JP2009015963A - 磁気ヘッドの検査方法および磁気再生装置 - Google Patents

磁気ヘッドの検査方法および磁気再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エレクトロマイグレーションによる磁気抵抗効果素子の劣化を、磁気ディスク装置内部の温度変化の影響を受けることなく早期にしかも精度よく正確に検出することができる磁気ヘッドの検査方法および磁気ディスク装置(磁気再生装置)を提供する。
【解決手段】磁気ヘッド3の退避時に、磁気ヘッド3のセンス電流を変化させ、そのときの磁気抵抗効果素子の電気抵抗値の変化を測定し、変化率が一定値を超えて増大したときに磁気抵抗効果素子の異常と判断することにより、磁気ヘッド3の異常を精度よく早期に検出して、磁気ディスク装置の信頼性を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子(以下、MR素子という)を用いた磁気抵抗効果型の磁気ヘッド(以下、MRヘッドともいう)を搭載した磁気再生装置としての磁気ディスク装置に関し、より詳細には、MR素子が劣化を始める状態を検出する磁気ヘッドの検査方法に関するものである。
磁気ディスク装置に搭載されるMRヘッドは、磁気記録媒体(以下、磁気ディスクという)上に記録された情報を再生するために、MR素子にバイアス磁界を与え、更に磁気ディスクからの信号磁界をMR素子に流入させることにより、MR素子の抵抗値を変化させる構造である。一般的には10A/cm程度の電流密度でMR素子にセンス電流を供給する。
ここで、図8は従来の磁気ディスク装置の要部ブロック図(磁気ディスク装置の再生部における回路図)を示す。図8に示すように、MR素子21の両端が、それぞれコンデンサCを介して再生回路22へ接続され、再生回路22からの出力は、図外のリードライト集積回路へ送出される。
また、定電流回路20よりMR素子21へセンス電流が供給される。このときにMR素子21に磁気ディスクからの信号磁界が入ると、前記MR素子21の抵抗値が変化し、電圧の変化として現れて再生回路22に入力されることにより、記録データの再生が行われるものである。
しかし、MR素子21には10A/cm程度の高い電流密度でセンス電流を供給していることから、センス電流を一定方向に流し続けると、前記MR素子21にエレクトロマイグレーションあるいは温度上昇によるエレクトロマイグレーションの加速が生じる。このエレクトロマイグレーションは、高い電流密度で一定方向にセンス電流を流し続けることにより、電子流が原子を引き付け、これによって、原子が欠乏して発生するボイドや、ひきつけられた原子が蓄積して生じる突出部が特定箇所で成長するものである。この、エレクトロマイグレーションによりMR素子21が劣化し、MR素子21が破断するなどして、記録されていたデータが再生不能となることがある。
図9はエレクトロマイグレーションによるMR素子21の抵抗値の変化状態を示す。図9において、横軸はMR素子21へのセンス電流の累計通電時間であり、縦軸はMR素子21の抵抗値を示している。図9に示すように、センス電流を流し続けると、エレクトロマイグレーションによりMR素子21の抵抗値が、ある一定の値を超えるとそれ以後急激に増大し、最終的には記録されたデータを再生することが不可能となる。
一般に、MR素子の異常を早期に検出することができれば、データの保守の安全性を向上させることが可能となる。
従来の、MR素子を備えた磁気ヘッドの劣化を検出するための検査方法としては、センス電流を流した通常の再生モード時において、サーボパタンのトラック番号で決まる一定周期・一定振幅の基準バースト信号の再生信号を利用してMR素子の直流抵抗値の変化を監視し、MR素子の正常な直流抵抗値より一定値以上に直流抵抗値が増加した時にMR素子の異常状態と判断し、前記異常状態を検出した際に情報データの異常時処理を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−198623号公報
しかしながら、MR素子の直流抵抗値によって異常状態を判断する上記従来の磁気ヘッドの検査方法によれば、MR素子を備えた磁気ディスク装置の内部温度によって、MR素子の抵抗値が変化するため、MR素子が異常状態と判定した場合でも実際にはMR素子が正常である可能性があり、その信頼性が低くて、異常状態を正確には検出できないおそれがあるという課題があった。
