JP2009020285A - 電気泳動表示装置、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性に優れた電気泳動表示装置、及び電子機器を提供すること。
【解決手段】対向する基板間で挟持され、帯電した電気泳動粒子を有する電気泳動素子と、電気泳動素子を駆動する駆動装置70と、駆動装置70と接続された温度センサ80と、を備えた電気泳動表示装置5であって、温度センサ80の温度が第1のしきい値以上になると、駆動装置70は、画像の書換え動作に係る動作モードを通常使用温度における第1のモードから、第1のモードと比較して、電気泳動素子への印加電圧を低下させた、又は電気泳動素子へ電圧を印加する期間を短縮させた第2のモードへ切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置5とした。
【選択図】図7

Description

本発明は、電気泳動表示装置、及び電子機器に関する。
環境温度の変化に対応できる電気泳動表示装置として、温度が低下した場合に書込み回数や電圧印加時間を増加させることで、書換えにかかる継続時間を延ばさないようにする電気泳動表示装置が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
特表2005−527001号公報
これに対して、高温に曝された状態で電気泳動素子を動作させ続けると、表示能力が低下することがわかってきた。これは、電気泳動素子の一部のマイクロカプセルが、動作しなくなるためである。このような条件で動作を繰り返すと、動作停止したマイクロカプセルの比率が高まり、さらに表示能力が低下してしまう。つまり、信頼性に乏しいという問題があったが、この問題に対して十分な対策がとられていなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、信頼性に優れた電気泳動表示装置、及び電子機器を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る電気泳動表示装置及び電子機器は、以下の構成を特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置は、対向する基板間で挟持され、帯電した電気泳動粒子を有する電気泳動素子と、前記電気泳動素子を駆動する駆動装置と、前記駆動装置と接続された温度センサと、を備えた電気泳動表示装置であって、前記温度センサの温度が第1のしきい値以上になると、前記駆動装置は、画像の書換え動作に係る動作モードを通常使用温度における第1のモードから、前記第1のモードと比較して、前記電気泳動素子への印加電圧を低下させた、又は前記電気泳動素子へ電圧を印加する期間を短縮させた第2のモードへ切り替えることを特徴とする。
これにより、前記電気泳動素子への負荷が低減されるため、高温に曝されても電気泳動素子の劣化を抑えることが可能となり、寿命を延ばすことができる。したがって、信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記第1のしきい値は、50℃以上55℃以下であることが好ましい。
ここで、第1のしきい値を50℃以上55℃以下としているのは、発明者の実験結果に基づいたものであり、この第1のしきい値を超えた状態において常温時と同じ駆動モードで表示駆動し続けると、電気泳動素子の劣化が進行してしまうからである。
よって、第1のしきい値を50℃以上55℃以下としたことにより、電気泳動素子の劣化を抑制することができるので、信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記温度センサの温度が第1のしきい値以上になると、前記駆動装置は、画像の再書き込みに係る動作モードを、第1のモードから第2のモードに切り替えることが好ましい。
これにより、表示画像の再書き込みにかかる前記電気泳動素子の負荷を低減できるので、前記電気泳動素子の劣化を抑えることができる。したがって、信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記温度センサの前記温度が、前記第1のしきい値よりも高い第2のしきい値以上になると、前記駆動装置は、前記動作モードを前記第2のモードから、前記電気泳動素子への電圧印加を停止する第3のモードへ切り替えることが好ましい。
これにより、動作させることによる前記電気泳動素子への負荷が低減されるので、高温に曝されても前記電気泳動素子の劣化を抑えることができる。よって、寿命を延ばし、信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記第2のしきい値は、58℃以上62℃以下であることが好ましい。
ここで、第2のしきい値を58℃以上62℃以下としているのは、発明者の実験結果に基づいたものであり、この第2のしきい値を超えた状態において表示駆動し続けると、電気泳動素子の劣化が著しく進行してしまうからである。
よって、第2のしきい値を58℃以上62℃以下としたことにより、電気泳動素子の劣化を確実に抑制することができる。
前記第3のモードにおける前記電気泳動素子には、前記第2のモードから前記第3のモードに切り替わる直前の画像が表示されていることが好ましい。
これにより、電圧印加が停止される直前に画像を書換える必要がないので、前記電気泳動素子への負荷を低減することができる。よって、前記電気泳動素子の劣化を抑え、寿命を延ばし、信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記駆動装置は所定のデータが記憶された記憶装置を備えており、前記駆動回路は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第3のモードへ切り替える直前に、前記記憶回路から読み出した前記所定のデータを前記電気泳動素子に表示させることが好ましい。
