JP2009021554A - 電子ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電圧印加により光の濃淡を生じる電子ディスプレイであって、該電子ディスプレイは基板上にディスプレイ媒体および該ディスプレイ媒体を駆動する薄膜電界効果型トランジスタを有し、該薄膜電界効果型トランジスタが、前記基板上に、少なくともゲート電極70、ゲート絶縁膜72、活性層85−1、ソース電極90−1及びドレイン電極90−2を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記活性層85−1と前記ソース電極90−1及び前記ドレイン電極90−2の少なくとも一方との間に抵抗層85−2を有することを特徴とする電子ディスプレイ。
【選択図】図6
Description
に関する。
その1つとして、電気泳動表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1(A)に示すように、本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置2は、第1基板4aと第2基板4bとを有し、これら基板4a、4bを所定間隔に保つため、基板4a、4bの周囲には、隔壁6が装着してある。第1基板4aは、たとえば透明ガラスなどの光透過性板で構成してある。この第1基板4aの第2基板4bとの対向面には、第1電極8aが成膜してある。第1電極8aは、たとえば酸化インジウム・スズ(ITO)膜などで構成される。この第1電極8aは、第1基板4aの表示画面全域に形成し、その表面に何らかの光透過パターン(表示パターン)が形成されたマスクを装着する。または、表示パターンに合わせて第1電極8aを所望のパターンで第1基板4aの表面に被着しても良い。
近年、低温での成膜が可能なアモルファス酸化物、例えば、In−Ga−Zn−O系アモルファス酸化物を半導体薄膜に用いるTFTの開発が活発に行われている(特許文献7、非特許文献1参照)。アモルファス酸化物半導体を用いたTFTは、室温成膜が可能であり、フイルム上に作製が可能であるので、フイルム(フレキシブル)TFTの活性層の材料として最近注目を浴びている。特に、東工大・細野らにより、a−IGZOを用いたTFTは、PEN基板上でも電界効果移動度が約10cm2/Vsとガラス上のa−Si系TFTよりも高移動度が報告されて、特にフイルムTFTとして注目されるようになった(非特許文献2参照)。カラーフィルター上にa−IGZOを活性層として用いたTFTを形成し、カプセル化された回転ボール型着色粒子を用いた電気泳動表示方式の電子ペーパーが開示された(非特許文献3参照)。
<1> 電圧印加により光の濃淡を生じる電子ディスプレイであって、該電子ディスプレイは基板上にディスプレイ媒体および該ディスプレイ媒体を駆動する薄膜電界効果型トランジスタを有し、該薄膜電界効果型トランジスタが、前記基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記活性層と前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方との間に抵抗層を有することを特徴とする電子ディスプレイ
<2> 前記活性層の層が前記ゲート絶縁膜と接し、前記抵抗層の層が前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方と接していることを特徴とする<1>に記載の電子ディスプレイ。
<3> 前記抵抗層の膜厚が前記活性層の膜厚より厚いことを特徴とする<2>に記載の電子ディスプレイ。
<4> 前記抵抗層と前記活性層の間の電気伝導度が連続的に変化していることを特徴とする<1>または<2>に記載の電子ディスプレイ。
<5> 前記活性層及び前記抵抗層が酸化物半導体を含有することを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の電子ディスプレイ。
<6> 前記酸化物半導体がアモルファス酸化物半導体であることを特徴とする<5>に記載の電子ディスプレイ。
<7> 前記活性層の酸素濃度が前記抵抗層の酸素濃度より低いことを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の電子ディスプレイ。
<8> 前記酸化物半導体がIn、GaおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種若しくはこれらの複合酸化物を含むことを特徴とする<5>〜<7>のいずれかに記載の電子ディスプレイ。
<9> 前記酸化物半導体が前記InおよびZnを含有し、前記抵抗層のZnとInの組成比(Inに対するZnの比率Zn/Inで表す)が前記活性層の組成比Zn/Inより大きいことを特徴とする<8>に記載の電子ディスプレイ。
