JP2000121360A - 3次元都市地図デ―タベ―スの作成方法及び3次元都市地図デ―タベ―ス用測定装置 - Google Patents

3次元都市地図デ―タベ―スの作成方法及び3次元都市地図デ―タベ―ス用測定装置

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JP2000121360A
JP2000121360A JP11305340A JP30534099A JP2000121360A JP 2000121360 A JP2000121360 A JP 2000121360A JP 11305340 A JP11305340 A JP 11305340A JP 30534099 A JP30534099 A JP 30534099A JP 2000121360 A JP2000121360 A JP 2000121360A
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height
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city
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Kenichi Murakami
憲一 村上
Mitsuhiro Ota
光弘 太田
Seiji Nishikimi
誠司 錦見
Nariyasu Takahashi
成康 高橋
Naohiro Tashimo
尚宏 田下
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WALL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、3次元都市データベースの有用性は認
めつつも、そのための情報収集のコストの点で問題があ
った。この発明は、3次元都市データベースを構築する
ために適した建物の高さの計測方法及び建物のモデリン
グ方法を提供する。 【解決手段】 この発明に係る3次元都市地図データベ
ースの作成方法は、既存の2次元地図に基づいて作成す
べき都市に存在する建物から測定すべき建物を予め定め
ておき、前記建物を予め定められた順番で所定の測定点
から撮影し、撮影を行いながら前記測定点の高さ位置及
び前記建物を撮像したときの撮像データに基づき幾何学
的方法を用いて前記建物の3次元位置または高さを算出
し、得られた前記建物の3次元位置座標または高さを2
次元地図上における2次元位置座標と対応付けることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、3次元都市情報
を電子化して蓄積するための3次元都市データ生成方
法、そのためのシステム、そのためのモデリング方法、
並びに3次元都市データの応用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カーナビゲーションシステムなど
の普及に伴い、従来の地図に代わる電子地図の需要が高
まっている。従来のこの種の電子地図は、従来の道路地
図と同様に道路と建物を上から見た状態を表示する2次
元地図である。しかしながら、画像処理技術の進歩に伴
い、従来の地図に高さ方向の3次元情報を付加した3次
元都市データベースの需要が高まってきた。3次元都市
データベースを用いれば、さまざまな視点からリアルな
都市画面を提供することができる。例えば、コンピュー
タの操作により都市を自由に動き回り、現地に行く前に
見知らぬ都市を理解することができる。
【0003】ところで、3次元都市データベースを構築
するにあたり、まず問題となるのは実際にどのように3
次元、特に建物の高さ方向のデータを採取するか、建物
をどのようにモデリングするかである。従来の3次元都
市データの作成方法として、例えば、特開平4−293
078号には「地図モデル用3次元データの作成方法」
には、等高線の点列データより小さなピッチの2次元平
面上のメッシュ点について点列データに基づいて高さデ
ータをそれぞれ求めることにより、滑らかな立体形状の
地形モデルを作成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の地図に
は地形の等高線は表示されているものの、建物の高さは
なんら記載されていなかった。実際の都市の3次元都市
データベースを構築しようとすると、建物の高さ方向の
データの採取と建物のモデリングは非常に大きな問題で
あり、3次元都市データベースの実現を阻んでいた。
【0005】日経コンピュータグラフィックスの199
7年4月号には、「3次元都市地図の可能性を探る、膨
大な開発コストの壁をどうやって破るか」のタイトルで
記事が掲載されている。この記事には次のことが記載さ
れている。「標高データを元に山間部を3次元表示する
ソフトもあるが、非常に粗い精度のものしかない。都市
部の地図データまだ手探りの段階ではあるが、開発者や
ユーザーの期待は大きい」。しかしながら、「実際の業
務で使うとなれば、より広範囲な地域のモデリングが必
要となり、そのためのコストは膨大になる。また、日々
刻々姿を変える都市の様子を更新するにも大変な労力と
資金がいる」。「大部分の日本の都市は小さな建築物が
密集していて、人海戦術的な測量作業が必須となるだろ
う」。そのため、ヘリコプターや衛星写真を利用するモ
デリング方法があると述べられている。
【0006】また、同雑誌の1997年8月号には、
「3次元都市“フィラデルフィア2000年プロジェク
ト”」のタイトルで記事が掲載されている。この記事
は、3次元都市の将来性に言及しつつも、「最も根本的
な試練はモデリングに必要なすべての情報をどうやって
集めるか、という問題だ」と述べ、実際の都市のモデリ
ングの困難さを指摘している。
【0007】以上の文献からわかるように、3次元都市
データベースの有用性は認めつつも、その実現のための
モデリングをどうやってするか、そのための情報収集の
コストの壁に苦しみ、打開策が見出せていなかった。
【0008】この発明はかかる課題を解決するためにな
されたものであり、3次元都市データベースを構築する
ために適した建物の高さの計測方法及び建物のモデリン
グ方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る3次元都
市地図データベースの作成方法は、既存の2次元地図に
基づいて作成すべき都市に存在する建物から測定すべき
建物を予め定めておき、前記建物を予め定められた順番
で所定の測定点から撮影し、撮影を行いながら前記測定
点の高さ位置及び前記建物を撮像したときの撮像データ
に基づき幾何学的方法を用いて前記建物の3次元位置ま
たは高さを算出し、得られた前記建物の3次元位置座標
または高さを2次元地図上における2次元位置座標と対
応付けることを特徴とする。
【0010】好ましくは、撮影すべき建物が角にあると
き、前記建物の特徴をよく把握でき、かつ、撮影の回数
を減らすことができるように、正面ではなく、その角の
方向から撮影し、撮影すべき建物が、単純な直角ではな
く複雑な形状や隣接する建物との境界の特徴形状を含む
特徴部分を備えるとき、精度を高めるように、前記特徴
部分を撮影する。
【0011】好ましくは、予め高さの分かっている建物
を撮影することにより実際の高さと計算で求めた高さと
を一致させる補正値を予め求めておき、撮影を行うとき
に、前記補正値により補正を行うことによりレンズの歪
みを補正する。
【0012】好ましくは、1つの建物について複数の測
定点からその3次元位置または高さを求め、その平均値
を求めることにより3次元位置または高さを得るととも
に、前記平均値を求めるときに所定の重み付けを行う。
【0013】好ましくは、測定されたデータを、通信回
線を介してホストコンピュータへ送信する。
【0014】この発明に係る3次元都市データベースの
生成方法は、モデリングにおいて、前記建物の重要度に
応じてモデリングを区別する。重要度に適するモデルに
区分し、建物が3次元都市データベースにおいて果たす
役割に応じたデータ量で、その建物を表現することがで
きる。したがって、データ量の増大を抑制しつつ、モデ
リングが可能になる。
【0015】好ましくは、前記建物のモデリングを、3
次元都市データベースの精度及び実感を高めるために重
要であってデータベース中に正確に再現される必要があ
るAランクの建物と、3次元都市データベースの精度及
び実感を高めるために比較的重要であってデータベース
中にやや正確に再現される必要があるBランクの建物
と、Aランク及びBランクの建物よりも重要度が低い建物
と、前記建物以外の敷地の形状とに分けて行う。実際の
都市を対象とするときは、このようなランクづけにより
最適なモデリングが可能になる。
【0016】好ましくは、前記Aランクの建物のモデル
は、仮想空間中の複数のポリゴンで構成され、前記複数
のポリゴンは、屋根上の看板のポリゴンと、屋上のポリ
ゴンと、窓のポリゴンと、外壁のポリゴンと、勾配屋根
のポリゴンと、出入口のポリゴンとを含む。
【0017】好ましくは、前記Bランクの建物のモデル
は、仮想空間中の複数のポリゴンで構成され、前記複数
のポリゴンは、屋上のポリゴンと、窓のポリゴンと、外
壁のポリゴンと、勾配屋根のポリゴンと、出入口のポリ
ゴンとを含む。
【0018】好ましくは、前記Cランクの建物のモデル
は、屋上のポリゴンと、窓のポリゴンと、箱状の外壁の
ポリゴンと、勾配屋根のポリゴンと、出入口のポリゴン
とを含む。
【0019】好ましくは、前記屋上のポリゴンを、前記
外壁のポリゴンの外側に所定の間隔で離隔した状態で配
置する。このことにより、コンピュータにおける誤動
作、例えば、ポリゴンが同じ位置に配置されたときに起
こる、コンピュータがどちらのポリゴンを対象として処
理すべきか混乱し、レンダリング等の処理を正しく行う
ことができないといった誤動作を防止できる。
【0020】好ましくは、前記窓のポリゴンを、前記外
壁のポリゴンの外側に所定の間隔で離隔した状態で配置
する。
【0021】好ましくは、前記外壁のポリゴンに、前記
調査ステップで撮影した建物の壁面の画像データをテク
スチャとして貼り付ける。このことにより壁面について
の実感的な表現を簡単に行うことができる。なお、建物
の壁面全体を撮影し、これをポリゴンにテクスチャとし
て貼り付けることにより壁面の窓や出入口などを表現す
ることは、壁面全体の撮影自体が困難であり実用的では
ない。これに対し、建物の壁面の画像データをテクスチ
ャとして貼り付けることは、いわば壁面の画像データ
(例えば、レンガ表現、タイル表現、コンクリート表現
など)を部品として使用するので、撮影自体は比較的容
易である。
【0022】好ましくは、モデリングにおいて、前記建
物以外の敷地のポリゴンに高低差を設ける。このことに
より、3次元都市データをより実感的に構成することが
