JP2009004862A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク1次色もしくは2次色で印刷される色、すなわちRGB立方体の色域境界の色が、補正変換後においても同様に色域境界上の色となるための拘束条件を色補正パラメータに付加することで、簡便にこれらを補償する色補正を行うことを目的とする。
【解決手段】 色信号を変換する一連の処理に於いて変換係数もしくはパラメータを生成する際、インク1次色もしくは2次色で印刷される色が変換後においても同様にインク1次色もしくは2次色で印刷される色となる拘束条件を適応する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、色再現を管理する為の画像処理装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ/ワークステーションの普及に伴い、これらを用いたDTP(デスクトップ・パブリッシング)やCAD(コンピュータ・エイディッド・デザイン)によるカラードキュメント作成が広く一般に用いられるようになってきた。このような中、種々のカラープリンタが混在する中でカラー印刷の色再現を常時一定に保つため、精度の高い色再現管理技術、すなわち印字デバイスの如何に依らない安定した一定の色再現、ならびに印字デバイスの経時変化あるいは環境変動に依らない安定した色再現を実現する色再現管理技術が求められている。
印字デバイスでは、印刷機器、色材、印刷する紙種等の特性が各々異なり、これに起因して色再現特性が変化する。例えば、色材や紙種に依って色再現特性が変化することは、それ自体が色再現に直接影響を与えるものであることから明らかである。また、印刷機器が同じ機種であっても、色材の紙への塗布量の相違、機械精度によるCMYK版の微妙なずれ等に起因し、色再現の相違が発生する。また、同一の機体を用いていても、印字デバイスの経時変化により色再現特性が変化していき、温度や湿度と言った環境に依っても色材の紙への塗布量が変動するため、やはり色再現特性が変化する。
このような変動を抑え色再現を一定に保つ為に、業務用カラープリンタでは、印字デバイス間での色再現管理として一般にCMS(カラーマネージメントシステム)を用いている。あるいは、経時変化や環境変動に対する色再現管理として、キャリブレーションを用い、少なくとも色材の塗布量が一定となるよう管理を行っている。
そこで、従来の色再現管理方法であるICCプロファイルを用いたCMSに依れば、デスティネーションプロファイルを管理することで、印字デバイス間での色再現管理、あるいは経時変化や環境変動に対する色再現管理が可能となる。また、別の従来の色再現管理方法に拠れば、所望の色再現を実現する色変換を自動生成し、その色変換を通して画像出力を行うことで色再現管理を実現している。これらの技術に拠れば、いずれも色再現管理を高次関数を用いた色変換をもって実現している。このため、色再現の管理精度の向上あるいは拘束条件数の向上を図る際には、高次関数の次数を上げて対応せねばならず、これに起因する不必要な振動等が発生し、高次関数の次数向上により得られる効果よりも、発生する障害の方が問題となってしまう場合がある。
そこでさらに従来技術として、上記問題を改良した技術がある。この技術に拠れば、3次元の色信号値を変換する際、1度4次元信号に変換して4次元信号上で補正を行い、元の3次元の色信号に変換するものである。これにより、不必要な振動を発生させること無く色再現の管理精度を向上させることが出来る。また、様々な拘束条件を実現できる。さらにこの技術に拠れば、色再現の目標を与えることで、補正変換の変換係数もしくはパラメータを生成することができる。さらには、時としてcmyk空間を経由するRGBからRGBへの変換にて急峻に変化してしまう場合がある。しかしながら、このような問題の原因は、例えばcmyk色空間を経たRGBからRGBへの変換を生成する際、RGB空間上で与える標本が、図14(a)、図14(b)に示すようにcmyk色空間上では疎に分布すること起因する。しかしながら、この技術を用いることにより、4次元空間上に疎に分布していた標本を図15の様に4次元空間上で比較的密に分布させることが出来、この結果RGBからRGBへの変換での急峻な変化の発生を抑制できる。
