JP2009013219A - スチールコード被覆用ゴム組成物、ベルトおよびタイヤ - Google Patents

スチールコード被覆用ゴム組成物、ベルトおよびタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】石油資源に由来する成分の使用量を低減するとともに加工性を向上することができ、かつスチールコードとの接着性の低下を抑止することができるスチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルト、ならびにそのベルトを用いて製造されたタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴムと、ジエン系ゴム100質量部に対して40質量部以上70質量部以下のシリカと、5質量部以上15質量部以下の炭酸カルシウムと、3.5質量部以上5質量部以下の硫黄とを含むスチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルト、ならびにそのベルトを用いて製造されたタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、スチールコード被覆用ゴム組成物、ベルトおよびタイヤに関し、特に、石油資源に由来する成分の使用量を低減するとともに加工性を向上することができ、かつスチールコードとの接着性の低下を抑止することができるスチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルト、ならびにそのベルトを用いて製造されたタイヤに関する。
現在市販されているタイヤは、タイヤの全質量の半分以上が石油資源に由来する成分から構成されている。たとえば、一般的な乗用車用ラジアルタイヤは、タイヤの全質量に対して、合成ゴムを約2割、カーボンブラックを約2割、他にアロマオイルや合成繊維を含んでおり、タイヤの全質量の5割以上を石油資源に由来する成分が占めている。
近年、環境問題が重視されるようになり、CO2の排出を抑制する規制が強化され、また、石油資源は有限であって供給量が年々減少していることから、将来的に石油価格の高騰が予測され、石油資源に由来する成分の使用には限界がみられる。
そこで、たとえば特許文献1には、充填剤に石油資源に由来しない成分(石油外資源に由来する成分)であるシリカを用いて、タイヤのベルトのスチールコードを被覆するゴム組成物を形成する技術が開示されている。
特開2003−64222号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、ゴム組成物の充填剤にシリカを多量に用いた場合には、当該ゴム組成物のムーニー粘度が増大して加工性が悪くなる。
また、一般にタイヤのベルトに用いられるスチールコードは真鍮メッキで被覆されており、真鍮メッキ中の銅イオンや亜鉛イオンがゴム中の硫黄と反応して接着反応層を形成することによって、加硫後のゴムとスチールコードとの接着性を向上させている。
しかしながら、硫黄を多量に配合したゴム組成物中にスチールコードを埋設したベルトを用いてタイヤを作製した場合には、車両の走行時のタイヤの発熱によりベルトを構成するゴムの劣化が進行して、ベルトとスチールコードとの接着性が低下するという問題があった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、石油資源に由来する成分の使用量を低減するとともに加工性を向上することができ、かつスチールコードとの接着性の低下を抑止することができるスチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルト、ならびにそのベルトを用いて製造されたタイヤを提供することにある。
本発明は、ジエン系ゴムと、ジエン系ゴム100質量部に対して40質量部以上70質量部以下のシリカと、ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上15質量部以下の炭酸カルシウムと、ジエン系ゴム100質量部に対して3.5質量部以上5質量部以下の硫黄と、を含む、スチールコード被覆用ゴム組成物である。
ここで、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、ジエン系ゴム100質量部に
対して5質量部以下のカーボンブラックが含まれていてもよい。
また、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、ジエン系ゴム100質量部に対して1質量部以上15質量部以下のシランカップリング剤が含まれることが好ましい。
また、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、ジエン系ゴム100質量部に対して10質量部以上20質量部以下の酸化亜鉛が含まれることが好ましい。
また、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、有機コバルト塩が含まれることが好ましい。
また、本発明は、スチールコードと、上記のいずれかのスチールコード被覆用ゴム組成物と、を含み、スチールコードがスチールコード被覆用ゴム組成物中に埋設されてなるベルトである。
さらに、本発明は、上記のベルトを用いて製造されたタイヤである。
本発明によれば、石油資源に由来する成分の使用量を低減するとともに加工性を向上することができ、かつスチールコードとの接着性の低下を抑止することができるスチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルト、ならびにそのベルトを用いて製造されたタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<ジエン系ゴム>
本発明に用いられるジエン系ゴムとしては、従来から公知のジエン系ゴムを用いることができるが、低発熱性にするとともにスチールコードとの接着性を向上させる観点からは、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)およびエポキシ化天然ゴム(ENR)からなる群から選択された少なくとも1種のジエン系ゴムを用いることが好ましい。