できる。これは、例えば、カーナビゲーションシステム
のように地表面に沿って視点が移動する場合に有効であ
る。
【0023】好ましくは、モデリングにおいて、実際の
傾斜が略1:100であるときには高低差を設けず、実
際の傾斜が略1:20であるときに高低差を設ける。実
験結果に基づき、必要な範囲において高低差を設けるこ
とにより、3次元都市データ生成のための手間を省くと
ともに、データ量の増大を抑制することができる。
【0024】好ましくは、モデリングにおいて、前記敷
地の種類として少なくとも道路のポリゴン、建物の敷地
のポリゴン、及び交差点のポリゴンを含むときに、前記
交差点のポリゴンを除く部分について三角分割を行うこ
とにより高低差を表現する。前記交差点を含むのは、次
のような理由による。(1)多くの場合、高さの基準が
交差点に集中しているために地図上に記載された高さの
入力が容易だからである。(2)交差点を基準にするこ
とにより交差点近傍の道路の幅方向は常に水平となり、
都市の3次元都市データとして使いやすいからである。
(3)道路の位置づけはこの都市データの中で非常に高
いからである。また、前記交差点を三角分割から除くの
は、多くの場合、交差点は平面であると考えられるから
である。したがって、平面とは考えられない複雑な形状
の交差点は、ここでいう交差点に含まれない。
【0025】この発明に係る記録媒体は、コンピュータ
を、モデリング処理のために動作させるためのプログラ
ムを記録したものである。
【0026】媒体には、例えば、フロッピーディスク、
ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD−
ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバック
アップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメ
モリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含
む。
【0027】また、電話回線等の有線通信媒体、マイク
ロ波回線等の無線通信媒体等の通信媒体を含む。インタ
ーネットもここでいう通信媒体に含まれる。
【0028】媒体とは、何等かの物理的手段により情報
(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されている
ものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理
装置に所定の機能を行わせることができるものである。
要するに、何等かの手段でもってコンピュータにプログ
ラムをダウンロードし、所定の機能を実行させるもので
あればよい。
【0029】この発明に係る3次元都市データ調査用測
定装置は、3次元都市データ生成方法の調査ステップに
おいて都市の建物のデータを収集するために用いられ、
角度を測定するハンドレベルと、距離を測定するレンジ
ングと、建物を撮影するデジタルカメラとを備え、前記
ハンドレベル、前記レンジング、及び前記デジタルカメ
ラを一体に構成したことを特徴とする。
【0030】この発明に係る3次元都市データ調査用測
定装置は、3次元都市データ生成方法の調査ステップに
おいて都市の建物のデータを収集するために用いられる
デジタルカメラであって、電気式水準器と、前記デジタ
ルカメラの向きの調整のために、前記電気式水準器の出
力に基づきファインダーの画面中に水平線を表示する表
示手段と、建物の測定点を指定するためのポインティン
グ手段と、撮影された画像データ及び前記測定点の画素
情報を出力する出力手段とを備える。
【0031】この発明に係る3次元都市データ調査用測
定装置は、前記デジタルカメラが、さらに距離を測定す
るレンジングを含み、前記画像データ、前記測定点の画
素情報、及び前記距離情報を受け、前記測定点の画素情
報から前記測定点の角度を計算するとともに、前記距離
情報と前記角度から前記測定点の高さを計算する携帯用
情報端末を備える。
【0032】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態1.この発明の
実施の形態1に係る3次元都市データ生成方法につい
て、図を用いて説明する。この発明の実施の形態1の方
法は、大きく分けて、実際の都市の建造物のデータを収
集する調査ステップと、収集されたデータに基づき都市
の建造物のモデリングを行うステップと、モデリングに
より生成されたデータを組み込み3次元都市データベー
スに統合するステップとを備える。
【0033】これを説明したものが図1のフローチャー
トである。図1によれば、事前に調査用の地図を作成す
るための2次元入力を行う(S1)。それから調査に出
かけ、建物の高さを算出するための高さ判別を行い(S
2)、対象となる建造物の参考写真の撮影を行う(S
3)。これらの調査結果を持ち帰り、2次元地図データ
に建造物の高さを追加した汎用データベースを作成する
(S4)とともに、データ量を抑えつつ建造物の表現を
よりリアルにするためのオプションを追加する(S
5)。そして、作成した建造物のデータを統合する組み
込み処理を行い(S6)、3次元都市データベースを生
成する。図1のステップS2及びS3が調査ステップに
相当し、同ステップS1、S4及びS5がモデリングス
テップに相当し、同ステップS6が統合ステップに相当
する。
【0034】以下、調査ステップ、モデリングステッ
プ、統合ステップの順番で、各処理を詳細に説明する。 1.1 調査ステップ 調査に先立ち事前準備を行う。詳しくは後述するが、概
略は次の通りである。まず、調査やモデリングの作業の
しやすさを考慮しつつ、作成する都市をエリア分けす
る。次に、現況図(平面地図)をスキャニングし、それ
を下絵として用いて2次元の線分データを入力する。2
次元の線分データを3部ずつプリントアウトして、エリ
アごとに調査用ファイルを作成する。これらは、それぞ
れ、高さ判別用の記入用紙、参考写真撮影時の記録用、
予備である。1/5000の現況図のコピーを使って閲
覧表を作成する。これは調査、モデリングの進行状況を
記入するのに使用する。これとともに、住宅地図を参考
にA、Bランクにあたる建物をあらかじめチェックして
おく。建物のランク分けはデータ量の増加を抑えつつ精
度の高い3次元都市データベースを生成するために非常
に重要である。なお、この建物のランクの詳細について
は、後述する。
【0035】高さ判別は、図2に示すように通常の三角
測量の原理を用いて行う。このために、調査者は、レー
ザーや超音波を用いて距離を測る測距器(レンジング)
101、測定ポイントを特定するためのデジタルカメラ
102、水準器・分度計付三脚103、調査用ファイル
などを携帯する。現地において、調査者は、レンジング
101及びデジタルカメラ102が取り付けられた三脚
103を水平に設置する。このときの状態を図3に示
す。レンジング101及びデジタルカメラ102は鉛直
軸に回転する三脚103の台に固定されている。このと
きのレンジング101及びデジタルカメラ102の高さ
が図2のh1に相当する。次に、測定地点から建物まで
の水平距離Lをレンジングで測る。次に、デジタルカメ
ラ102のファインダーの中央(あるいは所定の位置)
が調査すべき建物の天端に合うように三脚103の分度
計を調節し、角度θを読み取る。ここでデジタルカメラ
102を用いるのは、次の作業である写真撮影の便宜を
図るとともに、通信回線で接続することによりオンライ
ンで調査データを送信することを考慮したものである。
以上の作業をすべての建物に対して行う。ただし、三脚
103をなるべく一個所に固定しておき、できるだけ多
くの建物の高さを測定することにより、作業時間の短縮
をはかるのが望ましい。建物の高さHは次式で与えられ
る。 H=h1+Ltanθ なお、測定精度があまり問題にならない場合には、三脚
を使わず、手持ちの測高器を使うこともできる。この場
合、三脚の固定作業が不要になる分だけ作業効率が向上
する。
【0036】建物の撮影は、次のように行う。事前に準
備されたエリア分けの1ブロックごとに順番に、調査対
象である建物を撮影していく。ここで、ブロックとはデ
ータを作成するうえでの最小単位であり、道路あるいは
川などにより囲まれた単位である。基本的に1ブロック
は1住所に依存するが、場合によっては、1住所が複数
ブロックに、あるいは1ブロックが複数住所にまたがる
場合もある。この場合、最終データは前者が住所に、後
者がブロックに依存する。建物の撮影は、建物の4面撮
影を基本とするが、A、Bランク以外の建物は道路側の
面だけを撮影する。基本的にはアイレベルからの撮影と
する。なお、塔屋等、地上からの撮影が困難なものがあ
る場合、別途、航空写真を参考にモデリングする。
【0037】図4は建物の撮影方法を説明するための図
である。この図は1つのブロック110の平面図であ
り、比較的広い道路で区切られたこのブロック110に
は、全部で10の建物がある。図中で矢印は撮影方向を
示し、矢印の先端の数字は撮影の整理番号を示す。図4
からわかるように、撮影する対象及び方向は必ずしも一
定ではない。これらは次のような観点から選択される。
【0038】A、Bランク以外の建物は道路側の面をそ
の正面から撮影する。これは、A、Bランク以外の建物
はあまり重要ではなく、高い精度のモデリングが不要だ
からである。角の建物は、正面ではなく、その角の方向
から撮影する。これは、この方向から撮影することによ
り、その建物の特徴がよくわかるとともに、1つの写真
により2つの面についての情報を得ることができて、撮
影の回数を減らすことができるからである。建物の特徴
的な形状、例えば角が単純な直角ではなく複雑な形状を
しているときや、隣接する建物との境界に特徴があるよ
うなときには、その部分を撮影する。このような特徴部
分は、3次元都市の精度を高めるために重要である。
【0039】以上のような観点から撮影対象及び方向を
選択すると、撮影の回数は、建物の数にそれらの特徴的
な形状部分の数を加えたものになる。
【0040】以上のように得られた調査データは、モデ
リングのときに必要な写真がすぐに検索できるように、
撮影した時の位置、方向、枚数を調査用ファイルに記入
して整理する。また、新築あるいは取り壊し等により現
地の状況が変化している場合には、調査用ファイルにそ
の詳細を記入するとともに、新しくできた建物について
は、その平面形状と位置を書き込んでおく。調査データ
は高さデータに変換された後に、デジタルカメラの画像
デ−タとともに保存される。
【0041】1.2 モデリングステップ モデリングとは、実際にコンピュータ上で表現される形
状データの作成、または作業そのもののことをいう。モ
デリングは、例えば、図5に示すような構成のコンピュ
ータ(パーソナルコンピュータ、ワークステーションな
ど)上で行われる。CPU(プロセッサ)10には入出
