JP2009007660A - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた強度と加工性を有する熱延鋼板と、その製造方法を提供する。
【解決手段】C、Si、Mn、Al、Ti、Nbを含有し、残部がFeおよびP、S、Nを含む不純物からなり、式(1)、(2)を満足し、フェライトの面積割合が70%以上、{311}<110>〜{211}<110>の方位粒の平均存在確率密度が10以下、かつ{100}<110>の存在確率密度の2.5倍以下で引張強度(MPa)と全伸び(%)との積が13500MPa・%以上、鋼板表面の島状スケールおよび島状スケール疵の面積率の合計が10%以下である。
Figure 2009007660

ここで、式中のC、Ti、Nb、V、N、Al、PおよびSiは鋼板中の各元素の含有量(単位:質量%)を表し、TSは鋼板の引張強度(単位:MPa)を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、550〜1200MPaの引張強度を有しながら、延性および伸びフランジ性に優れ、さらにコイル内における加工性の変動が抑制された熱延鋼板に関する。
近年、自動車や大型運搬車両をはじめとする輸送用機器について、燃費向上や積載質量性能の向上という観点から、軽量化の要求が高まっている。鋼材はこれら輸送用車両の主たる構造部材であり、高強度化によりこれら軽量化のニーズに対応してきた。
一方で、高強度化に伴って一般的に鋼材は加工しにくくなるため、切断、プレス成形などの加工技術の分野では高強度鋼材の加工を可能にするための技術開発が行われている。その結果、加工対象である鋼材の機械特性に合わせて最高のパフォーマンスが得られるように、これらの加工条件の緻密な調整がなされる場合が多い。
ところが、このように加工条件をピンポイント的に制御して加工能力を最適化しようとすると、加工対象となる鋼材の機械特性のばらつきが問題視されるようになった。すなわち、特性変動が大きい場合には、その変動が加工品質に直接的に反映され、加工後の製品の形状不良、あるいは割れに代表される成形不良が発生し、生産性を損なうという問題が顕在化しつつある。
以上のように、鋼板の加工性の変動を抑制することは従来にも増して非常に重要な課題となっており、特にバーリング加工性に代表される伸びフランジ性のバラツキを低減させるために種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、鋼板の先端部または後端部に発生する非定常部での特性変動について、粗熱間圧延後の粗バーを接合して連続して圧延することで、事実上非定常部を消滅させ、鋼板長手方向の特性変動を低減する方法が示されている.しかしながら、この手法では、複数の粗バーを接合する必要があるため、小ロット品の製造時に適用が困難である。また、定常部である鋼板の大部分を占める中央部において生じる特性変動や鋼板の幅方向の特性変動については抑制効果がない。
また、特許文献2には、粗バーを加熱して仕上温度の変動を抑制することにより、仕上温度の変動に起因する特性変動を抑制する手法が示されている。しかしながら、熱間圧延工程における仕上温度以外の変動要因(例えば仕上圧延後の鋼板表面性状によって生じる冷却ムラに起因する特性変動や圧延条件に起因する特性変動)ついてはなんら対応していないため、この手法では、現在求められている高レベルの均質性を実現することはできない。
特許文献3には、鋼板の温度履歴差に起因する特性変動を抑制するために、フェライト単相鋼にMoとTiとを複合添加して析出させる技術が示されている。しかし、Moは非常に高価な元素であり高コストとなる。また、強度延性バランスの改善に有効なSiが、Moと複合添加することにより著しい表面性状の劣化を招くという理由により、積極的に活用できないという問題がある。
を有する。
特開平09−241791号公報 特開2000−087143号公報 特開2002−322541号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、強度と延性のバランスに優れた特性を有するSi含有型熱延鋼板であって、同一鋼板内における機械特性、特に伸びフランジ性の変動が効果的に抑制された鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。特には、工業的に実用可能であり、かつ高コストの元素添加を必須とせずに、鋼板内における伸びフランジ性の変動が抑制された、強度と延性のバランスに優れた熱延鋼板とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
