JP2009017498A - 通信経路の迂回方法および迂回装置 - Google Patents

通信経路の迂回方法および迂回装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009017498A
JP2009017498A JP2007180141A JP2007180141A JP2009017498A JP 2009017498 A JP2009017498 A JP 2009017498A JP 2007180141 A JP2007180141 A JP 2007180141A JP 2007180141 A JP2007180141 A JP 2007180141A JP 2009017498 A JP2009017498 A JP 2009017498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
path
optical
detour
detouring
optical path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007180141A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Tanaka
郁昭 田中
Masatoshi Shimizu
正利 清水
Toshio Kurashima
利雄 倉嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2007180141A priority Critical patent/JP2009017498A/ja
Publication of JP2009017498A publication Critical patent/JP2009017498A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】伝送データの欠落、および伝送論理リンクのミスマッチを生じることなく信号光の経路を迂回させることの可能な通信経路の迂回方法を提供すること。
【解決手段】分岐線路5に迂回ユニット100を接続し、信号光を迂回させるための迂回ルート14による閉経路を形成する。そして光パルス試験器17により分岐線路5と迂回ルート14との光路差ΔLを測定する。その結果に基づいて、分岐線路5が迂回ルート14よりも長ければ、信号蓄積回路23の遅延量を増加させる。分岐線路5が迂回ルート14よりも短ければ迂回ルート14上の空間光通信区間の距離を変化させる。このようにして光路差ΔLを補正し、伝達時間差を0とした状態で信号光を迂回ルート14に移し替える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば光アクセスネットワークに適用される光通信システムにおいて、信号光の経路(ルート)を迂回経路に迂回させる方法に関する。
ネットワークオペレータのオフィス(局舎)とユーザ宅とを光ファイバで結ぶファイバ・ツゥ・ザ・ホーム(Fiber to the Home:FTTH)サービスが広がりを見せている。FTTHでは、局舎の外部に光スプリッタを設けて光ファイバを分岐する、いわゆるPON(Passive Optical Network)型のネットワーク形態が一般的である(例えば特許文献1を参照)。このような光通信技術の本格化とともに、高密度波長多重、高密度時分割多重などの大容量伝送技術の進歩とも相俟って、映像や光電話などといった付加価値の高いサービスも普及しつつある。
PONの線路構成は、1本の光ファイバを複数本に分岐し、その複数本の光ファイバの各々を更に複数本に分岐するという形態になる。これにより1台の伝送装置に複数の所外伝送終端装置を集約でき、伝送装置の設備費を削減するとともに光線路設備もまた共用することができる。このようなことから通信設備全体のコストを大幅に低減させることができ、アクセス系のネットワークなどに広く利用され始めている。
ところで、道路の拡幅や橋の架け替え、あるいは電気や水道などの新設、修理などといった公共の工事により、光ファイバの回線ルートの変更を余儀なくされるケースがしばしば発生する。以下では、このような所外の光線路設備のルート変更を強いる工事を支障移転工事と称する。PONシステムでは1台の伝送装置に複数の所外伝送終端装置が集約されていることから、支障移転工事の実施の際には多くのトラフィックが一度に停止することは必至であり、多数のユーザへの影響は計り知れない。
この影響を少しでも小さくするためには、現状では工事時期を分散したり、深夜から早朝といったトラフィック量の小さい時間帯にルートの切替工事を実施するなどの対処しか無く、設備の運用の効率が著しく阻害されることになる。特に、地下の幹線区間、あるいは架空の配線区間において支障移転工事が実施されるケースで、ユーザへの影響が最も深刻になる。このような場合には工事時期の分散はもとより深夜作業がいっそう長期化することが避けられない。
