JP2009012725A - 格納式ルーフ車両の排水構造 - Google Patents

Abstract

【課題】格納式ルーフ車両における排水構造を提供する。
【解決手段】ルーフパネル２の後端部に取付けられるリヤ取付基部１２とバックウインドパネル７に弾接するリヤシール部１１を有するリヤウェザーストリップ１０と、ルーフパネル２の左右両端部に設けられるサイド取付基部２２ＡとサイドガラスＧに弾接するサイドシール部２１を有するサイドウェザーストリップ２０を備え、両ウェザーストリップ１０，２０はコーナー部で型成形接続され、サイド取付基部２２ＡにスリットＳが形成され、サイドウェザーストリップ２０にはバックウインドウェザーストリップ８が弾接するタイプで、型成形部ＤのスリットＳより車両後方位置において、サイド取付基部２２Ａの、取付凹部５の車外側壁６に弾接する車外側の部位２２Ｅに切欠部Ｃ１を形成し、スリットＳを塞ぎ、取付凹部５とサイド取付基部２２Ａ間に導かれた水Ｗを切欠部Ｃ１を介して車外側に排出する。
【選択図】図２

Description

本発明は、開閉自在のルーフを折り畳み、トランク内に格納することのできる格納式ルーフ車両の排水構造に関する。

図５は、開閉自在のルーフを折り畳み、ルーフを構成するルーフパネル２の後方に位置するバックウインドパネル７に重ねて車体後方側下部のトランクＴ内に格納することのできる格納式ルーフ車両を示す外観図である。このようなタイプの車両は、一般的に、リトラクタブルハードトップ、クーペカブリオレ、クーペコンバーチブルと称されている。

こうした格納式ルーフ車両においては、図６乃至図９に示すように、ルーフパネル２の後端部には、バックウインドパネル７に弾接するリヤウェザーストリップ１０が取付けられ、ルーフパネル２の左右両端部には、サイドガラスＧに弾接するサイドウェザーストリップ２０が取付けられている。このリヤウェザーストリップ１０とサイドウェザーストリップ２０とを連設するルーフパネル２の後側左右両コーナー部は型成形部Ｄで形成されている。なお、図６（本発明の実施形態と共通）は、図５のＡ−Ａ線拡大断面図であり、図９は、図５のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

また、リヤウェザーストリップ１０は、ルーフパネル２の後端部に取付けられ、車内側に設けられたリヤフランジ３に嵌合組付きするリヤ取付基部１２と、リヤ取付基部１２の車外側に設けられた中空状のリヤシール部１１と、リヤシール部１１とリヤ取付基部１２を連設する連設部１３とを有する。また、リヤ取付基部１２の、ルーフパネル２の後端面２ａ側には、その後端面２ａに弾接するシールリップ１４が設けられている。

このリヤ取付基部１２は、断面略Ｕ字状の本体部１２Ａの内面から複数の組付リップ１２Ｃを突設し、その後端部、断面略Ｕ字状の頂部に、バックウインドパネル７の前端面に弾接する中空状のサブシール部１２Ｂを一体成形している。また、リヤシール部１１は、このサブシール部１２Ｂとともにバックウインドパネル７の前端上部に弾接する。また、車内側へ内装トリム１２Ｄを突設している。

また、サイドウェザーストリップ２０は、ルーフパネル２の左右両端部に取付けられる取付部２２と、サイドガラスＧの上部に弾接する中空状のサイドシール部２１とを有する。取付部２２は、サイドフランジ４とともに形成された下方開口で断面略コ字状の取付凹部５に沿って嵌合組付きする同じく下方開口で断面略コ字状のサイド取付基部２２Ａと、サイドフランジ４を挟持して嵌合組付きする断面略逆Ｕ字状のフランジ取付基部２２Ｂとが一体成形されたものである。フランジ取付基部２２Ｂは、その内面から複数の組付リップ２２Ｃを突設し、車内側へ内装トリム２２Ｄを突設している。サイド取付基部２２Ａは、車外側壁２２Ａａと車内側壁２２Ａｂと、両側壁２２Ａａ，２２Ａｂを連設する上面２２Ａｃで断面略コ字状に構成されている。なお、ここでは、サイド取付基部２２Ａの車内側壁２２Ａｂは、断面略逆Ｕ字状のフランジ取付基部２２Ｂの車外側壁も兼ねている。
またサイドシール部２１は、サイド取付基部２２Ａの開口を封鎖するようにサイド取付基部２２Ａに一体成形され、サイド取付基部２２Ａとともに中空部を形成する。

