JP2009007340A - リン酸化物 - Google Patents

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Hisashi Takeuchi
寿 竹内
Yuichiro Takamatsu
雄一朗 高松
Katsuyuki Sugiyama
克之 杉山
Katsuhisa Kamio
克久 神尾
Takashi Ogawa
隆 小川
Masahiko Abe
正彦 阿部
Kazuyuki Tsubone
和幸 坪根
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Abstract

【課題】少量の添加で高い界面活性を示す、化粧品、塗料、印刷用インク等の乳化剤等として利用可能であり、また2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤の合成に有用な新規なリン酸化物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は下記一般式(1)で示されるリン酸化物。
(化1)


R1−C−C−R2−C=O (1)
| |
Z XC2n+1
但し、上記一般式(1)において、Xは酸素原子又はNH基を意味し、nは1から20の整数、
(化2)


R1−C−C−R2


式(1)中の上記化2の基は、Yが水酸基のとき、Zはリン酸基又はその塩、Yがリン酸基又はその塩のとき、Zは水酸基である隣接する置換基Y、Zを有する炭素数9〜25のアルキル基を示す。
【選択図】なし。

Description

本発明は、新規リン酸化物に関し、詳細には、リン酸基に隣接する水酸基を分子中に含有するリン酸化物に関する。
従来の1鎖1親水基含有界面活性剤2分子を共有結合で2分子連結させた、2鎖2親水基含有界面活性剤は、その優れた界面活性能のために低濃度の配合で済み、環境への負荷が軽減化され、皮膚刺激もほとんどないなどの特徴から、研究開発が進められてきている(特許文献1参照)。実際、本願発明者らは、2鎖2親水基含有界面活性剤は、その対応する”モノマー”に比べて皮膚安全性に優れることを明らかにした(非特許文献1参照)。また、2鎖2親水基含有界面活性剤として、親水基を含む連結部位に疎水基を導入して、2鎖2親水基を実現するなど分子設計に工夫をしたものも知られている(非特許文献2参照)。
特許第3426493号 Kazuyuki Tsuboneら著、ジャーナル オブ サーファクタント アンド ディタージェント(Journal of Surfactant & Detergent,第6巻、1号、39−46頁、2003年) Kazuyuki Tsuboneら著、ジャーナル オブ サーファクタント アンド ディタージェント(Journal of Surfactant & Detergent,第7巻、1号、47−52頁、2004年)
しかし、工業的実施を前提にしてこの2鎖2親水基含有界面活性剤の分子設計を考えるとき、2分子の連結や、疎水基、極性基の導入が必ずしも容易ではなく、分子設計が限定されたものにならざるを得ず、しかもその中で比較的高価な原材料の使用を余儀なくされることが多いために、その優れた性能にもかかわらず、いまだ実用に至っているものはほとんどないというのが実情である。また非特許文献2記載のものも、コストに問題を残し、根本的な解決には至っていない。かかる背景にあって本発明の目的は、安価な原材料のみを用いて容易に生産でき、2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤の合成に有用な、リン酸基に隣接する水酸基を分子疎水鎖の中央部近傍に含有するリン酸化物を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、二重結合を1個有する炭素数10〜26の不飽和脂肪酸のアルキルエステル又はアルキルアミドの、脂肪酸の二重結合を開いた位置にリン酸基と水酸基とを隣接して導入したリン酸化物が、上記要求を満足することを見出した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示されるリン酸化合物を要旨とする。
(化1)


R1−C−C−R2−C=O (1)
| |
Z XC2n+1
但し、上記一般式(1)において、Xは酸素原子又はNH基を意味し、nは1から20の整数、
(化2)


