JP2009002726A - 光源、光ヘッドおよびセンシング装置 - Google Patents

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朋宏 山田
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Abstract

【課題】近接場光を効率良く発生することが可能な光源等を提供する。
【解決手段】微小開口103の形状は、部材101に入射光106が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しい辺を有する形状である。または、微小開口103の形状は、その波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい辺を有する形状である。
【選択図】図1A

Description

本発明は、光通信や情報処理等に用いられる光源、光ヘッドおよびセンシング装置に関するものである。
走査型プローブ顕微鏡には、走査型トンネル顕微鏡(以下、STMと呼ぶ)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(MFM)および近接場光学顕微鏡(以下、SNOMと呼ぶ)等がある。これらの顕微鏡は、微小探針(探針)を有するプローブを、試料に近接させることにより得られるトンネル電流、原子間力、磁気力または光等を用いて、試料の表面構造を検知する。
また、STMは、導体の表面原子の電子構造を直接観察でき、単結晶および非晶質を問わず、試料の実空間像を高い分解能で測定できる。STMは、非特許文献1に記載されている。
また、SNOMは、微小開口が形成された部材に光を照射し、その微小開口から発生される近接場光を利用して、試料表面を観察するものである。SNOMは、従来の光学顕微鏡では不可能とされたλ/2以下の分解能で、試料表面の微細パターン形状等を非破壊で計測できる。なお、λは、照射される光の波長である。
さらに、SNOMは、生態や細胞等の従来観察が困難であった材料を試料として用いることが可能であり、観察可能な対象が多く、その応用範囲も広い。
また、SNOMにおける微小開口から発生する近接場光を、試料表面の観察に用いるだけでなく、露光やその他の技術に応用する研究も活発に行なわれている。
(G.Binnig et al.Phys.Rev.Lett.49、57(1983))
SNOMでは、照射される光のエネルギーによって近接場光が発生される。しかしながら、試料表面の観察などにおいて、そのエネルギーを近接場光に変換する効率は、必ずしも満足の行くものではない。
そこで、本発明は、近接場光を効率良く発生することが可能な光源等を提供することを目的とする。
上記の目的を解決するために本発明による光源は、
また、本発明による光源は、第一の面から第二の面に貫通する開口が形成された導電性部材と、前記第一の面に光を照射して、前記第二の面に近接場光を発生させる照射部とを含む光源において、前記第一の面および前記第二の面の少なくともどちらか一方における前記開口の形状は、前記導電性部材に前記光が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しい辺か、または、該波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい辺を有することを特徴とする。
また、本発明による光源は、第一の面から第二の面に貫通する開口が形成された導電性部材と、前記第一の面に光を照射する照射部とを含む光源において、前記第一および第二の面の少なくともどちらか一方における前記開口の形状は、滑らかな形状であり、該滑らかな形状の周長が、前記導電性部材に前記光が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍に等しいまたは略等しいことを特徴とする。
また、本発明による光ヘッドは、前記光源と、前記光源が発生した近接場光に関する光を検知する光検知部と、を含む。
また、本発明によるセンシング装置は、前記光源と、観察試料を設置するための設置部材と、前記光源が発生した近接場光の前記観察試料による透過光を検知する検知部と、を含む。
また、本発明による表面観察装置は、前記光源と、観察試料を設置するための設置部材と、前記光源が発生した近接場光の前記観察試料による散乱光を検知する検知部と、を含む。
また、本発明による情報記録再生装置は、前記光源と、記録媒体を設置するための設置部材と、前記光源が発生した近接場光の前記記録媒体による信号光を検知することにより前記記録媒体の中の情報を再生する光検知部と、前記光源が発生する光の強度を、記録用の情報に応じて変化させることにより前記記録用の情報を前記記録媒体に記録する制御部と、を含む。
本発明によれば、近接場光を効率良く発生することが可能になる。
以下、本発明による光源等について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、各図面において同じ機能を有するものには同じ符号を付し、説明を省略することがある。また、以下の説明は、単なる一例であって、本発明を限定するものではない。
先ず、実施の形態を説明する。本実施の形態では、導電体薄膜に入射光の波長以下の大きさの微小開口を形成し、そこに照射される光のエネルギーを効率よく出射面に通すことで、近接場光を効率良く発生することが可能な光源を構成する。
図1Aは、本発明の一実施の形態の光源の概略を示す模式図である。
図1Aにおいて、光源は、部材101と、照射部102とを含む。
部材101は、微小開口103が形成された導電性部材である。ここで、部材101は、導電性薄膜であるとする。また、部材101は、誘電体に覆われている。なお、誘電体は、空気とする。
微小開口103は、部材101の入射面104から出射面105に貫通する開口である。なお、入射面104は、入射光106が照射される第一の面であり、出射面105は、近接場光を照射する第二の面である。
また、微小開口103の大きさは、入射光106が通り抜けられないように、入射光106の波長より小さいとする。
さらに、部材101の入射面104および出射面105のそれぞれにおける微小開口103の形状は、略長方形であるとする。なお、その略長方形の短辺の長さをaとし、その長辺の長さをbとする。
照射部102は、部材101の入射面104に入射光106を照射して、出射面105に近接場光を発生させる。このとき、照射部102は、入射光106として直線偏光を照射している。なお、入射光106の偏光方向は、入射光106の電場ベクトルの向きである。また、入射光106の偏光方向は、図1Aでは、Eの向きであるとする。
