JP2004144524A - 干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム - Google Patents

干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム Download PDF

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Abstract

【課題】気象に左右されず、短時間で広範囲の高精度な3次元デジタル地理情報の提供。
【解決手段】航空機搭載機器10と、観測データ処理コンピュータ20と、情報蓄積配布コンピュータ30と、情報提供コンピュータ40と、情報整備センターコンピュータ50と、個人・団体の利用者コンピュータ60と、情報提供コンピュータ40とインターネット70とから構成される干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム100を用いて、左右の翼端及び航空機胴体下部に合成開口レーダ(SAR)を装備した高速度航空機を成層圏を水平飛行させながら、マイクロ波を地表に向けて発射し、地表から反射する該マイクロ波を受信した画像情報を収集し既知の標高データと組合せ加工して3次元数値地形モデルを1メートル間隔格子状に精度1メートル未満の地形情報・地表標高情報に編集する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地形電子情報の計測とその提供システムに関し、より詳しくは、レーダ観測による広範囲な3次元地形情報提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地形の測量技術としては、地上測量、航空測量、衛星測量により、光学測量が主として用いられていた。地上測量は、精度は高いが時間と人手を要するため、広範囲な地形情報収集には不向きであり狭い範囲の測量に用いられている。航空写真測量は、広範囲の地形測量に適しているが、太陽高度が30度以上の時間帯の観測に限られること、また、雲をはじめとする大気中のエアゾルなどで観測できなくなることから、気象条件に左右されるため、広範囲の地理情報をもれなく収集するには長い期間と費用を要する問題があった。航空機や衛星を用いる地形情報の収集装置やシステムに関しては特許文献1、特許文献2、特許文献3に、レーザ線による測量、地図データの統一した管理システムや地図情報と航空写真の表示方法が公開されている。
【0003】
また、3次元地形情報を求めるためには、航空写真撮影前に、観測地区の要所に標定点及び三角点などの対空標識を設置しなければならず、地上踏査を伴う作業が必要とされていた。さらに、航空写真撮影、空中三角測量の後に、高価なデジタル図化装置を用いてデジタル化する専門知識を要する作業や、現地調査を行っての編集作業が必要であった。このため、高精度な3次元地理情報は限られた特定の地域について部分的に作成されるのみであった。
【0004】
また、デジタル地理情報は、地域・地図の目的別に種々の情報が加えられて利用されるが、利用者相互の流通が行われていないため、重複した加工作業が行われていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−89958号公報(第2、3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−153949号公報(第2、3頁、第1図)
【特許文献3】
特開平7−28980号公報(第2、3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、気象に左右されず、短時間で広範囲の高精度な3次元デジタル地理情報の提供を目的とする。
【0007】
また、提供する基本情報を用いた、用途別デジタル地理情報メタデータベースを提供し、応用地理情報の流通を促進し、加工投資の無駄を排除させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システムは、左右の翼端及び航空機胴体下部に合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar)を装備した、高速度航空機を、民間航空路より高高度であり、かつ気流の安定した成層圏を水平飛行させながら、観測用の所定波長のマイクロ波を地表に向けて発射し、地表から反射する該マイクロ波を左右の翼端及び航空機胴体下部の合成開口レーダで受信した画像情報を収集する観測コンピュータと、合成開口レーダ観測で収集した前記画像情報を干渉処理させ、3次元数値地形マトリックスを1メートル間隔格子