JP2009019896A - 物理量センサおよび物理量計測方法 - Google Patents

物理量センサおよび物理量計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体の高速検知と物体の物理量の高分解能計測を実現する。
【解決手段】物理量センサは、半導体レーザ1と、光電センサ10と、光電センサ10の出力を基に物体13を検知する物体検知装置11と、検知モードでは第1の周期の変調光をレーザ1から放射させ、物体13を検知した後の計測モードでは第1の周期より長い第2の周期の変調光をレーザ1から放射させる変調モード切替装置12と、フォトダイオード2の出力信号に含まれる、レーザ1から放射されたレーザ光と物体13からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、物体の物理量を計測する計測手段(電流−電圧変換増幅器5、フィルタ回路6、計数装置7、演算装置8)とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザから放射したレーザ光と物体からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、物体との距離や物体の速度等の物理量を計測する物理量センサおよび物理量計測方法に関するものである。
従来より、レーザによる光の干渉を利用した距離計として、レーザの出力光と測定対象からの戻り光との半導体レーザ内部での干渉(自己結合効果)を利用したレーザ計測器が提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。FP型(ファブリペロー型)半導体レーザの複合共振器モデルを図8に示す。図8において、101は半導体レーザ、102は半導体結晶の壁開面、103はフォトダイオード、104は測定対象である。
レーザの発振波長をλ、測定対象104に近い方の壁開面102から測定対象104までの距離をLとすると、以下の共振条件を満足するとき、測定対象104からの戻り光と共振器101内のレーザ光は強め合い、レーザ出力がわずかに増加する。
L=qλ/2 ・・・(1)
式(1)において、qは整数である。この現象は、測定対象104からの散乱光が極めて微弱であっても、半導体レーザの共振器101内の見かけの反射率が増加することにより、増幅作用が生じ、十分観測できる。
半導体レーザは、注入電流の大きさに応じて周波数の異なるレーザ光を放射するので、発振周波数を変調する際に、外部変調器を必要とせず、注入電流によって直接変調が可能である。図9は、半導体レーザの発振波長をある一定の割合で変化させたときの発振波長とフォトダイオード103の出力波形との関係を示す図である。式(1)に示したL=qλ/2を満足したときに、戻り光と共振器101内のレーザ光の位相差が0°(同位相)になって、戻り光と共振器101内のレーザ光とが最も強め合い、L=qλ/2+λ/4のときに、位相差が180°(逆位相)になって、戻り光と共振器101内のレーザ光とが最も弱め合う。そのため、半導体レーザの発振波長を変化させていくと、レーザ出力が強くなるところと弱くなるところとが交互に繰り返し現れ、このときのレーザ出力を共振器101に設けられたフォトダイオード103で検出すると、図9に示すように一定周期の階段状の波形が得られる。このような波形は一般的には干渉縞と呼ばれる。
この階段状の波形、すなわち干渉縞の1つ1つをモードポップパルス(以下、MHP)と呼ぶ。MHPはモードホッピング現象とは異なる現象である。例えば、測定対象104までの距離がL1のとき、MHPの数が10個であったとすれば、半分の距離L2では、MHPの数は5個になる。すなわち、ある一定時間において半導体レーザの発振波長を変化させた場合、測定距離に比例してMHPの数は変わる。したがって、MHPをフォトダイオード103で検出し、MHPの周波数を測定すれば、容易に距離計測が可能となる。
ただし、自己結合型を含め従来の干渉型計測器では、静止した測定対象との距離を計測することはできても、速度を持つ測定対象の距離を計測することはできないという問題点があった。
そこで、発明者は、静止した測定対象との距離だけでなく、測定対象の速度も計測することができる距離・速度計を提案した(特許文献1参照)。この距離・速度計の構成を図10に示す。図10の距離・速度計は、測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザ201と、半導体レーザ201の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード202と、半導体レーザ201からの光を集光して測定対象210に照射すると共に、測定対象210からの戻り光を集光して半導体レーザ201に入射させるレンズ203と、半導体レーザ201に発振波長が連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返させるレーザドライバ204と、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅器205と、電流−電圧変換増幅器205の出力電圧を2回微分する信号抽出回路206と、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数回路207と、測定対象210との距離及び測定対象210の速度を算出する演算装置208と、演算装置208の算出結果を表示する表示装置209とを有する。
レーザドライバ204は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ201に供給する。これにより、半導体レーザ201は、発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返すように駆動される。図11は、半導体レーザ201の発振波長の時間変化を示す図である。図11において、P1は第1の発振期間、P2は第2の発振期間、λaは各期間における発振波長の最小値、λbは各期間における発振波長の最大値、T0は三角波の周期である。