ここで、入射面104における微小開口103の辺α107およびβ108は、入射光106の偏光方向と成す角が直角であるとする。また、出射面105における微小開口103の辺γ109およびδ110は、その偏光方向と成す角が直角であるとする。さらに、入射面104における微小開口の辺ε111およびζ112は、その偏光方向と成す角が0度であるとする。
なお、辺α107、β108およびγ109およびδ110は、長辺であり、辺ε111およびζ112は、短辺である。
この構成において、入射光106が微小開口103に照射されると、辺α107およびβ108のそれぞれに表面プラズモンポラリトンが励起される。
これは、金属と誘電体の界面に角が存在する場合、光がその角に照射されると、その角の自由電子がその光と相互作用して表面プラズモンポラリトンが発生するためである。このとき、その光の電場ベクトルのその角に対する垂直成分によって、表面プラズモンポラリトンが発生する。なお、これは、その界面に散乱体などが存在する場合と同様な現象である。
なお、辺に励起される表面プラズモンポラトリンは、部材101が理想金属で形成される場合、部材101の内部に染み込まない。しかしながら、表面プラズモンポラトリンは、部材101が実際の物質で形成される場合、部材101に染み込む。
辺α107およびβ108のそれぞれに励起された表面プラズモンポラリトンのそれぞれは、主に微小開口103の側壁面A112およびB113のそれぞれを伝搬して、入射面104から出射面105に伝搬する。これにより、表面プラズモンポラリトンが、入射光106のエネルギーを出射面105に伝搬する。
なお、側壁面A112は、辺α107およびγ109を有する微小開口103の側壁であり、側壁面B113は、辺β108およびδ110を有する微小開口103の側壁である。
表面プラズモンポラリトンは、出射面105に到達すると、辺γ109およびδ110のそれぞれに励起される。その励起された表面プラズモンポラリトンは、近接場光を発生する。このとき、その励起された表面プラズモンポラリトンは、伝搬光も発生する。これは、伝搬光である入射光106が表面プラズモンポラリトンを励起した過程と逆の過程が発生するためである。
このとき、近接場光が効率良く発生されるためには、微小開口103の形状が高効率条件を満たせばよい
具体的には、微小開口103の辺α107、β108、γ109およびδ110の長さが、その励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に等しいまたは略等しい。または、その各辺の長さが、その波長の整数または半整数倍から予め定められた規定値だけ短い長さに略等しければよい。
さらに言えば、表面プラズモンポラトリンの部材101内部への染み込みが無視できる場合、その各辺の長さが、その励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に等しいまたは略等しいことが必要である。その染み込みが無視できない場合、その各辺の長さが、その波長の整数または半整数倍から規定値だけ短い長さに等しいまたは略等しいことが必要である。
なお、規定値は、各辺に対して以下の値である。つまり、規定値は、その辺の両端のそれぞれからその辺に沿った方向に染み込む表面プラズモンポラトリンの長さのそれぞれの和である。ここで、その染み込む長さは、部材101を形成する導電体の種類や、その導電体および部材101を覆う誘電体の誘電率に応じて定められる。
微小開口103の形状が高効率条件を満たせば、その各辺で励起される表面プラズモンポラトリンが定在波になることが可能になる。
定在波は波が変形しないため、その波の変形によって消失されるエネルギーがなく、入射光106のエネルギーを効率よく表面プラズモンポラリトンに変換することが可能になる。また、変換された表面プラズモンを出射面105に効率良く伝搬させることができる。したがって、近接場光が効率良く発生される。
なお、辺の長さは、例えば、基準長の−10%〜10%の範囲に含まれていれば、その基準長と略等しいとみなせる。基準長は、その波長の整数または半整数倍の長さ、または、その波長の整数または半整数倍から規定値だけ短い長さである。
図1Bは、辺γ109で励起される表面プラズモンポラリトンの定在波を示した模式図である。
図1Bでは、低電子密度領域114と、高電子密度領域115とが示されている。低電子密度領域114は、表面プラズモンポラリトンである電子密度波の電子密度が低い領域であり、高電子密度領域115は、その電子密度波の電子密度が高い領域である。
ここで、辺γ109の長さは、表面プラズモンポラリトンの波長の2倍と等しいとする。この場合、低電子密度領域114および高電子密度領域115は、辺γ109上に交互に2度ずつ現れ、表面プラズモンポラリトンは、2波長の定在波として励起される。
このような電界密度分布を形成できる条件が、高効率条件となる。
ここで、表面プラズモンポラリトンの波長は、数1のλsppで表される。
Figure 2009002726
数1において、λ0は入射光106の波長、ε1は誘電体(部材101を覆う誘電体)の誘電率、εmは導電体(部材101)の誘電率である。したがって、近接場光が効率良く発生されるためには、辺α107、β108、γ109およびδ110の長さ「b」は、波長λsppの整数倍または半整数倍と等しいまたは略等しい必要がある。
また、表面プラズモンポラリトンが側壁面A112およびB113のそれぞれを伝搬するので、微小開口103は、表面プラズモンポラリトンの導波路とみなせる。この場合、辺γ109およびδ110の長さは、その導波路の幅に相当する。
なお、この導波路の幅がカットオフ波長に近い場合、表面プラズモンポラリトンが入射面104から出射面105に伝搬する際に、表面プラズモンポラリトンのエネルギーの損失が大きくなる。
表面プラズモンポラリトンがその側壁面A112およびB113のそれぞれから部材101の内部に染み込まない理想金属で部材101が形成されている場合、導波路のカットオフ波長は、入射光106の半分である。しかしながら、実際の金属の場合、表面プラズモンポラリトンが部材101の内部に染み込むため、導波路の幅は、入射光106の半分以下になっても、ある程度のエネルギーが出射面に伝播する。
また、微小開口103の形状は、入射光106の偏光方向と成す角が直角である辺の長さが、表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に略等しかった。しかしながら、微小開口103の全ての辺の長さが、表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に略等しくてもよい。