<10> 前記活性層の電気伝導度が10−1Scm−1以上102Scm−1未満であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の電子ディスプレイ。
<11> 前記抵抗層の電気伝導度に対する前記活性層の電気伝導度の比率(前記活性層の電気伝導度/前記抵抗層の電気伝導度)が、102以上108以下であることを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
<12> 前記基板が可撓性樹脂基板であることを特徴とする<1>〜<11>のいずれかに記載の電子ディスプレイ。
<13> 前記ディスプレイ媒体が複数のカプセルを含むディスプレイ媒体であり、該複数のカプセルのそれぞれが懸濁流体内で移動可能な少なくとも1つの粒子を含み、該ディスプレイ媒体は、第1の面および該第1の面と対向する第2の面を有し、該第1および該第2の面の内の1つの面を介して観察イメージを表示するディスプレイ媒体であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれかに記載の電子ディスプレイ。
<14> 前記少なくとも1つの粒子が、電気泳動粒子、または回転ボールであることを特徴とする<13>に記載の電子ディスプレイ。
<15> 前記電子ディスプレイがカラーフィルターを有するカラー表示電子ディスプレイであって、該カラーフィルターを前記基板と前記薄膜電界効果型トランジスタの間に有することを特徴とする<13>又は<14>に記載の電子ディスプレイ。
本発明の電子ディスプレイは、電圧印加により光の濃淡を生じる電子ディスプレイであって、該電子ディスプレイは基板上にディスプレイ媒体および該ディスプレイ媒体を駆動するTFTを有する。該TFTが、前記基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を有し、前記活性層と前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方との間に該抵抗層が電気的に接続して配されている。
好ましくは、前記少なくとも1つの粒子が、電気泳動粒子、または回転ボールである。
図3は本発明の電子ディスプレイの1例の構成を示す概略断面図である。
透明基板50の上に、順にカラーフィルター層51が設けられ、その上にTFT素子部としてゲート電極54、ゲート絶縁膜52、活性層56−1、抵抗層56−2、ソース電極58−1、およびドレイン電極58−2が設けられる。さらにドレイン電極の電子ディスプレイ媒体部の下部電極と電気的に接続される箇所をマスクしてそれ以外の部分を透明保護絶縁膜53で被覆する。該透明保護絶縁膜53は平坦化層としても機能する。
電子ディスプレイ媒体部は、基板30の上に電極32と透明電極38との間に電気泳動マイクロカプセル34を挟持する。
前記電子ディスプレイ媒体部の透明電極36面と前記TFT部のソース電極58−1及びドレイン電極58−2を有する面とが相対するように電子ディスプレイ媒体部とTFT部とがラミネートされた構成を有する。該電子ディスプレイ媒体部は、図2に説明した異なる電気泳動特性を有する白粒子38と黒粒子36を流体中に分散されて有するマイクロカプセル34を配列して有する。
本発明に用いられるTFTは、少なくとも、ゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を順次有し、ゲート電極に電圧を印加して、活性層に流れる電流を制御し、ソース電極とドレイン電極間の電流をスイッチングする機能を有するアクテイブ素子である。TFT構造として、スタガ構造及び逆スタガ構造のいずれをも形成することができる。
また、動作安定性の観点から、前記抵抗層の膜厚が前記活性層の膜厚より厚いことが好ましい。
また、別の態様として、前記抵抗層と前記活性層の間の電気伝導度が連続的に変化している態様も好ましい。
好ましくは、前記活性層の酸素濃度が前記抵抗層の酸素濃度より低い。
好ましくは、前記酸化物半導体がIn、GaおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種若しくはこれらの複合酸化物を含む。より好ましくは、前記酸化物半導体が前記InおよびZnを含有し、前記抵抗層のZnとInの組成比(Inに対するZnの比率Zn/Inで表す)が前記活性層の組成比Zn/Inより大きい。好ましくは、抵抗層のZn/In比が活性層のZn/In比より3%以上大きく、さらに好ましくは、10%以上大きい。
好ましくは、前記活性層の電気伝導度が10−1Scm−1以上102Scm−1未満である。より好ましくは、前記抵抗層の電気伝導度に対する前記活性層の電気伝導度の比率(前記活性層の電気伝導度/前記抵抗層の電気伝導度)が、102以上108以下である。
好ましくは、前記基板が可撓性樹脂基板である。
前記活性層の電気伝導度が10−4Scm−1を下まわると電界効果移動度としては高移動度が得られず、102Scm−1以上ではOFF電流が増加し、良好なON/OFF比が得られないので、好ましくない。