この課題について詳しく説明する。図10は磁気ディスク装置の内部温度とMR素子の抵抗変化率との関係を示す。図10に示すように、磁気ディスク装置内の温度を25度から85度まで上昇させた場合、MR素子の抵抗変化率は6%程度増大していることがわかる。このように、MR素子の抵抗値は、磁気ディスク装置内部の温度によって、大きく変化することがわかる。従って、精度のよいMR素子の抵抗値測定を行うためには、磁気ディスク内部の温度を一定にする必要がある。しかし、前記従来の手法では、磁気ディスク装置が動作している状態でのMR抵抗値測定であるため、測定毎の磁気ディスク装置内部の温度管理が非常に困難であり、それによって、現実にはMR素子の抵抗値で判定すること自体の信頼性が著しく低下し、異常状態を精度よく(すなわち正確に)検出することができなかった。
本発明は、前記課題を解決するもので、エレクトロマイグレーションによる磁気抵抗効果素子の劣化を、磁気ディスク装置内部の温度変化の影響を受けることなく早期にしかも精度よく正確に検出することができる磁気ヘッドの検査方法および磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を、磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型の磁気ヘッドにセンス電流を供給して読み出す磁気再生装置における磁気ヘッドの検査方法であって、前記磁気ヘッドへ供給する前記センス電流を変化させるセンス電流変化ステップと、前記センス電流変化ステップに対する前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化率を測定する電気抵抗測定ステップと、前記電気抵抗の変化率が一定値を超えて増大したときに磁気抵抗効果素子が異常状態であると判定する異常判定ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、異常判断ステップにおいて磁気ヘッドが異常状態であると判定された際に磁気記録媒体の情報データを他の箇所に保存する異常時処理を行う異常時処理ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、磁気抵抗効果素子の電気抵抗変化の測定は、磁気ヘッドを磁気記録媒体から退避させた状態で行うことを特徴とする。
また、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、センス電流値の変化の幅は、磁気ヘッドにおいて磁気記録媒体に記録された情報データが再生できる範囲内であり、磁気再生装置で最適化されたセンス電流値を基準のセンス電流とし、基準のセンス電流から一定の幅で変化させた複数点以上のセンス電流を用いることを特徴とする。
また、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、センス電流による電気抵抗値の変化率が2%以上になったときに磁気抵抗効果素子の異常と判断し、異常信号を発することを特徴とする。
また、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、磁気再生装置が1つの磁気ヘッドのみを備えた磁気ディスク装置である場合に用いられる磁気ヘッドの検査方法であって、異常時処理として、磁気記録媒体の情報データを内部メモリーまたは外部メモリーへ記録し、磁気ヘッドへのセンス電流の通電を停止し、前記磁気記録媒体の駆動を停止することを特徴とする。
また、本発明の磁気ヘッドの検査方法は、磁気再生装置が複数の磁気ヘッドのみを備えた磁気ディスク装置である場合に用いられる磁気ヘッドの検査方法であって、異常時処理として、異常と判断された磁気ヘッドが担当する磁気記録媒体の情報データを、正常な磁気抵抗効果型の磁気ヘッドの記録面にデータを転送し、磁気再生装置を停止させることなく、メンテナンスを待つことを特徴とする。
また、本発明の磁気再生装置は、磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を、磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型の磁気ヘッドにセンス電流を供給して読み出す磁気ディスク装置であって、前記磁気ヘッドへ供給する前記センス電流を変化させるセンス電流変化手段と、前記センス電流変化に対する前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化率を測定する電気抵抗測定手段と、その電気抵抗の変化率が一定値を超えて増大したときに磁気抵抗効果素子が異常であると判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の磁気再生装置は、磁気ヘッドが異常状態であると判定された際に磁気記録媒体の情報データを他の箇所に保存させる制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の磁気再生装置は、磁気抵抗効果素子の電気抵抗変化の測定を、磁気ヘッドを磁気記録媒体から退避させた状態で行わせる制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明の磁気ヘッドの検査方法によれば、エレクトロマイグレーションによるMR素子の劣化を、MRヘッドの通電状態からMR抵抗値のセンス電流による変化率から検出する。これにより、MR素子の劣化による異常を、磁気ディスク装置の内部温度の変動の影響を受けることなく、正確に検出することが可能となり、磁気記録媒体上に記録された情報データを損失する前に、データの保全を図ることが可能となる。
