JP2009020779A - 建築物の情報処理システムおよび建築物の情報処理方法 - Google Patents

建築物の情報処理システムおよび建築物の情報処理方法 Download PDF

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浩 木下
Takuma Suzuki
琢磨 鈴木
Yoshiji Mitani
義治 三谷
Hiroshi Suzuki
拓 鈴木
Ryo Kunikata
亮 國方
Kenichiro Yahada
健一郎 矢羽田
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Abstract

【課題】対象とする建物を迅速に抽出する建築物の情報処理システムおよび建築物の情報処理方法の提供。
【解決手段】情報処理システム90は、机上データ処理X、現地調査Y、机上作業Zの3段階の処理を行う。各種データハンドリング処理(S2)は、レーザーデータ処理(Sb)、または、デジタルマトリックス(DM)データ処理(Sc)による最新・高精細航空写真画像データ(Sa)を作成する。対象道路中心線入力(図化)処理を行い(S3)、沿道建物高さ計測(図化)処理を行う(S4)。以後(S5)〜(S10)の処理後に、S56年度以前に建設された建築物は耐震化が行われていないので、特定建築物としてリストアップする(S11)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐震改修の必要がある建物を特定するための情報を作成する構成とした、建築物の情報処理システムおよび建築物の情報処理方法に関するものである。
近年、阪神淡路大震災をはじめとし、新潟県中越地震、能登半島地震など、地震による被害が頻繁に発生する中、国や自治体の対応が求められている。これを受けて、国の取り組みとしては、建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第120号)が、関係政省令及び国土交通大臣が定める基本方針とともに、平成18年1月26日に施行された。この法律は、特定建築物及び住宅の耐震強度を適正に把握し、必要に応じて耐震改修を促すことを目的としている。この目的達成のために地方公共団体が担う役割の1つとして、建物状況の把握(耐震改修促進計画のための基礎調査)があげられる。
「建築物の耐震改修の促進に関する法律」において、法第六条3号には「地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあるものとして政令で定める建築物であって、その敷地が前条第三項第一号の規定により都道府県耐震改修促進計画に記載された道路に接するもの」については、前記耐震改修を促すことを規定している。
前記法第六条3号は、緊急輸送路や避難路に面している建物で、倒壊時に道路半分を閉塞するようなものについては行政サイドで把握し、耐震改修を促す必要があると規定するものである。このような規定に該当する
建物は、建物の高さと前面道路の幅員の関係によって抽出する必要がある。
このような耐震改修が必要な建物情報を取得するためには、道路の幅員の計測と共に当該建物の高さを計測する必要がある。ここで、対象物の高さを計測する手法として、レーザビームによる計測が考えられる。図13は、レーザー測定器81により、樹木85の高さを測定する例の説明図である。図13において、補助者83は、測定対象の樹木85の近傍に立ち指標84を保持している。
測定者82はレーザー測定器81により、指標84までの距離Laを測定する(○1、なお、変換上の理由により丸付数字を以下このように表記する。)。次に、レーザー測定器81で木85の根元を視準し、高度角(○2)を測定する。続いて、レーザー測定器81で樹木85の先端を視準し、高度角を測定(○3)を測定する。高度角(○2)をθaとすると、高さaは、a=La・tanθa、として求めることができる。また高度角(○3)をθbとすると、高さbは、b=La・tanθb、として求めることができる。したがって、樹木85の高さは、a+b、として演算により求めることができる。演算結果は、レーザー測定器81のディスプレーに表示される。
出願人は、市街地の建物の高さをレーザー測定器により測定する技術を特許文献1で開示している。この技術は、車両のような移動体から市街地の建物の高さをレーザー測定器により測定するものである。
特開2002−90456号公報