まず、良好な強度−延性バランスが得られるSi含有型の550MPa以上の引張強度を有する高強度熱延鋼板を対象とし、数多くの実験結果から、良好な伸びフランジ性を実現するために必要な鋼組織として、フェライトの面積割合が70%以上であり、{311}<110>〜{211}<110>の方位を有する結晶の平均存在確率密度が10以下でかつ{100}<110>の存在確率密度の2.5倍以下であることが好適であることを見出した。
そして、かかる鋼組織を得るには、下記式(3)に示すように鋼中のC,Si,Ti,NbおよびVの含有量によって定まる温度域TPT(℃)における総圧下率を90%未満とする必要があることを突き止めた。
Figure 2009007660
ここで、式中のC,Si,Ti,NbおよびVは、鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)である。
しかしながら、上記条件を満足するように制御して製造を行った場合であっても、鋼板の幅方向や長手方向における伸びフランジ性が変動してしまい、伸びフランジ性が劣る部分が散在する場合があることが判明した。
そこで、本発明者らは、上記の伸びフランジ性の変動を抑制するために、さらに鋭意検討を重ねた。
その結果、通常行われているような鋼板の代表温度(例えば幅方向中央部の温度)を指標として上記条件による圧下率規制を行ったのでは、熱間圧延後の熱延鋼板の表面性状に起因する冷却ムラにより、局所的に上記条件を外れる部分が生じてしまい、当該部分において上記組織が得られない場合があることを突き止めた。
そこで、上述したような局所的に上記条件を外れる部分が存在しないようにするために、Si含有鋼特有の島状スケールの除去を容易にする化学組成を採用し、デスケーリング時の温度を島状スケールの除去を容易にする温度を採用することとし、これにより、鋼板内の伸びフランジ性の変動を抑制することに成功したのである。
本発明は、上述した新たな知見に基づくものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.2〜1.5%、Mn:0.5%以上2.0%未満、Al:0.1%超1.0%以下、P:0.1%以下、S:0.01%以下、N:0.01%以下、Ti:0.03〜0.2%、Nb:0.003〜0.1%およびV:0.003〜1.0%を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)および(2)を満足する化学組成を有し、フェライトの面積割合が70%以上であり、{311}<110>〜{211}<110>の方位を有する結晶の平均存在確率密度が10以下でかつ{100}<110>の存在確率密度の2.5倍以下である鋼組織を有し、
引張強度TS(MPa)と全伸びEl(%)との積TS×Elが13500MPa・%以上であって、
さらに鋼板表面における島状スケールおよび島状スケール疵の面積率が10%以下であることを特徴とする熱延鋼板。
Figure 2009007660
ここで、式中のC、Ti、Nb、V、N、Al、PおよびSiは鋼板中の各元素の含有量(単位:質量%)を表し、TSは鋼板の引張強度(単位:MPa)を表す。
(2)前記化学組成が、Feの一部に代えて、CrおよびMoから選ばれる1種または2種を合計で1.0質量%以下含有することを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼板。
(3)前記化学組成が、Feの一部に代えて、Ca、MgおよびNdからなる群から選ばれる1種または2種以上を合計で0.1質量%以下含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱延鋼板。
なお、Ndに関しては、下記式(6)を満たすことが好ましい。
Figure 2009007660
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載される化学組成を有する鋼塊または鋼片を1250℃以上としたのちに熱間圧延を施し、(Ae点+100℃)〜(Ae点−50℃)の温度域で熱間圧延を完了し、得られた熱延鋼板に前記熱間圧延完了後3秒間以内に冷却を開始して30℃/秒以上の平均冷却速度で750〜550℃の温度域まで冷却する第1次冷却を施し、前記第1次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以下の平均冷却速度で3〜20秒間冷却する第2次冷却を施し、前記2次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以上の平均冷却速度で550℃以下の温度域まで冷却する第3次冷却を施してから巻取を行うとともに、前記熱間圧延において下記式(3)で規定される温度域TPT(℃)における総圧下率を90%未満とし、さらに前記熱間圧延開始から前記巻取までの工程において、鋼板の板厚中心温度が下記式(4)で規定されるTpef(℃)以下(Ae点−50℃)以上の温度域となる時間を180秒間以下とすることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