また、異常の検出をデータ再生時ではなく、MRヘッド退避時に行うことによって、装置の信頼性向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドの検査方法およびこの検査方法を行う対象となる磁気ディスク装置を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置(磁気再生装置)の概略構成を示すブロック図である。
図1において、1は情報を記録する磁気記録媒体としての円板状の磁気ディスク、2は磁気ディスク1を回転させるスピンドルモータ、3は磁気ディスク1に情報を記録・再生する磁気抵抗効果素子21(図2参照、以下、MR素子という)が設けられた磁気抵抗効果型の磁気ヘッド(以下、MRヘッドという)、4はアクチュエータ・アームである。アクチュエータ・アーム4の先端にはMRヘッド3が取り付けられている。また、アクチュエータ・アーム4は、ボイスコイルモータ5により駆動力が与えられ、アクチュエータ・アーム4は、磁気ディスク1の略半径方向に沿って(磁気ディスク1よりも外側の箇所(後述するランプ部23)から内周方向にかけて)移動する。また、6はMR素子21(図2参照)の電気抵抗を測定する抵抗検出回路(電気抵抗測定手段)であり、この抵抗検出回路6で測定されたデータは判定手段としての異常検出部7へ送出され、後述するように、MR素子21の劣化を検出することを可能としている。また、8はヘッドアンプ(GMR差動アンプ)、9はリードライトチャネル集積回路、10はハードディスクコントローラ集積回路、11はモータドライバ集積回路、12は制御手段としても機能するマイコン集積回路である。
図2は、本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の再生部における回路を示す要部ブロック図である。
図2において、この磁気ディスク装置(磁気再生装置)において使用されるMR素子21は、磁気ディスク1からの磁界により磁化され、そのときのMR素子21の抵抗が変化するときの磁気抵抗効果を利用して再生する機能を有する。このMR素子21が設けられたMRヘッド3の再生回路系は、MR素子21の抵抗変化を検出するために、MR素子21へ定電流回路20からセンス電流を供給し、そのときのMR素子21の両端に発生する電圧の変化を検出することにより再生信号が得られる。
この磁気ディスク装置の動作を、図1、図2を用いて説明する。
MRヘッド3で磁気ディスク1に記録された情報を再生するためには、上述したようにMR素子21にセンス電流を流す必要がある。MR素子21の抵抗値の測定動作は、抵抗検出回路6において、MR素子21の端子間の電圧と、定電流回路20からのセンス電流とを検出し、これらの値から算出することにより行われる。また、本実施の形態においては、センス電流を変化させたときのMR素子21の抵抗値の変化率を検出するため、上記MR素子21の抵抗値測定を、センス電流を変化させて複数回行う。測定されたMR素子21の抵抗値データは異常検出部7へ送出され、センス電流によるMR素子21の抵抗値の変化率を算出し、抵抗値の変化率が一定値以内であったときは正常状態と判定する。一方、MR素子21がエレクトロマイグレーションによって劣化し、MR素子21の抵抗値の変化率が一定値を超えてに上昇した場合には、MR素子21が異常状態であると判定し、異常検出部7より信号線15を介してハードディスクコントローラ集積回路10へ異常検出信号を送出する。
異常検出部7より異常検出信号が信号線15を介してハードディスクコントローラ集積回路10へ送出されると、直ちに通常の再生モードになり、磁気ディスク1上の情報データを内部メモリー(図示せず)へ転送し、データの保全を行う。その後、MRヘッド3を退避させるために、ハードディスクコントローラ集積回路10より、信号線16を介してモータドライバ集積回路11へボイスコイルモータ停止信号が送出される。その後、モータドライバ集積回路11から信号線17を介してボイスコイルモータ5へ停止信号が送出されてMRヘッド3が退避される。MRヘッド3の退避後は、MR素子21へのセンス電流の供給を止め、ハードディスクコントローラ集積回路10より、信号線19を介してモータドライバ集積回路11へスピンドルモータ停止信号が送出される。その後、モータドライバ集積回路11から信号線18を介してスピンドルモータ2へ停止信号が送出され、スピンドルモータ2が停止される。