これにより、例えば、所定のデータとして、許容使用温度を超えていることを示すデータを記憶しておくことにより、使用者に注意を促すことができる。なお、本発明に係る電気泳動表示装置における許容使用温度は、概ね第2のしきい値より低い温度を指す。
前記所定のデータは、単一色の画像データであることが好ましい。
これにより、例えば、白色などの光の反射率が高い色を表示させることで、電気泳動素子の温度上昇を抑えられるので、温度上昇による前記電気泳動素子への負荷を低減することができる。これにより、前記電気泳動素子の劣化を抑え、寿命を延ばし信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記所定のデータは、許容使用温度を超えていることを示すデータであることが好ましい。
これにより、電気泳動表示装置が高温になっていることを表示することができるので、前記電気泳動表示装置の状態を使用者に知らせることができる。
前記温度センサの温度が第2のしきい値以上になると、前記駆動装置は、画像の再書き込みに係る動作モードを、第2のモードから第3のモードに切り替えることが好ましい。
これにより、表示画像の再書き込みにかかる前記電気泳動素子の負荷を低減できるので、前記電気泳動素子の劣化を抑えることができる。したがって、信頼性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。
前記温度センサの前記温度が前記第1のしきい値未満になると、前記駆動装置は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えることが好ましい。
これにより、前記電気泳動素子の温度に応じて動作モードを適切なモードにすることができる。
前記温度センサの前記温度が前記第2のしきい値未満になると、前記駆動装置は、前記動作モードを前記第3のモードから前記第2のモードへ切り替えることが好ましい。
これにより、表示駆動可能な温度に戻った場合、つまり、許容使用温度範囲となった場合には、停止していた画像書き換えを再開することができる。
本発明の電子機器は、前記電気泳動表示装置を備えていることを特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置を備えたことで、前記電気泳動素子の劣化を抑えることができるため、長寿命で信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
以下に、図面を用いて本発明の電気泳動表示装置について説明する。なお、本実施形態では、電気泳動表示装置を備えた電子機器の1つである時計を例にして説明する。
また、本実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
図1は、本実施形態に係る表示装置を備えた腕時計1の正面図である。本図に示すように、腕時計1は、時計ケース2と、当該時計ケース2に連結された一対のバンド3とを備えている。
時計ケース2の正面には、電気泳動表示装置(表示パネル)5と、秒針21と、分針22と、時針23とが設けられ、時計ケース2の側面には、操作子としての竜頭10と操作ボタン11とが設けられている。竜頭10は、ケース内部に設けられる巻真(図示せず)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。
時計ケース2の材質には、ステンレス等の金属、プラスチックなどの樹脂などが用いられる。
図2は、腕時計1の側断面図である。
本図に示すように、時計ケース2の内部には収容部2Aが設けられており、収容部2Aには、ムーブメント4と電気泳動表示装置5とが収容されている。
ムーブメント4は、秒針21、分針22、及び時針23からなるアナログ指針が連結された運針機構(図示は省略)を有している。この運針機構が、秒針21、分針22、及び時針23からなるアナログ指針を回転駆動することにより、設定された時刻を表示する時刻表示領域として機能するようになっている。
電気泳動表示装置5は、アクティブマトリクス駆動の電気泳動表示装置によって構成されており、ムーブメント4の時計正面側に配置されている。この電気泳動表示装置5は、腕時計1の表示領域を構成する。ここでは、電気泳動表示装置5の表示面は円形状になっているが、例えば正八角形状、十六角形状など、他の形状になっていても構わない。
電気泳動表示装置5の中央部には、電気泳動表示装置5の表裏を貫通する貫通孔5Aが形成されている。貫通孔5Aには、前記ムーブメント4の運針機構(図示は省略)の秒車24、2番車25及び筒車26の各軸が挿入されている。各軸の先端には、上述した秒針21、分針22、及び時針23がそれぞれ取り付けられている。
収容部2Aの時計正面側には、ガラス製や樹脂製などの透明カバー7が設けられている。この透明カバー7は、樹脂製又は金属製の圧入リング6を介して収容部2Aに圧入固定されている。収容部2Aの他端側(時計裏側)には、パッキン8を介して裏蓋9が螺合されている。裏蓋9及び透明カバー7によって、時計ケース2の内部の密封性が確保されている。
図3は、電気泳動表示装置5の構成を概略的に示す断面図である。
本図に示すように、電気泳動表示装置5は、基板30と、対向基板31と、電気泳動素子32とを備えた構成となっている。
基板30と対向基板31とは、電気泳動素子32を挟持するように対向して配置されている。基板30は、第1の基板34と、画素電極35とを備えている。対向基板31は、第2の基板36と共通電極37とを備えている。画素電極35及び共通電極37は、対向するように電気泳動素子32側に向けて配置されている。
画素電極35は、電気泳動表示装置5の表示領域5B(図5)を構成する画素にそれぞれ対応して配置されている。