R1−C−C−R2


式(1)中の上記化2の基は、Yが水酸基のとき、Zはリン酸基又はその塩、Yがリン酸基又はその塩のとき、Zは水酸基である隣接する置換基Y、Zを有する炭素数9〜25のアルキル基を示す。
本発明のリン酸化物の中和物は、顕著に高い界面活性を示し、例えば乳化剤として使用する場合、従来の1鎖1親水基含有陰イオン界面活性剤に比べて少量の添加で済む。また本発明のリン酸化物は、リン酸基に隣接する水酸基を持つので別の2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤の合成に有用である。
本発明の一般式(1)で表されるリン酸化物において、nは1から20の整数であるが、好ましくは4〜16の整数である。一般式(1)においてXは酸素原子又はNH基であり、Yが水酸基のとき、Zはリン酸基又はその塩、Yがリン酸基又はその塩のとき、Zは水酸基となり、リン酸が塩の場合、塩となる対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオンなどの無機陽イオン又は有機アンモニウムイオン等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるリン酸化物は、二重結合を1個有する炭素数10〜26の不飽和脂肪酸、好ましくは炭素数12〜22の不飽和脂肪酸に炭素数1〜20の脂肪族アルコールをエステル化して得られる不飽和脂肪酸のアルキルエステルの二重結合を酸化して得られるジオール体(化3参照)又は、二重結合を1個有する炭素数10〜26の不飽和脂肪酸、好ましくは炭素数12〜22の不飽和脂肪酸に、炭素数1〜20の脂肪族アミンを反応して得られる不飽和脂肪酸のアルキルアミドの二重結合を酸化して得られるジオール体(化3参照)に、有機溶媒中でポリリン酸を反応させ、不飽和脂肪酸の二重結合位置にリン酸基と水酸基とを隣接して導入して得られる。下記化3は、オレイン酸アルキルエステル(又はオレイン酸アルキルアミド)を酸化して得られる9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルエステル(又は、9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルアミド)にベンゼン等の有機溶媒中でポリリン酸を反応させて本発明のリン酸化物a)、b)を得る反応を示したものである。
Figure 2009007340
尚、上記式中、Xは酸素原子又はNH基を示す。
上記化3に示すように、不飽和脂肪酸がオレイン酸の場合、本発明のリン酸化物は、オレイン酸アルキル又はオレイン酸アルキルアミドを過酸化水素とギ酸を用いて酸化して得られる9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルエステル(又は9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルアミド)に、有機溶媒中でポリリン酸を反応させ、ステアリン酸残基の9位にリン酸基又は水酸基を、10位に水酸基又はリン酸基を導入して得られる。9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルエステル(又は9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルアミド)とポリリン酸との反応は、9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルエステル(又は9,10−ジヒドロキシステアリン酸アルキルアミド)を、1〜20倍当量のポリリン酸と共に、10℃ないし100℃、好ましくは室温〜80℃で、1〜96時間程度攪拌を行うことにより行われる。有機溶媒としては、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、ベンゼン等が挙げられる。
本発明のリン酸化物を、オレイン酸デシルを用いて説明すれば次の通りである。
オレイン酸デシルに、オレイン酸デシルの1〜50倍モル当量のギ酸と1〜10倍モル当量の過酸化水素を添加し、5〜60℃にて3〜48時間攪拌し、その後水洗、再結晶化を行うことにより、9,10−ジヒドロキシステアリン酸デシルエステルが得られる。この9,10−ジヒドロキシステアリン酸デシルエステルを原料とし、1〜5倍モル当量のポリリン酸をベンゼンに溶解し、室温〜80℃にて、1〜96時間攪拌する。その後、減圧下、溶媒を除去して本発明のリン酸化物を得ることができる。また、所定量のアルカリを加えて中和して本発明のリン酸化物を得ることもできる。さらにシリカゲルを固定相として、クロロホルム・メタノールの混合溶媒などを移動層とするカラムクロマトグラフィーによって精製することができる。
