JP2009020270A - 表示媒体、表示装置および表示方法 - Google Patents

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由賀 伊藤
Takashi Matsubara
崇史 松原
Kazuhiko Hirokawa
一彦 廣川
Masashi Hasegawa
真史 長谷川
Tomoko Miyahara
知子 宮原
Kazunori Anazawa
一則 穴澤
Kazunaga Horiuchi
一永 堀内
Taminori Den
民権 田
Makoto Furuki
真 古木
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Abstract

【課題】幅広い色調の色が表示できる表示媒体を提供すること。
【解決手段】透明電極が設けられた透光性を有する第1基板、第1基板の透明電極が設けられた面側に対向配置された第2基板、第1、第2基板間に配置され、式1〜3を満たす2種の金属イオンと溶媒を含む電解液および対向電極を備えた表示媒体。
・式1 R1(X)<R2(X) (Vc<X≦V1)
・式2 R1(X)=R2(X) (X=Vc)
・式3 R1(X)>R2(X) (Vlow≦X<Vc)
〔式1〜3中、R1(X)、R2(X)は電解液にX(V)の電圧が印加された際の一方の金属イオンおよび他方の金属イオンの析出速度、Vlowは溶媒の電位窓の下限値(V)、V1、V2は一方の金属イオン、他方の金属イオンの酸化還元電位(V)であり、V1<V2、Vlow<Vc<V1である。〕
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体、表示装置および表示方法に関するものである。
繰り返し書き換え可能な表示媒体としては、2色に塗り分けられた粒子を回転させて表示を行う表示媒体や、粒子の電気泳動などを利用した表示媒体、また、メモリ性を有する液晶を利用した表示媒体などが知られている。
この他にも銀塩溶液の電解液を利用して、電界印加や光照射により銀などの金属を析出・溶解させて表示する方式を採用した表示媒体も提案されている(例えば、特許文献1、2等参照)。
上述した技術を利用した表示媒体を電子ペーパー等の用途で利用することを考慮した場合、基本的には白黒表示が最も重要であるが、見栄えの良さやより多彩な表現が可能であることからカラー表示ができることも重要である。
カラー表示に関しては、例えば、特許文献1,2に示した電解液と電界印加とを組み合わせて利用する方式では、カラーフィルターを利用すれば多様なカラー表示を行うことができる。
これに対して、電解液中の金属を析出・溶解させて表示する方式の表示媒体において、カラーフィルターを用いることなく発色濃度の高いカラー表示が可能な表示媒体も提案されている(特許文献3参照)。この技術を採用した表示媒体では、金属微粒子のプラズモン発色を利用して表示するもので、表示する色の種類は、金属微粒子の粒径によって制御される。この技術では、表示される色が鮮明となるように、金属微粒子の粒度分布が所定の範囲内となるように制御している。
一方、金と銀とを含む合金からなるナノパーティクルでは、金−銀の組成比を変えてやることにより発色が変化することも知られている(非特許文献1参照)
特開2000−338528号公報 特開2005−92183号公報 特開2007−011260号公報 J.Phys.Chem.B,1999,103,3529−3533
本発明は、電解液から析出させた金属粒子の組成比を制御することにより幅広い色調の色を表示することができる表示方法、並びに、これを用いた表示媒体および表示装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係わる発明は、
片面に透明電極が設けられた透光性を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記透明電極が設けられた面側に対向するように配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間隙を満たすように配置され且つ下式(1)〜(3)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを含む電解液と、
前記透明電極と絶縁され且つ前記電解液と接する位置に配置された対向電極と、を少なくとも備えたことを特徴とする表示媒体である。
・式(1) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
・式(2) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
・式(3) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
〔式(1)〜式(3)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオンの析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオンの析出速度を表す。
また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。〕
請求項2に係わる発明は、
片面に透明電極が設けられた透光性を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記透明電極が設けられた面側に対向するように配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間隙を満たすように配置され且つ下式(4)〜(6)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを含む電解液と、
前記透明電極と絶縁され且つ前記電解液と接する位置に配置された対向電極と、
前記透明電極および前記対向電極に接続され、前記電解液に電界を印加する電界印加手段と、を少なくとも備えたことを特徴とする表示装置である。
・式(4) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
・式(5) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
・式(6) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
〔式(4)〜式(6)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオンの析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオンの析出速度を表す。
また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表す。
また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。〕
請求項3に係わる発明は、
下式(7)〜(9)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを少なくとも含む電解液に対して、一の電気的刺激を付与することにより、