Figure 2009007660
ここで、式中のCおよびTiは鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
(5)前記熱間圧延は粗熱間圧延と仕上熱間圧延とを備え、該粗熱間圧延により得られた粗バーに対して下記式(5)で規定される温度域TRD(℃)でデスケーリングを行い、当該デスケーリング後の粗バーに対して前記仕上圧延を行う上記(4)記載の熱延鋼板の製造方法。
Figure 2009007660
本発明によれば、550〜1200MPaの引張強度を有し、延性および伸びフランジ性に優れ、さらにコイル内における加工性の変動が抑制された熱延鋼板を得ることができる。かかる鋼板を例えば自動車用鋼材として用いれば車輌重量の大幅な軽減に寄与する。また、部品形状への加工時における製造安定性を向上させることができる。
以下に、本発明の最良の形態や製造条件の範囲およびこれらの設定理由について説明する。なお、本明細書において、化学組成を示す「%」は、特にことわりが無い限り「質量%」である。
1.化学組成
本実施形態に係る鋼の化学組成について説明する。
C:0.02〜0.20%
Cは、鋼板の高強度化に有効な元素である。本実施形態に係る鋼においては、目的とする強度を得るためにC含有量を0.02%以上とする。一方、Cを過剰に含有させると、熱間圧延後のフェライト変態が遅延し、目的とするフェライト量を確保できずに伸びフランジ性の劣化を招く。このため、C含有量を0.20%以下とする。
Si:0.2〜1.5%
Siは、高強度化に伴う延性劣化が比較的小さい有用な強化元素である。本実施形態に係る鋼においては、高強度化を目的としてSi含有量を0.2%以上とする。0.5%以上とすることが好ましい。一方、Siを過剰に含有させると、変態温度の上昇を招いて圧延設備の負荷が大きくなる。また、鋼組織中に残留オーステナイトが形成されやすくなるため、伸びフランジ性の低下をもたらす。このため、Si含有量を1.5 %以下とする。なお、Siには化成処理性を劣化させる作用も有するので、化成処理性が要求される場合にはSi含有量を1.0%以下とすることが好ましい。
Mn:0.5%以上2.0%未満
Mnは、高強度化に有効な元素である。本実施形態に係る鋼においては、高強度化を目的としてMn含有量を0.5%以上とする。Mnは、オーステナイトからフェライトへの変態温度を低下させる作用を有するので、熱間圧延における仕上温度を低下させることが可能となる。仕上温度を低くするとフェライト結晶粒の微細化が促進されるため、鋼板の伸びフランジ性が向上する。
一方、Mnを過剰に含有させると、熱間圧延後のフェライト変態を遅延させる。このため、鋼板内のフェライト量が低下して、伸びフランジ性が劣化してしまう。したがって、Mn含有量を2.0%未満とする。
フェライト以外の観点では、伸びフランジ性を劣化させるマルテンサイトやMA(Martensite-Austenite constituent)の生成を抑制する観点から、1.5%以下とすることが好ましい。また、同じく伸びフランジ性を低下させるパーライトの形成を抑制する観点から、0.6%以上とすることが好ましい。
よって、本実施形態に係る鋼におけるMn含有量は0.5%以上2.0%未満であり、好ましくは0.6%以上1.5%以下である。
Al:0.1%超1.0%未満
Alは、鋼組織中のフェライト形成に有効な元素であり、本実施形態に係る鋼においては目的とするフェライト量を確保するために0.1 %を超えて含有させる。0.2%以上とすることが好ましい。一方、過剰に含有させると、変態温度の上昇を招いて操業負荷を増大させるとともに鋼中の清浄度を低下させる。このため、Al含有量を1.0 %未満とする。0.5%未満とすることが好ましい。
Ti:0.03〜0.2%
Tiは、フェライトを強化する作用を有する元素であり、本実施形態に係る鋼においては0.03%以上含有させる。一方、過剰に含有すると鋼中で粗大な炭窒化物を形成し、伸びフランジ性を低下させる。したがって、Ti含有量を0.2%以下とする。
Nb:0.003〜0.1%
Nbは、フェライトを強化する作用を有するとともに、組織を微細化して伸びフランジ性を向上させる作用を有するので、本実施形態に係る鋼においては0.003%以上含有させる。好ましくは0.005%以上である。一方、過剰に含有させると鋼の熱間変形抵抗を上昇させて操業負荷の増大を招く。このため、Nb含有量を0.1%以下とする。0.05%以下とすることが好ましい。