力装置としてCRT11、キーボード12、マウス1
3、記憶手段としてRAM14、ROM15、ハードデ
ィスク16、外部記憶手段としてFLDドライブ17、
CDドライブ18、MOドライブ19、通信手段として
モデム20を備える。
【0042】都市の3次元都市データベースを作成する
うえでの主な作業行程は次の通りである。
【0043】(1)2次元データ入力:平面で構成され
る2次元のデータを作成する。 (2)3次元データ入力:立体で構成される3次元のデ
ータを作成する。 (3)特殊地形入力:山や川など、都市とは異なる3次
元の地形を作成する。 (4)オプション入力:基本となる形状データベ−スを
編集する。
【0044】以上のステップの処理内容について順次説
明していくが、その前に都市の3次元都市データベース
におけるモデリングの特徴について説明する。この発明
の実施の形態1に係る3次元都市データベースのモデル
には、敷地の形状データ、Aランクの建物、Bランクの
建物、Cランクの建物に分類される。
【0045】敷地の形状データとは、道路や敷地等の建
物以外の地表の形状データであり、具体的には図6に示
されたものがある。これらは3次元都市データベースの
精度を高め、より実感的にするために不可欠なものであ
るが、現地調査においてデータを採取する必要はあまり
ない。したがって、既存の地図データに基づき分類する
とともに、この分類結果に基づき図6のような表現レベ
ルを選択する。具体的には、次のように行う。1/25
00の現況図をデジタイズした2次元デ−タを利用し、
道路、敷地等を作成する。例えば、樹木は現況図1/2
500に記載してあるもののみモデリングの対象とし、
しかもその形状は作らず座標のみ入力する。道路の白線
等は航空写真を利用し、車線数、道路上の表示を確認し
作成する。高架、橋、歩道橋等は、写真で形を確認し作
成する。
【0046】なお、図6において、敷地等、道路、道路
白線等の高さがそれぞれ0、−0.2、−0.15(単
位は例えば「m」)とされている意味について説明す
る。一般に、水はけを良くするために敷地よりも道路は
低いので、モデリングの際にも敷地は道路よりもやや高
い位置を与えられる。一方、道路と道路白線は、通常同
じ高さであるが、モデリングの際には、道路白線がやや
高くなるように設定される。これはコンピュータグラフ
ィック処理上の要請によるものである。すなわち、3次
元コンピュータグラフィックにおいて、複数のポリゴン
(多角形)を用いて立体を表現するとともに、そのポリ
ゴンにテクスチャを貼り付けることにより色彩や模様を
表現することが行われる。道路と道路白線を表現する方
法として、道路をポリゴンで表現し、道路白線をこれに
貼り付けるテクスチャで表現する方法が考えられる。し
かしながら、この発明の実施の形態1の3次元都市デー
タベースにおいては、両者を区別して表現した方がより
実感的であるために、この方法は採用せず、道路及び道
路白線の両方をポリゴンで表現している。この場合にお
いて、道路と道路白線が同じ高さにあると、コンピュー
タ処理上、どちらの材質(質感)を表現していいのか迷
い、混乱することがある。そこで、道路白線の方を、実
感上問題のない程度に高めに設定する(低めに設定する
と道路白線が埋もれてしまい表現できない)。
【0047】Aランクの建物とは、3次元都市データベ
ースの精度及び実感を高めるために重要であって、デー
タベース中に精密に再現される必要がある建物である。
Aランクの建物として、8階以上の高さであったり、1
ブロックの1/4を占めるような大きな建物、あるい
は、公共施設、学校、病院、シティホテル、歴史的建造
物、ランドマーク的建造物などの知名度が高い建物が選
択される。Aランクの建物の表現基準の一例を、図7に
示す。また、表現の一例を図10に示す。Aランクの建
物のモデリングは、例えば次の手順で行われる。建物の
位置を、現況図(1/2500)をデジタイズした2次
元データを利用して定める。前述の調査ステップで撮影
してきた写真と建物の高さデータを利用し作成する。写
真で判定できる建物の形状、低層部、塔屋、バルコ二
一、階段、パラペツトの立ち上がり、窓、屋上、壁の凸
凹をポリゴンで表現する。図7からわかるように、Aラ
ンクの建物は、看板、屋上、窓及びガラス状の出入口、
外壁、勾配屋根、ガラス以外の出入口の6つのカテゴリ
に分けられている。このように建物を複数のカテゴリの
ポリゴンで表現することにより、精密な3次元都市デー
タベースを構築できる。
【0048】なお、図7において、屋上と窓及びガラス
状の出入口を、いずれも0.05浮かせている意味につ
いて説明する。これはコンピュータグラフィック処理上
の要請によるものである。屋上と窓及びガラス状の出入
口は、精度及び実感を高めるために、いずれもポリゴン
(多角形)を用いて表現される。この場合において、こ
れらが同じ高さにあると、コンピュータ処理上、どちら
の材質(質感)を表現していいのか迷い、混乱すること
がある。そこで、屋上と窓及びガラスを、それぞれ壁面
を構成するポリゴンからやや浮かせるのである。
【0049】Bランクの建物とは、3次元都市データベ
ースの精度及び実感を高めるために比較的重要であっ
て、データベース中にやや精密に再現される必要がある
建物である。Bランクの建物として、4階以上の高さで
あったり、1ブロックの1/9を占めるような比較的大
きな建物、あるいは、Aランクの建物に含まれない一般
のオフィスビルが選択される。Bランクの建物の表現基
準の一例を、図8に示す。また、表現の一例を図11に
示す。Bランクの建物のモデリングは、例えば次の手順
で行われる。建物の位置を、現況図(1/2500)を
デジタイズした2次元データを利用して定める。調査で
撮影してきた写真(建物4面)と、高さを利用して作成
する。写真で判定できる建物の形状、バルコ二一、窓、
屋上を表現する。図8からわかるように、Bランクの建
物は、屋上、窓及びガラス状の出入口、外壁、勾配屋
根、ガラス以外の出入口の5つのカテゴリに分けられて
いる。図8において、屋上と窓及びガラス状の出入口
を、いずれも0.05浮かせている理由は前述のとおり
である。
【0050】Cランクの建物とは、Aランク、Bランク
の建物に比べて重要度が低い建物である。Cタンクの建
物として、Aランク、Bランク以外の低層家屋、屋根付
き駐輪場など(ただし、仮設家屋を除く)が含まれる。
Cランクの建物の表現基準の一例を、図9に示す。Cラ
ンクの建物のモデリングは、例えば次の手順で行われ
る。建物の位置を、現況図(1/2500)をデジタイ
ズした2次元データを利用して定める。形状は基本的
に、予め生成しておいたデータベ−ス(ライブラリ)を
利用して適当なモデルを選択するとともに、選択された
モデルの形及び高さを調査結果に合わせて修正すること
により生成する。基本的に箱形状のモデルを選択し、屋
根、屋上、道路に面する玄関、窓を個別に修正して表現
する。Cランクの建物のモデルとして、例えば図12に
示すように単純化されたものが使用される。図12にお
いて、符号120は2階建ての鉄筋家屋モデルであり、
符号121は平屋の木造家屋モデルである。符号120
a、120b、120c、120d、120eは、それ
ぞれ外壁、屋上、ガラス以外の出入口、窓、勾配屋根で
ある。この他にも、3階建ての鉄筋家屋、2階建ての木
造家屋のモデルが考えられる。このように、Cランクの
建物のモデリングについては1から形状を作成する必要
はなく、効率的な作業が可能になる。
【0051】A、B、C各ランクの建物を表現するため
に必要なポリゴン数は、おおむね、1対0.5対0.2
5になる。したがって、上述のように適宜ランク分けを
行うことにより、3次元都市データベースの精度を低下
させることなく、データ量を削減することができる。こ
うして作成された形状データは住所ごとの保存が行わ
れ、管理される。
【0052】次に、(1)2次元データ入力、(2)3
次元データ入力、(3)特殊地形入力、(4)オプショ
ン入力、の各ステップの処理内容について順次説明して
いく。
【0053】(1)2次元デ−タのモデリング2次元デ
ータの作成は調査前に行う。その理由は2次元データを
出力したものが調査地図となるためである。作成手順
は、図13に示された通りである。
【0054】1/2500の現況図をスキヤニングし、
下絵となる画像データを作成する(S10)。モデリン
グソフトで下絵の座標軸、スケールを合わせる(S1
1)。
【0055】2次元デ−タを作成する(S12)。すな
わち、道路、敷地、建物、高架、橋などの輪郭と位置関
係を下絵をなぞる。ただし、木は1/2500現況図に
記載されているものだけ、座標のみを線状データで入力
する。白線は航空写真を利用し、車線数、道路上の表示
を確認して入力する。完成した2次元データをエリア単
位で保存する(S13)。
【0056】こうして完成した2次元デ−タは、例えば
図4に示されたようなものであり、最終的な3次元形状
デ−タの下地になるとともに、不備がないように調整し
て出力したものは調査地図となる。
【0057】(2)3次元データのモデリング デジタイズした2次元デ−タと、高さ判別結果、参考写
真をもとに、形状データを作成する。形状データはレイ
ヤ単位で分けるものとし、図14の手順で作成する。作
成するエリアの2次元データを呼び出し、さらに住所単
位の分割を行う。但し、この時、道路は工リア単位のま
まの保存を行う(S20)。住所単位で3次元デ−タを
入力する。詳細は、図7〜図9に示した通りであ部品単
位でのレイヤ分け、形状の重複、裏表がないかを確認し
て保存する(S22)。モデリングデータをDXF(Dra
wing Exchange Format)形式に変換する(S23)。最
終的な運用を行う形状デ−タはDXF変換を行ったもの
である。その他については作成記録、更新用のデータと
なる。
【0058】(3)特殊地形のモデリング 特殊地形とは大規模な面積を有する山や川、公園などの
通常とは異なる作成方法が要求される地形のことをい
う。これにあたる代表的な例及びその作成方法につい
て、以下に説明する。
【0059】山とそれに付随する建物及び道路は、図1
5の手順にしたがって生成される。等高線の最終ライン
(山の輪郭)は山に接する都市の境界と同じものである
と仮定し、地図に記載された等高線を線状データでデジ
タイズする(S30)。山に付随する建物と道路を下絵
からデジタイズする(S31)。ステップS30とS3
1により2次元的な情報が生成される。等高線の最終ラ
インを都市の境界にある交差点の最も高い位置に合わ
せ、高さ入力を行う(S32)。これにより等高線の最
終ラインの高さが都市の3次元都市データと関連づけら
れ、山(特殊地形)のデータと都市のデータとが一体に
なる。等高線から山を作成する(S33)。すなわち、
等高線の最終ラインの標高を基準として、順次等高線の
標高を設定するとともに、設定された標高に基づき等高
線に高さを与えることにより山を立体的に表現する。な