固体表面に、前記2種類の金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属粒子を析出させる金属粒子析出工程を経て一の画像を表示することを特徴とする表示方法である。
・式(7) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
・式(8) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
・式(9) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
〔式(7)〜式(9)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオンの析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオンの析出速度を表す。
また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。〕
請求項4に係わる発明は、
他の電気的刺激を付与することにより、前記固体表面に析出した金属粒子のうち少なくとも一部の金属粒子を前記電解液中に溶解させる金属粒子溶解工程を経て他の画像を表示する請求項3に記載の表示方法である。
以上に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電解液から析出させた金属粒子の組成比を制御することにより幅広い色調の色を表示することができる表示媒体を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電解液から析出させた金属粒子の組成比を制御することにより幅広い色調の色を表示することができる表示装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電解液から析出させた金属粒子の組成比を制御することにより幅広い色調の色を表示することができる表示方法を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、様々な画像を切り替えて表示することより容易な表示方法を提供することができる。
(表示方法)
本発明の表示方法は、下式(1)〜(3)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを少なくとも含む電解液に対して、一の電気的刺激を付与することにより、固体表面に、前記2種類の金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属粒子を析出させる金属粒子析出工程を経て一の画像を表示することを特徴とする。
・式(1) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
・式(2) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
・式(3) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
ここで、式(1)〜式(3)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオン(以下、「第1の金属イオン」と称する場合があり、還元された状態のものは「第1の金属」と称する場合がある)の析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオン(以下、「第2の金属イオン」と称する場合があり、還元された状態のものは「第2の金属」と称する場合がある)の析出速度を表す。
なお、析出速度の単位は、厳密にはg/minなどの単位時間当たりの金属析出量で表されるものであるが、R1(X)とR2(X)とを比較する上で、両者を同次元で客観的に比較できるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、単位時間当たりの金属析出量と相関関係にある電流量(A)を採用することができるし、同じ粒径サイズの金属粒子が固体表面に析出する場合には、単位面積当たりに析出する金属粒子の数(個/μm)を採用することができるし、同じ孔径を有する直線状の孔中に金属を柱状粒子として析出させる場合には、孔に析出した柱状金属粒子の単位時間当たりの孔軸方向成長長さ(μm/sec)を採用することができる。
また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。
このため、電圧XがV1以下で第1の金属イオンの析出が起こり、電圧XがV2以下で第2の金属イオンの析出が起こることになる。
なお、電解液中には、2種類以上の溶媒が含まれていてもよいが、この場合の電位窓の下限値は、溶媒毎に複数存在することになる。この場合、Vlowは、複数の電位窓の下限値のうち、最も大きい値を意味する。
図1は、金属粒子中の2種類の金属の組成比変化を利用した本発明の表示方法の原理を説明するためのグラフであり、具体的には、電解液に電気的刺激が付与された際の、電圧と金属イオンの析出速度との関係を示すグラフである。ここで、図中、横軸は電圧を表し、横軸は電解液中の金属イオンが金属粒子として析出する際の析出速度を表し、図中に示される各種の記号は、式(1)〜式(3)に示したものと同様である。
図1に示すように、電圧Xが、Vc<X≦V1の場合は式(1)を満され、X=Vcの場合は式(2)が満たされ、Vlow≦X<Vcの場合は式(3)が満たされている。
このため、例えば、電解液に付与される電気的刺激の電圧XがVc<X≦V1の場合に析出した金属粒子と、電解液に付与される電気的刺激の電圧XがVlow≦X<Vcの場合に析出した金属粒子とを比較した場合、前者の金属粒子よりも後者の金属粒子の方が、
第2の金属に対して第1の金属をより多く含む組成を有することになる。
このように、金属粒子を析出させる際の電圧Xを、VlowからV1の範囲内で選択することにより、電界液から析出した金属粒子中に含まれる第1の金属と第2の金属との比率を調整することができ、電圧Xを大きい側(V1)から小さい側(Vlow)へとシフトさせることにより、第2の金属に対して第1の金属の含有割合を大きい方向に制御できる。
それゆえ、本発明では、金属粒子を析出させる際の電圧Xを、VlowからV1の範囲内で選択した場合には、析出した金属粒子中の2種類の金属の組成比を大きく変化させることができるため、組成比の変化に応じた色が表示できる。
なお、組成比の変化に応じた色の表示が可能という点では、例えば、R1(X)とR2(X)とが図2に示す関係を有する場合も同様であると考えられる。
図2は、金属粒子中の2種類の金属の組成比変化を利用した他の表示方法の原理を説明するためのグラフであり、具体的には、電解液に電気的刺激が付与された際の、電圧と金属イオンの析出速度との関係を示すグラフであり、図中に示す各種記号は図1に示すものと同様である。
図2に示す例では、電圧Xが、Vlow≦X≦V1なる範囲においてR2(X)>R1(X)関係を満たすものの、電圧Xが大きい側(V1)から小さい側(Vlow)へとシフトすると、析出速度R2(X)に対して析出速度R1(X)が相対的に大きくなる場合を示している。