図3はハードディスクコントローラ集積回路10に異常検出信号が入力されたときの、MRヘッド退避動作を示す図である。
上述したが、図3にも示すように、MRヘッド3はボイスコイルモータ5で駆動されるアクチュエータ・アーム4の先端に、磁気ディスク1と対向して取り付けられており、磁気ディスク1に記録された情報データの再生時は、ボイスコイルモータ5によって磁気ディスク1の内周方向に移動する。アクチュエータ・アーム4はボイスコイルモータ5によって駆動力が与えられ、アクチュエータ軸25を中心としてその周りを回転する。また、磁気ディスク1の外周方向の所定の位置にMRヘッド3を退避させるランプ部23が設けられている。
ボイスコイルモータ5は、モータドライバ集積回路11により駆動され、このモータドライバ集積回路11はハードディスクコントローラ集積回路10へ接続されている。ハードディスクコントローラ集積回路10が異常検出信号を受け取った場合、上述のデータの保全を行い、その後モータドライバ集積回路11からボイスコイルモータ信号を送出し、ボイスコイルモータ5が駆動されてMRヘッド3がランプ部23に退避される。MRヘッド3がランプ部23へ退避した後に、ハードディスクコントローラ集積回路10より、ヘッドアンプへセンス電流供給停止信号が送出され、MR素子21へのセンス電流の供給が停止される。その後、ハードディスクコントローラ集積回路10より、モータドライバ集積回路11を介して、スピンドルモータ停止信号が送出され、スピンドルモータ2が停止される。
上記手順で、異常時処理を行うことで、MRヘッド3の磁気ディスク1への接触による破壊を未然に防止できる。
なお、前記ランプ部23には、磁気ディスク装置が起動していない場合においても、MRヘッド3を退避させるよう構成されているものであり、本発明のMR素子21の異常検出は、MRヘッド3の退避時にセンス電流を供給することにより行われるよう構成されている。
次に、図4を参照しながら、本実施の形態におけるMR素子21の異常状態の検出動作(判定動作)および異常時の処理フローを説明する。なお、以下の処理フローは、制御手段として機能するマイコン集積回路12で制御されるが、これに限るものではなく、他のコントローラ等で制御してもよい。
磁気ディスク装置に電源が投入されると(ステップS1)、まず、MRヘッド3をランプ部23へ退避させる(ステップS2)。次に、複数のセンス電流条件下での、MR素子21の抵抗測定を行う(ステップS3)。その後、この測定データに基づいて、MR素子21の抵抗変化率の算出を行い(ステップS4)、次のステップS5において異常状態であるかどうかを判定する。すなわち、MR素子21の抵抗変化率が一定値以下であれば、以下に述べる異常時処理(ステップS6〜S10)を行うことなく、磁気ディスク装置の通常動作(読み込み動作や書き込み動作)を行うが、MR素子21の抵抗変化率が一定値を超えた場合、異常時処理を行う。
ここで、図5はエレクトロマイグレーションによるMR素子21の抵抗値の変化を示す。図5において、横軸はMR素子21へのセンス電流の累計通電時間であり、縦軸はMR素子21の抵抗値を示している。図5に示すように、MR素子21へのセンス電流の累計通電時間が長くなれば、MR素子21の抵抗値は大きくなっていく。また、図6により、本実施の形態におけるMR抵抗値のセンス電流依存性に関係する、正常時(第1の測定ポイント)のMR抵抗のセンス電流による変化率と、劣化し始めた時点(第2の測定ポイント)でのMR抵抗のセンス電流による変化率とをそれぞれ示す。本実施の形態においては、センス電流2.85mA、3.15mAおよび3.45mAの条件下で行った場合(この実施の形態では磁気ディスク装置で最適化されたセンス電流値(3.15mA)を基準のセンス電流とし、前記基準のセンス電流から一定の幅(0.30mA)で変化させた2点のセンス電流を用いるが、これに限るものではない)の結果を示している。図6に示すように、MR素子21の正常時のMR抵抗の変化率は1%未満であるが、MR素子21が劣化し始めた時点でのMR素子21の抵抗値の変化率は、2%以上になっている。その後、MRヘッド3への通電をし続けた場合、図5に示すように急激にMR素子21の抵抗値が増大していき、最終的に磁気ディスク1上に記録されている情報データの再生が不可能となった。このことから、本実施の形態では、センス電流によるMR素子21の抵抗変化率が2%を超えた時点で、異常時処理を行う(図4のステップS5)。