通信サービスへの影響を少しでも減らすために、光線路の切替接続時間をできる限り短縮して通信復旧時間を短くすることを図ったシステムが知られており(例えば特許文献2を参照)、光CATSシステムとして商用化された。
しかしながらこの種のシステムをもってしてもトラフィックの連続性を保ったまま経路を切り替えることはできない。つまり光線路の切り離し時間、あるいは現用線路と切替先線路との光路長の違い(伝送時間の差)を皆無にすることはできない。これにより伝送データの欠落や伝送論理リンクのミスマッチが必然的に生じるので、サービス品質への悪影響を回避することはできない。たとえ伝達ルートを事前に二重化しておき、同じトラフィックを二つの経路に流した状態で経路を切り替えることで切替接続時間をほとんどゼロにしても、ルート長の違いから生じる伝送論理リンクのミスマッチを避けることはできない。
特開平8−102710号広報 特許第3573606号明細書
以上述べたように、PONに代表される分岐型光通信システムは設備コストを大幅に低減できるメリットを持つものの、支障移転工事に伴うユーザへの影響が大きく、何らかの対処が望まれている。サービスの停止期間(時間帯)について多数のユーザから一致した了解を得ることは不可能であるので、例えば深夜から早朝といったトラフィック量の減少する時間帯に切替工事を実施することを強いられる。このように、サービスに直接影響する工事であるにもかかわらず、計画性を持って支障移転工事を実施できないという問題もある。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、伝送データの欠落、および伝送論理リンクのミスマッチを生じることなく信号光の経路を迂回させることの可能な通信経路の迂回方法および迂回装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、空間光通信区間を含む迂回経路を切替元線路に接続して閉経路を形成する接続ステップと、前記切替元線路と前記迂回経路との前記閉経路上での光路差を測定する測定ステップと、この測定ステップで得られた結果から前記切替元線路と前記迂回経路との光路差を補正する補正ステップと、この補正ステップの完了後に前記切替元線路の信号光を前記迂回経路に迂回させる迂回ステップとを具備することを特徴とする通信経路の迂回方法が提供される。
より具体的には、補正ステップにおいて、前記測定ステップで得られた結果から前記光通信区間の長さを調節することにより前記切替元線路と前記迂回経路との光路差を補正することができる。
このような手段を講じることにより、切替元線路を迂回線路に迂回させる際の光路長の違いにより生じる伝達時間の差を、一致させることができる。これにより切替元線路を迂回線路に迂回させたとしても伝達時間を一定に保つことができるので、信号光の論理リンク状態を継続させることが可能になる。
この発明によれば、伝送データの欠落、および伝送論理リンクのミスマッチを生じることなく信号光の経路を迂回させることの可能な通信経路の迂回方法および迂回装置を提供することができる。
[第1の実施形態]
図1は、この発明に関わる光通信システムの第1の実施の形態を示すシステム図である。この実施形態ではギガイーサネット(登録商標)をPONシステムに適用した、GE−PONシステムと称するシステムを例に採る。
図1において、伝送装置1から送出される信号光は分岐部(スプリッタ)3により、例えば4系統に分岐される。図1ではこのうち1系統の分岐線路5だけを表示する。分岐線路5は分岐部6によりさらに複数、例えば7系統の心線に分岐される。各ファイバ心線7はそれぞれ終端装置9−1〜9−7で終端されてユーザ宅に引き込まれる。これにより伝送装置1が終端装置9−1〜9−7を配下とするPONが形成される。なおファイバ心線7には、光ファイバ試験用の試験光が終端装置9−1〜9−7に入射することを防止するための試験光遮断用フィルタ8が設けられる。これによりインサービス試験を実施できる。
工事の対象になるのは分岐線路5である。この実施形態で説明する方法は、例えば公共工事などの要請を受けるかたちで実施される。分岐線路5を切替先線路(図示せず)に取り替えるための工事に際して信号光トラフィックを別ルートに迂回させる必要があり、迂回ユニット100が設けられる。
分岐部6は2入力N出力(2×N)の光分岐器である(Nは分岐数)。分岐部6のN個の出力端のうち例えば最老番を信号光28を取り出すためのモニタポート13とし、2つの入力端のうち1つを補償信号挿入用ポート12とする。補償信号挿入用ポート12には、迂回ルート14と分岐線路5との光路差の違いによる伝送時間の差を補償した補償信号29が、入射される。補償信号挿入用ポート12、モニタポート13のいずれも迂回ユニット100に接続される。迂回ユニット100には分岐部3からの信号光28も入射され、これにより分岐線路5とは異なる経路を含む閉経路が試験光挿入用カプラ4と分岐部6との間に形成される。
