JP2009005261A - 収音装置、収音方法、その方法を用いた収音プログラム、および記録媒体 - Google Patents

収音装置、収音方法、その方法を用いた収音プログラム、および記録媒体 Download PDF

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【課題】本発明の収音装置は、この課題を解決するためになされたもので、残響がある環境でも雑音抑圧性能を向上させ、収音される所望信号の音質を向上させることを目的とする。
【解決手段】本発明の収音装置は、6つの収音部、処理対象信号生成部、パワースペクトル推定部、残響スペクトル推定部、利得係数算出部、乗算部を備える。処理対象信号生成部は、あらかじめ定めた1つ以上のマイクロホンまたは収音部からの信号から、処理対象信号を生成する。パワースペクトル推定部は、各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定する。残響スペクトル推定部は、パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める。
【選択図】図8

Description

本発明は音声通話や機器の操作などハンズフリー方式で音声を収音する収音装置、収音方法、その方法を用いた収音プログラム、および記録媒体に関し、特にとらえたい音声を発する所望音源以外の雑音源が多数存在する場合に大きく関係する。
多数の背景雑音が存在する環境でのハンズフリーマイクを想定し、特定位置にある所望音源を強調する手法として、複数のビームフォーマー出力から所望音パワーを推定し、強調する方法が提案されている(非特許文献1)。
日岡裕輔、小林和則、古家賢一、片岡章俊、"小型マイクロホンアレー対を用いた特定位置にある音源の強調"、日本音響学会2006年春季研究発表会講演論文集、pp.621-622、2006.
非特許文献1の技術では残響の影響を考慮していないため、一般的な室内のように残響が存在する環境では、雑音抑圧性能が理論上の性能よりも低下してしまう。特に、残響が多い環境では、さらに雑音抑圧性能の低下が著しい。したがって、収音された所望の音の品質が劣化することになる。
本発明の収音装置は、この課題を解決するためになされたもので、残響がある環境でも雑音抑圧性能を向上させ、収音される所望信号の音質を向上させることを目的とする。
本発明の収音装置は、6つ以上の収音部と、処理対象信号生成部と、パワースペクトル推定部と、残響スペクトル推定部と、利得係数算出部と、乗算部とを備える。6つ以上の収音部は、複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して、それぞれ異なる領域の音を収音する。ここで、「それぞれ異なる」とは、一致しないことを言い、重複する部分があってもよい。パワースペクトル推定部は、各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定する。残響スペクトル推定部は、パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める。利得係数算出部は、所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める。乗算部は、利得係数算出部で算出した利得係数を処理対象信号に乗算する。
例えば、6つの収音部(第1収音部〜第6収音部)を備える場合には、第1及び第2収音部は、複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から所望音源位置を含む角度領域の音を収音する。第3及び第4収音部は、マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から前記所望音源位置を含まない角度領域の音を収音する。第5収音部は、互いに異なる位置の中間点から所望音源位置を含む角度領域の音を収音する。第6収音部は、中間点から所望音源位置を含まない角度領域の音を収音する。処理対象信号生成部は、あらかじめ定めた1つ以上のマイクロホンまたは収音部からの信号から、処理対象信号を生成する。
または、例えば、第1及び第2収音部は、複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、所望音源位置を含まない角度領域の一部の音を抑圧して収音する。第3及び第4収音部は、マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、所望音源位置を含む角度領域の音を抑圧して収音する。第5及び第6収音部は、マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、所望音源位置を含まない角度領域であって、第1及び第2収音部とは異なる一部の音を抑圧して収音する。
なお、残響スペクトル推定部は、所望音源の信号量とその他の音源の信号量を、収音部ごとの信号量に変換するゲイン行列乗算部と、収音部ごとの信号量を記録し、複数の過去の収音部ごとの信号量を重み付き加算する重み付き加算部とを備えればよい。
本発明の収音装置によれば、残響音の信号量を求め、残響音の信号量を引いた収音信号から所望音源の信号量を求めるので、残響が存在する環境でも雑音抑圧性能を向上することができる。また、高品質な収音が可能となる。
図1に本発明の利用状況の一例を示す。2つの小規模マイクロホンアレー3L、3Rをある程度(例えばマイクロホンアレー3L、3Rと所望音源1までの距離と同程度の距離)離れた異なる位置に配置し、それぞれマイクロホンで受音された信号に対して以下で説明する処理を行なう。以下に説明する処理を行なうことにより所望音源1の音が強調されて収音され、背景雑音源2の音は抑圧される。
