JP2009003794A - モニタリングデータ決定システム、モニタリングデータ決定方法、およびモニタリングデータ決定プログラム - Google Patents

モニタリングデータ決定システム、モニタリングデータ決定方法、およびモニタリングデータ決定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】システム性能に与える影響に配慮しつつ効率的に必要量のログデータ抽出を可能とする。
【解決手段】モニタリング候補KPI特定情報を受付けて格納するKPI特定情報受信部250と、メッセージデータのうち、モニタリング候補KPIを算出するために必要な情報を受付けて格納するメッセージマッピング部252と、モニタリング候補KPIを算出するために必要なメッセージデータのサイズを算出し、ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、モニタリング候補KPIの情報と対応付けて出力するシステム性能算出部253と、モニタリング対象選択情報を受付けて格納するモニタリング対象選択情報受付部256と、抽出対象データの抽出指示を生成する抽出指示生成部257とからモニタリングデータ決定システム200を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モニタリングデータ決定システム、モニタリングデータ決定方法、およびモニタリングデータ決定プログラムに関し、具体的には、ミドルウェアが扱うメッセージデータから抽出し保存すべきログデータをシステム性能に与える影響を考慮して選択する技術に関する。
既存の情報処理装置から、所定のメッセージデータを抽出するための様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、識別子等の他の情報の発行を伴うことなく、広告サイト( アフィリエイトサイト) の広告の成果を確実に登録することを可能とする広告成果登録装置、広告成果登録処理方法、及び広告成果登録処理プログラムを提供するとの目的の下、I P ネットワーク上の商用サイトにリンクされた広告の掲載された広告サイトを特定するサイト識別情報を登録保持する登録サイトデータベースと、前記I P ネットワーク上に前記商用サイトを提供する商用サーバへの各アクセスに至るアクセス経路を表すアクセスログを取得するログ取得手段と、前記ログ取得手段にて取得されたアクセスログを追跡して、前記商用サイト上での商取引完了に至るプロセスの起源となる当該商用サイトへのアクセスが前記登録サイトデータベースに登録保持されたサイト識別情報にて特定される広告サイトを経由したものであるか否かを判定する経由サイト判定手段と、前記経由サイト判定手段にて前記商取引完了に至るプロセスの起源となる当該商用サイトへのアクセスが前記広告サイトを経由したものであるとの判定がなされたときに、前記広告サイトに関連付けて成果情報を登録する成果情報登録手段とを有する広告成果登録装置などの技術が開示されている。
特開2006−31076号公報
ところで、上記のような既存の情報処理装置から所定のメッセージデータを抽出するための技術、中でもミドルウェアを備えた既存の情報処理装置から所定のメッセージデータを抽出するための技術の一例として、ミドルウェアを備えた企業の業務システムから、重要業績評価指標たるKPI(Key performance indicator)をモニタリングするため、必要なメッセージデータを抽出するシステムが挙げられる。図12に、このようなシステムの構成例を示している。
図12の業務システムでは、例えば勤怠管理システム、旅費清算システムなどといった個別の「サービス」1〜3(101、102、103)を提供するソフトウェアと、オペレーションシステム(以下、OSという)を含めたサーバA(106)、B(107)との間をミドルウェア104、105が接続している。企業の社員などのユーザは、クライアント端末1〜3(113、114、115)などから、通信ネットワーク112を経由して、これらのサービスソフトウェア101〜103を利用する。
上記メッセージデータは、これらのサービスソフトウェア101〜103やミドルウェア104、105を流れる。ここでは、メッセージデータのうち、あらかじめ抽出し保存するよう定められたものを、ミドルウェア104、105が判断して、当該ミドルウェア104、105から抽出し、ログファイルデータベース109、111に保存することとする。具体的には例えば、ミドルウェア104、105が、取得(抽出)すべきログデータの定義を格納したデータベース108、110を参照して、該当するログデータを抽出し、保存する。
ここで、ログファイルデータベース109、111に保存されたログデータは、上記の、企業の業務システムから重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするシステム(以下、モニタリングシステムという)などによって利用される。なるべく多くの種類のKPIを、それぞれ多くのメッセージデータを元にモニタリングすればするほど、正確かつ詳細な業績評価が可能となるため、モニタリングシステムを利用するユーザ(例えば企業の管理職など)の立場からは、なるべく多くのログデータを抽出し、データベース108、110に保存しておくことが望ましい。
ところが、ログデータは一般的に膨大で、全てのログデータを抽出し保存しておくことは難しい。なぜならば必要なサーバ装置やハードディスクなどのハードウェアやソフトウェアが膨大となったり、著しく高価となってしまうからである。また、抽出し保存するログデータの量は、膨大となり、ミドルウェアの性能、ひいては当該ミドルウェアを含む情報処理装置全体のシステム性能に影響を与えるので、あまりに多くのログデータを抽出し保存することとすると、ミドルウェアや情報処理装置全体のシステム性能を低下させてしまう。このことは、サービスソフトウェア101〜103を利用するユーザなどにとっての利便性低下につながってしまう。
そこで、システム性能に与える影響を許容範囲内に抑えつつ効率的にログデータを抽出する技術が望まれていた。そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、システム性能に与える影響に配慮しつつ効率的に必要量のログデータ抽出を可能とする技術の提供を主たる目的とする。
本発明のモニタリングデータ決定システムは、ミドルウェアを流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを決定する、モニタリングデータ決定システムであって、モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けて、メモリに格納する、KPI特定情報受信部と、ミドルウェアを流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けて、メモリに格納する、メッセージマッピング部と、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェアを流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェースに出力する、システム性能算出部と、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイスより受け付けてメモリに格納する、モニタリング対象選択情報受け付け部と、前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信する、抽出指示生成部と、を備える。
