JP2009003612A - 帰還回路およびそれを用いたシリーズレギュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低電圧出力時においても回路安定性を損なうことのない帰還回路およびそれを用いたシリーズレギュレータを提供する。
【解決手段】非反転入力端子11bが基準電圧発生回路に接続された誤差増幅器11と、誤差増幅器11の出力電圧Voを分圧する分圧回路13と、入力端子15aが分圧回路13の分圧点に接続された非反転増幅器15と、非反転増幅器15の出力端子15cと誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された第1インピーダンス生成手段16と、分圧回路13の分圧点と誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された第2インピーダンス生成手段17とを有する位相補償回路14とを具備する。
非反転増幅器15の電圧増幅度Av1>1で、帰還量が1であっても位相補償回路14の零周波数fzが極周波数fpより小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、帰還回路およびそれを用いたシリーズレギュレータに関する。
広範な負荷変動に対して安定な一定の出力電圧を得る為には、制御系を負帰還制御とし制御系を位相補償する必要がある。
従来、差動増幅器と、出力電圧を分圧する分圧抵抗および発振防止のための位相補償用キャパシタを有する帰還回路とを備えたシリーズレギュレータでは、零周波数fzと極周波数fpは、fp=(fz/β)の関係にある。
その結果、出力電圧を基準電圧近傍とする場合、帰還量βが1に近づくので、帰還回路の零周波数と極周波数が近づき、最悪等しくなると、位相補償が出来なくなり、シリーズレギュレータが発振してしまう問題がある。
この問題の解決手法として、差動増幅をボルテージフォロア構成とし、出力と基準電圧入力との間に反転増幅器とインピーダンス網を新たに追加する事により、零周波数と極周波数を離反する手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示されたシリーズレギュレータは、非反転入力端子に抵抗を介して基準電圧源が接続され、反転入力端子が電圧出力端子に直接接続された差動増幅器と、入力端子が電圧出力端子に接続され、出力端子がキャパシタを介して差動増幅器の非反転入力端子に接続された反転増幅器とを具備し、直流成分の負帰還と、反転増幅された交流成分の負帰還とを別の経路で行なっている。
反転増幅器の電圧増幅度により、零周波数と極周波数は等しくならないため、帰還量βが1になっても、位相補償量が確保されている。
然しながら、特許文献1に開示されたシリーズレギュレータは、反転増幅器を経由する帰還経路が基準電源に接続されているので、基準電圧に影響を及ぼし、非反転入力端子にノイズとして表れ、レギュレータ特性が悪くなるという問題がある。
米国特許第6522112号明細書
本発明は、低電圧出力時においても回路安定性を損なうことのない帰還回路およびそれを用いたシリーズレギュレータを提供することを目的とする。
本発明の一態様の帰還回路は、増幅器の出力を前記増幅器の入力側に帰還する帰還回路であって、前記増幅器の出力を分圧する分圧回路と、入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続された非反転増幅器と、前記非反転増幅器の出力端子と前記増幅器の前記入力側との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記分圧回路の前記分圧点と前記増幅器の前記入力側との間に接続された第2インピーダンス生成手段とを有する位相補償回路と、を具備し、前記帰還回路の帰還量が1であっても、前記位相補償回路の零周波数が前記位相補償回路の極周波数より小さいことを特徴としている。
本発明の別態様の帰還回路は、増幅器の出力を前記増幅器の入力側に帰還する帰還回路であって、前記増幅器の出力を分圧する分圧回路と、非反転入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続され、出力端子が前記増幅器の前記入力側に接続された差動増幅器と、前記差動増幅器の反転入力端子と基準電位線との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記差動増幅器の前記反転入力端子と前記増幅器の前記入力側との間に接続された第2インピーダンス生成手段とを有する位相補償回路と、を具備し、前記帰還回路の帰還量が1であっても、前記位相補償回路の零周波数が前記位相補償回路の極周波数より小さいことを特徴としている。