それゆえ、図2に示す場合においても、金属粒子を析出させる際の電圧Xを、VlowからV1の範囲内で選択することにより、電界液から析出した金属粒子中に含まれる第1の金属と第2の金属との比率を調整することができ、電圧Xを大きい側(V1)から小さい側(Vlow)へとシフトさせることにより、第2の金属に対して第1の金属の含有割合を大きい方向に制御できる。
このため、図2に示す場合においても、原理的には、組成比の変化に応じた色の表示が可能である。しかし、電圧VlowからV1の範囲全てにおいて、常に、析出速度R2(X)は析出速度R1(X)よりも大きい関係にある。それゆえ、電界液から析出した金属粒子中に含まれる第1の金属に対して第2の金属の割合の方が常に多くなり、幅広い色調の色を表示することは困難である。
一方、本発明では、電圧Vcを境にして、析出速度R1(X)の値と析出速度R2(X)の値とが逆転する関係にある。このため、図2に示した場合と比較して、電圧XをVlowからV1の範囲内で変化させた場合に、析出した金属粒子中の2種類の金属の組成比変化をより大きくすることができるため、幅広い色調の色を表示することができる。
ここで、電圧VlowにおけるR1(X)とR2(X)との比率;R1(Vlow)/R2(Vlow)が、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。一方、R1(Vlow)/R2(Vlow)が2未満では、電圧XをVlowからV1の範囲内で変化させた場合に、析出した金属粒子中の2種類の金属の組成比変化を大きくし難くなるので、幅広い色調の色の表示が困難となる場合がある。
一方、R1(Vlow)/R2(Vlow)の上限は特に限定されないが、実用上は9以下であることが好ましい。
なお、R1(X)、R2(X)の値は、使用する2種類の金属イオンの組み合わせや、電解液中での濃度を選択することにより制御することができる。
また、Vcの下限値は、Vlowを超えていればよいが、Vlow+(V1−Vlow)×(40/100)以上であることが好ましく、Vlow+(V1−Vlow)×(50/100)以上であることがより好ましい。
VcがVlow+(V1−Vlow)×(40/100)未満では、電圧XをVlowからV1の範囲内で変化させた場合に、析出した金属粒子中の2種類の金属の組成比変化を大きくし難くなるので、幅広い色調の色の表示が困難となる場合がある。
一方、Vcの上限値は、V1未満であればよいが、材料入手の容易さなどの実用上の観点からはVlow+(V1−Vlow)×(70/100)以下であることが好ましい。
なお、電解液中には、式(1)〜(3)を満たす2種類の金属イオンが、2組以上含まれていてもよい。この場合、より幅広い色調の色を表示することができる。
例えば、電解液中に、第1の金属イオンと、第2の金属イオンと、第3の金属イオンとが含まれる場合に、第1の金属イオンと第2の金属イオンとの組み合わせが式(1)〜(3)を満たすのみならず、更に、第2の金属イオンと第3の金属イオンとの組み合わせや、第1の金属イオンと第3の金属イオンとの組み合わせにおいても式(1)〜(3)の関係が満たされていてもよい。
また、少なくとも1回の金属粒子析出工程を実施した場合、固体表面に金属粒子が析出して一の画像が表示されるが、一の画像と異なる他の画像を表示する上では、他の電気的刺激を付与することにより、固体表面に析出した金属粒子のうち少なくとも一部の金属粒子を前記電解液中に溶解させる金属粒子溶解工程を実施することが好ましい。
金属粒子溶解工程を実施することにより他の画像も表示することができるため、金属粒子析出工程と金属粒子溶解工程とを組み合わせて実施することにより様々な画像を切り替えて表示することより容易である。
なお、金属粒子を析出させる固体表面は、電解液に対して電気的刺激を付与するために、少なくとも電極としての機能を有していることが必要であり、通常は平坦な面を有する電極(特にITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電性材料から構成される透明電極)が用いられる。
しかし、この場合、平坦面に析出した金属粒子は等方的に成長するため、金属粒子に起因する発色は、金属粒子中に含まれる式(1)〜式(3)の関係を満たす2種類の金属の組成比の他に金属粒子の粒径にも左右されることになるため、表示色の制御が複雑となる場合がある。
このような観点からは、固体表面に、固体表面側から一方向に直線状に貫通する貫通孔を有する部材を配置しておくことが好ましい。これにより、固体表面には常に、貫通孔の最大径に等しいサイズの柱状金属粒子を析出させることができるため、金属粒子の粒径に起因した色調変動を抑制することができる。それゆえ、表示色が、主に金属粒子中に含まれる式(1)〜式(3)の関係を満たす2種類の金属の組成比の調整により制御できるため、表示色の制御がより容易となる。
なお、貫通孔に析出する柱状金属粒子の発色スペクトルは、柱状金属粒子の短軸方向成分に起因するスペクトル成分と、柱状金属粒子の長軸方向成分に起因するスペクトル成分とから構成されるため、複数の柱状金属粒子が一方向に配向している場合には、柱状金属粒子をどの方向から視認するかによって、発色が異なるという特徴を有する。また、貫通孔中の柱状金属粒子の長軸方向の長さは析出度合いによって様々に異なってくるため、長軸方向成分に起因するスペクトル成分は変化することになる。
それゆえ、上述した事情や、固体表面に析出した個々の金属粒子の発色に起因して形成された画像が、一般的には、固体表面と略垂直な方向から視認される機会が多いことを考慮すれば、貫通孔は、貫通孔の中心軸が固体表面と垂直に交わるように設けられていることがより好ましい。
この場合、貫通孔中の柱状金属粒子の長軸方向の長さが析出度合いによって様々に異なったとしても、固体表面と略垂直な方向から視認する限りにおいては、柱状金属粒子の短軸方向成分に起因するスペクトル成分に起因する発色のみが確認されることになる。それゆえ、表示色が、金属粒子中に含まれる式(1)〜式(3)の関係を満たす2種類の金属の組成比の調整のみによって実質的に制御できることになり、表示色の制御が更に容易となる。
平坦な固体表面に金属粒子を析出させる場合、その体積平均粒径は1nm以上100nm以下の範囲内が好ましい。体積平均粒径が1nm以上100nm以下の範囲を外れる場合には金属粒子のプラズモン吸収に起因する発色が困難となる場合がある。
なお、体積平均粒径はより好適には2nm以上50nm以下の範囲内である。この場合、その粒径範囲においてプラズモン吸収のピーク波長が可視光域(380nm以上600nm以下)内に収まる金属が多い上に、析出時の応答時間の短縮及び消費電力の低減などの効果も期待できる。
また、貫通孔を有する部材を用いる場合、上記と同様の観点から、貫通孔の平均孔径は1nm以上100nm以下が好ましく、2nm以上50nm以下が好ましい。
なお、体積平均粒径は、固体表面に析出した金属粒子や、貫通孔を電子顕微鏡で観察し、200個の金属粒子の粒径(又は貫通孔の孔径)の平均値として求めた値を意味する。
(表示媒体および表示装置)
−表示媒体−
次に、本発明の表示方法を利用した表示媒体について説明する。本発明の表示媒体は、本発明の表示方法が実施可能な構成を有するものであればその構成は特に限定されるものではないが、実用上は以下に示す構成を有することが好適である。