特許文献1においては、このように、移動体を用いて市街地の建物の高さをレーザー測定器により測定するので、短時間に建物情報を取得できるという利点がある。しかしながら、特許文献1では道路の幅を計測していないので、道路の幅と建物の高さとの関連が不明である。このため、前記のように震災時に建物が倒壊して道路を塞ぐ可能性があるのかどうかが判断できないという問題があった。また、大都市においては、市街地が広大なエリアとなり、道路の総延長も長くなる。これに伴い、計測対象の建物数も増大するが、どの建物を計測するのか、実施の段階で目視による選定だけでは時間的に対応できない、という問題があった。
さらに、昭和56年以降に建設された建物については、耐震強度が法律により定められれているが、それ以前の建築物は耐震強度が法定されていない。このため、どの建物が耐震改修が必要か、外観からだけでは判断ができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するものであって、耐震改修の必要がある建物を特定するための情報を迅速に、しかも正確に作成する構成とした、建築物の情報処理システムおよび建築物の情報処理方法の提供を目的とする。
そのために本発明の情報処理システムは、高精細航空写真画像データを取得する手段と、前記高精細航空写真画像データから、処理対象とする道路および建物群を選定する手段と、前記道路の中心線に設定される計測点および当該道路に面している各建物の天端位置の3次元座標を求める手段と、前記各3次元座標の数値に基づいて、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線の視角を演算する手段と、前記各建物の属性を取得する手段と、前記視角情報および各建物の属性情報に基づいて耐震改修の必要性がある建物を特定建築物として判定する手段と、からなることを特徴とする。
また、本発明の建築物の情報処理システムは、前記精細航空写真画像データは、航空写真の図化処理で形成されることを特徴とする。
また、本発明の建築物の情報処理システムは、前記図化処理で形成された画像データ上で、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線を自動的に作成する手段を有することを特徴とする。
また、本発明の建築物の情報処理システムは、前記道路の幅員の大きさに応じて、前記計測点の位置を中心線からずらして設定することを特徴とする。
また、本発明の建築物の情報処理システムは、前記視角が45度以上の場合には、前記耐震改修の必要性がある建物と判定することを特徴とする。
また、本発明の建築物の情報処理システムは、前記属性は、前記特定建築物の建築年であることを特徴とする。
また、本発明の建築物の情報処理システムは、前記耐震改修の必要性がある建物のリスト、または当該建物に関連した画像データを出力する出力手段を有することを特徴とする。
本発明の建築物の情報処理方法は、高精細航空写真画像データを取得する段階と、前記高精細航空写真画像データから、処理対象とする道路および建物群を選定する段階と、前記道路の中心線に設定される計測点および当該道路に面している各建物の天端位置の3次元座標を求める段階と、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線を前記画像データ上で作成する段階と、前記各3次元座標の数値に基づいて、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線の視角を演算する段階と、前記各建物の属性を取得する段階と、前記視角情報および各建物の属性情報に基づいて耐震改修の必要性がある建物を特定建築物として判定する段階と、前記判定結果を出力する段階からなることを特徴とする。
本発明によれば、高精細航空写真画像データに基づいて、一定のエリアにおける計測対象の建物を抽出しているので、計測漏れのない正確な建物情報を取得できる。また、高精細航空写真画像データを図化処理により形成し、画像データ上で建物の天端と道路中心線に設定した計測点とを結ぶ線を自動的に作成して、当該結線の視角を演算している。このような処理により、道路に面したすべての建物の中で、耐震改修の必要がある建物を特定するための情報を迅速に作成することができる。さらに、建物が面している道路の幅員や建物の後退壁面までの距離などの属性を考慮して、耐震改修の必要がある建物を特定しているので、状況に応じて正確な情報を作成することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明においては、対象とする特定建物を、市街地などの高精細航空写真データに基づいた処理により抽出している。そこで、最初に高精細航空写真データの取得について説明する。高精細航空写真データを用いて建物高さを計測する手法として、レーザーデータ処理によるものと、DM(デジタルマップング)データ処理によるものがある。