本発明の一態様のシリーズレギュレータは、非反転入力端子が基準電圧発生回路に接続された誤差増幅器と、前記誤差増幅器の電圧出力端子に接続され、出力電圧を分圧する分圧回路と、入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続された非反転増幅器と、前記非反転増幅器の出力端子と前記誤差増幅器の反転入力端子との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記分圧回路の前記分圧点と前記誤差増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第2インピーダンス生成手段と、を具備することを特徴としている。
本発明の別態様のシリーズレギュレータは、非反転入力端子が基準電圧発生回路に接続された誤差増幅器と、前記誤差増幅器の電圧出力端子に接続され、出力電圧を分圧する分圧回路と、非反転入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続され、出力端子が前記誤差増幅器の反転入力端子に接続された差動増幅器と、前記差動増幅器の反転入力端子と基準電位線との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記差動増幅器の前記反転入力端子と前記誤差増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第2インピーダンス生成手段と、を具備することを特徴としている。
本発明によれば、低電圧出力時においても回路安定性を損なうことのない帰還回路およびそれを用いたシリーズレギュレータが得られる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施例1に係る帰還回路およびシリーズレギュレータについて、図1を用いて説明する。図1は帰還回路を有するシリーズレギュレータを示す回路図である。
図1に示すように、本実施例のシリーズレギュレータ10は、電圧入力端子(図示せず)と、電圧出力端子11cと、反転入力端子11aと、非反転入力端子11bとを有し、非反転入力端子11bが基準電圧Vrefを生成する基準電圧発生回路(図示せず)に接続された誤差増幅器11と、誤差増幅器11の出力電圧Voを入力側に帰還する帰還回路12とを具備している。
帰還回路12は、誤差増幅器11の出力電圧Voを分圧する分圧回路13と、分圧回路13の分圧点と誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された位相補償回路14とを具備している。
分圧回路13は、一端が誤差増幅器11の出力端子11cに接続された抵抗R2と、一端が接地電位GNDに接続された抵抗R1との直列回路を有している。抵抗R1と抵抗R2の接続ノードが分圧点である。
分圧回路13の分割電圧Vo1=Vo×R1/(R1+R2)が位相補償回路14に入力され、帰還電圧Vfが誤差増幅器11の反転入力端子11aに入力される。
位相補償回路14は、入力端子15aが分圧回路13の分圧点に接続された非反転増幅器15と、非反転増幅器15の出力端子15bと誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された第1インピーダンス生成手段16と、分圧回路13の分圧点と誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された第2インピーダンス生成手段17とを具備している。
非反転増幅器15と、第1インピーダンス生成手段16とにより、出力電圧Vo1の交流成分を増幅して差動増幅器11の反転入力端子11aに帰還する第1経路が構成されている。
第2インピーダンス生成手段17により、出力電圧Vo1の直流成分を差動増幅器11の反転入力端子11aに帰還する第2経路が構成されている。
第1インピーダンス生成手段16は、第1インピーダンスZ1が直流成分を遮断し、交流成分を通過させるように、例えばキャパシタを有している。
第2インピーダンス生成手段17は、第2インピーダンスZ2が直流成分を通過させるように、例えば抵抗を有している。
誤差増幅器11は、電圧入力端子(図示せず)と電圧出力端子11cとの間に接続され、負荷を駆動するためのpチャネルMOSトランジスタ(図示せず)を内部に有し、帰還電圧Vfが基準電圧Vrefに等しくなるように負帰還をかけ、所望の出力電圧を得るために、帰還量β(分圧回路による)を調整している。
出力電圧Voの変更は、分圧回路13の抵抗R1と抵抗R2の比を調節することにより行う。
次に、帰還回路12の帰還特性について説明する。ここで、Avは誤差増幅器11の電圧増幅度、Av1は非反転増幅器15の電圧増幅度である。
帰還量β3は、次式で表される。
Figure 2009003612
開ループ伝達特性は、次式で表される。
Figure 2009003612
零周波数fzおよび極周波数fpは、それぞれ次式で表わされる。
Figure 2009003612
Figure 2009003612
これから、Av1>1の条件下では、零周波数fzと極周波数fpとが等しくなることは無いので、出力電圧Vo(R1≫R2のとき、Vo1≒Vo)が基準電圧Vrefまで低下しても、位相補償量を確保することが可能となる。
即ち、帰還量βが1であっても、零周波数fzが極周波数fpより小さいので、回路の安定性を損なうことのない条件が確保される。