すなわち、本発明の表示媒体は、片面に透明電極が設けられた透光性を有する第1の基板と、前記第1の基板の前記透明電極が設けられた面側に対向するように配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間隙を満たすように配置され且つ既述した式(1)〜(3)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを含む電解液と、前記透明電極と絶縁され且つ前記電解液と接する位置に配置された対向電極と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
なお、対向電極は、透明電極と絶縁され且つ電解液と接する位置に配置されるのであれば、表示媒体中の任意の位置に配置することができる。しかし、対向電極は、通常は、第2の基板の第1の基板が設けられた側の面に配置されていることが好ましい。以下、説明の都合上、特に説明が無い限り、対向電極が、第2基板の第1の基板が設けられた側の面に配置されていることを前提として説明する。
ここで、画像の表示に際しては、金属粒子は、透明電極表面に析出させてもよいし、対向電極表面に析出させてもよいが、通常は、透明電極表面に析出させることが好ましい。
また、表示色の制御を容易とする観点からは、透明電極表面に配置され、透明電極表面側から一方向に直線状に貫通する貫通孔を有する部材が設けられていることが好ましい。
この場合、表示色の制御を更に容易とする観点からは、第1の基板の透明電極が配置された側の面の反対側の面と、全ての貫通孔の孔軸(中心軸)と、の成す角度(以下、「孔軸角度」と称す場合がある)が、80度以上90度以下の範囲内であることが好ましく、85度以上90度以下の範囲内であることがより好ましく、90度であることが最も好ましい。
また、貫通孔の最大孔径に対する貫通孔長さの比(アスペクト比)は特に限定されないが、2以上200以下の範囲であることが好ましく、10以上100以下であることがより好ましい。アスペクト比が2未満の場合には、アスペクト比が1前後の金属粒子を析出させた場合と同程度の発色濃度しか得られない場合があり、形成された画像の発色濃度が不十分となってしまう場合がある。
一方、貫通孔のアスペクト比の上限は特に限定されるものではないが、実用上は100以下であることが好ましい。
また、表示媒体平面方向の一部のエリアのみの表示を他のエリアに対して独立して制御できるように、電極を分割して設けたり、一対の基板間に隔壁を設けたりすることができる。この表示が独立して制御される領域(以下、「単位領域」と称す場合がある)は、これをそのまま一画素として機能させてもよいし、2つ以上の単位領域を組み合わせて一画素として機能させてもよい。
次に、表示媒体を構成する各部材についてより詳細に説明する。
−電解液−
電解液は、溶媒と、既述した式(1)〜式(3)の関係を満たす2種類の金属イオンとを含むものであれば特に限定されないが、この他にも必要に応じて種々の材料が含まれていてもよい。
まず、金属イオン(又は金属)としては、電気化学的な酸化反応により金属がイオン化して溶解、及び、電気化学的な還元反応により金属イオンが金属として析出するものであれば公知のものが利用でき、例えば、金イオン、銀イオン、銅イオン、白金イオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、ニッケルイオン、鉄イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、鉛イオン、クロムイオン、スズイオンなどが挙げられる。
これに対して、金属イオンのカウンターイオンとしては、電解液に対して電界を付与しない限り電解液中で金属イオンがイオン状態で安定に存在できるものであれば特に限定されないが、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ブロムイオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、ホウフッ化イオン等を挙げることができる。また、電解液中の金属イオン濃度としては電解液の安定性、発色濃度の確保、電界を付与してから画像が表示されるまでの応答速度等の観点から0.001mol/l以上5mol/l以下の範囲内であることが好ましい。
なお、金属イオンとしては、上記に列挙した中でも金イオンや銀イオンが好ましい。この場合、電解液の作製に際して溶媒に添加する金イオン化合物としては、塩化金酸、塩化金酸ナトリウム、金チオ硫酸ナトリウム、塩化金ナトリウム、亜硫酸金ナトリウムなどが挙げられ、銀イオン化合物としては、ハロゲン化銀、硝酸銀、などが挙げられる。
また、記述した式(1)〜式(3)の関係を満たすことが可能な2種類の金属イオンの組み合わせとしては、使用する溶媒などにも依存するものの、後述する溶媒の使用を考慮した場合は、金イオン(酸化還元電位=(価数,濃度や温度,溶媒によっても変わるので例えば)1.2Vvs.NHE)と銀イオン(酸化還元電位=0.2Vvs.NHE)との組み合わせ、パラジウムイオン(酸化還元電位=0.3Vvs.NHE)と銀イオン(酸化還元電位=0.2Vvs.NHE)との組み合わせ、白金イオン(酸化還元電位=2.6Vvs.NHE)と銀イオン(酸化還元電位=0.2Vvs.NHE)との組み合わせ、金イオン(酸化還元電位=1.2Vvs.NHE)と白金イオン(酸化還元電位=2.6Vvs.NHE)との組み合わせ等が挙げられ、金イオンと銀イオンの組み合わせが特に好ましい。
なお、この段落で示した各イオンの酸化還元電位は一例である。実際には、例えば、Ee=E0+(RT/nF)log(a0/aR)(ネルンストの式)等を用いることによって適宜酸化還元電位は求められる。このことは、例えば「化学便覧 基礎編 改定4版」(社団法人 日本化学会 丸善株式会社)のII−464ページを参照されたい。
一方、溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、その他の非水溶媒(有機溶媒等)などを1種類または2種類以上を組み合わせて利用できる。
非水溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、メチルピロリドン等、シリコーンオイル等の非プロトン性非水溶媒を上げることができる。
なお、電解液に使用する溶媒の電位窓(溶媒の電気分解が起こらない電位領域)の下限値(2種類以上の溶媒を利用する場合は最も大きい下限値を意味する)は、式(1)〜式(3)が満たせるように少なくともVc(V)未満であることが必要であるが、実用上の観点からは0Vvs.NHE以下が好ましく、−0.5Vvs.NHE以下がより好ましい。
また、電位窓の上限値(2種類以上の溶媒を利用する場合は最も小さい上限値を意味する)は、Vc(V)を超えていれば特に限定されないが、V1(V)以上であることが好ましく、V2(V)以上であることが特に好ましい。また、実用上の観点からは絶対値として、1.2Vvs.NHE以上が好ましく、1.5Vvs.NHE以上がより好ましい。
