JP2009021418A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】投影パターンにおける色むらが低減された発光装置を提供する。
【解決手段】凹部を有する支持体と、半導体からなる発光層を含み、前記凹部の内部に配置され、第1の波長光を放射する発光素子と、前記第1の波長光を吸収し、励起され、波長変換された第2の波長光を放射する蛍光体と、前記発光素子を覆うように前記凹部を充填し、前記蛍光体が分散配置された封止樹脂層と、中心が前記発光素子の略光軸上に位置し前記光軸に対して略平行な方向からみた平面寸法が前記発光素子よりも大きいアレイレンズを有し、前記支持体の上方に配置された光学部材と、前記光学部材の上方に配置され、中心軸が前記光軸と略一致したドーム状レンズと、を備えたことを特徴とする発光装置が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】凹部を有する支持体と、半導体からなる発光層を含み、前記凹部の内部に配置され、第1の波長光を放射する発光素子と、前記第1の波長光を吸収し、励起され、波長変換された第2の波長光を放射する蛍光体と、前記発光素子を覆うように前記凹部を充填し、前記蛍光体が分散配置された封止樹脂層と、中心が前記発光素子の略光軸上に位置し前記光軸に対して略平行な方向からみた平面寸法が前記発光素子よりも大きいアレイレンズを有し、前記支持体の上方に配置された光学部材と、前記光学部材の上方に配置され、中心軸が前記光軸と略一致したドーム状レンズと、を備えたことを特徴とする発光装置が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光装置に関する。
窒化物系半導体発光素子からの放射光と、この放射光を吸収し励起された蛍光体からの波長変換光と、により混合色を得ることができる。例えば、窒化物系半導体発光素子からの青色光と、黄色蛍光体からの黄色光と、が混合されて白色光が得られる。
傾斜したリフレクタを有する凹部の内部に発光素子を配置し、発光素子を覆うように蛍光体を分散配置すると、 発光素子からの放射光及び蛍光体からの波長変換光を制御し高輝度を得ることができる。一般には、発光素子からの放射光と波長変換光との放射パターンが異なるので、発光素子の光軸に対して広い角度範囲にわたり色むらを抑制することが必要となる。
照射面における色むらを低減する発光装置の技術開示例がある(特許文献1)。この開示例においては、波長変換部材の光取り出し面側に、出射制御部材である光学部材を設け、外側周縁部からの光を抑制し、色むらが低減される。
特開2005−166734号公報
傾斜したリフレクタを有する凹部の内部に発光素子を配置し、発光素子を覆うように蛍光体を分散配置すると、 発光素子からの放射光及び蛍光体からの波長変換光を制御し高輝度を得ることができる。一般には、発光素子からの放射光と波長変換光との放射パターンが異なるので、発光素子の光軸に対して広い角度範囲にわたり色むらを抑制することが必要となる。
照射面における色むらを低減する発光装置の技術開示例がある(特許文献1)。この開示例においては、波長変換部材の光取り出し面側に、出射制御部材である光学部材を設け、外側周縁部からの光を抑制し、色むらが低減される。
投影パターンにおける色むらが低減された発光装置を提供する。
本発明の一態様によれば、凹部を有する支持体と、半導体からなる発光層を含み、前記凹部の内部に配置され、第1の波長光を放射する発光素子と、前記第1の波長光を吸収し、励起され、波長変換された第2の波長光を放射する蛍光体と、前記発光素子を覆うように前記凹部を充填し、前記蛍光体が分散配置された封止樹脂層と、中心が前記発光素子の略光軸上に位置し前記光軸に対して略平行な方向からみた平面寸法が前記発光素子よりも大きいアレイレンズを有し、前記支持体の上方に配置された光学部材と、前記光学部材の上方に配置され、中心軸が前記光軸と略一致したドーム状レンズと、を備えたことを特徴とする発光装置が提供される。
投影パターンにおける色むらが低減された発光装置が提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる発光装置を表し、図1(a)は模式断面図、図1(b)は模式平面図、図1(c)及び図1(d)はアレイレンズの模式底面図である。絶縁体10に設けられた凹部20の底面には、絶縁体などからなる支持体10の外部まで延在した第1及び第2の端子12、14が露出している。