状に50センチメートルより高い精度の地形情報・地表標高情報に編集し電子透かしを付加する観測データ処理コンピュータと、観測された対象国、対象地域の全域の地形電子情報を一定期間間隔で収集した地形電子情報を蓄積し配布媒体へ記録する情報蓄積配布コンピュータと、地形電子情報及びその加工地理情報の特徴を記録し提供する情報提供コンピュータと、基本情報を利用して加工された目的別の地図データ情報を編集整備し電子透かしを付加する情報整備センターコンピュータとを備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記高速度航空機は、左右翼端の合成開口レーダ間及び航空機胴体下部と各両翼端とのそれぞれの合成開口レーダ間で計測精度を確保する長尺のベースラインを3本形成し、両翼端と、尾翼前部と機首コクピットの胴体上部の4箇所にGPSアンテナを備え、GPS干渉計及び姿勢測定装置(INU:Inertial Navigation Unit)により前記高速航空機の位置とピッチングとヨーイングとローリングとを測定し位置と姿勢を記録すると共に、航空機の姿勢制御により所定測定コースを所定高度で、高速で水平に飛行させることにより、短時間で広範囲な面積の地表面の観測データを収集することを特徴とする。
【0010】
また、前記3次元数値地形モデルは、前記干渉合成開口レーダで得られた地表面から散乱してきた反射波から振幅情報を画像化したSAR画像と、地表面の標高に地表被覆物を含む高さ情報データ(DSM:Digital Surface Matrix)と、前記SAR画像と前記DSMデータとを組合せて作成した高精度の位置情報を有する正射投影画像データ(Synthetic Aperture Radarオルソ画像:SARオルソ画像)と、前記DSMデータから地表被覆物の高さを除いた標高を表す3次元数値地形データ情報(DTM:Digital Terran Matrix)と、観測時期の異なる前記DSMデータの差分データからなる経年変化データとからなり、前記各データには電子透かしが付加されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記情報蓄積配布コンピュータは、定期的に収集された観測データを観測データ処理コンピュータによりSARオルソ画像、DSM,DTM情報に加工した基本情報を観測時期、観測地域別に随時蓄積記録した基本情報データベースと、地理情報利用者へ配布するCD、DVDを含む記録媒体に基本情報を記録する外部記録媒体書込み装置を備え、地域別の基本情報利用者へ定期的に最新のデータ配布を行うことを特徴とする。
【0012】
また、前記情報提供コンピュータは、予め前記基本情報の提供を受ける契約を申し込んだ個人・法人・団体に関する情報を記録した地理情報利用者データベースと、基本情報を利用して作成された地理情報の作成者、所在、作成日、データの範囲、データの内容、品質、状態その他の地理情報としての特徴を記録したメタデータベースとを備え、基本情報を利用して加工した目的別の地図データ情報の二重投資の防止と流通促進を図ることを特徴とする。
【0013】
また、前記情報整備センターコンピュータは、SAR画像、SARオルソ画像、DSM,DTM情報からなる基本情報を基に加工された地理情報を加工者から収集し、電子透かしを付加して、データの連続性、データ項目の整合性、所定のデータ精度に統一した全国版に編集する加工情報収集編集サーバと、その編集結果を記録する統一地理情報データベースを備え、その地理情報を提供した基本情報の加工者に電子透かし付加済みの地理情報を提供することにより、利用目的に応じた地理情報の加工を促進することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は本発明の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システムの構成を示す概念図である。
【0015】
干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム100は、航空機搭載機器10と、観測データ処理コンピュータ20と、情報蓄積配布コンピュータ30と、情報提供コンピュータ40と、情報整備センターコンピュータ50と、観測収集された地形電子情報を利用する特約店などの利用者コンピュータ60と、情報提供コンピュータ40と利用者コンピュータ60を接続して情報の提供を行うインターネット70とから構成される。
【0016】