従って、非反転増幅器14の電圧増幅度Av1を大きく設定して零周波数fzと極周波数fpとを引き離すほど、出力電圧Voが基準電圧Vrefまで低下しても、位相補償量を確保することが容易である。
また、Av1を2に設定すると、特許文献1に開示された回路と等しい位相補償量が得られる。
図2に示すように、第1インピーダンス生成手段16がキャパシタC、第2インピーダンス生成手段17が抵抗Rの場合に、Z2/Z1=jωCRより、零周波数fzおよび極周波数fpはそれぞれ次式で表される
Figure 2009003612
Figure 2009003612
以上説明したように、本実施例のシリーズレギュレータ10は、分圧回路13と、非反転増幅器15と第1インピーダンス生成手段16と第2インピーダンス生成手段17とを有する位相補償回路14とを備えた帰還回路12を具備している。
その結果、Av1>1とすることにより、零周波数fzと極周波数fpとが等しくなることは無いので、出力電圧Vo(R1≫R2のとき、Vo1≒Vo)が基準電圧Vrefまで低下しても、位相補償量を確保することができる。
従って、低電圧出力時においても回路安定性を損なうことのない帰還回路12およびそれを用いたシリーズレギュレータ10が得られる。
更に、帰還回路14が基準電圧発生回路と接続されていないので、基準電圧発生回路の動作に影響を及ぼす恐れがなく、低ノイズで、出力電圧の安定したシリーズレギュレータ10が得られる。
ここでは、第1インピーダンス生成手段16が単一のキャパシタCである場合について説明したが、複数のキャパシタを直列接続または並列接続したキャパシタCであっても構わない。
同様に、第2インピーダンス生成手段17が単一の抵抗Rである場合について説明したが、複数の抵抗素子を直列接続または並列接続した抵抗Rであっても構わない。
更に、第1インピターンス生成手段16がキャパシタと抵抗の直列回路とすることもできる。
具体的には、図3に示すようにシリーズレギュレータ30の位相補償回路31は、第1インピターンス生成手段32としてキャパシタCと抵抗R3との直列回路を具備している。
これにより、帰還量β4は次式で表される。
Figure 2009003612
零周波数fzおよび極周波数fpは、それぞれ次式で現される。
Figure 2009003612
Figure 2009003612
本発明の実施例2に係るシリーズレギュレータについて、図4を用いて説明する。図4はシリーズレギュレータを示す回路図である。
本実施例において、上記実施例1と同一の構成部分には同一符号を付してその部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。本実施例が実施例1と異なる点は、帰還回路に差動増幅器を用いたことにある。
即ち、図4に示すように、本実施例のシリーズレギュレータ50は、誤差増幅器11と、誤差増幅器11の出力電圧Voを入力側に帰還する帰還回路51とを具備している。
帰還回路51は、分圧回路13と、分圧回路13の分圧点と誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された位相補償回路52とを具備している。
位相補償回路52は、非反転入力端子53aが分圧回路13の分圧点に接続され、出力端子53cが誤差増幅器11の反転入力端子11aに接続された差動増幅器53と、差動増幅器53の反転入力端子53bと基準電位線GNDとの間に接続された第1インピーダンス生成手段54と、差動増幅器53の反転入力端子53bと誤差増幅器11の反転入力端子11aとの間に接続された第2インピーダンス生成手段55とを具備している。
差動増幅器53の反転入力端子53bと基準電位線GNDとの間に第1インピーダンス生成手段53を介する第1経路が構成されている。
第2インピーダンス生成手段55により、差動増幅器53の出力端子53cから差動増幅器53の反転入力端子53bに帰還をかける第2経路が構成されている。
差動増幅器53の出力端子53cから誤差増幅器11の反転入力端子11aに帰還をかける第3経路が構成されている。
第1インピーダンス生成手段54は、第3インピーダンスZ3が直流成分を遮断し、第1および第3インピーダンスZ1、Z3が、交流成分が周波数特性を有して通過するように、例えば抵抗とキャパシタとの直列回路を有している。
第2インピーダンス生成手段55は、第2インピーダンスZ2が直流成分を通過させるように、例えば抵抗を有している。
次に、帰還回路51の帰還特性について説明する。ここで、Av2は差動増幅器53の電圧増幅度である。
帰還量β5は、次式で表される。
Figure 2009003612
閉ループ伝達特性は、次式で表される。
Figure 2009003612
零周波数fzおよび極周波数fpは、それぞれ次式で表わされる。
Figure 2009003612
Figure 2009003612
これから、零周波数fzと極周波数fpとが等しくなることは無いので、出力電圧Vo(R1≫R2のとき、Vo1≒Vo)が基準電圧Vrefまで低下しても、位相補償量を確保することが可能である。