また、前記モニタリングデータ決定システムにおいて、KPIと当該KPIに業績評価上関連しうる関連KPIとの関係情報を格納した、KPIデータベースを備え、前記KPI特定情報受信部にて受信した、モニタリング候補のKPIを特定する情報をメモリから読み出し、これに基づいて、当該モニタリング候補のKPIと業績評価上関連しうる関連KPIを前記KPIデータベースから読み出して出力インターフェースに出力する、関連KPI検索部を備え、前記KPI特定情報受信部は、前記出力された関連KPIを含む複数のKPIの中から選択されるKPIをモニタリング候補として特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する、とすれば好適である。
また、前記モニタリングデータ決定システムにおいて、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なメッセージデータの発生件数を格納したメッセージ件数データベースを備え、前記システム性能算出部は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベースから読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置の性能値を算出するとすれば好適である。
また、前記モニタリングデータ決定システムにおいて、前記情報処理装置におけるメッセージデータのログ量とスループットとの関係情報を格納するシステム性能データベースを備え、前記システム性能算出部は、前記メッセージデータのデータサイズに基づき、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なログ量を算出し、当該算出されたログ量に対応する前記情報処理装置のスループットを前記システム性能データベースから読み出し、当該スループットに基づいて前記情報処理装置の性能値を算出するとすれば好適である。
また、前記モニタリングデータ決定システムにおいて、前記性能値の許容範囲としてあらかじめ設定された性能閾値を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する、性能閾値情報受信部と、前記システム性能算出部により算定された前記性能値と、メモリから読み出した前記性能閾値とを比較し、前記性能値が前記性能閾値の許容範囲内である場合に、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択し、モニタリング対象選択情報としてメモリに格納する、モニタリング対象選択部を備えるとすれば好適である。
また、前記モニタリングデータ決定システムにおいて、前記抽出指示を送信された抽出対象データを間引き抽出するパターンを、サンプリングパターンとして格納した、サンプリングパターンデータベースを備え、前記抽出対象データを間引き抽出する前記性能値の基準を、サンプリング基準情報として入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する、サンプリング基準情報受信部と、前記ミドルウェアが前記抽出対象データを処理する都度、性能値と、前記メモリから読み出した前記サンプリング基準情報とを比較し、その結果に基づき、前記サンプリングパターンデータベースから前記サンプリングパターンを選択し、当該サンプリングパターンに従う間引き抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信する、間引き抽出指示生成部とを備えるとすれば好適である。
また、前記モニタリングデータ決定システムにおいて、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なメッセージデータの発生件数を格納したメッセージ件数データベースを備え、前記メッセージ件数データベースに格納された前記メッセージデータの発生件数を、前記間引き抽出指示生成部により生成された前記間引き抽出指示を反映させて更新する、メッセージ件数データベース更新部を備え、前記システム性能算出部は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベースから読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置の性能値を算出するとすれば好適である。
また、本発明のモニタリングデータ決定方法は、ミドルウェアを流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを設定するコンピュータが、モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する処理と、ミドルウェアを流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する処理と、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェアを流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェースに出力する処理と、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイスより受け付けてメモリに格納する処理と、前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信する処理と、を実行する。
また、本発明のモニタリングデータ決定プログラムは、ミドルウェアを流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを設定するコンピュータに、モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納するステップと、ミドルウェアを流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納するステップと、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェアを流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェースに出力するステップと、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイスより受け付けてメモリに格納するステップと、前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信するステップと、を実行させるプログラムである。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、システム性能に与える影響に配慮しつつ、効率的に必要量のログデータ抽出が可能となる。
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態のモニタリングデータ決定システム200を含むネットワーク構成図である。前記モニタリングデータ決定システム200(以下、システム200という)は、ミドルウェア301を流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを決定するシステムである。KPIとは企業における個人や組織の、目標を達成するプロセスをモニタリングするために設定される指標のうち、特に重要なものを指す。
システム200は、例えば上述の図12のような、ミドルウェア301を備えた既存の情報処理装置300としての企業の業務システム300(以下、業務システム300という)に接続されて使用される。業務システム300のミドルウェア301は、業務システム300で処理されるメッセージデータの通信や処理の実行優先度などを制御する。本実施形態でメッセージデータとは、業務システム300が処理するデータとその処理(トランザクション)の発生日時などの情報とを含む、いわゆる生データのことを指す。業務システム300のミドルウェア301は、一般的に膨大な量のメッセージデータのうち、所定の一部をログデータとして抽出し、データベースなどの記憶装置に保存する。