共通電極37の材質には、ITOなどの透明な導電材料が用いられている。共通電極37は、すべての画素に共通の電極として用いられるものであり、表示領域5Bの略全面を覆うように配置されている。対向基板31の外面(基板30と反対側の面)は、静止画や動画などの画像が表示される表示面になっている。
平面視において基板30及び基板31の中央には、上述した貫通孔5Aが形成されている。貫通孔5Aは、基板30及び対向基板31のうち平面視で重なる領域を貫いて形成されている。貫通孔5Aの内側面には、シール部51が設けられている。シール部51は、基板30と対向基板31との間の領域(電気泳動素子32が設けられた領域)を封止するように設けられている。
図4は、電気泳動素子32の表示動作を説明する模式図である。
まず、電気泳動素子32の構成について説明する。電気泳動素子32は、多数のマイクロカプセル24を備えた構成となっている。それぞれのマイクロカプセル24には、電気泳動分散液25と、正に帯電した黒色の電気泳動粒子(以下、黒色粒子と記す)26と、負に帯電した白色の電気泳動粒子(以下、白色粒子と記す)27とが封入されている。
電気泳動分散液25については、前述した2粒子系のものに限定されることなく、1粒子系のものも使用可能である。この場合に液相分散媒について着色したものを使用することもできる。2粒子系、1粒子系のいずれにおいても、粒子の色については、白と黒以外の種々の色を採用することができる。
次に、電気泳動素子32の動作について説明する。図4(a)に示すように、共通電極37の電位が、画素電極35の電位より相対的に高い場合には、負に帯電した白色粒子27が共通電極37側に移動(泳動)し、正に帯電した黒色粒子26は画素電極35側に移動(泳動)する。その結果、表示面側となる共通電極37側から見ると、この画素では白色が認識される。
一方、図4(b)に示すように、画素電極35の電位が共通電極37の電位より相対的に高い場合には、正に帯電した黒色粒子26が共通電極37側に移動(泳動)し、負に帯電した白色粒子27は画素電極35側に移動(泳動)する。その結果、共通電極37側から見ると、この画素では黒色が認識される。
図5は、アクティブマトリクス形式で駆動される電気泳動表示装置5の平面模式図である。平面視において電気泳動表示装置5は、表示領域5Bと、表示領域5Bを取り囲むように走査線駆動回路61とデータ線駆動回路62とが配置されている。走査線駆動回路61からは、複数の走査線61aが表示領域5Bに延びており、データ線駆動回路62からは、複数のデータ線62aが表示領域5Bに延びている。
貫通孔5Aの周辺部を除いた表示領域5Bでは、画素40がマトリクス状に配列されている。画素40には、前述した走査線61aとデータ線62aとが接続されている。
図6は画素40の回路図である。図6に示すように、画素40は、スイッチング素子としてのトランジスタ41と、4つのトランジスタ42、43、44、45を組み合わせた構成を備えたラッチ回路46と、画素電極35及び共通電極37で挟持された電気泳動素子32とを備えている。
トランジスタ41は、例えば電界効果型のnチャネルトランジスタであり、そのゲートが走査線61aに接続され、一方の端子(入力端)がデータ線62aに接続され、他方の端子(出力端)がラッチ回路46に接続されている。
ラッチ回路46は、例えば2つの電界効果型のnチャネルトランジスタ42、44と、2つの電界効果型のpチャネルトランジスタ43、45とを組み合わせた構成を備えている。トランジスタ42、43は、それぞれ一方の端子同士が接続されており、トランジスタ42の他方の端子は、低電圧電源線49に接続されており、トランジスタ43の他方の端子は、高電圧電源線50に接続されている。同様に、トランジスタ44、45は、それぞれ一方の端子同士が接続されており、トランジスタ44の他方の端子は低電圧電源線49に接続されており、トランジスタ45の他方の端子は高電圧電源線50に接続されている。
トランジスタ42、43の各ゲートは、トランジスタ44、45の端子同士の接続点N1と接続されている。この接続点N1は、ラッチ回路46の入力端として機能するようになっている。この入力端N1は、前記トランジスタ41の他方の端子(出力端)と接続されている。トランジスタ44、45の各ゲートは、トランジスタ42、43の端子同士の接続点N2と接続されている。この接続点N2は、ラッチ回路46の出力端として機能するようになっている。このラッチ回路46の出力端N2は、前記した画素電極35に接続されている。このような構成のもとにラッチ回路46は、入力端N1に与えられた電位が高電位のときに出力端N2には低電位VSSが現れ、入力端N1に与えられた電位が低電位のときに出力端N2には高電位VDDが現れるようになっている。
このラッチ回路46が有する記憶保持作用によって、電気泳動素子32の表示状態を一定時間保持することができる。なお、ラッチ回路に替えて、コンデンサによる保持回路を設けても良い。この場合、トランジスタ41のドレイン端子と画素電極35とを直接接続するとともに、当該接続線と低電圧電源線49(VSS)との間にコンデンサを配置する。
図7は、電気泳動表示装置5の回路ブロック図である。
本図を用いて、電気泳動表示装置5の回路ブロック構成について説明する。電気泳動表示装置5の回路は、駆動装置70と、表示領域制御ドライバ60と、表示領域5Bと、温度センサ80と、電源81と、インターフェース82と、操作部83とを備えている。駆動装置70は、表示制御回路71と、表示書換え回路72と、メモリ(記憶装置)73とを備えている。表示領域制御ドライバ60は、走査線駆動回路61とデータ線駆動回路62とを備えている。
電源81、インターフェース82、操作部83、メモリ73、及び温度センサ80は表示制御回路71と接続されている。表示領域制御ドライバ60は、表示書換え回路72を介して表示制御回路71と接続されている。表示領域5Bは表示領域制御ドライバ60と接続されている。