本発明について説明する前に、まず、未公開の特許出願(特願2006−52502)で示された技術を説明する。図2に特願2006−52502の収音装置の全体の構成を示す。この図2を用いて収音装置の概要を説明する。マイクロホンアレー3Lの各マイクロホンで生成された各受音信号は、この例では第1収音部4−1と第3収音部4−3に入力される。更に、マイクロホンアレー3Rの各マイクロホンで生成された各受音信号はこの例では第2収音部4−2と第4収音部4−4に入力される。マイクロホンアレー3Lと3Rの中央に位置するマイクロホンの信号が第5収音部4−5と第6収音部4−6に入力される。なお、両マイクロホンアレー3Lと3Rに搭載されるマイクロホンの数は必ずしも同数である必要はない。
第1収音部4−1〜第4収音部4−4は図4に示すように各マイクロホンの受音信号x〜xが入力されるM個のフィルタ処理部41と、これらM個のフィルタ処理部41の各出力信号を加算する加算部42とによって構成される。各フィルタ処理部41は例えばFIRフィルタ等で構成され、デジタル処理により収音信号に含まれる周波数成分毎に分析処理を行いマイクロホンアレー3Lと3Rの指向特性を設定する。このような技術は例えば大賀寿郎、山崎芳男、金田豊共著「音響システムとデジタル処理」平成7年3月25日社団法人電子情報通信学会発行に記載されており、周知の技術により実現することができる。
ここでは第1収音部4−1の指向特性及び第2収音部4−2の指向特性はマイクロホンアレー3L及び3Rのほぼ中央位置から図3に示す所望音源1の位置を含む角度領域ΘLとΘRを収音範囲とする特性に設定する。第3収音部4−3と第4収音部4−4の指向特性はマイクロホンアレー3Lと3Rのほぼ中央位置から図3に示す所望音源1の位置を含まない角度領域ΘL ̄とΘR ̄とを収音範囲とする特性に設定する。さらに、第5収音部4−5の指向性はマイクロホンアレー3Lと3Rのほぼ中間位置から所望音源1の位置を含む角度領域ΘCを収音範囲とする特性に設定する。第6収音部4−6の指向性はマイクロホンアレー3Lと3Rのほぼ中間位置から所望音源1の位置を含まない角度領域Θ ̄Cの角度範囲を収音範囲とする特性に設定する。
第1乃至第6収音部4−1〜4−6の指向特性で収音された収音信号は周波数領域変換部5で周波数領域の信号に変換される。周波数領域への変換は入力された信号を短い時間長(例えばサンプリング周波数16000Hzの場合は256サンプル程度)のフレームに分解し、それぞれのフレームにおいて離散フーリエ変換を行なう。離散フーリエ変換は例えばFFT等と呼ばれている高速フーリエ変換等を用いることができる。周波数領域に変換された信号は複数の周波数領域成分に分割される。
周波数領域の信号に変換された収音信号は加算部6と音源信号成分推定部7とに入力される。加算部6へは第1収音部4−1と第2収音部4−2の出力信号を入力する。加算部6では周波数領域へ変換された各周波数領域の信号を同一周波数領域成分ごとに加算する。
音源信号成分推定部7へは第1収音部4−1から第6収音部4−6の全ての出力信号を入力し、周波数領域ごとに各音源の信号量を推定する。各音源の信号量が推定できると、所望音源1の信号量対その他の音源の信号量との比つまりSN比を求めることができる。このSN比を周波数領域ごとに求め、このSN比を利得係数として乗算部9で加算部6から与えられる所望音源1の信号を主成分とする信号に各周波数領域毎に乗算することにより、所望音源1の信号を主成分とする信号に含まれる背景雑音成分を抑制することができる。乗算部9の乗算結果は逆周波数領域変換部10で時間領域信号に変換され、雑音除去後の信号として出力される。以上は特願2006−52502の発明の概要である。
以下では各部の構成及び動作を詳細に説明する。図4は第1収音部乃至第4収音部4−1〜4−4の構成を示している。ここでは第1収音部4−1を例示して説明するが、同様の処理が第2収音部4−2、第3収音部4−3、第4収音部4−4でも行われる。これら第1収音部4−1〜4−4は所望音源1の位置を挟んでその両側の方向から所望音源位置を含む角度領域を収音範囲とする収音特性及び所望音源位置を含まない角度領域を収音範囲とする収音特性に設定されることからサイドビームフォーマーとして機能する。第1収音部4−1に入力された信号xLmL(n)(m=1,2,…,M)はフィルタ処理部41に入力される。フィルタ処理部41ではあらかじめ与えられた(決定方法は後述する)フィルタ係数wLmL(n)と入力信号xLmL(n)を、式(1)に示す畳み込み演算に代入して得られる信号x'LmL(n)を出力する。
Figure 2009005261
各フィルタ処理部41の出力信号は加算部42に入力される。加算部42では入力信号を式(2)のように加算し、第1収音部4−1の出力信号ySL(n)を得る。
Figure 2009005261
ここでフィルタ係数wLmL(n)は、第1収音部の指向特性DLSPB(ω,θ)が式(3)に示す特性を持つように、例えば最小二乗法などを利用して設計される。第2収音部、第3収音部、第4収音部についても同様に、式(4)から式(6)のそれぞれの条件を満たすように設計される。Θ、Θ ̄はそれぞれ、所望信号の周辺方向(例えば所望信号方向から±10°程度の範囲内の方向)、それ以外の方向、を示すものとする。また、式(3)〜(6)に示すD・・・・(ω,θ)は各収音部の指向特性を表わしている。
Figure 2009005261