前記システム200の機能構成としては、本発明のモニタリングデータ決定方法を実行する機能を実現すべく、ハードディスクドライブなどの記憶装置201にプログラム202を備えて、このプログラム202をメモリ203に読み出し、演算装置たるCPU204により実行する。また、前記システム200は、各種ボタン類などの入力インターフェイス205や、ディスプレイなどの出力インターフェイス206、ならびに業務システム300などの外部装置との間のデータ授受を担う通信装置207などを有している。前記システム200は、前記通信装置207により、業務システム300などの外部装置と例えば公衆回線網、インターネットや無線LANなどの各種ネットワーク(図示省略)を介して業務システム300に接続されていてもよい。システム200の各種機能部と通信装置207との間ではI/O部208がデータのバッファリングや各種仲介処理を実行している。
続いて、前記システム200が、例えばプログラム202に基づき構成・保持する機能部につき説明を行う。なお、前記システム200は、KPIデータベース225と、メッセージデータベース226と、メッセージ件数データベース227と、システム性能データベース228と、サンプリングパターンデータベース229とを利用可能であるとする。前記各データベース225〜229は、前記システム200のハードディスクドライブなどの適宜な記憶装置201に備わるものとする。或いは、これらデータベース225〜229がシステム200とは別に通信ネットワーク上に存在することとしてもよい。この場合、前記システム200はたとえばDBMS(Database Management System)を備え、通信ネットワークを介して前記各データベース225〜229にアクセスし、情報登録や情報検索などの処理を実行するものとする。
こうしたシステム200は、モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する、KPI特定情報受信部250を備える。
例えば、社員や社内の組織の業績評価を行うためにKPIのモニタリングを実行したい管理職などのユーザ(以下、KPI利用ユーザという)が、入力インターフェース205から、モニタリング候補のKPIを特定する情報を入力する。そのような場合、通信ネットワークなどを介してシステム200に接続されたパーソナルコンピュータなどの端末から、モニタリング候補のKPIを特定する情報を入力することとしてもよい。
ここで、モニタリング候補とするKPIは、複数特定することも可能であることが好ましい。本実施形態では、後述するように、複数特定することが可能である。
また、システム200は、前記KPI特定情報受信部250にて受信した、モニタリング候補のKPIを特定する情報をメモリ203から読み出し、これに基づいて、当該モニタリング候補のKPIと業績評価上関連しうる関連KPIを前記KPIデータベース225から読み出して出力インターフェース206に出力する、関連KPI検索部251を備える。この時、前記KPI特定情報受信部250は、前記出力された関連KPIを含む複数のKPIの中から選択されるKPIをモニタリング候補として特定する情報を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する。
図2に、KPIデータベース225に格納された、KPIと当該KPIに業績評価上関連しうる関連KPIとの関係情報の一例を、イメージ的に説明する説明図を示す。図2の例では、顧客数、納期遵守率といった指標をKPIとしてあらかじめ設定している。また、これらのKPIと直接的に業績評価上関連しうる指標である関連KPIとして、売り上げ単価、発注リードタイム、発注作業人員数、発注作業時間、人件費単価といった指標をあらかじめ設定している。本実施形態のモニタリングデータ決定システム200では、どのような指標をKPIと設定し、関連KPIと設定するかは、KPI利用ユーザなどが任意に編集することができる。
本実施形態のモニタリングデータ決定システム200では、関連KPI検索部251の機能により、KPI利用ユーザなどが入力し、KPI特定情報受信部250によってメモリ203に格納されたモニタリング候補となるKPIと、業績評価上関連しうる関連KPIとの関係情報を、図2に示すような、感覚的にも容易に把握容易なツリー構造の形で出力インターフェース206から出力し、ディスプレイ画面などに表示させることができる。このため、KPI利用ユーザなどは、手間をかけることなく簡単に、関連KPIを含む複数のKPIの中からモニタリング候補KPIを選択することができ、非常に有利である。
さらに図2に示すように、本実施形態の関連KPI検索部251は、通常はKPIとして設定しない各種の指標をも、関連KPIと同じようにKPIとの関連をツリー構造で表示してよい。図2の例では、利益、売上高、販売管理費、といった財務指標をこのような非KPI指標として設定している。これにより、KPI利用ユーザなどは、通常はKPIと設定しないが、業績評価上、必要となりうる各種の指標をも、手間をかけることなく簡便にモニタリング候補として選択することができ有用である。
また、システム200は、ミドルウェア301を流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する、メッセージマッピング部252を備える。
通常、KPIそれ自体がミドルウェア301や業務システム300の中を流れていることはなく、KPIは、複数種のメッセージデータを用いて計算される。もちろん、業務システム300よりKPIそのものの値が出力される場合もある。そこで、本実施形態では、KPI利用ユーザなどが、モニタリング候補のKPIを算定するために必要なメッセージデータの種類を入力する。メッセージマッピング部252では、KPI利用ユーザなどが入力したこの情報を入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する。前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なメッセージデータを特定する情報の具体例については、後述する。
また、システム200は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを、前記ミドルウェア301を流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェア301が含まれる情報処理装置(業務システム)300の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェース206に出力する、システム性能算出部253を備える。
本実施形態では具体的には、システム性能算出部253は、メッセージデータベース226を参照しつつ、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出する。また、システム性能算出部253は本実施形態では、業務システム300の性能値を、スループットとして算出する。その具体例については後述する。また、システム性能算出部253は本実施形態では、算出された性能値を、前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて、出力インターフェース206から、KPI利用ユーザなどが参照できるよう、ディスプレイ画面に表示する。
また、前記システム性能算出部253は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベース227から読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置300の性能値を算出する。
これにより、前記情報処理装置300の性能値をより正確に算出することが可能となり、有利である。