温度センサ80は、温度に応じて抵抗値や、容量値などの電気量が変化するセンサであり、具体的には、サーミスタや、熱電対などである。なお、本実施形態においては、好適な事例としてサーミスタを用いている。
なお、温度センサ80としてのサーミスタは、図5における表示領域5Bの温度を測定可能に配置されている。具体的には、図3の基板30の背面に取り付けられている。また、表示領域5Bが大きい場合には、例えば、表示領域5Bの中央付近と、周縁部との2ヶ所に設けても良く、この場合は、2つの温度センサが検出した温度のうち、高い方の温度を用いて後述する表示駆動を行うことが好ましい。
図7に戻り、表示制御回路71は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、電気泳動表示装置5の各部の動作を制御する。具体的には、温度センサ80からの温度データに基づいて、画像書換えに必要な電圧やパルスを制御して、動作モード(第1、第2、第3のモード)を切り替える。また、インターフェース82を介して入力された画像データ、あるいはメモリ73に記憶されている画像データを表示書換え回路72に送ることなどである。
また、表示制御回路71は、温度センサ80から入力されるアナログ検出信号を符号化された温度情報としての温度データにAD変換するためのADコンバータを内蔵していることが好ましい。
メモリ73は、例えば、マスクROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの不揮発性のメモリであり、電源オン、オフ時における表示画像パターンなどを定めた所定の画像データや、検出された温度データと各動作モードとの対応関係を規定したLUT(Look up Table)、図9に示された後述する駆動方法を実現するためのプログラムなどが記憶されている。
なお、メモリ73に記憶されている画像データは、表示制御回路71からの信号に基づいて表示制御回路71に送られる。
表示書換え回路72は、表示制御回路71から送られた画像データを表示領域5Bの画素40ごとのデータへ変換するための回路である。表示書換え回路72で変換された画像データには、表示する画素40の位置データと、その位置における表示色のデータとが含まれている。画像データは、表示領域制御ドライバ60に備えられた走査線駆動回路61、及びデータ線駆動回路62に送られるが、走査線駆動回路61には位置データが送られ、データ線駆動回路62には表示色のデータが送られる。
表示書換え回路72から送られた画像データに基づいて、表示領域制御ドライバ60は電気泳動素子32を駆動することで、画像データに規定された画像が電気泳動素子32に表示される。
[電気泳動素子の劣化]
ここで、電気泳動素子32の劣化について説明する。高温に曝されると、電気泳動素子32は劣化する。ここでいう劣化とは、電気泳動素子32のマイクロカプセル24内の黒色粒子26、及び白色粒子27が画素電極35、共通電極37間に電位差を与えても動作しなくなってしまうことである。これにより、例えば表示領域5Bの全面を白色に表示させた場合でも、一部の画素40では白色が薄くなり表示能力が低下してしまう。さらに、動作しなくなったマイクロカプセル24の機能は、常温に戻しても復帰しないので、高温時におけるマイクロカプセル24の劣化を抑える必要がある。
図8は、電気泳動素子32を高温放置した場合の試験結果を示す図である。図8の縦軸は、動作しないマイクロカプセル24の比率を示し、横軸は試験時間を示している。直線91は、電気泳動素子32を動作させずに高温で放置した場合を示しており、劣化状況の測定データを基に配置されたものである。直線92は、電気泳動素子32を高温で動作させながら放置した場合を示しており、劣化状況の測定データを基に配置されたものである。
図8の直線91、92を比較すると、動作させながら高温放置をした場合には、動作させずに高温放置をした場合と比べて、およそ1/4の時間で10%のマイクロカプセル24が動作しなくなるという試験結果を得た。この試験結果から、高温で動作をさせると電気泳動素子32の劣化が進行するものと考えられる。
ここでの高温とは、発明者が行った試験データより導出されたものであり、概ね50℃以上の温度環境下のことを指している。また、温度が58℃を超えた場合は、劣化の進行がより速まることが解っている。
なお、上記温度は、電気泳動素子32を構成するマイクロカプセル24、電気泳動分散液25、黒色粒子26、及び白色粒子27の種類、あるいは電気泳動分散液25、黒色粒子26、及び白色粒子27の配合度合いによっても異なるため、本実施形態における高温を50℃〜55℃とし、この温度を「第1のしきい値」と定義する。また、劣化が激しいため、表示動作を停止した方が良いと判断される温度を58℃〜62℃とし、この温度を「第2のしきい値」と定義する。
また、本実施形態における許容使用温度範囲とは「第2のしきい値」より低い温度を指す。
そこで、本発明の電気泳動表示装置では、この試験結果を反映した駆動方法を採用している。
[電気泳動表示装置の駆動方法]
ここで、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法について説明する。図9は、電気泳動表示装置の駆動方法に係るフローチャート図である。まず、図9のフローチャートを用いて駆動方法を説明する。
図9に示すように、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、温度データを取得するステップ101と、基準値に基づいて温度データを判定するステップ102と、第2のモードで駆動するステップ103と、温度データを取得するステップ104と、基準値に基づいて温度データを判定するステップ105と、第3のモードで駆動するステップ106と、第1のモードで駆動するステップ107とを備えている。