しかしながら、従来技術では、変換後の色再現の補償については対象外である。そこで、この点を改善する方法として、色信号値を変換する際、プライマリカラーが変換後もプライマリカラーとなるよう色変換パラメータに対して拘束条件を付加することで、変換後もプライマリカラーの色再現を補償できる。
特開2006-128815号公報
ここで上記のいずれの技術においても、知覚的な好ましさという点から、補正を行わない場合にインク1次色もしくは2次色で印字される色が、補正後においてもインク1次色もしくは2次色で印刷されることが求められる場合がある。例えば、補正を行わない場合イエロー1次色で印刷されていた色が、補正の結果シアンが混色するような場合、例え色差として改善されたとしても画質が劣化したとみなされる場合がある。
そこで本発明では、補正を行わない場合にインク1次色もしくは2次色で印刷される色、すなわちRGB立方体の色域境界の色が、補正変換後においても同様に色域境界上の色となるための拘束条件を色補正パラメータに付加することで、簡便にこれらを補償する色補正を行うことを目的とする。
以上のような課題を解決する為、本発明は、
画像の色信号値を変換する画像処理装置であって
RGBもしくはCMYで表色される3次元色空間上の3次元色信号値を変換する際、前記3次元色信号値をCMYKもしくはRGBWで表色される無彩色の次元を含む4次元色空間上での4次元色信号値に変換し、さらに4次元色信号に対して変換処理を施した後、再度前記3次元色信号値に変換する手段と、
前記一連の色信号変換の変換特性を算出する変換特性算出手段
とを備え、さらに前記変換特性算出手段は
3次元色信号を画像表示した際の色再現目標を所定の3の表色系で与える色再現目標設定手段と、
前記設定された色再現目標より、前記4次元色信号を画像表示した際の色再現目標を前記所定の表色系で生成する、色再現目標生成手段と、
4次元色空間上で表現される色信号値を画像表示した際の色を、第3の表色系で推定し、前記推定値が目標に近くなるよう変換特性を算出する算出手段
とを備え、
算出に際しては、3次元色空間における色域境界の色が一連の変換後も色域境界の色となるよう、4次元色空間上での変換に於いて所定の一次色もしくは二次色が変換後も一次色もしくは二次色となるように変換特性を算出する
構成をとる。
以上、本実施例の説明から明らかなように色信号を変換する一連の処理に於いて変換係数もしくはパラメータを生成する際、インク1次色もしくは2次色で印刷される色が変換後においても同様にインク1次色もしくは2次色で印刷される色となる拘束条件を適応することで、インク1次色もしくは2次色で印刷される色、すなわちRGB立方体の色域境界の色が、補正変換後においても同様に色域境界上の色となることを補償することができる。
<第1実施例>
図1は本発明の第1の実施例としての画像処理装置を示すブロック図である。前記構成において、101はCPU、102はメインメモリ、103はSCSIインタフェース、104はネットワークインタフェース、105はHDD、106はグラフィックアクセラレータ、107はカラーモニタ、108はUSBコントローラ、109はカラープリンタ、110はキーボード/マウスコントローラ、111はキーボード、112はマウス、113はローカルエリアネットワーク、114はPCIバスである。
上記構成における、ディジタル画像のプリンタ出力動作について述べる。まず、HDD105に格納されている画像アプリケーションが、ユーザの指示を受けたOSプログラムに基づき、CPU101にて起動される。続いてユーザの指示による画像アプリケーション内の処理にしたがって、HDD105に格納されているディジタル画像データが、CPU101からの指令に基づきSCSII/F103を介してPCIバス114経由によりメインメモリ102に転送される。あるいは、LANに接続されているサーバに格納されている画像データあるいはインターネット上のディジタル画像データが、CPU101からの指令によりネットワークI/F104を介してPCIバス114経由によりメインメモリ102に転送される。以下、前記メインメモリ102に保持されているディジタル画像データは、RGB各色信号が符号無し8bitで表現される画像データであるものとして実施例を説明する。前記メインメモリ102に保持されているディジタル画像データは、CPU101からの指令によりPCIバス114経由によってグラフィックアクセラレータ106に転送され、グラフィックアクセラレータ106はディジタル画像データをD/A変換した後ディスプレイケーブルを通じてカラーモニタ107に送信する。