お、等高線の最終ラインの標高さえ与えられれば、この
処理は自動的に行うことができる。
【0060】デジタイズした建物と道路を作成し、山の
高さに合わせて配置する(S34)。前のステップで山
を立体的に表現できたので、これに合わせて建物を立体
的に表現するとともに、その標高に合わせて配置する。
この処理により、立体的に表現された建物及び山と道路
とが、空間が正しい位置関係のもとに結合される。
【0061】保存できるサイズの分割を行う(S3
5)。データ量に大きくなったときは、取り扱いに便利
な単位で3次元都市データを分割する。保存する場合は
なるぺく分割しないことが望ましいが、どうしても必要
とされる場合、住所で分ける、或いはレイヤ単位にする
などの管理しやすい分割を行う。保存を行う(S3
6)。分割を行っている場合は、それとわかる名称を記
載すると便利である。
【0062】河川とそれに付随するものについても、山
の場合と同様の処理を行う。大きな公園については、
芝、土、川、歩道など、下絵でわかる範囲での地形の入
力を行う。敷地内建物については通常の作成方法と同様
である。その他の特殊地形、例えば、主に自然物などに
見られる高低差が著しい地形に関しては山や川と同様の
作成を行う。また、港や埋立地などの高低差が少ない地
形は公園と同じになる。
【0063】(4)オプション 3次元都市データを運用するにあたって、基本となる形
状データを何らかの形で編集するための処理が必要とな
る場合がある。この処理をオプションと呼ぶ。オプショ
ンは大きくわけて、5種類に分類される。第1は、LO
D(Level OfDetail)である。形状デ−タの追加あるいは
削除等を行うことで建物の表現の詳細度を調整し、デー
タ量との兼ね合いにおいて最適な精度で3次元都市デー
タを構築する処理である。第2は、街灯、信号、標識な
どの街を構成するストリートファニチュアのオブジェク
トを追加する処理である。第3は、建物の質感、例えば
金属、コンクリ−トなどの材質の違いを表現する処理で
ある。第4は、形状デ−タにマッピングを行う処理であ
る。第5は、形状データに地盤高低差を入力する処理で
ある。
【0064】この発明の実施の形態1に特徴的な、第3
の建物の質感表現処理と第5の高低差入力処理について
説明する。
【0065】建物の質感を表現する方法として、建物の
外壁を構成するポリゴンに、その材質に応じたテクスチ
ャを貼り付ける方法がある。この場合、問題となるのは
そのテクスチャをどのように表現するかである。例え
ば、建物の窓等をテクスチャで質感とともに表現してい
る場合、3次元都市を拡大するにつれて表現が粗くなっ
てしまう。これでは、例えば車載用ナビゲーションシス
テムに用いた場合、車の進行にともない質感表現が変化
し、不自然である。そこで、この発明の実施の形態1に
おいては、建物の外壁のポリゴンとは別のポリゴンで窓
等を構成することにより、このような不都合を回避して
いる。また、テクスチャをどのように作成するかも問題
であるが、調査時においてデジタルカメラで建物の壁面
の画像データ(例えば、壁面を構成するタイルやレンガ
の写真)を入手しておき、この画像データを使用すると
便利である。建物の外壁のポリゴンと窓等のポリゴンと
が別であることから、質感を表現するために最適な条件
の画像データ、例えば比較的接近して撮影した画像デー
タを繰り返し貼り付けることにより、簡単に実感的なテ
クスチャを得ることができる。
【0066】次に高低差を入力する処理について説明す
る。ここでいう高低差とは、敷地自体が持つ高さのこと
をいう。効率の面からは、基本となる3次元都市デ−タ
は高低差はないものとすることが望ましく、また、この
ように仮定してもほとんどの場合には問題はない。しか
し、より精密で実感的な3次元都市データベースが求め
られることがある。例えば、カーナビゲーションシステ
ムなどにおいて、実際の地表の状態に近いほど、表現は
リアルになる。そこで、この発明の実施の形態1におい
ては、オプションとして高低差を入力することが可能で
ある。
【0067】なお、コンピュータグラフィック画面を作
成して評価した結果によると、傾斜方向に視点を向けた
とき(例えば道路が坂になっていて道路を進行するドラ
イバーの視点から見たとき)、1:100の傾斜では平
面との差異はほとんど見られなかったが、1:20の傾
斜ともなると、平面の画面と傾斜の画面とでは明らかな
差異が表われる。肉眼でも傾斜していると判別可能なレ
ベルに達していることかわかった。また、道路がその横
断方向に傾斜しているとき、ごくわずかの傾斜でもその
状態を判別することができる。一方、鳥瞰の画像におい
ては、わずかな歪みとして表われるのみで、この視点か
らではレベルの高低差を設ける必要性はほとんどないこ
とがわかった。なお、高低差表現について詳細な検討を
行ったので、その検討結果をこの実施の形態1の最後に
述べる。
【0068】実際の入力においては、道路交差点を基準
として入力を行う。道路交差点を基準とすることのメリ
ットは、第1に、多くの場合、高さの基準が交差点に集
中しているために地図上に記載された高さの入力が容易
だからであり、第2に、交差点を基準にすることにより
交差点近傍の道路の幅方向は常に水平であり、都市の3
次元都市データとして使いやすいからである。また、道
路の位置づけはこの都市データの中で非常に高いからで
ある。
【0069】次に、高低差のモデリング手順について図
16を用いて説明する。下絵に基づいて平面図を作成す
る(S40)。この平面図は、作成済みの2次元データ
を転用することができる。エリア全体を覆う道路板を作
成する(S41)。エリアの境界を、他エリアを基準に
選定するとともに、はみ出す部分を削る(S42)。道
路の交差点部分が多角形になるように、線の挿入を行う
(S43)。
【0070】以上のステップS40〜S43が、平面図
を作成する処理である。ステップS40〜S43の処理
により、例えば、図17のような平面図が得られる。こ
の図は最も単純な場合である、互い直交する2本の道路
により区切られるブロックの例を示している。符号13
0は交差点、符号131は道路、符号132は敷地であ
る。
【0071】この平面図を作成する処理の際の注意事項
として次のようなことが挙げられる。まず、敷地内道路
は歩道として処理することである。1つのブロック内の
敷地132の中に道路がある場合が考えられるが、この
道路は、上記の処理や図17で示す道路として扱わな
い。これは、処理を単純化して作業効率を上げるためで
あり、またこのようにしても道路132に沿った視点か
ら見た画像の品質にさほど影響はなく、3次元都市デー
タとしての精度の点で問題がないからである。次に、道
路の縁石は断絶のないリング状にして扱うことである。
入力する点の数を少なくすることにより作業効率を上げ
ることができるからである。また、T字路等の交差点部
分は多角形になるよう線を挿入しつつ、新たに道路境界
線上に線を敷地内に挿入する。これらの処理により、例
えば図18のような交差点の平面図が得られる。なお、
後述の交差点の高さ入力の基準となる点は、多くの場
合、歩道側(縁石の内側)にあるため、交差点130・
道路131と縁石133の関係は図のようになってい
る。
【0072】次に、地図に基づいて各交差点部分の高さ
を入力する(S44)。多くの場合、交差点には測量の
基準点が設けられているので、これを利用して高さを入
力する。
【0073】道路、敷地の三角形分割を行う(S4
5)。道路131、敷地132の4つの頂点の高さを入
力したときに、これらの4つの頂点が同一平面状にない
ことが考えられる。すると道路131、敷地132を平
面で扱えなくなり不便であるので、道路131、敷地1
32を平面として扱えるように、これらを複数の三角形
で分割するのである。図19において、三角形分割の分
割線を符号134で示す。なお、通常の場合、交差点1
30は平面として扱い、三角形分割は行わない。これは
実際上、交差点は平面状である場合がほとんどで、平面
として扱う方が適当だからである。ただし、複雑な交差
点、例えば三叉路、五叉路などの場合は三角形分割すべ
き場合がある。例えば、図21に示すような三叉路の場
合、2つの分割線134により三角形分割を行うことが
望ましい。
【0074】図19のA−A‘矢視断面図を図20に示
す。交差点(縦断面図19、20のAB間)は平面であ
るが、交差点と交差点の間(同、BD間において坂にな
っている)。この間のC点で傾きが変化しているが、こ
れは三角形分割の影響のためである。次の交差点(同、
DE間)は平面であるものの、傾きを持っている。この
図からわかるように、上記の処理により、交差点を含む
道路の高低差を表現することができる。このような表現
は、例えば、道路に沿って車でドライブするシミュレー
ションを行う場合に、非常に有効であり、ドライバーの
視点から見て実感的な画像を提供することができる。
【0075】次に、平面で作成したオブジェクトを立ち
上げ、道路部分との抜き出しを行う。さらに、建物の高
さ位置の選定のため、建物の平面を上記と同様に抜き出
す(S46)。
【0076】道路、縁石以外のすべてのデ−タを一定
量、例えば20cmだけ引き上げる(S47)。通常、
道路に比べて敷地がやや高くなっているからである。ま
た、このように処理することにより、道路と敷地が同じ
高さにあると、コンピュータ処理上、どちらの材質(質
感)を表現していいのか迷い混乱することがあるので、
敷地をやや浮かせるためでもある。なお、引き上げ量が
大きすぎても小さすぎても不自然なので、10cm〜2
0cm程度が適当である。
【0077】引き上げた部分との境界線に合うように、
縁石を20cm立ち上げる(S48)。この処理によ
り、道路と敷地との間の段差がなくなり、不自然でなく
なる。
【0078】以上のステップS44〜S48の処理によ
り、高さ入力処理が行われる。この高さ入力処理におい
て、エリア間の接続を自然に行うために、エリアの境界
部分の高さ入力に関して、他エリアの道路データを参考
にすることが望ましい。
【0079】次に、建物を作成する(S49)。これに
は作成済みの3次元データを転用することができる。さ
らに、高さ位置を選定した平面に合わせ、最も高さ位置
が低い部分を0として建物を配置する(S49)。な
お、このとき敷地が傾斜しているときでも、建物は鉛直
方向に配置し、傾かないようにする。
【0080】完成したデータを通常と同様に、住所単位
で保存する(S50)。
【0081】以上の建物作成処理における注意事項は次
の点である。作業に用いるために使用した建物の平面は
取り除く。傾斜している敷地が建物のフロアになると不
自然だからである。また、建物に出入り口が存在する場
合、出入り口を0とした配置を行い、敷地から浮いた部
分は建物をマイナス方向に伸ばすことで処理する。高低
差を作成するうえでの作業領域はエリア単位となる。保
存は従来と同様に住所ごとになるが、道路は単体でエリ