また、低発熱性にするとともにスチールコードとの接着性を向上させ、さらには石油資源に由来する成分の使用量を低減する観点からは、本発明に用いられるジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)およびエポキシ化天然ゴム(ENR)の少なくとも一方を用いることが好ましく、天然ゴム(NR)のみを用いることがより好ましい。
なお、天然ゴム(NR)としては従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ゴム工業において一般的に使用されているTSR20、RSS♯3等を用いることができる。また、エポキシ化天然ゴム(ENR)も従来から公知のものを用いることができ、たとえば市販のエポキシ化天然ゴム、または天然ゴムをエポキシ化したもの等を用いることができる。
<シリカ>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して40質量部以上70質量部以下のシリカを含む。シリカの含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して40質量部未満である場合には石油資源に由来する成分の使用量を抑制することができず、70質量部を超える場合にはムーニー粘度が上昇しすぎて加工性を向上することができない。ここで、本発明に用いられるシリカとしては、従来から公知
のものを用いることができ、たとえば、無水シリカおよび/または含水シリカ等を用いることができる。
また、十分なゴム補強性を得る観点からは、シリカの含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して、40質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。
また、シリカの含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。
また、シリカの窒素吸着比表面積(以下、「N2SA」という。)は150m2/g以上であることが好ましく、180m2/g以上であることがより好ましい。シリカのN2SAが150m2/g以上、特に180m2/g以上である場合には、十分なゴムの補強性が得られる傾向にある。
また、シリカのN2SAは250m2/g以下であることが好ましく、220m2/g以下であることがより好ましい。シリカのN2SAが250m2/g以下、特に220m2/g以下である場合には、分散性に優れ、凝集を抑えることができることから、十分なゴム補強性が得られる傾向にある。
<炭酸カルシウム>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上15質量部以下の炭酸カルシウムを含む。炭酸カルシウムの含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して5質量部未満である場合には炭酸カルシウムの含有量が少なすぎてその配合効果を十分に発揮できず、加工性を向上することができず(ムーニー粘度の低減効果が見られない)、15質量部を超える場合には炭酸カルシウムの含有量が多すぎて、加硫後においてスチールコードとの接着性が悪化し、耐久性が低下してしまう。
本発明に用いられる炭酸カルシウムとしては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、重質炭酸カルシウムおよび/または沈降性炭酸カルシウム等を用いることができる。
また、炭酸カルシウムの含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。炭酸カルシウムの含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上である場合、特に8質量部以上である場合には、ムーニー粘度を低減することができ、加工性が向上する傾向にある。
また、炭酸カルシウムの含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して15質量部以下であることが好ましく、12質量部以下であることがより好ましい。炭酸カルシウムの含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して15質量部以下である場合、特に12質量部以下である場合には、スチールコードとの接着性、耐久性を維持できる傾向にある。
<硫黄>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、上記のジエン系ゴム100質量部に対して3.5質量部以上5質量部以下の硫黄が含まれる。硫黄の含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して3.5質量部未満である場合には加硫後のゴムとスチールコードとの接着性が低下し、5質量部を超える場合には加硫後のゴムの耐熱劣化性が悪化すると
ともに硫黄の多量配合により加硫後のゴム中に溶解しない硫黄分がゴム表面に析出するブルーミングという現象が発生し、ムーニー粘度が高くなりやすいシリカ配合のゴム混練り時の厳密な温度管理が必要となるため生産性が悪化する。本発明において、硫黄としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、鶴見化学(株)製の粉末硫黄、フレキシス社製のクリステックスHSOT20、三新化学工業(株)製のサンフェルEX等を用いることができる。
また、硫黄の含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して3.5質量部以上であることが好ましく、4質量部以上であることがより好ましい。硫黄の含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して3.5質量部以上である場合、特に4質量部以上である場合には加硫後のゴムとスチールコードとの接着を維持できる傾向にある。
また、硫黄の含有量は、上記のジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、4.5質量部以下であることがより好ましい。硫黄の含有量が上記のジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以下である場合、特に4.5質量部以下である場合には耐熱性を維持することができ、ブルーミングも発生しなくなる傾向にある。
