JP2009010937A - 画像処理装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】文字列と写真、図形等が混在した文書画像に対して情報を埋め込み、また、抽出する技術を提供する。
【解決手段】文書画像を入力し当該文書画像中の文字列の行間隔を制御し透かし情報を埋め込む画像処理装置において、文書画像を画像データとして入力する入力手段と、前記画像データから縮小画像データを生成する画像縮小手段と、画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定手段と、文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの縮小画像データ内の位置に基づいて、画像データ内の文字列の位置を特定する特定手段と、予め設定された行間隔対応関係に基づいて、特定された複数の文字列の画像データ内における位置を移動することにより、透かし情報を画像データに埋め込む埋込手段と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】文書画像を入力し当該文書画像中の文字列の行間隔を制御し透かし情報を埋め込む画像処理装置において、文書画像を画像データとして入力する入力手段と、前記画像データから縮小画像データを生成する画像縮小手段と、画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定手段と、文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの縮小画像データ内の位置に基づいて、画像データ内の文字列の位置を特定する特定手段と、予め設定された行間隔対応関係に基づいて、特定された複数の文字列の画像データ内における位置を移動することにより、透かし情報を画像データに埋め込む埋込手段と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、文書画像中の文字列の行間隔に基づいて透かし情報を当該文書画像に埋め込む画像処理技術に関するものである。
文書画像に著作権や複写制御等の情報を持たせるため、例えば、非特許文献1の198ページ〜199ページの記載に示されるように、行間隔を利用して情報を埋め込む方法(以下、行間透かしと呼ぶ。)が知られている。図3は、行間透かしの概念を示す図である。行間透かしを用いた文書画像から埋め込まれた情報を抽出する場合には、まず当該文書画像内の文字列間の行間隔を求めることになる。行間隔を求めるため、一般的には文書画像に対して全走査を行いヒストグラムを求め、当該ヒストグラムから行間隔を導出する。そして、導出された行間隔と埋め込み時に使用した規則とに従って情報を抽出する。規則とは、例えば、図3に示すように、2値情報の「0」を埋め込みたい場合は行間隔U,Dに対しU>Dとなるよう設定することである。一方、2値情報の「1」を埋め込みたい場合は行間隔U,Dに対しU<Dとなるよう設定する。
松井甲子雄著 「電子透かしの基礎」 森北出版株式会社 1998年 ISBN:4-627-82551-X
松井甲子雄著 「電子透かしの基礎」 森北出版株式会社 1998年 ISBN:4-627-82551-X
しかしながら、上述の行間透かしを用いた文書画像から埋め込まれた情報を抽出する方法においては以下の問題点がある。すなわち、行間隔を測定するために、文書画像に対して全走査を行い、ヒストグラムを求める必要があり、情報抽出処理に時間がかかる。特に埋め込む情報が複製制御情報の場合、複写機内で複写制御情報を抽出し、抽出した情報から複写可能か否かの判断を行い、その後、複写処理を行う。そのため、一枚の文書を複写する一連の処理にかなりの時間を有することになる。
加えて、文字列と写真、図形等が混在した文書画像に対して情報を埋め込む方法については記載されていない。そして、混在文書画像から情報を抽出する方法についても記載されていない。
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、文書画像中の文字列の行間隔に基づいて、文字列と写真、図形等が混在した文書画像に対し透かし情報を効率的に埋め込み、また、抽出可能とする技術を提供とする事を目的とする。
上述の問題点の少なくとも1つを解決するため、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔を制御することで透かし情報を埋め込む画像処理装置であって、文書画像を画像データとして入力する入力手段と、入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも前記第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小手段と、前記画像縮小手段で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定手段と、前記判定手段により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの前記縮小画像データ内の位置に基づいて、前記画像データ内の文字列の位置を特定する特定手段と、予め設定された行間隔対応関係に基づいて、前記特定手段により特定された複数の文字列の前記画像データ内における位置を移動させることにより、透かし情報を該画像データに埋め込む埋込手段と、を備える。
または、文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔から、埋め込まれた透かし情報を抽出する画像処理装置であって、文書画像を画像データとして入力する入力手段と、入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも前記第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小手段と、前記画像縮小手段で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定手段と、前記縮小画像データを前記第2の方向に走査し、前記判定手段により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトを対象として、文字列の行間隔を検出することで、透かし情報を抽出する透かし情報抽出手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