さらに、入射面104および出射面105の両方における微小開口103の形状が、高効率条件を満たしていた。これが望ましいが、入射面104および出射面105の少なくともどちらか一方における微小開口103の形状が、高効率条件を満たしていれば、従来よりも効率良く近接場光を発生することが可能である。
次に、微小開口の形状の他の例を説明する。
図2Aは、微小開口の形状が円形の場合における光源の概略を示す模式図である。
図2Aにおいて、光源は、図1Aと同様に、部材101と、照射部102とを含む。
図2Aにおいて、部材101には、微小開口103の代わりに、微小開口201が形成されている。
微小開口201は、部材101の入射面104から出射面105に貫通する開口である。微小開口201の大きさは、入射光106の波長より小さいとする。
また、部材101の入射面104および出射面105のそれぞれにおける微小開口201の形状は、略円形である。なお、その略円形の周長は、cであるとする。
この場合、表面プラズモンポラリトンの定在波を励起するには、その周長「c」が、表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍に等しいまたは略等しいことが必要である。これは、表面プラズモンポラリトンの定在波は、その円形の周上に励起される必要があるからである。
その周上に励起された表面プラズモンポラリトンは、主に微小開口201の側壁面を伝搬して、入射面104から出射面105に伝搬する。
表面プラズモンポラリトンは、出射面105に到達すると、微小開口201である略円形の周上に励起される。その励起された表面プラズモンポラリトンは、近接場光と伝搬光を発生する。
図2Bは、円形の周上に励起される表面プラズモンポラリトンの定在波を示した模式図である。
図2Bでは、低電子密度領域202と、高電子密度領域203とが示されている。低電子密度領域202は、表面プラズモンポラリトンである電子密度波の電子密度が低い領域であり、高電子密度領域203は、その電子密度波の電子密度が高い領域である。
ここで、微小開口201である略円形の周長は、表面プラズモンポラリトンの波長と等しいまたは略等しいとする。この場合、低電子密度領域202および高電子密度領域203は、その略円形の周上に1度ずつ現れ、表面プラズモンポラリトンは、1波長の定在波として励起される。
このような、電界密度分布を形成できる条件が、高効率条件となる。
また、照射部102が入射光106として円偏光を照射する場合、以下の条件が満足されることが望ましい。つまり、微小開口201の形状が略円形であり、その略円形の周長cが表面プラズモンポラリトンの波長と等しいまたは略等しいことが望ましい。
これは、表面プラズモンポラリトンがその円形の周上を伝搬する速度と、その円偏光による偏光方向(偏光面)の回転速度が等しくなるためである。これらの速度が等しくなると、表面プラズモンポラリトンと入射光106が位相整合して、効率よく表面プラズモンポラリトンを励起される。
図3は、円偏光の入射光106により励起される表面プラズモンポラリトンを示した模式図である。
図3では、低電子密度領域301と、高電子密度領域302とが示されている。低電子密度領域301は、表面プラズモンポラリトンである電子密度波の電子密度が低い領域であり、高電子密度領域302は、その電子密度波の電子密度が高い領域である。
ここで、微小開口201である略円形の周長は、表面プラズモンポラリトンの波長と等しいまたは略等しいとする。低電子密度領域202および高電子密度領域203は、その略円形の周上に1度ずつ現れ、偏光方向の変化と共に移動する。このとき、表面プラズモンポラリトンと入射光106が位相整合して、効率よく表面プラズモンポラリトンを励起される。
このような、電界密度分布を形成できる条件が、高効率条件となる。
なお、本実施の形態において、微小開口201の深さも、入射面104および出射面105の周囲で励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に等しいまたは略等しいことが望ましい。
微小開口201の深さは、表面プラズモンポラリトンの導波路の長さに相当する。この長さが表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に等しいまたは略等しいと、入射面104から出射面105に伝達する表面プラズモンポラリトンが定在波になる。これにより、効率良く入射光106のエネルギーを出射面105に伝達することが可能になり、効率良く近接場光を発生することが可能になる。
また、通常、微小開口201の深さが深いほど、表面プラズモンポラリトンの伝播によるエネルギーの損失が増大する。このため、効率良く入射光106のエネルギーを出射面105に伝達するためには、通常、微小開口201の深さは、浅いほどよい。
したがって、通常、微小開口201の深さは、表面プラズモンポラリトンの半波長に等しいまたは略等しいと、最も効率良く近接場光を発生することが可能になる。しかしながら、微小開口201の深さが表面プラズモンポラリトンの波長またはそれ以上の場合に、最も効率良く近接場光を発生することがある。ここで、最も効率良く近接場光を発生することが可能な微小開口201の深さは、部材101を形成する導電体の種類や微小開口201内部の有効誘電率などにより異なる。
また、微小開口103または201の側壁面を伝播する表面プラズモンポラリトンの波長は、微小開口103または201内部の有効誘電率によって異なる。このため、必ずしも、その伝搬する表面プラズモンポラリトンの波長は、入射面104および出射面105で励起される表面プラズモンポラリトンの波長と等しいわけではない。
さらに、微小開口103または201の数は、一つだけであったが、実際には、複数でもよい。
次に、実施例を説明する。
(略多角形または略円形の微小開口・直線偏光)
図4は、実施例1の光源の構成を示す模式図である。
図4において、光源は、部材101と、照射部102とを含む。
部材101は、本実施例では、Agの自立薄膜であるとする。また、部材101の厚さは、300nm程度であるとする。さらに、部材101は、空気で覆われているとする。
なお、部材101は、Agで形成されていたが、Agに限らず、表面プラズモンポラリトンを効率良く励起できる材料であれば、金属でも半導体でもよい。部材101は、例えば、Ag、Au、CuおよびALなどで形成されることが特に好ましい。また、部材101は、自立薄膜でなく、支持部材に支持されてもよい。