なお、取付凹部５は、車外側壁６と車内側で下側に延設されたサイドフランジ４とルーフパネル２からなる断面略コ字状であり、取付凹部５に対するサイド取付基部２２Ａの嵌合組付き時には、車外側壁６の下端内側に形成した係止片６ａに、サイド取付基部２２Ａの車外側壁２２Ａａの上端外側に形成したリップ片２２Ｅを係合させて組付き強度の向上が図られている。

そして、このリヤウェザーストリップ１０では、図６に示すように、ルーフパネル２の後端面２ａとリヤシール部１１との間から侵入した水Ｗを、図７に示すように、ルーフの傾斜に沿ってリヤシール部１１の背面１１ａ，連設部１３の背面を通してリヤ取付基部１２の背面側でリヤフランジ３より車外側に設けられたシールリップ１４で受け、受けた水Ｗをルーフパネル２の左右両端部に案内し、図８，図９に示すように、サイドウェザーストリップ２０のサイド取付基部２２Ａの上面２２Ａｃに形成した孔部Ｈ及び型成形用中芯抜き用のスリットＳからサイド取付基部２２Ａとサイドシール部２１で囲まれた内部空間へ通し、その内部空間の長手方向に沿って車外へ排水するようにしている。
なお、型成形用中芯抜き用のスリットＳをテープや接着剤を使用して塞ぐ場合もある。

なお、ハードトップ車における折り畳みルーフの排水構造は、例えば、特許文献１に記載されている。
特開２００３−５４２６５号公報

しかしながら、前記したサイドウェザーストリップ２０は、バックウインドパネル７の左右両端部に取付けているバックウインドウェザーストリップ８に回動自在に連結されていて、ルーフの閉鎖時には、サイドウェザーストリップ２０の後端部にバックウインドウェザーストリップ８の前端部が弾接して両者の合わせ部Ｍをシールするが、ルーフの開放時（ルーフパネル２の格納時）には合わせ部Ｍに隙間が形成される。そのため、その合わせ部Ｍから、孔部Ｈ（塞いでない場合にはスリットＳも含む）を介して中空状のサイドシール部２１の内部空間へ導かれ、車両の前後方向の傾斜に沿って流れる水Ｗが漏出し、車内側へ侵入するといった問題がある。

こうした問題を解決するために、サイドウェザーストリップ２０に孔部Ｈを形成せず、しかも型成形用中芯抜き用のスリットＳをテープや接着剤を使用して塞ぐといった手段も考えられるが、そうするとサイドウェザーストリップ２０と取付凹部５との間に水Ｗが溜まり、ルーフを開閉した際に溢れ出てしまうといった問題が発生する。

なお、特許文献１に記載の排水構造には、リヤウェザーストリップとルーフパネルとの間から侵入した水Ｗの排水手段については記載されていない。

そこで、本発明の目的とするところは、開閉自在のルーフを折り畳み、トランク内に格納することのできる格納式ルーフ車両において、ルーフパネルに取付けたリヤウェザーストリップとルーフパネルとの間から侵入した水を、円滑に車外に排水することのできる排水構造を提供することにある。