次に、図面を用いて、詳細に本発明におけるTFTの構造を説明する。
図4は本発明の電子ディスプレイに用いられるTFTの構成を示す概略断面図である。基板60がプラスチックフィルムなどの可撓性基板の場合、基板60の一方の面に絶縁層6が配される。好ましくは基板上にカラーフィルターアレイを配し、その上にTFTを構成するのがアライメント精度を高める点の好ましい。カラーフィルター62の上に絶縁層64を設け、その上に順にゲート電極70、ゲート絶縁膜72、活性層80−1、抵抗層80−2を積層して有し、その表面にソース電極90−1とドレイン電極90−2が設置される。活性層80−1はゲート絶縁膜72に接し、抵抗層80−2はソース電極90−1およびドレイン電極90−2に接する。ゲート電極に電圧が印加されていない状態での活性層80−1の電気伝導度が抵抗層80−2の電気伝導度より大きくなるように、活性層80−1および抵抗層80−2の組成が決定される。ここで、活性層には、特開2006−165529号公報に開示されている酸化物半導体、例えばIn−Ga−Zn−O系の酸化物半導体を用いる。これらの酸化物半導体は、電子キャリア濃度が高いほど、電子移動度が高くなることが知られている。つまり、電気伝導度が大きいほど、電子移動度が高い。
本発明における構造によれば、TFTがゲート電極に電圧が印加されたONの状態では、チャネルとなる活性層が大きい電気伝導度を有しているため、トランジスタの電界効果移動度は高くなり、高ON電流が得られる。OFFの状態では抵抗層の電気伝導度が小さい為に、抵抗層の抵抗が高いことから、OFF電流が低く保たれるために、ON/OFF比特性が極めて改良される。
図6は本発明の電子ディスプレイに用いられるTFTの別の構成を示す概略断面図である。電気伝導度がソース電極及びドレイン電極に隣接した抵抗層領域からゲート絶縁膜に隣接した活性層領域に向かって、漸増する構成を有している。
本発明における活性層の電気伝導度について説明する。
電気伝導度とは、物質の電気伝導のしやすさを表す物性値であり、物質のキャリア濃度n、キャリア移動度μとすると物質の電気伝導度σは以下の式で表される。eは電荷素量を表す。
σ=neμ
活性層又は抵抗層がn型半導体である時はキャリアは電子であり、キャリア濃度とは電子キャリア濃度を、キャリア移動度とは電子移動度を示す。同様に活性層又は抵抗層がp型半導体ではキャリアは正孔であり、キャリア濃度とは、正孔キャリア濃度を、キャリア移動度とは正孔移動度を示す。尚、物質のキャリア濃度とキャリア移動度とは、ホール測定により求めることができる。
<電気伝導度の求め方>
厚みが分かっている膜のシート抵抗を測定することにより、膜の電気伝導度を求めることができる。半導体の電気伝導度は温度より変化するが、本文記載の電気伝導度は、室温(20℃)での電気伝導度を示す。
ゲート絶縁膜としては、SiO2、SiNx、SiON、Al2O3、Y2O3、Ta2O5、HfO2等の絶縁体、又はそれらの化合物を少なくとも二つ以上含む混晶化合物が用いられる。また、ポリイミドのような高分子絶縁体もゲート絶縁膜として用いることができる。
本発明に用いられる活性層及び抵抗層には、酸化物半導体を用いることが好ましい。特にアモルファス酸化物半導体がさらに好ましい。酸化物半導体、特にアモルファス酸化物半導体は、低温で成膜可能である為に、プラスティックのような可撓性のある樹脂基板に作製が可能である。低温で作製可能な良好なアモルファス酸化物半導体としては、特開2006−165529号公報に開示されているような、Inを含む酸化物、InとZnを含む酸化物、In、Ga及びZnを含有する酸化物であり、組成構造としては、InGaO3(ZnO)m(mは6未満の自然数)のものが好ましいことが知られている。これらは、キャリアが電子のn型半導体である。もちろん、ZnO・Rh2O3、CuGaO2、SrCu2O2のようなp型酸化物半導体を活性層に用いても良い。
もちろん、活性層又は抵抗層には酸化物半導体だけではなく、Si、Geなどの無機半導体、GaAs等の化合物半導体、ペンタセン、ポリチオフェン等の有機半導体材料にも適応可能である。
本発明における活性層及び抵抗層の電気伝導度は、前記ソース電極及びドレイン電極近傍より前記ゲート絶縁膜近傍において高いことを特徴とする。
より好ましくは、前記ゲート絶縁膜近傍の電気伝導度の前記ソース電極及びドレイン電極近傍の電気伝導度に対する比率(前記ゲート絶縁膜近傍の電気伝導度/前記ソース電極及びドレイン電極近傍の電気伝導度)は、好ましくは、101以上1010以下であり、より好ましくは、102以上108以下である。好ましくは、前記活性層のゲート絶縁膜界面近傍の電気伝導度が10−4Scm−1以上102Scm−1未満である。より好ましくは10−1Scm−1以上102Scm−1未満である。