V:0.003〜1.0%
Vは、フェライトを強化する作用を有するため、本実施形態に係る鋼においては0.003 %以上含有させる。Vは、フェライト変態を促進する作用も有するので、目的とするフェライト量の確保を容易にするために0.005%以上含有させることが好ましい。900MPa以上の高強度を得る場合には、フェライトのさらなる強化が必要となるので、0.2%以上含有させることがさらに好ましい。一方、過剰に含有させても上記作用による効果が飽和しいたずらにコスト増を招く。このため、V含有量は1.0%以下とする。Vは化成処理性を損なう作用も有するため、その含有量を0.5 %以下とすることが好ましい。
P:0.1%以下
Pは、不純物として含有されるが、強化に有効な元素でもあるので含有させても構わない。しかしながら、粒界偏析傾向が強く、伸びフランジ性を劣化させる作用を有するので、P含有量は0.1%以下とする。0.05%以下とすることが好ましく、0.02%以下とすることがさらに好ましい。
S:0.01%以下
Sは、硫化物系介在物を形成して加工性を低下させる不純物元素であるため、その含有量は0.01%以下とする。一段と優れた加工性を確保したい場合には、0.008%以下とすることが好ましく、0.003%以下とすることがさらに好ましい。
N:0.01 %以下
Nは、TiやNb等と窒化物を形成して加工性を低下させる不純物元素であるため、その含有量は0.01%以下とする。0.006%以下とすることが好ましい。
さらに、次の元素を任意成分として含有していてもよい。
CrおよびMoから選ばれる1種または2種を合計で1.0%以下
CrおよびMoは、焼き入れ性を増加させ、ベイナイトの構造を微細化する作用を有する。また、適切な温度制御を行うことにより、微細な炭化物を形成して析出強化にも寄与する。このため、CrおよびMoから選ばれる1種または2種を含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させると化成処理性を低下させるため、CrおよびMoから選ばれる1種または2種を含有させる場合にはその合計含有量を1.0%以下とする。上記作用による効果を確実に得るには、この合計含有量を0.2%以下とすることが好ましい。
Ca、MgおよびNdからなる群から選ばれる1種または2種以上を合計で0.1%以下
Ca、MgおよびNdは、溶鋼が凝固する際に生成する酸化物や窒化物を微細化して、鋳片の健全性を向上させる作用を有する。このため、Ca、MgおよびNdからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、過剰に含有させても上記作用による効果が飽和していたずらにコストを増加させるのみならず、鋼の清浄度を低下せしめて成形性を劣化させる。このため、Ca、MgおよびNdからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有させる場合にはその合計含有量を0.1%以下とする。上記作用による効果を確実に得るには、この合計含有量を0.0004%以上とすることが好ましい。
さらに、Ndについては、鋼中のPやSと作用して伸びフランジ性および延性を向上させる作用を有するので、下記式(5)を満足するように含有させることが好ましい。下記式(6)の中辺が左辺を下回る、すなわち0.5未満となると、Ndによる上記作用による効果を得ることが困難となる場合がある。一方、中辺が右辺を上回る、すなわち2.0を超えると、鋼中に酸化物を形成して清浄度を損ないやすくなる。左辺を0.9、右辺を1.5とすることがより好ましい。
Figure 2009007660
ここで、式中のNd、PおよびSは鋼板中の各元素の含有量(単位:質量%)を表す。
2.化学組成のバランス規定
(1)機械特性に関するバランス
本実施形態に係る鋼板は、優れた機械特性を実現すべく、Ti、Nb、Vの析出強化元素およびNとCとの含有量のバランスとして、下記式(1)を満たす。
Figure 2009007660
ここで、式中のC、Ti、Nb、VおよびNは鋼板中の各元素の含有量(単位:質量%)を表し、TSは鋼板の引張強度(単位:MPa)を表す。
上式における中辺の値が左辺の値を下回る、すなわち0.8未満となると、Ti、Nb、Vの含有量あたりの強度向上の効果が相対的に小さくなり、経済性の観点から好ましくない。
一方、上式における中辺の値が右辺の値を上回ると、強度と伸びフランジ性とのバランスが低下したり伸びフランジ性の変動が多くなったりする。これは、セメンタイト、マルテンサイト、MA等の生成や第二相の過剰硬化によって定性的に惹き起こされる伸びフランジ性の低下の感受性が強度に応じて異なることによると推察される。
