JP2009003315A - 遮光シート - Google Patents
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Abstract
【課題】
カメラ用遮光部材として好適な、遮光性が高いが薄く、柔軟である上に、機械的強度や寸法安定性に優れる遮光シートおよびカメラ用遮光部材を提供する。
【解決手段】
遮光性フィルムをエラストマーを含浸していない布帛で補強することにより、薄くても遮光性が高く、柔軟でも機械的強度と寸法安定性に優れる遮光シートを提供することができる。また、加工してカメラ用遮光部材として使用することができる。
【選択図】図1
カメラ用遮光部材として好適な、遮光性が高いが薄く、柔軟である上に、機械的強度や寸法安定性に優れる遮光シートおよびカメラ用遮光部材を提供する。
【解決手段】
遮光性フィルムをエラストマーを含浸していない布帛で補強することにより、薄くても遮光性が高く、柔軟でも機械的強度と寸法安定性に優れる遮光シートを提供することができる。また、加工してカメラ用遮光部材として使用することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、カメラやビデオカメラ等の光学機器の部品の僅かな隙間から光が機器内部に侵入することを防ぐために使用される遮光シートに関する。
カメラ等の光学機器には、レンズ以外の部品の隙間から光が進入した場合に、ファインダーの視界が見え難くなったり、フィルムやデジタルカメラのCCD(Charge Coupled Device Image Sensor=固体撮像素子)に悪影響を与えて、撮影した画像が白くなったり、正しい画像を記録できないことがあるため、従来より光の進入を防ぐ遮光部材が多く使用されている。
特にコンパクトカメラの分野では、コンパクト化と同時に高機能化が進み、高ズーム機能として、レンズ鏡筒がカメラ本体から突出移動して飛び出すものが主流となってきているため、カメラ本体とレンズ鏡筒の隙間から光が侵入することが問題となっている。この対策として、リング状に加工した遮光シートを、カメラ本体のレンズ鏡筒取り付け部の縁やレンズ鏡筒の外周に固定する方法が知られている。
遮光シートとしては、従来からカーボンブラックなどの黒顔料を練りこんでつや消し加工や光反射加工された合成樹脂フィルムが知られている(特許文献1)。しかしながら、このような遮光シートで十分な遮光性を得るためには100μm以上の厚さが必要であった。また、遮光シートが厚く、硬いとレンズ鏡筒が動くときに摩擦が生じるため、摩擦音が発生して静音性が損なわれる上に、レンズ鏡筒の駆動に掛かる消費電力が掛かってしまうという問題があった。
軟らかい遮光シートとしてはゴム製の遮光シートが開示されており(特許文献2)、また摺動性を高めるためにはフッ素樹脂フィルムを使用した遮光シートも提案されている(特許文献3)。しかしながら、これらの遮光シートも、十分な摺動性を得るためには厚さを薄くしなければならず、十分な遮光性を得ることが難しい上に寸法安定性や機械的強度の点で課題が残るものであった。
また、合成樹脂フィルムの遮光シートでは、薄くなるとクリープに対する寸法安定性が悪くなるため、繊維基布を使用した遮光シートも提案されている(特許文献4)。しかしながら、かかる遮光シートは、基布にエラストマーを含浸させるため、シートが硬く摺動性が低下する欠点があった。
このように、近年、デジタルカメラにおいては、高感度のCCDを使用し、コンパクトにするために、薄くかつ高い遮光性を有する遮光シートが求められており、さらに寸法安定性などの耐久性の要求も高まっている。
特開平10−148702号公報
特開平10−115758号公報
特開平06−160939号公報
特開平10−31255号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、厚さが薄くても遮光性が高く、柔軟であるが機械的強度や寸法安定性に優れる遮光シートを提供することにある。
かかる課題を解決するために本発明は、次の(1)〜(7)のいずれかの構成を特徴とするものである。
(1)遮光性フィルムとエラストマー非含浸布帛とが積層されていることを特徴とする遮光シート。
(2)前記遮光性フィルムが接着剤を介して前記エラストマー非含浸布帛に貼り合わされていることを特徴とする、前記(1)に記載の遮光シート。
(3)前記遮光性フィルムがウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびオレフィン系樹脂系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂からなることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の遮光シート。
(4)前記遮光性フィルムが複数層構造であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の遮光シート。
(5)前記エラストマー非含浸布帛の厚さが30〜80μmであることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の遮光シート。
(6)前記エラストマー非含浸布帛が織物であることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の遮光シート。
(7)前記エラストマー非含浸布帛がカレンダー処理されていることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の遮光シート。
(1)遮光性フィルムとエラストマー非含浸布帛とが積層されていることを特徴とする遮光シート。
(2)前記遮光性フィルムが接着剤を介して前記エラストマー非含浸布帛に貼り合わされていることを特徴とする、前記(1)に記載の遮光シート。
