JP2009006393A - ラップシーム溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】別に導体回路を設けて、残留磁気を打ち消すラップシーム溶接装置を提供する。
【解決手段】シャー21でそれぞれ切断された鋼帯18を一部ラップさせ、溶接時の電流を制御可能な直流電源12の供給を得て、鋼帯18のシーム溶接を行うラップシーム溶接装置10において、非溶接時に、直流電源12から電源を得て、溶接電流で磁化されたシャー21の脱磁を行う脱磁回路17を溶接の回路15とは別に設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、鉄鋼ライン等で使用されている鋼帯の溶接装置(通常、ナローラップシーム溶接装置)に係り、特に直流溶接を用いた場合に発生する磁化したシャーの脱磁を行うラップシーム溶接装置に関する。
図5に示すように、連続処理ラインで鋼帯(ストリップ)を連結するには、上下の刃物60、61を有するシャー62で鋼帯63の端部を切断した後、後続の鋼帯63を先行する鋼帯63に一部ラップさせて、そのラップ部分を上下対となる円板状の電極64、65でシーム溶接することが一般に行われている。このシーム溶接を交流で行うと二次導体の長さが長く力率が悪いので、近年は溶接トランス66の二次側にダイオードを配置し、直流によってシーム溶接が行われている。なお、69、70はスウェージングロール、71はこれらを保持するC形フレームで、通過する鋼帯63を基準にしてその幅方向に全体が移動可能となっている。また、72〜75は電極64、65への導体回路であり、垂直バー76、77、オンス銅板78、79を介して、溶接トランス66からダイオードを介して整流された直流電流を、電極64、65に給電できる構造となっている。
以上の装置を用いて、鋼帯63の直流電流によるシーム溶接を行うと高電流のために、鉄製品が磁化する。特に、シャー62等の刃物60、61の場合は、その磁気的特性のために大きな残留磁気が残る。残留磁気がシャー62の刃物60、61に残るとシャー62によって切断された鋼帯63の細片が刃物60、61に付着し、次の操業が困難となる場合がある。そこで、例えば、特許文献1においては、一つの溶接工程が完了するごとに、溶接電流の向きを変えることが提案されている。
特開平8−71771号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、同一方向の電流の蓄積による磁化材料の磁化は防止されるが、一回の溶接電流は直流電流であるので、その導体回路の周辺の磁化材料は一定方向に磁化され、大きな残留磁気が残り、次の逆方向の溶接電流では、確かにその方向の磁化は無くなるが逆方向の磁化が発生し、結局残留磁気を全部無くす(又は支障のない程度まで低くする)ことは困難であった。
更に、溶接トランスの二次側にサイリスタを接続してその極性を切り換えると、大容量のサイリスタを必要とし、高価な装置になるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、別に導体回路を設けて、残留磁気を打ち消すラップシーム溶接装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るラップシーム溶接装置は、シャーでそれぞれ切断された鋼帯を一部ラップさせ、溶接時の電流を制御可能な直流電源の供給を得て、前記鋼帯のシーム溶接を行うラップシーム溶接装置において、
非溶接時に、前記直流電源から電源を得て、溶接電流で磁化された前記シャーの脱磁を行う脱磁回路を前記溶接の回路とは別に設けた。
また、第2の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路への通電は溶接完了後に行う。
そして、第3の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1及び第2の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視して前記シャーを囲む矩形状となっている。
第4の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1〜第3の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタを介してその入切が行われている。
そして、第5の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1〜第4の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路に流す直流電流は、前記直流電源の一次側で制御されている。
請求項1〜5記載のラップシーム溶接装置においては、非溶接時に、直流電源から電源を得て、溶接電流で磁化されたシャーの脱磁を行う脱磁回路を溶接の回路とは別に設けたので、この脱磁回路に、所定方向の電流を流し、磁化されたシャーの脱磁を行うことができる。
そして、この脱磁回路に流す電流は、溶接時の電流を制御可能な直流電源から供給されているので、自由に制御でき、従って、磁化されたシャーを使用に問題がない程度に脱磁することが容易にできる。