(2)島状スケールに関するバランス
本実施形態に係る鋼板は、鋼板表面の島状スケールの除去を容易にするために有効なAlおよびPとSiとの含有量のバランスとして、下記式(2)を満たす。
Figure 2009007660
上式の右辺の値が左辺の値を下回る、すなわち0.15未満となると、製造において島状スケールの除去が困難となる。好ましい左辺の値は0.2である。島状スケールの除去は、後述するように、良好な伸びフランジ性が得られる鋼組織を実現するために好適な圧下条件を、幅方向および長手方向に亘って実現させるために重要である。島状スケールが適切に除去されることによって、熱間圧延後の鋼板の冷却ムラが著しく抑制され、伸びフランジ性の変動が抑制される。
3.鋼組織
(1)フェライトの面積割合
本実施形態に係る鋼板は、Siによる強度−延性バランスの向上作用を効果的に得るために、鋼組織の70面積%以上をフェライトとする。好ましくは80面積%以上である。これに対し、パーライトの存在は伸びフランジ性の劣化を招くので、残部組織はパーライトを含まない組織であることが好ましい。さらに、残部組織は下部ベイナイトであることがより好ましい。
(2)組織の結晶方位の分布について
本実施形態に係る鋼板は、組織の結晶方位の存在確率密度を{鋼板板面と平行な結晶面方位}<鋼板圧延方向に平行な結晶方位>として記述すると、次の特徴を有する。
(i){311}<110>〜{211}<110>の方位を有する結晶の平均存在確率密度が10以下、かつ
(ii){100}<110>の存在確率密度の2.5倍以下
鋼板がこのような鋼組織上の特徴を有することによって良好な伸びフランジ性が実現される。特に、鋼板圧延幅方向に伸び稜線を有する加工において伸びフランジ性の向上が顕著である。
4.表面性状
本実施形態に係る鋼板は、その表面における島状スケールおよび島状スケール疵の面積率を10%以下とする。ここで規定する面積率は、熱延鋼板の非定常部分を除いた部分、すなわち圧延幅方向の両端部よりそれぞれ100mmおよび圧延方向の先端部および後端部よりそれぞれ30mを除いた部分における面積割合である。
ここで、「島状スケール疵」とは酸洗後に赤スケールが除去されてできるへこんだ押し込み疵であるから、酸洗前鋼板の島状スケールと酸洗後の島状スケール疵の位置および面積率はほぼ一致する。したがって、鋼板の島状スケールおよび島状スケール疵の面積率を求めるにあたっては、酸洗前の鋼板表面の島状スケールの面積率を求めることで代用してもよい。
この面積率が10%を超えると、鋼板表面における冷却水の滞留が発生しやすくなり、これに起因する冷却ムラが顕著となる。このため、後述する良好な伸びフランジ性が得られる鋼組織を実現するための圧下条件を、幅方向および長手方向に亘って実現させることが困難となり、鋼板内における特性変動が増大する傾向を示す。このため、上記の面積率を10%以下とする。5%以下とすることが好ましい。
5.製造方法
本実施形態に係る熱延鋼板は、上記のような化学組成上の特徴および鋼組織上の特徴を有し、機械特性として、引張強度と全伸びとの積(TS×El、単位:MPa・%)が13500MPa・%以上であるならば、製造方法には特に限定されない。ただし、次のような製造方法を採用すれば、本実施形態に係る熱延鋼板を効率的に、かつ安定的に得ることが実現される。
(1)熱間圧延前の加熱
上記化学組成を備える鋼塊または鋼片の温度を1250℃以上として熱間圧延に供し、粗大な炭窒化物を固溶させることが好ましい。粗大な炭窒化物は、伸びフランジ性を阻害するとともに、強度向上に寄与する微細な炭窒化物を形成する元素を消費する。したがって、1250℃以上とすることによって、強度低下や伸びフランジ性の低下などの機械特性の劣化が回避される。
なお、連続鋳造により得られた鋼塊や分塊圧延後の鋼片の温度が1250℃以上であるならば、追加的な加熱を行わなくてもよい。一方、一旦1250℃未満となった鋼塊または鋼片を加熱してから熱間圧延に供する場合には、その加熱時間を1時間以上とすることが好ましい。鋼塊または鋼片の温度の上限は特に限定されないが、加熱炉の炉内耐熱壁の耐久性およびスケールロスによる歩留まりの低下の観点から1400℃以下とすることが好ましい。
(2)デスケーリング
粗熱間圧延により得られた粗バーにデスケーリングを施して仕上熱間圧延に供するにあたって、このデスケーリングを次式(5)で規定される温度域TRDで行うことが好ましい。
Figure 2009007660
デスケーリング時の粗バーの温度が式(5)を外れる、すなわち粗バーの温度が所定の温度よりも低すぎると、二次スケールが十分に成長しないため、デスケーリング性が低下する。このため、仕上熱間圧延後の鋼板表面に島状スケールが形成しやすくなる。この島状スケールが鋼板表面において多くなると、熱間圧延後の冷却時に同一鋼板内での冷却ムラが発生し、伸びフランジ性の鋼板内の均一性が低くなる。