アごとの保存となる。
【0082】1.3 データ表現 以上の調査ステップ、モデリングステップが3次元都市
データの基本的作成手順である。これらのデータは集中
管理され、基本となる「形状データベース」となる。こ
れを、所定の視点から見た画像にして出力すると、実感
的な映像が得られる。
【0083】さらに、実際の運用にあたって様々な用途
への転用を考慮し、「形状デ−タベース」にさまざまな
情報を付加してさらに高度な表現を目指したり、逆に簡
素化してコンパクトなデータベースを目指したりするこ
とが可能である。これらさまざまな種類のデータベース
の一例を以下に示す。
【0084】(1)形状データベース データ量は3.4MB、ポリゴン数は13,400ポリ
ゴン、作成日数はモデリングに6日、設定に1日であ
る。計算時間は3時間、ただし2048×1536ピク
セルの場合である。レンダリングソフトとして市販のF
ormZRenderZone(商標)を用いた。前述
のように、調査の写真からわかる形・窓・roofを表
現するので、町並み・建物のイメ−ジを表現することが
できる。また、細部の形を作らず、簡略化して表現する
ことにより、膨大になるデータ量を必要最小限におさ
え、かつ、それに費やされるであろう莫大な作業時間が
軽減される。
【0085】(2)精密レベル(形状データベースに通
常程度のテクスチャ・マッピングを施したもの) データ量は60MB、ポリゴン数は98,000ポリゴ
ン、作成日数はモデリングに14日、設定に3日であ
る。計算時間は32時間、ただし2048×1536ピ
クセルの場合である。レンダリングソフトとして市販の
PERSONALLINKS(商標)を用いた。サッシ
・壁の凹凸・エントランスなどの形状ディテ−ルと、材
質毎の質感表現を行っているので景観評価シミユレーシ
ョンとして充分耐えうる。都市データだけでなく、エン
ターテイメント分野にも使用できる。また、画質的に様
々な視点に耐えうる。特にアイレベルでの視点でも画像
の品質に間題はない。しかし、(1)形状データベース
に比べて、モデリング時間(特にサッシなどディテ−ル
の表現)、テクスチユアの作成、質感設定に莫大な時間
がかかる。
【0086】(3)形状簡素・テクスチヤ重視 データ量は3.9MB(形状デ−タ)、16.8MB
(画像データ)、ポリゴン数は50,613ポリゴン、
作成日数はモデリングに2日、設定(写真撮影・テクス
チヤーの編集を含む)に3日、計算時間は5時間45
分、ただし2048×1536ピクセルの場合である。
レンダリングソフトとして市販のFormZRende
rZone(商標)を用いた。本物の写真をテクスチャ
として使うためリアリティーがあるものの、建物全体の
窓、装飾、色彩を含む写真を歪みなく撮影しなければな
らず、このマッピング用の写真の撮影、編集が難しく作
業時間がかかる。また、レンダリングに多くのメモリが
必要になり、計算時間がかかるという欠点がある。
【0087】(4)形状精密+色表現、部分的マツピン
グ データ量は55MB、ポリゴン数は98,000ポリゴ
ン、作成日数はモデリングに14日、設定に1.5日、
計算時間は28時間、ただし2048×1536ピクセ
ルの場合である。レンダリングソフトとして市販のPE
RSONALLlNKS(商標)を用いた。部分的マッ
ピングによりランドマーク的な建物と看板を表現するこ
とができるので、表示された場所がどこか直感的に把握
できる。しかし、モデリング時間(特にサッシなどディ
テールの表現)が増大する。また、調査段階に詳細な写
真が必要となり、調査に時間がかかるとともに、写真か
ら色を判断するため、色の設定が難しいという問題があ
る。
【0088】(5)形状精密+色表現、マッピングなし デ−タ量は51MB、ポリゴン数は98,000ポリゴ
ン、作成日数はモデリングに14日、設定に1.5日、
計算時間は24時間、ただし2048×1536ピクセ
ルの場合である。レンダリングソフトとして市販のPE
RSONALLlNKS(商標)を用いた。(4)の場
合と比べてマッピングがないだけデータ量が減るが、そ
れでもモデリング時間が大きい。また、調査段階に詳細
な写真が必要となり、調査に時間がかかるとともに、写
真から色を判断するため、色の設定が難しいという問題
がある。
【0089】(6)形状の大まかな凸凹のみ データ量は1.8MB、ポリゴン数は8,700ポリゴ
ン、作成日数はモデリングに2日、設定に半日、計算時
間は2時間、ただし2048×1536ピクセルの場合
である。レンダリングソフトとして市販のFormZR
enderZone(商標)を用いた。写真からわかる
大まかな形のみの表現しかできないが、作業時間とデー
タ量は減る。しかし、質感による建物や町並みの独特の
雰囲気が表現できない。
【0090】(7)箱状 データ量は0.55MB、ポリゴン数は4、500ポリ
ゴン、作成日数はモデリングに1日、設定に半日、計算
時間は1・5時間、ただし2048×1536ピクセル
の場合である。レンダリングソフトとして市販のFor
mZRenderZone(商標)を用いた。最小限の
データ量と時間で作成できるものの、建物の形、雰囲気
が全くわからない。
【0091】作業量及びデータ量と表現可能な画像の質
及び精度はトレードオフの関係にある。以上の(1)〜
(7)について比較検討を行ったところ、作業量及びデ
ータ量と表現可能な画像の質及び精度のバランスの点で
最も優れているのが、この発明の実施の形態1に係る
(1)形状データベースであった。3次元都市データベ
ースに対する要求は、例えば、仮想現実の世界において
立体的に表現された都市の中を自由に歩きまわることで
あり、このような要求に応えるためには単なる箱や凹凸
表現では足りず、建物の細部の表現が必要である。テク
スチャを貼り付けることにより、さらに精密な3次元都
市データベースを作成するときも、(1)形状データベ
ースに基づくと効率的な作業が可能である。したがっ
て、(1)形状データベースは、さまざま3次元都市デ
ータベースの基本となるものといえる。
【0092】なお、以上の説明において、屋外について
の3次元都市データベースを作成する場合を例にとって
いたが、この発明の実施の形態1の方法は屋内の3次元
都市データベースを作成する場合にも適用できる。例え
ば、ある建物の各フロアの平面図に基づき、図1の2次
元入力(S1)を行い、現地において家具、備品その他
のオブジェクトの高さの判別(S2)と写真撮影(S
3)を行う。この場合において、フロアの高さが一定で
あれば、これを基準に高さを設定すればよいから、屋外
の場合に比べて調査が容易になる。そして、調査結果に
基づき3次元入力(S4、S5)を行う。
【0093】屋外のデータベースと屋内のデータベース
とをリンクすることにより、仮想現実の世界において都
市の中を道路に沿って歩きまわることばかりでなく、道
路から建物の中に入り、内部を巡ることもできる。
【0094】1.4 高低差表現についての検討結果 (1)高低差表現についての課題 ここでいう「高低差」とは敷地自体が持つ高さのことを
示す。3次元都市デ−タと称するからには、高低差は免
れない問題であり、その存在意義は都市デ−タ全体に関
わるものである。しかし、その一方で効率化等とも関連
して、その価値、つまり現実の高低差を3次元都市デー
タにどの程度反映させるべきかについては、はっきりし
ていなかった。
【0095】そこで、高低差の有効性、すなわち高低差
は本当に必要か否かについて検討した。検証方法に関し
ては、実際に高低差を入力したサンプル画像を使用し、
それと平面で入力された都市データの画像とを比較す
る。また、補足ながらも、平面で作成した場合におけ
る、都市周辺の山とのすり合せについても検証した。
【0096】なお、この検証で使用した高低差入力方法
は、前述の「道路交差点を基準として高低差を入力して
いく方法」である。他の作成方法、例えば等高線、メツ
シユを利用した作成方法もあるが、高低差の最大の課題
である効率化を考慮すると、これらは明らかに不適当で
あるので、この方法を採用した。
【0097】(2)高低差の有効性に関する検討 A.狭い範囲(1エリア)における静止画の高低差 比較的平坦な地形(例えば、東京の霞ケ関周辺区域)を
想定したモデリングテストデータを構成し、これに基づ
き下記の合計6種類の視点から見た、それぞれ高低差の
有無が設定された計12種の画像を作成し、それぞれの
比較によって検証を行った。なお、図22に視点及び視
線の説明図を示す。この図において、符号140は視
点、符号141は視線、符号142は水平な道路面、符
号143は傾斜した道路面、符号Lは参考のための水平
線である。符号140aは下記の視点B,Dに対応し、
符号140bは下記の視点A、Bに対応する。
【0098】視点A 1:100の下降する傾斜視点からの画像(図23:左
側は高低差あり、右側は高低差なし) 視点B 視点Aの逆位置から上昇する傾斜視点の画像(図24:
左側は高低差あり、右側は高低差なし) 視点C 1:20の下降する傾斜視点からの画像(図25:左側
は高低差あり、右側は高低差なし) 視点D 視点Cの逆位置から上昇する傾斜視点の画像(図26:
左側は高低差あり、右側は高低差なし) 視点E 左右で傾斜となる視点からの画像(図27:左側は高低
差あり、右側は高低差なし) 視点F 鳥瞰の画像(図28:左側は高低差あり、右側は高低差
なし)
【0099】視点A、Bで検証した1:100の傾斜で
は、平面との差異はほとんど見られない。とくに視点B
の上昇する傾斜の場合は傾斜の有無を判別するのか困難
なほどである。しかし、視点C、Dにおける1:20の
傾斜ともなると、その差異に明らかな変化が表われる。
両視点とも景観に大きな相違か表われ、肉眼でも傾斜と
判別可能なレベルに達していることかわかった。
【0100】また、左右の傾斜を検証内容とした視点E
では、予測範囲内での検証結果が得られた。視点C位置
からの検証であるのにもかかわらず、その差異はわずか
なものであるが、傾斜の判別は可能である。
【0101】視点Fに至っては、前回と同様、わずかな
歪みとして表われるのみで、この視点からでは望まれる
レベルの高低差の必要性は実証できない。
【0102】B.広い範囲(4エリア)における静止画
の高低差 人口百万人ほどの比較的大きな都市(例えば札幌)の周
辺4エリアとその周辺の山を想定した、広範囲のモデリ
ングデータを用いて、高低差の有無がそれぞれ設定され
た鳥瞰の計2種の画像を作成し、それそれの比較によっ
て検証を行った。
【0103】広い範囲での高低差を見ることによって、
大きな景観の違いを期待したか、むしろ狭い範囲での静
止画よりも両者の識別か困難であることが実証された。
理由として、整備された都市の場合は特に、高低差は山
のごく限られた周辺においてのみ大きく、全体(4エリ
ア)として10m程度の高低差しか及んでいないことか
あげられる。
【0104】C.動画の高低差 上記都市のモデリングテ−タを用いて、高低差の有無が