特に、請求項2記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路への通電は溶接完了後に行うので、確実に脱磁作業を行うことができ、しかも通電電流も溶接電流とは関係がないので、自由に制御できる。
請求項3記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路は、シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視してシャーを囲む矩形状となっているので、C形フレームの空間部を上下に横切る回路がなくなり、新たに付加した回路がC形フレームの移動に対して干渉することがない。
請求項4記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路は、直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタによって入切が行われているので、溶接時はコンタクタを開放し、脱磁時にコンタクタを閉じることによって、溶接電源からの電流を脱磁に利用できる。
そして、請求項5記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路に流す直流電流は、直流電源の一次側で制御されているので、溶接電流を簡単に調整できるだけでなく、脱磁電流を簡単に調整できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置の全体回路図、(B)は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の平面図、図2は同ラップシーム溶接装置の一部省略正面図、図3は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の概略平面図、図4は脱磁回路に直列に連結されるコンタクタの側面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置10は、C形フレーム11と、このC形フレーム11の基部に設けられ、溶接時の電流を制御可能な直流電源12と、直流電源12に接続され、上下に対となる円板状の電極13、14を備えたシーム溶接用回路(即ち、導体回路を主体とする)15と、直流電源12に接続されるコンタクタ16を途中に備えた脱磁回路17とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
C形フレーム11は、周知の構造であって上部フレームと下部フレームを備え、溶接を行おうとする鋼帯18に対してその幅方向に移動可能となって、その基部には直流電源12を、その先部にはシーム溶接用の電極13、14を有し、上下のフレームの中間部には鋼帯18を切断する上下の刃物19、20を有するシャー(剪断切断機)21が設けられている。鋼帯18のシーム溶接を行う場合には、上下の電極13、14で鋼帯18の溶接部(ラップ部)を挟持し、直流電源12から連続的に電流を流しながら、C形フレーム11を横移動させて、鋼帯18の溶接を行っている。
直流電源12は、図1に示すように、溶接トランス22と、溶接トランス22の一次側に接続されたサイリスタスタック(逆並列に接続されたサイリスタ)23と、溶接トランス22の二次側コイルに接続されたダイオードスタック24と、サイリスタスタック23の制御装置(図示せず)とを有し、所定の直流電流(例えば、25000〜30000A)が、電極13、14を通じて溶接部に連続的に流れるようになっている。
脱磁回路17は、直流電源12のプラスマイナスの端子にそれぞれ接続される導体ワイヤ26、27と、導体ワイヤ26の端部に一端が連結され、他端はコンタクタ(開閉スイッチ)16を介して導体ワイヤ27に連結されるワンターンのコイル28とを有している。そして、このコイル28は前後の導体バー29、30と左右の銅材からなる連結バー31、32を有し、導体バー29の始端が導体ワイヤ26に、連結バー32の終端がコンタクタ16に連結されている。なお、図3において、33は支持フレームで、コイル28はこの支持フレーム33に絶縁状態で取付けられている。
導体バー29、30はシャー21の前後でしかもシャー21より上位置に水平に配置されているので、コイル28はシャー21の上部位置で、しかも、平面視してシャー21が矩形状のコイル28の中央になるように配置されている。シャー21とコイル28との高さの差(垂直距離)は、導体バー29、30の間隔と同等か、それより小さいので、コイル28の磁場範囲にシャー21が入ることになる。なお、シャー21は上側の刃物19と下側の刃物20があるが、上側の刃物21の方が下側の刃物20より強い磁場を受けることになる。
図4に示すように、コンタクタ16は、エアシリンダ35と、接点36、37とを有し、一方の接点36に導体ワイヤ27の端部が、他方の接点37には連結バー32の端部が連結されている。エアシリンダ35を伸ばすことによって、接点36、37が連結され、エアシリンダ35を縮めることによって、接点36、37が切断される。
従って、このラップシーム溶接装置10の使用にあっては、溶接時はラインから待機させてあるC形フレーム11をラインの幅方向の所定位置に配置し、接続しようとする鋼帯18の端部をシャー21で切断し、後続の鋼帯18を前進させて、前側の鋼帯18と僅少の範囲でオーバーラップさせて、シーム溶接代を作る。