なお、この駆動方法の説明では、あらかじめ電源が投入されており、図7の表示制御回路71が動作していることを前提にしており、第3のモードに切り替わり、書換えが行われなくなるまでの過程を説明する。また、動作開始時は第1のモードで駆動されているものとする。
ステップ101では、表示制御回路71は、図7の温度センサ80からの温度データに基づき、表示領域5Bの温度を取得する。温度を取得した後、ステップ102へ進む。
温度データの取得方法は、例えば所定の時間ごとに温度データをサンプリングする方法、あるいは、常に温度センサ80からの温度データを取得する方法が挙げられる。
ステップ102では、表示制御回路71は、取得した温度データと、メモリ73に記憶されている第1のしきい値(50℃〜55℃)とを比較する。取得した温度データが第1のしきい値以上であった場合は、ステップ103へ進む。取得した温度データが第1のしきい値より低かった場合は、ステップ107へ進む。
ステップ103において、表示制御回路71は、動作モードを第2のモードに切り替える。
ステップ103で動作モードが第2のモードに切り替わると、ステップ104へ進む。 ステップ104では、表示制御回路71は、温度センサ80からの温度データに基づき、表示領域5Bの温度を取得する。温度を取得した後、ステップ105へ進む。
温度データの取得方法は、例えば所定の時間ごとに温度データをサンプリングする方法、あるいは、常に温度センサ80からの温度データを取得する方法が挙げられる。
ステップ105では、表示制御回路71は、取得した温度データと、メモリ73に記憶されている第2のしきい値(58℃〜62℃)とを比較する。取得した温度データが第2のしきい値以上であった場合は、ステップ106へ進む。取得した温度データが第2のしきい値より低かった場合は、ステップ102へ進む。
ステップ106において、表示制御回路71は、動作モードを第3のモードに切り替える。
ステップ106で動作モードが第3のモードに切り替わると、ステップ104へ進み温度データを取得し、ステップ105で温度データを第2のしきい値とを比較する。以上のフローチャートにより、温度データに基づいた適切な動作モードに切り替えることができる。
以下、第1のモード、第2のモード、第3のモードに係る駆動方法について詳しく説明する。
(第1のモード)
まず、第1のモードに係る駆動方法について説明する。図10は、第1のモードに係るタイミングチャートを示す図である。図10では、共通電極37、白色表示する画素40wの画素電極35w、及び黒色表示する画素40bの画素電極35bに印加される電位を示している。図11では、画像を書換えが行われていない通常期間と、画像書換え期間について示している。
まず通常期間では、共通電極37、及び画素電極35(35w、35b)は共にハイインピーダンス状態となっており、電位が供給されていない。
一方、画像書換え期間においては、共通電極37には、T11の期間高電位VH1を継続する区間と、T12の期間低電位VL1を継続する区間とを周期T10で繰り返すパルスが入力される。この間、画素40wの画素電極35wには、低電位VL1が入力され、黒色表示する画素40bの画素電極35bには、高電位VH1が入力される。画像書換え期間はT15の期間継続される。
共通電極37に高電位VH1が入力されている区間では、低電位VL1が入力されている画素電極35wとの間に電位差が生じる。その結果、図4に示すように、負に帯電した白色粒子27が共通電極37に引き寄せられ、正に帯電した黒色粒子26が画素電極35wに引き寄せられる。
高電位VH1が入力されている画素電極35bでは、共通電極37との間に電位差が生じない。その結果、画素40bの黒色粒子26、白色粒子27は移動しないので、表示画像は変わらない。
これらの動作を繰り返すことで、画素40bでは黒色が表示されることになる。
一方、共通電極37に低電位VL1が入力されている区間では、高電位VH1が入力されている画素電極35bとの間に電位差が生じる。その結果、黒色粒子26が共通電極37に引き寄せられ、白色粒子27が画素電極35bに引き寄せられる。
低電位VL1が入力されている画素電極35wでは、共通電極37との間に電位差が生じない。その結果、画素40wの黒色粒子26、白色粒子27は移動しないので、表示画像は変わらない。
これらの動作を繰り返すことで、画素40wでは白色が表示されることになる。
(第2のモード)
次に、第2のモードに係る駆動方法について説明する。
第2のモードに係る駆動方法としては3つの方法を挙げることができる。図11は第2のモードに係る(a)第1の方法、(b)第2の方法、(c)第3の方法の画像書換え動作のタイミングチャート図である。本図では、共通電極37、白色表示する画素40wの画素電極35w、及び黒色表示する画素40bの画素電極35bの電位が示されている。
なお本図では、第1のモードに係るタイミングチャートを示すことで、第1のモードと第2のモードとを比較しやすくしている。
第1の方法は、高電位側の電位を下げて駆動する方法である。第1のモードでは、高電位としてVH1が入力されていたが、第2のモードでは高電位として、VH1より低いVH2が入力される(図11(a))。その結果、共通電極37には、高電位VH2と低電位VL1とを繰り返すパルスが入力され、画素電極35bには高電位VH2が入力される。
第2の方法は、共通電極37にパルスを入力する期間を短縮させたものである(図11(b))。共通電極37に入力されるパルスは、T21の期間高電位VH1を継続する区間と、T22の期間低電位VL1を継続する区間とを周期T20で繰り返している。この間、画素40wの画素電極35wには、低電位VL1が入力され、黒色表示する画素40bの画素電極35bには、高電位VH1が入力される。第2のモードの画像書換え期間はT25の期間継続される。