図2は、最新・高精細航空写真画像データを取得する例を示す説明図である。図2において、航空機75は、所定のエリア77の航空写真を撮影する。航空機75には、DMC(デジタルマトリックスカメラ)を搭載している。DMCは、アナログカメラのフィルムに代えて、光学レンズから入射した光情報76をマトリックス方式のCCDに電子形式で記録するものであり、精度良く地図情報が取得できる。本発明の実施形態においては、後述するように、空中三角測量で得られたデータを図化処理することにより、建物の高さデータを取得している。
また、レーザーデータ処理は、航空機によるレーザスキャニングで地形計測を行なうものである。レーザスキャニングで得られた地形計測を基にして、DEM(Digital Elevation Model)データを作成する。航空機は、IMU(慣性計測装置)とGPS人工衛星、およびGPS地上基準局によりX、Y、Z3軸方向の位置と姿勢が正確に追跡される。計測対象地域をレーザスキャニングし、地表面の位置データを取得するとともにデジタル画像を取得する。このような、航空機による地形のレーザ計測は、地表面の高度を直接示す測定点が数m〜1m以下の間隔に1点程度と、高密度かつ面的に得られる特徴がある。
図3、図4は、航空写真画像から高さを計測する原理の説明図である。航空写真により標高値が高い建物等を撮影すると、図3のように画像上で建物が倒れこむ様な形で撮影された航空写真25が得られる。このような倒れこみを利用して、建物の高さを計測することが出来る。
図4は、航空機から地上の高さのある対象物26を撮影している状態を模式的に示している。図4(a)は平面視、図4(b)は側面視を示す図である。図4(a)において、主点(カメラのレンズ位置)を通るx軸、y軸の二次元平面を考える。この際に、二次元平面に投影された測定対象物26は、主点から測定対象物26の高さ方向先端までの長さがr、地表面から測定対象物26の高さ方向先端までの長さがdで示される。
図4(b)において、27はレンズの位置、28は写真面、29は測定対象物26を地表面に建てた状態を示している。写真面28には、前記図4(a)の二次元平面に投影された測定対象物26の撮像が形成されている。この際の前記測定対象物26に関する長さデータr、dは、それぞれ図示のように写真面28で形成される。
地表面から航空機に搭載されたレンズまでの高さをH、測定対象物26の高さをhとする。また、レンズから地上に建てた測定対象物26の高さ方向先端を通り地表面に達する線を引き、当該地表面と交わる点と、レンズから地表面に引いた垂線の交点までの地表面の長さをRとする。さらに、レンズから写真面における測定対象物26の地表面の位置(d)を通る線を引き、地表面の交点を求める。この交点と前記測定対象物26の高さ方向先端を通り地表面との交点間の長さをDとする。
このように、H、R、D、h、r、dの関係を設定すると、
H:h=R:D=r:d、
が成立する。これより、
h=(d/r)・H
となり、測定対象物26の地表面からの高さを求めることができる。
図5は、航空写真の図化20の原理の説明図である。航空写真の撮影は、図3のような写真をある程度ラップさせるように撮影を行う。図5(a)の21、22は同じ建物を異なるレンズ位置で撮影した航空写真である。このようなラップさせた航空写真21、22を重ね合わせて、図化専用機械に航空写真を取り込むと、図5(b)のように対象とする建物は立体視23が可能となる。したがって、航空写真上の対象物すべてが立体表示することができるようになる。図5の原理と前記図3、図4で説明した原理を組み合わせることにより、対象物(建物)の高さを計測することが出来る。
高精細航空写真画像データを活用することのメリットとして、現地における建物高さや壁面後退距離の計測では、建物の規模・形状により目視では見えづらい屋上工作物や広告等、死角になる範囲が存在する場合に対処できることが挙げられる。すなわち、建物の倒れ込みのない、ほぼ真上から見た上空からの高精細航空写真データを用いて、道路、建物高さ等を図化(計測)し、特定建築物候補を絞込むことにより、現地調査における計測の抜け漏れが回避できる。