また、部材101には、微小開口401が形成されている。微小開口401は、部材101の入射面104から出射面105に貫通する開口である。また、微小開口401の大きさは、入射光106の波長より小さい。
また、入射面104および出射面105のそれぞれにおける微小開口401の形状は、略正方形である。
この略正方形の各辺の長さは、入射光106が照射されることにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に等しいまたは略等しい。または、その長さは、その表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい。
以下では、この略正方形の各辺の長さは、その表面プラズモンポラリトンの波長の長さと等しいまたは略等しいとする。
照射部102は、入射光106として直線偏光を照射している。なお、入射光106の偏光方向は、図4のEの向きである。入射光106は、レーザー光である。
入射光106の波長は、略488nmであるとする。この場合、空気とAg界面で励起される表面プラズモンポラリトンの波長は、略456nmである。
ここで、入射面104における微小開口401の辺α402およびβ403は、入射光106の偏光方向と成す角が直角であるとする。また、出射面105における微小開口401の辺γ404およびδ405は、入射光106の偏光方向と成す角が直角であるとする。
この構成において、入射光106が部材101の入射面104に照射されると、辺α402およびβ403のそれぞれに、表面プラズモンポラリトンが励起される。その表面プラズモンポラリトンの波長は、略456nmである。
辺α402およびβ403のそれぞれで励起された表面プラズモンポラリトンのそれぞれは、主に微小開口401内の側壁面A406およびB407のそれぞれを伝搬して、入射面104から出射面105に伝搬する。
なお、側壁面A406は、辺α402およびγ403を有する微小開口401の側壁であり、側壁面B407は、辺β404およびδ405を有する微小開口401の側壁である。
表面プラズモンポラリトンは、出射面105に到達すると、辺γ404およびδ405のそれぞれに定在波として励起される。この定在波として励起された表面プラズモンポラリトンのエネルギーは、近接場光と伝搬光になる。
このように、微小開口401の形状を、その辺上で表面プラズモンポラリトンの定在波が励起することが可能なようにしておくことで、微小開口401内を高効率に入射光106のエネルギーを伝搬することが可能になる。したがって、微小開口401の大きさ程度の微細領域に近接場光を効率良く発生することが可能になる。
なお、微小開口401の形状は、本実施例では、略正方形であったが、略正方形に限らない。微小開口401の形状は、表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍に等しいまたは略等しい辺を有する形状である。または、微小開口401の形状は、その表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍または半整数倍から予め定められた値だけ短い長さに略等しい辺を有する形状であればよい。例えば、微小開口401の形状は、このような辺を有する略多角形でよい。
このような辺が複数ある場合、それらの辺の中で、少なくとも入射光106の偏光方向と成す角が直角に最も近い辺の長さが、その表面プラズモンポラリトンの波長の半整数倍または整数倍に等しいまたは略等しいことが望ましい。
さらに、微小開口401の形状は、略円形または略楕円形などの頂点を持たない滑らかな形状でもよい。この場合、近接場光が効率良く発生されるためには、その滑らかな形状の周長が、その周で励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍と等しいまたは略等しいことが必要である。
次に効果を説明する。
本実施例によれば、微小開口401の形状は、部材101に入射光106が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しい辺を有する形状である。または、微小開口401の形状は、その波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい辺を有する形状である。
この場合、その辺に励起される表面プラズモンポラリトンを定在波にすることが可能になる。また、その表面プラズモンポラリトンが近接場光を発生する。このため、定在波はエネルギーの損失が小さいので、近接場光を効率良く発生することが可能になる。
また、本実施例では、照射部102は、入射光106として直線偏光を照射する。また、上記のような辺の中で、少なくとも入射光106の偏光方向と成す角度が直角に最も近い辺の長さが、表面プラズモンポラリトンの波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しい形状である。または、その一辺が、その表面プラズモンポラリトンの波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい形状である。
入射光106が辺に照射されたとき、入射光106の電場ベクトルのその辺に対する垂直成分によって、表面プラズモンポラリトンが発生する。このため、入射光106の偏光方向と成す角度が直角に近いほど、効率良く入射光106のエネルギーを表面プラズモンポラリトンに変換することができる。
したがって、上記の構成により、効率良く入射光106のエネルギーを表面プラズモンポラリトンに変換することが可能になる。よって、近接場光を効率良く発生することが可能になる。
また、本実施例では、入射面104および出射面105の両方における微小開口401の形状が、上記のような辺を有する形状である。
この場合、入射面104および出射面105の両方で表面プラズモンポラリトンが定在波になるので、近接場光をより効率良く発生することが可能になる。
また、本実施例では、部材101は、金属または半導体で形成される。
また、本実施例では、微小開口401の形状は、滑らかな形状である。その形状の周長が、部材101に入射光106が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍に等しいまたは略等しい。
この場合、その周上に励起される表面プラズモンポラリトンが定在波にすることが可能になる。また、その表面プラズモンポラリトンが近接場光を発生する。このため、近接場光を効率良く発生することが可能になる。