上記のオレイン酸デシルの代わりに、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸オクチル、オレイン酸エチルヘキシル、オレイン酸ドデシル、オレイン酸テトラデシル、オレイン酸へキサデシル、オレイン酸オクタデシル、オレイン酸エイコシル、オレイン酸メチルアミド、オレイン酸エチルアミド、オレイン酸プロピルアミド、オレイン酸イソプロピルアミド、オレイン酸ブチルアミド、オレイン酸イソブチルアミド、オレイン酸ヘキシルアミド、オレイン酸オクチルアミド、オレイン酸エチルヘキシルアミド、オレイン酸デシルアミド、オレイン酸ドデシルアミド、オレイン酸テトラデシルアミド、オレイン酸へキサデシルアミド等を用いることにより、一般式(1)におけるnの異なる本発明のリン酸化物を得ることができる。また脂肪酸部分をオレイン酸(C´18)の代わりに、モノエン酸としてカプロレイン酸等のデセン酸(C´10)、ウンデセン酸(C´11)、ラウロレイン酸等のドデセン酸(C´12)、トリデセン酸(C´13)、ミリストレイン酸等のテトラデセン酸(C´14)、ペンタデセン酸(C´15)、パルミトレイン酸等のヘキサデセン酸(C´16)、ヘプタデセン酸(C´17)、エライジン酸等のオクタデセン酸(C´18)、ノナデセン酸(C´19)、ゴンドイン酸等のエイコセン酸(C´20)、ヘンエイコセン酸(C´21)、エルカ酸等のドコセン酸(C´22)、トリコセン酸(C´23)、セラコレイン酸等のテトラコセン酸(C´24)、ペンタコセン酸(C´26)、ヘキサコセン酸(C´26)等が挙げられ、これらのアルキルエステルまたはアルキルアミド等を用いることにより、一般式(1)におけるR1、R2、nの異なる本発明のリン酸化物を得ることができる。
次に実施例で詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
1)ジヒドロキシ化反応
オレイン酸デシル(78.2g、0.18モル)、30%過酸化水素(22.0g、0.19モル)ギ酸214ミリリットルを入れ、40℃にて、24時間攪拌を行った。その後洗浄し、溶媒除去を行った後、炭酸カリウム(12.8g、0.092モル)、エタノール500ミリリットルを加え、25℃、24時間攪拌を行い洗浄、溶媒除去、再結晶化を行い、9,10−ジヒドロキシステアリン酸デシル(75.4g、0.16モル)を得た。
2)リン酸化反応
9,10−ジヒドロキシステアリン酸デシル(20.0g、0.044モル)、ポリリン酸(44g、0.132モル)のベンゼン溶液430ミリリットルを50℃で72時間攪拌し、その後、純水を292ミリリットル加えて3時間攪拌した。その後、静置してベンゼン相を分取し、分取したベンゼン相にエーテルを400ミリリットル加えて、水、2N塩酸により処理した。その後、静置してベンゼン相を分取し、減圧下溶媒を留去して粘性物23gを得た。得られた粘性物質の元素分析値を表1に示す。元素分析値はC2857P(MW:536.72)の計算値と良く一致していた。
(表1)
Figure 2009007340
また赤外吸収スペクトルで、1735.8cm−1にエステルC=O伸縮振動、1176.5cm−1にP=O伸縮振動、1022.2cm−1にP−O−C伸縮振動に基づく吸収が認められた。元素分析値及び赤外吸収スペクトルより、得られた化合物は下記化4で示す構造のリン酸化物であることが認められた。このリン酸化物のナトリウム塩のFAB−MSスペクトルを図1に示す。
Figure 2009007340
実施例2
1)ジヒドロキシ化反応
オレイン酸デシルアミド(25g、0.059モル)、30%過酸化水素(7.1g、0.062モル)ギ酸69ミリリットルを入れ、40℃にて、24時間攪拌を行った。その後洗浄し、溶媒除去を行った後、炭酸カリウム(4.12g、0.029モル)、エタノール160ミリリットルを加え、25℃、24時間攪拌を行い洗浄、溶媒除去、再結晶化を行い、9,10−ジヒドロキシステアリン酸デシルアミド(24.9g、0.055モル)を得た。
2)リン酸化反応
9,10−ジヒドロキシステアリン酸デシルアミド(20g、0.044モル)、ポリリン酸(44g、0.132モル)のベンゼン溶液430ミリリットルを50℃で72時間攪拌し、その後、純水を292ミリリットル加えて3時間攪拌した。その後、静置してベンゼン相を分取し、分取したベンゼン相にエーテルを400ミリリットル加えて、水、2N塩酸により処理した。その後、静置してベンゼン相を分取し、減圧下溶媒を留去して粘性物20gを得た。得られた粘性物質の元素分析値を表2に示す。元素分析値はC2858NOPとして(MW:535.74)の計算値と良く一致していた。