そして、下側の電極14の上にラップさせた鋼帯18を載せ上側の電極13を下ろして所定の加圧力をラップ部分に加え、溶接トランス22の一次側に接続されているサイリスタスタック23を作動させて、所定の直流電流を溶接部に流す電流制御を行いながら、C形フレーム11を所定方向に移動させて、鋼帯18のシーム溶接を行う。なお、溶接時は下部の電極14がプラス側、上部の電極13がマイナス側となっているが、逆の場合もある。
これによって、鋼帯18及びシャー21を囲むようにして配置されているシーム溶接用回路15によって、シャー21及びその回りの鉄製品は一定方向に磁化される。そこで、次に、C形フレーム11を戻して、上下の電極13、14を待機位置に配置した状態で、コンコクタ16を作動させてコイル28を閉回路にした後、溶接トランス22の一次側に接続されているサイリスタスタック23を作動させて、コイル28に所定方向の電流を流す。これによって、シャー21の刃物19、20がまた別方向から磁化されるが、実験によれば、刃物19、20は脱磁されることが確認されている。
この場合、上部の刃物19の方が下部の刃物20より強い脱磁力を受けるので、磁束計を用意し、刃物19の残留磁気が実用上差し支えない程度に脱磁(消磁)できる程度(例えば、1/10以下)に、コイル28に流れる電流を決める。実験によれば、溶接電流25000Aに対して、コイル28に流れる電流を15000A程度にすれば、刃物19は支障ない程度に脱磁される。なお、鋼帯18の切れ端が上側の刃物19に付着すると操業上の問題を起こすので、刃物19が略脱磁される電流で全体を制御したが、下側の刃物20を基準にして脱磁することもできる。この場合、上側の刃物19はコイル28による残留磁気が一部残ることになる。脱磁時間は数秒でよい。
この実施の形態においては、平面視してコイル28の略中央にシャー21を配置し、コイル28に流す電流は図3に示すように時計方向としたが、反時計方向にしてもよい。また、コイル28の中心に対してシャー21の位置を前側又は後ろ側にずらしてもよく、それによって磁束の垂直方向の成分が多くなるので、溶接電流によって形成される磁束と反対方向の磁束が多くなるように、コイル28に流す電流を決めると、更に脱磁効率が上昇する。
前記実施の形態においては、コイルはC形フレーム11の上部(即ち上部フレーム)のみに配置したが、脱磁を行う導体回路を、C形フレーム11の上下両側に配置し、電極13、14の近傍にコンタクタを配置し、溶接電流とは全く逆方向の電流を流して刃物の脱磁を行うことも可能であり、この場合も本発明は適用される。
(A)は本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置の全体回路図、(B)は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の平面図である。 同ラップシーム溶接装置の一部省略正面図である。 同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の概略平面図である。 脱磁回路に直列に連結されるコンタクタの側面図である。 従来例に係るラップシーム溶接装置の説明図である。
符号の説明
10:ラップシーム溶接装置、11:C形フレーム、12:直流電源、13、14:電極、15:シーム溶接用回路、16:コンタクタ、17:脱磁回路、18:鋼帯、19、20:刃物、21:シャー、22:溶接トランス、23:サイリスタスタック、24:ダイオードスタック、26、27:導体ワイヤ、28:コイル、29、30:導体バー、31、32:連結バー、33:支持フレーム、35:エアシリンダ、36、37:接点
本発明は、例えば、鉄鋼ライン等で使用されている鋼帯の溶接装置(通常、ナローラップシーム溶接装置)に係り、特に直流溶接を用いた場合に発生する磁化したシャーの脱磁を行うラップシーム溶接装置に関する。
図5に示すように、連続処理ラインで鋼帯(ストリップ)を連結するには、上下の刃物60、61を有するシャー62で鋼帯63の端部を切断した後、後続の鋼帯63を先行する鋼帯63に一部ラップさせて、そのラップ部分を上下対となる円板状の電極64、65でシーム溶接することが一般に行われている。このシーム溶接を交流で行うと二次導体の長さが長く力率が悪いので、近年は溶接トランス66の二次側にダイオードを配置し、直流によってシーム溶接が行われている。なお、69、70はスウェージングロール、71はこれらを保持するC形フレームで、通過する鋼帯63を基準にしてその幅方向に全体が移動可能となっている。また、72〜75は電極64、65への導体回路であり、垂直バー76、77、オンス銅板78、79を介して、溶接トランス66からダイオードを介して整流された直流電流を、電極64、65に給電できる構造となっている。
以上の装置を用いて、鋼帯63の直流電流によるシーム溶接を行うと高電流のために、鉄製品が磁化する。特に、シャー62等の刃物60、61の場合は、その磁気的特性のために大きな残留磁気が残る。残留磁気がシャー62の刃物60、61に残るとシャー62によって切断された鋼帯63の細片が刃物60、61に付着し、次の操業が困難となる場合がある。そこで、例えば、特許文献1においては、一つの溶接工程が完了するごとに、溶接電流の向きを変えることが提案されている。