半導体レーザ201から出射したレーザ光は、レンズ203によって集光され、測定対象210に入射する。測定対象210で反射された光は、レンズ203によって集光され、半導体レーザ201に入射する。フォトダイオード202は、半導体レーザ201の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅器205は、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅し、信号抽出回路206は、電流−電圧変換増幅器205の出力電圧を2回微分する。計数回路207は、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。演算装置208は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと第1の発振期間P1におけるMHPの数と第2の発振期間P2におけるMHPの数に基づいて、測定対象210との距離及び測定対象210の速度を算出する。
特開2006−313080号公報 上田正,山田諄,紫藤進,「半導体レーザの自己結合効果を利用した距離計」,1994年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集,1994年 山田諄,紫藤進,津田紀生,上田正,「半導体レーザの自己結合効果を利用した小型距離計に関する研究」,愛知工業大学研究報告,第31号B,p.35−42,1996年 Guido Giuliani,Michele Norgia,Silvano Donati and Thierry Bosch,「Laser diode self-mixing technique for sensing applications」,JOURNAL OF OPTICS A:PURE AND APPLIED OPTICS,p.283−294,2002年
図8に示した自己結合型の距離計によれば測定対象との距離を計測することができ、図10に示した距離・速度計によれば、測定対象との距離と測定対象の速度を同時に計測することができる。
しかしながら、これらの自己結合型のレーザ計測器では、何らかの原因で距離や速度等の物理量の計測ができないケースが生じた場合、物体の検知もできなくなるという問題点があった。
また、これらの自己結合型のレーザ計測器では、物体の検知に時間がかかるという問題点があった。つまり、自己結合型のレーザ計測器では、図11に示したように半導体レーザの発振波長を変化させて、MHPの個数や周波数を計測し、物体との距離を算出するが、距離を算出するまでは半導体レーザの放射方向に物体が存在するかどうかを検知できない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、何らかの原因で物理量の計測ができないケースが生じた場合でも、最低限、物体の検知を行うことができる物理量センサおよび物理量計測方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、自己結合型のレーザ計測器の利点を活かしつつ、物体の高速検知を実現することができる物理量センサおよび物理量計測方法を提供することを目的とする。
本発明の物理量センサは、レーザ光を放射する半導体レーザと、この半導体レーザの前方に配置され、前記半導体レーザから放射されたレーザ光を受光して電気信号に変換する第1の受光器と、この第1の受光器の出力信号を基に前記半導体レーザと前記第1の受光器との間に存在する物体を検知する物体検知手段と、前記半導体レーザの内部又はその近傍に配置され、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記物体からの戻り光とを受光して電気信号に変換する第2の受光器と、前記第2の受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、前記物体の物理量を計測する計測手段と、前記物体を検知しようとする検知モードと前記物体検知手段が物体を検知した後の計測モードで信号処理を切り替えるモード切替手段とを有するものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記モード切替手段は、前記検知モードでは第1の周期の変調光を前記半導体レーザから放射させ、前記計測モードでは前記第1の周期より長い第2の周期の変調光を前記半導体レーザから放射させるものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記物体の物理量は、前記物体との距離及び前記物体の速度の少なくとも一方である。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記第1の周期の変調光は、パルス状のレーザ光、又は発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光のいずれか一方であり、前記第2の周期の変調光は、発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光であり、前記計測手段は、前記第2の受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、この計数手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記物体との距離及び前記物体の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなるものである。
また、本発明の物理量計測方法は、物体を検知しようとする検知モードにおいて第1の周期の変調光を半導体レーザから放射させる検知モード発振手順と、前記半導体レーザの前方に配置された第1の受光器の出力信号を基に前記半導体レーザと前記第1の受光器との間に存在する物体を検知する物体検知手順と、前記物体検知手順で物体が検知されたときに、前記検知モードから計測モードに切り替えて信号処理を切り替えるモード切替手順と、前記半導体レーザの内部又はその近傍に配置された第2の受光器の出力信号に含まれる、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記物体からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、前記物体の物理量を計測する計測手順とを備えるものである。