(3)前記遮光性フィルムがウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびオレフィン系樹脂系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂からなることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の遮光シート。
(4)前記遮光性フィルムが複数層構造であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の遮光シート。
(5)前記エラストマー非含浸布帛の厚さが30〜80μmであることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の遮光シート。
(6)前記エラストマー非含浸布帛が織物であることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の遮光シート。
(7)前記エラストマー非含浸布帛がカレンダー処理されていることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の遮光シート。
本発明によれば、遮光性フィルムをエラストマーが含浸されていない布帛で補強することにより、薄くても遮光性が高く、柔軟で寸法安定性と機械的強度に優れる遮光シートを提供することができる。そのため、本発明にかかる遮光シートは、カメラの部品として打ち抜き成型する際、加工性にも優れる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の遮光シートは、遮光性フィルムとエラストマーが含浸されていない布帛とが積層されてなる。
本発明における遮光性フィルムを製造するにあたっては、該熱可塑性樹脂をTダイでフィルム状に押し出して製膜する方法も用いることができるが、薄く均一なフィルムを得るには、溶剤や水に樹脂を分散させたエマルジョンを離型紙上にグラビアコーターやナイフコーターで塗工し、乾燥させて製膜する方法が好ましく用いられる。この製膜方法には、溶剤あるいは水に溶解または分散する従来公知の重合体を使用することができるが、製膜性、膜強度などの点から溶剤溶解型が好ましく使用される。
遮光性フィルムを構成する合成樹脂としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが好ましく使用されるが、これらの中でも、特にウレタン系樹脂が、生産時の製膜性、柔軟性、耐久性等の点で最も好ましく使用される。
かかるウレタン系樹脂としては、例えば有機ジイソシアネートと長鎖ジオールと鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタンが好ましく、有機ジイソシアネートとしては、脂環族有機ジイソシアネート、脂肪族有機ジイソシアネート、芳香族有機ジイソシアネートなどを使用することができる。また、長鎖ジオールとしては、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、ポリアミドエステル系ジオール、ポリカーボネート系ジオールなどを使用することができる。さらに鎖伸長剤としては、低分子グリコール、低分子ジアミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素を2個以上含有する化合物を使用することができる。また、かかるポリウレタンとしては、前記2種以上のポリウレタンを混合または共重合して使用することもできる。中でも耐光性、耐加水分解性、柔軟性などの点からポリカーボネート系ポリウレタンを主体とするものが好ましく使用される。
本発明において、遮光性フィルムは、薄さと遮光性を両立させるために、遮光性フィルムを構成する合成樹脂に紫外線や近赤外線に対して、優れた遮蔽性、反射性を有する顔料を含有させることが望ましい。かかる顔料としては、有機系顔料および無機系顔料の単独あるいは2種以上を使用することができるが、その中でも、光を遮蔽する顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、金属粉末などが光の遮蔽性が高く好ましい、更に光線を反射する顔料としては、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化亜鉛などが好ましく使用される。これらの顔料は、単独でも混合しても、いずれでも使用することができる、つまりカーボン、金属粉末、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種を該フィルムに含有させて、必要な遮光性を得る事ができる。かかる顔料の中でも遮光性が高く、安価で、樹脂への分散性の点でカーボンブラックが最も好ましく使用することができる。
かかる顔料を含有する遮光性フィルムは、遮光率が好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上であるものが好ましく使用される。すなわち、95%未満では遮光率が低すぎるため、カメラ内部に光が入射し、フィルムやCCDに影響を及ぼす場合がある。
遮光性フィルムの厚さは、20〜50μmであることが望ましい。厚さが20μm未満であると製膜時に欠点としてフィルムにピンホールが開きやすく、ピンホールが開いてしまうとそこから光が漏れてしまい、高い遮光性を得る事ができない。また、50μmを超えるとフィルムを布帛と積層した際に厚く、硬くなり易く、摺動性を得る事が難しくなる。
遮光性フィルムを薄く、遮光性の高い物にするためには、フィルムを2層以上の複数層構造にすることが好ましい。複数層構造にすることによって、一層のフィルムに欠点ができてしまった場合でも、他の層のフィルムが欠点である穴を塞ぐので、薄いフィルムで高い遮光率を得ることが容易になる。複数層構造の遮光性フィルムを製造するにあたっては、溶剤や水に樹脂を分散させたエマルジョンを離型紙にグラビアコーターやナイフコーターで塗工し、乾燥させて該離型紙上に1層目を製膜した後、さらに1層目上にエマルジョン塗工して2層目を形成し、さらに所望する層数に応じてこれを繰り返す方法が好ましく用いられる。