また、図7は、磁気ディスク装置の内部の温度の違いによる、センス電流によるMR抵抗の変化率を示したもので、具体的には、磁気ディスク装置内部の温度を25度、65度、80度にしたときに、センス電流を2.85mAから3.45mAまで変化させた場合の、MR抵抗値の変化率を示している。図7に示すように、MR抵抗値のセンス電流依存性は磁気ディスク内部の温度によらず、ほぼ一定であることがわかる。このことから、複数点でのセンス電流によるMR抵抗値の変化を検出し、その変化率を用いることで、環境温度に依存されずに、精度のよいMR素子の異常検出が可能となることがわかる。
上記のように、センス電流によるMR素子21の電気抵抗変化率が2%以上であった場合、直ちに磁気ディスク1上に記録されているデータを内部メモリーへ転送する(図4のステップS6)。情報データの退避が完了したら、ボイスコイルモータ5によりアクチュエータ・アーム4を駆動させ、MRヘッド3を所定の箇所(ランプ部23)に退避させる(図4のステップS7)。MRヘッド2の退避が完了した時点で、MR素子21へのセンス電流の供給を停止する(図4のステップS8)。その後、スピンドルモータ2を停止させ(図4のステップS9)、磁気ディスク装置を停止モードにして、メンテナンスを待つ異常時処理を行う(図4のステップS10)。
このように、センス電流によるMR素子21の抵抗変化率が所定値(この実施の形態では2%)を超えた時点で、異常時処理することで、磁気ディスク1上に記録されている情報データを失うことなく、保守することが可能となった。以上のように、本発明では、MRヘッド3のエレクトロマイグレーションによる劣化を、センス電流によるMR抵抗値の変化率から検出することにより、磁気ディスク装置内部の温度によらず、精度よくMR素子21の劣化を検出することが可能となり、MRヘッド3の異常を早期に検出して、磁気ディスク1上の情報データを失う前に保守することができ、磁気ディスク装置の信頼性を向上させることができた。
このように、本手法を用いることで、MR素子21の劣化を、センス電流によるMR抵抗値の変化率から検出することが可能であることがわかる。
上記の実施の形態では、センス電流によるMR素子21の抵抗変化率を算出するために、センス電流の条件を3つ(2.85mA、3.15mA、3.45mA)使用した場合の例であるが、センス電流によるMR素子21の抵抗値の変化率が測定できる2つ以上の、任意のセンス電流条件を使用してもよいのは勿論である。
また、本実施の形態においては、異常時処理する時のMR素子21の抵抗変化率を2%以上としたが、使用するセンス電流条件により、任意に設定してもよいのは、勿論である。
また、異常検出信号により、MRヘッド3へのセンス電流供給停止、スピンドルモータ2の停止を行わせずに、異常警報を発するようにし、その異常警報からユーザーの判断で、外部メモリー等へデータの退避を行ってもよい。
また、上記の実施の形態は、磁気ディスクおよびMRヘッド3が1個の磁気ディスク装置に対して本発明を適用した例であるが、磁気ディスクおよびMRヘッド3が複数ある場合には、MR素子21に異常が検出されたMRヘッド3が担当する記録ディスク面の情報データを、他の正常なMRヘッド3の記録面にデータを転送し、システムを止めることなく、メンテナンスを待つ異常処理をさせてもよい。
本発明にかかる磁気ヘッドの検査方法および磁気再生装置は、磁気抵抗効果型のMRヘッド(磁気ヘッド)における、エレクトロマイグレーションによる劣化を早期に検出する機能を有し、再生不可能になる前にデータの破壊を防止することができ、ハードディスクの信頼性向上させる手法として特に有用であるが、磁気抵抗効果型のMRヘッド(磁気ヘッド)で情報を再生する装置に適用可能である。
本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置(磁気再生装置)の概略構成を示すブロック図 同磁気ディスク装置の再生部における回路を示す要部ブロック図 同磁気ディスク装置の異常検出時のMRヘッド退避動作を示す図 同磁気ディスク装置の抵抗異常検出動作および異常検出時の処理フローを示すフローチャート 同磁気ディスク装置のエレクトロマイグレーションによるMR抵抗値の変化を示す図 同磁気ディスク装置のMR抵抗値のセンス電流依存性を示す図 同磁気ディスク装置の環境温度の違いによるMR抵抗値のセンス電流依存性を示す図 従来の磁気ディスク装置の再生部における回路を示す要部ブロック図 磁気ディスク装置のエレクトロマイグレーションによるMR抵抗値の変化を示す図 磁気ディスク装置のMR抵抗値の環境温度依存性を示す図
符号の説明
1 磁気ディスク(磁気記録媒体)
2 スピンドルモータ