第2のモードの画像書換え期間T25は、第1のモードの画像書換え期間T15と比較して短くなっている。共通電極37に入力される高電位の期間T21は、第1のモードにおける高電位の期間T11と異なっていてもよいが、画像書換え期間全体にわたる合計の期間が第1のモードより短くなければならない。同様に、低電位の期間T22は、第1のモードにおける高電位の期間T12と異なっていてもよいが、画像書換え期間全体にわたる合計の期間が第1のモードより短くなければならない。
なお、画像書換え期間において画素40w、40bにかかる負荷を均一にするためには、期間T21と期間T22とが同じであることが好ましい。
第3の方法は、第1の方法と第2の方法とを組み合わせたものである(図11(c))。したがって、第2のモードにおいて共通電極37に入力されるパルスは、T21の期間高電位VH2を継続する区間と、T22の期間低電位VL1を継続する区間とを周期T20で繰り返している。この間、画素40wの画素電極35wには、低電位VL1が入力され、黒色表示する画素40bの画素電極35bには、高電位VH2が入力される。第2のモードの画像書換え期間はT25の期間継続される。
なお、画像書換え期間において画素40w、40bにかかる負荷を均一にするためには、期間T21と期間T22とが同じであることが好ましい。
この第3の方法は、第1の方法と第2の方法とを組み合わせた方法であるので、電気泳動素子32にかかる負荷は最も少なくなっている。
電気泳動表示装置では、所定の時間ごとに表示画像の再書き込みを行っている。電気泳動表示装置では、画像が表示されて電圧印加が行われなくなると、重力などの影響によって電気泳動粒子が動くことがある。この現象が進むと、表示画像のコントラストが低下し、表示画像がぼやけてしまう。この問題を回避するために、電気泳動表示装置では、所定の時間ごとに、リフレッシュ動作やリストア動作による表示画像の再書き込みを行っている。
本実施形態の電気泳動表示装置5では、駆動モードが第2のモードに切り替わると、リフレッシュ動作やリストア動作も第2のモードで駆動されるようになっている。これにより、電気泳動素子32への負荷を抑えながら表示画像を再書き込みできるようにしている。
(第3のモード)
次に、第3のモードに係る駆動方法について説明する。第3のモードに移行するには、以下で述べる3通りの駆動方法がある。
まず、第1の方法は、ステップ106に移行すると、表示領域5Bへの電圧印加を停止し書換え動作を行わないようにすることで、第3のモードに切り替わる方法である。この場合には、表示領域5Bには、書換えを停止する直前の画像が表示されている。
次に、第2の方法は、ステップ106に移行すると、図7のメモリ73から、単一色の画像データを読み出し、表示領域5Bに表示させたあと、表示領域5Bへの電圧印加を停止し、書換え動作を行わないようにすることで、第3のモードに切り替わる方法である。この場合には、表示領域5Bには、単一色が表示されている。単一色の中では、白色が表示されていることが好ましい。これは、白色であれば光の反射率が高いので、電気泳動表示装置5の温度上昇を抑えることができるからである。なお、白色でなくても、光の反射率が高い色であればよい。
次に、第3の方法は、ステップ106に移行すると、許容使用温度を超えていることを使用者に知らせる画像を図7のメモリ73から読み出し、表示領域5Bに表示させる。そのあと、表示領域5Bへの電圧印加を停止し、書換え動作を行わないようにすることで第3のモードに切り替わる方法である。この場合、例えば「許容使用温度を超えていますので、自動的に動作を停止しました。」などの許容使用温度を超えているという内容のメッセージが表示される。なお、表示領域5Bにメッセージを表示することのほかに、LEDを点灯させるなどの手段により、使用者に許容使用温度を超えていることを知らせるようにしてもよい。
第3のモードでは、前述したリフレッシュ動作やリストア動作は行われない。これにより、表示画像の再書き込みは行われないが、電気泳動素子32への負荷を低減している。
以上、第1、第2、第3のモードについて説明したが、このような駆動方法を備えた電気泳動表示装置5は、以下の効果を得ることができる。
まず、温度センサ80を配置し、測定した温度によって、適切な駆動モードに変えられるようにしたことで、高温状態における電気泳動素子32の負荷を低減することができる。これにより、動作しないマイクロカプセル24の発生数を抑えることができる。したがって第1のモード(常温)に戻った場合でも、表示能力を低下させず、寿命を延ばし信頼性に優れた電気泳動表示装置5とすることができる。
第3のモードへ切り替わるときに、書換え動作を停止することや、許容使用温度以上であることを表示させることで、使用者に警告を与えることができる。
第3のモードに移行するときに、表示領域5Bの全面に白色を表示できるようにすることで、光の反射率を高め電気泳動素子32の温度上昇を抑えることが可能なので、例えば直射日光に曝されても温度上昇による電気泳動素子32の劣化を抑えることができる。したがって、寿命を延ばし信頼性に優れた電気泳動表示装置5とすることができる。
第3のモードに移行するときに、表示領域5Bに許容使用温度を表示することができるので、高温放置であることを使用者に伝えることができる。また、使用者に警告を与えることができる。
リフレッシュ動作やリストア動作を第2のモード、あるいは第3のモードに切り替えることができるので、高温状態で動作させることによる電気泳動素子32の負荷を抑えることができる。これにより、電気泳動素子32の劣化を抑え、寿命を延ばすことができる。したがって、信頼性に優れた電気泳動表示装置5とすることができる。
(第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例について説明する。図12は、第1の変形例に係る表示画像の変化を示す図である。