(表2)
Figure 2009007340
また赤外吸収スペクトルで、3305cm−1にN−H伸縮、1639.7cm−1にアミドC=O伸縮振動、1198.6cm−1にP=O伸縮振動、1079.9cm−1にP−O−C伸縮振動に基づく吸収が認められた。元素分析値及び赤外吸収スペクトルより、得られた化合物は下記化5で示す構造のリン酸化物であることが認められた。
Figure 2009007340
実施例3
1)ジヒドロキシ化反応
5−ラウロレイン酸オクチル(10.0g、0.032モル)、30%過酸化水素(3.8g、0.034モル)ギ酸37ミリリットルを入れ、40℃にて、24時間攪拌を行った。その後洗浄し、溶媒除去を行った後、炭酸カリウム(2.24g、0.016モル)、エタノール100ミリリットルを加え、25℃、24時間攪拌を行い洗浄、溶媒除去、再結晶化を行い、5,6−ジヒドロキシラウリン酸オクチル(10.1g、0.029モル)を得た。
2)リン酸化反応
5,6−ジヒドロキシラウリン酸オクチル(5.0g、0.014モル)、ポリリン酸(14.6g、0.043モル)のベンゼン溶液140ミリリットルを50℃で72時間攪拌し、その後、純水を100ミリリットル加えて3時間攪拌した。その後、静置してベンゼン相を分取し、分取したベンゼン相にエーテルを130ミリリットル加えて、水、2N塩酸により処理した。その後、静置してベンゼン相を分取し、減圧下溶媒を留去して粘性物5.98gを得た。得られた粘性物質の元素分析値を表3に示す。元素分析値はC2041Pとして(MW:424.51)の計算値と良く一致していた。
(表3)
Figure 2009007340
また赤外吸収スペクトルで、1735.5cm−1にエステルC=O伸縮振動、1176.5cm−1にP=O伸縮振動、1022.2cm−1にP−O−C伸縮振動に基づく吸収が認められた。元素分析値及び赤外吸収スペクトルより、得られた化合物は下記化6で示す構造のリン酸化物であることが認められた。
Figure 2009007340
実施例4
1)ジヒドロキシ化反応
5−ラウロレイン酸オクチルアミド(30.0g、0.097モル)、30%過酸化水素(11.5g、0.10モル)ギ酸112ミリリットルを入れ、40℃にて、24時間攪拌を行った。その後洗浄し、溶媒除去を行った後、炭酸カリウム(6.73g、0.048モル)、エタノール260ミリリットルを加え、25℃、24時間攪拌を行い洗浄、溶媒除去、再結晶化を行い、5,6−ジヒドロキシラウリン酸オクチルアミド(30.0g、0.087モル)を得た。
2)リン酸化反応
5,6−ジヒドロキシラウリン酸オクチルアミド(5.0g、0.015モル)、ポリリン酸(14.7g、0.044モル)のベンゼン溶液142ミリリットルを50℃で72時間攪拌し、その後、純水を100ミリリットル加えて3時間攪拌した。その後、静置してベンゼン相を分取し、分取したベンゼン相にエーテルを130ミリリットル加えて、水、2N塩酸により処理した。その後、静置してベンゼン相を分取し、減圧下溶媒を留去して粘性物5gを得た。得られた粘性物質の元素分析値を表4に示す。元素分析値はC2042NOPとして(MW:423.52)の計算値と良く一致していた。
(表4)
Figure 2009007340
また赤外吸収スペクトルで、3304cm−1にN−H伸縮、1639.7cm−1にアミドC=O伸縮振動、1198.1cm−1にP=O伸縮振動、1079.5cm−1にP−O−C伸縮振動に基づく吸収が認められた。元素分析値及び赤外吸収スペクトルより、得られた化合物は下記化7で示す構造のリン酸化物であることが認められた。
Figure 2009007340
実施例5
1)ジヒドロキシ化反応
エルカ酸ブチル(20.0g、0.051モル)、30%過酸化水素(6.03g、0.053モル)ギ酸60ミリリットルを入れ、40℃にて、24時間攪拌を行った。その後洗浄し、溶媒除去を行った後、炭酸カリウム(3.52g、0.0253モル)、エタノール137ミリリットルを加え、25℃、24時間攪拌を行い洗浄、溶媒除去、再結晶化を行い、13,14−ジヒドロキシベヘン酸ブチル(19.9g、0.046モル)を得た。
2)リン酸化反応