本発明によれば、第1の受光器と物体検知手段とを設けることにより、何らかの原因で物理量の計測ができないケースが生じた場合でも、最低限、物体の検知を行うことができる。
また、本発明では、物体を検知するまでは検知モードで動作し、物体を検知した状態では計測モードで動作する。検知モードでは計測モードにおける周期より短い第1の周期の変調光で物体の検知を行うので、自己結合型のレーザ計測器よりも高速に物体を検知することができる。一方、計測モードでは、第1の周期より長い第2の周期の変調光を用いて自己結合型のレーザ計測器として動作するので、物体の物理量を高い分解能で計測することができる。その結果、本発明では、従来の自己結合型のレーザ計測器の利点を活かしつつ、物体の高速検知を実現することができる。また、物理量センサが距離計であれば、計測モードにおいて高分解能を実現することができ、物理量センサが速度計であれば、計測モードにおいて計測可能な最大速度を増大させることができる。
また、本発明では、第1の周期の変調光として、パルス状のレーザ光を使用すれば、物体を検知するまでの検知モードでは、レーザ光のデューティー比を低くすることができるので、消費電力を抑えることができ、半導体レーザの寿命を延ばすことができる。
また、本発明では、第1の周期の変調光として、発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光を使用すれば、計測モードよりも分解能が低くなるが、検知モードにおいても物体の物理量を計測することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図である。図1の距離・速度計は、レーザ光を放射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード2と、半導体レーザ1からの光を集光して放射すると共に、物体13からの戻り光を集光して半導体レーザ1に入射させるレンズ3と、半導体レーザ1を駆動するレーザドライバ4と、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅器5と、電流−電圧変換増幅器5の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ回路6と、フィルタ回路6の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数装置7と、物体13との距離及び物体13の速度を算出する演算装置8と、演算装置8の算出結果及び後述する物体検知装置11の検知結果を表示する表示装置9と、半導体レーザ1の前方に配置され、半導体レーザ1から放射されたレーザ光を受光して電気信号に変換する光電センサ10と、光電センサ10の出力信号を基に半導体レーザ1の放射方向に物体13が存在するかどうかを検知する物体検知装置11と、物体検知装置11の検知結果に基づいて半導体レーザ1の変調モードを切り替える変調モード切替装置12とを有する。
レーザドライバ4と変調モード切替装置12とは、モード切替手段を構成し、電流−電圧変換増幅器5とフィルタ回路6と計数装置7と演算装置8とは、計測手段を構成している。また、電流−電圧変換増幅器5とフィルタ回路6と計数装置7とは、計数手段を構成している。
以下、説明容易にするために、半導体レーザ1には、モードホッピング現象を持たない型(VCSEL型、DFBレーザ型)のものが用いられているものと想定する。
図2は、図1の距離・速度計の動作の概略を示すフローチャートである。
まず、初期状態では、変調モード切替装置12は、物体13を検知しようとする検知モードで動作するようレーザドライバ4に対して指示する(図2ステップS1)。
検知モードの場合、レーザドライバ4は、パルス状の駆動電流を半導体レーザ1に供給する。これにより、半導体レーザ1は、駆動電流に応じて強度変調されたパルス状のレーザ光を放射する。このとき、半導体レーザ1から放射されるレーザ光は、図3に示すような矩形波パルスのレーザ光でもよいし、図4に示すような三角波パルスのレーザ光でもよい。なお、パルス状のレーザ光でなく、連続した三角波のレーザ光を放射するようにしてもよい。
半導体レーザ1から出射したレーザ光は、レンズ3によって集光され放射される。なお、レンズ3による集光は必須ではない。
次に、光電センサ10は、半導体レーザ1からのレーザ光を受光して電気信号に変換する。
物体検知装置11は、光電センサ10の出力に基づいて、半導体レーザ1の放射方向に物体13が存在するかどうかを判定する(図2ステップS2)。半導体レーザ1と光電センサ10との間に物体13が存在しない場合、図3、図4に示した周期T1毎に光電センサ10にレーザ光が入射し、光電センサ10からは周期T1毎に信号が出力される。
物体検知装置11は、周期T1毎に光電センサ10から信号が出力される場合、半導体レーザ1と光電センサ10との間に物体13が存在しないと判定し(図2ステップS2においてNO)、変調モード切替装置12に対して検知モードを続行するよう指示する(図2ステップS1)。
なお、光電センサ10から周期T1毎に信号が出力されるかどうかを確認するのは、光電センサ10に入射した外乱光の影響を排除するためである。
一方、半導体レーザ1と光電センサ10との間に物体13が存在すると、半導体レーザ1からのレーザ光が物体13で遮られるため、光電センサ10の信号出力が無くなる。
物体検知装置11は、光電センサ10からの信号出力が無い場合、半導体レーザ1と光電センサ10との間に物体13が存在すると判定し(図2ステップS2においてYES)、物体13との距離及び物体13の速度を計測する計測モードに切り替えるよう変調モード切替装置12に対して指示する。なお、物体検知装置11は、例えば光電センサ10の直前の信号出力からT1以上の時間が経過しても光電センサ10から信号を受信できない場合、信号出力が無いと判定する。
物体検知装置11からの指示を受けた変調モード切替装置12は、計測モードで動作するようレーザドライバ4に対して指示する(図2ステップS3)。また、表示装置9は、物体13を検知したことを表示する。以下、計測モードの動作について説明する。