上述の問題点の少なくとも1つを解決するため、本発明の画像処理装置の制御方法は以下の構成を備える。すなわち、文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔を制御することで、透かし情報を埋め込む画像処理装置の制御方法であって、文書画像を画像データとして入力する入力工程と、入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小工程と、前記画像縮小工程で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の複数の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定工程と、前記判定工程により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの前記縮小画像データ内の位置に基づいて、前記画像データ内の文字列の位置を特定する特定工程と、予め設定された行間隔対応関係に基づいて、前記特定工程により特定された複数の文字列の前記画像データ内における位置を移動させることにより、前記透かし情報を該画像データに埋め込む埋込工程と、を備える。
または、文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔から、埋め込まれた透かし情報を抽出する画像処理装置の制御方法であって、文書画像を画像データとして入力する入力工程と、入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも前記第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小工程と、前記画像縮小工程で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の複数の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定工程と、前記縮小画像データを前記第2の方向に走査し、前記判定工程により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトを対象として、文字列の行間隔を検出することで、透かし情報を抽出する透かし情報抽出工程と、を備える。
本発明によれば、文書画像中の文字列の行間隔に基づいて、文字列と写真、図形等が混在した文書画像に対し透かし情報を効率的に埋め込み、また、抽出可能とする技術を提供することができる。
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(第1実施形態)
本発明に係る画像処理装置の第1実施形態として、紙の文書原稿を画像読取装置(スキャナ)で読み込み、読み込んだ文書画像データに対し透かし情報の埋め込みを行う画像処理装置を例に挙げて以下に説明する。また、透かし情報の埋め込まれた文書画像データから透かし情報を抽出する画像処理装置についても説明する。
本発明に係る画像処理装置の第1実施形態として、紙の文書原稿を画像読取装置(スキャナ)で読み込み、読み込んだ文書画像データに対し透かし情報の埋め込みを行う画像処理装置を例に挙げて以下に説明する。また、透かし情報の埋め込まれた文書画像データから透かし情報を抽出する画像処理装置についても説明する。
<透かし情報の埋め込みアルゴリズム(行間隔対応関係)>
第1実施形態では、透かし情報の埋め込みアルゴリズムは以下の通りであるとして説明する。もちろん、文字列の行間隔に基づいて透かし情報を埋め込むものであれば、他のアルゴリズムであっても適用可能である。
第1実施形態では、透かし情報の埋め込みアルゴリズムは以下の通りであるとして説明する。もちろん、文字列の行間隔に基づいて透かし情報を埋め込むものであれば、他のアルゴリズムであっても適用可能である。
図3は、透かし情報が埋め込まれた文書原稿を例示的に示す図である。図3においては、白色の用紙に黒色で文字が記録されている。また、複数の行からなる文字列のそれぞれの間隔(行間隔)についてU,Dの2種類を用いて、2値情報を埋め込んでいる。具体的には、連続する2つの行間(UnおよびDn:nは自然数)に対して、以下のように行間を設定する。
「0」を埋め込む場合: Un>Dn
「1」を埋め込む場合: Un<Dn
<情報埋め込み装置の構成>
図1は、第1実施形態における情報埋め込みの画像処理装置11の主要な機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置11は、画像入力部101、画像縮小部102、文字列検出部103、文字座標データ生成部104、文字列特定部105、行間透かし埋込部106、画像出力部107、制御部110、操作部111から構成される。
「1」を埋め込む場合: Un<Dn
<情報埋め込み装置の構成>
図1は、第1実施形態における情報埋め込みの画像処理装置11の主要な機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置11は、画像入力部101、画像縮小部102、文字列検出部103、文字座標データ生成部104、文字列特定部105、行間透かし埋込部106、画像出力部107、制御部110、操作部111から構成される。
画像入力部101は、透かし情報を埋め込むための元となる文書画像に対応する画像データを入力する機能部である。具体的には、外部のスキャナにより読み取られ生成された紙の文書原稿に基づいた画像データをUSBなどの外部機器接続用インタフェースにより入力する。もちろん、イーサネット(登録商標)などのネットワークを介して画像データを入力するよう構成してもよい。
画像縮小部102は、画像入力部101により入力された画像データに対し、第1の方向(たとえば画像の水平方向)と、第1の方向と直交する第2の方向(たとえば画像の垂直方向)へそれぞれ縮小する機能部である。入力された画像データがビットマップ(ラスタ)形式である場合、一般的には、上述の第1および第2の方向は画像データを構成する画素の配列方向と一致する。なお、ここでは直交する2つの方向に縮小する構成であると説明したが、後述するように、1つの方向のみに縮小する構成としてもよい。
文字列検出部103は、画像縮小部102で縮小された混在文書画像から文字列のオブジェクトを検出する機能部である。つまり、入力された縮小画像には文字列,写真画像,図形等が含まれているが、文字列の部分のみを検出する。
文字座標データ生成部104は、文字列検出部103で文字列のオブジェクトとして検出されたオブジェクトから、縮小前の画像データに対応する座標データを導出する機能部である。つまり、縮小データにおけるオブジェクトの座標と画像縮小部102における縮小率とを用いて導出する。
文字列特定部105は、縮小前の画像データと文字座標データ生成部104により導出された座標データに基づいて、縮小前の画像データ中の文字列を特定する機能部である。
透かし埋込部106は、透かし情報に対応するバイナリ(2値)情報を画像データに埋め込む機能部である。具体的には、文字列特定部105により特定された文字列を移動処理し行間隔を調整する。つまり上述の埋め込みアルゴリズムにしたがって、複数の文字列間の行間それぞれに対応する長さ(連続する画素数)を、透かし情報である2値(0または1)情報に基づいて設定する。なお、行間部分の長さと2値との対応や情報量(ビット数)などの、透かし情報の埋め込みアルゴリズムについては、予め情報抽出部903に設定されているものとする。
