されてからの動作量が、開状態検出手段41がONになることなく最大動作量に達した場合には(S46:Yes)、ここで閉方向未検出エラー処理は終了する。この場合、閉方向だけでなく開方向への駆動も正常に行えない状態であり、例えば駆動手段35の異常が原因である場合には緞帳34は開状態と閉状態との間の位置で停止した状態となり、例えば検出手段41,42の異常が原因である場合には開状態等で停止した状態となる可能性がある。
通常開閉処理は、特別図柄及び演出特別図柄の変動と同期して緞帳34を開閉する処理であり、主制御基板71側から緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1に対応する特別図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合に、開閉制御手段105の制御によりその変動パターンに対応して予め定められた開閉パターンで緞帳34を開閉すべく駆動手段35を制御するようになっている。ここで、緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1に対応する特別図柄変動パターン指定コマンドが、所定の開閉指令の一例である。
なお、通常開閉処理においては、緞帳34の閉方向への駆動時には閉動作確認処理(図10)と同様の処理が、開方向への駆動時には開動作確認処理(図7)と同様の処理が夫々行われるようになっている。
また、開閉制御手段105は、エラー判定手段106により緞帳34の動作異常が判定された場合、即ち開方向未検出エラーフラグと閉方向未検出エラーフラグとの何れかがONになっている場合には、緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1に対応する特別図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合でも緞帳34の開閉動作を行わないようになっている。
音声制御手段103は、スピーカ等の音声出力手段9の音声出力制御を行うもので、主制御基板71側からの音声制御コマンド、特別図柄の変動制御コマンド等に基づいて音声出力手段9から所定の効果音等を出力させるようになっている。
ランプ制御手段104は、ランプ65等の表示制御を行うもので、主制御基板71側からのランプ制御コマンド、特別図柄の変動制御コマンド等に基づいてランプ65等を所定のパターンで発光させるようになっている。
図柄制御基板73は、普通図柄表示手段61、特別図柄表示手段62、演出特別図柄表示手段31等の表示制御を行うもので、制御コマンド受信手段110、普通図柄表示制御手段111、特別図柄表示制御手段112、演出特別図柄変動データ記憶手段113、演出停止図柄選択手段114、演出特別図柄表示制御手段(表示制御手段)115、エラー表示制御手段116等を備えている。
制御コマンド受信手段110は、演出制御基板72から送信される制御コマンド、及び主制御基板71側から演出制御基板72を経由して送信される制御コマンドを受信するものである。
普通図柄表示制御手段111は、主制御基板71側からの普通図柄の変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示手段61の表示制御を行うもので、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したときに、指定された普通図柄変動パターンに従って普通図柄表示手段61上で普通図柄の変動表示を開始させると共に、普通変動停止指定コマンドを受信したときに、普通停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄で普通図柄の変動を停止、確定させるように構成されている。
特別図柄表示制御手段112は、主制御基板71側からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて特別図柄表示手段62の表示制御を行うもので、特別図柄変動パターン指定コマンドを受信したときに、指定された特別図柄変動パターンに従って特別図柄表示手段62上で特別図柄の変動表示を開始させ、特別変動停止指定コマンドを受信したときに、特別停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄、即ち大当たり態様に対応する「0」〜 「9」、外れ態様に対応する「−」の何れかで特別図柄の変動を停止、確定させるように構成されている。
演出特別図柄変動データ記憶手段113には、演出特別図柄表示手段31による演出特別図柄の変動データが、特別図柄変動パターン毎に予め記憶されている。なお、リーチ大当たり開閉変動パターンA1及びリーチ外れ開閉変動パターンB1に対応する演出特別図柄変動データでは、それら変動パターンA1,B1に対応して設定された緞帳34の開閉パターンと同期するように、その図柄変動画像中に緞帳の開閉シーンが組み込まれている。