図1は、本発明の実施形態にかかる発光装置を表し、図1(a)は模式断面図、図1(b)は模式平面図、図1(c)及び図1(d)はアレイレンズの模式底面図である。絶縁体10に設けられた凹部20の底面には、絶縁体などからなる支持体10の外部まで延在した第1及び第2の端子12、14が露出している。
図1(a)は、図1(b)のB−B線に沿った断面であり、第1の端子12の上面に、発光素子16がマウントされ、発光素子16の一方の電極は第2の端子14とボンディングワイヤ18で接続される。第1及び第2の端子12、14は、例えば金属のリードやメタライズなどによる導電部からなる。凹部20の側壁は傾斜しており、反射率の高いリフレクタ21として作用する。このリフレクタ21は、凹部20の側壁に設けられたAg(銀)やAl(アルミニウム)のような高い反射率の金属膜や反射性フィラーが混合された樹脂などからなる。
凹部20には蛍光体が混合された透明樹脂層22が、少なくとも発光素子16を覆うように充填される。支持体10の上方及び凹部20を充填する透明樹脂層22の上方にはアレイレンズ30aを有する光学部材30が設けられ、さらにその上方にはドーム状レンズ40が設けられる。凹部20の底面の中心近傍に位置する発光素子16の発光中心17を通り発光面に略垂直な軸をA−A線で表し、発光素子16の光軸50と呼ぶ。図1(c)に表すアレイレンズ30aの中心31は光軸50上に略位置し、ドーム状レンズ40の中心軸は光軸50と略一致する。ドーム状レンズ40は、光学部材30を挟んで、例えば支持体10の側面にかしめて固定される。
なお、支持体10は、例えば熱可塑性樹脂やセラミックなどの絶縁体材料とすることができる。また、支持体10は光の反射率が高い金属材料を含んでいてもよい。封止樹脂層となる透明樹脂層22の材質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などである。アレイレンズ30の材質はポリカーボネート、アクリル樹脂などであり、ドーム状レンズ40の材質はエポキシ樹脂やアクリル樹脂であり、それぞれトランスファーモールド法などを用いて形成される。
発光素子16は、半導体からなる発光層を有する。発光素子16としては、例えば窒化物系半導体発光素子を用いると440〜490nmの波長範囲の青色光や、これより短い波長の紫外光を得ることができる。本実施形態では、蛍光体としてEu賦活アルカリ土類金属珪酸塩からなる黄色蛍光体を用いた場合について説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。
黄色蛍光体は、発光素子16の青色光を吸収し、励起されて、波長変換された約560nmの黄色光を放射する。青色光と黄色光とが混合されて、照射面において混合光を得ることができる。混合色の色温度を、例えば3500〜15000Kの範囲で制御することができる。
なお、本明細書において、「窒化物系半導体」とは、(AlxB1−x)yGazIn1−y−zN(0≦x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z≦1)からなる半導体をいい、さらにV族元素としてAsやPなどを含むものや、p型あるいはn型の不純物を含むものも「窒化物系半導体」に包含されるものとする。
図1(c)は、図1(a)アレイレンズ30aを下方から見たものであり、一辺がJの正方形の中に小レンズ30bが9つアレイ状に配列されている。また、図1(d)のように、アレイレンズ30aを円状とすると発光素子16からの放射光が略円形断面状に広がって放射され、ドーム状レンズ40へ効率よく入射させることができる。
光軸50に対して略平行な方向からみたアレイレンズ30aの平面寸法Fは、発光素子16の平面寸法Eよりも大きく、発光素子16からの放射光をそれぞれの小レンズ30bにより集光方向を分散する。発光素子16の平面寸法Eとは、チップの縦及び横の寸法である。また、アレイレンズ30aの平面寸法Fとは、その平面形状が矩形であれば平面図における縦及び横の寸法であり、円形であれば直径である(図1(d))。なお、図1(c)のアレイレンズ30aは正方形であり、縦及び横の平面寸法は共にFとする。また、例えば、発光素子16が矩形の場合、アレイレンズ30aは、発光素子16の縦及び横のうち長い方の寸法よりも大きくする。発光素子16の放射光強度は光軸50の近傍で大きいので、アレイレンズ30aをドーム状レンズ40の下方の全体に配置しなくとも集光方向を分散することができる。さらに、小レンズ30bが配置される正方形の一辺Jを発光素子16の平面寸法Eよりも小さくすると、集光方向の分散が容易となる。このように光学部材30の中央部分をアレイレンズ30aとし、その周囲を非レンズ領域とすると、光学部材30の機械的強度が改善され、発光装置の組立工程が容易となる。