本発明において遮光性フィルムの表面は梨地処理されていることが好ましい。梨地処理することによって、遮光シートがカメラの部品に密着しても高い摺動性を得る事ができる。
かかる梨地処理の方法としては、サンドブラスト法や化学的エッチング法を用いることができるが、樹脂を分散させたエマルジョンを離型紙にグラビアコーターやナイフコーターで塗工し、乾燥させて製膜する遮光性フィルムの製造において、梨地処理やエンボス処理された離型紙を用いて、離型紙の凸凹をフィルムに転写する方法が、梨地処理のための工程が増えない上、薬剤などを使用しなくても良いので、最も好ましく用いることができる。
一方、本発明に使用される布帛は、エラストマーが含浸されていないものである。エラストマーが含浸されていないため、該布帛を上述の遮光性フィルムと積層し遮光シートとした際には、該フィルムの柔軟性を阻害することなく、遮光シートに寸法安定性、機械的強度を付与することができる。そのため、摺動性、静音性を低下することなく遮光性を得ることができ、カメラ部品として打ち抜き成型する際の加工性にも優れる。
エラストマー非含浸布帛の厚みは、寸法安定性や機械的強度と摺動性や静音性とを共に高めるために30〜80μmが好ましく、40〜60μmがさらに好ましい。
エラストマー非含浸布帛には、上記厚さの範囲であれば、織物、編物、乾式不織布、湿式不織布などを採用することができるが、薄くてもクリープに対する寸法安定性が優れる点で、織物が好ましく使用することができる。
さらに、本発明に使用されるエラストマー非含浸布帛は、カレンダー処理されていることが好ましい。カレンダー処理することにより、布帛構造を緻密化し、厚さをより薄くすることができる。さらに繊維が動き難くなるため、寸法安定性、遮光性が向上する。さらに布帛表面が平滑になるため、摺動性が向上する。
カレンダー処理の方法や条件は、特に限定されないが、150〜240℃に加熱された金属ロールとゴムローラを7850〜29430kPa(≒80〜300kgf/cm2)の圧力で圧着させ、その間に布帛を通すことによって、行う事ができる。
該布帛を構成する繊維としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等のアクリル繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリイミド繊維、ポリアセタール繊維、ポリエーテル繊維、ポリスチレン繊維、ポリカーボネート繊維、ポリエステルアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエーテルエステル繊維、ポリ酢酸ビニル繊維、ポリビニルブチラール繊維、ポリフッ化ビニリデン繊維、エチレン−酢酸ビニル共重合繊維、フッ素樹脂系繊維、スチレン−アクリル共重合繊維、アラミド繊維などの合成繊維や、木綿、麻、羊毛等の天然繊維を挙げることができる。なかでも、吸湿安定性や熱安定性等に優れることからポリエステル繊維やポリフェニレンサルファイド繊維、フッ素樹脂系繊維等を好ましく用いることができ、さらに、汎用性に優れることからポリエステル繊維を好ましく用いることができる。
布帛は、1種類の繊維から構成されてもよいし、2種類以上の繊維から構成されていてもよい。
また、布帛を構成する繊維または糸の形態としては、モノフィラメントでもよいし、マルチフィラメントであってもよい。布帛が編物あるいは織物である場合には、寸法安定性と柔軟性の観点から、マルチフィラメントを好ましく用いることができる。
布帛を構成するマルチフィラメントの総繊度としては、5〜300dtexが好ましく、より好ましくは10〜50dtexである。5dtex以上とすることで、引張強度と寸法性安定性を高めることができる。しかしながら300dtex超になると、該布帛の厚さと剛性が大きくなるので、カメラ部品との摩擦が大きくなり易く、十分な摺動性が得られない場合がある。
本発明において布帛は黒色であることが好ましい。布帛が黒色であることで布帛自体も光を吸収し、遮光シートの遮光性を高めることができる。また、布帛が黒であると光を反射することがないので、レンズから入射する光に干渉することがなく、カメラの画像が安定する。布帛を黒色にする方法としては、布帛の状態で染色する方法でも良いし、布帛にする前の糸の状態で染色する方法でも良い、またカーボンブラックなどの黒色顔料を練りこんだ原着糸も好ましく使用できる。
遮光性フィルムとエラストマー非含浸布帛との積層方法としては、遮光性樹脂を布帛の表面にコーティングして製膜する方法や、熱可塑性樹脂を使用してTダイでフィルムを製造し、熱可塑性樹脂が固まらない内に布帛を圧着させて接合する方法や、溶剤や水に樹脂を分散させたエマルジョンを離型紙にグラビアコーターやナイフコーターで塗工し製膜し、これに布帛を圧着させて乾燥させることにより接合する方法を採用することができる。しかしながら、これらの方法では、熱可塑性樹脂や樹脂の分散液が布帛内部に含浸し易く、布帛の凹凸により遮光性フィルムの厚みが不均一になり易い。特に布帛の凸部では遮光性フィルムの厚さが薄くなるため、遮光性がばらつき易く、目標の遮光性を達成することが困難となる。また、樹脂が布帛に含浸してしまうと遮光シートが硬くなくなる上に、遮光性フィルムの表面に布帛の凹凸が浮き出て、摺動性が低下することがあるため、遮光性フィルムの製膜工程と遮光性フィルムと布帛を接合する工程とは別々の方が好ましい。遮光性フィルムの製膜工程と遮光性フィルムと布帛を接合する工程とが別々である方が、遮光性フィルムの厚さを薄く、遮光性フィルム表面を平滑にできるため、好ましい。そのため、遮光性フィルムと布帛とを接着剤を介して接合する方法が最も好ましく採用することができる。
本発明において接着剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂からなるものを使用することができる。なかでも接着力、耐久性の観点からウレタン系樹脂の接着剤が好まく使用され、中でも有機溶剤を使用しない反応性ホットメルト接着剤を好ましく使用することができる。