分岐線路5には、それぞれ試験光挿入用カプラ4aが分岐部3の直下流に接続される。試験光挿入用カプラ4aは、システムの敷設時、すなわちサービス開始前に予め分岐線路5に接続しておくのが好ましい。さらにその下流側に、可変曲げ損失器25が取り付けられる。
試験光挿入用カプラ4aは、試験光挿入用ポート10とパワーモニタポート11とを備える。このうち試験光挿入用ポート10には、光パルス試験器16で発生された試験光が入射される。試験光挿入用ポート10と光パルス試験器16との間の光導波路には、信号光が光パルス試験器16に入射することを防止するための信号光遮断用フィルタ15が設けられる。また分岐部3と伝送装置1との間には、試験光が伝送装置1に入射することを防止するための試験光遮断用フィルタ2が設けられる。パワーモニタポート11は、波長可変フィルタ19を介して迂回ユニット100の光カプラ20に接続される。
迂回ユニット100において、光カプラ20は光/電気変換器21および上り側レーザダイオード(LD)22′に接続される。このうち光/電気変換器21は試験光挿入用カプラ4aからの信号光28を電気信号に変換し、信号蓄積回路23に入力する。信号蓄積回路23はこの電気信号を遅延して下り側LD22に与え、これにより出力される補償信号光29は光カプラ20′を介して空間光通信送受信機26から送信される。送信された信号光29は空間光通信送受信機26′で受信され、光カプラ27を介して補償信号挿入用ポート12から分岐部6に入力される。なお下り側LD22はLDドライバ(駆動回路)24により駆動される。
一方、分岐部6のモニタポート13から取り出された信号光28は光カプラ27から空間光通信送受信機26′に与えられ、上りルートで空間光通信送受信機26に向け送信される。送信された信号光28は空間光通信送受信機26で受信され、光カプラ20′を介して光/電気変換器21′に入力されて電気信号に変換される。この電気信号は信号蓄積回路23に入力されて遅延されたのち、上り側LD22′に与えられる。これにより出力される信号光は光カプラ20を介して波長可変フィルタ19に結合される。なお上り側LD22′はLDドライバ24′により駆動される。
以上の構成において、LDドライバ24,24′の駆動、および信号蓄積回路23の遅延量はタイミング回路18から与えられるタイミングに応じて制御される。タイミング回路18は制御部17からの制御を受けて動作する。制御部18はこのほか、可変曲げ損失器25の損失量、および波長可変フィルタ19の透過帯域も制御する。
光パルス試験器16は、分岐線路5および迂回ルート14の長さを個別に測定するための、例えばOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)などの装置である。光パルス試験器16は、試験光挿入用ポート10に試験光を入射して、分岐線路5の伝達時間と迂回ルート14の伝達時間とを測定する。制御部17は、光パルス試験器16で得られた伝達時間をもとに分岐線路5と迂回ルート14との伝達時間差を算出し、タイミング回路18やLDドライバ24と24′および迂回ルート14を制御して、その差を補償する。また制御部17は、波長可変フィルタ19と可変曲げ損失器25を制御して、信号光を分岐線路5から迂回ルート14に移行させ、また迂回ルート14から分岐線路5に戻す処理を行う。
波長可変フィルタ19は、その透過帯域を連続的に、自在に変化させることの可能な特性を持つ。すなわち波長可変フィルタ19は、制御部18の制御に応じてその透過帯域を移動できるもので、パワーモニタポート11に迂回して来る信号光28を、透過させたり、遮断したりする。さらに波長可変フィルタ19は、光パルス試験器16からの試験光は常に透過させる特性も併せ持つ。
一般的に、試験光の波長には、光ファイバの曲げ損失を敏感に検知できるように信号光より長い波長が用いられている。上記特性を満足するためには、透過波長帯域を変えられるLWPF(Long Wave Pass Filter)、もしくはBPF(Band Pass Filter)のいずれによっても実現できる。この種の波長可変フィルタの例として、誘電体多層膜フィルタをエタロンとするものや、FBG(Fiber Bragg Grating)を用いるものが一般的である。このほか光学プリズムや、回折格子などを用いても実現できる。
信号蓄積回路23は、光/電気変換器21、21′により電気信号に変換された上り/下りの信号光を所要時間だけ遅延させる。遅延された信号はLDドライバ24、24′により駆動される上下のLD22と22′により信号光に再変換される。これにより信号光に所要の遅延を与えることができる。