<カーボンブラック>
また、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、石油資源に由来する従来から公知のカーボンブラックを含んでいてもよいが、石油資源に由来する成分の使用量を低減する観点からは、上記のジエン系ゴム100質量部に対してカーボンブラックの含有量は25質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、全く含まれていないことが最も好ましい。
なお、カーボンブラックとしては、たとえば、SAF、ISAF、HAF、FEF等の従来から公知のカーボンブラックを用いることができる。
<シランカップリング剤>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、シランカップリング剤が含まれることが好ましい。ここで、シランカップリング剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系が挙げられる。なお、上記のシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、シランカップリング剤の含有量は、上記のシリカ100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記のシリカ100質量部に対して1質量部以上である場合、特に2質量部以上である場合には、シリカの反応性を向上させ、ゴムの補強性を向上できる傾向にある。
また、シランカップリング剤の含有量は、上記のシリカ100質量部に対して15質量部以下であることが好ましく、12質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記のシリカ100質量部に対して15質量部以下である場合、特に12質量部以下である場合には、シリカの反応性を向上させる効果とコストのバランスを維持できる傾向にある。
<酸化亜鉛>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、酸化亜鉛が含まれることが好ましい。ここで、酸化亜鉛としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号、亜鉛華2号等を用いることができる。
ここで、酸化亜鉛の含有量は、適宜設定することが可能であるが、上記のジエン系ゴム100質量部に対して10質量部以上20質量部以下であることが好ましく、12質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、13質量部以上18質量部以下であることがさらに好ましい。酸化亜鉛の含有量が、上記のジエン系ゴム100質量部に対して10質量部未満である場合には本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物の加硫後のゴムとスチールコードとの接着反応性が低下して、ゴムがスチールコードから剥離しやすくなる傾向にある。また、酸化亜鉛の含有量が20質量部を超える場合には、酸化亜鉛の分散性が悪くなって、この場合にも加硫後のゴムとスチールコードとの接着反応性が低下して、ゴムがスチールコードから剥離しやすくなる傾向にある。
また、酸化亜鉛の含有量が、上記のジエン系ゴム100質量部に対して12質量部以上20質量部以下である場合、特に13質量部以上18質量部以下である場合には、加硫後のゴムがスチールコードから剥離するのを十分に抑制することができる傾向にある。
<有機酸コバルト塩>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、有機酸コバルト塩が含まれることが好ましい。本発明において、有機酸コバルト塩としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、マレイン酸コバルト等を用いることができる。上記の有機酸コバルト塩は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、加硫後のゴムを補強して耐セパレーション性能を向上させる観点からは、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトを用いることがより好ましい。
有機酸コバルト塩の含有量は、特に限定はされないが、スチールコードとの接着性を十分なものとする観点からは、コバルト金属に換算して、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、1.5質量部以上であることがより好ましい。
また、有機酸コバルト塩の含有量は、コスト高になることを抑制する観点からは、コバルト金属に換算して、ゴム成分100質量部に対して3質量部以下であることが好ましく、2.5質量部以下であることがより好ましい。
<その他成分>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、上記の成分以外にも、たとえば、タイヤ工業において一般的に使用されるワックス、各種老化防止剤、ステアリン酸、または加硫促進剤等の各種成分が適宜配合されていてもよい。
<スチールコード被覆用ゴム組成物>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、たとえば、上記の成分を、従来から公知のオープンロール、バンバリーミキサー、加圧型ニーダーまたは連続混練機等を用いて混練りすること等によって、上記の成分を混合して得ることができる。
<ベルト>
図1に、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製したベルトの一部の一例の模式的な斜視図を示す。ここで、ベルトは、スチールコード11の複数がシート状の本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物15中に埋設された構成となっている。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトは、たとえば、まず、複数のスチールコード11を引き伸ばして並列に配列した状態でスチールコード11の上下に未加硫のスチールコード被覆用ゴム組成物15をトッピングすることにより作製することができる。
