JP5503842B2 - 物理量センサおよび物理量計測方法 - Google Patents
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Description
L=qλ/2 ・・・(1)
式(1)において、qは整数である。この現象は、測定対象104からの散乱光が極めて微弱であっても、半導体レーザの共振器101内の見かけの反射率が増加することにより、増幅作用が生じ、十分観測できる。
ただし、自己結合型を含め従来の干渉型計測器では、静止した測定対象との距離を計測することはできても、速度を持つ測定対象の距離を計測することはできないという問題点があった。
しかしながら、図7、図9に示した従来の自己結合型のレーザ計測器では、半導体レーザの波長変化量を安定させ、また最小発振波長と最大発振波長を安定させる必要があるが、これらを安定させるための制御が難しいという問題点があった。制御が難しい理由は、レーザドライバやレーザ素子の持つ周波数特性やそのばらつきによって、図10における三角波の頂点部分の形状が鈍ることにより、最小発振波長と最大発振波長を安定させることが難しくなるからである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記計測手段は、前記受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、この計数手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなるものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記レーザドライバは、駆動電流をローパスフィルタで処理した上で前記半導体レーザに供給することにより、前記半導体レーザの発振波形を鈍らせることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図である。図1の距離・速度計は、測定対象10にレーザ光を放射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1の光出力を電気信号に変換する受光器であるフォトダイオード2と、半導体レーザ1からの光を集光して測定対象10に照射すると共に、測定対象10からの戻り光を集光して半導体レーザ1に入射させるレンズ3と、半導体レーザ1を駆動するレーザドライバ4と、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅器5と、電流−電圧変換増幅器5の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ回路6と、フィルタ回路6の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数装置7と、MHPの数から測定対象10との距離及び測定対象10の速度を算出する演算装置8と、演算装置8の算出結果を表示する表示装置9とを有する。
以下、説明容易にするために、半導体レーザ1には、モードホッピング現象を持たない型(VCSEL型、DFBレーザ型)のものが用いられているものと想定する。
Lα(t)=λa×λb×(MHP(t−1)+MHP(t))
/{4×(λb−λa)} ・・・(2)
Lβ(t)=λa×λb×(|MHP(t−1)−MHP(t)|)
/{4×(λb−λa)} ・・・(3)
Vα(t)=(MHP(t−1)−MHP(t))×λb/4 ・・・(4)
Vβ(t)=(MHP(t−1)+MHP(t))×λb/4 ・・・(5)
Vcalα(t)=Lα(t)−Lα(t−1) ・・・(6)
Vcalβ(t)=Lβ(t)−Lβ(t−1) ・・・(7)
次に、演算装置8の状態判定部83は、記憶部82に格納された式(2)〜式(7)の算出結果を用いて、測定対象10の状態を判定する(図5ステップS12)。
すなわち、距離・速度確定部84は、測定対象10が微小変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vα(t)を測定対象10の速度とし、距離の候補値Lα(t)を測定対象10との距離とし、測定対象10が変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vβ(t)を測定対象10の速度とし、距離の候補値Lβ(t)を測定対象10との距離とする。
表示装置9は、演算装置8によって算出された測定対象10との距離及び測定対象10の速度をリアルタイムで表示する。
波長変化量を規定する方法としては、例えば半導体レーザ1の光出力が安定する期間P3,P4におけるフォトダイオード2の光起電流や、既知の対象物に対する算出された物理量をレーザドライバ4にフィードバックし、半導体レーザ1の駆動電流を制御したり、三角波の上下のリミッタを制御したりすればよい。もしくは算出された物理量に補正をかければよい。
第1の実施の形態では、三角波の頂点を切り取った波形の駆動電流を半導体レーザ1に供給したが、この三角波の頂点を切り取った波形をローパスフィルタで低域ろ波した上で半導体レーザ1に供給するようにしてもよい。この場合の半導体レーザ1の発振波長の時間変化を図6に示す。
Claims (8)
- 測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザと、
少なくとも発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間と前記第1の発振期間から第2の発振期間への間で発振波長が最大値で一定の第3の発振期間と前記第2の発振期間から第1の発振期間への間で発振波長が最小値で一定の第4の発振期間とが繰り返し存在するように前記半導体レーザを動作させるレーザドライバと、
前記半導体レーザの内部又はその近傍に配置され、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記測定対象からの戻り光とを受光して電気信号に変換する受光器と、
前記受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手段とを有することを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1記載の物理量センサにおいて、
前記測定対象の物理量は、前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方であることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項2記載の物理量センサにおいて、
前記計測手段は、
前記受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、
この計数手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物理量センサにおいて、
前記レーザドライバは、駆動電流をローパスフィルタで処理した上で前記半導体レーザに供給することにより、前記半導体レーザの発振波形を鈍らせることを特徴とする物理量センサ。 - 半導体レーザを用いて測定対象にレーザ光を放射する物理量計測方法において、
少なくとも発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間と前記第1の発振期間から第2の発振期間への間で発振波長が最大値で一定の第3の発振期間と前記第2の発振期間から第1の発振期間への間で発振波長が最小値で一定の第4の発振期間とが繰り返し存在するように前記半導体レーザを動作させる発振手順と、
前記半導体レーザの内部又はその近傍に配置された受光器の出力信号に含まれる、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手順とを備えることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項5記載の物理量計測方法において、
前記測定対象の物理量は、前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方であることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項6記載の物理量計測方法において、
前記計測手順は、
前記受光器の出力信号に含まれる、前記レーザ光と前記戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手順と、
この計数手順によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とを含むことを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の物理量計測方法において、
前記発振手順は、駆動電流をローパスフィルタで処理した上で前記半導体レーザに供給することにより、前記半導体レーザの発振波形を鈍らせることを特徴とする物理量計測方法。
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