接着剤を塗布する方法としては、グラビアコーター法、ナイフコーター法、ロールコーター法、転写法、オフセット印刷法、インクジェット法などを使用できる。
上記のようにして得られる本発明の遮光シートは、加工してカメラの遮光部材として使用することができる。該遮光シートの加工方法としては、一段階で所望の大きさと形に成型することが可能な打ち抜き成形が好ましく使用できる。
本発明の遮光シートは、遮光性フィルムと基材となるエラストマー非含浸布帛とを積層することにより、加工性が向上する。遮光性フィルムだけを打ち抜き成型する場合、遮光性フィルムの引張伸度が大きいため、打ち抜き成型時にシートが切断し難くいが、遮光性フィルムと布帛とを積層すると、布帛が遮光性フィルムの伸度を抑制するので、切断し易くなり、加工性が向上する。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。なお、本実施例で用いる各種特性の測定方法および総合評価の判断基準は、以下のとおりとした。
[特性の測定方法]
以下の測定方法の内、特に断りのないものは、試料の調整、及び測定は、JIS L 0105(2006)の標準状態(20±2℃、相対湿度65±4%)で行った。
[特性の測定方法]
以下の測定方法の内、特に断りのないものは、試料の調整、及び測定は、JIS L 0105(2006)の標準状態(20±2℃、相対湿度65±4%)で行った。
(1)厚さ
JIS L 1018(1999)に準じて、試料(遮光シート、遮光性フィルム、布帛)の任意の場所5箇所から5×5cmの試験片を採取し、圧縮弾性試験機(中山電子株式会社製)を用いて、0.7kPa(7gf/cm2)を加圧し、厚さを落ち着かせるために約10秒待った後に厚さを測定し、5箇所の平均値を算出した。
JIS L 1018(1999)に準じて、試料(遮光シート、遮光性フィルム、布帛)の任意の場所5箇所から5×5cmの試験片を採取し、圧縮弾性試験機(中山電子株式会社製)を用いて、0.7kPa(7gf/cm2)を加圧し、厚さを落ち着かせるために約10秒待った後に厚さを測定し、5箇所の平均値を算出した。
(2)単位面積当たりの質量
JIS L 1018(1999)に準じて、試料(遮光シート、遮光性フィルム、布帛)の任意の場所から、25×25cmの試験片を3枚採取して、100分の1g単位まで測定可能な電子天秤(島津製作所製 BX3200D)で質量を測定し、測定値の平均値から、1m2当たりの質量(g/m2)を算出した。
JIS L 1018(1999)に準じて、試料(遮光シート、遮光性フィルム、布帛)の任意の場所から、25×25cmの試験片を3枚採取して、100分の1g単位まで測定可能な電子天秤(島津製作所製 BX3200D)で質量を測定し、測定値の平均値から、1m2当たりの質量(g/m2)を算出した。
(3)糸繊度(糸の見掛繊度)
布帛を構成する繊維の繊度F(dtex)は、布帛を製造する前の糸の状態であれば、JIS L 1013(1999)の方法に準じて、試料(繊維)を枠周1.125mの検尺機で所定の糸長L(m)の小かせを作り、その質量M(g)を百分の一グラム単位まで測定可能な電子天秤(島津製作所製 BX3200D)で測定し、次式から求めた。
見掛繊度F=10000×M/L
尚、布帛を製造する前の糸の状態で繊度の測定ができない場合は、以下の2つの方法で布帛を構成する繊維の見掛繊度を求めることができる。
布帛を構成する繊維の繊度F(dtex)は、布帛を製造する前の糸の状態であれば、JIS L 1013(1999)の方法に準じて、試料(繊維)を枠周1.125mの検尺機で所定の糸長L(m)の小かせを作り、その質量M(g)を百分の一グラム単位まで測定可能な電子天秤(島津製作所製 BX3200D)で測定し、次式から求めた。
見掛繊度F=10000×M/L
尚、布帛を製造する前の糸の状態で繊度の測定ができない場合は、以下の2つの方法で布帛を構成する繊維の見掛繊度を求めることができる。
(4)糸繊度(その2)
JIS L 1018(1999)に準じて、布帛より、糸を5本抜き取り、その質量W(mg)とそれぞれの糸に初荷重を掛けて長さL(mm)を測定し、見掛繊度Fを次式から求める。
見掛繊度F(dtex)=10000×W/L
なお、初荷重は、次のように定める。
フィラメント糸の場合、表示繊度の1tex当り98/33mN
フィラメントかさ高加工糸の場合、表示繊度の1texあたり、98/11mN
紡績糸の場合、糸長250mに相当する質量に加わる荷重(mN)。
JIS L 1018(1999)に準じて、布帛より、糸を5本抜き取り、その質量W(mg)とそれぞれの糸に初荷重を掛けて長さL(mm)を測定し、見掛繊度Fを次式から求める。
見掛繊度F(dtex)=10000×W/L
なお、初荷重は、次のように定める。
フィラメント糸の場合、表示繊度の1tex当り98/33mN
フィラメントかさ高加工糸の場合、表示繊度の1texあたり、98/11mN
紡績糸の場合、糸長250mに相当する質量に加わる荷重(mN)。
(5)糸繊度(その3)
糸がほぐせない場合、布帛の断面を電子顕微鏡で観察し、布帛を構成する糸の断面積A(mm2)と繊維の比重S(JIS L 1018(1999) 参考表1)から、次式を用いて、見掛繊度F(dtex)を求める。ただし、布帛がマルチフィラメント繊維で構成されている場合は、マルチフィラメントを構成する単繊維の単繊維繊度を無作為に抽出する単繊維10本の平均値を求め、当該単繊維繊度にマルチフィラメント繊維を構成するフィラメント数を乗じて求める。
見掛繊度F=10000×A×S
(9)織密度(布帛が織物の場合)
JIS L 1096(1999)に準じて、2.54cm(1インチ)当たりのタテ糸・ヨコ糸の本数を数えて求める。