3 MRヘッド(磁気ヘッド)
4 アクチュエータ・アーム
5 ボイスコイルモータ
6 抵抗検出回路(電気抵抗測定手段)
7 異常検出部
10 ハードディスクコントローラ集積回路
12 マイコン集積回路(制御手段)
20 定電流回路
21 MR素子(磁気抵抗効果素子)
22 再生回路
23 ヘッド退避用ランプ部

Claims (10)

  1. 磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を、磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型の磁気ヘッドにセンス電流を供給して読み出す磁気再生装置における磁気ヘッドの検査方法であって、前記磁気ヘッドへ供給する前記センス電流を変化させるセンス電流変化ステップと、前記センス電流変化ステップに対する前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化率を測定する電気抵抗測定ステップと、前記電気抵抗の変化率が一定値を超えて増大したときに磁気抵抗効果素子が異常状態であると判定する異常判定ステップとを含むことを特徴とする磁気ヘッドの検査方法。
  2. 異常判断ステップにおいて磁気ヘッドが異常状態であると判定された際に磁気記録媒体の情報データを他の箇所に保存する異常時処理を行う異常時処理ステップを含むことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドの検査方法。
  3. 磁気抵抗効果素子の電気抵抗変化の測定は、磁気ヘッドを磁気記録媒体から退避させた状態で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ヘッドの検査方法。
  4. センス電流値の変化の幅は、磁気ヘッドにおいて磁気記録媒体に記録された情報データが再生できる範囲内であり、磁気再生装置で最適化されたセンス電流値を基準のセンス電流とし、基準のセンス電流から一定の幅で変化させた複数点以上のセンス電流を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気ヘッドの検査方法。
  5. センス電流による電気抵抗値の変化率が2%以上になったときに磁気抵抗効果素子の異常と判断し、異常信号を発することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気ヘッドの検査方法。
  6. 磁気再生装置が1つの磁気ヘッドのみを備えた磁気ディスク装置である場合に用いられる磁気ヘッドの検査方法であって、異常時処理として、磁気記録媒体の情報データを内部メモリーまたは外部メモリーへ記録し、磁気ヘッドへのセンス電流の通電を停止し、前記磁気記録媒体の駆動を停止することを特徴とする請求項2に記載の磁気ヘッドの検査方法。
  7. 磁気再生装置が複数の磁気ヘッドのみを備えた磁気ディスク装置である場合に用いられる磁気ヘッドの検査方法であって、異常時処理として、異常と判断された磁気ヘッドが担当する磁気記録媒体の情報データを、正常な磁気抵抗効果型の磁気ヘッドの記録面にデータを転送し、磁気再生装置を停止させることなく、メンテナンスを待つことを特徴とする請求項2に記載の磁気ヘッドの検査方法。
  8. 磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を、磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果型の磁気ヘッドにセンス電流を供給して読み出す磁気ディスク装置であって、前記磁気ヘッドへ供給する前記センス電流を変化させるセンス電流変化手段と、前記センス電流変化に対する前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化率を測定する電気抵抗測定手段と、その電気抵抗の変化率が一定値を超えて増大したときに磁気抵抗効果素子が異常であると判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする磁気再生装置。
  9. 磁気ヘッドが異常状態であると判定された際に磁気記録媒体の情報データを他の箇所に保存させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の磁気再生装置。
  10. 磁気抵抗効果素子の電気抵抗変化の測定を、磁気ヘッドを磁気記録媒体から退避させた状態で行わせる制御手段を備えたことを特徴とする請求項8または9に記載の磁気再生装置。
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