13,14−ジヒドロキシベヘン酸ブチル(10.0g、0.023モル)、ポリリン酸(23.5g、0.070モル)のベンゼン溶液230ミリリットルを50℃で72時間攪拌し、その後、純水を160ミリリットル加えて3時間攪拌した。その後、静置してベンゼン相を分取し、分取したベンゼン相にエーテルを210ミリリットル加えて、水、2N塩酸により処理した。その後、静置してベンゼン相を分取し、減圧下溶媒を留去して粘性物11.75gを得た。得られた粘性物質の元素分析値を表5に示す。元素分析値はC2653Pとして(MW:508.67)の計算値と良く一致していた。
(表5)
Figure 2009007340
また赤外吸収スペクトルで、1732.0cm−1にエステルC=O伸縮振動、1178.4cm−1にP=O伸縮振動、1024.1cm−1にP−O−C伸縮振動に基づく吸収が認められた。元素分析値及び赤外吸収スペクトルより、得られた化合物は下記化8で示す構造のリン酸化物であることが認められた。
Figure 2009007340
実施例6
1)ジヒドロキシ化反応
エルカ酸ブチルアミド(10.0g、0.025モル)、30%過酸化水素(3.02g、0.027モル)ギ酸30ミリリットルを入れ、40℃にて、24時間攪拌を行った。その後洗浄し、溶媒除去を行った後、炭酸カリウム(1.76g、0.013モル)、エタノール70ミリリットルを加え、25℃、24時間攪拌を行い洗浄、溶媒除去、再結晶化を行い、13,14−ジヒドロキシベヘン酸ブチルアミド(10.1g、0.024モル)を得た。
2)リン酸化反応
13,14−ジヒドロキシベヘン酸ブチルアミド(5.0g、0.012モル)、ポリリン酸(11.8g、0.035モル)のベンゼン溶液114ミリリットルを50℃で72時間攪拌し、その後、純水を80ミリリットル加えて3時間攪拌した。その後、静置してベンゼン相を分取し、分取したベンゼン相にエーテルを110ミリリットル加えて、水、2N塩酸により処理した。その後、静置してベンゼン相を分取し、減圧下溶媒を留去して粘性物5.88gを得た。得られた粘性物質の元素分析値を表6に示す。元素分析値はC2654NOPとして(MW:507.68)の計算値と良く一致していた。
(表6)
Figure 2009007340
また赤外吸収スペクトルで、3305cm−1にN−H伸縮、1639.7cm−1にアミドC=O伸縮振動、1198.0cm−1にP=O伸縮振動、1078.6cm−1にP−O−C伸縮振動に基づく吸収が認められた。元素分析値及び赤外吸収スペクトルより、得られた化合物は下記化9で示す構造のリン酸化物であることが認められた。
Figure 2009007340
オレイン酸アルキルやオレイン酸アルキルアミド等の脂肪酸誘導体を出発原料として容易に生産できる本発明のリン酸化物は2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤として有用である。2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤は、既存の陰イオン界面活性剤の持つ機能や特性と大きく異なり、しかも比較的安価な原材料のみを用いて容易に生産できるので、産業上の利用可能性が非常に大きい。すなわち、2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤は、疎水性である炭化水素鎖と極性基を2つずつ分子内に含有することから高い界面活性を示すものであり、少量の添加で済み、化粧品、塗料、印刷用インクなどに、乳化剤、可溶化剤、分散剤として利用される。また、皮膚安全性にもすぐれる。また、これを含有する皮膚洗浄剤は、泡の細かさ、泡の安定性において非常にすぐれる。さらに本発明のリン酸化物は、リン酸基に隣接する水酸基を持つので別の2鎖2水酸基含有陰イオン界面活性剤の合成に有利である。
実施例1で得られた本発明のリン酸化物のナトリウム塩のFAB−MSスペクトルである。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で示されるリン酸化物。
    (化1)


    R1−C−C−R2−C=O (1)
    | |
    Z XC2n+1

    但し、上記一般式(1)において、Xは酸素原子又はNH基を意味し、nは1から20の整数、
    (化2)


    R1−C−C−R2


    式(1)中の上記化2の基は、Yが水酸基のとき、Zはリン酸基又はその塩、Yがリン酸基又はその塩のとき、Zは水酸基である隣接する置換基Y、Zを有する炭素数9〜25のアルキル基を示す。
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