可変曲げ損失器25は、制御部18の制御のもとで信号光28への損失量を自在に調整できる、可変光アッテネータである。例えば分岐線路5に曲げを作成し、その曲げ径を自在に制御することで曲がりによる放射損失の大きさを調整することができる。なお可変曲げ損失器25は信号光28を透過させたり、遮断したりする特性を持つのに加え、光パルス試験器16からの試験光に対しても同じような特性を併せ持つ。
ここで、試験波長には信号光の波長よりも長いものを用いる。曲がりによる放射損失は波長の長い光のほうが敏感に検知できるので監視光として都合が良く、この(試験)光の損失変化に対応させて信号光23の損失量を制御すればよい。例えば信号光28の波長に1.31マイクロメータ、試験光の波長に1.65マイクロメータを用いると、曲げに対する損失は1.65μmの試験光のほうが、およそ3倍大きく変化することから、この比を考慮して信号光28の損失を制御する。通常、曲げ曲率として5〜10mmを用い、このとき0〜40dBの損失が得られる。
空間光通信送受信機26,26′は、伝送時間を短縮させる手段として用いられる。すなわち、迂回ルート14の一部を、光空間通信を用いたFSO(Free Space Optics)に置き換える。そして光ファイバと空間との伝播速度の差を利用して、信号光の到達時間を光ファイバより早くすることもできる。なお実際の光通信設備や作業を考慮すると、空間光通信送受信機26,26′をそれぞれ局舎内、および分岐部6の近傍に設置するのが現実的である。このようにすると迂回ルート14の全区間が空間光通信区間となる。
以上の構成は、迂回手段として空間光通信をPONシステムに適用し、現用線路と迂回手段との伝送時間を一致させる例を示す。すなわち、信号光を迂回ルート14に取り出す手段として分岐線路5に設置される試験光挿入用カプラ4のパワーモニタポート11を用い、ファイバ心線7の一本を信号光モニタポート13としながら迂回ルート14からの伝達時間調整後の補償信号29を分岐線路5に戻す。その手段として分岐部6を用いるようにしている。次に、上記構成における作用を説明する。
図2は、試験光挿入用カプラ4と分岐部6との間の閉経路にOTDRによる光パルス試験を実施した結果の一例を示すOTDR波形である。この波形には、分岐部6からの反射光32を含む分岐線路5のフレネル反射光30と、ファイバ心線7の遠端の試験光遮断用フィルタ8からの反射光33とが観測される。
さらに、光パルス試験を閉経路に実施していることから、試験パルス光自身が光パルス試験器16に回帰する。図2において、この試験パルス回帰光31は閉経路全体で要する伝達時間の半分の位置に現れる。そこで、この試験パルス回帰光31を分岐部6からの反射光32に一致させれば、分岐線路5と迂回ルート14との伝達時間は完全に一致することになる。
試験パルス回帰光31と分岐部6からの反射光32との光路差をΔLとすると、その遅延時間ΔTは次式(1)で算出される。ただし式(1)においてcは光速度、ncはコアの屈折率である。
Figure 2009017498
図3は、分岐線路5と迂回ルート14との光路差により生じる伝達時間の差を補償する方法を説明するための図である。図3(a)は長尺線路から短尺線路への切替えを示す。すなわちこのケースは、分岐線路5のほうが迂回ルート14よりも長い場合に相当する。初期線路長L0(伝達時間T0)の長尺線路(A)から光路差ΔLだけ短い短尺線路(B)へ切り替えるとする。この切替において両線路で同じ時刻に信号を伝えられるようにするには、短尺線路(B)を式(1)のΔTだけ遅延する必要がある。この遅延ΔTを迂回ユニット100によって確保し短尺線路(B)に加算することで、短尺線路(B)の伝達時間を長尺線路(A)の伝達時間(T0+ΔT)に等しくすることができる。
図3(b)は短尺線路から長尺線路への切替えを示す。すなわちこのケースは、分岐線路5のほうが迂回ルート14よりも短い場合に相当する。初期線路長L0(伝達時間T0)の短尺線路(A)から光路差ΔLだけ長い長尺線路(B)へ切り替えるとする。この切替において両線路で同じ時刻に信号を伝えられるようにするには、長尺線路(B)に対して次の[1]、[2]の方法が考えられる。
[1] 迂回線路14において支障のない箇所でΔLだけ線路長を短くする。
[2] 長尺線路(B)の所要区間(区間長をXとする)において空間光通信を行い、光路差ΔL分によって遅延する伝達時間を、光ファイバ(c/nc)と空間(c/nA)との伝達速度の差を利用して短縮する。ただし、ncはコアの屈折率、nAは空気の屈折率、cは光速度である。
しかしながら[1]の方法は全く現実的でない。よって以下では[2]の方法について説明する。
図4は、光ファイバ通信の一部を空間光通信に置き換えたときの伝達時間と伝達距離との関係を示す模式図である。L0は短尺線路(A)の長さであり、この長さを光ファイバ通信で伝送するために要する伝達時間をT0とする。これを長尺線路(B)(長さL0+ΔL)に切り替え、なおかつ伝達時間をT0のままに保つためには、次式(2)に示す距離Xを空間光通信で伝送すればよい。