なお、本発明において、スチールコード11としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、複数のスチール製のフィラメントを撚り合わせたものの外周面を真鍮メッキで被覆したもの等を用いることができる。
<タイヤ>
以下、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いてタイヤを製造する方法の一例について説明する。
まず、従来から公知のドラムロールの外周面上に、たとえば、ポリエステル等からなるコードがゴムシート中に埋設された構成のプライを環状に巻き付ける。
次に、図2の模式的断面図に示すように、複数のワイヤが束ねられて環状にされたビードワイヤ5を環状のプライ4の両端の外周面上に打ち込むとともに、本発明のゴム組成物からなるビードエイペックス7を設置し、プライ4の両端を内側に折り返して、プライ4の折り返し部4aと非折り返し部4bとの間にビードワイヤ5およびビードエイペックス7を包み込む。
続いて、図3の模式的断面図に示すように、ビードワイヤ5およびビードエイペックス7が端部に包み込まれたプライ4をトロイド状に膨らませる。
次いで、図4の模式的断面図に示すように、プライ4の中央の外周面上に本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製された第1のベルト6bと第2のベルト6aとをこの順序で積層することによってベルト6を形成する。
その後、従来から公知の方法によってグリーンタイヤを作製し、作製したグリーンタイ
ヤをタイヤ成形用の金型に設置した後に加硫することによって、グリーンタイヤのトレッド、サイドウォール、ベルト、ジョイントレスバンド、インナーライナー、プライ、およびビードエイペックス等の各部位を構成する未加硫ゴム組成物が加硫されて、タイヤが製造される。
なお、上記においては、トレッド、サイドウォール、ジョイントレスバンド、およびインナーライナー等を設置する工程についての説明は省略している。
図5に上記のようにして製造されたタイヤの一例の上部の模式的な断面図を示す。また、図6に、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いて作製されたタイヤの他の一例の内部構造を図解するための模式図を示す。
ここで、図5および図6に示すように、上記のようにして製造されたタイヤにおいては、ビードワイヤ5およびビードエイペックス7をその両端部に包み込んだプライ4の側面にサイドウォール9が形成されている。また、プライ4の外周面の中央には第1のベルト層6bと第2のベルト層6aとがこの順序で積層されたベルト6が設置されているとともにベルト6の端部を覆うようにしてジョイントレスバンド1が設置され、ベルト6およびジョイントレスバンド1の外周面側にはタイヤの接地部となるトレッド8が形成されている。また、プライ4の内周面には、プライ4の内部の空気等のガスが外部に漏れるのを抑制するためにインナーライナー10が設けられている。
以上の構成を有するタイヤは、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いて作製されていることから、未加硫時においてはゴム組成物の加工性に優れ、加硫後においてはスチールコードとの接着性を向上することができることから、長期間の走行に耐え得る高耐久性のタイヤとすることができる。
さらに、上記構成のタイヤは、石油資源に由来する成分の使用量を抑えることができることから、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできるエコタイヤとすることができる。
なお、石油資源に由来する成分の使用量を抑制する観点からは、ベルト以外のタイヤの部位についても石油資源に由来する成分以外の成分をできるだけ用いて作製することが好ましいことは言うまでもない。
<未加硫ゴム組成物の作製>
表1に示す配合に従って、(株)神戸製鋼製の1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の成分を160℃排出で約3分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して100℃で3分間混練りし、実施例1〜3および比較例1〜2のそれぞれの未加硫ゴム組成物を得た。
なお、表1の配合の欄に示されている数値は、天然ゴムからなるジエン系ゴムの配合量を100質量部としたときの各成分の配合量が質量部で表わされている。
Figure 2009013219
(注1)天然ゴム:インドネシア製のTSR20
(注2)シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)
(注3)炭酸カルシウム:常陸大理石(株)製のHTO−12
(注4)シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266
(注5)老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
(注6)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
(注7)COST:日鉱金属(株)製のCOST−S
(注8)硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
(注9)加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ
<ムーニー粘度>
実施例1〜3および比較例1〜2のそれぞれの未加硫ゴム組成物について、ムーニー粘度を測定した。その結果を表1に示す。なお、ムーニー粘度は、JIS K6300に準じて、130℃におけるML(1+4)にて測定を実施した。
ここで、表1のムーニー粘度ML(1+4)の欄の数値は、比較例1のムーニー粘度を100としたときの相対値で表わされており、表1のムーニー粘度ML(1+4)の欄の数値が小さいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示している。
<接着強度>