画像出力部107は、透かし埋込部106により文字列の位置が調整された画像データを出力する機能部である。画像データとして出力してもよいし、用紙などの記録媒体に記録出力してもよい。
制御部110は、上述の各機能部が連係して動作するよう制御するための機能部である。また、操作部111はユーザからの指示を受け付けるための機能部である。
<情報埋め込み装置の動作>
以下、画像処理装置11が、画像データIから透かし情報を抽出する動作をフローチャートを参照して詳細に説明する。
以下、画像処理装置11が、画像データIから透かし情報を抽出する動作をフローチャートを参照して詳細に説明する。
図2は、第1実施形態に係る情報埋め込みの画像処理装置11の動作フローチャートである。なお、以下のフローはたとえばユーザによる操作部111を介した画像読取指示をトリガに実行される。
ステップS201では、画像入力部101は、透かし情報を埋め込む対象となる文書画像に対応する画像データIをスキャナから受信し、画像データIを画像縮小部102に供給する。例えば、文書原稿は、電荷結合素子(CCD)などの光学センサを有するスキャナにより読み取られ、画像データIが生成される。ここでは、生成された文書画像データIは、紙原稿の文字部分が黒、背景部分が白である2値画像であるとして説明する。なお、以降では文字部分に対応する”黒画素”のことを”有意画素”と呼ぶこともある。以下では、画像データIは、水平方向の画素数がW0、垂直方向の画素数がH0の画像データであるとする。
図4は、複数の文字列を含む2値画像データを例示的に示す図である。ここで、図4(a)は、横書きの文字原稿が正しい方向で記録された画像データを示している。一方、図4(b)と図4(c)とは傾きのある文書画像である。上述のように紙の文書原稿をスキャナにより読み取る際には、基準方向とのずれやユーザによる紙原稿配置のミスなどにより、図4(b)と図4(c)のような画像データが入力されることがある。
ステップS202では、画像縮小部102は、画像入力部101より供給された画像データIを水平方向と垂直方向へそれぞれ縮小し、水平方向の縮小画像データIsh、垂直方向の縮小画像データIsvを生成する。そして、縮小画像データIshおよび縮小画像データIsvを文字列検出部103に供給する。以下では、縮小画像データIshは、水平方向の画素数がW1(1<W1<W0)、垂直方向の画素数がH0の画像データであるとする。縮小画像データIsvは、水平方向の画素数がW0、垂直方向の画素数がH0(1<H1<H0)の画像データであるとする。
尚、ここでは、縮小画像データIshは、水平方向に対して縮小し、垂直方向に対しては拡縮せず、縮小画像データIsvは、垂直方向に対して縮小し、水平方向に対しては拡縮しない画像データである。しかしながら、縮小画像データIshは、垂直方向と比べて水平方向の縮小率が高ければよく、垂直方向に対しては、後述する文字列領域間の長さが計測できる程度に、縮小、あるいは、拡大を行うことは構わない。また、縮小画像データIsvに関しても同様である。
図5は、画像データIを水平方向に縮小した縮小画像データIsh、および、垂直方向へ縮小した縮小画像データIsvの例を示す図である。なお、図5(a)は図4(a)の文書画像、図5(b)は図4(b)の文書画像、図5(c)は図4(c)の文書画像のそれぞれに基づいて生成した縮小画像データである。
なお、ここで、水平・垂直の2つの方向に対して縮小画像を生成するのは、図4(c)に示すように90度傾きのある画像データIが入力された場合に対応するためである。このような状況は、スキャナによる読み取りではしばしば発生する。そのため、あらかじめ画像データIの入力方向が保障されている場合は、文字列方向に対応する1方向のみに縮小を行うよう構成してもよい。
図5から、画像縮小部102による縮小により、文字列方向に縮小した縮小画像に対しては、複数の文字列が複数の有意画素の固まり(オブジェクト)として表現されることがわかる。以下、当該縮小画像の生成についてさらに詳しく説明する。
画像縮小部102が実行する縮小処理の具体的な計算手法としては、入力された画像データに対し単に一定周期での画素の間引きによる縮小が考えられる。しかし、文字列部分と行間部分とをより正確に識別するために、以下のようなバイリニア法を利用した計算を行うとよい。
バイリニア法では、画像データIの中の近接する4つの画素の画素値に基づいて、対応する縮小画像データの画素の画素値を算出する。この場合、4つの画素の少なくとも1つが黒である場合計算結果は中間調(グレー)となる(図6左)。具体的には、白を0黒を1として演算した結果が0より大きく1より小さい値となる。
行間部分には有意画素である黒画素は存在しないため、1つでも黒画素が存在する場合、当該近接する4つの画素の存在する部分は文字列領域であると推定できる。そのため、中間調として算出された部分を有意画素である黒へと変換させる(図6右)ことにより、文字列領域と行間領域とをより高精度に分割することができる。つまり、文字列領域には有意画素が存在しない場合がある(画数の少ない文字など)が、行間領域には有意画素は一般に存在することは無いことを利用しているのである。
なお、画像縮小部102による水平・垂直方向への縮小率は、オブジェクトが認識できる程度の大きさとなる縮小率であればよい。具体的な縮小率の値は予め指定した固定値としてもよいし、入力された画像データの付加データ(スキャナによる読取解像度情報など)に基づいて随時決定してもよい。また、ここでは縮小画像を生成するアルゴリズムの一例としてバイリニア法を適用したが、本発明はこれに限定されることはない。ニアレストレイバー、バイキュービックなど、種々の計算手法を利用して縮小可能である。
ステップS203では、文字列検出部103は、画像縮小部102から供給された縮小画像データ(ここではIsh)から文字列に相当する縮小オブジェクトを検出する。つまり、文字列,写真画像,図形等が混在した画像データの縮小画像データ内から文字列に相当する縮小オブジェクトのみを検出する。
図7および図8は、画像データの縮小画像Ishの例を示す図である。ここで、図上方に示す点線の四角は、文字列に対応する縮小オブジェクトを判定するための基準サイズである。当該基準サイズは、抽出側で抽出可能な程度の文字列の幅、高さを元に予め設定される。例えば、
縮小オブジェクトの幅(Wo)>基準サイズの幅(Ww)
縮小オブジェクトの高さ(Ho)<基準サイズの高さ(Hw)
として設定された矩形サイズが使用される。
縮小オブジェクトの幅(Wo)>基準サイズの幅(Ww)
縮小オブジェクトの高さ(Ho)<基準サイズの高さ(Hw)
として設定された矩形サイズが使用される。
まず、文字列の高さの基準サイズを設けることで、写真画像を含む文書がS201で入力された際には写真画像部分を高さ制限により除外することができる。例えば、図7では、写真画像の高さは、基準サイズの高さより大きいので、文字列に相当する縮小オブジェクトとして抽出されない。