Figure 2009017498
式(2)の左辺は短尺線路(A)の伝達時間、右辺第1項は光ファイバの伝達時間、第2項は空間伝達時間である。
式(2)の空間光通信の所要距離Xについて整理すると、次式(3)を得る。
Figure 2009017498
式(3)において、例えばコアの屈折率をn0=1.46、空気の屈折率をnA=1.0とすると、Xは次式(4)となる。
Figure 2009017498
式(4)から、光路差ΔLに対してその約3.2倍の距離を空間光通信で伝送すればよいことが分かる。
このように、空間光通信の伝達速度が光ファイバ通信の伝達速度よりも速いという物理的事実を、信号光のルート変更に伴う光路差(伝達時間の変化)を補償するために利用できることがわかる。
図5は、この実施形態における信号光の経路の迂回手順を示すフローチャートである。この手順では、分岐線路5を別の経路に交換する手順も併せて説明する。図5において、試験光挿入用ポート10、パワーモニタポート11、補償信号挿入用ポート12、モニタポート13を介して分岐線路5に迂回ユニット100、光パルス試験器16、信号光遮断用フィルタ15、波長可変フィルタ19を接続する。これにより空間光通信区間を含む迂回ルート14が形成される(ステップS1)。これにより試験光挿入用カプラ4aと分岐部6aとの間で閉経路が形成される。このとき制御部17は、光パルス試験器16の試験光を透過させ、かつ、パワーモニタポート11に迂回してきた信号光28を遮断する状態に波長可変フィルタ19をセットする。
次に、制御部17は閉経路に対してOTDRによる光パルス試験を実行し、試験パルス回帰光31と分岐部6からの反射光32との光路差ΔLを計測する(ステップS2)。その結果に基づいて制御部17は、その値が0になるように光路差ΔLを補正する。分岐線路5が迂回ルート14よりも長ければ、制御部17は信号蓄積回路23の遅延量を増加させる。逆に分岐線路5が迂回ルート14よりも短ければ空間光通信区間の距離Xを変化させる(ステップS3)。
次に制御部17は、光路差ΔLが0の状態で可変曲げ損失器25の損失を徐々に増加させながら、波長可変フィルタ19の特性を信号光28を透過させるように徐々に変化させる(ステップS4)。この手順が完了すると分岐線路5を通過していた信号光28が迂回ルート14に移される。すなわち信号光28(迂回ルート14においては符号29を付す)の通過ルートの迂回ルート14への移し替えが完了する。このとき光パルス試験器16の試験光もまた透過帯域にあり、試験は継続して実施される。
この状態で分岐線路5を別の経路に交換することができる(ステップS5)。その工事が完了するとOTDRによる光パルス試験が再度実施され、試験パルス回帰光31と分岐部6からの反射光32との光路差ΔLが計測される(ステップS6)。その結果に基づいて制御部17は光路差ΔLを補正する。交換された経路が迂回ルート14よりも長ければ、制御部17は信号蓄積回路23の遅延量を増加させる。逆に交換された経路が迂回ルート14よりも短ければ空間光通信区間の距離Xを変化させる(ステップS7)。
次に制御部17は、可変曲げ損失器25の損失を徐々に低減させながら、波長可変フィルタ19の特性を信号光29を遮断するように徐々に変化させる(ステップS8)。この手順が完了すると迂回ルート14を通過していた信号光28が本来の経路に戻される。すなわち信号光28の別の経路への戻し替えが完了する。
以上述べたようにこの実施形態では、分岐線路5に迂回ユニット100を接続し、信号光を迂回させるための迂回ルート14による閉経路を形成する。そして光パルス試験器17により分岐線路5と迂回ルート14との光路差ΔLを測定する。その結果に基づいて、分岐線路5が迂回ルート14よりも長ければ、信号蓄積回路23の遅延量を増加させる。分岐線路5が迂回ルート14よりも短ければ迂回ルート14上の空間光通信区間の距離を変化させる。このようにして光路差ΔLを補正し、伝達時間差を0とした状態で信号光を迂回ルート14に移し替えるようにしている。
このようにしたので、信号光の経路を、信号光の途切れ無しに移し替えることができる。その際、閉経路を形成して光パルス試験を実施することで本来のルート(分岐線路5)と迂回ルート14との光路差ΔLを求められる。また、光/電気変換器21,21′LD22,22′、および信号蓄積回路23により迂回ルート14の伝達時間を見かけ上長くでき、迂回ルート14の伝達時間が短い場合にはこれを分岐線路5の伝達時間と等しくすることができる。さらに、迂回ルート14の一部または全てを空間光通信で置き換え、空間伝達速度が光ファイバ伝達速度よりも速いことを利用して迂回ルート14の伝達時間を短縮することもできる。これにより迂回ルート14の伝達時間が分岐線路5の伝達時間より長い場合でも、光路差ΔLを補正することができる。従ってルート変更に伴う光路差(伝達時間の変化)を補償することができ、通信を継続させつつ、しかも伝送論理リンクを矛盾させることなく信号光を移し替えることができる。これによりサービスを途絶させず支障移転工事を実行することが可能になる。これらのことから、伝送データの欠落、および伝送論理リンクのミスマッチを生じることなく信号光の経路を迂回させることの可能な通信経路の迂回方法および迂回装置を提供することが可能となる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