設定されたQuickTime・VR(商標)による3
60°の動画を、計2種を作成し、それぞれの比較によ
って検証を行った。
【0105】静止画において高低差の有効性を実証でき
なかったものの、動画において高低差の相違を期待し
た。しかし、ここにおいてもさしたる高低差の効果は見
受けられなかった。結局のところ、動画にしても静止画
の延長上のものに過ぎなく、一般の都市部程度の高低差
では、その必要性は実証できなかった。
【0106】(3)平面で作成した際の山とのすり合せ
に関する検証 3次元都市データを平面で作成すると考えた際、山との
境界の矛盾は必然として発生する問題である。統一性と
いう観点から都市部分は現状維持のまま、山を何らかの
形で加工することで整合性をとるのが望ましい。都市の
境界を山の最低高度ラインとして作成する。その高さを
以下、 A.現況図で見る境界の道路交差点の最も低い位置に含
わせた設定 B.現況図で見ろ境界の道路交差点の平均位置に合わせ
た設定 C.現況図で見る境界の道路交差点の最も高い位置に合
わせた設定 の3パターンにわけた検証を行う。
【0107】境界を低い位置に設定した場合、山部分の
低い位置での矛盾は緩和されるか、逆に高い位置では極
端な急傾斜となり、見苦しいものとなった。境界を高い
位置に設定した場合、前述のなだらかな斜面は画像とし
て判別困難であるという事実からわかる通り、見た目の
矛盾は生じない。境界を平均位置に設定した場合、一
見、有効に思えるが、急斜面、崖となる部分は必然とし
て存在し、またその平均の値を割り出すことの難しさを
考えると有益と判断することはできない。
【0108】結論として、境界を道路交差点の最も高い
位置に設定するのが賢明と思われる。しかし、これです
べての問題か解決したわけではない。この方法では無視
した高低差が50m程度までなら耐えられるが、100
m以上ともなると、景観に大きな相違が生じる可能性が
ある。
【0109】この問題を打開するには、ある程度の斜面
は高低差を作成するが、都市データ自体の範囲をなるべ
く等高線に沿ったものにするのが望ましいと思われる。
【0110】(4)高低差についてのまとめ 以上のように、静止画、動画、共に映像的には高低差に
大きな差異は認められなかった。作成効率や、高低差が
ある地形自体の利用頻度か低いことを考えれば、優先さ
れるべきは平面で作成されたものと判断できる。現状で
の結論としては、高低差がデータ自体はまったくの別も
のてあっても、制作上では平面に追加といった形で構成
されている性質を持つことや、都市データそのものの汎
用性を考慮して、基本を平面で作成し、高低差は必要に
応して作成するという、オプションとしての扱いが妥当
である。
【0111】なお、映像的には無価値でも、坂がメイン
となる観光都市が対象となった場合や、解析等、データ
的な使用目的である際には必要性が生じる。今後、より
高い精度の3次元都市データが求められるようになる
と、高低差表現は重要になるとも考えられる。
【0112】発明の実施の形態2.発明の実施の形態1
の1.1項の調査ステップにおいて、図4に示すように
多くの点から調査していた。しかし、大都市を対象に調
査するためのコストが膨大になることを考えると、調査
の点はなるべく少ないことが望ましい。そこで、この発
明の実施の形態2では、調査の点の数を少なくすること
ができる調査方法について説明する。
【0113】この実施の形態による調査点は、図29に
示されたようにブロックの四隅だけであり、図4の場合
の3分の1ですむ。すなわち、図29のブロック110
の頂点の外部から、符号A〜Dで示される方向で高さ測
定及び写真撮影を行う。この方法で高さを判別するの
は、基本的にブロックの角にある建物だけであり、その
他の建物はその角の建物を基準にして、写真上の比率か
ら高さを求める。
【0114】写真上の比率から高さを求めるためには、
例えば次の手順で処理を行う。
【0115】図30のような画像が得られたとする。最
も手前の建物の高さHは測定により知ることができるか
ら、これを基準とする。例えば、画像上で手前の建物の
屋根の線を延長し、その高さ(画素数)を測り、これを
基準に建物の高さx1、x2を求める。図30の例で言
えば、建物の高さx1、x2、y1、y2に対応する画
素数をxx1、xx2、yy1、yy2として、x1=
H・xx1/(xx1+yy1)又は x2=H・xx
2/(xx2+yy2) 図30の画像はデジタルカメラにより得られるから、そ
の画素数を数えることにより容易にx1、x2、y1、
y2を求めることができる。
【0116】この方法において精度を高めるためには、
次のようなことを考慮する必要がある。
【0117】カメラのレンズの歪みを補正する。例え
ば、予め高さの分かっている建物を撮影することによ
り、実際の高さと計算で求めた高さとを一致させる補正
値を予め求めておき、実際の測定のときにその補正値に
より正しい値に修正する。
【0118】1つの建物について複数のポイントで高さ
を求め、その平均値を高さデータとする。図30では、
1つの建物について2個所で高さを測定しているので、
これらの平均値を測定値とする。さらに、他の写真に同
じ建物が写っている場合には、この写真に基づく高さも
合わせるとよい。このとき複数の高さデータについて重
み付けを行うことが考えられる。例えば、写真内の遠方
の部分による高さの重みを小さくし、近傍の部分による
高さの重みを大きくする。
【0119】この発明の実施の形態2の方法によれば、
1つのブロックについてその角ごとに、例えば四角のブ
ロックであれば4個所、三角のブロックであれば3個所
というように調査すればよく、調査の個所が非常に少な
くてすみ(例えば3分の1以下)、作業効率が著しく改善
される。
【0120】発明の実施の形態3.発明の実施の形態1
では、図3に示すように、三脚の上にレンジングとデジ
タルカメラを取り付けたものを用いて調査を行った。と
ころで、作業効率を向上させるためには、三脚を用いず
に作業者が手で保持しながら作業できる装置が望まし
い。そこで、3次元都市データを得るための装置につい
て検討する。
【0121】発明の実施の形態3の説明からわかるよう
に、この調査のために必要な機器の機能・性能は次のと
おりである。まず、建物までの距離を測定できること、
建物の高さを測定するために角度を測定できること、そ
して、建物のデジタル画像を得ることができることであ
る。
【0122】以上の機能を満たすものとして、測量に用
いられ、角度を測定できるハンドレベルにレンジングと
デジタルカメラを組み合せたものが考えられる。市販の
簡易測量機器として次のようなものがある。距離と角度
から直接スケールに高さが表示され、計算不要なブル−
メライス測高器(角度測定精度±1%)、定点15,2
0、30、40mの距離計付。赤外線距離計(Light S
PEED400(商品名))、測定可能距離15〜40
0m(距離測定精度±1m)。レーザー距離計、測定可
能距離0.2〜30m(距離測定精度±3mm)。超音
波距離計、測定可能距離0.5〜18m(±1%)。水
準器と高度計付きのハンドレベル、精度0.5度、距離
と角度から計算で高さを算出するもの。
【0123】また、デジタルカメラの距離計の精度を向
上したものを用いれば、レンジングをこれで代用するこ
ともできる。さらに、デジタルカメラの画像に基づき任
意の点の角度を求めることができれば、角度測定機能は
不要になる。例えば、カメラ内に電気式水準器と傾斜計
を備え、仰角を測定できるようにする。あるいは、画素
ごとに予め角度を測定しておき、画素から直接角度を求
める。この場合、特定の画素が常に水平線に一致する必
要がある。一例を図31に示す。ファインダーの画面中
に自動的に水平線Lを表示し、これと実際の水平線を一
致させる。そして、建物Bの測定点Pをカーソル等を利
用して指定する。この測定点Pの画素位置を測定するこ
とにより角度(高さ)を自動的に知ることができる。
【0124】なお、この機能ブロックを図32(b)に
示す。この図において、デジタルカメラ30aの電子フ
ァインダ30b内において、電気式水準器30dにより
水平線が表示されるとともに、ジョイスティック、マウ
スなどのポインティングデバイス30eによりカーソル
が移動する。画像データ及び測定点Pの画素位置の情報
は、出力部30cを介して外部に出力される。
【0125】発明の実施の形態1の調査に最も適する機
器として、デジタルカメラを基本とし、これに距離測定
機能及び角度測定機能を付加したものが考えられる。な
お、すべての測定データがデジタル化されていると、後
の処理において便利である。
【0126】発明の実施の形態4.上記実施の形態3で
説明した測定機器はデジタル情報を出力できることか
ら、測定機器とホストコンピュータとを通信回線で結ぶ
ことにより、さらに作業効率を上げることができる。
【0127】例えば、図32のように、デジタル画像、
角度データ、及び距離データを出力する測定機器30を
ノートパソコン31に接続する。ノートパソコン31
は、前述の方法により建物ごとの高さhを計算するとと
もに、画像データ、高さh、ブロック情報、建物情報
を、PHSを使って送信する。ブロック情報はブロック
を特定するための情報(例えば、番号)であり、建物情
報はそのブロック内の建物を特定するための情報(例え
ば、番号)である。これらの情報は2次元情報を入力す
るときに設定され、ノートパソコン31のハードディス
ク内に記憶される。実際の調査にあたっては、調査者が
その2次元情報を見ながら測定対象の建物を特定するこ
とにより、調査データとブロック情報及び建物情報とが
一致する。
【0128】モデム33により受信された画像データ、
高さh、ブロック情報、建物情報はホストコンピュータ
34に入力され、データベース35に格納される。その
後、前述のモデリング処理のために用いられる。
【0129】このように調査機器とホストコンピュータ
とをオンラインで接続することにより、調査効率が向上
するのみならず、現地での調査のミスが少なくなり、精
度の良い調査が可能になる。また、複数の調査機器から
同時にデータ受信も可能であることから、調査のスピー
ドが速くなる。さらに、調査の場所を問わないことか
ら、1台のホストコンピュータがあれば、日本全国、イ
ンターネットを使えば全世界のいかなる都市でも3次元
都市データベースを作成することができる。
【0130】発明の実施の形態5.以上の方法とは異な
る、高解像度衛星の利用したリモ−トセンシングにより
建物の高さ情報を得るようにしてもよい。デジタル解析
図化機用は、その標定画像として航空写真より安価な高
解像度衛星画像を利用することができる。この画像は、
現在は比較的低解像度(±5m)なため使用できない
が、高い建物についてはある程度利用できる。また、将
来、最低±0.1mの精度の高解像度衛星が利用可能に
なれば、それを使用することができる。