好ましくは、少なくとも活性層と抵抗層を含む2層よりなり、前記ゲート絶縁膜に接した活性層の電気伝導度が前記ソース電極及びドレイン電極に接した抵抗層の電気伝導度より大きく、より好ましくは、前記活性層の電気伝導度の前記抵抗層の電気伝導度に対する比率(前記活性層の電気伝導度/前記抵抗層の電気伝導度)は、好ましくは、101以上1010以下であり、より好ましくは、102以上108以下である。好ましくは、前記活性層の電気伝導度が10−4Scm−1以上102Scm−1未満である。より好ましくは10−1Scm−1以上102Scm−1未満である。前記抵抗層の電気伝導度は、好ましくは10−1Scm−1以下、より好ましくは10−9Scm−1以上10−3Scm−1以下である。
本発明における活性層及び抵抗層の電気伝導度は、上述のように前記ソース電極及びドレイン電極近傍より前記ゲート絶縁膜近傍においてより大きくなるように調整される。
電気伝導度の調整手段としては、活性層及び抵抗層が酸化物半導体である場合は下記の手段を挙げることが出来る。
(1)酸素欠陥による調整
酸化物半導体において、酸素欠陥ができると、キャリア電子が発生し、電気伝導度が大きくなることが知られている。よって、酸素欠陥量を調整することにより、酸化物半導体の電気伝導度を制御することが可能である。酸素欠陥量を制御する具体的な方法としては、成膜中の酸素分圧、成膜後の後処理時の酸素濃度と処理時間等がある。ここでいう後処理とは、具体的に100℃以上の熱処理、酸素プラズマ、UVオゾン処理がある。これらの方法の中でも、生産性の観点から成膜中の酸素分圧を制御する方法が好ましい。成膜中の酸素分圧を調整することにより、酸化物半導体の電気伝導度の制御ができることは、特開2006−165529号公報に開示されており、本手法を利用することができる。
(2)組成比による調整
酸化物半導体の金属組成比を変えることにより、電気伝導度が変化することが知られている。例えば、InGaZn1−XMgXO4において、Mgの比率が増えていくと、電気伝導度が小さくなることが、特開2006−165529号公報に開示されている。また、(In2O3)1−X(ZnO)Xの酸化物系において、Zn/In比が10%以上では、Zn比率が増加するにつれ、電気伝導度が小さくなることが報告されている(「透明導電膜の新展開II」シーエムシー出版 P.34−35)。これら組成比を変える具体的な方法としては、例えば、スパッタによる成膜方法においては、組成比が異なるターゲットを用いる。または、多元のターゲットにより、共スパッタし、そのスパッタレートを個別に調整することにより、膜の組成比を変えることが可能である。
(3)不純物による調整
酸化物半導体に、Li,Na,Mn,Ni,Pd,Cu,Cd,C,N,又はP等の元素を不純物として添加することにより、電子キャリア濃度を減少させること、つまり電気伝導度を小さくすることが可能であることが、特開2006−165529号公報に開示されている。不純物を添加する方法としては、酸化物半導体と不純物元素とを共蒸着により行う、成膜された酸化物半導体膜に不純物元素のイオンをイオンドープ法により行う等がある。
(4)酸化物半導体材料による調整
上記(1)〜(3)においては、同一酸化物半導体系での電気伝導度の調整方法を述べたが、もちろん酸化物半導体材料を変えることにより、電気伝導度を変えることができる。例えば、一般的にSnO2系酸化物半導体は、In2O3系酸化物半導体に比べて電気伝導度が小さいことが知られている。このように酸化物半導体材料を変えることにより、電気伝導度の調整が可能である。特に電気伝導度の小さい酸化物材料としては、Al2O3、Ga2O3、ZrO2、Y2O3、Ta2O3、MgO、又はHfO3等の酸化物絶縁体材料が知られており、これらを用いることも可能である。
電気伝導度を調整する手段としては、上記(1)〜(4)の方法を単独に用いても良いし、組み合わせても良い。
活性層及び抵抗層の成膜方法は、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、気相成膜法を用いるのが良い。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。
また、膜厚は触針式表面形状測定により求めることができる。組成比は、RBS(ラザフォード後方散乱)分析法により求めることができる。
本発明におけるゲート電極としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、又はAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、又は酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、又はポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられる。
ゲート電極の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