第1の変形例における電気泳動表示装置は、前述の電気泳動表示装置5と異なり、図12(a)に示されるような矩形状の表示領域5Bを備えている。また、表示領域5Bには、背景画像151、152、153と、分針154と、時針155とが表示されている。特に、本変形例では、分針154及び時針155が表示領域5Bの複数の画素によって表示されており、図2における分針22及び時針23などの機構は備えていない。
また、本変形例では、図9のステップ103おいて、前述した方法とは異なる3つの駆動方法を用いている。
第1の方法は、温度上昇のしやすい黒系の画像を、熱吸収しにくい白系の画像に変更する方法である。この方法で駆動させると、カラー表示あるいは黒色などの熱吸収しやすい色で表示されている背景画像151、152、153は(図12(a))、グレーなどの白色の比率が高い色に変更される(図12(b))。また、分針154及び時針155の色も同様に、グレーなどの白色の比率が高い色に変更させることも可能である(図12(c))。これにより、表示領域5Bにおいて熱吸収しにくくなるので、温度上昇を抑えることができる。
第2の方法としては、黒系の画像を、白系の画像に変更し、さらに黒系の画像へ変更する反転表示を行う方法である。この方法で駆動させると、表示領域5Bでは黒色の比率が高い色で表示されている画像が(図12(d))、白色の比率が高い色に切り替えられ(図12(e))、さらに黒色の比率が高い元の画像に戻される(図12(f))。
これにより、白色の比率が高い色に切り替えられているときは、表示領域5Bにおいて熱吸収しにくくなっているので、温度上昇が抑えられる。また、この動作を繰り返すことで、同じ色が連続して表示されないので、画像の焼き付きを防止することができる。
第3の方法は、熱吸収しやすい領域を縮小ないし移動する方法である。本変形例では、背景画像153に黒色で表示されている文字160の大きさを縮小する、あるいは他の領域に表示する。第1のモードで表示されていた黒色の文字列160は(図12(g))、第2のモードに切り替わることで、小さい文字列160aで表示されるようになる(図12(h))。この動作により、表示される文字サイズが小さくなるので、文字列160aにおける温度上昇を抑えることが可能となる。
また、図12(i)に示すように、背景画像151に文字列160aを移動させてもよい。これにより、文字列160aの表示位置が変わるので、特定の位置における温度上昇を抑えることができる。さらに、同一画像を連続して表示することで発生する、文字の焼き付きを防止することができる。
これらの駆動方法を採用することで、温度上昇を抑え電気泳動素子の劣化を抑えることができるので、寿命を延ばし、信頼性に優れた電気泳動表示装置とすることができる。
(第2の変形例)
図13は、本実施形態の第2の変形例に係るフローチャート図である。図13に示すように、本変形例における電気泳動表示装置の駆動方法は、温度データを取得するステップ101と、基準値に基づいて温度データを判定するステップ102と、第3のモードで駆動するステップ106と、第1のモードで駆動するステップ107とを備えている。図13を用いて第2の変形例に係るフローチャートについて説明する。
まず、ステップ101で温度データを取得したあと、ステップ102へ進み温度データが第1のしきい値を超えているかどうかを判定する。温度データが第1のしきい値以上であれば、ステップ106へ進み直接第3のモードに切り替わる。一方、温度データが第1のしきい値未満のときは、ステップ107へ進む。ステップ107からは、ステップ101、ステップ102へと進み、温度データの判定を行っている。
第3のモードに切り替わると、ステップ106から、ステップ101、ステップ102へと順次進み、温度データの判定を行っている。
このように電気泳動表示装置を駆動すると、第2のモードで駆動することによる電気泳動素子への負担がなくなるので、寿命を延ばすことができる。したがって信頼性に優れた電気泳動表示装置とすることができる。
また、前記実施形態および各変形例においては「第1のしきい値」を50〜55℃、「第2のしきい値」を58〜62℃と、それぞれ範囲を持って温度設定していたが、第1、第2のしきい値は、範囲を持たない1点の温度値であっても良い。この場合、第1のしきい値は50〜55℃における1点の温度、第2のしきい値は58〜62℃における1点の温度を用いることが望ましいが、電気泳動素子32(図4)を構成するマイクロカプセル24、電気泳動分散液25、黒色粒子26、及び白色粒子27の種類、あるいは電気泳動分散液25、黒色粒子26、及び白色粒子27の配合度合いによって適切な値に定めても良い。
このように第1、第2のしきい値を設定しても、電気泳動素子32の劣化を抑え、寿命を延ばすことができる。したがって、信頼性に優れた電気泳動表示装置とすることができる。
[電子機器]
次に、本発明の電気泳動表示装置を、時計1以外の電子機器に適用した場合について説明する。図14は電子ペーパー300の構成を示す斜視図である。電子ペーパー300は、本発明の電気泳動表示装置を表示領域301として備えている。電子ペーパー300は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書換え可能なシートからなる本体302を備えて構成されている。
また、図15は、電子ノート400の構成を示す斜視図である。電子ノート400は、図14で示した電子ペーパー300が複数枚束ねられ、カバー401に挟まれているものである。カバー401は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
電子ペーパー300、及び電子ノート400に本発明の電気泳動表示装置を備えることで、高温に曝されても動作モードを自在に変えることができるので、電気泳動表示装置内の電気泳動素子への負荷を抑えることができる。これにより、寿命を延ばし、信頼性に優れた電子ペーパー300、及び電子ノート400とすることができる。