第1収音部4−1はマイクロホンアレー3Lから見たときに、所望音源1の方向で発せられる音のみを強調して収音する。第3収音部はマイクロホンアレー3Lから見て、所望音源の方向以外で発せられる音のみを強調して収音する。第2収音部4−2はマイクロホンアレー3Rから見て、所望音源1の方向で発せられる音のみを強調して収音する。第4収音部4−4はマイクロホンアレー3Rから見て、所望音源1の方向以外で発せられる音のみを強調して収音する。
図5は正面ビームフォーマーとして機能する第5収音部4−5と第6収音部4−6における処理の流れを示している。正面ビームフォーマーにはマイクロホンアレー3Lの中心に配置されたマイクロホンで受音された信号xL(ML/2)(n)と、マイクロホンアレー3Rの中心に配置されたマイクロホンで受音された信号xR(MR/2)(n)が入力され、それぞれフィルタ処理部51と52に入力される。フィルタ処理部51と52では入力された信号xL(ML/2)(n)とxR(MR/2)(n)に、式(7)と式(8)に示すようなあらかじめ与えられたフィルタ係数wC(ML/2)(n)、wC(MR/2)(n)を畳み込んだ出力x’L(ML/2)(n)、x’R(MR/2)(n)を出力する。
Figure 2009005261
ここでフィルタ係数wC(ML/2)(n)、wC(MR/2)(n)は位相特性が同じものが望ましく、例えば単一インパルス信号
Figure 2009005261
が用いられる。第5収音部4−5ではフィルタ処理部51と52の出力信号x’L(ML/2)(n)とx’R(MR/2)(n)を加算部53に入力する。加算部53では入力された信号を式(10)のように加算して、信号ySC(n)を出力する。これにより第5収音部4−5では、マイクロホンアレー3Lとマイクロホンアレー3Rの間の中間点から見て、所望音源1の方向で発せられる音のみを強調して収音する。
SC(n)=x’L(ML/2)(n)+x’R(MR/2)(n) (10)
第6収音部4−6ではフィルタ処理部51と52の出力信号x’L(ML/2)(n)とx’R(MR/2)(n)を減算部54に入力する。減算部54では入力された信号を式(11)のように減算して、信号yNC(n)を出力する。したがって第6収音部4−6では、マイクロホンアレー3Lとマイクロホンアレー3Rの間の中間点から見て、所望音源1の方向以外で発せられる音のみを強調して収音する。
NC(n)=x’L(ML/2)(n)−x’R(MR/2)(n) (11)
図6は音源信号成分推定部7における処理の流れを示している。音源信号成分推定部7に入力される周波数成分YSL(ω,l)、YNL(ω,l)、YSC(ω,l)、YNC(ω,l)、YSR(ω,l)、YNR(ω,l)はそれぞれパワー演算部61に入力され、信号のパワー値|YSL(ω,l)|、|YNL(ω,l)|、|YSC(ω,l)|、|YNC(ω,l)|、|YSR(ω,l)|、|YNR(ω,l)|が出力され、ベクトル化部62に入力される。ベクトル化部62では、入力された第1乃至第6収音部4−1〜4−6の各出力信号のパワー値を式(12)のようにベクトル形式でまとめた、パワーベクトルY(ω,l)を出力する。
Figure 2009005261
パワーベクトルY(ω,l)は乗算部63に入力される。乗算部63のもう一方の入力であるパワー推定行列Tは、擬似逆行列演算部64の出力信号である。擬似逆行列演算部64には式(19)により定義されるゲイン行列Tが入力され、その擬似逆行列Tを出力する。
Figure 2009005261
ゲイン逆行列Tの各要素は、第5収音部4−5と第6収音部4−6及び第1収音部4−1〜第4収音部4−4に設定されるΘx方向またはΘx ̄方向に対する指向特性のゲインであり、例えば式(14)から式(17)に示すような指向特性の周波数および方向に関する平均値を用いる。
Figure 2009005261
αは所望音の周辺方向に対する第1、第2、第5収音部4−1、4−2、4−5に設定する指向特性の平均値である。βは所望信号の周辺方向に対する第1、第2、第5の収音部4−1、4−2、4−5に設定する指向特性の平均値である。γは所望信号の周辺方向に対する、第3、第4、第6収音部4−3、4−4、4−6に設定する指向特性の平均値である。δは所望信号の周辺方向以外に対する、第3、第4、第6収音部4−3、4−4、4−6に設定する指向特性の平均値である。尚、(14)〜(17)式中添字xはR、C、Lの何れかを表わす。
乗算部9は式(18)に示すように入力されたビームフォーマー出力パワーベクトルとパワー推定行列の乗算を周波数成分ごとに行い、推定信号パワーベクトルXopt(ω,l)を出力する。
opt(ω,l)=TY(ω,l) (18)
図7は利得係数算出8における処理の流れを示している。図6に示した音源信号成分推定部7より入力された推定信号パワーベクトルXopt(ω,l)はベクトル要素抽出部81に入力される。ベクトル要素抽出部81では式(19)に示すように、入力された推定信号パワーベクトルの第1成分を推定信号パワー|S(ω,l)|、第2成分を推定左方向雑音パワー|N(ω,l)|、第3成分を推定正面方向雑音パワー|N(ω,l)|、第4成分を推定右方向雑音パワー|N(ω,l)|としてそれぞれ出力し、それらはSN比推定部82に入力される。
Figure 2009005261
SN比推定部82では式(20)を用いて推定SN比ESNR(ω,l)を計算する。
Figure 2009005261
SN比推定部82の出力である推定SN比ESNR(ω,l)が利得係数R(ω,l)として出力される。