演出停止図柄選択手段114は、演出特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、主制御基板71側から受信した特別図柄変動パターン指定コマンドと特別変動停止指定コマンドとに基づいて、例えば特別図柄変動パターンが大当たりに対応するものであれば、特別変動停止指定コマンドで指定された停止図柄に基づいて「7・7・7」「4・4・4」等の大当たり態様に対応する停止図柄を、特別図柄変動パターンがリーチ外れ変動パターンであれば乱数抽選等により「7・5・7」等のリーチ外れに対応する停止図柄を、特別図柄変動パターンがリーチなし外れ変動パターンであれば乱数抽選等により「5・6・7」等のリーチなし外れに対応する停止図柄を、夫々選択するようになっている。
演出特別図柄表示制御手段115は、主制御基板71側からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて演出特別図柄表示手段31の表示制御を行うもので、特別図柄変動パターン指定コマンドを受信したときに、演出特別図柄変動データ記憶手段113からその特別図柄変動パターンに対応する演出特別図柄変動データを読み出して演出特別図柄表示手段31上でその演出特別図柄変動データに基づく変動表示を開始させ、特別変動停止指定コマンドを受信したときに、演出停止図柄選択手段114で選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止、確定させるように構成されている。
エラー表示制御手段116は、主制御基板71、演出制御基板72等から送信されるエラー表示指定コマンドに基づいて演出特別図柄表示手段31上等にエラー表示を行うためのもので、エラー表示指定コマンドを受信することに基づいて、所定のタイミングでエラー表示を行うように構成されている。
本実施形態では、演出制御基板72側から緞帳動作エラー表示指定コマンドを受信した場合に、その緞帳動作エラー表示指定コマンドを受信してから所定時間(例えば30秒)経過するまで、緞帳動作エラー表示指定コマンド受信後にリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1に対応する特別図柄変動パターン指定コマンドを受信してから所定時間(例えば30秒)経過するまで、緞帳動作エラー表示指定コマンド受信後のデモ中の各期間内にエラー表示を行うようになっている。
続いて、以上のような構成の本パチンコ機における処理動作を、特別図柄、演出特別図柄、及び表示隠蔽演出手段33に係る処理動作を中心に更に具体的に説明する。
遊技機本体1に電源が投入され、主制御基板71、演出制御基板72等に電源が供給されると、演出制御基板72の表示隠蔽制御手段102の制御により原点復帰処理(図7)が行われる。
この原点復帰処理により、表示隠蔽演出手段33に異常がない場合には、電源投入時の緞帳34の停止位置に拘わらず、この原点復帰処理により緞帳34は開状態(原点位置)、即ち被検出部43が開状態検出手段41に検出される位置まで巻き上げられて停止するが(S4)(図12参照)、駆動手段35、緞帳34、開状態検出手段41等に異常があり、駆動手段35を開方向に最大動作量だけ動作させても開状態検出手段41がONにならない場合には、開方向未検出エラー処理(図8)が行われる。
この開方向未検出エラー処理では、1回目の開方向への駆動動作の異常が駆動手段35のトルク不足によるものである可能性を考慮して、駆動手段35の開方向への駆動動作が再度低速で行われる(S12)。そして、この低速での駆動によっても開状態検出手段41が正常にONにならない場合に、エラー判定手段106により緞帳34の動作異常と判定され、開方向未検出エラーフラグがONにされ(S16)、図柄制御基板73に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信される(S17)。
図柄制御基板73側に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信されると、エラー表示制御手段116の制御により、まずそのコマンドの受信から所定時間(例えば30秒)経過するまで、演出特別図柄表示手段31上に緞帳34の動作エラーを示す表示が行われる。
遊技機本体1に電源が投入された後、主制御基板71から演出制御基板72側に電源投入コマンドが送信されると、演出制御基板72の表示隠蔽制御手段102の制御によりセンサ状態確認処理(図9)が行われる。
このセンサ状態確認処理では、上述した原点復帰処理と同様の開動作確認処理(図7)により緞帳34を開方向に動作させて開状態検出手段41の動作確認を行った後、閉動作確認処理(図10)により緞帳34を閉方向に動作させて閉状態検出手段42の動作確認を行い(図13参照)、更にもう一度開動作確認処理(図7)により緞帳34を開方向に動作させて開状態検出手段41の動作確認を行うと共に原点に復帰させる(図12参照)。