また、道路の計測においては、道路交通量及び立ち入り等の関係から、現地調査では道路幅員の計測が難しい区間も存在する。このような場合においても、上空から撮影した高精細航空写真データを用いて道路等を図化(計測)することは、現地調査の問題点を解決できる手法として有効である。高精細航空写真画像データは、データベースとして保有可能な資料であることから、データの貸出し調整などに時間がとられることはない。直ぐに作業着手でき、迅速化が図れる。
図6は、前記高精細航空写真画像データを形成するための処理手段10を示すブロック図である。写真撮影に先立って、予め写真撮影個所に対空標識を設置する。この処理では、撮影現地において、座標(X,Y,Z)がわかっている場所に写真で認識できるマークを設置する。1は航空機による写真撮影手段である。この写真撮影手段1は、例えば、前記DMCを用いる。2は水準測量手段である。この処理は、撮影された瞬間の写真の傾きを求めるために、写真に写っている地物(白線の角、道路縁石の角、等々)の高さを求めるものである。
3は空中三角測量手段である。この処理は、写真は、何枚にも分割されて撮影されていて、撮影時の航空機の姿勢によって様々に傾いて撮られている。これらを、計算機の中であたかも1枚の写真になるように計算を行うものである。4は図化手段である。この処理は、写真の実体視により地形を三次元の座標として取り出し、地図で表現する地物、地形を描画するものである。本発明の実施形態においては、図6の太枠で囲んだ1〜4の処理手段を主として使用する。
5は編集手段である。この処理は、図面として見やすくするために目的に応じて決められた地図の記号に変換するものである。6は現地補測手段である。この処理は、これまでの工程の中で解決できない問題点がある場合に現地にて再度マニュアルで調査・現地測量を行うものである。7は地形データ作成手段で、コンピュータなどを用いて、前記1〜6の処理手段に基づき最終的な地形データを作成する。
図7は、本発明の航空写真画像データ作成のシステム構成を示すブロック図である。図7において、30は本システムの構成部分であり、CPUなどが用いられる演算処理部31、キーボードやマウスなどの入力部32、読取部33、表示部34、記憶部35、データや図形をプリントアウトする出力部36が設けられている。記憶部35には、処理プログラムなどが記憶されているROM、各種データが記憶されているRAM、画像データが記憶される画像メモリなどが設けられている。図化機40で作成された数値地形モデルは、演算処理部31に入力される。
本発明においては、建物の高さデータ取得が最終の目的ではなく、道路に面した建物が崩壊した場合に、道路を閉塞する可能性のある建物を抽出することが目的となっている。このため、建物の高さデータと共に、地上の計測点から建物の天端をみたときの視角を求めることが必要になる。以下、図8〜図10の説明図により、道路を閉塞する可能性のある建物を抽出する例について説明する。
図8は、地表面からの高さAの対象とする建物60の屋上に、付属施設、例えば地表面からの高さBのエレベータ室61が設置された例を示している。建物60が面している道路62の中心線63に計測点64を設定する。計測点64の3次元座標を(x2、y2、z2)、建物60の天端60aの3次元座標を(x1、y1、z1)とする。また、道路62の中心線63から建物60の壁面までの距離をLa、計測点64から建物60の天端60aをみたときの視角をθAとする。また、エレベータ室61の天端をみたときの視角をθBとする。
このときの建物の高さHは、z1−z2、で求められる。また、前記距離Laは、La=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2、で求められる。例えば、図11の(f)の例では、
(x1,y1,z1)=(-42633.761,-138513.773,25.068)、
(x2,y2,z2)=(-42638.086,-138530.888,3.322)
であるから、建物高さH=z1−z2=25.068−3.322=21.746(m)、
建物〜道路中心間距離La=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]1/2
=17.65(m)
視角θA=atan(H/La)=50.9°
となる。視角θBも、エレベータ室61の地表面からの高さHbとしたときに、LaとHbから同様に求めることができる。