特開平8−71771号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、同一方向の電流の蓄積による磁化材料の磁化は防止されるが、一回の溶接電流は直流電流であるので、その導体回路の周辺の磁化材料は一定方向に磁化され、大きな残留磁気が残り、次の逆方向の溶接電流では、確かにその方向の磁化は無くなるが逆方向の磁化が発生し、結局残留磁気を全部無くす(又は支障のない程度まで低くする)ことは困難であった。
更に、溶接トランスの二次側にサイリスタを接続してその極性を切り換えると、大容量のサイリスタを必要とし、高価な装置になるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、別に導体回路を設けて、残留磁気を打ち消すラップシーム溶接装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るラップシーム溶接装置は、シャーでそれぞれ切断された鋼帯を一部ラップさせ、溶接トランス及び該溶接トランスの一次側及び二次側にそれぞれ接続されたサイリスタスタック及びダイオードスタックを有し、溶接時の電流を前記溶接トランスの一次側で制御可能な直流電源の供給を得て、前記鋼帯のシーム溶接を行うラップシーム溶接装置において、
非溶接時に、前記直流電源から電源を得て、前記シャーを囲み溶接電流で磁化された前記シャーの脱磁を行う脱磁回路を前記溶接の回路とは別に設け
しかも、前記脱磁回路に流す直流電流は、前記直流電源の一次側の前記サイリスタスタックで制御されている。
また、第2の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路への通電は溶接完了後に行う。
そして、第3の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1及び第2の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視して前記シャーを囲む矩形状となっている。
第4の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1〜第3の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタを介してその入切が行われている。
請求項1〜記載のラップシーム溶接装置においては、非溶接時に、直流電源から電源を得て、溶接電流で磁化されたシャーの脱磁を行う脱磁回路を溶接の回路とは別に設けたので、この脱磁回路に、所定方向の電流を流し、磁化されたシャーの脱磁を行うことができる。
そして、この脱磁回路に流す電流は、溶接時の電流を制御可能な直流電源から供給されているので、自由に制御でき、従って、磁化されたシャーを使用に問題がない程度に脱磁することが容易にできる。
そして、脱磁回路に流す直流電流は、直流電源の一次側で制御されているので、溶接電流を簡単に調整できるだけでなく、脱磁電流を簡単に調整できる。
特に、請求項2記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路への通電は溶接完了後に行うので、確実に脱磁作業を行うことができ、しかも通電電流も溶接電流とは関係がないので、自由に制御できる。
請求項3記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路は、シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視してシャーを囲む矩形状となっているので、C形フレームの空間部を上下に横切る回路がなくなり、新たに付加した回路がC形フレームの移動に対して干渉することがない。
請求項4記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路は、直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタによって入切が行われているので、溶接時はコンタクタを開放し、脱磁時にコンタクタを閉じることによって、溶接電源からの電流を脱磁に利用できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置の全体回路図、(B)は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の平面図、図2は同ラップシーム溶接装置の一部省略正面図、図3は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の概略平面図、図4は脱磁回路に直列に連結されるコンタクタの側面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置10は、C形フレーム11と、このC形フレーム11の基部に設けられ、溶接時の電流を制御可能な直流電源12と、直流電源12に接続され、上下に対となる円板状の電極13、14を備えたシーム溶接用回路(即ち、導体回路を主体とする)15と、直流電源12に接続されるコンタクタ16を途中に備えた脱磁回路17とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