利得係数R(ω,l)は周波数領域毎に算出される。従って雑音の混入量が少ない周波数領域では利得係数R(ω,l)は「1」に近い値となり、所望信号成分はそのまま出力される。また雑音の混入量が多い周波数領域では利得係数R(ω,l)は「0」に近い値となり、その周波数領域の信号成分は大きく減衰され、雑音量を抑制する。このように周波数領域ごとに利得係数R(ω,l)を加算部6から与えられる所望信号を主成分とする信号Y(ω,l)に乗算することにより、周波数領域ごとに雑音成分が抑圧され、逆周波数領域変換部10で時間領域に変換された信号のSN比を向上することができる。
[第1実施形態]
図8に、本発明の第1実施形態の収音装置全体の構成例を示す。図2に示した特願2006−52502の収音装置全体の構成とは、パワースペクトル推定部110、残響スペクトル推定部120、処理対象信号生成部140が異なる。図9は、第1実施形態の収音装置の処理フローを示す図である。
第1及び第2収音部4−1、4−2は、複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から所望音源位置を含む角度領域の音ySL(n)、ySR(n)を収音する(S4−1、S4−2)。第3及び第4収音部4−3、4−4は、マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から前記所望音源位置を含まない角度領域の音yNL(n)、yNR(n)を収音する(S4−3、S4−4)。第5収音部4−5は、互いに異なる位置の中間点から所望音源位置を含む角度領域の音ySC(n)を収音する(S4−5)。第6収音部4−6は、中間点から所望音源位置を含まない角度領域の音yNC(n)を収音する(S4−6)。周波数領域変換部5は、各収音部4−1〜4−6で収音された信号ySL(n)、ySR(n)、yNL(n)、yNR(n)、ySC(n)、yNC(n)を、周波数領域の信号YSL(ω,l)、YSR(ω,l)、YNL(ω,l)、YNR(ω,l)、YSC(ω,l)、YNC(ω,l)に変換する。処理対象信号生成部140は、周波数領域の第1収音部4−1からの信号YSL(ω,l)と第2収音部4−2からの信号YSR(ω,l)の平均を、処理対象信号Y(ω,l)とする(S140)。パワースペクトル推定部110は、周波数領域に変換された各収音部4−1〜4−6で得られた各収音信号YSL(ω,l)、YSR(ω,l)、YNL(ω,l)、YNR(ω,l)、YSC(ω,l)、YNC(ω,l)と残響音の信号量Z est(ω,l)から、残響信号を除去した所望音源の信号量とその他の音源の信号量Xopt(ω,l)とを、周波数ごとに推定する(S110)。残響スペクトル推定部120は、パワースペクトル推定部110が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量Xopt(ω,l)から、残響音の信号量Z est(ω,l)を周波数ごとに求める(S120)。利得係数算出部8は、所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数R(ω,l)を求める(S8)。乗算部9は、利得係数算出部8で算出した利得係数R(ω,l)を処理対象信号Y(ω,l)に乗算する(S9)。逆周波数領域変換部10は、利得係数が乗算された処理対象信号R(ω,l)Y(ω,l)を時間領域に変換する。
次に、図2の収音装置と異なる構成部の詳細を説明する。図10は、処理対象信号生成部140の機能構成例を示す図である。処理対象信号生成部140は、加算部141と除算部142から構成される。加算部141は、周波数領域の第1収音部4−1からの信号YSL(ω,l)と第2収音部4−2からの信号YSR(ω,l)とを加算する。除算部142は、加算された信号を2で割り、平均値を処理対象信号Y(ω,l)として出力する。図2の収音装置では、加算部6によって周波数領域の第1収音部4−1からの信号YSL(ω,l)と第2収音部4−2からの信号YSR(ω,l)とを加算して、処理対象信号Y(ω,l)としていた。違いは、2で割るか否かである。この違いによって生じる差は、信号全体のボリュームだけであり、波形が同じなので、信号処理の観点からは等価である。つまり、2以外の値で除算しても、等価な処理である。
図11に、パワースペクトル推定部110の機能構成例を示す。パワースペクトル推定部110と、図6の音源信号成分推定部7との違いは、ベクトル化部62と乗算部63との間に、減算部111が備えられている点である。減算部111は、ベクトル化された信号Y(ω,l)から、推定した残響音の信号量Z est(ω,l)を次式のように減算し、その結果Y’(ω,l)を乗算部63に入力する。
Y’(ω,l)=Y(ω,l)−Z est(ω,l) (21)
その他の処理は、音源信号成分推定部7と同じである。
図12に、残響スペクトル推定部120の機能構成例を示す。残響スペクトル推定部120は、ゲイン行列乗算部125と重み付き加算部126から構成される。ゲイン行列乗算部125は、所望音源の信号量とその他の音源の信号量Xopt(ω,l)を、収音部ごとの信号量Zest(ω,l)に変換する。ゲイン行列T’は、残響成分に対する各収音部の指向特性のゲインで、例えば式(22)とすればよい。
Figure 2009005261
ただし、
Figure 2009005261