この発明に関わる光通信システムの実施の形態を示すシステム図。 試験光挿入用カプラ4と分岐部6との間の閉経路にOTDRによる光パルス試験を実施した結果の一例を示すOTDR波形を示す図。 分岐線路5と迂回ルート14との光路差により生じる伝達時間の差を補償する方法を説明するための図。 光ファイバ通信の一部を空間光通信に置き換えたときの伝達時間と伝達距離との関係を示す模式図。 この発明の第1の実施形態における信号光の経路の迂回手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…伝送装置、2…試験光遮断用フィルタ、3…分岐部(スプリッタ)、4a…試験光挿入用カプラ、5…分岐線路、6…分岐部、7…ファイバ心線、8…試験光遮断用フィルタ、9−1〜9−7…終端装置、10…試験光挿入用ポート、11…パワーモニタポート、12…補償信号挿入用ポート、13…モニタポート、14…迂回ルート、15…信号光遮断用フィルタ、16…光パルス試験器、17…制御部、18…タイミング回路、19…波長可変フィルタ、20…光カプラ、21,21′…光/電気変換器、22,22′…レーザダイオード(LD)、23…信号蓄積回路、24,24′…LDドライバ、25…可変曲げ損失器、26,26′…空間光通信送受信機、27…光カプラ、28…信号光、29…補償信号、100…迂回ユニット、30…分岐線路5からのフレネル反射光、31…試験パルス回帰光、32…分岐部6からの反射光、33…試験光遮断用フィルタ8からの反射光

Claims (8)

  1. 空間光通信区間を含む迂回経路を切替元線路に接続して閉経路を形成する接続ステップと、
    前記切替元線路と前記迂回経路との前記閉経路上での光路差を測定する測定ステップと、
    この測定ステップで得られた結果から前記切替元線路と前記迂回経路との光路差を補正する補正ステップと、
    この補正ステップの完了後に前記切替元線路の信号光を前記迂回経路に迂回させる迂回ステップとを具備することを特徴とする通信経路の迂回方法。
  2. 前記補正ステップは、前記測定ステップで得られた結果から前記光通信区間の長さを調節して前記切替元線路と前記迂回経路との光路差を補正するステップであることを特徴とする請求項1に記載の通信経路の迂回方法。
  3. 前記迂回線路に可変遅延器を設置し、
    前記補正ステップは、前記測定ステップで得られた結果から前記可変遅延器の遅延量を制御して前記切替元線路と前記迂回経路との光路差を補正するステップであることを特徴とする請求項1に記載の通信経路の迂回方法。
  4. 前記切替元線路に、前記迂回経路にも接続される光カプラを予め接続し、
    前記測定ステップは、前記切替元線路と前記迂回経路とに前記光カプラを介して試験光を入射して実施される光パルス試験法により前記光路差を測定するステップであることを特徴とする請求項1に記載の通信経路の迂回方法。
  5. さらに、前記切替元線路を切替先ファイバに交換する交換ステップと、
    前記切替先ファイバと前記迂回経路との前記閉経路上での光路差を計測する計測ステップと、
    この計測ステップで得られた結果から当該切替先ファイバと前記迂回経路との光路差を補償する補償ステップと、
    この補償ステップの完了後に前記迂回経路の信号光を前記切替先ファイバに復旧させる復旧ステップとを具備することを特徴とする請求項1に記載の通信経路の迂回方法。
  6. 光通信システムの光線路に接続されてこの光線路に対する迂回経路を形成する迂回装置であって、
    前記迂回経路に空間光通信区間を形成する空間光送受信部と、
    前記迂回経路を前記光線路に接続して形成される閉経路上での当該光線路と当該迂回経路との光路差を、光路長測定器から出力される試験光を前記閉経路に入射して測定する測定処理部と、
    この測定処理部で得られた結果から前記光線路と前記迂回経路との光路差を補正する補正処理部とを具備することを特徴とする迂回装置。
  7. 前記補正処理部は、前記測定処理部で得られた結果から前記光通信区間の長さを調節して前記光線路と前記迂回経路との光路差を補正することを特徴とする請求項6に記載の迂回装置。
  8. さらに、前記迂回線路に接続される可変遅延器を具備し、