建物が面している道路の幅員は、地形や交通量など種々の要因で広狭異なっている。このため、計測点の選定、すなわち計測対象の建物の選定の際には、道路の幅員を考慮する必要がある。幅員の狭い道路に面している建物は、高さが低い場合でも倒壊すると道路を塞ぐ可能性がある。同じ高さの建物でも幅員の広い道路に面している場合には、耐震補強の対象外となる。
図9は、このような道路の幅員が異なる場合の建物の高さと計測点の位置との関係を示す説明図である。図9(a)において、70は航空機により撮影されたある市街地の写真の平面視を示している。図9(b)は、市街地のエリアCの計測点の選定を示し、図9(c)は、市街地のエリアDの計測点の選定を示している。エリアCは、道路の幅員が12mを超えており、エリアDは、道路の幅員が12m以下、この例では8mである。
図9(b)では、道路の幅員Lが12mを越えており、計測点64は(2/L)mの位置に選定する。歩道や建物60aへのアプローチなどの距離、すなわち、道路端部から建物の壁面までの距離69(=Lx)を考慮すると、計測点64からの視角45°の位置で建物の高さは、(2/L)m+Lx、となる。したがって、建物60aが崩壊した場合には、道路の幅員の半分以上を閉塞する。このため、建物60aの高さHが計測点64からの視角が45°以上の場合には、耐震改修の対象建物となる。
図9(c)は、道路の幅員Lが8mの場合であり、計測点64は、建物60b側の道路の端部から6mの位置に設定する。計測点64からの視角45°の位置で建物の高さは、6m+Lx、となる。この場合には、建物60bの高さHが計測点64からの視角が45°以上を耐震改修の対象建物とする。これは、建物が倒壊した際に、道路の幅員の6m以上が塞がれることになるからである。
図10は、ある市街地の建物の高さと前記視角を連続的に計測する例を模式的に示す説明図である。図10において、図化処理された市街地の地図68をモニタに表示する。道路62の中心線63を設定し、図形処理ソフト(CAD)により、中心線63上の計測点と、道路62に面しているすべての建物の天端とを結ぶ結線65を自動的に作成する。コンピュータの演算装置(CPU)などにより、前記のように各計測点と各建物の天端の3次元座標の数値より、建物の高さHと、道路62の中心線63から建物壁面までの距離と、視角を演算する。
この際に、視角が45°における建物の高さHxを演算し、H>Hxの場合には、耐震補修が必要な建物として抽出する。このように、本発明の実施形態においては、図化処理された航空写真の画像データと市販の画像処理ソフトを用いて、迅速、かつ精度良く、耐震補修が必要な建物を抽出することができる。しかも、目視では見落とす可能性がある建物についても、航空写真の画像データを用いているので、対象となる建物を網羅しており、信頼性が高い処理を行うことができる。
図1は、本発明にかかる建築物の情報処理システム90の概略の処理手順を示す説明図である。図1において、本発明の情報処理システム90は、机上データ処理(○1)X、現地調査(○2)Y、机上作業(○3)Zの3段階の処理を行う。
次に、処理Xについて説明する。最初に「計画準備・要件整理」を行う(S1)。この処理は、計測エリアの選定、作業スケジュールの策定などを行うものである。次に、各種データハンドリング処理を行う(S2)。この処理は、前記のようにレーザーデータ処理(Sb)、または、デジタルマッピング(DM)データ処理(Sc)により、「最新・高精細航空写真画像データ」(Sa)、を取得するものである。
続いて、対象道路中心線入力(図化)処理を行う(S3)。この処理は、図化により道路中心の標高値を計測するものである。基本的には、例えば、50m間隔で高さを計測し、道路の変化点が多い場所では10m間隔で高さを計測する。次に、沿道建物高さ計測(図化)処理を行う(S4)。この処理は、対象道路沿道の建物の標高値を計測するものである。建物の上部に屋上構造物(エレベーターホールなど)がある場合には、その高さも計測する。
次に、建物の天端と道路中心線を結線する処理(結線より特定建築物を抽出する処理)を行う(S5)。この処理は、結線により道路中心から見た建物の天端の角度(視角)を演算するものである。角度が45°以上の建物は、地震による倒壊で道路の半分を閉塞することから特定建築物に指定する。次に、特定建築物に関する必要属性情報を取得する(S6)。この処理は、図11に示されているような建物名称などの情報を取得するものである。
