JP2009011692A - 折りたたみ傘用収納具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 雨に濡れた折りたたみ傘による水滴の被害および煩雑さを容易に回避することができる折りたたみ傘用収納具を提供すること。
【解決手段】 遮水性の素材を一層もしくは複数層有する筒状のカバーまたはケースで形成される外装と、吸水機能を有する布地またはシートにより形成される内装とにより構成し、内装部の布地またはシートが収納する折りたたみ傘を十分に包覆できる大きさを有し、内装部の布地またはシートが外装から着脱可能な構成にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、携帯時における折りたたみ傘の収納具に関するものであり、雨に濡れた傘の水分を傘カバーまたはケース外部へ滲出および漏出させず、内部の布地またはシートで吸水することができ、滴漏れをすることなく、鞄類の中に収納しても鞄類の中の周囲の物品を濡らすことなく収納でき、吸水した布地またはシートを容易に着脱できることより随時吸水した水分を搾出および除湿ができる、折りたたみ傘用収納具に関するものである。
雨に濡れた折りたたみ傘の収納具は、傘本体の購入時に付属されているものが主流であるが、濡れた状態で収納することにより、収納具外部への雨水の滴漏れが発生する。購入時の付属品でなく水漏れ防止のためにスライドファスナーやチャック付きの防水性を有する筒形のカバーなども従来技術として存在するが、収納時は常に傘の先端を下に柄の部分を上にした状態にしておかなければ上部開口部からの水漏れを回避することは困難である。
この問題を解決するために、防水型でチャックあるいはキャップ等の開閉機構の付いたカバーやケースも存在するが、いずれも内部に水が溜まった状態であるがゆえに、再度傘を使用する際は、過剰に濡れた状態の傘を取り出すことになるだけでなく、外部からの衝撃により開閉部が開口し漏水することもある。
内装に吸水機能を有する傘収納具も提案されている(例えば特許文献1)。しかし、開閉部の遮水対策が十分ではなく、使用のため水を含んだ傘を内蔵した収納具は横に静置するなど、収納する方向によっては漏水が危惧される。
実開平02−019225号公報
雨に濡れた折りたたみ傘を持ち運ぶ場合、折りたたみ式でない傘と異なり、電車等の乗物に乗っている時は、傘の長さが短いために床から離れた地点に存在することが多い。長い傘であれば、杖のように携帯することは可能であるが、折りたたみ傘の場合は手に提げるか、もしくは常に手で握った状態を保たねばならず、また濡れた傘を鞄類の中に収納するには、鞄類の中の周囲の物品を濡らすことになり、取扱いが困難である。
折りたたみ傘は、床面に雨水を滴下するだけでなく床から離れた地点に存在することが多いため、長い傘を携行する場合以上に、周囲の他人や他人の所持品に、傘に付着している雨水で汚染させるトラブルも多く生じる。
濡れた折りたたみ傘を携行して建物内に入る際、設置されている傘立てに折りたたみ傘を立てる行為は、多くの傘立てが長い一本傘を立てるのに適した構造であるため、折りたたみ傘を立てる時の困難な点、立てた後の不安定な点、傘立てから折りたたみ傘を取り出す時の煩雑な点など、始終煩労を伴う。
本発明は、本来は携行品としての利便性の高い折りたたみ傘の欠点を補うものであり、雨に濡れた折りたたみ傘による水滴の被害および煩雑さを容易に回避することができる折りたたみ傘用収納具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、遮水性の素材を一層もしくは複数層有する筒状のカバーまたはケースで形成される外装と、吸水機能を有する布地またはシートにより形成される内装とにより構成され、内装部が収納する折りたたみ傘を十分に包覆できる大きさを有すること、を特徴とする折りたたみ傘用収納具である。
このことにより、折りたたまれた状態の傘を十分に該布地またはシートで全体を包覆することができ、雨に濡れた傘の水分を全角度から吸収することができる。
また本発明は、折りたたみ傘を収納する一層もしくは複数層有する袋状のカバーまたはケースで形成される外装部と、吸水機能を有する布地またはシートにより形成される内装部が容易に着脱することができ、該布地またはシートが吸収した濡れた状態下の傘の水分を、随時搾出および除湿ができること、を特徴とする折りたたみ傘用収納具である。