である。重み付き加算部126は、収音部ごとの信号量Zest(ω,l)を記録し、複数の過去の収音部ごとの信号量を重み付き加算する。具体的には、過去のN個のフレームの収音部ごとの信号量Zest(ω,l)の重み付き加算を行うのであれば、N個の遅延部121〜121とN個の重み乗算部122〜122とN−1個の加算部123〜123N−1とを備えればよい。第1遅延部121は、収音部ごとの信号量Zest(ω,l)を記録し、1フレーム分遅延させる。第1重み乗算部122は、重みρを第1遅延部121の出力(1フレーム前の収音部ごとの信号量Zest(ω,l))に乗算する。第n遅延部121は、n−1フレーム前の収音部ごとの信号量Zest(ω,l)を記録し、1フレーム分遅延させる。第n重み乗算部122は、重みρを第n遅延部121の出力(nフレーム前の収音部ごとの信号量Zest(ω,l))に乗算する。第n加算部123は、第n+1加算部123n+1の出力に、第n重み乗算部122の出力を加算する。第1加算部123は、第2加算部123の出力に、第1重み乗算部122の出力を加算して、残響音の信号量Z est(ω,l)を出力する。このように処理することで、nフレーム前の収音部ごとの信号量Zest(ω,l)に重みρを付与した重み付き加算ができる。ここで、重みρは残響成分の時間によるパワー減衰を表すパラメータであり、例えば、残響時間T60からは、式(29)のように与えられる。
Figure 2009005261
ただし、Lは1フレームのサンプル数、Fはサンプリング周波数である。
次に、本発明の残響を除去する原理を説明する。図13は雑音発生のモデルを示す図である。図14は、各フレームでのパワースペクトルへの残響の影響を示す図である。残響音は、ある時刻0(ここでは時間フレームで考える)で発せられた直接音に対して、その伝達経路の距離に応じた時間だけ遅れて、また一定の減衰率によってその大きさが減じられてマイクロホンに到達する。例えば、図13に示す例では、時刻0に発せられた直接音と同じ音が時刻1〜3のフレームに残響として影響を与えている。このため、図14に示すように、あるフレームlにおける推定パワースペクトルには、過去のフレームに含まれる直接音の成分が残響として重畳されている。このときの減衰率が残響スペクトル推定部120の重みρに対応する。重みρは部屋の音響特性から決定され、例えば部屋の音響特性を示す1つの尺度である残響時間T60を用いて、式(29)によって理論的に計算することが可能である。本発明の収音装置では、過去の直接音の成分は、過去の収音部ごとの信号量Zest(ω,l)として求めることができる。そこで、ゲイン行列乗算部125で収音部ごとの信号量Zest(ω,l)に変換し、重み付き加算部126で収音部ごとの信号量Zest(ω,l)を記録し、複数の過去の収音部ごとの信号量を重み付き加算する。このように残響音の信号量Z est(ω,l)を求め、パワースペクトル推定部110では、ベクトル化された信号Y(ω,l)から、推定した残響音の信号量Z est(ω,l)を減算する。したがって、第1実施形態の収音装置は、残響による影響を低減できる。
[第2実施形態]
図15に、本発明の第2実施形態の収音装置全体の構成例を示す。第1実施形態(図8)とは、各収音部4’−1〜4’−6、処理対象信号生成部140’、パワースペクトル推定部110’、残響スペクトル推定部120’が異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成部について説明する。
図16は、各収音部4’−1〜4’−6の設定を説明するための音源位置の領域を示す図である。また、図17は、第1収音部4’−1の機能構成例を示す図である。マイクロホンアレー3Lには、信号xLmL(n)(m=1,2,…,M)が入力される。フィルタ処理部41’では、あらかじめ定められた(決定方法は後述する)フィルタ係数wLmL(n)と入力信号xLmL(n)を、式(30)に示す畳み込み演算に代入して得られる信号x'LmL(n)を出力する。
Figure 2009005261
各フィルタ処理部41’の出力信号は加算部42’に入力される。加算部42’では入力信号を式(31)のように加算し、第1収音部4’−1の出力信号yLL(n)を得る。
Figure 2009005261
ここでフィルタ係数wLmL(n)は、第1収音部4’−1の指向特性DLSB(ω,θ)が式(32)に示す特性を持つように、例えば最小二乗法などを利用して設計される。第3収音部、第5収音部についても同様に、式(33)、式(34)のそれぞれの条件を満たすように設計される。ΘL1〜ΘL3は、それぞれ図16に示すマイクロホンアレー3Lから見た角度領域を示している。
Figure 2009005261
つまり、第1収音部4’−1は、角度領域ΘL1の音を抑圧して収音する。第3収音部4’−3は、角度領域ΘL2の音を抑圧して収音する。第5収音部4’−5は、角度領域ΘL3の音を抑圧して収音する。
同様に、式(35)から式(37)に示すように、マイクロホンアレー3Rの第2収音部4’−2は、角度領域ΘR1の音を抑圧して収音する。第4収音部4’−4は、角度領域ΘR2の音を抑圧して収音する。第6収音部4’−6は、角度領域ΘR3の音を抑圧して収音する。
Figure 2009005261
図18は、処理対象信号生成部140’の機能構成例を示す図である。処理対象信号生成部140’は、加算部141’と除算部142’から構成される。加算部141’は、周波数領域の第1収音部4−1’からの信号YLL(ω,l)、第2収音部4−2’からの信号YLR(ω,l)、第5収音部4−5’からの信号YRL(ω,l)、第6収音部4−6’からの信号YRR(ω,l)を次式のように加算し、加算結果Y’(ω,l)を出力する。
Figure 2009005261
除算部142’は、加算された信号Y’(ω,l)を次式のように4で割り、平均値を処理対象信号Y(ω,l)として出力する。
(ω,l)=Y’(ω,l)/4 (39)