またさらに、光軸50に対して略平行な方向にみたアレイレンズ30の平面寸法は、光軸50に対して略平行な方向にみたドーム状レンズ40の平面寸法よりも小さい。このようにすれば、発光素子16から放出されアレイレンズ30を介した光を、ドーム状レンズ40において確実に集光させることができる。
またさらに、光軸50に対して略平行な方向にみたアレイレンズ30の平面寸法は、光軸50に対して略平行な方向にみたドーム状レンズ40の平面寸法よりも小さい。このようにすれば、発光素子16から放出されアレイレンズ30を介した光を、ドーム状レンズ40において確実に集光させることができる。
図2はアレイレンズ30a及びドーム状レンズ40の作用を説明する図であり、図2(a)は発光装置の模式断面図、図2(b)はD部近傍の拡大図である。アレイレンズ30aがない比較例では、発光素子16からの青色光及びリフレクタ21などからの青色光の反射光はドーム状レンズ40により光軸50の中心近傍に集中して集光されている。
図2(b)のD部拡大図において、蛍光体24が分散された透明樹脂層22に入射した青色光の一部分は、蛍光体24に吸収され、励起された黄色の波長変換光25(黒矢印)を放射させる。発光素子16からの青色光19(ブロック矢印)は波長変換光25(黒矢印)よりも光軸50の周りに強く集光されやすい。このため放射パターンが青色光19と波長変換光25とで異なる。
本実施形態において、光学部材30が有するアレイレンズ30aにより発光素子16からの放射光及びリフレクタ21による反射光の集光方向を図2(a)のように分散させる。すなわち、光軸50に対して放射角度θが大きく外方に向かう青色光70は、小レンズ30bにより破線で表す集光方向71に放射され、小レンズ30bが無い場合よりも放射角度θが大きい方向により強く放射され、光軸50近傍への光の集中を緩和する。また、光軸50に対して放射角度θが大きく外方に向かうリフレクタ21からの青色光の反射光72は、小レンズ30bにより破線で表す集光方向73に放射され、小レンズ30bが無い場合よりも放射角度θが大きい方向により強く放射され、光軸50近傍への光の集中を緩和する。屈折率は、例えばアレイレンズ30aで1.58、ドーム状レンズ40で1.51、透明樹脂層22で1.4である。アレイレンズ30aと透明樹脂層22との屈折率差は0.18と小さく、アレイレンズ30aと透明樹脂層22との間に空隙が無く充填されるとレンズ効果が小さくなる。このために、アレイレンズ30aと透明樹脂層22の表面との間の空隙33を空気層とする方がより好ましい。
図3は色温度の放射角度θ依存性を表すグラフ図であり、実線はアレイレンズ30aを備えた本実施形態、ドット線はアレイレンズ30aを備えていない比較例をそれぞれ表す。横軸に表す放射角度θ(°)は図1(a)において、光軸50と放射光とのなす角度である。ここで本実施形態のパラメータを例示する。発光素子16は、例えば1mm×1mmの正方形である。光学部材30の全体は2mm×2mmの正方形であり、その中央部は0.5mm×0.5mmの正方形、レンズ曲率が0.2(曲率半径が5mm)、厚みが0.1mmの小レンズ30bが3×3=9つ配置されたアレイレンズ30aである。また、ドーム状レンズ40は、レンズ直径が2.5mmφ、レンズ曲率が2.5(曲率半径が0.4mm)、レンズ厚さが2.75mmである。
まず、アレイレンズ30aが無い比較例の色温度は、放射角度θがマイナス90度〜90度の範囲において約4000〜14000Kであり、変化幅Δ2は約10000Kと大きい。色温度が10000Kよりも大きいと、青みを帯びた色調の白色となる。また、放射角度θがマイナス90度または90度に近づくと色温度が急激に低下する。例えば放射角度θがマイナス85〜マイナス90度において色温度は4000K近くまで低下し、黄みを帯びた色調の白色に近づく。すなわち、比較例においては、光軸50の近傍において青みを帯びた色調の白色、マイナス90度近傍で黄みを帯びた色調の白色となり、投影パターンにおける色むらを生じる。
これに対して、本実施形態の色温度は、放射角度θがマイナス90度〜90度の範囲において約5400〜8900Kであり、変化幅Δ1は約3500Kである。すなわち、光軸50の近傍における青色光の集中を緩和し、青色光と波長変換光との放射パターンを近づけている。このため、光軸50の近傍において白色光の青みを抑制できる。また放射角度θが90度またはマイナス9度の近傍において、色温度は約5400K以上であり、黄みが抑制できている。このようにして、投影パターンの色むらを改善できる。