前記航空機搭載機器10は、3つの合成開口レーダ11(SyntheticAperture Radar 以下SAR11と呼ぶ)と、その観測データを記録する観測コンピュータ12から構成する。図示しないが、航空機にスタートラッカーを備え、左右翼端と航空機胴体の3箇所にGPS干渉計、INU、アンテナ位置センサーが設けられている。また両翼端と、尾翼前部と機首コクピットの胴体上部の4箇所にGPSアンテナを設置し、両翼端の合成開口レーダと胴体下部間のベースラインを計測するレーザ計測装置を両翼の根元に設置している。これらのセンサーからの位置と姿勢とベースライン長を測定した情報が収集され、SAR観測情報と共にリアルタイムに観測コンピュータ12に収集される。
【0017】
これらの観測機器を搭載する航空機は、剛性の高い機体を持ち高速・高空飛行可能なものとする。この理由は、気象変化の影響の少ない成層圏を飛行し、一定の高度と姿勢を保たせることが必要であることによる。加えて、地理情報観測をもれなく行うため、民間航空路などの航空管制制限のない高度(高高度)を飛行する必要をみたすためである。また、剛性の高い機体により、温度や外気流による翼の歪みや、両翼端のベースラインの伸縮を最小にさせ、観測精度を高める。なお、歪みや温度変化についての情報も前記観測コンピュータ12に収集し、観測データ処理の際に補正することによりさらに観測精度を高めている。
【0018】
本発明の実施の形態では、前記航空機として軍用機(高高度爆撃機)として開発された「キャンベラ」(英国空軍の航空機の名称)を使用し、撮影高度55,000フィート(16,700メートル)、最高速度900キロメートル/時間、観測速度850キロメートル/時間を使用した形態を説明する。
【0019】
次に本発明で構成する、SARと、干渉合成開口レーダ(InterferometricSAR、以下IFSARと称す)について説明する。
【0020】
典型的なレーダはマイクロ波を地表に放射し、地表や物体から散乱してきた反射波をアンテナから受信する。 受信された反射波の往復に要した時間とその強度を測ることにより、デジタルデータとして記録された反射波をコンピュータ加工することにより地表面被覆画像を得ることができる。合成開口レーダ(SAR)は、マイクロ波を地球に 向かって照射し、反射波を受信することにより地表面の物性や起伏、凸凹、傾斜などを観測する能動型のレーダセンサーである。このため、昼夜の別なく、雲や雨等の天候にもほとんど影響されない全天候型のセンサーである。航空機に搭載されたSARは、直線上を移動しながら一秒間に1,000回以上もの広帯域のマイクロ波を地上に発射し、地表面からの反射波を受信することができる。
【0021】
SARは、反射波の大きさ(振幅)と位相を観測し、アンテナを搭載した航空機の移動に伴って異なる観測位置での同一対象物からの反射波を観測し、この情報を処理することにより、小型のアンテナを使用した場合でも、大型のアンテナで観測したのと同様の高い解像度を得ることができる。つまり、小型のアンテナの開口面をたくさん並べて、大きなアンテナを使用した場合と同じ効果を得ることができる。
【0022】
SARには、主にLバンド(波長15〜30cm)、Cバンド(3.75〜7.5cm)、Xバンド(2.4〜3.75cm)、Kuバンド(1.67〜2.4cm)の特性の異なる波長のマイクロ波周波数帯を使用する。短い波長の電波は物質の表面で反射しやすく、長い波長の電波は物質内部にある程度入り込む性質を持っている特性を利用し地表面の植生を含む地理情報を観測することができる。本発明では、Kuバンドを使用する。
【0023】
干渉合成開口レーダ(IFSAR)は、SARで同一地点を少し離れた2箇所から観測して地表の標高情報を得るもので、本発明では、航空機の左右の両翼端及び航空機胴体下部に設けたSARにより実現している。
【0024】
IFSARによる地形情報収集は以下の利点を有する。
▲1▼高精度な地表面被覆情報(解像度30×50cm、水平精度50cm、垂直精度50cm)
▲2▼高精度な地表面高さ情報(地上間隔1m、水平精度50cm、垂直精度50cm)
▲3▼高品質の地形図の生産
▲4▼低いデータ収集費用と処理費用
▲5▼データ品質の整合性
▲6▼地上基準点なしで自動的座標付与
▲7▼地上基準局を必要としない
▲8▼高解像度な高度変化検出と測定
▲9▼昼夜全天候でのデータ収集
加えて10)フライトあたりのより大きなデータ収集カバー範囲が可能である。
【0025】
前記観測データ処理コンピュータ20は、基本処理サーバ21と応用処理サーバ22で構成し、観測コンピュータ10で収集された観測データを処理して、振幅情報を画像化したSAR画像と、地表面の標高に地表被覆物を含む高さ情報データ(DSM:Digital Surface Matrix)と、前記SAR画像と前記DSMデータとを組合せて作成した高精度の位置情報を有する正射投影画像データ(Synthetic Aperture Radarオルソ画像:SARオルソ画像)と、前記DSMデータから地表被覆物の高さを除いた標高を表す3次元数値地形データ情報(DTM:Digital Terran Matrix)と、観測時期の異なる前記DSMデータの差分データからなる経年変化データとを作成し、前記各データに電子透かしを付加する。