糸がほぐせない場合、布帛の断面を電子顕微鏡で観察し、布帛を構成する糸の断面積A(mm2)と繊維の比重S(JIS L 1018(1999) 参考表1)から、次式を用いて、見掛繊度F(dtex)を求める。ただし、布帛がマルチフィラメント繊維で構成されている場合は、マルチフィラメントを構成する単繊維の単繊維繊度を無作為に抽出する単繊維10本の平均値を求め、当該単繊維繊度にマルチフィラメント繊維を構成するフィラメント数を乗じて求める。
見掛繊度F=10000×A×S
(9)織密度(布帛が織物の場合)
JIS L 1096(1999)に準じて、2.54cm(1インチ)当たりのタテ糸・ヨコ糸の本数を数えて求める。
(10)遮光率
分光光度計(UV−3150 株式会社島津製作所製)で透過率X(%)を測定し以下の式から遮光率(%)を求める。透過率の測定は、波長2600から220nmまで光を波長1nmごとにその透過率を測定し、全波長の平均を出して求めた。
分光光度計(UV−3150 株式会社島津製作所製)で透過率X(%)を測定し以下の式から遮光率(%)を求める。透過率の測定は、波長2600から220nmまで光を波長1nmごとにその透過率を測定し、全波長の平均を出して求めた。
遮光率(%)=100−X(%)
(11)引張試験
JIS L 1096(1999)に準じて、遮光シートの縦、横それぞれの方向ごとに幅50×長さ300mmの試験片を各5枚ずつ採取し、以下の条件にて引張強度を求める。
(i)引張長:200mm
(ii)引張速度:200mm/分
(iii)試験機:オートグラフAGS−J5kN
(12)加工性(打ち抜き成型性)
打ち抜き成型性を確認するために、内径40mm、外径42mmの円形の金型を用いて打ち抜き成型機で成型を行い、加工性を評価した。
(11)引張試験
JIS L 1096(1999)に準じて、遮光シートの縦、横それぞれの方向ごとに幅50×長さ300mmの試験片を各5枚ずつ採取し、以下の条件にて引張強度を求める。
(i)引張長:200mm
(ii)引張速度:200mm/分
(iii)試験機:オートグラフAGS−J5kN
(12)加工性(打ち抜き成型性)
打ち抜き成型性を確認するために、内径40mm、外径42mmの円形の金型を用いて打ち抜き成型機で成型を行い、加工性を評価した。
評価は、打ち抜き成型時に金型による打ち抜き成型性が良好なものを○とした。また、金型で打ち抜く時、完全に切断されない部分が発生して部品が取り出せないものや切断断面が潰れてしまって部品として使用できないものが発生するものを×とした。
(13)耐久性試験(試験1)
遮光シートの任意の場所から25×25cmの試験片を切り取り、試験片の中央に20×20cmの正方形を描く、この試験片を高温恒湿槽の中に吊り下げ、以下のいずれかの条件にて暴露した後、試験片に描いた正方形の1辺の長さを測定し、寸法変化率(%)を求めた。また、外観の変化についても観察した。寸法変化が3%以下で、かつ、外観変化がないものを○とし、それ以外は×とした。
・暴露条件1:温度60℃、湿度90%RH、暴露時間1000時間
・暴露条件2:温度70℃、湿度90%RH、暴露時間500時間
・暴露条件3:以下の条件ア→イ→ウ→イ→−30℃降温のサイクルを300回繰り返す。ただし、昇温時の温度勾配3℃/分、降温時の温度勾配1℃/分。
ア.温度−30℃、湿度20%RH、30分
イ.温度24℃、湿度20%RH、15分
ウ.温度80℃、湿度20%RH、30分
・外観観察項目
(i)遮光性フィルムに皺が発生していないか。
(ii)遮光性フィルムに亀裂が発生していないか。
(iii)遮光性フィルムと布帛に剥がれが発生していないか。
遮光シートの任意の場所から25×25cmの試験片を切り取り、試験片の中央に20×20cmの正方形を描く、この試験片を高温恒湿槽の中に吊り下げ、以下のいずれかの条件にて暴露した後、試験片に描いた正方形の1辺の長さを測定し、寸法変化率(%)を求めた。また、外観の変化についても観察した。寸法変化が3%以下で、かつ、外観変化がないものを○とし、それ以外は×とした。
・暴露条件1:温度60℃、湿度90%RH、暴露時間1000時間
・暴露条件2:温度70℃、湿度90%RH、暴露時間500時間
・暴露条件3:以下の条件ア→イ→ウ→イ→−30℃降温のサイクルを300回繰り返す。ただし、昇温時の温度勾配3℃/分、降温時の温度勾配1℃/分。
ア.温度−30℃、湿度20%RH、30分
イ.温度24℃、湿度20%RH、15分
ウ.温度80℃、湿度20%RH、30分
・外観観察項目
(i)遮光性フィルムに皺が発生していないか。
(ii)遮光性フィルムに亀裂が発生していないか。
(iii)遮光性フィルムと布帛に剥がれが発生していないか。
(14)耐久性試験(試験2)
遮光シートを打ち抜き成型によりカメラの遮光部材の形状、すなわち外径33mm、内径30mmのリング状に打ち抜き成型する。さらにリング外周の遮光性フィルム面に外径33mm、内径32mmリング状の両面テープを貼り付け、図1、2に示すように、カメラのレンズ鏡筒内部に設置する。外周にある外側レンズ鏡筒6の内側から内側レンズ鏡筒5が突出したり(図1)、外側レンズ鏡筒6の内側に内側レンズ鏡筒5が収納されたりする(図2)とき、遮光シートの屈曲や鏡筒との摩擦が発生するので、このときの屈曲や摩擦に対する耐久性を以下のように確認する。
遮光シートを打ち抜き成型によりカメラの遮光部材の形状、すなわち外径33mm、内径30mmのリング状に打ち抜き成型する。さらにリング外周の遮光性フィルム面に外径33mm、内径32mmリング状の両面テープを貼り付け、図1、2に示すように、カメラのレンズ鏡筒内部に設置する。外周にある外側レンズ鏡筒6の内側から内側レンズ鏡筒5が突出したり(図1)、外側レンズ鏡筒6の内側に内側レンズ鏡筒5が収納されたりする(図2)とき、遮光シートの屈曲や鏡筒との摩擦が発生するので、このときの屈曲や摩擦に対する耐久性を以下のように確認する。
(試験その1)
内側レンズ鏡筒5の突出と収納を10000回繰り返し行う。この時以下の項目について確認する。