上記の目的を達成するために、本発明の請求項１に記載の格納式ルーフ車両の排水構造は、開閉自在のルーフを折り畳み、バックウインドパネル（７）に重ねてトランク（Ｔ）内に格納する格納式ルーフ車両において、
前記ルーフのルーフパネル（２）の後端部に取付けられるリヤ取付基部（１２）と、該リヤ取付基部（１２）の車外側に一体成形され前記バックウインドパネル（７）に弾接するリヤシール部（１１）とを有するリヤウェザーストリップ（１０）と、前記ルーフパネル（２）の左右両端部に設けられた下方開口で断面略コ字状の取付凹部（５）に沿って嵌入組付きする同じく下方開口で断面略コ字状のサイド取付基部（２２Ａ）と、該サイド取付基部（２２Ａ）の開口を封鎖するように前記サイド取付基部（２２Ａ）に一体成形されサイドガラス（Ｇ）に弾接するサイドシール部（２１）とを有するサイドウェザーストリップ（２０）とを備え、前記リヤウェザーストリップ（１０）と前記サイドウェザーストリップ（２０）は、前記ルーフパネル（２）の後側コーナー部で型成形接続され、該型成形接続された前記サイドウェザーストリップ（２０）のサイド取付基部（２２Ａ）の上面（２２Ａｃ）に型成形用中芯抜き用のスリット（Ｓ）が形成されてなるとともに、前記ルーフの閉鎖時に前記サイドウェザーストリップ（２０）の後端部に、前記バックウインドパネル（７）の左右両端部に取付けられたバックウインドウェザーストリップ（８）の前端部が弾接してシールするタイプの排水構造であって、
前記サイドウェザーストリップ（２０）の型成形部（Ｄ）の前記スリット（Ｓ）より車両後方位置において、前記サイド取付基部（２２Ａ）の、前記ルーフパネル（２）に設けられた取付凹部（５）を構成する車外側壁（６）に弾接する車外側の部位（２２Ｅ）に、または、前記取付凹部（５）を構成する車外側壁（６）の、前記サイド取付基部（２２Ａ）に弾接する部位（６ａ）に、あるいはそれら部位（２２Ｅ，６ａ）の両方に、部分的に切欠部（Ｃ１またはＣ２，あるいはＣ１及びＣ２）を形成するとともに、前記スリット（Ｓ）を塞いで、前記取付凹部（５）と前記サイド取付基部（２２Ａ）の間に導かれた水（Ｗ）を前記切欠部（Ｃ１またはＣ２，あるいはＣ１及びＣ２）を介して車外側に排出するようにしたことを特徴とする。

また、請求項２に記載の格納式ルーフ車両の排水構造は、前記ルーフパネル（２）の後端面（２ａ）と前記リヤウェザーストリップ（１０）との間から侵入した水（Ｗ）を前記切欠部（Ｃ１またはＣ２，あるいはＣ１及びＣ２）まで導くガイドリップ（２３）を前記サイドウェザーストリップ（２０）のサイド取付基部（２２Ａ）の上面（２２Ａｃ）に設けたことを特徴とする。

さらに、請求項３に記載の格納式ルーフ車両の排水構造は、前記ガイドリップ（２３）を、前記リヤウェザーストリップ（１０）のリヤ取付基部（１２）の前記ルーフパネル後端面（２ａ）側から前記サイドウェザーストリップ（２０）のサイド取付基部（２２Ａ）の上面（２２Ａｃ）にわたって連続して設けたことを特徴とする。

またさらに、請求項４に記載の格納式ルーフ車両の排水構造は、前記リヤウェザーストリップ（１０）のリヤ取付基部（１２）に、前記ルーフパネル（２）の後端面（２ａ）に弾接するシールリップ（１４）を設けるとともに、前記ガイドリップ（２３）を前記シールリップ（１４）から連続させて設けたことを特徴とする。