これにより、カラーモニタ107上に画像が表示される。ここで、ユーザがメインメモリ102に保持されているディジタル画像をプリンタ109から出力するよう画像アプリケーションに指令すると、画像アプリケーションはディジタル画像データをプリンタドライバに転送する。CPU101は、プリンタドライバの後述の処理フローチャートに基づき、ディジタル画像データをCMYKディジタル画像データに変換し、USBコントローラ108を介して前記CMYK画像データをプリンタ109へ送信する。以上一連の動作の結果として、プリンタ109よりCMYK画像が印字される。
以下では、上記構成におけるプリンタドライバ動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。本実施例におけるプリンタドライバは、ユーザの好みに応じて色を変換する為の色補正LUTを用いた色変換、所望の色再現を得る為にRGB値を修正する為の色補正変換、RGB色信号をCMYK色信号に変換する為の色変換LUTを用いた変換、以上の3つの色変換を用いてRGB24bit画像データをCMYK32bit画像データに変換する。
まず、ステップ201では、メインメモリ102に保持されているRGB24bit画像データ(各色信号が符号無し8bitの画像データ)へのポインタを取得すると共にCMYK変換後の画像データを保持する為のメモリ領域を確保し、同時に他の初期化動作を行う。
次にステップ202では、色補正で用いるパラメータを、HDD105より取得する。色補正パラメータと色補正変換の詳細に関しては、ステップ205の説明にて述べる。
ステップ203では、ラスタスキャンの順に従って、メインメモリ102内のRGB24bit画像データから画素値であるRGB値を1つ取得する。
ステップ204では、色補正LUTを用いての四面体補間演算により、RGB24bit→RGB24bit変換を施す。色補正LUTはRGB色空間での格子点の色座標データと、前記格子点が再現するRGB色空間の座標値との対応を記した、図17の様なデータ構造で構成される。データ構造の先頭には、R/G/B値のステップが記述され、この後に、各格子点に対応するRGB色座標が、R、G、Bの順でネストされて記述される。このデータ構造をRGB色空間で模式的に表すと、図3の様に表される。また四面体補間は、隣接する8つの格子点で囲まれる6面体領域を図4の模式図に示す様な6つに分割された四面体領域に分割し、各領域毎に補間演算を行う。
ステップ205では、次元変換、非線形変換、γ変換とを組み合わせ、図5に示す式1〜式4の様に色補正変換を行う。ここで、式から明らかなように、まず式1にて100×ucr %のUCR量を用い、RGB値をcmyk値に変換して次元を1つ付加する。続いて式2にて、cmyk値に対して非線型変換として行列を用いた2次変換を施し、その後式3にてcmykの各成分に対して独立にγ変換を施した後、式4にて先と同一のUCR量を用いてcmyk値をRGB値に変換する。ここで、図5の式2の行列要素mij、式3のγ変換係数γiが色補正パラメータである。演算は浮動小数点演算で実施されるが、図5の式4による変換が終わった後は、各色信号が符号無し8bitデータへと丸められる。また、この際255を超える値は255、0を下回る値は0へとクリップされる。
ステップ206では、色変換LUTに従った四面体補間により、RGB24bitデータをCMYK32bit画像データ(CMYKの各色信号が符号無し8bitの画像データ)に変換する。ここで、以下の説明ではこの変換前のRGB色空間を、特にPrivate RGBと呼ぶ。つまり、ステップ204でのRGB24bit→RGB24bit変換以降ステップ205での色補正演算は、Private RGB上で演算である。
ステップ207では、このCMYK32bit値を画素位置に従ってしかるべきメモリアドレスに書き込む。
ステップ208では、必要な画素総てに対し変換を施したかどうかを判断し、施していればステップ209へ、施していなければステップ203へジャンプする。
ステップ209では、メインメモリに格納されたCMYK32bit画像データを、USBコントローラ108を介してプリンタ109へ送信し、ステップ210で動作を終了する。