C形フレーム11は、周知の構造であって上部フレームと下部フレームを備え、溶接を行おうとする鋼帯18に対してその幅方向に移動可能となって、その基部には直流電源12を、その先部にはシーム溶接用の電極13、14を有し、上下のフレームの中間部には鋼帯18を切断する上下の刃物19、20を有するシャー(剪断切断機)21が設けられている。鋼帯18のシーム溶接を行う場合には、上下の電極13、14で鋼帯18の溶接部(ラップ部)を挟持し、直流電源12から連続的に電流を流しながら、C形フレーム11を横移動させて、鋼帯18の溶接を行っている。
直流電源12は、図1に示すように、溶接トランス22と、溶接トランス22の一次側に接続されたサイリスタスタック(逆並列に接続されたサイリスタ)23と、溶接トランス22の二次側コイルに接続されたダイオードスタック24と、サイリスタスタック23の制御装置(図示せず)とを有し、所定の直流電流(例えば、25000〜30000A)が、電極13、14を通じて溶接部に連続的に流れるようになっている。
脱磁回路17は、直流電源12のプラスマイナスの端子にそれぞれ接続される導体ワイヤ26、27と、導体ワイヤ26の端部に一端が連結され、他端はコンタクタ(開閉スイッチ)16を介して導体ワイヤ27に連結されるワンターンのコイル28とを有している。そして、このコイル28は前後の導体バー29、30と左右の銅材からなる連結バー31、32を有し、導体バー29の始端が導体ワイヤ26に、連結バー32の終端がコンタクタ16に連結されている。なお、図3において、33は支持フレームで、コイル28はこの支持フレーム33に絶縁状態で取付けられている。
導体バー29、30はシャー21の前後でしかもシャー21より上位置に水平に配置されているので、コイル28はシャー21の上部位置で、しかも、平面視してシャー21が矩形状のコイル28の中央になるように配置されている。シャー21とコイル28との高さの差(垂直距離)は、導体バー29、30の間隔と同等か、それより小さいので、コイル28の磁場範囲にシャー21が入ることになる。なお、シャー21は上側の刃物19と下側の刃物20があるが、上側の刃物21の方が下側の刃物20より強い磁場を受けることになる。
図4に示すように、コンタクタ16は、エアシリンダ35と、接点36、37とを有し、一方の接点36に導体ワイヤ27の端部が、他方の接点37には連結バー32の端部が連結されている。エアシリンダ35を伸ばすことによって、接点36、37が連結され、エアシリンダ35を縮めることによって、接点36、37が切断される。
従って、このラップシーム溶接装置10の使用にあっては、溶接時はラインから待機させてあるC形フレーム11をラインの幅方向の所定位置に配置し、接続しようとする鋼帯18の端部をシャー21で切断し、後続の鋼帯18を前進させて、前側の鋼帯18と僅少の範囲でオーバーラップさせて、シーム溶接代を作る。
そして、下側の電極14の上にラップさせた鋼帯18を載せ上側の電極13を下ろして所定の加圧力をラップ部分に加え、溶接トランス22の一次側に接続されているサイリスタスタック23を作動させて、所定の直流電流を溶接部に流す電流制御を行いながら、C形フレーム11を所定方向に移動させて、鋼帯18のシーム溶接を行う。なお、溶接時は下部の電極14がプラス側、上部の電極13がマイナス側となっているが、逆の場合もある。
これによって、鋼帯18及びシャー21を囲むようにして配置されているシーム溶接用回路15によって、シャー21及びその回りの鉄製品は一定方向に磁化される。そこで、次に、C形フレーム11を戻して、上下の電極13、14を待機位置に配置した状態で、コンコクタ16を作動させてコイル28を閉回路にした後、溶接トランス22の一次側に接続されているサイリスタスタック23を作動させて、コイル28に所定方向の電流を流す。これによって、シャー21の刃物19、20がまた別方向から磁化されるが、実験によれば、刃物19、20は脱磁されることが確認されている。
この場合、上部の刃物19の方が下部の刃物20より強い脱磁力を受けるので、磁束計を用意し、刃物19の残留磁気が実用上差し支えない程度に脱磁(消磁)できる程度(例えば、1/10以下)に、コイル28に流れる電流を決める。実験によれば、溶接電流25000Aに対して、コイル28に流れる電流を15000A程度にすれば、刃物19は支障ない程度に脱磁される。なお、鋼帯18の切れ端が上側の刃物19に付着すると操業上の問題を起こすので、刃物19が略脱磁される電流で全体を制御したが、下側の刃物20を基準にして脱磁することもできる。この場合、上側の刃物19はコイル28による残留磁気が一部残ることになる。脱磁時間は数秒でよい。
この実施の形態においては、平面視してコイル28の略中央にシャー21を配置し、コイル28に流す電流は図3に示すように時計方向としたが、反時計方向にしてもよい。また、コイル28の中心に対してシャー21の位置を前側又は後ろ側にずらしてもよく、それによって磁束の垂直方向の成分が多くなるので、溶接電流によって形成される磁束と反対方向の磁束が多くなるように、コイル28に流す電流を決めると、更に脱磁効率が上昇する。
前記実施の形態においては、コイルはC形フレーム11の上部(即ち上部フレーム)のみに配置したが、脱磁を行う導体回路を、C形フレーム11の上下両側に配置し、電極13、14の近傍にコンタクタを配置し、溶接電流とは全く逆方向の電流を流して刃物の脱磁を行うことも可能であり、この場合も本発明は適用される。