また、文字列の幅の基準サイズを設けることは、図8のように、後述する情報抽出側で複数箇所走査して情報抽出する場合に好適である。図8は、情報抽出側で、図8の矢印(1)〜(3)の3箇所の位置を走査して文字列の間隔値を抽出する例を示している。その場合、基準サイズの幅としてこの3箇所の走査位置が含まれる幅を設定する。3箇所の走査位置が含まれる幅を設定することで、走査位置にかからないような文字列に相当する縮小オブジェクトは抽出されない。また、情報抽出側の走査位置によっては、走査基準サイズの幅だけではなく、基準サイズの位置も考慮する必要がある。
このように基準サイズのウインドウを用いて縮小画像データ内の全体を走査し、全縮小オブジェクトから文字列に対応する縮小オブジェクトを検出していく。その結果、例えば、図7の例では、文字列AからFが文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出され、写真画像のオブジェクトは文字列に対応する縮小オブジェクトとしては検出されない。また、図8の例では、文字列B,C,D,Eが文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出される。つまり、文字列AとA’は文字列に相当する縮小オブジェクトであるが、基準サイズと比較し幅が不足しているため文字列に相当する縮小オブジェクトとしては検出されない。
また図16(a)の例では、文字列Bは基準サイズの幅と位置を満たす、つまり走査位置(1)にかかっているので、文字列A,B,C,Dすべて文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出される。
ステップS204では、ステップS203で文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出された縮小オブジェクトに対して、予め設定された禁則条件に該当する縮小オブジェクトがあるか否かを判定する。存在する場合はステップS205に進み、存在しない場合はステップS206に進む。ここで、禁則条件としては、例えば「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」のようなものである。つまり、罫線を動かせない場合や、抽出側で文字列の間に罫線があることによって正しい行間隔を抽出できないオブジェクトを対象から外すのである。このようにすることで、透かし情報抽出側での抽出ミスを低減することが出来る。
例えば、図7、図8の縮小画像データに対して、禁則条件「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」に照らし合わせると、図8における文字列Bが該当する。別の禁則条件として「文字列間の距離」も考えられる。これにより段落間の離れた文書においては、その段落間の間隔値を情報埋め込みに利用しないようにし、抽出ミスを低減できる。しかし、以降の説明は最初の禁則条件「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」を例に説明していく。
ステップS205では、透かし情報埋め込み可能な縮小オブジェクトを選定する。具体的には、ステップS203により検出された文字列に相当する縮小オブジェクトから、禁則条件に当てはまる縮小オブジェクトを除外する。例えば、図8において、禁則条件「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」に照らし合わせると、文字列Bが該当するので除外する。よって残りの文字列C,D,Eを利用可能な縮小オブジェクトとして選定する。
ステップS206では、文字座標データ生成部104は、ステップS203またはステップS205で選定した縮小オブジェクトに対応する、縮小前の画像データにおける座標データを導出する。つまり、縮小画像データにおけるオブジェクトの座標とステップS202における画像縮小部102における縮小率とを用いて導出する。
ステップS207では、文字列特定部105は、縮小前の画像データと文字座標データ生成部104により導出された座標データに基づいて、縮小前の画像データ内の文字列を特定する。
ステップS208では、透かし埋込部106は、ステップS207で特定された文字列に対し移動処理を実行し、透かし情報を埋め込む。具体的には、図3に示したような文字列間間隔となるよう画像処理を行う。つまり、2値情報の「0」を埋め込みたい場合は、U>Dとなるように、「1」を埋め込みたい場合はU<Dとなるように、複数の文字列オブジェクトの相対位置を変更する。
ステップS209では、画像出力部107は、ステップS208による処理がなされた画像データを、電子データとして、あるいは、用紙に記録して出力する。
以上、禁則条件を考慮する方法を述べたが禁則条件が無ければステップS204は省略することができる。
例えば前述の禁則条件「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」も以下の方法を用いれば禁則条件では無くなる。
図16(b)の例は罫線の間に一つの文字列がある場合である。この場合は、罫線を無視して文字列AとBの間隔値をU1とし、また文字列BとCの間隔値をD1とし、
「0」を埋め込む場合: U1>D1
「1」を埋め込む場合: U1<D1
とすることで、情報を埋め込める。
「0」を埋め込む場合: U1>D1
「1」を埋め込む場合: U1<D1
とすることで、情報を埋め込める。
図16(c)の例は罫線の間に二つの文字列がある場合である。この場合は、文字列AとBの間隔値をU2とし、また文字列Bと罫線Bの間隔値をD2することで情報を埋め込める。
なお、ステップS201で、図4(c)に示す縮小画像データIshに対して計測した場合、オブジェクト間の距離を計測することができない。そのため、ステップS203で、透かし画像を抽出することができない。つまり、ステップS201において、90度回転した状態で画像データIが入力されていたため、縮小画像データIshは一般的に黒色のべた画像となってしまっているからである。そのため、このような場合は、ステップS202で生成したもう一方の縮小画像データ(ここではIsv)に対してステップS203〜ステップS208まで同様な工程を実行すると良い。尚、ここでは、縮小画像データIshを用いて、オブジェクト間の距離を計測できなかった場合に、縮小画像データIsv(第2の縮小画像データ)を用いる例を示したが、順番は、逆であっても構わない。