これらの他に、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示領域に、本発明の電気泳動表示装置を採用することができる。
これにより、電気泳動素子への負荷を抑えることができるので、寿命を延ばし、信頼性に優れた電子機器とすることができる。
腕時計1の正面図である。 腕時計1の側断面図である。 電気泳動表示装置5の断面図である。 電気泳動素子32の動作を説明する模式図である。 電気泳動表示装置5の平面模式図である。 画素40の回路図である。 電気泳動表示装置5の回路ブロック図である。 高温放置の試験結果を示す図である。 電気泳動表示装置5のフローチャート図である。 第1のモードを説明するタイミングチャート図である。 第2のモードを説明するタイミングチャート図である。 第1の変形例に係る表示画像を示す図である。 第2の変形例のフローチャート図である。 電子ペーパー300の斜視図である。 電子ノート400の斜視図である。
符号の説明
1…時計、5…電気泳動表示装置、5B…表示領域、24…マイクロカプセル、32…電気泳動素子、40…画素、60…表示領域制御ドライバ、61…走査線駆動回路、62…データ線駆動回路、70…駆動装置、71…表示制御回路、72…表示書換え回路、73…メモリ、80…温度センサ、101…ステップ、102…ステップ、103…ステップ、104…ステップ、105…ステップ、106…ステップ、107…ステップ、300…電子ペーパー、400…電子ノート

Claims (13)

  1. 対向する基板間で挟持され、帯電した電気泳動粒子を有する電気泳動素子と、前記電気泳動素子を駆動する駆動装置と、前記駆動装置と接続された温度センサと、を備えた電気泳動表示装置であって、
    前記温度センサの温度が第1のしきい値以上になると、前記駆動装置は、画像の書換え動作に係る動作モードを通常使用温度における第1のモードから、前記第1のモードと比較して、前記電気泳動素子への印加電圧を低下させた、又は前記電気泳動素子へ電圧を印加する期間を短縮させた第2のモードへ切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 請求項1に記載の電気泳動表示装置において、
    前記第1のしきい値は、50℃以上55℃以下であることを特徴とする電気泳動表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置において、
    前記温度センサの温度が第1のしきい値以上になると、前記駆動装置は、画像の再書き込みに係る動作モードを、第1のモードから第2のモードに切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電気泳動表示装置において、
    前記温度センサの前記温度が、前記第1のしきい値よりも高い第2のしきい値以上になると、前記駆動装置は、前記動作モードを前記第2のモードから、前記電気泳動素子への電圧印加を停止する第3のモードへ切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  5. 請求項4に記載の電気泳動表示装置において、
    前記第2のしきい値は、58℃以上62℃以下であることを特徴とする電気泳動表示装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の電気泳動表示装置において、
    前記第3のモードにおける前記電気泳動素子には、前記第2のモードから前記第3のモードに切り替わる直前の画像が表示されていることを特徴とする電気泳動表示装置。
  7. 請求項4又は請求項5に記載の電気泳動表示装置において、
    前記駆動装置は所定のデータが記憶された記憶装置を備えており、前記駆動回路は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第3のモードへ切り替える直前に、前記記憶回路から読み出した前記所定の画像を前記電気泳動素子に表示させることを特徴とする電気泳動表示装置。
  8. 請求項7に記載の電気泳動表示装置において、
    前記所定のデータは、単一色の画像データであることを特徴とする電気泳動表示装置。
  9. 請求項7に記載の電気泳動表示装置において、
    前記所定のデータは、許容使用温度を超えていることを示すデータであることを特徴とする電気泳動表示装置。
  10. 請求項4から請求項9の何れか1項に記載の電気泳動表示装置において、
    前記温度センサの温度が第2のしきい値以上になると、前記駆動装置は、画像の再書き込みに係る動作モードを、第2のモードから第3のモードに切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  11. 請求項1から請求項3に何れか1項に記載の電気泳動表示装置において、
    前記温度センサの前記温度が前記第1のしきい値未満になると、前記駆動装置は、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  12. 請求項4又は請求項10に記載の電気泳動表示装置において、
    前記温度センサの前記温度が前記第2のしきい値未満になると、前記駆動装置は、前記動作モードを前記第3のモードから前記第2のモードへ切り替えることを特徴とする電気泳動表示装置。
  13. 請求項1から請求項12の何れか1項に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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