計測モードの場合、レーザドライバ4は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ1に供給する。これにより、半導体レーザ1は、注入電流の大きさに比例して発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間P1と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間P2とを交互に繰り返すように駆動される。計測モードにおける半導体レーザ1の発振波長の時間変化は、図11に示したとおりである。本実施の形態では、発振波長の最大値λb及び発振波長の最小値λaはそれぞれ常に一定になされており、それらの差λb−λaも常に一定になされている。ここで、計測モードにおける三角波の周期T0と検知モードにおけるパルスの周期T1とは、T0>T1の関係にある。ただし、振動計の場合は、計測モードと検知モードで周期を切り替える必要はなく、T0=T1でよい。
半導体レーザ1から出射したレーザ光は、レンズ3によって集光され、物体13に入射する。物体13で反射された半導体レーザ1の光は、レンズ3によって集光され、半導体レーザ1に入射する。フォトダイオード2は、半導体レーザ1の内部又はその近傍に配置され、半導体レーザ1の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅器5は、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する。
フィルタ回路6は、変調波から重畳信号を抽出する機能を有するものである。図5(A)は電流−電圧変換増幅器5の出力電圧波形を模式的に示す図、図5(B)はフィルタ回路6の出力電圧波形を模式的に示す図である。これらの図は、フォトダイオード2の出力に相当する図5(A)の波形(変調波)から、図11の半導体レーザ1の発振波形(搬送波)を除去して、図5(B)のMHP波形(干渉波形)を抽出する過程を表している。
計数装置7は、フィルタ回路6の出力に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。計数装置7は、論理ゲートからなるカウンタを利用するものでもよいし、FFT(Fast Fourier Transform)を利用してMHPの周波数(すなわち単位時間あたりのMHPの数)を計測するものでもよい。
次に、演算装置8は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと計数装置7が数えたMHPの数に基づいて、物体13との距離および物体13の速度を算出する。図6は演算装置8の構成の1例を示すブロック図、図7は演算装置8の動作を示すフローチャートである。演算装置8は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbとMHPの数に基づいて物体13との距離の候補値と物体13の速度の候補値とを算出する距離・速度算出部80と、距離・速度算出部80で算出された距離の候補値と直前に算出された距離の候補値との差である履歴変位を算出する履歴変位算出部81と、距離・速度算出部80と履歴変位算出部81の算出結果を記憶する記憶部82と、距離・速度算出部80と履歴変位算出部81の算出結果に基づいて物体13の状態を判定する状態判定部83と、状態判定部83の判定結果に基づいて物体13との距離及び物体13の速度を確定する距離・速度確定部84とから構成される。
本実施の形態では、物体13の状態を所定の条件を満たす微小変位状態、あるいは微小変位状態よりも動きが大きい変位状態のいずれかであるとする。発振期間P1と発振期間P2の1期間あたりの測定対象12の平均変位をVとしたとき、微小変位状態とは(λb−λa)/λb>V/Lbを満たす状態であり(ただし、Lbは時刻tのときの距離)、変位状態とは(λb−λa)/λb≦V/Lbを満たす状態である。
まず、演算装置8の距離・速度算出部80は、現時刻tにおける距離の候補値Lα(t),Lβ(t)と速度の候補値Vα(t),Vβ(t)を次式のように算出して、記憶部82に格納する(図7ステップS10)。
Lα(t)=λa×λb×(MHP(t−1)+MHP(t))
/{4×(λb−λa)} ・・・(2)
Lβ(t)=λa×λb×(|MHP(t−1)−MHP(t)|)
/{4×(λb−λa)} ・・・(3)
Vα(t)=(MHP(t−1)−MHP(t))×λb/4 ・・・(4)
Vβ(t)=(MHP(t−1)+MHP(t))×λb/4 ・・・(5)
式(2)〜式(5)において、MHP(t)は現時刻tにおいて算出されたMHPの数、MHP(t−1)はMHP(t)の1回前に算出されたMHPの数である。例えば、MHP(t)が第1の発振期間P1の計数結果であるとすれば、MHP(t−1)は第2の発振期間P2の計数結果であり、逆にMHP(t)が第2の発振期間P2の計数結果であるとすれば、MHP(t−1)は第1の発振期間P1の計数結果である。
候補値Lα(t),Vα(t)は物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した値であり、候補値Lβ(t),Vβ(t)は物体13が変位状態にあると仮定して計算した値である。演算装置8は、式(2)〜式(5)の計算を計数装置7によってMHPの数が測定される時刻毎(発振期間毎)に行う。
続いて、演算装置8の履歴変位算出部81は、微小変位状態と変位状態の各々について、現時刻tにおける距離の候補値と、記憶部82に格納された、直前の時刻における距離の候補値との差である履歴変位を次式のように算出して、記憶部82に格納する(図7ステップS11)。なお、式(6)、式(7)では、現時刻tの1回前に算出された距離の候補値をLα(t−1),Lβ(t−1)としている。
Vcalα(t)=Lα(t)−Lα(t−1) ・・・(6)
Vcalβ(t)=Lβ(t)−Lβ(t−1) ・・・(7)
履歴変位Vcalα(t)は物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した値であり、履歴変位Vcalβ(t)は物体13が変位状態にあると仮定して計算した値である。演算装置8は、式(6)〜式(7)の計算を計数装置7によってMHPの数が測定される時刻毎に行う。なお、式(4)〜式(7)においては、物体13が本実施の形態の距離・速度計に近づく方向を正の速度、遠ざかる方向を負の速度と定めている。