メッセージ件数データベース227に格納される、各メッセージデータの発生件数は、単に過去の実績数を登録することとしてもよいし、何らかのアルゴリズムにより自動計算される、あるいは人手により入力される将来的な予測数を登録することとしてもよい。本実施形態において、メッセージ件数データベース227に格納される、メッセージデータの発生件数は、基本的には過去の実績数を登録することとし、さらに、後述するように、ミドルウェア301が抽出対象データを間引き(サンプリング)抽出した場合は、その影響を随時反映させることとしている。
また、前記システム性能算出部253は、前記メッセージデータのデータサイズに基づき、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なログ量を算出し、当該算出されたログ量に対応する前記情報処理装置のスループットを前記システム性能データベース228から読み出し、当該スループットに基づいて前記情報処理装置300の性能値を算出する。
また、システム200は、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイス205より受け付けてメモリ203に格納する、モニタリング対象選択情報受け付け部254を備える。
これにより例えば、KPI利用ユーザは、システム性能算出部253により算定され、ディスプレイ画面に出力された前記性能値を参照し、その結果に基づいて、モニタリング対象選択情報を入力インターフェース205から入力することができる。
ここで、変形例として、KPI利用ユーザなどにより入力されたモニタリング対象選択情報を、モニタリング対象選択情報受け付け部254の機能により、入力インターフェース205から受け付け、モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを決定するのではなく、システム200が自動的に決定することとしてもよい。
そのような場合、システム200は、前記性能値の許容範囲としてあらかじめ設定された性能閾値を、入力インターフェース205より受け付けてメモリ203に格納する性能閾値情報受信部255と、前記システム性能算出部253により算定された前記性能値と、メモリ203から読み出した前記性能閾値とを比較し、前記性能値が前記性能閾値の許容範囲内である場合に、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択し、モニタリング対象選択情報としてメモリ203に格納するモニタリング対象選択部256を備える。後述する本実施形態の処理フロー例では、この変形例のように、モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを示すモニタリング対象選択情報を、システム200が自動的に決定することとしている。
また、システム200は、前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェア301に送信する、抽出指示生成部257を備える。
また、システム200は、前記抽出対象データを間引き抽出する前記性能値の基準を、サンプリング基準情報として入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する、サンプリング基準情報受信部258を備える。
また、システム200は、前記ミドルウェア301が前記抽出対象データを処理する都度、性能値と、前記メモリ203から読み出した前記サンプリング基準情報とを比較し、その結果に基づき、前記サンプリングパターンデータベース229から前記サンプリングパターンを選択し、当該サンプリングパターンに従う間引き抽出指示を生成し前記ミドルウェア301に送信する、間引き抽出指示生成部259とを備える。
これらサンプリング基準情報受信部258および間引き抽出指示生成部259の機能により、KPI利用ユーザなどは、単に、あるKPIをモニタリング対象として選択するか否か(すなわち、あるメッセージデータをログデータとして抽出するか否か)という設定のみならず、モニタリング対象として選択したKPIに該当するログデータについての間引き抽出度合い(サンプリングの程度)をも設定することができる。しかもその間引き抽出度合いを設定するには、前記システム性能算出部253により、算定され、ディスプレイ画面などに出力された前記性能値を参照した上で、サンプリング基準情報を入力インターフェース205から入力することにより、業務システム300の性能値への影響を適切に考慮した上で、設定することができる。つまり、業務システム300の性能に与える影響をなるべく抑えるために取り得る手段として、KPIを選択する(抽出対象データを決定することに相当する)のみならず、選択したKPIに該当するログデータの抽出間引き=サンプリング度合いをも選択できることになり、ユーザビリティと処理効率の両立という面で非常に有利な効果を奏する。
間引き抽出のサンプリングパターンは、本実施形態では上述のように、間引き抽出指示生成部259が、性能値と、前記メモリ203から読み出した前記サンプリング基準情報とを比較し、その結果に基づいて選択することとしている。しかしながら変形例として、KPI利用ユーザなどが入力インターフェース205から入力することにより、サンプリングパターンを決定するようにしてもよい。
図3は本実施形態におけるサンプリングパターンデータベース229のデータ内容をイメージ的に示す表である。この例では、抽出対象データを、そのトランザクションIDの下一桁の数値、すなわち関数を使って書けば、"トランザクションID mod 10"で分類している。また、AからLまでの11種類のサンプリングパターンを用意している。表中の"○"は、該当するトランザクションIDの抽出対象データを抽出(取得)することを示し、反対に"×"は、該当するトランザクションIDの抽出対象データを抽出(取得)しない、すなわち間引くことを示す。上述の変形例のように、KPI利用ユーザなどが入力インターフェース205から入力することにより、サンプリングパターンを決定する場合には、間引き抽出指示生成部259の機能として、本サンプリングパターンの表を、「現在のサンプリングパターン」ゲージ400とともに、ディスプレイ画面などに表示し、当該ゲージ400をユーザが操作することにより、サンプリングパターン選択情報を入力インターフェース205から受け付けることとすればよい。以上はとトランザクションIDが整数の場合を想定した説明であったが、アルファベットなどの他の文字を用いた場合でも、整数に換算することにより、同様に処理が可能である。また、上記説明における関数以外の方法、例えば、乱数による間引きなどの方法でも良い。
また、システム200は、前記メッセージ件数データベース227に格納された前記メッセージデータの発生件数を、前記間引き抽出指示生成部257により生成された前記間引き抽出指示を反映させて更新する、メッセージ件数データベース更新部260を備える。そして、前記システム性能算出部253は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベース227から読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置300の性能値を算出する。
このように、抽出対象データの間引き抽出=サンプリングを行った場合に、その間引き状況を、メッセージ件数データベース227に格納されたメッセージの発生件数情報にフィードバックさせて、随時反映させることにより、メッセージ発生件数情報を常に最新の正確な値に保ち、それを用いて業務システム300の性能値を算定し、出力することが出来るので、有利である。
なお、これまで示した前記システム200における各機能部250〜260は、ハードウェアとして実現してもよいし、メモリ203やHDD(Hard Disk Drive)などの適宜な記憶装置に格納したプログラム202として実現するとしてもよい。この場合、前記システム200のCPU204が、プログラム202実行に合わせて記憶装置より該当プログラム202をメモリ203に読み出して、これを実行することとなる。