なお、ステップS201で、図4(c)に示す縮小画像データIshに対して計測した場合、オブジェクト間の距離を計測することができない。そのため、ステップS203で、透かし画像を抽出することができない。つまり、ステップS201において、90度回転した状態で画像データIが入力されていたため、縮小画像データIshは一般的に黒色のべた画像となってしまっているからである。そのため、このような場合は、ステップS202で生成したもう一方の縮小画像データ(ここではIsv)に対してステップS203〜ステップS208まで同様な工程を実行すると良い。尚、ここでは、縮小画像データIshを用いて、オブジェクト間の距離を計測できなかった場合に、縮小画像データIsv(第2の縮小画像データ)を用いる例を示したが、順番は、逆であっても構わない。
<情報抽出装置の構成>
図9は、第1実施形態における情報抽出の画像処理装置91の主要な機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置11は、画像入力部901、画像縮小部902、情報抽出部903、文字列検出部904、制御部910、操作部911から構成される。なお、上述の画像埋め込み装置である画像処理装置と一体の装置である場合は、同一名称を付した各機能部を共有するよう構成しても良い。
図9は、第1実施形態における情報抽出の画像処理装置91の主要な機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置11は、画像入力部901、画像縮小部902、情報抽出部903、文字列検出部904、制御部910、操作部911から構成される。なお、上述の画像埋め込み装置である画像処理装置と一体の装置である場合は、同一名称を付した各機能部を共有するよう構成しても良い。
画像入力部901は、上述の画像入力部101と同様、画像データを入力する機能部である。ただし、透かし情報が埋め込まれた画像を入力する点が上述の画像入力部101と異なる。
画像縮小部902は、上述の画像縮小部102と同様、画像入力部901により入力された画像データに対し、第1の方向(たとえば画像の水平方向)と、第1の方向と直交する第2の方向(たとえば画像の垂直方向)へそれぞれ縮小する機能部である。
文字列検出部904は、上述の画像縮小部102と同様、画像縮小部902で縮小された混在文書画像から文字列のオブジェクトを検出する機能部である。つまり、入力された縮小画像には文字列,写真画像,図形等が含まれているが、文字列の部分のみを検出する。
情報抽出部903は、画像縮小部902により生成された縮小画像データから、透かし情報に対応するバイナリ(2値)情報を抽出する機能部である。具体的には、画像縮小部902により生成された縮小画像データに対し、有意画素の有無を検出することにより実行される。そして、有意画素が検出された部分を文字列領域として判定し、有意画素が検出されない領域を行間部分として判定する。そして、行間部分として判定された複数の行間それぞれに対応する長さ(連続する画素数)に基づいて、各行間に対応する2値(0または1)を決定する。なお、行間部分の長さと2値との対応や情報量(ビット数)などの、透かし情報の埋め込みアルゴリズムについては、予め情報抽出部903に設定されているものとする。
制御部910は、上述の各機能部が連係して動作するよう制御するための機能部である。また、操作部911はユーザからの指示を受け付けるための機能部である。
<情報抽出装置の動作>
以下、画像処理装置91が、画像データIから透かし情報を抽出する動作をフローチャートを参照して詳細に説明する。
以下、画像処理装置91が、画像データIから透かし情報を抽出する動作をフローチャートを参照して詳細に説明する。
図10は、第1実施形態に係る画像処理装置91の動作フローチャートである。なお、以下のフローはたとえばユーザによる操作部911を介した画像読取指示をトリガに実行される。
ステップS1001では、画像入力部901は、透かし情報入り文書画像に対応する画像データIをスキャナから受信し、画像データIを画像縮小部902に供給する。
ステップS1002では、画像縮小部902は、画像入力部901より供給された画像データIを水平方向と垂直方向へそれぞれ縮小し、水平方向の縮小画像データIsh、垂直方向の縮小画像データIsvを生成する。そして、縮小画像データIshおよび縮小画像データIsvを文字列検出部904に供給する。なお、縮小画像データIshおよび縮小画像データIsvは上述の埋め込み装置において説明した図4のものと同様である。ただし、画像データは透かし情報が埋め込まれた画像である点が異なる。
なお、ここで、水平・垂直の2つの方向に対して縮小画像を生成するのは、上述の埋め込み装置の場合と同様、図4(c)に示すように90度傾きのある画像データIが入力された場合に対応するためである。このような状況は、スキャナによる読み取りではしばしば発生する。そのため、あらかじめ画像データIの入力方向が保障されている場合は、文字列方向に対応する1方向のみに縮小を行うよう構成してもよい。画像縮小部902の動作の詳細は画像縮小部102の動作と同様のため省略する。
ステップS1003では、文字列検出部904は、画像縮小部902から供給された縮小画像データ(ここではIsh)から文字列に相当する縮小オブジェクトを検出する。つまり、文字列,写真画像,図形等が混在した画像データの縮小画像から文字列に相当する縮小オブジェクトのみを検出する。
そして、上述の埋め込み装置と同様、例えば、
縮小オブジェクトの幅(Wo)>基準サイズの幅(Ww)
縮小オブジェクトの高さ(Ho)<基準サイズの高さ(Hw)
の双方を満たす縮小オブジェクトを文字列として判断する。
縮小オブジェクトの幅(Wo)>基準サイズの幅(Ww)
縮小オブジェクトの高さ(Ho)<基準サイズの高さ(Hw)
の双方を満たす縮小オブジェクトを文字列として判断する。
このような基準サイズのウインドウを縮小画像データ全体を走査し、全縮小オブジェクトから文字列に対応する縮小オブジェクトを検出していく。その結果、上述の埋め込み装置と同様、例えば、図7の例では、文字列AからFが文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出され、写真画像のオブジェクトは文字列に対応する縮小オブジェクトとしては検出されない。また、図8の例では、文字列B,C,D,Eが文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出される。つまり、文字列AとA’は文字列に相当する縮小オブジェクトであるが、基準サイズと比較し幅が不足しているため文字列に相当する縮小オブジェクトとしては検出されない。
ステップS1004では、ステップS1003で文字列に対応する縮小オブジェクトとして検出された縮小オブジェクトに対して、予め設定された禁則条件に該当する縮小オブジェクトがあるか否かを判定する。存在する場合はステップS1005に進み、存在しない場合はステップS1006に進む。ここで、禁則条件としては、上述の埋め込み装置と同様、例えば「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」のようなものである。つまり、罫線を動かせない場合や、抽出側で文字列の間に罫線があることによって正しい行間隔を抽出できないオブジェクトを対象から外すのである。このようにすることで、抽出ミスを低減することが出来る。