このセンサ状態確認処理における開動作確認処理で異常があった場合には、原点復帰処理の場合と同様の開方向未検出エラー処理(図8)が行われ、閉動作確認処理で異常があった場合には、閉方向未検出エラー処理(図11)が行われる。
この閉方向未検出エラー処理では、1回目の閉方向への駆動動作の異常が駆動手段35のトルク不足によるものである可能性は極めて低いため、再度閉方向への駆動を行うことなく、エラー判定手段106により緞帳34の動作異常と判定され、閉方向未検出エラーフラグがONにされると共に(S42)、図柄制御基板73側に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信され(S43)、演出特別図柄表示手段31上に所定時間(例えば30秒)緞帳34の動作エラーを示す表示が行われる。
その後、緞帳34が開状態となるまで低速で駆動されるが、この開方向への駆動処理が正常に行われた場合には、閉方向未検出エラーフラグはONであるが、緞帳34は開状態となって表示画面32aは視認可能となる。
遊技に際して遊技者が発射ハンドル14を操作すると、発射手段13により遊技球が遊技領域23内に連続的に発射される。発射された遊技球が遊技領域23内を落下する際に特別図柄始動手段26に入賞すると、特別始動口チェック処理手段87により、特別保留個数が上限個数(例えば4個)未満であることを条件に、特別乱数作成処理手段86により取得された大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値が、特別乱数記憶手段88に、そのときの特別保留個数に関連付けて格納される。
特別図柄表示手段62が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されている場合(特別保留個数が1以上の場合)には、大当たり判定処理手段94により、特別乱数記憶手段88に最も早く記憶された大当たり判定用乱数値が取り出され、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに基づいて大当たり/外れの判定が行われる。
そして、その判定結果に基づいて、特別停止図柄選択処理手段95により大当たり態様の図柄である「0」〜「9」の何れか又は外れ態様の図柄である「−」が特別停止図柄として選択され、また変動パターン選択処理手段96によりリーチ大当たり変動パターンA0,A1、リーチ外れ変動パターンB0,B1、リーチなし外れ変動パターンCの何れかの変動パターンが選択される。その後、制御コマンド送信手段91を介して演出制御基板72側に特別図柄変動パターン指定コマンド及び特別停止図柄指定コマンドが送信され、更にその後、変動パターン選択処理手段96により選択された変動パターンに対応する変動時間の経過に合わせて特別図柄停止コマンドが送信される。
演出制御基板72側に送信された特別図柄変動パターン指定コマンド、特別停止図柄指定コマンド、及び特別図柄停止コマンドは、更に制御コマンド送受信手段101により図柄制御基板73側に転送される。
図柄制御基板73側では、主制御基板71側から特別図柄変動パターン指定コマンドと特別変動停止指定コマンドとを受信すると、それらに基づいて、演出停止図柄選択手段114により、「7・7・7」「4・4・4」等の大当たり態様に対応する停止図柄、「7・5・7」等のリーチ外れに対応する停止図柄、「5・6・7」等のリーチなし外れに対応する停止図柄の何れかが、演出特別図柄の停止図柄として選択される。
そして、特別図柄表示制御手段112の制御により、特別図柄変動パターン指定コマンドで指定された特別図柄変動パターンに従って特別図柄表示手段62上で特別図柄の変動表示が開始され、それと同時に、演出特別図柄表示制御手段115により、特別図柄変動パターンに対応して演出特別図柄変動データ記憶手段113から読み出された演出特別図柄変動データに基づく演出特別図柄の変動表示が開始される。
その後、主制御基板71側から特別変動停止指定コマンドを受信することに基づいて、特別図柄は特別停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄で、演出特別図柄は演出停止図柄選択手段114で選択された停止図柄で、夫々停止、確定する。
なお、変動パターンが緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1である場合には、それに対応する演出特別図柄変動データ中には緞帳の開閉シーンが組み込まれており、演出特別図柄表示手段31上で緞帳の開閉シーンを含む動画像が表示される。