粗バー温度の調整手段は特に限定しないが、ライン上に設置した補熱設備や実ライン上に設置された誘導加熱装置による加熱が好ましい。なお、粗バーに加熱処理を施さなくても上記条件を満足する場合には、粗バーに加熱を施す必要はなく、粗熱間圧延後、そのままデスケーリングを行なえばよい。
(3)熱間圧延における圧下率
熱間圧延において、下記式(3)で規定される温度域TPTでの総圧下率を90%未満とすることが好ましい。
Figure 2009007660
このような条件で熱間圧延を行うことによって、上記の好ましい結晶方位を有する鋼組織を効果的に得ることが実現される。好ましい総圧下率は85%以下である。上記温度域TPTにおける総圧下率が90%以上となると、組織の異方性が強くなり、これに起因して伸びフランジ性が低下するとともに、伸びフランジ性の変動が大きくなる。この原因については明らかではないが次のように推察される。すなわち、熱間圧延を行うにあたっては、鋼板形状を保持するためにロール開度やロールクラウン制御を自動で行っており、幅方向、長手方向の双方について圧延条件に不可避的なバラツキが生じる。このため、総圧下率が90%以上になるまで圧延を行うと、局所的に組織異方性の大きく異なる部位が形成されやすくなり、このように鋼板内の結晶異方性のばらつきが増大すると、伸びフランジ性の変動が大きくなってしまう。
(4)熱間圧延完了温度
熱間圧延において、熱間圧延の完了温度を(Ae点+100℃)〜(Ae点−50℃)の温度域とすることが好ましい。
熱間圧延完了温度を(Ae点+100℃)超とすると、フェライトの核生成頻度が低下してしまい、その後の制御冷却過程で十分なフェライト量を得ることが困難となる。一方、熱間圧延完了温度を(Ae点−50℃)未満とすると、加工フェライトが形成されてしまい成形性が劣化するともに、オーステナイトとフェライトの熱間変形抵抗の差異に起因して圧延が不安定となり、鋼板の形状精度が低下する。したがって、熱間圧延完了温度を(Ae点+100℃)〜(Ae点−50℃)とすることが好ましく、(Ae点+100℃)〜(Ae点−30℃)とすることがさらに好ましい。
(3)熱間圧延後の冷却および巻取
熱間圧延を上記の温度域で完了させたら、次のように、三段階で冷却を行って巻き取ることが好ましい。なお、下記の冷却を行うにあたって、冷却手段は、水冷却、ロール等の送板装置による接触抜熱、送風による冷却のいずれを採用しても構わない。また、これらの冷却手段を複数の組み合わせてもよい。
(i)第1次冷却
まず、第1次冷却として、熱間圧延完了後3秒間以内に冷却を開始して、30℃/秒以上の平均冷却速度で750〜550℃の温度域まで冷却することが好ましい。
この第1次冷却において、冷却開始時間を熱間圧延後3秒間超としたり、平均冷却速度を30℃/秒未満としたりすると、粗大なパーライトを形成しやすくなり、伸びフランジ性を劣化させる場合がある。好ましい平均冷却速度は50℃/秒以上である。結晶粒径を微細化してさらなる特性向上を狙う場合には、熱間圧延後から冷却開始までの時間を1.5秒間以内とすることが好ましい。
一方、第1次冷却における冷却停止温度を750℃超とすると、その後に制御冷却を施しても十分なフェライト量を確保することが困難となる。一方、第1次冷却における冷却停止温度を550℃未満とすると、フェライト変態が起こりにくくなるため、十分なフェライト量を確保することができず延性が劣化する。十分なフェライト量を安定して確保する観点からは、第1次冷却の冷却停止温度を600℃以上とすることが特に好ましい。
(ii)第2次冷却
第1次冷却として上記の温度域まで冷却したら、次に第2次冷却として、第1次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以下の平均冷却速度で3〜20秒間冷却することが好ましい。
第1次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以下の平均冷却速度で3〜20秒間の第2次冷却を施すことにより、フェライトを効果的に生成させることができる。第2次冷却の平均冷却速度を30℃/秒超とすると、生成するフェライトの硬度にばらつきが生じて伸びフランジ性が低下する。20℃/秒以下とすることが好ましい。第2次冷却の平均冷却速度の下限は特に限定する必要はないが、第2次冷却を実施する箇所に補熱設備を有していないことが通常であるので、生産性の観点から3℃/秒以上とすることが好ましく、7℃/秒以上とすることが特に好ましい。
冷却時間に関しては、3秒間未満とするとフェライトの生成が不十分となる場合がある。一方、20秒間超とすると、パーライトや粗大なセメンタイトを生成して伸びフランジ性が劣化する場合がある。7秒間以上15秒間以内とすることが特に好ましい。