【0026】
前記情報蓄積配布コンピュータ30は、情報蓄積記録処理サーバ31と、情報配布媒体に記録する外部記憶媒体書込装置32と、全情報のバックアップをする情報バックアップ装置33と、基本情報を観測時期、観測地域別に随時蓄積記録する基本情報データベース34aと、を編集された加工地理情報を記録する統一地理情報データベース34bとから少なくとも構成される。
【0027】
前記基本情報データベース34aは、定期的に収集された観測データを観測データ処理コンピュータ20によりSAR画像、SARオルソ画像、DSM,DTM、前記DSMの経年変化情報に加工した基本情報を記録したものである。またこの基本情報データベース34aには、3ヵ月毎に観測された地形電子情報を備える。
【0028】
前記外部記憶媒体書込装置32は、前期基本情報データベース34aに記録された基本情報を配布媒体に記録するものである。
【0029】
前記情報バックアップ装置33は、前記基本情報データベース34a及び統一地理情報データベース34bに記録された全基本情報をバックアップ用媒体に記録するものである。
【0030】
前記情報提供コンピュータ40は、少なくともWebサーバ41と、情報提供業務処理サーバ42と、利用者情報データベース43aと、メタデータベース43bとから構成する。
【0031】
前記メタデータベース43bは、定期的に収集された観測データ基本情報の観測時期、観測地域、基本情報の種別、基本情報を利用して作成された地理情報の作成者、所在、作成日、データの範囲、データの内容、品質、状態その他の地理情報としての特徴を記録したデータベースである。
【0032】
また、利用者情報データベース43aは基本情報の利用者をデータベースに登録することにより、インターネット70などの通信手段による情報流通を可能にし、基本情報の活用の促進を図ると共に、その課金や、利用者同士の二重投資を防止するための記録である。地形情報の特性に鑑み、地域や、利用分野毎に地形情報加工事業者を利用者(利用企業)として登録し、基本情報の利用権を付与する特約店契約を利用者会員登録の条件とする方法が本発明では望ましい実施の形態である。
【0033】
前記Webサーバ41は、利用者が前記利用者情報データベース43a及びメタデータベース43bに対してインターネット70を介してデータベースの検索をして情報提供すると共に、インターネット70を介して利用者が前記利用者情報データベース43aに情報登録する手段を備える。
【0034】
情報整備センターコンピュータ50は、加工情報収集編集サーバ51と、統一地理情報データベース52とから構成する。
【0035】
加工情報収集編集サーバ51は、SAR画像、SARオルソ画像、DSM,DTM情報からなる基本情報を基に加工された地理情報を加工者から収集し、電子透かしを付加して、データの連続性、データ項目の整合性、所定のデータ精度に統一した全国版に編集する手段を備え、その編集結果を統一地理情報データベース52に記録すると共に、その地理情報を提供した基本情報の加工者に電子透かし付加済みの地理情報を提供することにより、利用目的に応じた地理情報の加工を促進する。
【0036】
図2は、本発明の観測用航空機のSARアンテナとGPSアンテナの配置を示す模式図である。SARアンテナ1は観測用高速度航空機5の両翼端(1a、1b)及び航空機胴体下部(1c)に距離を置いて固定され、GPSアンテナ2は、両翼端と、航空機の前後の胴体上部との4箇所に設けられる。
【0037】
図3は、観測によるデータ収集範囲を示す説明図である。観測用高速度航空機5の右翼端のSARアンテナ1aは、アンテナのビームを操作して地上の観測範囲Aと観測範囲Bをスキャンし、左翼端のSARアンテナ1bは、SARアンテナ1aのスキャンしている観測範囲A,Bに同期させて同一地点をスキャンする。この実施の形態では、この動作を1秒間に1000回繰り返しながら対地速度236m/s(459ノット)で前進する。なお、この対地速度は一実施の形態であり、この前後の速度を選択することができる。
【0038】
このとき、観測範囲A、Bは約24キロメートルの幅をカバーすることができるが、航空路の真下、内側のトラック境界は、信号派の畳み込みにより制限されるため約7キロメートル(観測範囲A,B間で約14キロメートル)は観測できない。また、観測範囲の外側のトラックも影のため制限される。