次に、演算装置8の状態判定部83は、記憶部82に格納された式(2)〜式(7)の算出結果を用いて、物体13の状態を判定する(図7ステップS12)。
特許文献1に記載されているように、物体13が微小変位状態で移動(等速度運動)している場合、物体13を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号は一定で、かつ物体13を微小変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが等しくなる。また、物体13が微小変位状態で等速度運動している場合、物体13を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号は、MHPの数が測定される時刻毎に反転する。
したがって、状態判定部83は、物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号が一定で、かつ物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが等しい場合、物体13が微小変位状態で等速度運動していると判定する。
特許文献1に記載されているように、物体13が変位状態で移動(等速度運動)している場合、物体13を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号は一定で、かつ物体13を変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが等しくなる。また、物体13が変位状態で等速度運動している場合、物体13を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号はMHPの数が測定される時刻毎に反転する。
したがって、状態判定部83は、物体13が変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号が一定で、かつ物体13が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが等しい場合、物体13が変位状態で等速度運動していると判定する。
特許文献1に記載されているように、物体13が微小変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、物体13を微小変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と物体13を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とは一致しない。同様に、物体13を変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と物体13を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値も一致しない。
また、物体13が微小変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、物体13を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号はMHPの数が測定される時刻毎に反転し、物体13を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)では符号の変動はあっても、この変動はMHPの数が測定される時刻毎ではない。
したがって、状態判定部83は、物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号がMHPの数が測定される時刻毎に反転し、かつ物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体13が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
なお、速度の候補値Vβ(t)に着目すると、Vβ(t)の絶対値は定数となり、この値は半導体レーザ1の波長変化率(λb−λa)/λbと等しい。そこで、状態判定部83は、物体13が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)の絶対値が波長変化率と等しく、かつ物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体13が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
特許文献1に記載されているように、物体13が変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、物体13を微小変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と物体13を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とは一致せず、物体13を変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と物体13を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値も一致しない。
また、物体13が変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、物体13を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号はMHPの数が測定される時刻毎に反転し、物体13を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)では符号の変動はあっても、この変動はMHPの数が測定される時刻毎ではない。