【0131】発明の実施の形態6.上記のように製作さ
れた3次元都市データベースの運用方法について説明す
る。都市デ−タを維持管理及び運用していくためには、
汎用データベース、つまりさまざまな応用に対応するこ
とができる都市デ−タベースが必要であり、この運用の
方法として、リアルタイムベースのシステムを構築する
方法と、画質重視のソフトウェアレンダリングベースの
方法の2つの方法のいずれかで構築することが考えられ
る。
【0132】リアルタイムデータベースによる方法は、
次のような運用手順となる。
【0133】1.運用形態に応じたシステムのデ−タ・
ベース設計(GIS設計、文字情報、GPS設定、質感
表現など) 2.テスト・サンプルの運用試験(データの仮組み込
み) 3.データの本組み込み(形状、質感、テクスチユア) 4.試験運用(ここから比較的処理能力の高いハードウ
エア/ソフトウエアが必要) 5.本運用 6.メンテナンス ソフトウエア・レンダリングによる方法は、次のような
運用手順となる。 1.運用形態に応したシステムのデ−タ・ベース設計
(質感表現、組込み設計) 2.テスト・サンプル運用試験(データの仮組み込み) 3.データの本組み込み(形状、質感、テクスチャ) 4.試運用 5.本運用 6.メンテナンス なお、ソフトウェア・レンダリングで選択する最終的な
ソフト・ウエアは莫大なデータの組込み効率とアルゴリ
ズム・マツピングデ−タの互換性、さらにはレンダリン
グ画質をさらに考慮して選択する必要がある。
【0134】なお、上記のように運用される3次元都市
データベースを、例えばオンラインで利用可能に構成し
てもよい。
【0135】発明の実施の形態7.上記のように運用さ
れる3次元都市データベースは汎用性があり、他のシス
テムへ移植したり、様々な機器とリンクすることも可能
であるし、さまざまなアプリケーションに適用できる。
例えば、次のようなものが考えられる。
【0136】(1)3次元立体地図 (2)3次元カ−ナビゲーション このアプリケーションにより提供される画面例を図33
に示す。カーナビゲーションシステムは、位置センサか
ら得られた位置情報及び方向センサから得られた進行方
向に基づき視点と視線を決定するとともに、3次元都市
データベースに基づき前記視点と視線から見た図33の
ような画面を表示する。併せて、現在の住所、進行方向
の状況、左右の状況の情報も表示する。図33の画面は
実際の風景と同じであるので、初心者にとってもわかり
やすく使いやすい。また、図33のような3次元表示
と、通常の平面図表示とを切り替えるように構成しても
よい。
【0137】(3)検索システム (4)防災シミユレ−ション (5)日影シミユレ−ション このアプリケーションにおける日影の領域の求め方を、
図34に示す。図34(a)のように太陽Sの位置と建
物Bの位置及び高さがわかれば日影の線を引くことがで
きる。太陽Sの位置は季節により特定され、建物Bの位
置及び高さは3次元都市データベースから得られる。こ
の線に基づき、図34(b)のように、地表に投影され
た日影の領域を特定することができる。太陽がS1の位
置にあれば日影K1が生じ、太陽がS2の位置にあれば
日影K2が生じる。太陽をS1からS2に連続的に移動
させたとき、日影の端部の軌跡は符号Lのようになる。
3次元都市データベースを用いることにより、都市にお
ける複雑な日影の状況を、自動的に正確に求めることが
できる。
【0138】(6)電波障害シミユレーション このアプリケーションにおける電波障害状況の求め方
を、図35に示す。電波障害にはマイクロ波のように直
進性の強い電波が建物により遮られる場合と、比較的波
長が長い電波において、直進波と建物で反射された反射
波との干渉で生じるマルチパスの場合がある。図35に
おいて、領域AREAは、送信局Tからの電波が建物に
より遮られている領域を示し、点Pは、PATH1とP
ATH2とによりマルチパスが生じる領域を示す。いず
れの場合も3次元都市データベースを用いることによ
り、これらを自動的に求めることができる。特に、3次
元都市データベースの建物の高さ情報を用いることによ
り、建物の高さを考慮した、いわば3次元的なシミュレ
ーションが可能となる。例えば、建物の高さ方向の電波
の回折を考慮することや、建物の側面全体にわたって電
波の干渉を考慮、つまり高さを考慮することが可能とな
る。したがって、より精密なシミュレーションが可能に
なる。
【0139】(7)都市生活シミユレ−ション (8)都市及び建物内の人、車などの動体位置表示シス
テム (9)その他数値シミユレーション(形状データを利用
した様々な物埋シミユレ−ションなど) (10)防災支援システム (11)感光案内検索システム、旅行事前シミュレーシ
ョンへの応用 (12)警備会社などのセキュリティ・システムへの利
用 (13)地域産業支援システム (14)地下埋設物の管理システム (15)不動産調査管理システム(土地利用から税務管
理など) (16)市場調査支援システム (17)交通管制システム (18)電波障害、日影の解析データとしての利用 (19)3次元カー・ナビゲーション・システムへの利
【0140】発明の実施の形態8.上記のように運用さ
れる3次元都市データベースの表示手段として、通常の
CRT、液晶表示装置のほかに、特に、VR(バーチャ
ルリアリティー:仮想現実)関連用途においては、プロ
ジエクタ−やHMD(ヘッド・マウント・ディスプレ
イ)が考えられる。
【0141】発明の実施の形態9.3次元都市データを
単独で用いるばかりでなく、他のデータと結合して高度
な情報サービスを提供するようにしてもよい。例えば、
建物とともにその建物についてのさまざまな情報を同時
に表示するシステムが考えられる。従来の地図には建物
の平面図に戸主名などの情報を書き込んだものがある
が、平屋の一般家屋だけなら問題ないが、高層ビルに関
して同様の情報を表示しようとすると表示が複雑にな
り、使いにくかった。この点、3次元都市データを用
い、コンピュータグラフィックにより立体的な表示を行
えば、高層ビルに関してさまざまな検索を行えるととも
に、視覚的に空間把握を行うことができて、利用者にと
って非常に使いやすいものとなる。単に文字や平面地図
による表現では把握できない空間認識が行える。
【0142】このようなシステムの例を図36乃至図4
0を用いて説明する。図36はこのシステムの概略構成
を示す。CPU10、CRT11、キーボード12を備
える点で図5と共通するが、ハードディスク16を2つ
備え、地図データベース16aに加えて、その属性デー
タベース16bを備える点で異なる。両者は互いに関連
づけられており、3次元都市データに含まれる一部の建
物を検索すると、これに対応する属性データも検索する
ことができる。これらデータベースは、図36(b)の
ように同じハードディスク16上に構築することが可能
である。
【0143】属性データベース16bは、例えば図37
に示されるような内容を格納する。このデータベース
は、3次元都市データに含まれる建物の名前あるいはそ
の識別コードごとに整理され、さらにその建物のフロア
ごとに整理されている。したがって、任意の建物に関し
て、その建物全体あるいはフロアごとに属性情報を対応
し、それを表示させることが可能である。フロア内の位
置関係を整理するために、図37のようにテナントの位
置を東西南北で表示することが考えられる。この他にも
隣接するテナント同士の位置関係を定義する方法も考え
られる。
【0144】3次元都市データで作成する建物及び施設
の形状データを、さまざまな検索利用などの目的に利用
するには、その属性情報として以下の項目を付加するこ
とが考えられる。
【0145】・住所地番 ・建物用途 ・建物構造規模 ・建物竣功日、建物履歴情報(増改築、改修など) ・店舗、テナント、入居者情報 ・建物所有者 ・不動産評価額
【0146】次に、この実施の形態における表現形態の
例について、図38乃至図40を用いて説明する。図3
8(a)は、道路Rに面するある五階建ての建物Bに関
する情報を表示するために、いわゆる「ふきだし」(コ
メントボックス)を用いた例を示す。属性情報の表示は
利用者の必要に応じて、あるいはプログラムにより自動
的に表示される。この場合、その建物自体の建物構造規
模、建物竣功日、建物履歴情報等の属性情報とともに、
1階から5階のフロアごとにそれらの属性情報が順番に
表示される。図38(b)は、建物の表示自体に属性情
報を表示する例を示す。この図では建物自体の属性情報
の表示は省略してある。図38(a)の方法は建物の外
観とその属性を同時に表現できる点で優れ、一方、図3
8(b)の方法はどのフロアの情報を直感的に得ること
ができる点で優れる。図38(a)の方法と図38
(b)の方法をそれぞれ単独で用いても、両者を組み合
わせて用いても、どちらでもよい。
【0147】3次元都市データを用いて属性表示を行う
と、利用者の視点の位置を自由に移動できるので使いや
すく情報を把握しやすくなる。例えば、図39(a)の
ように建物Bの5階部分の属性情報が表示されていると
き、利用者がこの部分の詳細情報を入手するには、3次
元都市データ中で視点を建物Bに近づけて5階部分を拡
大表示させる。すると、さらに詳細なテナントT1,T
2に関する情報情報が表示される。図39(a)の属性
情報と同図(b)の属性情報とは同じものではなく、例
えば、前者は概略情報であり、後者は詳細情報である。
図37は詳細情報の例を示すが、これら詳細情報に関連
づけられた概略情報も用意されている。視点を建物Bに
沿って移動させると図39(c)のように表示され、同
図(b)では隠れていた部分を見ることができる。
【0148】また、図40のような表示態様も考えられ
る。建物Bの外観を透明あるいは半透明状に表現し、そ
の内部を透視できるようにする。内部のテナントT1〜
T3の配置は一目で明らかである。
【0149】図39及び図40の表示形態は、詳細情報
を把握できるとともに、その位置を直感的に知ることが
できるという点で非常に優れたものである。
【0150】発明の実施の形態10.立体的な3次元都
市地図を表示するとともに、同時に都市の平面地図を表
示するようにしてもよい。図41にその一例を示す。図
41(a)は前述の3次元都市地図の表示画面であり、
同図(b)は、同図(a)の視点及び視野を示すための
平面図である。同図(b)によれば、同図(a)は、視
点Pから建物Bを見た方向の画像であることがわかる。
なお、平面図ではその高さがよくわからないから、同図
(b)の上に「現在位置 S1W4 H=50m」と表示
することにより、高さを知ることができる。なお、S1
W4は地図上の座(例えば、南1丁目西4丁目)を意味
する。同図(a)にも同様の表示がされ、画像の種類、
日付、時刻を知ることができる。
【0151】なお、前述の日照シミュレーション技術と
組み合わせることにより、太陽高度情報をコンピュータ
グラフィックス画像で再現することもできる。また、光