(A)は本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置の全体回路図、(B)は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の平面図である。 同ラップシーム溶接装置の一部省略正面図である。 同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の概略平面図である。 脱磁回路に直列に連結されるコンタクタの側面図である。 従来例に係るラップシーム溶接装置の説明図である。
符号の説明
10:ラップシーム溶接装置、11:C形フレーム、12:直流電源、13、14:電極、15:シーム溶接用回路、16:コンタクタ、17:脱磁回路、18:鋼帯、19、20:刃物、21:シャー、22:溶接トランス、23:サイリスタスタック、24:ダイオードスタック、26、27:導体ワイヤ、28:コイル、29、30:導体バー、31、32:連結バー、33:支持フレーム、35:エアシリンダ、36、37:接点
本発明は、例えば、鉄鋼ライン等で使用されている鋼帯の溶接装置(通常、ナローラップシーム溶接装置)に係り、特に直流溶接を用いた場合に発生する磁化したシャーの脱磁を行うラップシーム溶接装置に関する。
図5に示すように、連続処理ラインで鋼帯(ストリップ)を連結するには、上下の刃物60、61を有するシャー62で鋼帯63の端部を切断した後、後続の鋼帯63を先行する鋼帯63に一部ラップさせて、そのラップ部分を上下対となる円板状の電極64、65でシーム溶接することが一般に行われている。このシーム溶接を交流で行うと二次導体の長さが長く力率が悪いので、近年は溶接トランス66の二次側にダイオードを配置し、直流によってシーム溶接が行われている。なお、69、70はスウェージングロール、71はこれらを保持するC形フレームで、通過する鋼帯63を基準にしてその幅方向に全体が移動可能となっている。また、72〜75は電極64、65への導体回路であり、垂直バー76、77、オンス銅板78、79を介して、溶接トランス66からダイオードを介して整流された直流電流を、電極64、65に給電できる構造となっている。
以上の装置を用いて、鋼帯63の直流電流によるシーム溶接を行うと高電流のために、鉄製品が磁化する。特に、シャー62等の刃物60、61の場合は、その磁気的特性のために大きな残留磁気が残る。残留磁気がシャー62の刃物60、61に残るとシャー62によって切断された鋼帯63の細片が刃物60、61に付着し、次の操業が困難となる場合がある。そこで、例えば、特許文献1においては、一つの溶接工程が完了するごとに、溶接電流の向きを変えることが提案されている。
特開平8−71771号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、同一方向の電流の蓄積による磁化材料の磁化は防止されるが、一回の溶接電流は直流電流であるので、その導体回路の周辺の磁化材料は一定方向に磁化され、大きな残留磁気が残り、次の逆方向の溶接電流では、確かにその方向の磁化は無くなるが逆方向の磁化が発生し、結局残留磁気を全部無くす(又は支障のない程度まで低くする)ことは困難であった。
更に、溶接トランスの二次側にサイリスタを接続してその極性を切り換えると、大容量のサイリスタを必要とし、高価な装置になるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、別に導体回路を設けて、残留磁気を打ち消すラップシーム溶接装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るラップシーム溶接装置は、シャーでそれぞれ切断された鋼帯を一部ラップさせ、溶接トランス及び該溶接トランスの一次側及び二次側にそれぞれ接続されたサイリスタスタック及びダイオードスタックを有し、溶接時の電流を前記溶接トランスの一次側で制御可能な直流電源の供給を得て、前記鋼帯のシーム溶接を行うラップシーム溶接装置において、
非溶接時に、前記直流電源から電源を得て、前記シャーを囲み溶接電流で磁化された前記シャーの脱磁を行う脱磁回路を前記溶接の回路とは別に設け、
前記脱磁回路に流す直流電流は、前記直流電源の一次側の前記サイリスタスタックで制御され
しかも、前記脱磁回路は、前記シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視して前記シャーを囲む矩形状となっている。
また、第2の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路への通電は溶接完了後に行う。
の発明に係るラップシーム溶接装置は、第1及び第2の発明に係るラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタを介してその入切が行われている。
請求項1〜記載のラップシーム溶接装置においては、非溶接時に、直流電源から電源を得て、溶接電流で磁化されたシャーの脱磁を行う脱磁回路を溶接の回路とは別に設けたので、この脱磁回路に、所定方向の電流を流し、磁化されたシャーの脱磁を行うことができる。