なお、第1実施形態で説明したように、除算部142’で割る数をいくつにしても、波形が同じなので、信号処理の観点からは等価である。つまり、4以外の値で除算しても、等価な処理である。
図19に、パワースペクトル推定部110’の機能構成例を示す。パワースペクトル推定部110’は、パワー演算部61’、ベクトル化部62’、減算部111’、乗算部63’、擬似逆行列演算部64’から構成される。パワー演算部61’は、各収音部からの周波数領域の信号YLL(ω,l)、YCL(ω,l)、YRL(ω,l)、YLR(ω,l)、YCR(ω,l)、YRR(ω,l)から、パワー値|YLL(ω,l)|、|YCL(ω,l)|、|YRL(ω,l)|、|YLR(ω,l)|、|YCR(ω,l)|、|YRR(ω,l)|を計算し、出力する。ベクトル化部62’は、パワー値を式(40)のようにベクトル形式でまとめた、パワーベクトルY(ω,l)を出力する。
Figure 2009005261
減算部111’は、ベクトル化された信号Y(ω,l)から、推定した残響音の信号量Z est(ω,l)を次式のように減算し、その結果Y’(ω,l)を乗算部63’に入力する。
Y’(ω,l)=Y(ω,l)−Z est(ω,l) (41)
乗算部63’のもう一方の入力であるパワー推定行列Tは、擬似逆行列演算部64’の出力信号である。擬似逆行列演算部64’には式(42)により定義されるゲイン行列Tが入力され、その擬似逆行列Tを出力する。
Figure 2009005261
ゲイン逆行列T(ω)の各要素は、各収音部4’−1〜4’−6のΘ方向、Θ方向、Θ方向に対する指向特性のゲインであり、例えば式(43)から式(45)に示すような指向特性の方向に関する平均値を用いる。
Figure 2009005261
α(ω)は、周波数ωにおける第1収音部4’−1と第2収音部4’−2の角度領域Θの方向に対する指向特性の平均値である。β(ω)は、周波数ωにおける第3収音部4’−3と第4収音部4’−4の角度領域Θの方向に対する指向特性の平均値である。γ(ω)は、周波数ωにおける第5収音部4’−5と第6収音部4’−6の角度領域Θの方向に対する指向特性の平均値である。ここで、xには、L1、L2、L3、R1、R2、R3のいずれかが入る。乗算部63’は、式(46)に示すように残響が減算された信号Y’(ω,l)に擬似逆行列Tを乗算し、推定信号パワーベクトルXopt(ω,l)を出力する。
opt(ω,l)=TY’(ω,l) (46)
図20に、残響スペクトル推定部120’の機能構成例を示す。残響スペクトル推定部120’は、ゲイン行列乗算部125’が、第1実施形態の残響スペクトル推定部120(図12)と異なる。ゲイン行列乗算部125’では、ゲイン行列T’を、例えば式(47)とする。
Figure 2009005261
ただし、
Figure 2009005261
である。重み付き加算部126は、第1実施形態の残響スペクトル推定部120(図12)と同じなので、説明を省略する。
以上のような構成なので、第2実施形態の収音装置も、第1実施形態と同じように残響音を低減する効果を有する。
[第3実施形態]
図21に、本発明の第3実施形態の収音装置全体の構成例を示す。第2実施形態の収音装置とは、処理対象信号生成部140”が異なる。処理対象信号生成部の役割は、収音信号の中から、所望音に近い音を生成しておくことである。そして、雑音や残響を除去すれば高品質な収音が期待できる。所望音源が特定のマイクに近い場合、そのマイクから収音された信号の周波数領域の信号を処理対象信号とすることが合理的である。なお、第1実施形態にも処理対象信号生成部140”を用いることができる。
以上のような構成なので、第3実施形態の収音装置も、第1実施形態や第2実施形態と同じように残響音を低減する効果を有する。
[実験例]
次に第2実施形態の収音装置での実験結果を示す。図22は実験環境を示す図である。それぞれのマイクロホンアレーには、4つのマイクロホンが直線状に4cmの等間隔で配置されている。座標の単位はメートルであり、(0.4,0)と(−0.4,0)にそれぞれの中心が位置している。所望音源(対象話者の位置)が(0,0.5)にある。そして、3つの異なる背景雑音源(その他の話者の位置)が(−1.6,2.5)、(1.6,1.0)、(0.0,2.5)に配置されている。図23は、残響が異なる2つの環境で、背景雑音の抑圧量を測定した結果を示す図である。実験環境1が残響時間250msの場合(一般的な寝室を同程度)、実験環境2が残響時間500ms(一般的な会議室と同程度)である。この結果より、本発明の収音装置であれば、残響の異なる場合でも、特願2006−52502の収音装置に比べて残響抑圧量が向上していることが分かる。図24は、第2実施形態の収音装置で収音した音の品質を被験者により確認した結果を示す図である。10人の被験者が、本発明の収音装置で収音した音と、特願2006−52502の収音装置で収音した音とを、2:非常に良くなった、1:良くなった、0:同じである、−1:悪くなった、−2:非常に悪くなった、の5段階で評価した結果の平均値を示している。この結果より、多くの被験者が音が良くなったと評価しており、収音音質が改善していることが分かる。
図25に、コンピュータの機能構成例を示す。なお、本発明の収音装置は、コンピュータ2000の記録部2020に、本発明の各構成部としてコンピュータ2000を動作させるプログラムを読み込ませ、処理部2010、入力部2030、出力部2040などを動作させることで実現できる。また、コンピュータに読み込ませる方法としては、プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておき、記録媒体からコンピュータに読み込ませる方法、サーバ等に記録されたプログラムを、電気通信回線等を通じてコンピュータに読み込ませる方法などがある。