(略円形の微小開口・円偏光)
図5は、実施例2の光源の構成を示す模式図である。
図5において、光源は、部材101と、照射部102とを含む。
照射部102は、入射光106として円偏光を照射する。
部材101には、微小開口501が形成されている。なお、微小開口501は、部材101の入射面104から出射面105に貫通する開口である。また、微小開口501の大きさは、入射光106の波長より小さい。
また、入射面104および出射面105のそれぞれにおける微小開口501の形状は、略円形である。その円形の周長は、表面プラズモンポラリトンの波長の長さと等しいまたは略等しいとする。
ここで、空気とAg界面での表面プラズモンポラリトンの波長は、略456nmである。このため、例えば、その円形の半径を略73nmにすれば、その円形の周長は、458nmとなり、周長が表面プラズモンポラリトンの波長の長さと略等しくなる。
この構成において、入射光106が部材101の入射面104に照射されると、入射面104における微小開口501の周上に、表面プラズモンポラリトンが励起される。
その周上に励起された表面プラズモンポラリトンは、主に微小開口501内の側壁面502を伝搬して、入射面104から出射面105に伝搬する。
表面プラズモンポラリトンは、出射面105に到達すると、出射面105における微小開口501の周上に、表面プラズモンポラリトンが励起される。この励起された表面プラズモンポラリトンは、近接場光と伝搬光になる。
また、入射面104および出射面105における微小開口501の周上に励起された表面プラズモンポラリトンは、入射光106と位相整合するので、効率良く表面プラズモンポラリトンを励起する。
次に、効果を説明する。
本実施例によれば、照射部102は、入射光106として円偏光を照射する。また、略円形の周長は、表面プラズモンポラリトンの波長に等しいまたは略等しい。
この場合、表面プラズモンポラリトンは、入射光106と位相整合するので、効率良く表面プラズモンポラリトンを励起することが可能になる。したがって、入射光106が円偏光でも、周長を表面プラズモンポラリトンの定在波にすることが可能な長さにしておくことで、効率良く表面プラズモンポラリトンを励起することが可能になる。
センシング装置
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1または実施例2の光源を用いたセンシング装置を説明する。
図6は、本実施例のセンシング装置の構成を示す模式図である。
図6において、センシング装置は、白色光発生装置601と、近接場光発生構造602と、XYZステージ603と、ステージ駆動回路604と、分光器605と、光電子倍増管606と、計測制御コンピュータ607とを含む。なお、このセンシング装置には、センシングする観察試料である試料608が設置されている。
白色光発生装置601は、白色光のビーム609を近接場光発生構造602に照射する照射部である。
近接場光発生構造602は、ビーム609により近接場光を発生する。
図7は、近接場光発生構造602の構成の概略を示した模式図である。
図7において、近接場光発生構造602は、部材101と、支持基板701とを含む。
部材101には、微小開口702が形成されている。なお、入射面104および出射面105における微小開口702の形状は、図4で示した形状と同じであるとする。なお、その微小開口の702の形状は、図4で示した形状に限らず、図1A、図2Aまたは図5で示した形状などでもよい。
支持基板701は、部材101を支持する。ここで、支持基板701は、少なくとも微小開口702を空気で覆うための開口部703を有する。開口部703の大きさは、10mm口であるとする。しかしながら、開口部703の大きさは10mm口に限らない。開口部703の大きさは、少なくもビーム609の波長よりも大きければよく、微小開口702に比べて十分大きいことが望ましい。
図6に戻る。近接場光発生構造602は、試料608を支持する。近接場光発生構造602は、ビーム609により発生された近接場光を試料608に照射する。
XYZステージ603は、試料608を設置するための設置部材である。具体的には、XYZステージ603は、近接場光発生構造602を3次元に駆動支持して、近接場光発生構造602上に試料608を設置する。
ステージ駆動回路604は、XYZステージ603を駆動して、試料608の3次元位置を制御する駆動部である。
分光器605は、近接場光発生構造602が発生した近接場光の試料608による透過光610を分光する。
光電子倍増管606は、近接場光発生構造602が発生した近接場光に関する光を検知する検知部である。具体的には、光電子倍増管606は、分光器605が分光した透過光610を検知する。さらに言えば、光電子倍増管606は、透過光610の強度を波長ごとに検知する。
計測制御コンピュータ607は、光電子倍増管606が検知した透過光610に基づいて、試料608に関する情報を検知する情報検知部である。試料608に関する情報は、例えば、試料608の屈折率などである。なお、試料608に関する情報は、試料608の屈折率に限らず適宜変更可能である。
また、計測制御コンピュータ607は、ステージ駆動回路604を制御して、XYZステージ603を3次元に駆動する。これにより、近接場光を照射する試料608の位置を変更することができる。
なお、白色光発生装置601および近接場光発生構造602は、図4で示した光源を構成する。また、白色光発生装置601、近接場光発生構造602、分光器605および光電子倍増管606は、光ヘッドを構成する。
また、本実施例では、光電子倍増管606は、近接場光による透過光を検知していたが、それに限らず、近接場光に関する光を検知するように構成してもよい。近接場光に関する光は、試料や記録媒体などの照射物による透過光、反射光または散乱光などである。これにより、光ヘッドを、センシング装置だけでなく様々な装置で用いることが可能になる。
次に動作を説明する。
先ず、白色光発生装置601は、ビーム609を近接場光発生構造602に照射する。近接場光発生構造602は、ビーム609が照射されると、ビーム609により近接場光を発生する。その発生された近接場光が、試料608に照射される。
分光器605は、その照射された近接場光の試料608による透過光610を受光し、透過光610を分光する。
光電子倍増管606は、分光器605が分光した透過光610を受光し、透過光610の強度を波長ごとに検知する。光電子倍増管606は、その検知した透過光610の波長ごとの強度を計測制御コンピュータ607に出力する。