また、請求項５に記載の格納式ルーフ車両の排水構造は、開閉自在のルーフを折り畳み、バックウインドパネル（７）に重ねてトランク（Ｔ）内に格納する格納式ルーフ車両において、
前記ルーフのルーフパネル（２）の後端部に取付けられるリヤ取付基部（１２）と、該リヤ取付基部（１２）の車外側に一体成形され前記バックウインドパネル（７）に弾接するリヤシール部（１１）とを有するリヤウェザーストリップ（１０）と、前記ルーフパネル（２）の左右両端部に設けられた下方開口で断面略コ字状の取付凹部（５）に沿って嵌入組付きする同じく下方開口で断面略コ字状のサイド取付基部（２２Ａ）と、該サイド取付基部（２２Ａ）の開口を封鎖するように前記サイド取付基部（２２Ａ）に一体成形されサイドガラス（Ｇ）に弾接するサイドシール部（２１）とを有するサイドウェザーストリップ（２０）とを備え、前記リヤウェザーストリップ（１０）と前記サイドウェザーストリップ（２０）は、前記ルーフパネル（２）の後側コーナー部で型成形接続され、該型成形接続された前記サイドウェザーストリップ（２０）のサイド取付基部（２２Ａ）の上面（２２Ａｃ）に型成形用中芯抜き用のスリット（Ｓ）が形成されてなるとともに、前記ルーフの閉鎖時に前記サイドウェザーストリップ（２０）の後端部に、前記バックウインドパネル（７）の左右両端部に取付けられたバックウインドウェザーストリップ（８）の前端部が弾接してシールするタイプの排水構造であって、
前記サイドウェザーストリップ（２０）の型成形部（Ｄ）の前記スリット（Ｓ）より車両後方位置において、前記サイド取付基部（２２Ａ）の、前記ルーフパネル（２）に設けられた取付凹部（５）を構成する車外側壁（６）に弾接する車外側の部位（２２Ｅ）に、または、前記取付凹部（５）を構成する車外側壁（６）の、前記サイド取付基部（２２Ａ）に弾接する部位（６ａ）に、あるいはそれら部位（２２Ｅ，６ａ）の両方に、部分的に切欠部（Ｃ１またはＣ２，あるいはＣ１及びＣ２）を形成するとともに、前記スリット（Ｓ）を塞ぐことなく、しかも、前記リヤウェザーストリップ（１０）のリヤ取付基部（１２）に、前記ルーフパネル（２）の後端面（２ａ）に弾接するシールリップ（１４）を設けるとともに、該シールリップ（１４）に連続して末端部（２３ａ）が前記切欠部（Ｃ１）の車両前方側まで達するガイドリップ（２３）を、前記サイドウェザーストリップ（２０）のサイド取付基部（２２Ａ）の上面（２２Ａｃ）にわたって設け、前記ルーフパネル（２）の後端面（２ａ）と前記リヤウェザーストリップ（１０）との間から侵入した水（Ｗ）を前記シールリップ（１４）及び前記ガイドリップ（２３）から前記切欠部（Ｃ１またはＣ２，あるいはＣ１及びＣ２）を介して車外側に排出するようにしたことを特徴とする。

なお、カッコ内の記号は、図面および後述する発明を実施するための最良の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。

本発明の請求項１に記載の格納式ルーフ車両の排水構造によれば、サイドウェザーストリップの型成形部において形成された中芯抜き用のスリットより車両後方位置に、サイド取付基部の、ルーフパネルに設けられた取付凹部を構成する車外側壁に弾接する車外側の部位に、または、取付凹部を構成する車外側壁の、サイド取付基部に弾接する部位に、あるいはそれら部位の両方に、部分的に切欠部を形成し、ルーフパネルの取付凹部とサイドウェザーストリップのサイド取付基部の間に導かれた水を切欠部を介して車外側に排出するようにしたので、取付凹部とサイド取付基部の間に水が溜り過ぎてルーフ開閉時に溢れ出ることを防止することができる。
また、このときスリットは例えば、テープや接着剤等によって塞がれ、従来例で示したような孔部Ｈ（サイド取付基部２２Ａの上面２２Ａｃに形成）は設けないので、スリットや孔部Ｈを通過してサイドシール部の内部空間へ水が入ることはない。これによって、従来例で示したように、その内部空間に入った水が、サイドウェザーストリップとバックサイドウェザーストリップとの合わせ部から漏出して車内側へ侵入するといった事態は発生しない。

また、請求項２に記載の格納式ルーフ車両の排水構造によれば、請求項１に記載の発明の作用効果に加えて、ルーフパネルの後端面とリヤウェザーストリップとの間から侵入した水を切欠部まで導くガイドリップをサイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面に設けたので、ルーフパネルの取付凹部とサイドウェザーストリップのサイド取付基部の間に導かれた水は確実に切欠部に導かれる。

さらに、請求項３に記載の格納式ルーフ車両の排水構造によれば、請求項２に記載の発明の作用効果に加えて、ガイドリップを、リヤウェザーストリップのリヤ取付基部のルーフパネル後端面側からサイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面にわたって連続して設けたので、ルーフパネルの後端面とリヤウェザーストリップとの間から侵入した水は、確実に切欠部に導かれる。

またさらに、請求項４に記載の格納式ルーフ車両の排水構造によれば、請求項３に記載の発明の作用効果に加えて、リヤウェザーストリップのリヤ取付基部に、ルーフパネルの後端面に弾接するシールリップを設けるとともに、ガイドリップをシールリップから連続させて設けたので、ルーフパネルの後端面とリヤウェザーストリップとの間から侵入した水は、シールリップで受けられ、それに連続して設けられたガイドリップに沿って切欠部まで直接導かれる。