本発明の利用状況の一例を示す図。 特願2006−52502の収音装置の全体の構成を示す図。 第1〜第6収音部の指向性を説明するための平面図。 第1〜第4収音部の構成を説明するためのブロック図。 第5収音部4−5と第6収音部4−6の構成を示す図。 音源信号成分推定部7の構成を示す図。 利得係数算出8の構成を示す図。 第1実施形態の収音装置全体の構成例を示す図。 第1実施形態の収音装置の処理フローを示す図。 処理対象信号生成部140の機能構成例を示す図。 パワースペクトル推定部110の機能構成例を示す図。 残響スペクトル推定部120の機能構成例を示す図。 雑音発生のモデルを示す図。 各フレームでのパワースペクトルへの残響の影響を示す図。 第2実施形態の収音装置全体の構成例を示す図。 各収音部4’−1〜4’−6の設定を説明するための音源位置の領域を示す図。 第1収音部4’−1の機能構成例を示す図。 処理対象信号生成部140’の機能構成例を示す図。 パワースペクトル推定部110’の機能構成例を示す図。 残響スペクトル推定部120’の機能構成例を示す図。 第3実施形態の収音装置全体の構成例を示す図。 実験環境を示す図。 残響が異なる2つの環境で、背景雑音の抑圧量を測定した結果を示す図。 第2実施形態の収音装置で収音した音の品質を被験者により確認した結果を示す図。 コンピュータの機能構成例を示す図。
符号の説明
110、110’ パワースペクトル推定部
111 減算部
120、120’ 残響スペクトル推定部
125、125’ ゲイン行列乗算部
126 重み付き加算部
140、140’、140” 処理対象信号生成部

Claims (10)

  1. 複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して、それぞれ異なる領域の音を収音する6つ以上の収音部と、
    あらかじめ定めた1つ以上の前記マイクロホンまたは前記収音部からの信号から、処理対象信号を生成する処理対象信号生成部と、
    前記各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定するパワースペクトル推定部と、
    前記パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める残響スペクトル推定部と、
    前記所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める利得係数算出部と、
    前記利得係数算出部で算出した利得係数を前記処理対象信号に乗算する乗算部と、
    を備える収音装置。
  2. 複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から所望音源位置を含む角度領域の音を収音する第1及び第2収音部と、
    前記マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から前記所望音源位置を含まない角度領域の音を収音する第3及び第4収音部と、
    前記互いに異なる位置の中間点から前記所望音源位置を含む角度領域の音を収音する第5収音部と、
    前記中間点から前記所望音源位置を含まない角度領域の音を収音する第6収音部と、
    あらかじめ定めた1つ以上の前記マイクロホンまたは前記収音部からの信号から、処理対象信号を生成する処理対象信号生成部と、
    前記各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定するパワースペクトル推定部と、
    前記パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める残響スペクトル推定部と、
    前記所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める利得係数算出部と、
    前記利得係数算出部で算出した利得係数を前記処理対象信号に乗算する乗算部と、
    を備える収音装置。
  3. 複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、所望音源位置を含まない角度領域の一部の音を抑圧して収音する第1及び第2収音部と、
    前記マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、前記所望音源位置を含む角度領域の音を抑圧して収音する第3及び第4収音部と、
    前記マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、前記所望音源位置を含まない角度領域であって、前記第1及び第2収音部とは異なる一部の音を抑圧して収音する第5及び第6収音部と、
    あらかじめ定めた1つ以上の前記マイクロホンまたは前記収音部からの信号から、処理対象信号を生成する処理対象信号生成部と、
    前記各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定するパワースペクトル推定部と、
    前記パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める残響スペクトル推定部と、
    前記所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める利得係数算出部と、