以下では図1の構成における、色補正パラメータ作成アプリケーションを用いたパラメータ作成動作について説明する。
最初、HDD105に格納されている色補正パラメータ作成アプリケーションが、ユーザの指示を受けたOSプログラムに基づき、CPU101にて起動される。色補正パラメータ作成アプリケーションが起動されると、図6に示すダイアログウィンドウが表示される。ダイアログ並びにアプリケーションの動作フローについては後で詳しく説明するが、ユーザは図6のウィンドウを用いて、Private RGB値(ステップ206の説明参照)と、そのRGB値が再現すべき色のL*a*b*値とについて確認ならびに指定する。ここで、Private RGB値と、このRGB値で画像出力した際の色再現目標たるL*a*b*値との対応セット(以下、目標色再現情報と呼ぶ)に問題ないとユーザが判断したユーザがパラメータ作成ボタンを押下することで、色補正パラメータが生成され、HDD105に保存される。
以下では、図6のダイアログウィンドウについて説明する。601は目標色再現情報をリスト表示するウィンドウであり、ウィンドウ内の左側に対象となっている色のPrivate RGB値が、右側に画像出力した際の色再現目標たるL*a*b*値が表示される。また、選択されている目標色再現情報が反転表示される。602はスライダバーであり、このバーを制御することで表示されている目標色再現情報をスクロールならびに選択する。603は再現色指定ボタンであり、このボタンを押下すると図7の設定ダイアログが表示され、この図7のダイアログから、ユーザは目標色再現情報を設定する。604はパラメータ作成ボタンであり、このボタンを押下すると、色補正パラメータ作成アプリケーションは色補正パラメータを作成し、HDD105に保存する。605は終了ボタンであり、このボタンを押下すると色補正パラメータ作成アプリケーションを終了する。
以下では、色補正パラメータ作成アプリケーション動作について、図8の状態図を用いて説明する。
ステート801では、目標色再現情報の初期設定値を読み込むといった初期化動作を行う。
次にステート802では、図6のウィンドウでのユーザ操作判断待ち状態となる。ここで、602のスライダバーが操作されるとステート803へ移行し、再現色指定ボタン603が押下されるとステート804へ移行し、パラメータ作成ボタン604が押下されるとステート805へ移行し、終了ボタン605が押下されるとステート806へ移行する。
ステート803では、スライダバーの制御量に応じて、目標色再現情報のウィンドウ601への表示をスクロールすると共に、選択されている目標色再現情報を変更する。
ステート804では、図7のダイアログを表示して、目標色再現情報の編集状態に入る。ここで、701のエディットボックスで、編集対象となっている色のPrivate RGB値を変更し、702のエディットボックスで色再現目標たるL*a*b*値を編集する。また、703のエディットボックスでは、編集対象となっている色の重要度を正数で設定する。この値は、後述の評価値算出処理のステップ1008にて、評価値算出の際の重みとして用いる。704の修正ボタンを押下すると、現在選択されている目標色再現情報に上書きし、705の追加ボタンを押下すると、新たな目標色再現情報として追加する。706の削除ボタンを押下すると、現在選択されている目標色再現情報を削除する。また、これら704、705、706、ボタンを押すと、それぞれの動作を行った後に目標色再現情報に記憶し、図6のダイアログをクローズする。
ステート805では、次に説明する図9のフローチャートに従って色補正パラメータを作成し他の後にHDD105に保存する。
ステート806では、メモリ開放などの終了動作を行った後、色補正パラメータ作成アプリケーション動作を終了する。
以下では、ステート805における色補正パラメータ作成処理ついて、図9のフローチャートを用いて説明する。
ステップ901では、色補正パラメータ(図5に示した式の行列要素mij、γ変換係数γi)の初期設定やメモリ領域の確保といった初期化を行う。
ステップ902では、まず現在の色補正パラメータに対する評価値sumを算出する。評価値sumの算出に冠しては、この後で図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップ903では、算出した評価値sumが所定値以下かどうかを判断し、所定値以下であればステップ906へ、所定値より大きければステップ904へジャンプする。