−−−データベース構造−−−
次に、本実施形態のシステム200が利用する、メッセージデータベース226と、メッセージ件数データベース227と、システム性能データベース228の各データ構造、および前記抽出指示生成部257が生成する抽出指示のデータの内容について説明する。なお、図2に示したような、KPIデータベース225のデータ構造については、すでに説明したので省略する。また、図3に示したような、サンプリングパターンデータベース229のデータ構造についても、すでに説明したので省略する。
図4は、本実施形態におけるメッセージデータベース226のデータ構造例500を示す図である。図4に示すように、前記メッセージデータベース226は、ミドルウェア301を流れるメッセージデータの内容を格納するデータベースである。メッセージデータベース226に格納されたデータは例えば、システム性能算出部253により、業務システム300の性能値を算定する際、必要なメッセージデータのデータサイズを算出するために利用される。
メッセージデータベース226のデータ構造は、例えば、メッセージ名に、フィールド名やデータ型といった情報を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、図5は本実施形態におけるメッセージ件数データベース227のデータ構造例600を示す図である。図5に示すように、前記メッセージ件数データベース227は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なメッセージデータの発生件数を格納するものであり、例えばメッセージ名をキーとして、単位時間当たりの発生件数といった情報を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、図6は本実施形態におけるシステム性能データベース228のデータ内容700をイメージ的に示すグラフである。図6に示すように、前記システム性能データベース228は例えば、情報処理装置300におけるメッセージデータのログ量と、そのログ量のときの情報処理装置300のスループットとの一対一の対応関係の情報を格納するものである。
図7は、本実施形態における抽出指示のデータのデータ構造例800を示す図である。図7に示すように、前記抽出指示のデータは、前記抽出指示生成部257が生成し、ミドルウェア301に送信されるデータであり、そのデータ構造は、例えば、KPI指標に、抽出すべきログの定義を対応付けたレコードの集合体となっている。抽出すべきログの定義は、さらに、メッセージ名およびフィールド名という二つのデータから構成されている。
−−−処理フロー例−−−
以下、本実施形態におけるモニタリングデータ決定方法に対応する処理フロー例について、図に基づき説明する。なお、以下で説明するモニタリングデータ決定方法に対応する各種動作は、前記システム200が、適宜なメモリ203に読み出して実行するプログラム202によって実現される。そして、こうしたプログラム202は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードからそれぞれ構成されている。
−−−処理フロー例1−−−
図8は、本実施形態のモニタリングデータ決定方法の実施手順例1を示すフロー図である。ここではまず、モニタリングデータ決定の全体的な流れについて説明する。また、ここでは、間引き抽出(サンプリング)は行わない例について説明する。
まず、システム200のKPI特定情報受信部250では、モニタリング候補KPIを特定する情報を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する(s100)。本実施形態では、図9の(1)に示すKPI入力画面1001をシステム200のディスプレイ画面に表示し、KPI利用ユーザなどが当該KPI入力画面1001上でモニタリング候補となるKPIを1つ入力する。本実施形態では、ユーザは、ステップs100で、業績評価のためのモニタリングの中心となるようなKPIを、まず1つだけ指定する。
次に、上記KPI入力画面1001でモニタリング候補KPIを入力したユーザによってKPI入力画面1001の「検索」ボタンが押されると、関連KPI検索部251は、前記KPI特定情報受信部にて受信した、モニタリング候補のKPIを特定する情報をメモリから読み出し、これに基づいて、当該モニタリング候補のKPIと業績評価上関連しうる関連KPIを前記KPIデータベースから読み出して出力インターフェースに出力する(s102)。本実施形態では、具体的には、図9の(2)に示す関連KPI表示/編集画面1002をシステム200のディスプレイ画面に表示する。
関連KPI表示/編集画面1002には、ステップs100でユーザが中心となるモニタリング候補KPIとして指定した「A」のKPIがハイライトされ、当該「A」のKPIに対する関連KPIなどがツリー構造で表示されている。ユーザはこの関連KPI表示/編集画面1002で、一つないし複数の、追加的モニタリング候補となるKPIを指定する。本実施形態では、ユーザは、関連KPI表示/編集画面1002上で、KPI「A」に関連する、関連KPI、および非KPIである財務指標など(図中の、a、d、b、c、e、f)を選択したものとする。さらに本実施形態では、ユーザは、これら6個の追加的モニタリング候補KPIについて、優先順位を指定できるものとする。上記「1」〜「6」のナンバリングは、これら追加モニタリング候補KPIの優先順位を示している。
また、本実施形態の関連KPI表示/編集画面1002では、これらKPIや関連KPIの、ツリー構造で表示された関係情報を、編集することも可能となっている。ユーザがこの関係情報を編集した場合には、システム200の機能により、この関係情報が格納されているKPIデータベースの内容が更新される。
ユーザが関連KPI表示/編集画面1002で上記追加的モニタリング候補となるKPIを指定すると、KPI特定情報受信部250は、これら追加的モニタリング候補KPIも、ステップs100で指定されたモニタリング候補KPI「A」と同様のモニタリング候補として、ステップs100と同様の処理を実行する。すなわち、追加的モニタリング候補KPI(a、d、b、c、e、f)を特定する情報を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する(s104)。
次に、メッセージマッピング部252は、ミドルウェア301を流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPI(A、a、d、b、c、e、f)を算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する(s106)。
具体的には本実施形態では、一例として、KPI利用ユーザなどが、式(1)のようなKPI算定式を入力する形で、各モニタリング候補のKPI(a、d、b、c、e、f)を算出するために必要なメッセージデータを特定する。
上下に二つ並んだ式(1)のうち、上の式では、モニタリング候補KPIとしての「リードタイム」を算定する式を示している。KPIであるリードタイムは、m3というメッセージデータとm12というメッセージデータから算定される。式(1)で、アンダーバーで連結された「m3_完了日」とは、上述したメッセージデータベース226のデータ構造における、メッセージ名とフィールド名を有するメッセージデータを表している。他のアンダーバーで連結された、「m3_完了時間」、「m12_開始日」、「m12_開始時間」なども同様である。また、式(1)で「平均」とあるのは、「そのメッセージデータについての全てのトランザクションの平均を取る」という意味の演算子を表している。また、式(1)のうち、下の式は、上記の式の二つのメッセージデータm3とm12とを用いてリードタイムを計算する際、同じトランザクションIDを有するもの同士を用いて加算や減算するということを意味している。言い換えれば、KPIを複数のメッセージデータから算定する場合は、トランザクションIDをキーとして、計算するという意味である。