また、請求項５に記載の格納式ルーフ車両の排水構造によれば、リヤウェザーストリップのリヤ取付基部に設けたシールリップに連続して末端部が切欠部の車両前方側まで達するガイドリップを、サイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面にわたって設け、ルーフパネルの後端面とリヤウェザーストリップとの間から侵入した水を切欠部に確実に導くようにしたので、スリットを塞ぐことをしなくてもスリットから水がサイドシール部の内部空間へ侵入することはない。よって、スリットをテープや接着剤等で塞ぐ作業工程を削ることができるので作業効率が向上する。

図１乃至図６を参照して、本発明の実施形態に係る格納式ルーフ車両の排水構造について説明する。図１は、本発明の実施形態に係る格納式ルーフ車両の排水構造を示すもので、車外側前方下側から視覚した斜視図、図２はそれを車内側前方下側から視覚した斜視図、図３はそれを車外側後方上側から視覚した斜視図である。また、図４は当該排水構造を示すもので、図５のＢ−Ｂ線拡大断面図である。さらに、図６は、図５のＡ−Ａ線拡大断面図であり、従来例と共通する。従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。

本発明の実施形態に係る格納式ルーフ車両の排水構造は、図５に示すように、開閉自在のルーフを折り畳み、バックウインドパネル７に重ねてトランクＴ内に格納するタイプの車両におけるものである。ルーフを構成するルーフパネル２の後端部にはリヤウェザーストリップ１０が取付けられ、ルーフパネル２の左右両端部にはサイドウェザーストリップ２０が取付けられている。また、バックウインドパネル７の左右両端部にはバックウインドウェザーストリップ８が取付けられている。

リヤウェザーストリップ１０は、図６で示すように、車内側に配置された、ルーフパネルの後端面２ａから後側に延びるリヤフランジ３に嵌合組付きするリヤ取付基部１２と、車外側に配置されたリヤシール部１１と、そのリヤシール部１１とリヤ取付基部１２を連設する連設部１３とを有する。また、リヤ取付基部１２の、ルーフパネル２の後端面２ａ側には、その後端面２ａに弾接するシールリップ１４が設けられている。シールリップ１４は車外側に向け、斜め上方に延設されている。
リヤ取付基部１２は、断面略Ｕ字状の本体部１２Ａの内面から複数の組付リップ１２Ｃを突設し、その後端部、断面略Ｕ字状の頂部に、バックウインドパネル７の前端面に弾接する中空状のサブシール部１２Ｂを一体成形している。また、リヤシール部１１は、このサブシール部１２Ｂとともにバックウインドパネル７の前端上部に弾接するもので中空形状をしている。また、車内側へ内装トリム１２Ｄを突設している。
これら、リヤシール部１１，リヤ取付基部１２，連設部１３，シールリップ１４は一体成形されている。

また、サイドウェザーストリップ２０は、図４に示すように、サイド取付基部２２Ａとフランジ取付基部２２Ｂが一体成形された取付部２２と、サイドガラスＧの上部に弾接する中空状のサイドシール部２１とを有する。
サイド取付基部２２Ａは、下方に開口した断面略コ字状であり、車外側壁２２Ａａと車内側壁２２Ａｂと、両側壁２２Ａａ，２２Ａｂを連設する上面２２Ａｃで構成され、下側に延びるサイドフランジ４とともに形成された下方開口で断面略コ字状の取付凹部５に沿って嵌合組付きすることによって取付けられる。
フランジ取付基部２２Ｂは、上方に開口した断面略逆Ｕ字状であり、サイドフランジ４を挟持して嵌合組付きする。フランジ取付基部２２Ｂは、その内面から複数の組付リップ２２Ｃを突設し、車内側へ内装トリム２２Ｄを突設している。
なお、サイド取付基部２２Ａの車内側壁２２Ａｂは、断面略逆Ｕ字状のフランジ取付基部２２Ｂの車外側壁も兼ねている。
またサイドシール部２１は、中空状であり、サイド取付基部２２Ａの開口を封鎖するようにサイド取付基部２２Ａに一体成形され、サイド取付基部２２Ａとともに中空部を形成する。

取付凹部５は、車外側壁６と車内側で下側に延設されたサイドフランジ４とルーフパネル２からなる断面略コ字状であり、取付凹部５に対するサイド取付基部２２Ａの嵌合組付き時には、車外側壁６の下端内側に形成した係止片６ａに、サイド取付基部２２Ａの車外側壁２２Ａａの上端外側に形成したリップ片２２Ｅを係合させて組付き強度の向上が図られている。