他方、レンズに光拡散材を分散し投影パターンの色むらを改善することができる。しかしながら、この構造ではレンズからの光取り出し効率が低下し、本実施形態のような明るさを得ることが困難である。
レンズのパラメータは上記の例に限定されない。例えば、ドーム状レンズ40の曲率は放射距離などに応じて適正に選択することができる。また、アレイレンズ30aを構成する小レンズ30bの曲率は、色むらを低減したい放射角度範囲などに応じて適正に選択できる。
図4はアレイレンズ30aの変形例を表す模式図である。 アレイレンズ30aをドーム状レンズ40の下方全面に配置してもよい。 図4(a)はドーム状レンズ40の発光素子16側の面の略全領域がアレイレンズ30aである模式断面図、図4(b)はアレイレンズの模式底面図である。この場合にも正方形の領域内に小レンズ30bが設けられ、複数の小レンズ30bによりアレイレンズ30aが構成されている。このようにすると発光素子16の発光面積が広い場合には効率よく光を取り出すことが容易となる。
また、図4(c)は角部に小レンズ30bを設けないアレイレンズ30aである。この場合、小レンズ30bを分断することがないので放射パターン及び投影パターンをなめらかに変化させることができる。
また、小レンズ30bの断面は凸な曲線でなくともよい。図4(d)は略三角形断面を有する小レンズ30bであり、このようにしても集光方向を分散することができる。図4(e)及び図4(f)は模式底面図であるが、立体的には円錐状または角錐状とすることにより集光が容易にできる。
さらに、ドーム状レンズ40は、蛍光体24が分散された透明樹脂であってもよい。この場合、蛍光体24による吸収によりドーム状レンズ40から取り出される発光素子16の放射光を光軸50近傍で低下させ、蛍光体24による波長変換光をドーム状レンズ40内で広げ、投影パターンにおける色むら改善をより容易にする。
蛍光体としてYAG(Yttrium Aluminum Garnet)を材料とした赤色蛍光体、緑色蛍光体などであってもよい。この場合、3つ以上の波長光を混合させ、演色性の改善が容易となる。
以上、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかしながら本発明は、発光装置を構成する発光素子、蛍光体、アレイレンズ、ドーム状レンズ、透明樹脂層、凹部、光軸、リフレクタの形状、サイズ、材質、配置などに関して当業者が設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
10 支持体、16 発光素子、17 発光中心、20 凹部、21 リフレクタ、22 透明樹脂層、24 蛍光体、30 光学部材、30a アレイレンズ、30b 小レンズ、31 アレイレンズ中心、33 空隙、40 ドーム状レンズ、50 光軸
Claims (5)
- 凹部を有する支持体と、
半導体からなる発光層を含み、前記凹部の内部に配置され、第1の波長光を放射する発光素子と、
前記第1の波長光を吸収し、励起され、波長変換された第2の波長光を放射する蛍光体と、
前記発光素子を覆うように前記凹部を充填し、前記蛍光体が分散配置された封止樹脂層と、
中心が前記発光素子の略光軸上に位置し前記光軸に対して略平行な方向からみた平面寸法が前記発光素子よりも大きいアレイレンズを有し、前記支持体の上方に配置された光学部材と、
前記光学部材の上方に配置され、中心軸が前記光軸と略一致したドーム状レンズと、
を備えたことを特徴とする発光装置。 - 前記光軸に対して略平行な方向からみた前記アレイレンズの平面寸法は、前記光軸に対して略平行な方向からみた前記ドーム状レンズの平面寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
- 前記アレイレンズを構成する小レンズ及び前記ドーム状レンズは、凸レンズ部をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記アレイレンズと前記封止樹脂層との空隙は、空気層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記ドーム状レンズは、前記蛍光体が分散配置された樹脂層を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
Priority Applications (1)
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2007
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