計測制御コンピュータ607は、その波長ごとの強度を受信すると、その波長ごとの強度に基づいて、試料608に関する情報を検知する。
また、計測制御コンピュータ607は、ステージ駆動回路604に、XYZステージ603の移動距離および移動方向を示す制御信号を出力する。ステージ駆動回路604は、その制御信号を受信すると、その制御信号が示す移動距離および移動方向だけXYZステージ603を駆動する。これにより、試料608にビーム609を照射する位置を変更することができる。
次に効果を説明する。
本実施例によれば、光ヘッドは、実施の形態、実施例1または2による光源を含む。また、光電子倍増管606が、その光源が発生した近接場光に関する光を検知する。
この場合、近接場光を効率良くできるため、高感度の光ヘッドを構成することが可能になる。
また、本実施例では、センシング装置は、実施の形態、実施例1または2による光源を含む。また、光電子倍増管606は、その光源が発生した近接場光の試料608による透過光610を検知する。
この場合、近接場光を効率良く発生できるため、高感度および高速度なセンシング(例えば、屈折率センシングやバイオセンシング)を行なうことが可能になる。さらに、短時間時でセンシングすることが可能になる。
なお、センシング速度を更に向上させるために、その光源を複数設けて、マルチヘッドのセンシング装置を構成してもよい。
表面観察装置
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1または実施例2の光源を用いた表面観察装置を説明する。
図8は、表面観察装置の構成を示す模式図である。なお、この表面観察装置は、ルミネーションモードの近接場光学顕微鏡(SNOM)である。
図8において、表面観察装置は、近接場光発生構造602と、XYZステージ603と、ステージ駆動回路604と、光電子倍増管606と、計測制御コンピュータ607とを含む。さらに、表面観察装置は、ビーム発生装置801と、基板802と、集光レンズ803と、ディスプレイ804とを含む。なお、この表面観察装置には、表面構造を解析する観察試料である試料805が設置されている。
ビーム発生装置801は、単色のビーム806を近接場光発生構造602に照射する照射部である。なお、ビーム806の波長は、488nmであるとする。
近接場光発生構造602は、試料805の表面に対して、例えば、100nm以下の距離まで近接され、ビーム806により発生される近接場光を試料805に照射する。
基板802は、試料805を支持する。
XYZステージ603は、試料805を設置する。具体的には、XYZステージ603は、基板802を3次元に駆動支持して、基板802上に試料608を設置する。
ステージ駆動回路604は、XYZステージ603を駆動して、試料805の3次元位置を制御する。
集光レンズ803は、近接場光発生構造602が発生した近接場光の試料805による散乱光を集光する。
光電子倍増管606は、近接場光発生構造602が発生した近接場光の試料805による散乱光を検知する。具体的には、光電子倍増管606は、集光レンズ803が集光した散乱光の強度を検知する。
計測制御コンピュータ607は、光電子倍増管606が検知した散乱光に基づいて、試料805の表面構造を検知する。
ディスプレイ804は、計測制御コンピュータ607が検知した試料805の表面構造を表示する表示装置である。
なお、ビーム発生装置801および近接場光発生構造602は、図4で示した光源を構成する。また、ビーム発生装置801、近接場光発生構造602、集光レンズ803および光電子倍増管606は、光ヘッドを構成する。
また、本実施例の構成を用いて、ストレージ装置や露光装置を構成することも可能である。
次に動作を説明する。
先ず、ビーム発生装置801は、ビーム806を近接場光発生構造602に照射する。近接場光発生構造602は、ビーム806が照射されると、ビーム806により表面プラズモンポラリトンを励起し、その表面プラズモンポラリトンから近接場光を発生する。その発生された近接場光が、試料805に照射される。
集光レンズ803は、その照射された近接場光の試料805による散乱光を光電子倍増管606に集光する。
光電子倍増管606は、集光レンズ803にて集光された散乱光を受光し、その散乱光の強度を検知する。光電子倍増管606は、その検知した散乱光の強度をSNOM信号807として計測制御コンピュータ607に出力する。
計測制御コンピュータ607は、SNOM信号807を受信すると、そのSNOM信号807に基づいて、試料805の表面構造を検知する。計測制御コンピュータ607は、その検知した表面構造をディスプレイ804に表示する。
例えば、計測制御コンピュータ607は、以下のような動作を行い、試料805の表面構造を検知する。
つまり、計測制御コンピュータ607は、ステージ駆動回路604に、XYZステージ603の移動距離および移動方向を示す制御信号を出力する。その後、計測制御コンピュータ607は、SNOM信号807を受信すると、そのSNOM信号807に基づいて、試料805のビーム806が照射された位置の表面構造を検知する。
計測制御コンピュータ607は、上記の動作を繰り返して、試料805を走査する。計測制御コンピュータ607は、その走査結果に基づいて、試料805の表面を3次元プロットすることで、試料805の表面構造をSNOM像として検知する。その後、計測制御コンピュータ607は、そのSNOM像をディスプレイ804に表示する。
次に効果を説明する。
本実施例によれば、表面観察装置は、実施の形態、実施例1または2による光源を含む。また、光電子倍増管606は、その光源が発生した近接場光の試料805による散乱光を検知する。
この場合、近接場光を効率良く発生できるため、高速に試料805を観察することが可能になる。また、近接場光を試料805に照射しているため、光の回折限界を超える解像度で試料805に関する情報を検知することが可能になる。
情報記録再生装置
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1または実施例2の光源を用いた情報記録再生装置の構成を示すものである。
図9は、本実施例の情報記録再生装置の構成を示す模式図である。
図9において、情報記録再生装置は、近接場光ヘッド901と、基板902と、回転モータ903と、回転モータ駆動回路904と、記録再生制御コンピュータ905とを含む。なお、この情報記録再生装置には、記録媒体906が設置されている。
近接場光ヘッド901は、近接場光発生構造602と、ビーム発生装置801と、集光レンズ803と、アバランシェフォトダイオード907とを含む。