【0039】
観測高度16,700m、速度850km/時の場合、有効データ収集範囲は約680平方キロメートル/分とすることができる。勿論、この観測高度、速度は前後させることができる。
【0040】
図4は、本発明の観測飛行の方法を説明する図で、(a)は往復飛行の観測範囲を示し、(b)は、往復飛行の観測エリアの面積を示す図である。図3で説明した観測範囲AとBにはさまれた観測不能エリアをカバーし、さらに観測範囲A、Bの外側の観測精度を確保するため、本発明では同一エリアを飛行コースをずらして並行に往復飛行を行う。
【0041】
まず、左から右に向かって飛行する1番目パスでは、観測範囲A,Bのデータを収集する。次に、折り返し、右から左に向かって飛行する2番目の逆パスで観測範囲A´、B´野データを収集する。このとき、2番目の額パスのコースは1番目のパスの観測範囲に対して約6キロメートル重複させた航路を取ることによりもれなく、精度の高い観測を行う。
【0042】
図4(b)に示すように、この観測飛行方法によれば、20万平方キロメートル観測する場合、1飛行ユニット(2パス)で2454キロの直線飛行を行えばよく、5.8時間という短時間で広範囲を観測することができる。
【0043】
図5は、本発明の電子地図情報提供システムで提供されるSAR画像の実施例を示す。本システムでは、このほかにSARオルソ画像、DSMデータ(DSM経年変化データを含む)、DTMデータなどの基本データと、その基本データに加えて、最新のIFSARデータで更新されたテラマップ(2次元ベクトル地図、3次元データ地図)、光学画像と最新のIFSARデータを合成した航空写真オルソ画像を提供する。(テラマップは、株式会社テラ・マトリックス社の登録商標)
【0044】
前記テラマップは、IFSARと他の情報とを合成し、道路ポリゴン、道路中心線、歩道、家屋、河川、鉄道、水害線情報、行政境界などを加えたもの、アドレスマッチングにより注記、目標物、所在地情報(住所表示、地番)を付加したデータである。テラマップの3次元地図データは、家屋データに標高/建物高さを不付加したデータ、或いは道路中心線に標高を付加したデータなどを組み合わせて提供することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システムによれば、低価格で、高精度・高解像度の地形データを高速に収集して提供することができる。
【0046】
また、レーダを利用するため、データ収集が昼夜を問わず短期間に行え、高高度からの観測であるため、天候に左右されることがないと共に、航空管制にも規制されないため、広範囲をもれなくデータ収集することができる。
【0047】
さらに、周期的に繰り返しIFSARデータを収集することにより、経年変化や高い精度の地殻変動ベクトルを計測することができる。このため、従来入手不可能であった日本全国をカバーする地理情報を年数回の頻度で定期的に最新情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システムの構成を示す概念図である。
【図2】本発明の観測用航空機のSARアンテナとGPSアンテナの配置を示す模式図である。
【図3】観測によるデータ収集範囲を示す説明図である。
【図4】発明の観測飛行の方法を説明する図で、(a)は往復飛行の観測範囲を示し、(b)は、往復飛行の観測エリアの面積を示す図である。
【図5】本発明の電子地図情報提供システムで提供されるSAR画像の実施例。
【符号の説明】
1  SARアンテナ
1a 右SARアンテナ
1b 左SARアンテナ
1c 胴体SARアンテナ
2  GPSアンテナ
5  観測用高速度航空機
A、A`、B、B`  観測範囲(地上のレーダスキャン範囲)
10  航空機搭載観測機器
11  SARレーダ
12  観測コンピュータ
20  観測データ処理コンピュータ
21  基本処理サーバ
22  応用処理サーバ
30  情報蓄積配布コンピュータ
31  情報蓄積記録サーバ
32  外部記憶媒体書込装置
33  情報バックアップ装置
34a 基本情報データベース
34b 統一地理情報データベース
40  情報提供コンピュータ
41  Webサーバ
42  情報提供業務処理サーバ
43a 利用者情報データベース
43b メタデータベース
50  情報整備センターコンピュータ
51  加工情報収集編集サーバ
52  統一地理情報データベース
60  利用者コンピュータ
70  インターネット

Claims (6)