・確認事項1:内側レンズ鏡筒5を動かすときに発生する抵抗と擦れる音を確認する。この時、抵抗が小さく擦れる音が僅かな物を○、抵抗があり、擦れる音が発生するが実用上は問題がない物を△、抵抗があり、擦れる音の大きいため、実用上問題があるものを×とした。
・確認事項2:内側レンズ鏡筒5の突出と収納を10000回繰り返した後の遮光シートの外観を観察する。外観観察は、(i)遮光性フィルムに皺が発生していないか、(ii)遮光性フィルムに亀裂が発生していないか、(iii)遮光性フィルムと布帛に剥がれが発生していないか、の項目について確認し、全ての項目で問題のない物を○、1項目でも問題があるものを×とした。
内側レンズ鏡筒5の突出と収納を10000回繰り返し行う。この時以下の項目について確認する。
・確認事項1:内側レンズ鏡筒5を動かすときに発生する抵抗と擦れる音を確認する。この時、抵抗が小さく擦れる音が僅かな物を○、抵抗があり、擦れる音が発生するが実用上は問題がない物を△、抵抗があり、擦れる音の大きいため、実用上問題があるものを×とした。
・確認事項2:内側レンズ鏡筒5の突出と収納を10000回繰り返した後の遮光シートの外観を観察する。外観観察は、(i)遮光性フィルムに皺が発生していないか、(ii)遮光性フィルムに亀裂が発生していないか、(iii)遮光性フィルムと布帛に剥がれが発生していないか、の項目について確認し、全ての項目で問題のない物を○、1項目でも問題があるものを×とした。
(試験その2)
内側レンズ鏡筒5を完全に突出させるのではなく途中まで突出させ、遮光リングが折れ曲がった状態で、以下のいずれかの暴露条件に暴露した後の外観を調査する。
・暴露条件1:温度60℃、湿度90%RH、暴露時間1000時間。
・暴露条件2:温度70℃、湿度90%RH、暴露時間500時間
・暴露条件3:以下の条件ア→イ→ウ→イ→−30℃降温のサイクルを300回繰り返す。ただし、昇温時の温度勾配3℃/分、降温時の温度勾配1℃/分。
ア.温度−30℃、湿度20%RH、30分
イ.温度24℃、湿度20%RH、15分
ウ.温度80℃、湿度20%RH、30分
・外観観察項目
(i)遮光性フィルムに皺が発生していないか。
(ii)遮光性フィルムに亀裂が発生していないか。
(iii)遮光性フィルムと布帛に剥がれが発生していないか。
内側レンズ鏡筒5を完全に突出させるのではなく途中まで突出させ、遮光リングが折れ曲がった状態で、以下のいずれかの暴露条件に暴露した後の外観を調査する。
・暴露条件1:温度60℃、湿度90%RH、暴露時間1000時間。
・暴露条件2:温度70℃、湿度90%RH、暴露時間500時間
・暴露条件3:以下の条件ア→イ→ウ→イ→−30℃降温のサイクルを300回繰り返す。ただし、昇温時の温度勾配3℃/分、降温時の温度勾配1℃/分。
ア.温度−30℃、湿度20%RH、30分
イ.温度24℃、湿度20%RH、15分
ウ.温度80℃、湿度20%RH、30分
・外観観察項目
(i)遮光性フィルムに皺が発生していないか。
(ii)遮光性フィルムに亀裂が発生していないか。
(iii)遮光性フィルムと布帛に剥がれが発生していないか。
[実施例1]
(遮光性フィルム)
(a)フィルム1(1層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが15μmのフィルムを作製した。
(b)フィルム2(2層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、離型紙に付いたフィルム1の上にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、1層目と合わせて厚さが30μmのフィルムを作製し、離型紙ごとロールに巻き取った。
(遮光性フィルム)
(a)フィルム1(1層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが15μmのフィルムを作製した。
(b)フィルム2(2層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、離型紙に付いたフィルム1の上にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、1層目と合わせて厚さが30μmのフィルムを作製し、離型紙ごとロールに巻き取った。
上記のように作製したフィルムは、遮光性は、全波長(2,600〜220nm)で遮光率99%、可視光領域(800〜400nm)100%であった。
(布帛)
以下の構成の布帛を用いた。布帛は、液流染色機で黒色に染色した。この布帛の厚さは80μmであった。この布帛に170℃、カレンダー圧力9629kPa(≒200kgf/cm2)で、カレンダー処理を行い、厚さ50μmにすることができた。
使用糸:ポリエステル100%フィラメントヤーン
ウエル 22dtex−12フィラメント、
コース 22dtex−12フィラメント、
組織:織物
編密度:155本/2.54cm、155本/2.54cm。
(ラミネート)
ポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤(NH-123 大日本インキ化学工業株式会社製)接着剤を加熱溶融させ、上記遮光性フィルムの表面に塗布量10g/m2になるようにグラビアコーターで塗布し、上記布帛に圧着し、50℃で50時間エージングして、遮光シートを得た。
(布帛)
以下の構成の布帛を用いた。布帛は、液流染色機で黒色に染色した。この布帛の厚さは80μmであった。この布帛に170℃、カレンダー圧力9629kPa(≒200kgf/cm2)で、カレンダー処理を行い、厚さ50μmにすることができた。
使用糸:ポリエステル100%フィラメントヤーン
ウエル 22dtex−12フィラメント、
コース 22dtex−12フィラメント、
組織:織物
編密度:155本/2.54cm、155本/2.54cm。
(ラミネート)
ポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤(NH-123 大日本インキ化学工業株式会社製)接着剤を加熱溶融させ、上記遮光性フィルムの表面に塗布量10g/m2になるようにグラビアコーターで塗布し、上記布帛に圧着し、50℃で50時間エージングして、遮光シートを得た。
得られた遮光シートは、厚さが100μmと薄く、可視光領域(800〜400nm)遮光性が100%と高く、耐久性試験では、試験1では寸法変化率が1%未満で、皺の発生もなかった。また試験2でも破れの発生など問題がなく、柔軟であるが機械的強度や寸法安定性に優れる遮光シートが得られた。
[実施例2]
(遮光性フィルム)
実施例1と同じ
(布帛)
布帛は、カレンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同じ織物を使用した。厚さは、100μmとカレンダー処理するものと比較すると厚くなり、目視と手触りで確認したところ、織り目の凸凹も大きかった。
(ラミネート)
実施例1と同じ方法でラミネートした。
(遮光性フィルム)
実施例1と同じ
(布帛)
布帛は、カレンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同じ織物を使用した。厚さは、100μmとカレンダー処理するものと比較すると厚くなり、目視と手触りで確認したところ、織り目の凸凹も大きかった。
(ラミネート)
実施例1と同じ方法でラミネートした。
得られた遮光シートは、厚さが150μmとなり、可視光領域(800〜400nm)における遮光性が100%と高く、耐久性試験でも、試験1では寸法変化率が1%未満で、皺の発生もなかった。また試験2でも破れの発生など問題がなく、機械的強度や寸法安定性に優れる遮光シートが得られた。布帛をカレンダー処理した[実施例1]と比較すると厚さが厚く、耐久性試験の試験2で鏡筒を動かすときに、抵抗があり、擦れる音が大きかったが、実用には、問題ないレベルであった。
[実施例3]
(遮光性フィルム)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが30μmのフィルムを作製した。
(布帛)
布帛には、実施例1と同じ織物で、カレンダー処理を行った物を用いた。
(ラミネート)
実施例1と同じ方法でラミネートした。
(遮光性フィルム)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが30μmのフィルムを作製した。
(布帛)
布帛には、実施例1と同じ織物で、カレンダー処理を行った物を用いた。
(ラミネート)
実施例1と同じ方法でラミネートした。
[実施例4]
布帛には、実施例1と同じ織物で、カレンダー処理を行なったものを使用し、布帛上にナイフコーティング法で遮光性フィルムを製膜する方法で遮光性シートを得た。
(遮光性フィルム)
(a)フィルム1(1層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、布帛の上にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、全体の厚さが65μmになるように布帛上に遮光性フィルム1層を作製した。
(b)フィルム2(2層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、上記(i)で布帛上に作成した遮光性フィルム1の上にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、全体の厚さが80μmになるように遮光性フィルム2層を作製した。
布帛には、実施例1と同じ織物で、カレンダー処理を行なったものを使用し、布帛上にナイフコーティング法で遮光性フィルムを製膜する方法で遮光性シートを得た。
(遮光性フィルム)
(a)フィルム1(1層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、布帛の上にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、全体の厚さが65μmになるように布帛上に遮光性フィルム1層を作製した。
(b)フィルム2(2層目)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、上記(i)で布帛上に作成した遮光性フィルム1の上にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、全体の厚さが80μmになるように遮光性フィルム2層を作製した。
上記のように作製した遮光性シートは、厚さが80μmと薄く、全波長(2,600〜220nm)で遮光率99%、可視光領域(800〜400nm)遮光性が100%と高く、耐久性試験でも、試験1では寸法変化率が1%未満で、皺の発生もなかった。また、試験2でも破れの発生など問題がなく、実用上問題はなかった。しかし、布帛の繊維の内部に樹脂が含浸しており、実用上問題のない程度であるが。実施例1と比較すると硬く、耐久性試験の試験2で鏡筒を動かすときに、抵抗があり、擦れる音が発生した。
[比較例1]
フィルムのみで遮光シートを構成した。
(遮光性フィルム)
(a)1層目
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが50μmのフィルムを作製した。
(b)2層目
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、1層目と合わせて厚さが100μmのフィルムを作製し、フィルムだけの遮光シートを作製した。
フィルムのみで遮光シートを構成した。
(遮光性フィルム)
(a)1層目
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが50μmのフィルムを作製した。
(b)2層目
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、1層目と合わせて厚さが100μmのフィルムを作製し、フィルムだけの遮光シートを作製した。