更に、吸水機能を有する布地もしくはシートに少なくともレーヨン繊維が含まれていることで、吸水した傘の水分を搾出および除湿でき得る耐久性のある、経済的にも安価で丈夫な、内装部を形成することができる。
このことにより、折りたたみ傘を携行中の外出先など、あらゆる場所で簡易に傘の水分を、随時搾出および除湿ができ、カバーまたはケース内部に溜まった水の排出が可能になり、同日中の複数回の傘の使用および取出しに対しても、カバーまたはケース内部からの水漏れや、傘が過剰に濡れた状態になることもなく、快適に取り扱うことができる。
また更に、遮水性の素材を一層もしくは複数層有する袋状のカバーまたはケースで形成される外装部に、側面から底面にかけて防水および防漏水処理が施されている開閉可能な上部開口型の筒状のカバーもしくはケースを設けることにより、外部への水分の滲出および漏出をさらに防ぐことが可能になる。
本発明の折りたたみ傘用収納具により、雨に濡れた傘の水分を傘カバーまたはケース外部へ滲出および漏出させず、内部の布地またはシートで吸水することができ、滴漏れをすることなく、鞄類の中に収納しても鞄類の中の周囲の物品を濡らすことなく収納でき、吸水した布地またはシートを容易に着脱できることより随時吸水した水分を搾出および除湿ができる。すなわち、本発明により初めて携行品としての利便性の高い折りたたみ傘の欠点が補え、雨に濡れた折りたたみ傘による水滴の被害および煩雑さを容易に回避することができる折りたたみ傘用収納具を提供することが可能となった。
吸水性および水分搾出後の速乾性を目的とした布地やシートとしてレーヨン繊維含有の不織布やPVAスポンジ等のシートが挙げられる。また、キルティング加工した複数層の布地の層の間に、吸水性ポリマーなどの吸水素材を有するなどの構造であってもよく、吸水性を有し、形状が可変であれば、特に限定はされない。
PVAスポンジシートは吸水性、水分搾出後の速乾性は優れているが、水分が少なく乾燥度を高めた状態では硬化しやすく布地およびシートとしての柔軟性が乏しく、折りたたみ傘を包覆するには扱いに困難さを覚える。また吸水ポリマーを利用するものは水分搾出に不向きであり、別に乾燥させたり、乾燥しているものと交換したりなどの不便性が生じる。
レーヨン繊維含有の不織布は、水分が少なく乾燥した状態下でも、折りたたみ傘を包覆するには十分な柔軟性を保持している。レーヨン繊維にポリエステル繊維を一部含有した不織布もあるが、レーヨン繊維の含有量が高いほど吸水力も向上する。
従って、本発明の内装部には吸水性の高い布地またはシートにレーヨン繊維の含有量の高い不織布または織布を用いることが、吸水性、水分搾出後の速乾性、ならびに経済性を考えても有益である。
吸水機能を有する布地またはシートの外側の外装部に、側面から底面にかけて防水および防漏水処理が施されている開閉可能な上部開口型の筒状のカバーもしくはケースを設けることにより、外部への水分の滲出および漏出をさらに防ぐことが可能になる。
該筒状のカバーもしくはケースは、塩ビやオレフィン系の防水性能を付与した熱可塑系樹脂製のものが好ましく、ウェルダー加工等の熱圧着加工により筒状のカバーもしくはケースを形成することにより、開口部を除く全ての部位は、完全に防水および防漏水処理を施されることになる。
外装開口部の開閉は、ファスナー形式、チャック形式、面ファスナー形式のいずれでも良いが、吸水機能を有する内装部は収納する傘に対し十分に大きく、収納時には閉じた外装の開閉部と収納された傘との間に内装部の吸水機能を有する布地またはシートの一部が存在し、収納された傘が直接外装開閉部に接触することはない。
該防水および防漏水処理を施した筒状のカバーもしくはケースの外面に、さらに布地やシートを付加することにより、デザイン性や生地の触感性を向上させることも可能であり、上部に手提げ用の紐もしくはバンドを取り付けることにより、携帯時の利便性を高めることも可能である。
内装部の吸水機能を有する布地またはシートが外側の外装部の筒状のケースもしくはカバーに対し、着脱可能な構成にすることにより、吸水した布地またはシートを容易に取り外し、随時吸水した水分を搾出および除湿ができ、カバーまたはケース内部に溜まった水の排出が可能になる。