(iii)第3次冷却および巻取
第2次冷却に続いて、第3次冷却として、第2次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以上の平均冷却速度で550℃以下の温度域まで冷却して巻き取ることが好ましい。
第3次冷却における平均冷却速度を30℃/秒未満とすると、粗大なパーライトの生成やベイナイトラスの粗大化により伸びフランジ性が劣化する。50℃/秒以上とすることが好ましい。
第3次冷却の冷却停止温度、すなわち巻取温度を550℃超とすると、粗大なセメンタイトの形成やPの偏析が助長されることにより伸びフランジ性が劣化する。第3次冷却の冷却停止温度、すなわち巻取温度は、450℃以下に設定されることがさらに好ましい。ただし、300℃未満となるとマルテンサイトやMAを生成して伸びフランジ性が劣化するおそれがあるため、300℃以上とすることが好ましい。
(5)板厚中心温度管理
熱間圧延開始から巻取までの鋼板の製造工程において、鋼板の1/2t位置における温度、すなわち板厚中心温度が、下記式(4)を満たすTpef(℃)以下、(Ae点−50℃)以上の温度域にある滞留時間を、180秒間以下とすることが好ましい。
Figure 2009007660
この滞留時間を180秒間超とすると、鋼中に粗大なTiを含む炭窒化物が形成され、強度および伸びフランジ性のバランスが低下する場合がある。上記滞留時間は、150秒間以内とすることがさらに好ましく、135秒間以内とすることが特に好ましい。
1.熱延鋼板の製造
表1に示される複数の鋼種について、複数スタンドによるタンデム圧延可能な小型実験ミルを用いて幅200mm、長さ1500mmの鋼板の製造を実施した。また製造温度条件は表2に示されるとおりである。なお、第1次冷却の平均冷却速度は約70℃/秒、第2次冷却の平均冷却速度は約10℃/秒、第3次冷却の平均冷却速度は約45℃/秒であった。鋼材の途中加熱は大気雰囲気を模擬した小型炉により行った。デスケーリングは入側スタンド直前に設置された噴射孔からの加圧水により行い、実ライン製造を模擬した。なお、鋼板の温度はスタンド間に設置された放射温度計にて測定を行った。
Figure 2009007660
Figure 2009007660
なお、各表における下線は本発明の規定外であることを示す。
2.評価
得られた熱延鋼板からJIS5号試験片を採取して、降伏応力YS(MPa)、引張強度TS(MPa)、全伸びEl(%)を測定し、この結果から強度−延性バランスTS×El(MPa・%)を求め、これらによって機械特性を評価した。また、圧延方向の中央部から90mm四方の試験片を1/4w、1/2w、3/4wの順番で圧延方向に90mmずつ幅方向位置を変更しながら各幅方向位置について3枚ずつ採取した。採取した試験片について日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001に準じて穴拡げ率HER(%)を測定し、これらの結果から平均HER(%)を求めるとともに、穴拡げ率の最大値と最小値との差をHERバラツキ幅(%)として求めることで、伸びフランジ性を評価した。
次に、鋼組織を評価すべく、得られた熱延鋼板の圧延方向の厚さ方向断面をナイタール腐食により光学顕微鏡観察し、フェライト面積率を測定した。さらに鋼板の1/2t部近傍より圧延面に平行なサンプルを採取し、薬液により歪みを除去した後、透過X線法により結晶方位の強度を測定した。複数方向から測定した結晶方位の強度から、結晶がランダム配向した場合を基準として各方位を有する結晶粒の存在確率密度を見積もった。
鋼板表面の島状スケールの面積率は、得られた鋼板表面の赤スケール被覆率を測定し、島状スケールの被覆率を算出することで求めた。得られた熱延鋼板において、圧延幅方向の両端部を除き、さらに圧延方向の先端部および後端部端を除いた部分における、鋼板表面の赤スケールによる面積率が10%以下であった場合を良好(○)、5%以下であった場合には特に良好(◎)と判定した。一方、10%を超える場合を不良(×)とした。なお、この評価は圧延表・裏面で実施し、島状スケールの面積率が高い方の面を判定の対象とした。
3.結果
表3に実施により得られた鋼板の特性を示す。本発明で規定する範囲内の鋼種および製造条件を適用した鋼板(試番1〜8)は、本発明に定める鋼組織上の特徴を有し、優れた機械特性および表面性状を有することが確認された。
Figure 2009007660
これに対し、本発明に係る化学組成を有さない場合には、適切な機械特性を得ることができなかった。