処理Yについて説明する。最初に現地調査を行う(S7)。この処理は、航測写真撮影時と業務実施時での時点の差による経年変化部分を確認し、必要属性情報を取得するものである。次に、現地調査結果の反映処理に移行する(S8)。
処理Zについて説明する。最初に対象とする建物についてデータベース1からの属性取得を行う(S9)。このデータベース1は、例えば、税務関係の固定資産マスタデータから取得したものであり、当該建物が昭和56年以前に建築されたものかどうかを判断するために設定されている。データベース1から当該情報が取得できない場合には、データベース2からの属性取得を行う(S10)。このデータベース2は、例えば自治体が保有している建築概要書から取得して設定される。(S9)、または(S10)の処理により当該建物の建築年を所得する。
次に、S56年度以前に建設された建築物をリストアップする(S11)。この処理は、S56年度以前に建設された建築物は、前記のように耐震化が行われていないので、特定建築物としてリストアップするものである。最終処理、例ば耐震改修が必要な建物のリストの作成(例えば図11)、説明図の作成を行い(S12)、建築物の情報処理システム90の処理を終了する。
図1に記載の建築物の情報処理システム90は、コンピュータのハードウェア資源を用いて実現できる。すなわち、コンピュータの入力手段により航空写真や特定建築物の属性などの各種データを入力する。また、データベース1、データベース2は記憶手段に格納する。記憶手段には前記特定建築物の属性も記憶する。演算処理装置(CPU)は、入力手段から入力されたデータと、記憶手段に格納されているデータに基づき、耐震改修が必要な建物を判定し、リストや出力画像を形成する。これらのリストや出力画像は、モニタやプリンタなどの出力手段から出力される。
図11は、耐震改修対象の建物を選定する具体例を示す説明図である。図11には、当該建物の属性を示すデータテーブル71が示されている。(a)欄には、建物の属性を示す項目が記載されている。この例では、建物の属性として、「特定建築物ID」、「建物名称」、「建物住所」、「建築年度」、「階数」、「用途」、「構造」、「前面道路幅員」、「計測点座標(建物)」、「計測点座標(地上)」、「高さm」、「建物―道路中心間距離m」、「視角(度)」が設定される。
(b)〜(k)欄には、建物のIDが○1〜○10までの各建物の前記属性が記述されている。○1〜○10の建物は、図12の建物に対応している。図11のデータテーブルは、図12に示されているように、同じ道路62に面しているA町一丁目とB町二丁目の建物を対象としている。道路62の幅員は14mで、道路の中心線は両端からそれぞれ7mの位置に設定される。また、建物―道路中心間距離mは、道路の幅員の半分の7mに、道路端部から各建物の壁面までの距離(壁面後退距離)を加えて記述されている。
図12は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。これまでの説明は、航空写真を図化処理して、道路に面している全ての建物について耐震改修が必要かどうかを判定していた。図12の例では、航空写真が撮影されていない場合に、マニュアルで建物の耐震改修が必要かどうかを判定するものである。建物群72の中で、建物73a、73cは、1階建てのため目視により明らかに耐震改修対象外の建物であることが判断できるので、建物高さの計測は行わない。また、建物73bは、道路端部からの壁面後退距離が4mある。このため、3階建てであっても目視により明らかに対象外の建物であることが判断できるので、建物高さの計測は行わない。建物73dについても、2階建てで道路端部からの壁面後退距離が3mあるので、目視の判断で建物高さの計測は行わない。
なお、建物○5については、2階建てではあるが、長さ8mの広告看板が設けられている。また、壁面後退距離は1mである。このため、広告看板が設けられている建物が崩壊すると、道路62の中心線63まで塞ぐ可能性があるので、耐震改修の対象建物として、建物高さを計測している。本発明の図12に示された実施形態においては、あるエリアの建物群の中から、道路幅員と壁面後退距離とを考慮して、目視により明らかに対象外と判断される建物については、予め除外して建物高さの計測を実施している。
以上の説明は、市街地における耐震改修の必要がある建物を特定する技術を対象としている。本発明の実施形態においては、このような市街地のみを対象とするものではなく、集落のように建物が密集している地域にも適用できる。その他、単一の建物が道路に面して建築されている場合であっても適用できる。なお、図1の最新・高精細航空写真画像データとして、オルソ処理を行った画像データを用いることもできる。