次に、システム性能算出部253は、前記モニタリング候補のKPI(a、d、b、c、e、f)を算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェア301を流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェア301が含まれる情報処理装置300の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェース205に出力する(s108)。このステップs108の、性能値を算定する処理の詳細については、後述する処理フロー例2において、説明する。
ステップs108の結果として、図9の(3)に示す、性能値表示/性能閾値設定画面1003がシステム200のディスプレイ画面に表示される。図9の(3)の例では、性能値表示/性能閾値設定画面1003の画面に二本の棒グラフが描かれている。棒グラフの縦軸は、情報処理装置300の性能値を示す単位の一例としてのスループットである。二本の棒グラフのうち、左の「ベース性能」は、中心となるKPI「A」のみを抽出対象データとした場合の性能値である。右の「KPI1〜3抽出」のグラフは、一例として、ステップs104で選択された6つの追加的モニタリング候補KPI(a、d、b、c、e、f)のうち、優先順位が第1位から第3位までのa、d、bのKPIを、KPI「A」に加えて抽出対象データとした場合の性能値である。抽出対象データが増加する分、情報処理装置300の性能値であるスループットが低下している。
次に、システム200は、モニタリング候補KPIをモニタリング対象として選択するか否かを決定する処理(s110)を実行する。本実施形態では、このモニタリング対象KPIの選択処理は、上記モニタリング対象選択情報受け付け部254によってモニタリング対象選択情報を入力インターフェース205から受信するのではなく、システム200が自動的に決定する。すなわち、まず、性能閾値情報受信部255が、前記性能値の許容範囲としてあらかじめ設定された性能閾値を、入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納し、次に、モニタリング対象選択部256が、前記システム性能算出部253により算定された前記性能値と、メモリ203から読み出した前記性能閾値とを比較し、前記性能値が前記性能閾値の許容範囲内である場合に、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択し、モニタリング対象選択情報としてメモリ203に格納する。
上記性能閾値は、図9の(3)の性能値表示/性能閾値設定画面1003において、ユーザが入力する。本実施形態では具体的には、画面右側の、性能閾値設定ゲージ900を上下に動かすことにより、性能値を示すスループットの許容範囲として設定される性能閾値を入力する。
本実施形態では、モニタリング対象選択部256が、ステップs104で優先順位を指定しつつ選択された6つの追加的モニタリング候補KPI(a、d、b、c、e、f)のうち、優先順位が第一位のものから、抽出対象データとした場合の性能値が前記性能閾値の許容範囲内であるものまでを、自動的にモニタリング対象として選択する。図9の(3)の性能値表示/性能閾値設定画面1003の例では、優先順位第三位までのa、d、bのKPI、関連KPIがモニタリング対象として選択されたイメージを示している。
次に、システム200は、さらに別のKPIまたは関連KPIなどを、追加的モニタリング候補として選択するか否かを問う表示を出力インターフェース206に出力する(s112)。
ユーザが、さらに別のKPIを追加的にモニタリング候補として指定し、それを抽出対象データとした場合の性能値をシステム200に算定させ、再度性能閾値を入力しつつ、モニタリング対象とすることが可能かどうかを調べたい場合(s112:YES)には、その旨を入力インターフェース205などから入力することにより、システム200の処理はステップs102に戻る。
ユーザが、ステップs110で選択されたモニタリング対象のKPIで満足な場合(s112:NO)には、その旨を入力インターフェース205などから入力することにより、システム200の処理はステップs114へと進む。その場合、具体的には、図9の(4)のモニタリング対象決定画面1004において、「決定」ボタンをユーザが押すことにより、処理がステップs114へと進む。
ステップs114では、システム200は、ステップs110でモニタリング対象と選択されたKPI(本フロー例では、A、a、d、b)を確定するか否かを問う表示を出力インターフェース206に出力する。ユーザが、中心となるモニタリング候補KPIを別のKPIに変更したい場合など、本フローの処理を初めからやり直したい場合(s114:NO)には、その旨を入力インターフェース205などから入力することにより、システム200の処理はステップs102に戻る。
ユーザが、ステップs110で選択されたモニタリング対象を確定する場合(s112:YES)には、その旨を入力インターフェース205などから入力することにより、システム200の処理はステップs116へと進む。
次に、抽出指示生成部257は、前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェア301に送信する(s116)。
以上で本フローの処理は終了する。
−−−処理フロー例2−−−
図10は、本実施形態のモニタリングデータ決定方法の実施手順例2を示すフロー図である。ここでは、処理フロー例1における性能値の算出ステップ(s108)の詳細について説明する。
まず、システム性能算出部253は、処理フロー例1のステップs106で取得した、各モニタリング候補KPIを計算するために必要なメッセージデータを特定する情報に基づいて、それら必要なメッセージデータの、メッセージ一件当り(すなわち、一つのトランザクション当りの)のログ量を算定する(s200)。
具体的には本実施形態では、一例として、式(2)のように、メッセージ一件当りのログ量を求めることとする。
前記式(1)では、「リードタイム」というKPIを計算するために、m12およびm3という種類のメッセージデータが必要であった。式(2)の二つの式は、m12およびm3のそれぞれについて、メッセージデータ一件当りのログ量を求める式の一例である。式中、"sizeof"とは、括弧の中のデータの大きさを計算する関数である。上の式の例では、m12というメッセージデータの一件当りのログ量(大きさ)を、当該m12メッセージデータの「トランザクションID」、「開始日」、および「開始時刻」のデータの大きさを合計することにより求めている。m12メッセージデータの「トランザクションID」、「開始日」、および「開始時刻」のデータは、システム性能算出部253が、前記メッセージデータベース226から読み出す。同様に、下の式の例では、m3というメッセージデータの一件当りのログ量(大きさ)を、当該m3メッセージデータの「トランザクションID」、「完了日」、および「完了時間」のデータの大きさを合計することにより求めている。
次に、システム性能算出部253は、ステップs200で算定されたメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベース227から読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、それらメッセージデータの、単位時間当りのログ量を算定する(s202)。
具体的には本実施形態では、一例として、式(3)のように、単位時間当たりの各メッセージのログ量を求めることとする。