このような観点からは、溶媒としては、水(電位窓の下限値=0Vvs.NHE、上限値=1.2Vvs.NHE)、アセトニトリル(電位窓の下限値=−2.0Vvs.NHE、上限値=2.6Vvs.NHE)、プロピレンカーボネート(電位窓の下限値=―2.0Vvs.NHE、上限値=2.5Vvs.NHE)、ジメチルスルホキシド(電位窓の下限値=―1.4Vvs.NHE、上限値=2.1Vvs.NHE)、 イオン性液体(電位窓の下限値=−3.3Vvs.NHE、上限値=2.8Vvs.NHE)等を用いることが特に好ましい。
以上に例示した金属イオンと溶媒(但し、当該溶媒としては、電解液に2種類以上の溶媒を用いる場合は、電位窓の下限値が最も大きい溶媒を意味する)との最も好適な組み合わせとしては、式(1)〜式(3)を満たした上で、更に電圧を変化させた場合の金属粒子の組成変化をより大きくでき、広い範囲で電圧を変化させても溶媒の電気分解が起こり難しいなどの実用上の観点から、金属イオンとして金イオンおよび銀イオンと、溶媒として水との組み合わせや、金属イオンとして金イオンおよび銀イオンと、溶媒としてイオン性液体との組み合わせや、金属イオンとして白金イオンおよび銀イオンと、溶媒として水との組み合わせが挙げられる。
また、必要に応じて電解液に添加できるその他の添加剤としては、水溶性樹脂、界面活性剤、(金属として析出する)金属イオン以外の電解物質(例えば、アルカリ金属イオンなど)、ポリマー粒子、金属酸化物粒子等が利用できる。
水溶性樹脂としては、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ポリエチレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、等のポリマーを単独、あるいは、複数組み合わせて使用しても良い。
水溶性樹脂を溶媒中に溶解、もしくは、分散させることで、金属イオン、電解質イオンの移動速度の制御、析出した金属の安定化に寄与する。添加量は、界面活性剤種、及び、その添加量との関係を考慮して調整する。
また、析出させる金属粒子の安定化や、貫通孔を有する部材を用いない場合において金属粒子の粒子径の制御性を高めることなどを目的として、必要に応じて界面活性剤を利用することもできる。
界面活性剤種としては、カチオン型界面活性剤(アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等)、ノニオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等)、アニオン型界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルフホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、脂肪酸塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、β-ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等)、両性界面活性剤、等をから選択することができる。
また、電解液はゲル状であってもよい。電解液をゲル状とすることにより、表示媒体の一部が破損した場合でも、電解液が表示媒体外へ流失したり漏れたりすることを防ぐことが容易になる。なお、電解液をゲル状とするには、水溶性樹脂などを利用することができる。
−基板−
本発明に用いられる基板としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィンなどの高分子のフイルムや膜状基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等の無機基板などが好ましく用いられる。
ここで、透光性を有する(第1の)基板としては、上記に列挙した基板のうち、可視域の光に対する光透過率が少なくとも50%以上であるものが好適に利用でき、透光性を有する基板の光透過率は100%に近いほど好ましい。
また、第1の基板に対向配置される第2の基板としては、上記に列挙した基板から任意に選択できる。但し、透過型の表示媒体を作製する場合には、光透過率が少なくとも50%以上である透光性を有する基板が用いられる。
なお、第1の基板としては、ガラス基板や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる透明樹脂基板を用いることが好ましく、これらを組み合わせたものを用いてもよい。また、第2の基板としては、第1の基板と同じ材質のものを利用してもよいが、不透明あるいは着色した基板も 利用でき、たとえばABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)やガラスエポキシ樹脂などからなる樹脂基板を用いることができる。なお、第1の基板や第2の基板は、通常は基板の平面方向のいずれの位置においても板厚みが同じで、両面が平坦な平板状のものが用いられる。
また、本発明の表示媒体は可撓性を有していてもよいが、この場合、本発明の表示媒体を、電子ペーパーや携帯型電子機器等の可撓性が求められる用途に利用することがより容易となる。なお、この用途に本発明の表示媒体を用いる場合、第1の基板および第2の基板として可撓性を有する基板(プラスチック基板など)を用いることが特に望ましい。
さらに、第1の基板や第2の基板には、必要に応じて配線、薄膜トランジスタ、金属・絶縁層・金属構造を持つダイオード、バリアブルコンデンサ、強誘電体等の駆動用スイッチング素子を形成してもよい。
−電極−
本発明に用いられる透明電極や対向電極を構成する電極材料としては、公知の電極材料が利用でき、例えば、金、銀、銅、アルミニウム白金、クロム、コバルト、パラジウム等の金属、ITO等の導電性セラミックス、ポリフェニルビニレン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等の導電性材料(抵抗値:20Ωcm以下)が利用できる。
ここで、透明電極に用いられる電極材料としては、透明電極の可視域の光に対する光透過率を少なくとも50%以上に制御できるものを選択することが好適であり、代表的には、ITOなど透明な導電性材料が利用できるが、電極膜厚が薄い場合には、銅などの金属も利用できる。なお、透明電極の可視域の光に対する光透過率は100%に近いほど好ましい。
また、対向電極に用いられる電極材料としては、公知の電極材料であれば特に制限なく利用できるが、表示媒体が透過型である場合は、透明電極に用いられる電極材料と同様のものが利用される。
なお、対向電極は、通常、第2の基板の第1の基板が配置された側の面に設けられるが、この場合、透明電極および対向電極は、基板表面に帯状に設けることによって、第1の基板側の電極と第2の基板側の電極とが直交するように、いわゆる行と列とに電極を配置したものとしてもよい。
−貫通孔を有する部材−
本発明では、貫通孔を有する部材を、必要に応じて透明電極表面を被覆するように配置することができる。
透明電極表面への貫通孔を有する部材の配置・形成としては特に限定されるものではないが、例えば、透明電極表面に薄膜を形成した後、この薄膜表面から透明電極まで達する孔を形成する方法(第1の方法)や、予め膜厚方向に貫通する孔を有する部材を透明電極表面に配置する方法(第2の方法)などが利用できる。