源を太陽光に代えて、街灯、ネオンサイン、投光器等の
人工の照明を定義することにより、日照に限らず夜景も
再現することもできる。
【0152】このように、地図画面とコンピュータグラ
フィックスをリンクすることができ、現在の視点位置を
容易に把握することができる。
【0153】本発明は、以上の実施の形態に限定される
ことなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内
で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内
に包含されるものであることは言うまでもない。
【0154】また、本明細書において、手段とは必ずし
も物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能
が、ソフトウェアによって実現される場合も包含する。
さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段に
より実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能
が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る3次元都市デ
ータ生成方法を示すフローチャートである。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る建物の高さの
測定方法の説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の方法に用いられる
測定装置の概略図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るブロックにお
ける測定位置及び方向の説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に用いられるコンピ
ュータの構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態1における敷地の形状
データの説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1におけるAランクの
建物の説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態1におけるBランクの
建物の説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態1におけるCランクの
建物の説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態1におけるAランク
の建物の例である。
【図11】 この発明の実施の形態1におけるBランク
の建物の例である。
【図12】 この発明の実施の形態1におけるCランク
の建物の例である。
【図13】 この発明の実施の形態1に係る2次元デー
タの作成のフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態1に係る3次元デー
タのモデリングのフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態1に係る特殊地形の
モデリングのフローチャートである。
【図16】 この発明の実施の形態1に係る高低差のモ
デリングのフローチャートである。
【図17】 この発明の実施の形態1に係る高低差のモ
デリングの説明図である。
【図18】 この発明の実施の形態1に係る高低差のモ
デリングの説明図である。
【図19】 この発明の実施の形態1に係る高低差のモ
デリングの説明図である。
【図20】 この発明の実施の形態1に係る高低差のモ
デリングの説明図である。
【図21】 この発明の実施の形態1に係る高低差のモ
デリングの説明図である。
【図22】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価の説明図である。
【図23】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価画面の例である。
【図24】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価画面の例である。
【図25】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価画面の例である。
【図26】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価画面の例である。
【図27】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価画面の例である。
【図28】 この発明の実施の形態1に係る高低差の評
価画面の例である。
【図29】 この発明の実施の形態2に係るブロックに
おける測定位置及び方向の説明図である。
【図30】 この発明の実施の形態2に係る建物の高さ
の測定方法の説明図である。
【図31】 この発明の実施の形態3に係る建物の高さ
の測定方法の説明図である。
【図32】 この発明の実施の形態4に係る測定機器と
ホストコンピュータとを通信回線で結んだ構成例であ
る。
【図33】 この発明の実施の形態7のアプリケーショ
ン(カーナビゲーション)の画面例である。
【図34】 この発明の実施の形態7のアプリケーショ
ン(日影領域のシミュレーション)の説明図である。
【図35】 この発明の実施の形態7のアプリケーショ
ン(電波障害状況シミュレーション)の説明図である。
【図36】 この発明の実施の形態9のアプリケーショ
ン(立体的属性情報の表示システム)の概略ブロック図
である。
【図37】 この発明の実施の形態9の属性データベー
スの例である。
【図38】 この発明の実施の形態9の画面表示例であ
る。
【図39】 この発明の実施の形態9の画面表示例であ
る。
【図40】 この発明の実施の形態9の画面表示例であ
る。
【図41】 この発明の実施の形態10の画面表示例で
ある。
【符号の説明】 101 測距器(レンジング) 102 デジタルカメラ 103 水準器・分度計付三脚 120a ランクCの建物の外壁 120b ランクCの建物の屋上 120c ランクCの建物のガラス以外の出入口 120d ランクCの建物の窓 120e ランクCの建物の勾配屋根 130 交差点 131 道路 132 敷地 140 視点 141 視線 142 水平な道路面 143 傾斜した道路面
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09B 29/00 G06F 15/62 350A (72)発明者 錦見 誠司 北海道札幌市中央区北2条西10丁目2番7 号 株式会社ウォール内 (72)発明者 高橋 成康 北海道札幌市中央区北2条西10丁目2番7 号 株式会社ウォール内 (72)発明者 田下 尚宏 北海道札幌市中央区北2条西10丁目2番7 号 株式会社ウォール内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存の2次元地図に基づいて作成すべき
    都市に存在する建物から測定すべき建物を予め定めてお
    き、前記建物を予め定められた順番で所定の測定点から
    撮影し、撮影を行いながら前記測定点の高さ位置及び前
    記建物を撮像したときの撮像データに基づき幾何学的方
    法を用いて前記建物の3次元位置または高さを算出し、
    得られた前記建物の3次元位置座標または高さを2次元
    地図上における2次元位置座標と対応付ける、ことを特
    徴とする3次元都市地図データベースの作成方法。
  2. 【請求項2】 撮影すべき建物が角にあるとき、前記建
    物の特徴をよく把握でき、かつ、撮影の回数を減らすこ
    とができるように、正面ではなく、その角の方向から撮
    影し、撮影すべき建物が、単純な直角ではなく複雑な形
    状や隣接する建物との境界の特徴形状を含む特徴部分を
    備えるとき、精度を高めるように、前記特徴部分を撮影
    する、ことを特徴とする請求項1記載の3次元都市地図
    データベースの作成方法。
  3. 【請求項3】 予め高さの分かっている建物を撮影する
    ことにより実際の高さと計算で求めた高さとを一致させ
    る補正値を予め求めておき、撮影を行うときに、前記補
    正値により補正を行うことによりレンズの歪みを補正す
    る、ことを特徴とする請求項1記載の3次元都市地図デ
    ータベースの作成方法。
  4. 【請求項4】 1つの建物について複数の測定点からそ
    の3次元位置または高さを求め、その平均値を求めるこ
    とにより3次元位置または高さを得るとともに、前記平
    均値を求めるときに所定の重み付けを行う、ことを特徴
    とする請求項1記載の3次元都市地図データベースの作
    成方法。
  5. 【請求項5】 測定されたデータを、通信回線を介して
    ホストコンピュータへ送信する、ことを特徴とする請求
    項1記載の3次元都市地図データベースの作成方法。
  6. 【請求項6】 3次元都市地図データベースを作成する
    ために都市の建物のデータを収集するために用いられる
    3次元都市地図データベース用測定装置であって、角度
    を測定するハンドレベルと、距離を測定するレンジング
    と、建物を撮影するデジタルカメラとを備え、前記ハン
    ドレベル、前記レンジング、及び前記デジタルカメラを
    一体に構成したことを特徴とする3次元都市地図データ
    ベース用測定装置。
  7. 【請求項7】 3次元都市地図データベースを作成する
    ために都市の建物のデータを収集するために用いられる
    デジタルカメラであって、水準器と、前記デジタルカメ
    ラの調整のために、前記水準器の出力に基づきファイン
    ダーの画面中に水平線を表示する表示手段と、建物の測
    定点を指定するためのポインティング手段と、撮影され
    た画像データ及び前記測定点の画素情報を出力する出力
    手段とを備える3次元都市地図データベース用測定装
    置。
  8. 【請求項8】 前記デジタルカメラは、さらに距離を測
    定するレンジングを含み、前記画像データ、前記測定点
    の画素情報、及び前記距離情報を受け、前記測定点の画
    素情報から前記測定点の角度を計算するとともに、前記
    距離情報と前記角度から前記測定点の高さを計算する携
    帯用情報端末を備えることを特徴とする請求項7記載の
    3次元都市地図データベース用測定装置。
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