このリヤウェザーストリップ１０とサイドウェザーストリップ２０は、ルーフパネル２の後側左右に位置するコーナー部で接続され、その接合部分は、型成形部Ｄによって形成されている。また、型成形接続されたサイドウェザーストリップ２０のサイド取付基部２２Ａの上面２２Ａｃに型成形用中芯抜き用のスリットＳが、サイドウェザーストリップ２０の長手方向、すなわち、車両取付け時には、車両の前後方向に形成されている。また、ルーフの閉鎖時には、サイドウェザーストリップ２０の後端部に、バックウインドパネル７の左右両端部に取付けられたバックウインドウェザーストリップ８の前端部が弾接して両ウェザーストリップ２０，８間の合わせ部Ｍをシールする。

そして、この排水構造は、ルーフパネル２の後端面２ａと、リヤウェザーストリップ１０のリヤシール部１１の背面１１ａとの間から侵入した水Ｗを車外に排出するためのものであり、そのために切欠部Ｃ（Ｃ１，Ｃ２）とガイドリップ２３を設けている。

切欠部Ｃ１は、サイドウェザーストリップ２０の型成形部Ｄに形成されるものであり、本実施形態では、サイド取付基部２２Ａの、ルーフパネル２に設けられた取付凹部５の車外側壁６に弾接する車外側の部位、すなわち、サイド取付基部２２Ａの車外側壁２２Ａａの上端外側に形成したリップ片２２Ｅに対して部分的に形成されている。
また、切欠部Ｃ２は、ルーフパネル２に設けられた取付凹部５の車外側壁６の、サイド取付基部２２Ａに弾接する部位、すなわち、取付凹部５の車外側壁６の下端内側に形成した係止片６ａに対して部分的に形成されている。
これら、切欠部Ｃ１，Ｃ２はサイドウェザーストリップ２０に対するリヤウェザーストリップ１０の接続部位よりもやや車両前側に形成されている。
なお、本実施形態において取付凹部５を構成する車外側壁６は、アウターモール（その材質は、ゴム，樹脂，金属のいずれであってもよい）で構成しているが取付凹部５が形成されればよいので特に限定されるものではない。
またここでは、切欠部Ｃを二箇所に設けたが、その二箇所の内、いずれか一方のみに形成することもでき、その数は限定されない。

ガイドリップ２３は、図２に示すように、その末端部２３ａが、サイド取付基部２２Ａの上面２２Ａｃにおいて、切欠部Ｃ１の車両前方側まで達し、侵入した水Ｗを切欠部Ｃ１に確実に案内するように、リヤウェザーストリップ１０に設けられたシールリップ１４の下部から連続させるとともに、車外側に向けて平面湾曲状に設けている。

なお、サイドウェザーストリップ２０は、上述したように、サイド取付基部２２Ａの上面２２Ａｃに型成形用中芯抜き用のスリットＳを有するものであり、従って、切欠部Ｃ１，Ｃ２、およびガイドリップ２３の末端部２３ａを、スリットＳより車両後方位置側に形成し、侵入した水ＷがスリットＳに達しないようにしている。
このスリットＳについては、テープや接着剤等を使用して塞ぐこともできるし、そのままの状態、すなわち、塞がないようにすることもできる。
なお、従来例で示したように、サイドウェザーストリップ２０のサイド取付基部２２Ａの上面２２Ａｃに孔部Ｈを形成し、サイド取付基部２２Ａとサイドシール部２１で囲まれた内部空間へ通すようなことは行わない。

このように、本実施形態に係る格納式ルーフ車両の排水構造は、サイド取付基部２２Ａの車外側壁２２Ａａ上端側のリップ片２２Ｅと、取付凹部５の車外側壁６下端側の係止片６ａの両方に、排水用の切欠部Ｃ１，Ｃ２を形成して車外側に排出するようにしているので、取付凹部５とサイド取付基部２２Ａの間に水が溜り過ぎてルーフ開閉時に溢れ出ることを防止することができる。