そして、この脱磁回路に流す電流は、溶接時の電流を制御可能な直流電源から供給されているので、自由に制御でき、従って、磁化されたシャーを使用に問題がない程度に脱磁することが容易にできる。
そして、脱磁回路に流す直流電流は、直流電源の一次側で制御されているので、溶接電流を簡単に調整できるだけでなく、脱磁電流を簡単に調整できる。
また、請求項記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路は、シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視してシャーを囲む矩形状となっているので、C形フレームの空間部を上下に横切る回路がなくなり、新たに付加した回路がC形フレームの移動に対して干渉することがない。
特に、請求項2記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路への通電は溶接完了後に行うので、確実に脱磁作業を行うことができ、しかも通電電流も溶接電流とは関係がないので、自由に制御できる。
請求項記載のラップシーム溶接装置においては、脱磁回路は、直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタによって入切が行われているので、溶接時はコンタクタを開放し、脱磁時にコンタクタを閉じることによって、溶接電源からの電流を脱磁に利用できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置の全体回路図、(B)は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の平面図、図2は同ラップシーム溶接装置の一部省略正面図、図3は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の概略平面図、図4は脱磁回路に直列に連結されるコンタクタの側面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置10は、C形フレーム11と、このC形フレーム11の基部に設けられ、溶接時の電流を制御可能な直流電源12と、直流電源12に接続され、上下に対となる円板状の電極13、14を備えたシーム溶接用回路(即ち、導体回路を主体とする)15と、直流電源12に接続されるコンタクタ16を途中に備えた脱磁回路17とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
C形フレーム11は、周知の構造であって上部フレームと下部フレームを備え、溶接を行おうとする鋼帯18に対してその幅方向に移動可能となって、その基部には直流電源12を、その先部にはシーム溶接用の電極13、14を有し、上下のフレームの中間部には鋼帯18を切断する上下の刃物19、20を有するシャー(剪断切断機)21が設けられている。鋼帯18のシーム溶接を行う場合には、上下の電極13、14で鋼帯18の溶接部(ラップ部)を挟持し、直流電源12から連続的に電流を流しながら、C形フレーム11を横移動させて、鋼帯18の溶接を行っている。
直流電源12は、図1に示すように、溶接トランス22と、溶接トランス22の一次側に接続されたサイリスタスタック(逆並列に接続されたサイリスタ)23と、溶接トランス22の二次側コイルに接続されたダイオードスタック24と、サイリスタスタック23の制御装置(図示せず)とを有し、所定の直流電流(例えば、25000〜30000A)が、電極13、14を通じて溶接部に連続的に流れるようになっている。
脱磁回路17は、直流電源12のプラスマイナスの端子にそれぞれ接続される導体ワイヤ26、27と、導体ワイヤ26の端部に一端が連結され、他端はコンタクタ(開閉スイッチ)16を介して導体ワイヤ27に連結されるワンターンのコイル28とを有している。そして、このコイル28は前後の導体バー29、30と左右の銅材からなる連結バー31、32を有し、導体バー29の始端が導体ワイヤ26に、連結バー32の終端がコンタクタ16に連結されている。なお、図3において、33は支持フレームで、コイル28はこの支持フレーム33に絶縁状態で取付けられている。
導体バー29、30はシャー21の前後でしかもシャー21より上位置に水平に配置されているので、コイル28はシャー21の上部位置で、しかも、平面視してシャー21が矩形状のコイル28の中央になるように配置されている。シャー21とコイル28との高さの差(垂直距離)は、導体バー29、30の間隔と同等か、それより小さいので、コイル28の磁場範囲にシャー21が入ることになる。なお、シャー21は上側の刃物19と下側の刃物20があるが、上側の刃物21の方が下側の刃物20より強い磁場を受けることになる。
図4に示すように、コンタクタ16は、エアシリンダ35と、接点36、37とを有し、一方の接点36に導体ワイヤ27の端部が、他方の接点37には連結バー32の端部が連結されている。エアシリンダ35を伸ばすことによって、接点36、37が連結され、エアシリンダ35を縮めることによって、接点36、37が切断される。
従って、このラップシーム溶接装置10の使用にあっては、溶接時はラインから待機させてあるC形フレーム11をラインの幅方向の所定位置に配置し、接続しようとする鋼帯18の端部をシャー21で切断し、後続の鋼帯18を前進させて、前側の鋼帯18と僅少の範囲でオーバーラップさせて、シーム溶接代を作る。