ビーム発生装置801は、単色のビーム706を近接場光発生構造602に照射する。なお、ビーム706の波長は、488nmであるとする。
ビーム706には、記録媒体906にデータを記録させるための記録用ビームと、記録媒体906の中の情報を再生するための再生用ビートとがある。なお、記録用ビームは、再生用ビームより強度が高い。
近接場光発生構造602は、記録媒体906の表面に対して、例えば、100nm以下の距離まで近接され、ビーム706により発生される近接場光を記録媒体906に照射する。
集光レンズ803は、近接場光の記録媒体906による信号光を集光する。なお、信号光は、透過光、散乱光または反射光である。以下では、信号光は、散乱光であるとする。なお、この近接場光は、再生用ビームが近接場光発生構造602に照射されたことにより発生する近接場光である。
アバランシェフォトダイオード907は、近接場光発生構造602が発生した近接場光に関する光を検知することにより、記録媒体906の中の情報を再生する光検知部である。本実施例では、アバランシェフォトダイオード907は、その近接場光の記録媒体906による散乱光を検知する。さらに言えば、アバランシェフォトダイオード907は、集光レンズ803が集光した散乱光の強度を検知する。
アバランシェフォトダイオード907は、その検知した散乱光の強度を、記録媒体906の中の情報を再生した再生信号として記録再生制御コンピュータに出力する。
なお、ビーム発生装置801および近接場光発生構造602は、図4で示した光源を構成する。
基板902は、記録媒体906を設置するための設置部材である。具体的には、基板902は、記録媒体906を回転支持する。
回転モータ903は、基板902を回転させて、記録媒体906を回転させる。
回転モータ駆動回路904は、回転モータ903を駆動する。
記録媒体906の形状は、ディスク状であるとする。また、記録媒体906は、情報を記録するための記録層908を含む。
記録層908は、近接場光発生構造602から、記録用ビームが照射されたことにより発生する近接場光(以下、記録用近接場光と呼ぶ)が照射されると、その記録用近接場光の強度に応じたデータを記録する。
また、記録層908は、近接場光発生構造602から、再生用ビームが照射されたことにより発生する近接場光(以下、再生用近接場光と呼ぶ)が照射されると、その再生用近接場光を散乱する。
記録再生制御コンピュータ905は、近接場光ヘッド901を制御して、記録媒体906に情報を記録したり、記録媒体906の中の情報を読み出したりする制御部である。
例えば、記録再生制御コンピュータ905は、回転モータ駆動回路904を駆動し、かつ、近接場光ヘッド901から再生用近接場光を発生させる。記録再生制御コンピュータ905は、アバランシェフォトダイオード907から再生信号を受信すると、その再生信号に基づいて、近接場光ヘッド901の位置合わせ(トラッキング)をしたり、その再生信号を外部に出力したりする。
また、記録再生制御コンピュータ905は、回転モータ駆動回路904を駆動し、かつ、近接場光ヘッド901から近接場光を発生させて、記録用の情報を記録媒体906に記録する。このとき、記録再生制御コンピュータ905は、その記録用の情報に応じて、近接場光発生構造602が発生する近接場光の強度を変化させることで、その記録用の情報を記録媒体906に記録する。
なお、本実施例の構造を用いて、情報処理装置を構成することも可能である。
次に動作を説明する。
先ず、トラッキングの動作について説明する。
トラッキングを行う場合、記録再生制御コンピュータ905は、回転を示す回転制御信号を回転モータ駆動回路904に出力する。回転モータ駆動回路904は、その回転制御信号を受信すると、回転モータ903を駆動して記録媒体906を回転させる。
また、記録再生制御コンピュータ905は、再生用ビームの強度を示す強度制御信号をビーム発生装置801に送信する。
ビーム発生装置801は、その強度制御信号を受信すると、再生用ビームを近接場光発生構造602に照射する。近接場光発生構造602は、その再生用ビームが照射されると、再生用近接場光を記録媒体906に照射する。記録媒体906は、再生用近接場光が照射されると、その再生用近接場光を散乱する。集光レンズ803は、その記録媒体906による再生用近接場光の散乱光をアバランシェフォトダイオード907に集光する。
アバランシェフォトダイオード907は、その散乱光を受光すると、その散乱光の強度を検知する。アバランシェフォトダイオード907は、その散乱光の強度に応じた再生信号を記録再生制御コンピュータ905に出力する。記録再生制御コンピュータ905は、その再生信号を受信すると、その再生信号からトラッキング信号を取得する。なお、トラッキング信号は、再生用近接場光のトラッキングマーカ(位置決めマーカ)による散乱光に対応する。
記録再生制御コンピュータ905は、そのトラッキング信号に基づいて、近接場光ヘッド901の位置決めを行う。記録再生制御コンピュータ905は、その位置までの移動距離および移動方向を示す位置制御信号は、近接場光ヘッド901に送信する。近接場光ヘッド901は、その位置制御信号を受信すると、その位置制御信号が示す移動方向に、その位置制御信号が示す移動距離だけ移動する。
次に、記録媒体906の中の情報を再生する場合について説明する。なお、上記のトラッキングの動作と同じ動作については、説明を省略する。
記録媒体906の中の情報を再生する場合、記録再生制御コンピュータ905は、再生用ビームの強度を示す強度制御信号をビーム発生装置801に送信する。
その後、記録再生制御コンピュータ905は、アバランシェフォトダイオード907から再生信号を受信すると、その再生信号を外部に出力する。例えば、記録再生制御コンピュータ905は、その再生信号を図示していないディスプレイなどに表示する。
次に、記録媒体906に情報を記録する場合について説明する。
この場合、記録再生制御コンピュータ905は、その記録用の情報に応じた記録用ビームの強度を示す強度制御信号をビーム発生装置801に送信する。ビーム発生装置801は、その強度制御信号を受信すると、その強度制御信号が示す強度の記録用ビームを近接場光発生構造602に照射する。
近接場光発生構造602は、その記録用ビームが照射されると、記録用近接場光を記録媒体906に照射する。記録媒体906の記録層908は、その記録用近接場光が照射されると、その記録用近接場光に応じた情報(記録再生用情報)を記録する。
次に効果を説明する。