式(3)の二つの式は、上記式(2)で算定された、m12およびm3それぞれのメッセージデータ一件当りのログ量を用いて、各メッセージデータm12およびm3の単位時間当たりのログ量を求める式の一例である。上下2つの式のそれぞれ第二項が、式(2)で算定された、m12およびm3それぞれのメッセージデータ一件当りのログ量である。上下2つの式では、それぞれ、第一項の「メッセージ件数」のデータと第二項の「メッセージデータ一件当りのログ量」とを乗算することにより、各メッセージデータm12およびm3の単位時間当たりのログ量を求めている。上下2つの式の第一項の「メッセージ件数」のデータは、システム性能算出部253が、前記メッセージ件数データベース227から読み出す。
次に、システム性能算出部253は、これらのメッセージデータm12およびm3を前記ミドルウェア301を流れるメッセージデータより抽出すべき抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェア301が含まれる情報処理装置300の性能値を算出する(s204)。具体的には、ステップS202で求められた各メッセージデータm12およびm3の単位時間当たりのログ量を合計し、当該算出された各メッセージデータm12およびm3の単位時間当たりのログ量に対応する情報処理装置300のスループットを、前記システム性能データベース228から読み出し、当該スループットに基づいて情報処理装置300の性能値を算出する。システム性能データベース228には、前述のように、情報処理装置300におけるメッセージデータのログ量とスループットとの関係情報が格納されている。
以上で本フローの処理は終了する。
−−−処理フロー例3−−−
図11は、本実施形態のモニタリングデータ決定方法の実施手順例3を示すフロー図である。ここでは、処理フロー例1で抽出対象データと決定されたメッセージデータを含むログデータを、ミドルウェア301に、間引き抽出(サンプリング)させるための一連の処理について説明する。
まず、システム200のサンプリング基準情報受信部258は、処理フロー例1で決定された前記抽出対象データを間引き抽出する、情報処理装置300の性能値の基準を、サンプリング基準情報として入力インターフェース205より受け付けて、メモリ203に格納する(s300)。具体的には、図9の(3)の性能値表示/性能閾値設定画面1003と同様の画面において、ユーザがサンプリング基準情報入力することなどとすればよい。
次に、間引き抽出指示生成部259は、前記ミドルウェア301が前記抽出対象データを処理する都度、性能値と、前記メモリ203から読み出した前記サンプリング基準情報とを比較し、その結果に基づき、前記サンプリングパターンデータベース229から前記サンプリングパターンを選択する(s302)。具体的には、図3に示したようなサンプリングパターンA〜Lの中から、適切なサンプリングパターンを選択することとすればよい。
次に、間引き抽出指示生成部259は、当該サンプリングパターンに従う間引き抽出指示を生成し前記ミドルウェア301に送信する(s304)。これにより、ミドルウェア301は、抽出対象データを抽出処理しようとする都度、当該抽出対象データを抽出処理するのかあるいは間引き処理(抽出しない)するのかを判断することとなる。
次に、メッセージ件数データベース更新部260は、前記メッセージ件数データベース227に格納された前記メッセージデータの発生件数を、前記間引き抽出指示生成部259により生成された前記間引き抽出指示を反映させて更新する(s306)。
次に、前記システム性能算出部253は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベース227から読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置300の性能値を算出する(s308)。すなわち、処理フロー例1の場合と異なり、メッセージ件数データベース227の情報は随時最新のものに更新され、従って、算定される前記情報処理装置300の性能値は、常に最新のメッセージデータ発生件数が反映されたものとなる。
以上で本フローの処理は終了する。
以上、本実施形態によれば、システム性能に与える影響に配慮しつつ効率的に必要量のログデータ抽出が可能となる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本実施形態のモニタリングデータ決定システムの構成図である。 本実施形態におけるKPIデータベースのデータ構造をイメージ的に示す説明図である。 本実施形態におけるサンプリングパターンデータベースのデータ構造をイメージ的に示す説明図である。 本実施形態におけるメッセージデータベースデータベースのデータ構造例を示す図である。 本実施形態におけるメッセージデータ件数ベースデータベースのデータ構造例を示す図である。 本実施形態におけるシステム性能データベースのデータ構造をイメージ的に示す説明図である。 本実施形態における抽出指示データのデータ構造例を示す図である。 本実施形態のモニタリングデータ決定方法に対応する処理フロー例1を示す図である。 本実施形態のモニタリングデータ決定方法に対応する処理フロー例1において使用されるディスプレイ表示画面の一例(1)〜(4)を示す図である。 本実施形態のモニタリングデータ決定方法に対応する処理フロー例2を示す図である。 本実施形態のモニタリングデータ決定方法に対応する処理フロー例3を示す図である。 従来技術における、ミドルウェアを備えた企業の業務システムから、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするため、必要なメッセージデータを抽出するシステムの一例を示す、ネットワーク構成図である。
符号の説明
200 モニタリングデータ決定システム
201 記憶装置、ハードディスクドライブ
202 プログラム
203 メモリ
204 CPU
205 入力インターフェイス
206 出力インターフェイス
207 通信装置
208 I/O部
225 KPIデータベース
226 メッセージデータベース
227 メッセージ件数データベース
228 システム性能データベース
229 サンプリングパターンデータベース
250 KPI特定情報受信部
251 関連KPI検索部
252 メッセージマッピング部
253 システム性能算出部
254 モニタリング対象情報受け付け部
255 性能閾値情報受信部
256 モニタリング対象選択部
257 抽出指示生成部
258 サンプリング基準情報受信部
259 間引き抽出指示生成部
260 メッセージ件数データベース更新部
300 情報処理装置(企業情報システム)
301 ミドルウェア

Claims (9)

  1. ミドルウェアを流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを決定する、モニタリングデータ決定システムであって、
    モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けて、メモリに格納する、KPI特定情報受信部と、
    ミドルウェアを流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けて、メモリに格納する、メッセージマッピング部と、
    前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェアを流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェースに出力する、システム性能算出部と、
    前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイスより受け付けてメモリに格納する、モニタリング対象選択情報受け付け部と、
    前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信する、抽出指示生成部と、