  1. 左右の翼端及び航空機胴体下部に合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar)を装備した、高速度航空機を、民間航空路より高高度であり、かつ気流の安定した成層圏を水平飛行させながら、観測用の所定波長のマイクロ波を地表に向けて発射し、地表から反射する該マイクロ波を左右の翼端及び航空機胴体下部の合成開口レーダで受信した画像情報を収集する観測コンピュータと、合成開口レーダ観測で収集した前記画像情報を干渉処理させ、3次元数値地形マトリックスを1メートル間隔格子状に50センチメートルより高い精度の地形情報・地表標高情報に編集し電子透かしを付加する観測データ処理コンピュータと、観測された対象国、対象地域の全域の地形電子情報を一定期間間隔で収集した地形電子情報を蓄積し配布媒体へ記録する情報蓄積配布コンピュータと、地形電子情報及びその加工地理情報の特徴を記録し提供する情報提供コンピュータと、基本情報を利用して加工された目的別の地図データ情報を編集整備し電子透かしを付加する情報整備センターコンピュータとを備えることを特徴とする干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム。
  2. 前記高速度航空機は、左右翼端の合成開口レーダ間及び航空機胴体下部と各両翼端とのそれぞれの合成開口レーダ間で計測精度を確保する長尺のベースラインを3本形成し、両翼端と、尾翼前部と機首コクピットの胴体上部の4箇所にGPSアンテナを備え、GPS干渉計及び姿勢測定装置(INU:Inertial Navigation Unit)により前記高速航空機の位置とピッチングとヨーイングとローリングとを測定し位置と姿勢を記録すると共に、航空機の姿勢制御により所定測定コースを所定高度で、高速で水平に飛行させることにより、短時間で広範囲な面積の地表面の観測データを収集することを特徴とする請求項1記載の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム。
  3. 前記3次元数値地形モデルは、前記干渉合成開口レーダで得られた地表面から散乱してきた反射波から振幅情報を画像化したSAR画像と、地表面の標高に地表被覆物を含む高さ情報データ(DSM:Digital Surface Matrix)と、前記SAR画像と前記DSMデータとを組合せて作成した高精度の位置情報を有する正射投影画像データ(Synthetic Aperture Radarオルソ画像:SARオルソ画像)と、前記DSMデータから地表被覆物の高さを除いた標高を表す3次元数値地形データ情報(DTM:Digital Terran Matrix)と、観測時期の異なる前記DSMデータの差分データからなる経年変化データとからなり、前記各データには電子透かしが付加されていることを特徴とする請求項1または2記載の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム。
  4. 前記情報蓄積配布コンピュータは、定期的に収集された観測データを観測データ処理コンピュータによりSARオルソ画像、DSM,DTM情報に加工した基本情報を観測時期、観測地域別に随時蓄積記録した基本情報データベースと、地理情報利用者へ配布するCD、DVDを含む記録媒体に基本情報を記録する外部記録媒体書込み装置を備え、地域別の基本情報利用者へ定期的に最新のデータ配布を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム。
  5. 前記情報提供コンピュータは、予め前記基本情報の提供を受ける契約を申し込んだ個人・法人・団体に関する情報を記録した地理情報利用者データベースと、基本情報を利用して作成された地理情報の作成者、所在、作成日、データの範囲、データの内容、品質、状態その他の地理情報としての特徴を記録したメタデータベースとを備え、基本情報を利用して加工した目的別の地図データ情報の二重投資の防止と流通促進を図ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム。
  6. 前記情報整備センターコンピュータは、SAR画像、SARオルソ画像、DSM,DTM情報からなる基本情報を基に加工された地理情報を加工者から収集し、電子透かしを付加して、データの連続性、データ項目の整合性、所定のデータ精度に統一した全国版に編集する加工情報収集編集サーバと、その編集結果を記録する統一地理情報データベースを備え、その地理情報を提供した基本情報の加工者に電子透かし付加済みの地理情報を提供することにより、利用目的に応じた地理情報の加工を促進することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム。
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