上記のように作製したフィルムだけの遮光シートは、厚さが100μmと薄く、可視光領域(800〜400nm)における遮光性が100%と高かったが、耐久性試験では、試験1で寸法変化率が1%以上収縮して皺が発生し、寸法安定性に問題があった。また、試験2では、皺や破れが発生してしまい、寸法安定性や機械的強度に問題があった。
[比較例2]
(遮光性フィルム)
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが15μmのフィルムを作製した。
(布帛)
布帛は、カレンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同じ織物を使用した。厚さは、100μmとカレンダー処理するものと比較すると厚くなり、目視と手触りで確認したところ、織り目の凸凹も大きかった。
(樹脂含浸基布)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合した加工液に上記布帛を浸漬し、布帛に加工液を含浸させた後ニップロールで搾って、該布帛を130℃で乾燥して、ウレタン樹脂含浸基布を作成した。このウレタン樹脂含浸基布の厚さは80μmであった。
(ラミネート)
実施例1と同じ方法で上記遮光フィルムと上記ウレタン樹脂含浸基布をラミネートした。
(遮光性フィルム)
ウレタン樹脂エマルジョン(NY−324、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−1770S 固形分20%、大日本化学工業株式会社製)20質量部を混合し、離型紙にナイフコーティング法にて、コーティングし、130℃で乾燥して、厚さが15μmのフィルムを作製した。
(布帛)
布帛は、カレンダー処理を行わなかった以外は実施例1と同じ織物を使用した。厚さは、100μmとカレンダー処理するものと比較すると厚くなり、目視と手触りで確認したところ、織り目の凸凹も大きかった。
(樹脂含浸基布)
ウレタン樹脂エマルジョン(NB−765、固形分30%、大日本化学工業株式会社製)100質量部、黒色顔料(DILAC BLACK L−6001S 固形分30%、大日本化学工業株式会社製)12質量部を混合した加工液に上記布帛を浸漬し、布帛に加工液を含浸させた後ニップロールで搾って、該布帛を130℃で乾燥して、ウレタン樹脂含浸基布を作成した。このウレタン樹脂含浸基布の厚さは80μmであった。
(ラミネート)
実施例1と同じ方法で上記遮光フィルムと上記ウレタン樹脂含浸基布をラミネートした。
得られた遮光シートは、厚さが115μmとなり、可視光領域(800〜400nm)における遮光性が100%と高く、耐久性試験でも、試験1では寸法変化率が1%未満で、皺の発生もなかった。また試験2でも破れの発生など問題がなく、機械的強度や寸法安定性に優れる遮光シートが得られた。しかし、布帛をカレンダー処理した実施例1と比較すると硬く、カメラに設置して鏡筒を動かすと、抵抗が大きく、擦れる音が発生した。
なお、上記実施例、比較例における条件、結果を表1、表2に示す。
1:遮光性フィルム
2:布帛
3:両面テープ
4:カメラの遮光部材
5:内側レンズ鏡筒
6:外側レンズ鏡筒
2:布帛
3:両面テープ
4:カメラの遮光部材
5:内側レンズ鏡筒
6:外側レンズ鏡筒
Claims (7)
- 遮光性フィルムとエラストマー非含浸布帛とが積層されていることを特徴とする遮光シート。
- 前記遮光性フィルムが接着剤を介して前記エラストマー非含浸布帛に貼り合わされていることを特徴とする請求項1に記載の遮光シート。
- 前記遮光性フィルムがウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびオレフィン系樹脂系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の遮光シート。
- 前記遮光性フィルムが複数層構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮光シート。
- 前記エラストマー非含浸布帛の厚さが30〜80μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遮光シート。
- 前記エラストマー非含浸布帛が織物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遮光シート。
- 前記エラストマー非含浸布帛がカレンダー処理されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遮光シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007165896A JP2009003315A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 遮光シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2017116690A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | セイコーエプソン株式会社 | 虚像表示装置 |
JP2018060098A (ja) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | 株式会社きもと | 光学機器用積層遮光フィルム、並びに、これを用いた光学機器用遮光リング、レンズユニット及びカメラモジュール |
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-
2007
- 2007-06-25 JP JP2007165896A patent/JP2009003315A/ja active Pending
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