以上説明したように、本発明によれば、耐震改修の必要がある建物を特定するための情報を迅速に、しかも正確に作成する構成とした、建築物の情報処理システムおよび建築物の情報処理方法を提供することができる。
本発明の概略構成を示す説明図である。 本発明を説明するための説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である 本発明の実施形態を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 レーザー測定器の測定例を示す説明図である。
符号の説明
1・・・写真撮影手段、2・・・水準測量手段、3・・・空中三角測量手段、4・・・図化手段、5・・・編集手段、6・・・現地補測手段、7・・・地形データ作成手段、10・・・高精細航空写真画像データ処理手段、30・・・システムの構成部分、31・・・演算処理部、32・・・入力部、33・・・読取部、34・・・表示部、35・・・記憶部、36・・・出力部、40・・・図化機、60・・・計測対象の建物、62・・・道路、63・・・道路の中心線、64・・・計測点、75・・・航空機

Claims (8)

  1. 高精細航空写真画像データを取得する手段と、前記高精細航空写真画像データから、処理対象とする道路および建物群を選定する手段と、前記道路の中心線に設定される計測点および当該道路に面している各建物の天端位置の3次元座標を求める手段と、前記各3次元座標の数値に基づいて、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線の視角を演算する手段と、前記各建物の属性を取得する手段と、前記視角情報および各建物の属性情報に基づいて耐震改修の必要性がある建物を特定建築物として判定する手段と、からなることを特徴とする、建築物の情報処理システム。
  2. 前記高精細航空写真画像データは、航空写真の図化処理で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の建築物の情報処理システム。
  3. 前記図化処理で形成された画像データ上で、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線を自動的に作成する手段を有することを特徴とする、請求項2に記載の建築物の情報処理システム。
  4. 前記道路の幅員の大きさに応じて、前記計測点の位置を中心線からずらして設定することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の建築物の情報処理システム。
  5. 前記視角が45度以上の場合には、前記耐震改修の必要性がある建物と判定することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の建築物の情報処理システム。
  6. 前記属性は、前記特定建築物の建築年であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の建築物の情報処理システム。
  7. 前記耐震改修の必要性がある建物のリスト、または当該建物に関連した画像データを出力する出力手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の建築物の情報処理システム。
  8. 高精細航空写真画像データを取得する段階と、前記高精細航空写真画像データから、処理対象とする道路および建物群を選定する段階と、前記道路の中心線に設定される計測点および当該道路に面している各建物の天端位置の3次元座標を求める段階と、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線を前記画像データ上で作成する段階と、前記各3次元座標の数値に基づいて、前記計測点から前記各建物の天端位置を結ぶ線の視角を演算する段階と、前記各建物の属性を取得する段階と、前記視角情報および各建物の属性情報に基づいて耐震改修の必要性がある建物を特定建築物として判定する段階と、前記判定結果を出力する段階からなることを特徴とする、建築物の情報処理方法。
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