図5に示すように、第1インピーダンス生成手段54が抵抗R3とキャパシタCの直列回路、第2インピーダンス生成手段55が抵抗R4の場合に、零周波数fzおよび極周波数fpは、それぞれ次式で表わされる。
Figure 2009003612
Figure 2009003612
以上説明したように、本実施例のシリーズレギュレータ50の帰還回路51は、差動増幅器53と、第1インピーダンス生成手段54と、第2インピーダンス生成手段55とを有する位相補償回路52を具備している。
その結果、零周波数fzと極周波数fpとが等しくなることは無いので、出力電圧Voが基準電圧Vrefまで低下しても、位相補償量を確保することができる。
本発明の実施例1に係るシリーズレギュレータを示す回路図。 本発明の実施例1に係るシリーズレギュレータの第1および第2インピターンス生成手段を示す回路図。 本発明の実施例1に係る別のシリーズレギュレータの第1インピターンス生成手段を示す回路図。 本発明の実施例2に係るシリーズレギュレータを示す回路図。 本発明の実施例2に係るシリーズレギュレータの第1および第2インピターンス生成手段を示す回路図。
符号の説明
10、30、50 シリーズレギュレータ
11 誤差増幅器
12、51 帰還回路
13 分圧回路
14、31、52 位相補償回路
15 非反転入力端子
16、32、54 第1インピーダンス生成手段
17、33、55 第2インピーダンス生成手段
53 差動増幅器
R、R1、R2、R3、R4 抵抗
C キャパシタ

Claims (5)

  1. 増幅器の出力を前記増幅器の入力側に帰還する帰還回路であって、
    前記増幅器の出力を分圧する分圧回路と、
    入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続された非反転増幅器と、前記非反転増幅器の出力端子と前記増幅器の前記入力側との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記分圧回路の前記分圧点と前記増幅器の前記入力側との間に接続された第2インピーダンス生成手段とを有する位相補償回路と、
    を具備し、
    前記帰還回路の帰還量が1であっても、前記位相補償回路の零周波数が前記位相補償回路の極周波数より小さいことを特徴とする帰還回路。
  2. 増幅器の出力を前記増幅器の入力側に帰還する帰還回路であって、
    前記増幅器の出力を分圧する分圧回路と、
    非反転入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続され、出力端子が前記増幅器の前記入力側に接続された差動増幅器と、前記差動増幅器の反転入力端子と基準電位線との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記差動増幅器の前記反転入力端子と前記増幅器の前記入力側との間に接続された第2インピーダンス生成手段とを有する位相補償回路と、
    を具備し、
    前記帰還回路の帰還量が1であっても、前記位相補償回路の零周波数が前記位相補償回路の極周波数より小さいことを特徴とする帰還回路。
  3. 前記第1インピーダンス生成手段がキャパシタまたはキャパシタと抵抗の直列回路であり、前記第2インピーダンス生成手段が抵抗であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の帰還回路。
  4. 非反転入力端子が基準電圧発生回路に接続された誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器の電圧出力端子に接続され、出力電圧を分圧する分圧回路と、
    入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続された非反転増幅器と、前記非反転増幅器の出力端子と前記誤差増幅器の反転入力端子との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記分圧回路の前記分圧点と前記誤差増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第2インピーダンス生成手段と、
    を具備することを特徴とするシリーズレギュレータ。
  5. 非反転入力端子が基準電圧発生回路に接続された誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器の電圧出力端子に接続され、出力電圧を分圧する分圧回路と、
    非反転入力端子が前記分圧回路の分圧点に接続され、出力端子が前記誤差増幅器の反転入力端子に接続された差動増幅器と、前記差動増幅器の反転入力端子と基準電位線との間に接続された第1インピーダンス生成手段と、前記差動増幅器の前記反転入力端子と前記誤差増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第2インピーダンス生成手段と、
    を具備することを特徴とするシリーズレギュレータ。
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