    前記補正処理部は、前記測定処理部で得られた結果から前記可変遅延器の遅延量を制御して前記切替元線路と前記迂回経路との光路差を補正することを特徴とする請求項6に記載の迂回装置。
JP2007180141A 2007-07-09 2007-07-09 通信経路の迂回方法および迂回装置 Pending JP2009017498A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007180141A JP2009017498A (ja) 2007-07-09 2007-07-09 通信経路の迂回方法および迂回装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007180141A JP2009017498A (ja) 2007-07-09 2007-07-09 通信経路の迂回方法および迂回装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009017498A true JP2009017498A (ja) 2009-01-22

Family

ID=40357775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007180141A Pending JP2009017498A (ja) 2007-07-09 2007-07-09 通信経路の迂回方法および迂回装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009017498A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011211652A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nec Corp 光送信器、光送信方法、及び光送信プログラム
JP2014045380A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光伝送路二重化装置とその二重化方法
JP2015080020A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 日本電信電話株式会社 光線路波長測定システム及び光試験装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6281824A (ja) * 1985-10-04 1987-04-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 光線路の無瞬断切替方法
JPS6298932A (ja) * 1985-10-25 1987-05-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光線路の無瞬断切替方法
JPS62248325A (ja) * 1986-04-21 1987-10-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光フアイバ無瞬断切替装置および方法
JPS63104530A (ja) * 1986-10-21 1988-05-10 Fujikura Ltd 光伝送路の切換方法
JPH03268630A (ja) * 1990-03-19 1991-11-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ線路切替方法
JP2006319880A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Canon Inc 光空間通信システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6281824A (ja) * 1985-10-04 1987-04-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 光線路の無瞬断切替方法
JPS6298932A (ja) * 1985-10-25 1987-05-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光線路の無瞬断切替方法
JPS62248325A (ja) * 1986-04-21 1987-10-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光フアイバ無瞬断切替装置および方法
JPS63104530A (ja) * 1986-10-21 1988-05-10 Fujikura Ltd 光伝送路の切換方法