本発明におけるソース電極及びドレイン電極材料として、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、又はAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
本発明に用いられる基板は特に限定されることはなく、例えばYSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、アリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。
必要によって、TFT上に保護絶縁膜を設けても良い。保護絶縁膜は、半導体層(活性層および抵抗層)を大気による劣化から保護する目的や、TFT上に作製される電子デバイスとを絶縁する目的がある。
必要によって、TFTの後処理として、熱処理を行っても良い。熱処理としては、温度100℃以上で、大気下または窒素雰囲気下で行う。熱処理を行う工程としては、半導体層を成膜後でも良いし、TFT作製工程の最後に行っても良い。熱処理を行うことにより、TFTの特性の面内バラつきが抑制される、駆動安定性が向上する等の効果がある。
本発明の電子ディスプレイは、表示の書き換え可能で、表示の保持にエネルギーを要さないか若しくは十分に小さく(メモリー性)、携帯性に優れ、表示品位が優れている、ハードコピー(紙等)表示に変わるペーパーディスプレイとして使用できる。
1.活性層又は抵抗層の作製条件と電気伝導度
InGaZnO4の蒸着条件を変更して得られる活性層又は抵抗層の電気伝導度を測定した。
<蒸着条件1>
InGaZnO4の組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量12sccm、O2流量0.2sccm、RFパワー200W、圧力0.4Paの条件で行った。
<蒸着条件2>
条件1と同様に、但しO2流量を0.6sccmに変更して行った。
<蒸着条件3>
条件1と同様に、但しO2流量を1.4sccmに変更して行った。
<蒸着条件4>
条件1と同様に、但しO2流量を1.5sccmに変更して行った。
<蒸着条件5>
条件1と同様に、但しO2流量を1.8sccmに変更して行った。
物性測定用サンプルの電気伝導度は、サンプルの測定されたシート抵抗と膜厚から計算し求めた。ここで、シート抵抗をρ(Ω/□)、膜厚をd(cm)とすると、電気伝導度σ(Scm−1)は、σ=1/(ρ*d)として算出される。
本実施例において、物性測定用サンプルのシート抵抗107Ω/□未満の領域ではロレスタ−GP(三菱化学社製)、シート抵抗107Ω/□以上の領域ではハイテスタ−UP(三菱化学社製)を用いて20℃の環境下で行った。物性測定用サンプルの膜厚測定には触針式表面形状測定器DekTak−6M(ULVAC社製)を用いた。
物性測定用サンプルのキャリア濃度の測定には、ResiTest8300型(東陽テクニカ社製)を用いてホール効果測定を行うことにより求めた。ホール効果測定は20℃の環境下で行った。尚、ホール効果測定を行うことにより、キャリア濃度だけではなく、キャリアのホール移動度も求めることができる。
物性測定用サンプルの組成比のRBS(ラザフォード後方散乱)分析により、組成比を求めた。
2−1.本発明の電子ディスプレイ1の作製
基板に5inch×5inchのポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)を用いて、その両面にバリア機能を持つ絶縁層としてSiONを500nmの厚みに蒸着した。
上記基板上に、順に下記層を設けた。
ゲート電極:ITOを厚み30nmに蒸着した。
ゲート絶縁膜:SiONを厚み500nmに蒸着した。
抵抗層:活性層上に上記条件4でIGZO膜を厚み40nmに設けた。
本発明の電子ディスプレイ1の作製において、抵抗層を除き、活性層としては、蒸着条件3で厚み50nmのIGZO膜を設けた。その他は電子ディスプレイ1の作製と同様にして比較の電子ディスプレイAを作製した。
3−1.TFTの電界効果移動度およびON/OFF比
得られた電子ディスプレイのTFT素子について、飽和領域ドレイン電圧Vd=40V(ゲート電圧−20V≦Vg≦40V)でのTFT伝達特性の測定を行い、TFTの電界効果移動度およびON/OFF比を評価した。TFT伝達特性の測定は、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用いて行った。
飽和領域における電界効果移動度μは、TFT伝達特性から次式で求められる。
μ=(2L/W*Cox)*(∂Id1/2/∂Vg)
ここで、Lはチャネル長、Wはチャネル幅、Coxはゲート絶縁膜の静電容量、Idはドレイン電流、Vgはゲート電圧を示す。
ON/OFF比はTFT伝達特性からドレイン電流Idにおける最大値Idmaxと最小値Idminとの比Idmax/Idminから求めた。
得られた電子ディスプレイのコントラストを下記により測定した。
<比較例の条件>
実験条件1 画素内の50%を配線が覆う(この際、配線の光透過率は0%)。