したがって、状態判定部83は、物体13が変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号がMHPの数が測定される時刻毎に反転し、かつ物体13が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体13が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
なお、速度の候補値Vα(t)に着目すると、Vα(t)の絶対値は定数となり、この値は半導体レーザ1の波長変化率(λb−λa)/λbと等しい。したがって、状態判定部83は、物体13が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)の絶対値が波長変化率と等しく、かつ物体13が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体13が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
演算装置8の距離・速度確定部84は、状態判定部83の判定結果に基づいて物体13の速度及び物体13との距離を確定する(図7ステップS13)。
すなわち、距離・速度確定部84は、物体13が微小変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vα(t)を物体13の速度とし、距離の候補値Lα(t)を物体13との距離とし、物体13が変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vβ(t)を物体13の速度とし、距離の候補値Lβ(t)を物体13との距離とする。
また、距離・速度確定部84は、物体13が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、速度の候補値Vα(t)を物体13の速度とし、距離の候補値Lα(t)を物体13との距離とする。ただし、実際の距離は、距離の候補値Lα(t)の平均値となる。また、距離・速度確定部84は、物体13が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、速度の候補値Vβ(t)を物体13の速度とし、距離の候補値Lβ(t)を物体13との距離とする。ただし、実際の距離は、距離の候補値Lβ(t)の平均値となる。
なお、MHP(t−1)とMHP(t)の大小関係によって、Vβ(t)は必ず正の値となり、Vα(t)は正又は負の値のいずれかとなるが、これらの符号は物体13の速度の向きを表現したものではない。発振波長が増加している方の半導体レーザのMHPの数が、発振波長が減少している方の半導体レーザのMHPの数よりも大きいとき、物体13の速度は正方向(レーザに接近する方向)となる。
演算装置8は、ステップS10〜S13の処理を、計数装置7によってMHPの数が測定される時刻毎(発振期間毎)に行う。
表示装置9は、演算装置8によって算出された物体13との距離及び物体13の速度をリアルタイムで表示する。
以上が計測モードの動作であり、物体検知装置11が物体13を検知している間は計測モードを維持する。
本実施の形態の距離・速度計は、例えばユーザから計測終了の指示があるまで(図2ステップS4においてYES)、図2のステップS1〜S3の処理を繰り返し行う。
以上のように、本実施の形態では、初期状態を含む通常の状態では検知モードで動作し、物体13を検知した状態では計測モードで動作する。検知モードでは計測モードにおける三角波の周期T0より短い周期T1のパルス状のレーザ光で物体13の検知を行うので、自己結合型のレーザ計測器よりも高速に物体13を検知することができる。パルスの周期T1は、例えば数μsec〜数百μsecに設定することができる。一方、計測モードでは、自己結合型のレーザ計測器として動作するので、物体13との距離及び物体13の速度を高い分解能で計測することができる。その結果、本実施の形態では、(a)装置を小型化することができ、(b)高速の回路が不要で、(c)外乱光に強く、(d)測定対象を選ばないといった従来の自己結合型のレーザ計測器の利点を活かしつつ、物体の高速検知と物体の物理量の高分解能計測を実現することができる。
また、周期T0の三角波のレーザ光を常時放射する従来の自己結合型のレーザ計測器に比べて、物体を検知するまでの検知モードでは、レーザ光のデューティー比を低くすることができるので、消費電力を抑えることができ、また半導体レーザの寿命を延ばすことができる。
なお、本実施の形態における計数装置7と演算装置8と物体検知装置11と変調モード切替装置12とは、例えばCPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータを動作させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、このプログラムに従って実施の形態で説明した処理を実行する。
また、本実施の形態では、物理量センサの1例として距離・速度計を例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、距離計でもよいし、速度計でもよいし、その他の物理量を計測するセンサであってもよい。
また、本実施の形態では、検知モードにおいてパルス状のレーザ光を半導体レーザ1から放射しているが、検知モードにおいても図11に示したような三角波のレーザ光を放射するようにしてもよい。この場合は、検知モードにおける三角波の周期をT1としたとき、前記と同様に、計測モードにおける三角波の周期T0と検知モードにおける三角波の周期T1とが、T0>T1の関係を満たすようにすればよい。この場合、計測モードよりも分解能が低下し、またパルス状のレーザ光の場合に比べて消費電力が増加するが、検知モードにおいても物体13との距離及び物体13の速度を計測することができる。
本発明は、半導体レーザから放射したレーザ光と物体からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、物体の物理量を計測する技術に適用することができる。