ステップS1005では、透かし情報が埋め込まれている縮小オブジェクトを選定する。具体的には、ステップS1003により検出された文字列に相当する縮小オブジェクトから、禁則条件に当てはまる縮小オブジェクトを除外する。例えば、図8において、禁則条件「罫線にはさまれた二つ以下の文字列」に照らし合わせると、文字列Bが該当するので除外する。よって残りの文字列C,D,Eを利用可能な縮小オブジェクトとして選定する。
ステップS1006では、情報抽出部903は、画像縮小部902より供給された縮小画像データの1つを用いて各文字列領域間の長さ(行間隔)を計測する。ただし、ステップS1005で選定された縮小オブジェクトに対してのみ計測する。ここでは、水平方向に縮小した縮小画像データIshに対して計測するものとする。具体的な計測方法は以下の通りである。
図11は、縮小画像データIshの拡大図である。まず、情報抽出部903は、縮小画像データIshに対し縮小方向(ここでは水平方向)と直交する方向(ここでは垂直方向)へ、走査を行うことにより有意画素の有無を検出する。そして、有意画素の有無が反転する位置を文字列領域を行間領域との境界として決定する。
たとえば、図11における矢印に沿って反転位置を検出した場合、x1〜x10の各画素位置が検出されることになる。このとき、行間隔であるU1、D1、U2、D2のそれぞれの長さは、U1=x3−x2、D1=x5−x4、U2=x7−x6、D2=x9−x8である(単位は画素(pix))。
前述のように、ステップS1002における縮小処理の結果、文字列領域が文字の並び方向に縮小されると同時に、中間調部分が有意画素に変換されている。そのため、文字列領域における有意画素(ここでは黒)の密度が結果的に高くなっている。その結果、情報抽出部903は、文字列領域と行間領域との境界をより高精度に検出可能であり、行間隔を高精度に計測可能である。
なお、上述の方法は、縮小画像データIshが図5(b)に示すよう多少傾いている場合においても有効である。図14は、図5(b)の縮小画像データIshに対する走査を例示的に示す図である。この場合、矢印に沿った行間隔の長さは、図11の場合とは異なる結果となる。具体的には、文字列の傾きθ(度)としたとき、長さが1/cosθ倍になる。ただし、各行間隔の相対的長さ関係は変化しない。
なお、上述のバイリニア法を利用した縮小画像データを利用する場合、一般的には1回の走査で十分である。しかし、より高精度に検出を行うときには、縮小した画像に対して、複数の走査を行い、複数回における平均値を行間隔としてもよい。また、縮小画像データを間引きにより生成した場合にも、複数回の走査は有効である。 図12は、縮小画像データIshに対し複数回の走査を実行する様子を例示的に示す図である。図12では、黒色オブジェクトで示される文字列部分が、より現実の縮小画像データに近いものとして示している。つまり、図11のような理想的な矩形オブジェクトではなく、非有意画素(白色画素)を含んだものとして示されている。そのため、走査位置によってオブジェクト間(行間隔)の計測値が微妙に異なることになる。
例えば、図中に示すように走査位置を3箇所(矢印(1),(2),(3))行った値がそれぞれ、
矢印(1): U1=10[pix]、D1=4[pix]、U2=4[pix]、D2=12[pix]
矢印(2): U1= 8[pix]、D1=5[pix]、U2=6[pix]、D2=10[pix]
矢印(3): U1= 6[pix]、D1=3[pix]、U2=5[pix]、D2= 8[pix]
であったとする。その場合、例えばそれぞれの長さの平均値である、
U1=8[pix]、D1= 4[pix]、U2=5[pix]、D2=10[pix]
をオブジェクト間の距離(行間隔)と決定するとよい。
矢印(1): U1=10[pix]、D1=4[pix]、U2=4[pix]、D2=12[pix]
矢印(2): U1= 8[pix]、D1=5[pix]、U2=6[pix]、D2=10[pix]
矢印(3): U1= 6[pix]、D1=3[pix]、U2=5[pix]、D2= 8[pix]
であったとする。その場合、例えばそれぞれの長さの平均値である、
U1=8[pix]、D1= 4[pix]、U2=5[pix]、D2=10[pix]
をオブジェクト間の距離(行間隔)と決定するとよい。
ステップS1007では、情報抽出部903は、ステップS1006で導出した行間隔に基づいて透かし情報を導出する。具体的には、情報抽出部903に予め設定された埋め込みアルゴリズムに対応させて透かし情報を算出する。例えば、図11では、U1<D1、U2>D2であることから透かし情報は「10(2進)」として導出される。
ただし、ステップS1006で、図5(c)に示す縮小画像データIshに対して計測した場合、オブジェクト間の距離を計測することができない。そのため、ステップS1007で、透かし画像を抽出することができない。つまり、ステップS1001において、90度回転した状態で画像データIが入力されていたため、縮小画像データIshは一般的に黒色のべた画像となってしまっているからである。そのため、このような場合は、ステップS1002で生成したもう一方の縮小画像データ(ここではIsv)に対してステップS1003〜ステップS1007まで同様な工程を実行すると良い。ただし、縮小画像データIsv(第2の縮小画像データ)に対しては、縮小画像データIsv内(第2の縮小画像データ内)の水平方向に走査する点が異なる。尚、ここでは、縮小画像データIshを用いて、オブジェクト間の距離を計測できなかった場合に、縮小画像データIsvを用いる例を示したが、順番は、逆であっても構わない。
以上のような動作フローを経て、画像処理装置91は、画像データIから透かし情報を抽出する。そして、情報埋め込み装置の説明時にも述べたように、禁則条件が無い場合はステップS1004は省略できる。
なお、上述の説明においては、図4に示したパターンの文書画像データであるとして説明した。つまり、ほぼ正常な方向か90度回転入力される文書画像データであるとした。これらに加え、上下あるいは左右逆に入力される場合は、図11〜図14に示した走査方向に加え逆方向の走査も実行するよう構成するとよい。さらに、そのような状況が想定される場合には、透かし情報の埋め込みアルゴリズムとして読取開始方向に依存しないよう構成したアルゴリズムを用いることも好適である。
例えば、埋め込む情報が「101(2進)」や「11010(2進)」で、スタートビットを「0」、ストップビットを「11」とした場合、情報は、「010111(2進)」、「01101011(2進)」となる。さらに、どちらからでも読み取りが可能なように「010111000101(2進)」、「0110101100101001(2進)」のようにした情報を埋め込めば、上から下の走査1回のみで情報の抽出が可能である。なお、上記情報の後半部分がビット反転しているのは、判定条件が