実験条件2 画素内の50%をTFTが覆う(この際、TFTの光透過率は60%)。従って、1画素内の開口率(平均光透過率)は30%。
<本発明の条件>
実験条件1 画素内の50%を配線が覆う(この際、配線の光透過率は0%)。
実験条件2 TFTの移動度が比較例の4倍なので、画素内の12.5%をTFTが覆う(この際、TFTの光透過率は60%)。TFTが小サイズ化したので、画素内の37.5%は完全光透過する。従って、1画素内の開口率(平均光透過率)は45%。
得られた結果を表3に示した。
実施例1の電子ディスプレイ1を同様の組成でサイズを15inch×15inchのポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)を用いて大サイズ電子ディスプレイを作製した。
4a、4b:ガラス板、8a:透明電極、8b:電極、6:隔壁、10a:着色分散媒、10b:顔料粒子、
40:マイクロカプセル
41:カプセル隔壁、42:第1の粒子(白粒子)、44:第2の粒子(黒粒子)、46,46’:電極
Claims (15)
- 電圧印加により光の濃淡を生じる電子ディスプレイであって、該電子ディスプレイは基板上にディスプレイ媒体および該ディスプレイ媒体を駆動する薄膜電界効果型トランジスタを有し、該薄膜電界効果型トランジスタが、前記基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記活性層と前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方との間に抵抗層を有することを特徴とする電子ディスプレイ。
- 前記活性層が前記ゲート絶縁膜と接し、前記抵抗層が前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一方と接していることを特徴とする請求項1に記載の電子ディスプレイ。
- 前記抵抗層の膜厚が前記活性層の膜厚より厚いことを特徴とする請求項2に記載の電子ディスプレイ。
- 前記抵抗層と前記活性層の間の電気伝導度が連続的に変化していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ディスプレイ。
- 前記活性層及び前記抵抗層が酸化物半導体を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記酸化物半導体がアモルファス酸化物半導体であることを特徴とする請求項5に記載の電子ディスプレイ。
- 前記活性層の酸素濃度が前記抵抗層の酸素濃度より低いことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記酸化物半導体がIn、GaおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種若しくはこれらの複合酸化物を含むことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記酸化物半導体が前記InおよびZnを含有し、前記抵抗層のZnとInの組成比(Inに対するZnの比率Zn/Inで表す)が前記活性層の組成比Zn/Inより大きいことを特徴とする請求項8に記載の電子ディスプレイ。
- 前記活性層の電気伝導度が10−1Scm−1以上102Scm−1未満であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記抵抗層の電気伝導度に対する前記活性層の電気伝導度の比率(前記活性層の電気伝導度/前記抵抗層の電気伝導度)が、102以上108以下であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記基板が可撓性樹脂基板であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記ディスプレイ媒体が複数のカプセルを含むディスプレイ媒体であり、該複数のカプセルのそれぞれが懸濁流体内で移動可能な少なくとも1つの粒子を含み、該ディスプレイ媒体は、第1の面および該第1の面と対向する第2の面を有し、該第1および該第2の面の内の1つの面を介して観察イメージを表示するディスプレイ媒体であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ。
- 前記少なくとも1つの粒子が、電気泳動粒子、または回転ボールであることを特徴とする請求項13に記載の電子ディスプレイ。
- 前記電子ディスプレイがカラーフィルターを有するカラー表示電子ディスプレイであって、該カラーフィルターを前記基板と前記薄膜電界効果型トランジスタの間に有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電子ディスプレイ。
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