第1の方法の例としては、透明電極表面にアルミニウム膜を蒸着法等の公知の成膜方法により形成した後、このアルミニウム膜を陽極酸化処理することによって、アルミニウム膜表面から透明電極表面にまで達する孔を設けることによって形成する方法などが挙げられる。この場合の貫通孔の孔径や、孔径分布、孔密度、アスペクト比等は、陽極酸化処理条件やアルミニウム膜の膜厚等を選択することにより制御できる。
また、第2の方法の例としては、ポリカーボネート等のフィルム部材に対して、中性子ビームなどのフィルム部材を構成する材料を分解・溶解等させるビームを照射して、フィルム部材の厚み方向に貫通する孔が設けられたフィルム部材を貫通孔を有する部材として透明電極表面に配置する方法が挙げられる。この場合の貫通孔の孔径や孔径分布、孔密度、アスペクト比等は、ビームの照射条件やフィルム部材の膜厚等を選択することにより制御できる。さらに、孔軸角度の制御を目的として、フィルム部材に対するビームの照射角度を選択することもできる。
なお、貫通孔を有する部材は、透明電極が設けられた領域全面を被覆するように配置される必要はないが、通常は、透明電極表面全面を被覆するように配置されることが好ましい。
また、貫通孔を有する部材を構成する材料としては、電解液により腐食しない材料であれば特に限定されるものではないが、貫通孔に析出する金属のアスペクト比の制御性を向上させるという観点からは、透明電極と導通することによって電極として機能しないものであることが特に好ましい。
−その他の部材−
本発明の表示媒体には、分散媒等の内容物の表示媒体外部への流出を防いだり、一対の基板間に封入される電解液を隔壁によって複数のセルに区分する場合ために、一対の基板間に隔壁が設けられることが特に好ましい。
この隔壁の高さは、特に限定されるものではないが、通常20μm以上1mm以下の範囲とすることが好ましい。また、隔壁の幅は、特に限定されるものではないが、表示媒体の解像度を向上させる観点からは、一般的には幅が小さい方が好ましく、通常は、10μm以上1mm以下の範囲とすることが好ましい。
また、隔壁の材料としては、絶縁性(抵抗値:1013Ωcm以上)を有すると共に電解液に対して溶解・腐食しない材料であれば特に限定されず、例えば、公知の感光性樹脂やゴムなどを用いることができる。
また、一対の基板間に封入される電解液を含む層を2以上のセルに分割するように隔壁を設けてもよい。この場合、隔壁により形成される個々のセルは、貫通孔中への金属の析出や、一旦析出した金属の溶解の制御がセル単位毎に行いやすくなる。また、隔壁を設けることにより、表示媒体の一部が破損しても、電解液の漏れや流失が破損箇所のみで収まるため、一部が破損しても表示媒体全体の機能が損なわれることを防止できる。
加えて、表示媒体の作製に際して、隔壁と基板とを接着するために、接着剤を利用することもできる。接着剤としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂、紫外光硬化性樹脂等を使用することができるが、隔壁の材料や、電解液を構成する材料等に影響を与えない材料が選択される。
更に、必要に応じて、一対の基板の間隙幅を一定に保つために、リブを設けたり、一対の基板の間隙幅と同程度の粒径を持ち、電解液や電界の付与によって腐食・劣化しない材料からなる粒子(間隙幅維持用粒子)を配置してもよい。
間隙幅維持用粒子の粒子径としては、1μm以上200μm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下が好ましい。また、この粒子の粒度分布は、狭いことが好ましく、単分散であることがより好ましい。粒子の色としては特に限定されないが、淡色が好ましく、白色が特に好ましい。粒子を構成する材料としては、樹脂やガラスなどが好ましい。更に粒子の表面には、電解液に対する分散性の向上や、電解液による腐食や溶解防止のために、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤で処理されることが好ましい。
−表示媒体の製造方法−
表示媒体の製造方法としては特に限定されないが、例えば以下のプロセスにより作製することができる。まず、片面に透明電極が予め形成された第1の基板と、片面に対向電極が形成された第2の基板を準備する。なお、第1の基板の透明電極が設けられた側の面には貫通孔を有する部材も設けておいてもよい。
続いて、第1の基板(又は第2の基板)の電極が設けられた側の面に画素に対応するように隔壁を形成した後、隔壁で区切られた画素に対応する溝部分に電解液を満たす。次に電極が形成された面同士が向き合うように第1の基板と第2の基板とを貼り合わせて、これら一対の基板の端面部分をゴムや樹脂等の封止剤により封止し表示媒体を得ることができる。なお、貼り合わせに際しては、必要であれば間隙幅維持用粒子を一対の基板間に配置してもよい。
−表示装置−
次に、以上に説明した表示媒体を用いた表示装置について説明する。この表示装置は、表示媒体内に設けられた透明電極および対向電極に接続され、電界液に電界を印加する電界印加手段を更に備えたものである。
よって、この表示装置により表示を行う場合には、表示媒体のように外部の電界印加手段と接続することなく表示を行うことができる。なお、電界印加手段としては、必要に応じて交流電源、直流電源のいずれも利用でき、一対の電極を介して電解液に交流電圧と直流電圧とを重畳して印加する場合には双方を併用することもできる。
−表示媒体の具体例−
次に、以上に説明した表示媒体の具体例を、図面を用いてより詳細に説明する。
図3は、本発明の表示媒体の一例を示す模式図であり、具体的には表示媒体の断面について示す模式断面図である。なお、図3中において、電界印加手段は記載を省略してある。
また、これら図中、10は表示媒体、100は第1の基板、102は表示面、200は第2の基板、310は透明電極、320は対向電極、500は電解液、600は隔壁を表す。
図3に示す表示媒体10は、片面に透明電極310が設けられた第1の基板100と、片面に対向電極320が配置され、対向電極320が設けられた側の面が第1の基板100の透明電極310が設けられた側の面と対向するように配置された第2の基板200と、第1の基板100と第2の基板200との間隙を充填するように封入された電解液500と、第1の基板100と第2の基板200との間隙に電解液500を所定のエリアに封入するように配置された隔壁600とから少なくとも構成されている。
但し、図3中において、電極310、320は不図示の電界印加手段に接続されており、これら一対の電極310、320を介して電解液500に対して電界を印加することができる。
また、図3に示す表示媒体10は、隔壁600で仕切られた1つのセル部分について示したものであるが、通常は、これらのセルを一単位領域又は一画素として2次元的に配置した態様で利用することができる。なお、以下の説明においては、説明の都合上、特に説明の無い限り、表示媒体10が一つのセルのみから構成されるものとして説明する。
ここで、図3に示す表示媒体10による画像の表示は、電極310、320間に電圧を印加して、透明電極310表面に金属粒子を析出させたり、一旦析出させた金属粒子を溶解させたりすることにより行われる。この際、表示媒体10を、第1の基板100の透明電極310が配置された面と反対側の面(表示面102)側から観察すると、表示媒体10に画像が表示されていることが確認される。