本発明の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図である。 図1の距離・速度計の動作の概略を示すフローチャートである。 検知モードにおいて半導体レーザから放射されるレーザ光の強度変化の例を示す図である。 検知モードにおいて半導体レーザから放射されるレーザ光の強度変化の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態における電流−電圧変換増幅器の出力電圧波形及びフィルタ回路の出力電圧波形を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態における演算装置の構成の1例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における演算装置の動作を示すフローチャートである。 従来のレーザ計測器における半導体レーザの複合共振器モデルを示す図である。 半導体レーザの発振波長と内蔵フォトダイオードの出力波形との関係を示す図である。 従来の距離・速度計の構成を示すブロック図である。 図10の距離・速度計における半導体レーザの発振波長の時間変化の1例を示す図である。
符号の説明
1…半導体レーザ、2…フォトダイオード、3…レンズ、4…レーザドライバ、5…電流−電圧変換増幅器、6…フィルタ回路、7…計数装置、8…演算装置、9…表示装置、10…光電センサ、11…物体検知装置、12…変調モード切替装置、13…物体、80…距離・速度算出部、81…履歴変位算出部、82…記憶部、83…状態判定部、84…距離・速度確定部。

Claims (8)

  1. レーザ光を放射する半導体レーザと、
    この半導体レーザの前方に配置され、前記半導体レーザから放射されたレーザ光を受光して電気信号に変換する第1の受光器と、
    この第1の受光器の出力信号を基に前記半導体レーザと前記第1の受光器との間に存在する物体を検知する物体検知手段と、
    前記半導体レーザの内部又はその近傍に配置され、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記物体からの戻り光とを受光して電気信号に変換する第2の受光器と、
    前記第2の受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、前記物体の物理量を計測する計測手段と、
    前記物体を検知しようとする検知モードと前記物体検知手段が物体を検知した後の計測モードで信号処理を切り替えるモード切替手段とを有することを特徴とする物理量センサ。
  2. 請求項1記載の物理量センサにおいて、
    前記モード切替手段は、前記検知モードでは第1の周期の変調光を前記半導体レーザから放射させ、前記計測モードでは前記第1の周期より長い第2の周期の変調光を前記半導体レーザから放射させることを特徴とする物理量センサ。
  3. 請求項2記載の物理量センサにおいて、
    前記物体の物理量は、前記物体との距離及び前記物体の速度の少なくとも一方であることを特徴とする物理量センサ。
  4. 請求項3記載の物理量センサにおいて、
    前記第1の周期の変調光は、パルス状のレーザ光、又は発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光のいずれか一方であり、
    前記第2の周期の変調光は、発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光であり、
    前記計測手段は、
    前記第2の受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、
    この計数手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記物体との距離及び前記物体の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなることを特徴とする物理量センサ。
  5. 物体を検知しようとする検知モードにおいて第1の周期の変調光を半導体レーザから放射させる検知モード発振手順と、
    前記半導体レーザの前方に配置された第1の受光器の出力信号を基に前記半導体レーザと前記第1の受光器との間に存在する物体を検知する物体検知手順と、
    前記物体検知手順で物体が検知されたときに、前記検知モードから計測モードに切り替えて信号処理を切り替えるモード切替手順と、
    前記半導体レーザの内部又はその近傍に配置された第2の受光器の出力信号に含まれる、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記物体からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、前記物体の物理量を計測する計測手順とを備えることを特徴とする物理量計測方法。
  6. 請求項5記載の物理量計測方法において、
    前記モード切替手順は、前記物体検知手順で物体が検知されたときに、前記検知モードから計測モードに切り替えて、前記第1の周期より長い第2の周期の変調光を前記半導体レーザから放射させることを特徴とする物理量計測方法。
  7. 請求項6記載の物理量計測方法において、
    前記物体の物理量は、前記物体との距離及び前記物体の速度の少なくとも一方であることを特徴とする物理量計測方法。
  8. 請求項7記載の物理量計測方法において、
    前記第1の周期の変調光は、パルス状のレーザ光、又は発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光のいずれか一方であり、
    前記第2の周期の変調光は、発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するレーザ光であり、
    前記計測手順は、
    前記第2の受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手順と、
    この計数手順によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記物体との距離及び前記物体の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とを含むことを特徴とする物理量計測方法。
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