本実施例によれば、情報記録再生装置は、実施の形態、実施例1または2による光源を含む。また、アバランシェフォトダイオード907は、実施の形態、実施例1または2による光源が発生した近接場光の記録媒体906による散乱光を検知することにより、記録媒体906の中の情報を再生する。さらに、記録再生制御コンピュータ905は、その光源が発生する近接場光の強度を、記録用の情報に応じて変化させることにより、その記録用の情報を記録媒体906に記録する。
したがって、近接場光を効率良く発生できるため、短時間に情報の記録および再生を行うことが可能になる。また、近接場光を記録媒体906に照射するため、光の回折限界を超える記録密度を達成することが可能になる。
なお、記録および再生の速度の更なる向上のために、近接場光ヘッド901を複数設けて、マルチヘッドの記録再生装置を構成してもよい。
本発明の一実施の形態の光源の概略を示す模式図である。 表面プラズモンポラリトンの定在波の一例を示した模式図である。 本発明の他の実施の形態の光源の概略を示す模式図である。 表面プラズモンポラリトンの定在波の一例を示した模式図である。 表面プラズモンポラリトンの他の例を示した模式図である。 本発明の一実施例の光源の概略を示す模式図である。 本発明の他の実施例の光源の概略を示す模式図である。 本発明の一実施例のセンシング装置の概略を示す模式図である。 近接場発生構造の構成の一例を示した模式図である。 本発明の一実施例の表面観察装置の概略を示す模式図である。 本発明の一実施例の情報記録再生装置の概略を示す模式図である。
符号の説明
101 部材
102 照射部
104 入射面
105 出射面
103、201、401、501 微小開口
601 白色光発生装置
602 近接場光発生構造
603 XYZステージ
608、805 試料
606 光電子倍増管
801 ビーム発生装置
905 記録再生制御コンピュータ
906 記録媒体
907 アバランシェフォトダイオード

Claims (12)

  1. 第一の面から第二の面に貫通する開口が形成された導電性部材と、前記第一の面に光を照射して、前記第二の面に近接場光を発生させる照射部とを含む光源において、
    前記第一の面および前記第二の面の少なくともどちらか一方における前記開口の形状は、前記導電性部材に前記光が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しい辺か、または、該波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい辺を有する形状であることを特徴とする光源。
  2. 請求項1に記載の光源において、
    前記照射部は、前記光として直線偏光を照射し、
    前記辺は複数あり、各辺の中で、少なくとも前記光の偏光方向と成す角度が直角に最も近い辺の長さが、前記波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しいか、または、該波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい形状である光源。
  3. 請求項1または2に記載の光源において、
    前記第一および第二の面の両方における前記開口の形状が、前記波長の半整数または整数倍に等しいまたは略等しい辺か、または、該波長の半整数または整数倍から予め定められた値だけ短い長さに等しいまたは略等しい辺を有する形状である光源
  4. 第一の面から第二の面に貫通する開口が形成された導電性部材と、前記第一の面に光を照射する照射部とを含む光源において、
    前記第一および第二の面の少なくともどちらか一方における前記開口の形状は、滑らかな形状であり、該滑らかな形状の周長が、前記導電性部材に前記光が照射されたことにより励起される表面プラズモンポラリトンの波長の整数倍に等しいまたは略等しいことを特徴とする光源。
  5. 請求項4に記載の光源において、
    前記第一および第二の面の両方における前記開口の形状が、前記滑らかな形状である、光源。
  6. 請求項4または5に記載の光源において、
    前記照射部は、前記光として円偏光を照射し、
    前記滑らかな形状は、略円形であり、該略円形の周長は、前記表面プラズモンポラリトンの波長に等しいまたは略等しい、光源。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光源において、
    前記導電性部材が金属で形成される、光源。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光源において、
    前記導電性部材が半導体で形成される、光源。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光源と、
    前記光源が発生した近接場光に関する光を検知する光検知部と、を含む光ヘッド。
  10. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光源と、
    観察試料を設置するための設置部材と、
    前記光源が発生した近接場光の前記観察試料による透過光を検知する検知部と、を含むセンシング装置。
  11. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光源と、
    観察試料を設置するための設置部材と、
    前記光源が発生した近接場光の前記観察試料による散乱光を検知する検知部と、を含む表面観察装置。
  12. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光源と、
    記録媒体を設置するための設置部材と、
    前記光源が発生した近接場光の前記記録媒体による信号光を検知することにより前記記録媒体の中の情報を再生する光検知部と、
    前記光源が発生する光の強度を、記録用の情報に応じて変化させることにより前記記録用の情報を前記記録媒体に記録する制御部と、を含む情報記録再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019214677A1 (en) * 2018-05-09 2019-11-14 Institute for Electronics and Information Technology in Tianjin Tsinghua University Surface plasmon scanning-tunneling chemical mapping (spstm) system

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