例えば、透明電極310側に印加される電圧がV2(V)を超える状態では金属粒子は析出しない/析出していた金属粒子は溶解するために、無地色(基板200や電極320に起因する色)が表示されることになる。
また、電圧がV1(V)以上V2(V)未満の範囲、電圧がVc(V)を超えV1(V)未満の範囲、および、電圧がVlow(V)を超えVc(V)未満の範囲で、透明電極310表面に、同じ体積平均粒径を有する金属粒子を析出させた場合、金属粒子中に含まれる2種類の金属組成比の変化に対応した発色が確認されることになる。
図4は、本発明の表示媒体の他の例を示す模式図であり、具体的には表示媒体の断面について示す模式断面図である。なお、図4中において、電界印加手段は記載を省略してある。また、これら図中、20は表示媒体、400は貫通孔を有する部材を表し、その他の符号で示される部材は、図3中に示したものと同様である。
図4に示される表示媒体20は、透明電極310の表面に貫通孔を有する部材400を設けた以外は図3に示される表示媒体10と同様の構成を有するものである。
また、図5は、図4に示す表示媒体の一部を拡大した拡大図であり、具体的には、図4中の符号Pで示される領域を拡大して示したものである。ここで、図5中、410は貫通孔を表し、その他の符号で示される部材は、図4中に示すものと同様である。また、符号A1−A2間に描かれた一点鎖線は貫通孔410の孔軸、θaは、表示面102と貫通孔410の孔軸との成す角度(孔軸角度;単位は「度」)を表す。
図5に示すように、表示媒体20中の全ての貫通孔410の孔軸と表示面102との成す角度θaが90度となるように貫通孔410が設けられている。また、個々の貫通孔410の孔径は、すべて同じである。
ここで、図4および図5に示す表示媒体10による画像の表示は、電極310、320間に電圧を印加して、貫通孔410中に柱状の金属粒子を析出させたり、一旦析出させた金属粒子を溶解させたりすることにより行われる。この際、表示媒体20を、第1の基板100の透明電極310が配置された面と反対側の面(表示面102)側から観察すると、表示媒体20に画像が表示されていることが確認される。
例えば、透明電極310側に印加される電圧がV2(V)を超える状態では金属粒子は析出しない/析出していた金属粒子は溶解するために、無地色(基板200や電極320、貫通孔を有する部材400に起因する色)が表示されることになる。
また、電圧がV1(V)以上V2(V)未満の範囲、電圧がVc(V)を超えV1(V)未満の範囲、および、電圧がVlow(V)を超えVc(V)未満の範囲で、透明電極310表面に、同じ体積平均粒径を有する金属粒子を析出させた場合、柱状の金属粒子中に含まれる2種類の金属組成比の変化に対応した発色が確認されることになる。
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の説明において、「V」は、NHEを0Vとしたときの電位差を表す。
(実施例1)
図4に例示する表示媒体と同様の構成を有する表示媒体を以下の手順で作製した。
まず、片面に透明電極として膜厚50μmのITO膜が設けられた第1のガラス基板(縦76mm×横26mm×厚み1mm)のITO膜表面に、アルミニウムを蒸着させて膜厚3μmのアルミニウム膜を成膜した。続いて、このアルミニウム膜を陽極酸化処理した。
なお、同じ条件で作製した観察用サンプルについて、陽極酸化処理後のアルミニウム膜表面および断面を走査型電子顕微鏡(日立社製、FE SEM S−4500)により確認したところ、アルミニウム膜には、アルミニウム膜表面からITO膜表面にまで達する円形の貫通孔が多数形成されていた。このアルミニウム膜に形成された貫通孔の平均孔径は、30nm、アスペクト比は100、孔密度は4×10個/mmであった。また、各々の貫通孔の孔径はほぼ同じであったことから、貫通孔の孔径分布は実質的に単分散であることがわかった。さらに、貫通孔は、その孔軸が第1のガラス基板のITO膜が設けられた側の面と反対側の面(基準面)とほぼ平行であったことから、孔軸角度が90度であることが判った。
次に、貫通孔の設けられたアルミニウム膜表面に、間隙幅維持用粒子として粒径1mmの粒子(ガラスビーズ)を配置し、更にこの上に、対向電極として膜厚15μmのPt膜が形成された第2のガラス基板(縦76mm×横26mm×厚み1mm)を電極面がアルミニウム膜面と対向するように配置し、一対の基板からなる積層体を得た。この際、一対の基板間に電解液を充填した。
使用した電解液は、AgNO;20mMと、HAuCl;0.1Mとを溶解させた塩酸溶液を用いた。この電解液中の塩酸の濃度はpH=2となるように調整した。
なお、Agの酸化還元電位は0.2V、Auの酸化還元電位は1.2V、水の電位窓の下限値は−0V、上限値は1.2Vである。
続いて、この積層体端面の全周を紫外線硬化樹脂((株)エイシア社製UVハード樹脂)により封止した後、紫外線を照射して硬化させることによって表示媒体を得た。なお、表示媒体の作製に際しては、電極に電流が流せるように適当な長さの引き出し配線を接続しておいた。
−析出速度(電流値)と電圧との関係の評価−
なお、上記表示媒体とは別に、AgイオンおよびAuイオンの析出速度を評価するために、上記電解液の代わりに、上記電解液と同濃度のAgイオンのみを含む電解液(AgNO;20mMを溶解させたpH=2の塩酸溶液)を用いた表示媒体(以下、「析出速度評価用媒体A」と称す)、および、上記電解液と同濃度のAuイオンのみを含む電解液(HAuCl;0.1Mを溶解させたpH=2の塩酸溶液)を用いた表示媒体(以下、「析出速度評価用媒体B」と称す)を別途準備した。
析出速度評価用媒体A,Bそれぞれに対して、Au電極を陽極、ITO電極を負極として、Vlow(=0V)からV1(=0.2V)の範囲で負極の電位を変化させ、この時の電流量(A)を測定して、電流量の値を析出速度として評価した。
その結果、電圧0.15V、0.10V、0.05Vにおいて、Agイオンの析出速度は、それぞれ0.2×10−5A、1.0×10−5A、2.0×10−5Aであり、Auイオンの析出速度は、それぞれ0.8×10−5A、1.0×10−5A、1.2×10−5Aであることがわかった。
すなわち、電圧が0.05Vでは、Agイオンの析出速度>Auイオンの析出速度であり、電圧が0.10Vでは、Agイオンの析出速度=Auイオンの析出速度であり、電圧が0.15Vでは、Agイオンの析出速度<Auイオンの析出速度であり、電圧0.10V(=Vc)を境にして、Agイオンの析出速度とAuイオンの析出速度とが逆転する関係にあることが分かった。
−表示色の評価−
得られた表示媒体について、Au電極を陽極、ITO電極を負極として、金属イオンが析出していない状態から、3水準の電圧;(1)0.3V、(2)0.15V、(3)0.05Vの電圧をそれぞれ5分間づつ印加した場合の発色を、表示媒体を表示面に対してほぼ垂直な方向から目視観察することにより評価した。
その結果、(1)Auイオンのみが析出する0.3Vの電圧を印加した場合には、赤色が表示され、(2)AgイオンとAuイオンとが同時に析出し、且つ、その析出速度が、Agイオンの析出速度<Auイオンとなる0.15Vの電圧を印加した場合にはやや黄色味を帯びた赤色(朱色)が表示され、(3)AgイオンとAuイオンとが同時に析出し、且つ、その析出速度が、Agイオンの析出速度>Auイオンとなる0.05Vの電圧を印加した場合には黄色が表示されることが確認された。結果を表1に示す。