試験番号9〜11の鋼板はいずれもAlの含有量が本発明で規定する化学組成の範囲外である。また、試験番号9および11の鋼板はいずれも式(1)の中辺が上辺を超えており、さらに、試験番号10および11の鋼板はいずれも式(2)が不成立である。このため、試験番号9および10は、伸びフランジ性にばらつき顕著であった。また、試験番号11は伸びフランジ性が低く、しかもそのばらつきが顕著であった。
続いて、本発明に係る化学組成を有する鋼種であっても、製造条件を変化させた場合には好ましい機械特性が得られない場合があることを確認した。
試験番号12は、温度域がTPTにおける総圧下率が90%の場合であり、この場合には本発明に規定される鋼組織が得られなかった。このため、伸びフランジ性およびそのばらつきが不芳であった。
試験番号13は、Tpef〜Ae-50℃の温度域の経過時間が規定外の場合であり、この場合には強度−延性バランスが特に不芳である上に伸びフランジ性のばらつきが顕著であった。
試験番号14は、仕上圧延温度が低すぎるため、加工フェライトが発生してしまい、強度−延性バランスが特に不芳であった。
試験番号15は、第2次冷却の冷却時間が短時間であったことから、フェライト面積率が低下した。このため、強度−延性バランスが不芳であった。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.2〜1.5%、Mn:0.5%以上2.0%未満、Al:0.1%超1.0%以下、P:0.1%以下、S:0.01%以下、N:0.01%以下、Ti:0.03〜0.2%、Nb:0.003〜0.1%およびV:0.003〜1.0%を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)および(2)を満足する化学組成を有し、フェライトの面積割合が70%以上であり、{311}<110>〜{211}<110>の方位を有する結晶の平均存在確率密度が10以下でかつ{100}<110>の存在確率密度の2.5倍以下である鋼組織を有し、引張強度TS(MPa)と全伸びEl(%)との積TS×El値が13500MPa・%以上であって、さらに鋼板表面における島状スケールおよび島状スケール疵の面積率が10%以下であることを特徴とする熱延鋼板。
    Figure 2009007660
    ここで、式中のC、Ti、Nb、V、N、Al、PおよびSiは鋼板中の各元素の含有量(単位:質量%)を表し、TSは鋼板の引張強度(単位:MPa)を表す。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、CrおよびMoから選ばれる1種または2種を合計で1.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、Ca、MgおよびNdからなる群から選ばれる1種または2種以上を合計で0.1質量%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載される化学組成を有する鋼塊または鋼片を1250℃以上としたのちに熱間圧延を施し、(Ae点+100℃)〜(Ae点−50℃)の温度域で熱間圧延を完了し、得られた熱延鋼板に前記熱間圧延完了後3秒間以内に冷却を開始して30℃/秒以上の平均冷却速度で750〜550℃の温度域まで冷却する第1次冷却を施し、前記第1次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以下の平均冷却速度で3〜20秒間冷却する第2次冷却を施し、前記2次冷却の冷却停止温度から30℃/秒以上の平均冷却速度で550℃以下の温度域まで冷却する第3次冷却を施してから巻取を行うとともに、前記熱間圧延において下記式(3)で規定される温度域TPT(℃)における総圧下率を90%未満とし、さらに前記熱間圧延開始から前記巻取までの工程において、鋼板の板厚中心温度が下記式(4)で規定されるTpef(℃)以下(Ae点−50℃)以上の温度域となる時間を180秒間以下とすることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
    Figure 2009007660
    ここで、式中のCおよびTiは鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  5. 前記熱間圧延は粗熱間圧延と仕上熱間圧延とを備え、該粗熱間圧延により得られた粗バーに対して、下記式(5)で規定される温度域TRD(℃)でデスケーリングを行い、当該デスケーリング後の粗バーに対して前記仕上熱間圧延を行う請求項4記載の熱延鋼板の製造方法。
    Figure 2009007660
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