「0」を埋め込む場合: Un>Dn
「1」を埋め込む場合: Un<Dn
の場合、反対方向から読むとUnとDnの順序が反対となり、ビット反転するためである。
「0」を埋め込む場合: Un>Dn
「1」を埋め込む場合: Un<Dn
の場合、反対方向から読むとUnとDnの順序が反対となり、ビット反転するためである。
また、上記とは別に、スタートビット、ストップビットを同じ「0」としておけば、埋め込む情報が「101(2進)」の場合は「001010(2進)」となる。反対方向から読むと「101011(2進)」で、スタートビットが「1」となっている。よって、情報部分を反転させ「010100(2進)」さらに反対方向に並べかえることにより「001010(2進)」となり、抽出することができる。
なお、第1実施形態では、図3に示したような、透かし情報を1組(2つ)の行間隔の相対的長さに対応させて埋め込むアルゴリズムを用いて説明を行った。しかし、最初に述べたように本発明は、この埋め込みアルゴリズムに限定されることはない。例えば、最初の行間隔(文字列の1行目と2行目との間)を基準として、2つ目(文字列の2行目と3行目との間)以降の行間隔を最初の行間隔との相対的長さに対応させて情報を埋め込むアルゴリズムなどでもよい。また、相対的行間隔による2値情報ではなく、行間隔に基づくより多値の情報を埋め込むようにしてもよい。つまり、行間隔を使用した任意の埋め込みアルゴリズム全般に対し有効な手法である。
以上説明したように、第1実施形態に係る画像処理装置によれば、入力された画像データに文字列以外のオブジェクトが含まれている場合であっても、透かし情報を埋め込み、あるいは、抽出することが可能となる。また、入力された画像データが傾きを有していた場合であっても、煩雑な操作を行うことなく情報を埋め込み、あるいは、抽出可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、スキャナなどで読み取った文書画像をコンピュータ(PC)上で動作するプログラムにより、透かし情報の埋め込み/抽出を実行する形態について説明する。
第2実施形態では、スキャナなどで読み取った文書画像をコンピュータ(PC)上で動作するプログラムにより、透かし情報の埋め込み/抽出を実行する形態について説明する。
<機器構成>
図15は、PCの内部構成を示す図である。
図15は、PCの内部構成を示す図である。
同図において、1101はCPUで、RAM1102やROM1103に格納されているプログラムやデータに基づいて、図9に示した、機能ブロックの各部を実現する。
1102はRAMで、外部記憶装置1108からロードされたプログラムやデータを記憶する。また、他のコンピュータシステム1114からI/F(インターフェース)1115を介してダウンロードしたプログラムやデータを一時的に記憶する。さらに、CPU1101が各種の処理を行うために必要とするエリアを備える。
1103はROMで、コンピュータの機能プログラムや設定データなどを記憶する。1104はディスプレイ制御装置で、画像や文字等をディスプレイ1105に表示させるための制御処理を行う。1105はディスプレイで、画像や文字などを表示する。なお、ディスプレイとしてはCRTや液晶画面などが適用可能である。
1106は操作入力デバイスで、キーボードやマウスなど、CPU1101に各種の指示を入力することのできるデバイスにより構成されている。1107は操作入力デバイス1106を介して入力された各種の指示等をCPU1101に通知するためのI/Oである。
1108はハードディスクなどの大容量情報記憶装置として機能する外部記憶装置で、OS(オペレーティングシステム)や各種アプリケーションプログラム、さらに、入出力原稿画像などを記憶する。外部記憶装置1108への情報の書き込みや外部記憶装置1108からの情報の読み出しはI/O1109を介して行われる。
1110は文書や画像を出力する為のプリンタで、出力データはI/O1111を介してRAM1102、もしくは外部記憶装置1108から送られる。なお、文書や画像を出力する為のプリンタとしては、例えばインクジェットプリンタ、レーザビームプリンタ、熱転写型プリンタ、ドットインパクトプリンタなどが挙げられる。
1112は文書や画像を読み取るためのスキャナで、入力データはI/O1113を介してRAM1102、もしくは外部記憶装置1108に送られる。
1116は、CPU1101、ROM1103、RAM1102、I/O1111、I/O1109、ディスプレイ制御装置1104、I/F1115、I/O1107、I/O1113を繋ぐバスである。
<装置の動作>
外部記憶装置1108には、アプリケーションプログラムとして、第1実施形態で説明した各機能部および動作フローを実現するための、画像処理プログラムが記憶されている。ユーザによる、操作入力デバイス1106を介した、当該画像処理プログラムの起動指示に基づき、第1実施形態で説明した動作フローが開始される。なお、詳細動作は第1実施形態とほぼ同様であるため省略する。
外部記憶装置1108には、アプリケーションプログラムとして、第1実施形態で説明した各機能部および動作フローを実現するための、画像処理プログラムが記憶されている。ユーザによる、操作入力デバイス1106を介した、当該画像処理プログラムの起動指示に基づき、第1実施形態で説明した動作フローが開始される。なお、詳細動作は第1実施形態とほぼ同様であるため省略する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどがある。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
Claims (10)
- 文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔を制御することで透かし情報を埋め込む画像処理装置であって、
文書画像を画像データとして入力する入力手段と、
入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも前記第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小手段と、
前記画像縮小手段で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定手段と、
前記判定手段により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの前記縮小画像データ内の位置に基づいて、前記画像データ内の文字列の位置を特定する特定手段と、
予め設定された行間隔対応関係に基づいて、前記特定手段により特定された複数の文字列の前記画像データ内における位置を移動させることにより、透かし情報を該画像データに埋め込む埋込手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記基準サイズは、第1の方向の画素数がWw(1<Ww<W0)、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数がHw(1<Hw<H0)の矩形サイズであり、