JPH03268630A (ja) * 1990-03-19 1991-11-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ線路切替方法
JP2006319880A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Canon Inc 光空間通信システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011211652A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nec Corp 光送信器、光送信方法、及び光送信プログラム
JP2014045380A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光伝送路二重化装置とその二重化方法
JP2015080020A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 日本電信電話株式会社 光線路波長測定システム及び光試験装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5115995B2 (ja) 光線路切替方法及び装置
JP5033703B2 (ja) 光通信線路の無瞬断切り替え方法および無瞬断切り替え装置
US5943151A (en) Mehtod of selectively compensating for the chromatic dispersion of optical signals
US8081877B2 (en) Method of determining an optical distance for chromatic dispersion compensation
EP3413481A1 (en) Method and device for determining the latency or length of an optical path, especially an optical fiber, of a fiber-optic transmission link
JP2002280968A (ja) 光増幅中継システム
JP5945491B2 (ja) 光通信線路切替装置及びこの切替装置を用いた光通信線路切替方法
JP2009017498A (ja) 通信経路の迂回方法および迂回装置
JP3325655B2 (ja) 分岐した光学線路回路網をモニタする方法と装置
US8014670B2 (en) Method and apparatus for testing and monitoring data communications in the presence of a coupler in an optical communications network
JPH0669167B2 (ja) 光線路の無瞬断切替方法
JP4959447B2 (ja) 通信経路の切替方法および制御装置
JPH0761041B2 (ja) 光フアイバ無瞬断切替装置および方法
JP4959448B2 (ja) 通信経路の切替方法および制御装置
Ng et al. Development of monitoring system for FTTH‐PON using combined ACS and SANTAD
WO2003056737A1 (fr) Appareil de compensation de dispersion en ligne pour systeme de transmission optique a repartition en longueur d&#39;onde haute vitesse
JP4015091B2 (ja) 光線路監視用デバイス
JP5271934B2 (ja) 二重化線路による光通信切替システム及び方法
JP3468097B2 (ja) 超広帯域波長分散補償・増幅デバイス
JP2838146B2 (ja) 光信号切換方法および光信号伝送路
Tsujimura et al. Length measurement for optical transmission line using interferometry
JP4173967B2 (ja) 光ファイバ損失測定方法及び測定装置
JP2002520946A (ja) 光学的加入者接続ネットワーク
Katsuyama In-service fiber line identification based on high-resolution fiber length measurement
KR100768623B1 (ko) 수동 광가입자망에서 예비용 광신호를 이용한 광선로 장애자동 복구 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120221