また、ガイドリップ２３を、リヤウェザーストリップ１０に設けられたシールリップ１４から連続させて設けているので、侵入した水Ｗを切欠部Ｃ１，Ｃ２まで確実に案内することができる。従って、当該水Ｗは切欠部Ｃ１，Ｃ２から車外に排水させられるので、ウェザーストリップ１とバックサイドウェザーストリップ８との合わせ部Ｍから車内側へ侵入することは防止される。なお、このガイドリップ２３は平面湾曲状に形成しているので、侵入した水Ｗを滞留させることなく、当該湾曲面に沿って円滑に切欠部Ｃ１，Ｃ２に案内することができる。

さらに、この排水構造は、ウェザーストリップが、中芯抜き用のスリットＳを有するものであって、切欠部Ｃ１，Ｃ２およびガイドリップ２３の末端部２３ａを、スリットＳより後方側に形成している。従って、侵入した水ＷをスリットＳに到達させることなく、このガイドリップ２３および切欠部Ｃ１，Ｃ２によって車外へ排出することができる。これにより、当該水ＷがスリットＳを通過してサイドシール部２１の内部空間へ入り、合わせ部Ｍから漏出して車内へ侵入するといった事態を防ぐことができる。
これによれば、スリットＳを塞ぐ作業を不要とするので生産性を高めることができる。

一方、スリットＳを塞ぐことによって、仮に、侵入した水Ｗがガイドリップ２３を超えることがあっても、スリットＳを通過してサイドシール部２１の内部空間に入ることがないので、その内部空間に入った水が、サイドウェザーストリップ２０とバックサイドウェザーストリップ８との合わせ部Ｍから漏出して車内側へ侵入するといった事態を、より確実に防止することができる。

また、スリットＳを塞ぎ、ガイドリップ２３を形成しないことも可能である。ガイドリップ２３を形成しないことにより成形が容易となり、生産性が向上する。また、ガイドリップ２３を形成しなくても、スリットＳを塞ぐので、侵入した水ＷがスリットＳを通過してサイドシール部２１の内部空間から車内へ侵入するといった事態の発生を阻止することができる。

本実施形態に係る格納式ルーフ車両の排水構造を示すもので、車外側前方下側から視覚した斜視図である。 図１に示す構造を、車内側前方下側から視覚した斜視図である。 図１に示す構造を、車外側後方上側から視覚した斜視図である。 本実施形態に係る格納式ルーフ車両の排水構造を示すもので、図５のＢ−Ｂ線拡大断面図である。 格納式ルーフ車両を示す外観斜視図である。 本実施形態および従来例に係る格納式ルーフ車両の排水構造を示すもので、図５のＡ−Ａ線拡大断面図である。 従来例に係る格納式ルーフ車両の排水構造を示すもので、車外側前方下側から視覚した斜視図である。 図７に示す構造を、車内側前方下側から視覚した斜視図である。 従来例に係る格納式ルーフ車両の排水構造を示すもので、図５のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

符号の説明

２ ルーフパネル
２ａ 後端面
３ リヤフランジ
４ サイドフランジ
５ 取付凹部
６ 車外側壁
６ａ 係止片
７ バックウインドパネル
８ バックウインドウェザーストリップ
１０ リヤウェザーストリップ
１１ リヤシール部
１１ａ 背面
１２ リヤ取付基部
１２Ａ 本体部
１２Ｂ サブシール部
１２Ｃ 組付リップ
１２Ｄ 内装トリム
１３ 連設部
１４ シールリップ
２０ サイドウェザーストリップ
２１ サイドシール部
２２ 取付基部
２２Ａ サイド取付基部
２２Ａａ 車外側壁
２２Ａｂ 車内側壁
２２Ａｃ 上面
２２Ｂ フランジ取付基部
２２Ｃ 組付リップ
２２Ｄ 内装トリム
２２Ｅ リップ片
２３ ガイドリップ
２３ａ 末端部
Ｃ１ 切欠部
Ｃ２ 切欠部
Ｄ 型成形部
Ｇ サイドガラス
Ｈ 孔部
Ｍ 合わせ部
Ｓ スリット
Ｔ トランク
Ｗ 水

Claims (5)