    前記利得係数算出部で算出した利得係数を前記処理対象信号に乗算する乗算部と、
    を備える収音装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の収音装置であって、
    前記残響スペクトル推定部は、
    所望音源の信号量とその他の音源の信号量を、前記収音部ごとの信号量に変換するゲイン行列乗算部と、
    前記収音部ごとの信号量を記録し、複数の過去の前記収音部ごとの信号量を重み付き加算する重み付き加算部と
    を備える
    ことを特徴とする収音装置。
  5. 複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して、それぞれ異なる6つ以上の領域の音を収音する収音ステップと、
    あらかじめ定めた1つ以上の前記マイクロホンまたは前記収音部からの信号から、処理対象信号を生成する処理対象信号生成ステップと、
    前記各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定するパワースペクトル推定ステップと、
    前記パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める残響スペクトル推定ステップと、
    前記所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める利得係数算出ステップと、
    前記利得係数算出部で算出した利得係数を前記処理対象信号に乗算する乗算ステップと、
    を有する収音方法。
  6. 複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から所望音源位置を含む角度領域の音を収音する第1及び第2収音ステップと、
    前記マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から前記所望音源位置を含まない角度領域の音を収音する第3及び第4収音ステップと、
    前記互いに異なる位置の中間点から前記所望音源位置を含む角度領域の音を収音する第5収音ステップと、
    前記中間点から前記所望音源位置を含まない角度領域の音を収音する第6収音ステップと、
    あらかじめ定めた1つ以上の前記マイクロホンまたは前記収音部からの信号から、処理対象信号を生成する処理対象信号生成ステップと、
    前記各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定するパワースペクトル推定ステップと、
    前記パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める残響スペクトル推定ステップと、
    前記所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める利得係数算出ステップと、
    前記利得係数算出部で算出した利得係数を前記処理対象信号に乗算する乗算ステップと、
    を有する収音方法。
  7. 複数のマイクロホンを搭載して構成されるマイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、所望音源位置を含まない角度領域の一部の音を抑圧して収音する第1及び第2収音ステップと、
    前記マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、前記所望音源位置を含む角度領域の音を抑圧して収音する第3及び第4収音ステップと、
    前記マイクロホンアレーの出力信号を利用して互いに異なる位置から、前記所望音源位置を含まない角度領域であって、前記第1及び第2収音部とは異なる一部の音を抑圧して収音する第5及び第6収音ステップと、
    あらかじめ定めた1つ以上の前記マイクロホンまたは前記収音部からの信号から、処理対象信号を生成する処理対象信号生成ステップと、
    前記各収音部で得られた各収音信号と残響音の信号量から、残響信号を除去した所望音源の信号量と、その他の音源の信号量とを周波数ごとに推定するパワースペクトル推定ステップと、
    前記パワースペクトル推定部が推定した所望音源の信号量とその他の音源の信号量から、残響音の信号量を周波数ごとに求める残響スペクトル推定ステップと、
    前記所望音源の信号量と、所望音源の信号量を含む全ての音源の信号量との比から周波数ごとに利得係数を求める利得係数算出ステップと、
    前記利得係数算出部で算出した利得係数を前記処理対象信号に乗算する乗算ステップと、
    を有する収音方法。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の収音方法であって、
    前記残響スペクトル推定ステップは、
    所望音源の信号量とその他の音源の信号量を、前記収音部ごとの信号量に変換するゲイン行列乗算サブステップと、
    前記収音部ごとの信号量を記録し、複数の過去の前記収音部ごとの信号量を重み付き加算する重み付き加算サブステップと
    を有する
    ことを特徴とする収音方法。
  9. 請求項1から4のいずれかに記載の収音装置として、コンピュータを動作させる収音プログラム。
  10. 請求項9記載の収音プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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