(比較例1)
電解液として、AgNO;5mMと、HAuCl;0.1Mとを溶解させた塩酸溶液(pH=2)を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製して表示色の評価を実施した。結果を表1に示す。
また、上記表示媒体とは別に、AgイオンおよびAuイオンの析出速度を評価するために、上記電解液の代わりに、上記電解液と同濃度のAgイオンのみを含む電解液(AgNO;5mMを溶解させたpH=2の塩酸溶液)を用いた表示媒体(以下、「析出速度評価用媒体A」と称す)、および、上記電解液と同濃度のAuイオンのみを含む電解液(HAuCl;0.1Mを溶解させたpH=2の塩酸溶液)を用いた表示媒体(以下、「析出速度評価用媒体B」と称す)を別途準備し、実施例1と同様にして、電流量の値を析出速度として評価した。
その結果、電圧0.15V、0.10V、0.05Vにおいて、Agイオンの析出速度は、それぞれ0.1×10−5A0.4×10−5A0.9×10−5Aであり、Auイオンの析出速度は、それぞれ0.8×10−5A、1.0×10−5A、1.2×10−5Aであることがわかった。すなわち、いずれの電圧においてもAgイオンの析出速度<Auイオンの析出速度であった。
更に、よりVlow寄りの電圧でAgイオンの析出速度とAuイオンの析出速度とを評価して、VlowとV1との間における電圧に対するAgイオンおよびAuイオンの析出速度をプロットしてグラフ化したところ、電圧Vlowにおいても、Agイオンの析出速度<Auイオンの析出速度なる関係を満たすことが判った。
Figure 2009020270
金属粒子中の2種類の金属の組成比変化を利用した本発明の表示方法の原理を説明するためのグラフである。 金属粒子中の2種類の金属の組成比変化を利用した他の表示方法の原理を説明するためのグラフである。 本発明の表示媒体の一例を示す模式図である。 本発明の表示媒体の他の例を示す模式図である。 図4に示す表示媒体の一部を拡大した拡大図である。
符号の説明
10、20 表示媒体
100 基板
102 表示面
200 基板
310 透明電極
320 対向電極
400 貫通孔を有する部材
410 貫通孔
500 電解液
600 隔壁

Claims (4)

  1. 片面に透明電極が設けられた透光性を有する第1の基板と、
    前記第1の基板の前記透明電極が設けられた面側に対向するように配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間隙を満たすように配置され且つ下式(1)〜(3)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを含む電解液と、
    前記透明電極と絶縁され且つ前記電解液と接する位置に配置された対向電極と、を少なくとも備えたことを特徴とする表示媒体。
    ・式(1) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
    ・式(2) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
    ・式(3) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
    〔式(1)〜式(3)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオンの析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオンの析出速度を表す。
    また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。〕
  2. 片面に透明電極が設けられた透光性を有する第1の基板と、
    前記第1の基板の前記透明電極が設けられた面側に対向するように配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間隙を満たすように配置され且つ下式(4)〜(6)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを含む電解液と、
    前記透明電極と絶縁され且つ前記電解液と接する位置に配置された対向電極と、
    前記透明電極および前記対向電極に接続され、前記電解液に電界を印加する電界印加手段と、を少なくとも備えたことを特徴とする表示装置。
    ・式(4) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
    ・式(5) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
    ・式(6) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
    〔式(4)〜式(6)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオンの析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオンの析出速度を表す。
    また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表す。
    また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。〕
  3. 下式(7)〜(9)を満たす2種類の金属イオンと溶媒とを少なくとも含む電解液に対して、一の電気的刺激を付与することにより、
    固体表面に、前記2種類の金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含む金属粒子を析出させる金属粒子析出工程を経て一の画像を表示することを特徴とする表示方法。
    ・式(7) R1(X)<R2(X) (但し、Vc<X≦V1)
    ・式(8) R1(X)=R2(X) (但し、X=Vc)
    ・式(9) R1(X)>R2(X) (但し、Vlow≦X<Vc)
    〔式(7)〜式(9)中、R1(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの一方の金属イオンの析出速度を表し、R2(X)は、前記電解液に対してX(V)の電圧が印加された場合における前記2種類の金属イオンのうちの他方の金属イオンの析出速度を表す。
    また、Vlowは、前記溶媒の電位窓の下限値(V)を表し、V1は、前記一方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、V2は、前記他方の金属イオンの酸化還元電位(V)を表し、ここで、V1とV2とは、V1<V2なる関係を満たす。更に、Vcは、Vlow<Vc<V1なる関係を満たす電圧(V)を表す。〕
  4. 他の電気的刺激を付与することにより、前記固体表面に析出した金属粒子のうち少なくとも一部の金属粒子を前記電解液中に溶解させる金属粒子溶解工程を経て他の画像を表示する請求項3に記載の表示方法。
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