そして、下側の電極14の上にラップさせた鋼帯18を載せ上側の電極13を下ろして所定の加圧力をラップ部分に加え、溶接トランス22の一次側に接続されているサイリスタスタック23を作動させて、所定の直流電流を溶接部に流す電流制御を行いながら、C形フレーム11を所定方向に移動させて、鋼帯18のシーム溶接を行う。なお、溶接時は下部の電極14がプラス側、上部の電極13がマイナス側となっているが、逆の場合もある。
これによって、鋼帯18及びシャー21を囲むようにして配置されているシーム溶接用回路15によって、シャー21及びその回りの鉄製品は一定方向に磁化される。そこで、次に、C形フレーム11を戻して、上下の電極13、14を待機位置に配置した状態で、コンコクタ16を作動させてコイル28を閉回路にした後、溶接トランス22の一次側に接続されているサイリスタスタック23を作動させて、コイル28に所定方向の電流を流す。これによって、シャー21の刃物19、20がまた別方向から磁化されるが、実験によれば、刃物19、20は脱磁されることが確認されている。
この場合、上部の刃物19の方が下部の刃物20より強い脱磁力を受けるので、磁束計を用意し、刃物19の残留磁気が実用上差し支えない程度に脱磁(消磁)できる程度(例えば、1/10以下)に、コイル28に流れる電流を決める。実験によれば、溶接電流25000Aに対して、コイル28に流れる電流を15000A程度にすれば、刃物19は支障ない程度に脱磁される。なお、鋼帯18の切れ端が上側の刃物19に付着すると操業上の問題を起こすので、刃物19が略脱磁される電流で全体を制御したが、下側の刃物20を基準にして脱磁することもできる。この場合、上側の刃物19はコイル28による残留磁気が一部残ることになる。脱磁時間は数秒でよい。
この実施の形態においては、平面視してコイル28の略中央にシャー21を配置し、コイル28に流す電流は図3に示すように時計方向としたが、反時計方向にしてもよい。また、コイル28の中心に対してシャー21の位置を前側又は後ろ側にずらしてもよく、それによって磁束の垂直方向の成分が多くなるので、溶接電流によって形成される磁束と反対方向の磁束が多くなるように、コイル28に流す電流を決めると、更に脱磁効率が上昇する。
前記実施の形態においては、コイルはC形フレーム11の上部(即ち上部フレーム)のみに配置したが、脱磁を行う導体回路を、C形フレーム11の上下両側に配置し、電極13、14の近傍にコンタクタを配置し、溶接電流とは全く逆方向の電流を流して刃物の脱磁を行うことも可能であり、この場合も本発明は適用される。
(A)は本発明の一実施の形態に係るラップシーム溶接装置の全体回路図、(B)は同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の平面図である。 同ラップシーム溶接装置の一部省略正面図である。 同ラップシーム溶接装置の脱磁回路の概略平面図である。 脱磁回路に直列に連結されるコンタクタの側面図である。 従来例に係るラップシーム溶接装置の説明図である。
符号の説明
10:ラップシーム溶接装置、11:C形フレーム、12:直流電源、13、14:電極、15:シーム溶接用回路、16:コンタクタ、17:脱磁回路、18:鋼帯、19、20:刃物、21:シャー、22:溶接トランス、23:サイリスタスタック、24:ダイオードスタック、26、27:導体ワイヤ、28:コイル、29、30:導体バー、31、32:連結バー、33:支持フレーム、35:エアシリンダ、36、37:接点

Claims (5)

  1. シャーでそれぞれ切断された鋼帯を一部ラップさせ、溶接時の電流を制御可能な直流電源の供給を得て、前記鋼帯のシーム溶接を行うラップシーム溶接装置において、
    非溶接時に、前記直流電源から電源を得て、溶接電流で磁化された前記シャーの脱磁を行う脱磁回路を前記溶接の回路とは別に設けたことを特徴とするラップシーム溶接装置。
  2. 請求項1記載のラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路への通電は溶接完了後に行うことを特徴とするラップシーム溶接装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載のラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記シャー及びシーム溶接を行う電極並びにその導体回路を搭載するC形フレームの上部フレームに設けられ、前後の導体バーとこれらの両端を連結する連結バーとを有し、平面視して前記シャーを囲む矩形状となっていることを特徴とするラップシーム溶接装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路は、前記直流電源にシリンダによって開閉されるコンタクタを介してその入切が行われていることを特徴とするラップシーム溶接装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラップシーム溶接装置において、前記脱磁回路に流す直流電流は、前記直流電源の一次側で制御されていることを特徴とするラップシーム溶接装置。
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