一方、演出制御基板72側では、主制御基板71側から特別図柄変動パターン指定コマンドを受信すると、そのコマンドで指定された変動パターンが緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1であり、且つ開方向未検出エラーフラグと閉方向未検出エラーフラグとの何れもONでないことを条件に、開閉制御手段105により緞帳34の通常開閉処理、即ちその変動パターンに対応して予め定められた開閉パターンに従って緞帳34を開閉すべく駆動手段35を制御する処理が行われる。これにより、演出特別図柄表示手段31上に動画表示される緞帳の開閉動作と同期して、その表示画面32a上の緞帳画像34aの前側を覆うように緞帳34が開閉する(図14参照)。従って、緞帳34が正常に開閉している状態では、遊技者からは表示画面32a上に表示されている緞帳画像34aは緞帳34の裏側に隠れて見えることはない。
なお、この通常開閉処理においては、緞帳34の閉方向への駆動時には閉動作確認処理(図10)と同様の処理が、開方向への駆動時には開動作確認処理(図7)と同様の処理が行われる。即ち、例えば緞帳34の閉方向への動作中に異常があった場合には、閉方向未検出エラー処理(図11)が行われ、再度閉方向への駆動を行うことなく、エラー判定手段106により閉方向未検出エラーフラグがONにされると共に(S42)、図柄制御基板73側に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信され(S43)、演出特別図柄表示手段31上に所定時間(例えば30秒)緞帳34の動作エラーを示す表示が行われる。
その後、緞帳34が開状態まで低速で駆動されるが、この開方向への駆動処理が正常に行われた場合には、閉方向未検出エラーフラグはONであるが、緞帳34は開状態となって表示画面32aは視認可能となる。
一方、例えば緞帳34の開方向への動作中に異常があった場合には、開方向未検出エラー処理(図8)が行われる。即ち、駆動手段35の開方向への駆動動作が再度低速で行われ(S12)、この低速での駆動によっても開状態検出手段41が正常にONにならない場合に、開方向未検出エラーフラグがONにされ(S16)、図柄制御基板73に緞帳動作エラー表示指定コマンドが送信され(S17)、演出特別図柄表示手段31上に所定時間(例えば30秒)緞帳34の動作エラーを示す表示が行われる。
電源投入後に行われる原点復帰処理又はセンサ状態確認処理、或いはその後の通常開閉処理において緞帳34の動作異常が発見され、開方向未検出エラーフラグ又は閉方向未検出エラーフラグがONになった場合には、所定のタイミングで演出特別図柄表示手段31上に緞帳34の動作エラーを示す表示が行われ、開閉制御手段105による緞帳34の通常開閉処理は行われないが、それ以外の遊技動作はそのまま継続される。
従って、例えばその後に特別停止図柄選択処理手段95により緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1又はリーチ外れ開閉変動パターンB1が選択された場合には、演出制御基板72及び図柄制御基板73側にはそれらの変動パターンA1,B1に対応する特別図柄変動パターン指定コマンド等が送信され、緞帳34の開閉動作が行われない状態で特別図柄及び演出特別図柄は通常通り変動表示される。
このような場合でも、本実施形態のパチンコ機では、演出特別図柄表示手段31上で、緞帳34の開閉動作と同様の緞帳の開閉シーンが動画表示されるため、少なくとも緞帳34が表示画面32aを開放した状態で停止している場合には、演出特別図柄の変動に関して遊技者が認識できる情報は緞帳34が正常に動作している場合と略同じであり、エラーが解除されるまでの間もそのまま違和感なく遊技を継続できる。
なお、エラー状態が解除され、電源が再投入されることにより、開方向未検出エラーフラグ及び閉方向未検出エラーフラグがリセットされ、通常の遊技が再開される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、演出特別図柄表示制御手段115が、開閉指令に基づいて、開閉制御手段105の制御による隠蔽手段34の開閉動作と同期して演出特別図柄表示手段31に隠蔽手段34による開閉動作の動画像を表示するように構成されているため、隠蔽手段34に異常が生じて動作不能となった場合でも、少なくとも隠蔽手段34が表示画面32aを開放した状態で停止している場合には、演出特別図柄の変動に関して遊技者が認識できる情報は隠蔽手段34が正常に動作している場合と略同じであり、エラーが解除されるまでの間もそのまま違和感なく遊技を継続できる。即ち、隠蔽手段34について動作異常が発生しても遊技の進行を極力阻害することがないという利点がある。
隠蔽手段34の動作異常を判定するエラー判定手段106を備え、開閉制御手段105は、エラー判定手段106により隠蔽手段34の動作異常が判定された場合には、開閉指令が出されても隠蔽手段34の開閉動作を行わないように構成されているため、駆動手段35への過剰負荷による新たな不具合等を防止できる。