1. 開閉自在のルーフを折り畳み、バックウインドパネルに重ねてトランク内に格納する格納式ルーフ車両において、
   前記ルーフのルーフパネルの後端部に取付けられるリヤ取付基部と、該リヤ取付基部の車外側に一体成形され前記バックウインドパネルに弾接するリヤシール部とを有するリヤウェザーストリップと、
   前記ルーフパネルの左右両端部に設けられた下方開口で断面略コ字状の取付凹部に沿って嵌入組付きする同じく下方開口で断面略コ字状のサイド取付基部と、該サイド取付基部の開口を封鎖するように前記サイド取付基部に一体成形されサイドガラスに弾接するサイドシール部とを有するサイドウェザーストリップとを備え、
   前記リヤウェザーストリップと前記サイドウェザーストリップは、前記ルーフパネルの後側コーナー部で型成形接続され、該型成形接続された前記サイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面に型成形用中芯抜き用のスリットが形成されてなるとともに、前記ルーフの閉鎖時に前記サイドウェザーストリップの後端部に、前記バックウインドパネルの左右両端部に取付けられたバックウインドウェザーストリップの前端部が弾接してシールするタイプの排水構造であって、
   前記サイドウェザーストリップの型成形部の前記スリットより車両後方位置において、前記サイド取付基部の、前記ルーフパネルに設けられた取付凹部を構成する車外側壁に弾接する車外側の部位に、または、前記取付凹部を構成する車外側壁の、前記サイド取付基部に弾接する部位に、あるいはそれら部位の両方に、部分的に切欠部を形成するとともに、前記スリットを塞いで、前記取付凹部と前記サイド取付基部の間に導かれた水を前記切欠部を介して車外側に排出するようにしたことを特徴とする格納式ルーフ車両の排水構造。
2. 前記ルーフパネルの後端面と前記リヤウェザーストリップとの間から侵入した水を前記切欠部まで導くガイドリップを前記サイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面に設けたことを特徴とする請求項１に記載の格納式ルーフ車両の排水構造。
3. 前記ガイドリップを、前記リヤウェザーストリップのリヤ取付基部の前記ルーフパネル後端面側から前記サイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面にわたって連続して設けたことを特徴とする請求項２に記載の格納式ルーフ車両の排水構造。
4. 前記リヤウェザーストリップのリヤ取付基部に、前記ルーフパネルの後端面に弾接するシールリップを設けるとともに、前記ガイドリップを前記シールリップから連続させて設けたことを特徴とする請求項３に記載の格納式ルーフ車両の排水構造。
5. 開閉自在のルーフを折り畳み、バックウインドパネルに重ねてトランク内に格納する格納式ルーフ車両において、
   前記ルーフのルーフパネルの後端部に取付けられるリヤ取付基部と、該リヤ取付基部の車外側に一体成形され前記バックウインドパネルに弾接するリヤシール部とを有するリヤウェザーストリップと、
   前記ルーフパネルの左右両端部に設けられた下方開口で断面略コ字状の取付凹部に沿って嵌入組付きする同じく下方開口で断面略コ字状のサイド取付基部と、該サイド取付基部の開口を封鎖するように前記サイド取付基部に一体成形されサイドガラスに弾接するサイドシール部とを有するサイドウェザーストリップとを備え、
   前記リヤウェザーストリップと前記サイドウェザーストリップは、前記ルーフパネルの後側コーナー部で型成形接続され、該型成形接続された前記サイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面に型成形用中芯抜き用のスリットが形成されてなるとともに、前記ルーフの閉鎖時に前記サイドウェザーストリップの後端部に、前記バックウインドパネルの左右両端部に取付けられたバックウインドウェザーストリップの前端部が弾接してシールするタイプの排水構造であって、
   前記サイドウェザーストリップの型成形部の前記スリットより車両後方位置において、前記サイド取付基部の、前記ルーフパネルに設けられた取付凹部を構成する車外側壁に弾接する車外側の部位に、または、前記取付凹部を構成する車外側壁の、前記サイド取付基部に弾接する部位に、あるいはそれら部位の両方に、部分的に切欠部を形成するとともに、前記スリットを塞ぐことなく、
   しかも、前記リヤウェザーストリップのリヤ取付基部に、前記ルーフパネルの後端面に弾接するシールリップを設けるとともに、該シールリップに連続して末端部が前記切欠部の車両前方側まで達するガイドリップを、前記サイドウェザーストリップのサイド取付基部の上面にわたって設け、前記ルーフパネルの後端面と前記リヤウェザーストリップとの間から侵入した水を前記シールリップ及び前記ガイドリップから前記切欠部を介して車外側に排出するようにしたことを特徴とする格納式ルーフ車両の排水構造。

Images