ステップ904では、ステップ905からステップ904のループ演算を回った回数を取得し、この回数が所定回数より以上であればステップ906へ、そうでなければステップ905ジャンプする。
ステップ905では、後述のアルゴリズムに基づいて、色補正パラメータを更新する。
ステップ906では、現在の色補正パラメータをメモリに記憶して、色補正パラメータ作成処理を終了する。
以下では、ステップ902で用いた評価値算出処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。このフローでは、i番目の色再現目標色に対する評価値fiと、fiの総和による評価値sumと算出する。概処理は後述の色補正パラメータ更新でも用いる。
ステップ1001では、まず評価すべき色補正パラメータを取得し、設定する。
ステップ1002では、初期化動作としてループ回数を示す変数であるiを1に設定する。また、ステップ1006での色推定に必要な色推定用LUTを読み込む。当該LUTは図12の様なデータ構造で構成され、このデータ構造をRGB色空間で模式的に表すと、図11の様に表される。この構成はステップ204の説明内で述べた、図3ならびに図17のデータ構造と全く同じ形式である為、詳細に関しては割愛する。尚、このLUTは、Private RGB値の色を実際に画像出力したものをL*a*b*表色系で測定したものであり、あらかじめ準備してある。
ステップ1003では、Private RGB値と、このRGB値で画像を出力した際の色再現目標たるL*a*b*値との対応セットであるところのi番目の目標色再現情報を、メモリから読み込む。
ステップ1004では、メモリから読み込んだ目標色再現情報より、Private RGB値 CorgとL*a*b*値Drepとの対応関係を一対取得する。また、当該色に対する重みwも同時に取得する。
ステップ1005では、ステップ205で用いたと同じ図5の式を用い、次元の付加によるcmyk値への変換を通して、Private RGB値CorgをPrivate RGB値Ccmpへ変換する。
ステップ1007では、Private RGB値CcmpよりL*a*b*値Dcalを、ステップ1002で読み込んだ色推定用LUTを用いて推定する。推定演算には四面体補間を用い、図4の模式図に示す様な6つに分割された四面体領域毎に補間演算を行う。
ステップ1008では、目標色再現値であるL*a*b*値Drepと、推定したL*a*b*値Dcalとの色差をCIEΔE94で算出し、重みwを乗算して評価値fiとする。
ステップ1009では、目標色再現情報内の総てのPrivate RGB値 CorgとL*a*b*値Drepとの対応関係についてステップ1004から1008までの演算を施したかどうかを判断し、施したのであればステップ1010へ、施したのでなければループ回数を示す変数iに1を加算した後、1ステップ1004へジャンプする。
ステップ1010では、評価値算出処理の終了動作を行う。
以下では、ステップ905の色補正パラメータ更新処理について図13のフローチャートを用いて説明する。図13のフローチャートは、評価値sumを逐次に減少させる為、D.L.S.法(減衰最小自乗法)に基づく色補正パラメータ更新を行うものである。
ここで以下の説明では、行列要素mijとγ変換係数γiと一列に並べてベクトル
Figure 2009004862
として扱い、色補正パラメータの各要素をあらためてベクトル要素xk(k=0〜l)で表す。また、ベクトル
Figure 2009004862
のk番目の要素xkの更新すべき変化量をdiffxkとする。また、ベクトル
Figure 2009004862
に基づく目標色再現情報n(n=0〜p)の評価値をfnとする。
ステップ1301では、ベクトル要素xkに改めるための更新すべき色補正パラメータ、ベクトル要素xk近傍での、要素xkの微小変化量Δ、ダンピングファクタρ(ρ>0)を取得し、設定する。
ステップ1302では、初期化動作として更新すべき色補正パラメータの各要素を次に示す式5によってベクトル要素xkに変換する。
Figure 2009004862
またベクトル
Figure 2009004862
の要素番号を示す変数kを0に設定する。
ステップ1303では、列ベクトル
Figure 2009004862