前記判定手段は、前記縮小画像データ内の縮小オブジェクトの前記第1の方向の画素数をWo、前記第2の方向の画素数をHoとしたとき、Wo>WwかつHo<Hwとなる縮小オブジェクトを前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトとして判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記特定手段は、予め指定された禁則条件に基づいて、前記判定手段により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトから前記禁則条件に該当する縮小オブジェクトを除外し、前記画像データ内の文字列の位置を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記画像縮小手段は、更に、
前記画像データから少なくとも前記第2の方向の画素数がH1(1<H1<H0)となる第2の縮小画像データを生成し、
前記判定手段で前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトが検出されなかった場合、前記判定手段は、更に、前記第2の縮小画像データ内を走査して、該第2の縮小画像データ内の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定し、
前記特定手段は、当該文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの前記第2の縮小画像データ内の位置に基づいて、前記画像データ内の文字列の位置を特定し、
前記埋込手段は、予め設定された行間隔対応関係に基づいて、当該特定された複数の文字列の前記画像データ内における位置を移動させることにより、透かし情報を該画像データに埋め込むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔から、埋め込まれた透かし情報を抽出する画像処理装置であって、
文書画像を画像データとして入力する入力手段と、
入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも前記第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小手段と、
前記画像縮小手段で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定手段と、
前記縮小画像データを前記第2の方向に走査し、前記判定手段により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトを対象として、文字列の行間隔を検出することで、透かし情報を抽出する透かし情報抽出手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記基準サイズは、前記第1の方向の画素数がWw(1<Ww<W0)、前記第2の方向の画素数がHw(1<Hw<H0)の矩形サイズであり、
前記判定手段は、前記縮小画像データ内の縮小オブジェクトの前記第1の方向の画素数をWo、前記第2の方向の画素数をHoとしたとき、Wo>WwかつHo<Hwとなる縮小オブジェクトを前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトとして判定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、さらに、前記基準サイズとの比較に基づいて文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトから、予め指定された禁則条件に該当する縮小オブジェクトを除外し、文字列に対応する縮小オブジェクトを決定することを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
- 文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔を制御することで、透かし情報を埋め込む画像処理装置の制御方法であって、
文書画像を画像データとして入力する入力工程と、
入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小工程と、
前記画像縮小工程で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の複数の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定工程と、
前記判定工程により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトの前記縮小画像データ内の位置に基づいて、前記画像データ内の文字列の位置を特定する特定工程と、
予め設定された行間隔対応関係に基づいて、前記特定工程により特定された複数の文字列の前記画像データ内における位置を移動させることにより、前記透かし情報を該画像データに埋め込む埋込工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - 文書画像を入力し、当該文書画像中の文字列の行間隔から、埋め込まれた透かし情報を抽出する画像処理装置の制御方法であって、
文書画像を画像データとして入力する入力工程と、
入力した文書画像の第1の方向の画素数をW0、前記第1の方向と直交する第2の方向の画素数をH0としたとき、前記画像データから少なくとも前記第1の方向の画素数がW1(1<W1<W0)となる縮小画像データを生成する画像縮小工程と、
前記画像縮小工程で生成された前記縮小画像データ内を走査して、該縮小画像データ内の複数の縮小オブジェクトのサイズと予め指定された基準サイズとを比較することにより、前記画像データ内の文字列に対応する縮小オブジェクトを判定する判定工程と、
前記縮小画像データを前記第2の方向に走査し、前記判定工程により文字列に対応する縮小オブジェクトと判定された縮小オブジェクトを対象として、文字列の行間隔を検出することで、透かし情報を抽出する透かし情報抽出工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - 請求項8または9に記載の画像処理装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2017033200A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像処理装置 |
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