以下、本発明品を図1、図2、及び図3を参考に詳細に説明する。
図1は、本発明品の吸水機能を有する布地またはシートを筒状に形成した内装部の開閉部開口状態の斜視図である。図2は図1の内装部が傘を収納および包覆した開閉部閉口状態の斜視図である。2に面ファスナーを設け、1の吸水機能を有する布地またはシートが傘を十分に包覆できる構造としているが、面ファスナーを設けない構造でも吸水性能には影響を与えない。
図1の1は、レーヨン100%の不織布で構成している。厚さ約1.7mmのレーヨン100%の不織布の吸水能力は、乾燥状態からの吸水量は1平方センチメートルあたり約0.159gであり、吸水した状態から人力手動による水分搾出後の湿潤状態からの吸水量は1平方センチメートルあたり約0.084gである。
雨に十分に濡れた折りたたみ傘1本あたりの水分付着量は傘の大きさにもよるが、約30gから約40gである。傘の大きさによる水分付着量および乾燥状態や湿潤状態の両状態下での使用を考慮すると、厚さ1.7mmのレーヨン100%の不織布の傘1本に対する必要な大きさは、約476平方センチメートル以上を有していればよい。
市販されている折りたたみ傘の長さ約20cm〜約30cmであり、平均的な長さは25cm程度である、該不織布で長さ25cmの折りたたみ傘を全て覆う直径6cmの筒型形状の表面積は、円周率を3.14とした場合約527.52平方センチメートルである。すなわち、厚さ1.7mmのレーヨン100%の不織布で傘を包覆できる内装部を形成することにより、折り畳み傘に付着した水分を十分に吸収することが可能となる。
図3は図2の内装部が格納された外装部の斜視図である。外装部の遮水性素材は塩ビやオレフィン系の防水性能を付与した熱可塑系樹脂製が好ましく、熱圧着加工を施してある3の遮水性外装部ウェルダー加工部により、4のスライドファスナー開口部を除く全ての部位は、完全に防水および防漏水処理を施される構造となる。
図3では携帯時の利便性を考慮し5の手提げ紐をスライドファスナーに取り付けているが、手提げ紐を設ける部位は外装上部であればどの部位でもよい。
内装部の布地またはシートの開閉部は、図1上部が示すように傘の柄全体が十分に包覆することができる長さを有し、内装部の開閉部を閉口した状況においては図2に示すように布地またはシートが重層するような構造にすることにより、内装部の密閉度および防漏水性を高める。さらに2の面ファスナーで閉口される部分を、外装部の開閉部4のスライドファスナーと同一領域に位置させることにより、外装部で最も防水性および防漏水性の低い領域を、内装部の布地またはシートが重層されている吸水機能の高い部位により防漏水性を補強することが可能となり、危惧される開閉部の防漏水性についても解決することができた。
本発明品の吸水機能を有する内装部の斜視図である。 本発明品の吸水機能を有する内装部が傘を収納および包覆した状態の斜視図である。 本発明品の外装部の斜視図である。
符号の説明
1 内装部の吸水シート
2 面ファスナー
3 遮水性外装部ウェルダー加工部
4 スライドファスナー
5 手提げ紐

Claims (3)

  1. 遮水性の素材を一層もしくは複数層有する筒状のカバーまたはケースで形成される外装と、吸水機能を有する布地またはシートにより形成される内装とにより構成され、内装部が収納する折りたたみ傘を十分に包覆できる大きさを有することを特徴とする折りたたみ傘用収納具。
  2. 吸水機能を有する内装部が着脱可能で、水分を搾出または乾燥させることが可能であることを特徴とする請求項1記載の折りたたみ傘用収納具。
  3. 吸水機能を有する内装部にレーヨン繊維が含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の折りたたみ傘用収納具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019208647A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 徳男 水谷 壁面への吸着固定収納も自在な磁気防止傘袋

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