のk番目の要素xkをステップ1301にて設定した微小変化量Δだけ加算し、変化させる。ここで変化したベクトルを列ベクトル
Figure 2009004862
とする。
ステップ1304では、列ベクトル
Figure 2009004862
に基づき、図10のフローチャートで説明した処理を用いて、評価値を算出する。また、目標色再現情報n(n=0〜p)の番号を示す変数nを0に設定する。
ステップ1305では、列ベクトル
Figure 2009004862
に基づき、図10のフローチャートで説明した処理を用いて算出した評価値fnと、ステップ1304にて算出した列ベクトル
Figure 2009004862
Figure 2009004862
ステップ1306では、ステップ1305の処理が総ての目標色再現情報について施されていればステップ1307へ、そうでなければ色再現情報を表すnに1を加えステップ1305へジャンプする。
ステップ1307では、ステップ1303〜ステップ1306までの処理が、総ての列ベクトル
Figure 2009004862
の要素xkについて施されていればステップ1308へ、そうでなければベクトル
Figure 2009004862
の要素をあらわすkに1を加えステップ1303へジャンプする。
ステップ1308では、ステップ1301にて設定したダンピングファクタ、ステップ1305にて算出したgradientを要素とする行列A、列ベクトル
Figure 2009004862
に基づく評価値列ベクトル
Figure 2009004862
を用いて、次に示す式7から列ベクトル
Figure 2009004862
の要素xkの更新すべき変化量diffxkを算出する。
Figure 2009004862
ステップ1309では、式8、式9から色補正パラメータを更新する。
Figure 2009004862
ステップ1310では、色補正パラメータに対して後述の処理によりインク1次色もしくは2次色で印刷される色が変換後においても同様にインク1次色もしくは2次色で印刷される色となる拘束条件を付加する。
ステップ1311では、色処理パラメータ更新処理の終了動作を行う。
以下では、ステップ1310のインク1次色もしくは2次色で印刷される色が変換後においても同様にインク1次色もしくは2次色で印刷される色となる拘束条件について説明する。ただし、これ以降の説明では8bitで表記されるCMYKの値に関して、255を1に正規化した値としてとして説明する
まず、色補正パラメータによる変換時の入力PrivateCMYKと変換先PrivateC'M'Y'K'の関係は図5の式2から式10のようになる。
Figure 2009004862
次に、PrivateCMYK色空間における1次色もしくは2次色で印刷される色が変換後においても同様に1次色もしくは2次色で印刷される色となる拘束条件について説明する。ここでインク1次色もしくは2次色であるRGBCMYのPrivateCMYK色空間における色座標と変換後に補償されるべき色座標について式11に示す。ただし、Matは色補正パラメータ{m00,m01,…,mij}α(0α1)、β(0β1)は定数を示すものとする。
Figure 2009004862
このとき式10および式11から、
Figure 2009004862
を得る。ただし、1次色C,M,Yについては、2次色R,G,Bから得られる条件式、式13、式14、式15と同一の結果となる。よってPrivateCMYK色空間における1次色もしくは2次色で印刷される色が変換後においても同様に1次色もしくは2次色で印刷される色とするため、色補正パラメータを式12〜式15のように拘束する。また上記拘束条件を適応した補正パラメータは式16のようになる。
Figure 2009004862
尚、本発明ではRGB色信号をCMYK色信号に変換して色補正を行ったが、RGBW信号に変換しても同様の効果を得ることができる。RGBW信号に変換した場合の補正パラメータの拘束条件は図16に示す。さらには、色補正すべき信号がCMY色信号であった場合にも、CMYK色信号もしくはRGBW信号に変換して同様の処理を行うことが可能である。
(他の実施の形態)
<色補正変換の近似演算>
前記実施例ではステップ205での色補正変換として2次非線形変換ならびにγ変換を用いた。しかしながら、演算時間の短縮のため、色補正変換にLUTを用いた近似演算を用いることも可能である。