隠蔽手段34が開状態にあることを検出する開状態検出手段41を備え、エラー判定手段106は、隠蔽手段34の開動作においてその最大動作量に達したにも拘わらず開状態検出手段41により開状態が検出されないことを条件に動作異常と判定するように構成されているため、簡単な制御で確実に隠蔽手段34の開方向への動作異常を検出できる。
隠蔽手段34は、表示画面32aの前側に吊り下げられると共にその上端側を巻き取り、繰り出し可能に保持された緞帳により構成されており、開閉制御手段105は、隠蔽手段34の開動作においてその最大動作量に達したにも拘わらず開状態検出手段41により開状態が検出されない場合には、更に隠蔽手段34を低速で開方向に動作させ、エラー判定手段106は、その開動作が最大動作量に達したにも拘わらず開状態検出手段41により開状態が検出されない場合に動作異常と判定するように構成されているため、駆動手段35のトルク不足が原因で正常に開動作が行えなかった場合には高い確率で正常動作を行わせることができ、エラー判定を極力少なくしてスムーズな遊技進行が可能となる。
隠蔽手段34が閉状態にあることを検出する閉状態検出手段42を備え、エラー判定手段106は、隠蔽手段34の閉動作においてその最大動作量に達したにも拘わらず閉状態検出手段42により閉状態が検出されないことを条件に動作異常と判定するように構成されているため、簡単な制御で確実に隠蔽手段34の閉方向への動作異常を検出できる。
閉状態検出手段42により閉状態が検出されないことを条件にエラー判定手段106により動作異常と判定された場合に、開閉制御手段105は隠蔽手段34を開方向に動作させるように構成されているため、隠蔽手段34の閉方向への動作異常が発生した場合でも、開方向への動作に異常がない場合には、隠蔽手段34を開放して表示画面32aを視認可能な状態にして遊技をそのまま継続させることができる。
隠蔽手段34は、表示画面32aの前側に吊り下げられると共にその上端側を巻き取り、繰り出し可能に保持された緞帳により構成されており、隠蔽手段34の閉動作においてその最大動作量に達したにも拘わらず閉状態検出手段42により閉状態が検出されない場合には、エラー判定手段106はその時点で動作異常と判定するように構成されているため、駆動手段35のトルク不足が原因である可能性が極めて少ない閉方向への動作異常の場合に迅速にエラー判定を行うことができると共に、隠蔽手段34の逆巻きによる新たな異常を防止できる利点がある。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、隠蔽手段34は表示画面32aの上側で巻き上げ・巻き下げを行う緞帳に限られるものではなく、左右に開閉するカーテン状又は引き戸状のもの等、どのようなものでもよい。
実施形態では、緞帳34の開閉動作を伴うリーチ大当たり開閉変動パターンA1及びリーチ外れ開閉変動パターンB1が選択された場合に、それに対応して常に演出特別図柄表示手段31に緞帳の開閉シーンの動画像を表示させるように構成したが、例えば緞帳34に動作異常が生じて開閉制御手段105による緞帳34の開閉動作が行われない場合にのみ、緞帳の開閉シーンを含む変動データを用いて演出特別図柄の変動表示を行うようにしてもよい。
この場合、演出特別図柄表示制御手段115は、例えば緞帳動作エラー表示指定コマンドを受信することに基づいて、緞帳の開閉シーンを含む変動データを用いた演出特別図柄の変動表示に切り換えるようにすればよい。
特別図柄の変動パターンとして、緞帳34を実際に動作させる変動パターンA1等の他に、緞帳34は動作させず、演出特別図柄表示手段31上で緞帳の開閉シーンを動画表示する変動パターンA1a等を設けてもよい。またその場合、それら両変動パターン間で大当たり信頼度等を異ならせるようにしてもよい。このような構成を採用した場合、実施形態のように緞帳動作エラー表示指定コマンドを受信したときにエラー表示を行うようにすれば、隠蔽手段34について動作異常が発生している場合でも、遊技者は変動パターンA1等とA1a等とを見分けることができ、大当たり信頼度の違いを認識することが可能である。
隠蔽手段34を、例えば前枠3の裏側から手動で開放させることができるように構成してもよい。このように構成することで、駆動手段35の故障など、簡単には復旧できない異常が生じた場合でも、とりあえずホールの店員が手動で隠蔽手段34を開放して遊技者が演出特別図柄表示手段31の表示画面32aを視認可能な状態とすることで遊技を継続させることが可能である。
制御系の構成、例えば各制御基板の構成は任意である。また、例えば特別図柄表示制御手段112等は主制御基板71側に設けてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機の他、スロットマシン等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。