上記の実施例1〜3および比較例1〜2の未加硫ゴム組成物をカレンダーロールを用いてそれぞれ1mm以下の薄いフィルム状に加工し、フィルム状の2枚の未加硫ゴム組成物でスチールコードをその上下面から挟むようにして被覆することによって、ベルトをそれぞれ作製した。続いて、上記のようにして作製したそれぞれのベルトをタイヤ1本分の長さおよび幅に切断した。そして、以上の工程を経た後に加硫して、195/65R15の乗用車タイヤを作製し、以下の評価を行なった。
ここで、作製した乗用車タイヤの基本構造は次のとおりである。
プライ
コード角度 タイヤ周方向に90度
コード材料 940〜1500デニール
ベルト
コード角度 タイヤ周方向に17〜26度
コード材料 スチール(真鍮メッキ(銅−亜鉛合金メッキ))
ジョイントレスバンド
コード角度 タイヤ周方向に0〜3度
コード材料 ナイロンまたはPEN 840〜1500デニール
そして、上記で作製した乗用車タイヤをそれぞれ、JIS規格の140%荷重の条件下で、80km/hの速度で60000kmドラム走行させた。その後、タイヤからベルトを取り出して、取り出したベルトから幅25mmの接着剥離試験用ゴム試験片を作製し、スチールコードの上下面の2枚の加硫ゴムをそれぞれ掴んで50mm/分の引っ張り速度でスチールコードから剥離させた。
その後、加硫ゴムとスチールコードとの剥離面において、加硫ゴムがスチールコードの表面を被覆している面積の割合を算出した。その結果を表1に示す。
ここで、表1の接着強度の欄の数値は、比較例1の未加硫ゴム組成物を用いて作製したベルトを有する比較例1の乗用車タイヤの上記面積の割合を100としたときの相対値で表わされており、表1の接着強度の欄の数値が大きいほど加硫ゴムとスチールコードとの接着強度が高いことを示している。
<評価>
表1に示すように、天然ゴム100質量部に対して5〜15質量部の炭酸カルシウムを含む実施例1〜3の未加硫ゴム組成物については、シリカと炭酸カルシウムからなる無機フィラーの総含有量が天然ゴム100質量部に対して53〜57質量部と多量に配合されることになるが、無機フィラーとしてシリカのみが天然ゴム100質量部に対して50質量部配合された比較例1の未加硫ゴム組成物と比べて、無機フィラーの総含有量は多くなるが、ムーニー粘度は小さくなり、加工性が向上することが確認された。
また、表1に示すように、天然ゴム100質量部に対して20質量部の炭酸カルシウムを含む比較例2の未加硫ゴム組成物については、実施例1〜3の未加硫ゴム組成物と比べて、無機フィラーの総含有量は多くなるが、ムーニー粘度は小さくなって加工性が向上したが、乗用車タイヤの走行後の加硫ゴムとスチールコードとの接着強度が大幅に悪化した。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、石油資源に由来する成分の使用量を低減するとともに加工性を向上することができ、かつスチールコードとの接着性の低下を抑止することができるスチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルト、ならびにそのベルトを用いて製造されたタイヤを提供することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製したベルトの一部の一例の模式的な斜視図である。 本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いてタイヤを製造する方法の一例の製造工程の一部を図解するための模式的な断面図である。 本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いてタイヤを製造する方法の一例の製造工程の他の一部を図解するための模式的な断面図である。 本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いてタイヤを製造する方法の一例の製造工程のさらに他の一部を図解するための模式的な断面図である。 本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いて作製されたタイヤの一例の上部の模式的な断面図である。 本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて作製されたベルトを用いて作製されたタイヤの他の一例の内部構造を図解するための模式図である。
符号の説明
1 ジョイントレスバンド、4 プライ、4a 折り返し部、4b 非折り返し部、5
ビードワイヤ、6 ベルト、6a 第2のベルト、6b 第1のベルト、7 ビードエイペックス、8 トレッド、9 サイドウォール、10 インナーライナー、11 スチールコード、15 スチールコード被覆用ゴム組成物。

Claims (7)

  1. ジエン系ゴムと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して40質量部以上70質量部以下のシリカと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上15質量部以下の炭酸カルシウムと、前記ジエン系ゴム100質量部に対して3.5質量部以上5質量部以下の硫黄と、を含む、スチールコード被覆用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする、請求項1に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100質量部に対して1質量部以上15質量部以下のシランカップリング剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴム100質量部に対して10質量部以上20質量部以下の酸化亜鉛を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  5. 有機コバルト塩を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  6. スチールコードと、請求項1から5のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物と、を含み、
    前記スチールコードが前記スチールコード被覆用ゴム組成物中に埋設されてなる、ベルト。
  7. 請求項6に記載のベルトを用いて製造された、タイヤ。
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