<色補正変換の他の変換への重畳>
前記実施例では図2のフローチャートにおける一連の色処理を多段に分割して実現したが、色補正変換を他の変換へ重畳することも可能である。
<色補正変換種類>
前記実施例では色補正変換として2次非線形変換を用いたが、3次以上の高次非線形変換を用いることも可能である。また、線形変換を用いることも可能であるし、γ変換、対数変換を組み合わせて用いることも可能である。
<パラメータの更新>
色補正パラメータの更新はD.L.S.法を適用しているが、直交化法、準ニュートン法等のその他最適化手法を適用することが可能である。
本発明の第1の実施例としての画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例におけるプリンタドライバでの画像出力動作を示すフローチャート図である。 RGB色空間での格子点配置を表す模式図である。 四面体補間での領域分割を表す模式図である。 色補正変換の式である。 色補正パラメータ作成アプリケーションのユーザインタフェースを示す図である。 再現色設定の為のユーザインタフェースを示す図である。 色補正パラメータ作成アプリケーションの動作を示す状態図である。 色補正パラメータ算出処理の動作を示すフローチャート図である。 評価値算出の動作を示すフローチャート図である。 RGB色空間での格子点配置を表す模式図である。 LUTのデータ構造を表す図である。 DLS法を用いた色補正パラメータ更新処理を示すフローチャート図である。 (a)k=0の超平面上に位置するcmy空間上で、目標色再現情報の標本の分布をあらわした模式図である。(b)k=64の超平面上に位置するcmy空間上で、目標色再現情報の標本の分布をあらわした模式図である。 k=64の超平面上に位置するcmy空間上に於ける目標色再現情報の標本の分布をあらわした模式図である。 色補正変換の式である。 LUTのデータ構造を表す図である。
符号の説明
101 CPU
102 メインメモリ
103 SCSI I/F
104 ネットワーク I/F
105 HDD
106 グラフィックアクセラレータ
107 カラーモニタ
108 USBコントローラ
109 カラープリンタ
110 キーボード/マウスコントローラ
111 キーボード
112 マウス
113 LAN
114 PCIバス

Claims (3)

  1. 画像の色信号値を変換する画像処理装置であって
    RGBもしくはCMYで表色される3次元色空間上の3次元色信号値を変換する際、前記3次元色信号値をCMYKもしくはRGBWで表色される無彩色の次元を含む4次元色空間上での4次元色信号値に変換し、さらに4次元色信号に対して変換処理を施した後、再度前記3次元色信号値に変換する手段と、
    前記一連の色信号変換の変換特性を算出する変換特性算出手段
    とを備え、さらに前記変換特性算出手段は
    3次元色信号を画像表示した際の色再現目標を所定の3の表色系で与える色再現目標設定手段と、
    前記設定された色再現目標より、前記4次元色信号を画像表示した際の色再現目標を前記所定の表色系で生成する、色再現目標生成手段と、
    4次元色空間上で表現される色信号値を画像表示した際の色を、第3の表色系で推定し、前記推定値が目標に近くなるよう変換特性を算出する算出手段
    とを備え、
    算出に際しては、3次元色空間における色域境界の色が一連の変換後も色域境界の色となるよう、4次元色空間上での変換に於いて所定の一次色もしくは二次色が変換後も一次色もしくは二次色となるように変換特性を算出する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、前記変換特性算出手段における変換特性算出に際しては、
    色再現目標生成手段により生成された4次元色間上における複数色夫々につき、前記所定の表色系での推定色と目標色との差分を評価値として算出し、前記評価値の総和が減ずるよう変換特性を更新していくことで、変換特性を算出する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1に記載の画像処理装置であって、前記一連の色信号変換を別の色信号変換に重畳したことを特徴とする画像処理装置。
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