    を備えることを特徴とするモニタリングデータ決定システム。
  2. KPIと当該KPIに業績評価上関連しうる関連KPIとの関係情報を格納した、KPIデータベースを備え、
    前記KPI特定情報受信部にて受信した、モニタリング候補のKPIを特定する情報をメモリから読み出し、これに基づいて、当該モニタリング候補のKPIと業績評価上関連しうる関連KPIを前記KPIデータベースから読み出して出力インターフェースに出力する、関連KPI検索部を備え、
    前記KPI特定情報受信部は、前記出力された関連KPIを含む複数のKPIの中から選択されるKPIをモニタリング候補として特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモニタリングデータ決定システム。
  3. 前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なメッセージデータの発生件数を格納したメッセージ件数データベースを備え、
    前記システム性能算出部は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベースから読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置の性能値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のモニタリングデータ決定システム。
  4. 前記情報処理装置におけるメッセージデータのログ量とスループットとの関係情報を格納するシステム性能データベースを備え、
    前記システム性能算出部は、前記メッセージデータのデータサイズに基づき、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なログ量を算出し、当該算出されたログ量に対応する前記情報処理装置のスループットを前記システム性能データベースから読み出し、当該スループットに基づいて前記情報処理装置の性能値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモニタリングデータ決定システム。
  5. 前記性能値の許容範囲としてあらかじめ設定された性能閾値を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する、性能閾値情報受信部と、
    前記システム性能算出部により算定された前記性能値と、メモリから読み出した前記性能閾値とを比較し、前記性能値が前記性能閾値の許容範囲内である場合に、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択し、モニタリング対象選択情報としてメモリに格納する、モニタリング対象選択部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモニタリングデータ決定システム。
  6. 前記抽出指示を送信された抽出対象データを間引き抽出するパターンを、サンプリングパターンとして格納した、サンプリングパターンデータベースを備え、
    前記抽出対象データを間引き抽出する前記性能値の基準を、サンプリング基準情報として入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する、サンプリング基準情報受信部と、
    前記ミドルウェアが前記抽出対象データを処理する都度、性能値と、前記メモリから読み出した前記サンプリング基準情報とを比較し、その結果に基づき、前記サンプリングパターンデータベースから前記サンプリングパターンを選択し、当該サンプリングパターンに従う間引き抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信する、間引き抽出指示生成部と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモニタリングデータ決定システム。
  7. 前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なメッセージデータの発生件数を格納したメッセージ件数データベースを備え、
    前記メッセージ件数データベースに格納された前記メッセージデータの発生件数を、前記間引き抽出指示生成部により生成された前記間引き抽出指示を反映させて更新する、メッセージ件数データベース更新部を備え、
    前記システム性能算出部は、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズより算出されるメッセージデータ一件当りのログ量に、前記メッセージ件数データベースから読み出した、該当するメッセージデータの発生件数を乗ずることにより、前記情報処理装置の性能値を算出することを特徴とする、
    請求項6に記載のモニタリングデータ決定システム。
  8. ミドルウェアを流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを設定するコンピュータが、
    モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する処理と、
    ミドルウェアを流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納する処理と、
    前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェアを流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェースに出力する処理と、
    前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイスより受け付けてメモリに格納する処理と、
    前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信する処理と、
    を実行することを特徴とする、モニタリングデータ決定方法。
  9. ミドルウェアを流れるメッセージデータの中から、重要業績評価指標たるKPIをモニタリングするための抽出対象データを設定するコンピュータに、
    モニタリング候補のKPIを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納するステップと、
    ミドルウェアを流れるメッセージデータのうち、前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要なものを特定する情報を、入力インターフェースより受け付けてメモリに格納するステップと、
    前記モニタリング候補のKPIを算出するために必要な前記メッセージデータのデータサイズを算出し、このデータサイズのメッセージデータを前記ミドルウェアを流れるメッセージデータより抽出する抽出対象データとした場合の、前記ミドルウェアが含まれる情報処理装置の性能値を算出し、この性能値を前記モニタリング候補のKPIの情報と対応付けて出力インターフェースに出力するステップと、
    前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するか否かを特定するモニタリング対象選択情報を入力インターフェイスより受け付けてメモリに格納するステップと、
    前記モニタリング対象選択情報が、前記モニタリング候補のKPIをモニタリング対象として選択するものである場合、当該KPIをモニタリングするために抽出すべき前記抽出対象データの抽出指示を生成し前記ミドルウェアに送信するステップと、
    を実行させるモニタリングデータ決定プログラム。
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