JP7522398B2 - 赤外測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外測定装置に関し、特に、先端にナノカーボン光源を有するプローブを用いた赤外測定装置に関する。
フーリエ変換赤外分光法(FT-IR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)に代表される赤外分光分析は、官能基に感度が高く、既存のスペクトルデータベースに基づく物質同定が可能であることから、原子・分子レベルでの物質の制御、細胞内の生体分子の観察などに用いられている。しかし、光は波長以下のサイズに集光できないという回折限界により、赤外分光分析の空間分解能は数ミクロンから数十ミクロン程度に制限されている。
近年は、原子間力赤外分光法(AFM-IR:Atomic Force Microscope based Infrared Spectroscopy)と呼ばれる新しいナノスケール赤外分光法が開発されている。赤外レーザパルス光を試料に照射し、試料による赤外吸収を試料の熱膨張変化として検知する。試料に照射する赤外レーザ光のスポット径は50~100μm程度であるが、熱膨張した領域を先端径が20nm程度のAFMプローブを用いて検出するため、回折限界を超える空間分解能が得られる。
ナノカーボン材料で形成される微細光源を用いた赤外分析装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第2019/176705号
AFM-IRでは、外部光源として波長可変赤外レーザ光源が必要とされるが、赤外レーザ光源は高価なうえに、ひとつの波長可変赤外レーザ光源でカバーされる波数領域は狭い。一般的なFT-IR測定で必要とされる400~4000cm-1の波数範囲をカバーするためには、波数領域の異なる複数の波長可変赤外レーザを用意しなければならない。
本発明の一つの側面では、安価で微細な赤外光源を用いた高空間分解能、かつ高感度の赤外測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を実現するために、実施形態では、先端にナノカーボン光源を有するプローブで試料を走査し、プローブ自体から出力される赤外光の吸収による試料の熱膨張を測定する。
本開示の一つの側面において、赤外測定装置は、
先端にナノカーボン光源を有するプローブと、
前記ナノカーボン光源による試料の照射によって生じた前記プローブの変位を検出する変位検出システムと、
前記変位に基づいて前記試料に生じた熱膨張を測定する測定器と、
測定された前記熱膨張に基づいて前記試料の特性または内部構造を解析する情報処理装置と、
を有する。
安価で微細な赤外光源を用いた高空間分解能、かつ高感度の赤外分析装置が得られる。
実施形態の赤外測定装置で用いられるナノカーボン光源付きのプローブの一例を示す図である。 ナノカーボン光源付きのプローブの別の構成例を示す図である。 図1のプローブを用いた赤外測定を説明する模式図である。 図2のプローブを用いた赤外測定を説明する模式図である。 ナノカーボン光源の赤外発光スペクトルの模式図である。 ナノカーボン光源にバンドパスフィルタを設けたときの赤外光スペクトルの模式図である。 第1実施形態の赤外測定装置の模式図である。 第1実施形態の変形例の赤外測定装置の模式図である。 第2実施形態の赤外測定装置の模式図である。 図3実施形態の赤外測定装置で用いられるナノカーボン光源付きプローブの模式図である。 第3実施形態の赤外測定装置の模式図である。 直線二色性イメージングを説明する模式図である。
以下で、図面を参照して具体的な構成例を説明する。以下の説明で、同じ構成要素に同じ符号を付けて、重複する説明を省略する場合がある。
実施形態では、グラフェン、カーボンナノチューブなどのナノカーボン材料を発光層とするナノカーボン光源を、プローブの先端に設ける。プローブの先端から直接出射される赤外光で試料を照射し、試料による赤外光の吸収で生じる熱膨張を検出することで、試料の内部構成や特性を解析する。プローブ自体が光源として機能すると同時に、熱膨張による変位を検知するセンサとして機能し、赤外測定の空間分解能と精度が向上する。
図1は、実施形態の赤外測定装置で用いられるナノカーボン光源10付きのプローブ15Aの構成例を示す。図1の(A)は使用態様の一例を示す図、(B)は(A)のA方向から見たプローブ15Aの先端部の模式図、(C)は(A)のB方向から見たプローブ15Aの斜視図である。ナノカーボン光源10は微細加工技術による小型化が可能であり、プローブ15Aの先端の微小な領域に形成され得る。
プローブ15Aは、カンチレバー16と、カンチレバー16の端部で第1の主面161から突出する突起17Aを有する。プローブ15Aは、酸化膜付きのシリコン、窒化シリコンなどで作製され得る。突起17Aは、この例では三角錐の形状に加工されており、突起17Aの頂点の近傍の側面にナノカーボン光源10が配置されている。プローブ15Aは、コンタクトモードで動作し得る。
突起17Aの形状は三角錐に限定されず、四角錐や円錐形であってもよい。図1の例では、三角錐の一つの側面にだけナノカーボン光源10が配置されているが、隣接する2つの側面または3側面にナノカーボン光源10が形成されていてもよいし、三角錐の底面(カンチレバー16との界面)に形成されていてもよい。
ナノカーボン材料としてカーボンナノチューブを用いるときは、主に化学気相成長法により突起17Aの側面に形成することができる。ナノカーボン材料としてグラフェンを用いるときは、主に機械的転写法や化学気相成長法により形成することができる。これら以外にも、炭化ケイ素(SiC)の熱分解によるエピタキシャル成長など、既存の任意の成長法を採用してもよい。形成されたナノカーボン材料は、酸素などによるエッチングで任意の大きさ、形状に加工することができる。
ナノカーボン光源10は、突起17A上で電極12a、及び13aに接続されている。電極12a、及び13aは、真空蒸着、スパッタリング等により形成される。電極12aと13aは、カンチレバー16の第1の主面161に形成される電極12b、及び13bに接続され、最終的には、図示しない外部の電流源または電圧源に電気的に接続されている。電極12aと12bを併せて「電極12」、電極13aと13bを併せて「電極13」と呼んでもよい。電極12及び13を介してナノカーボン光源10に直流電流を印加して一定強度の赤外光を発光させてもよいし、後述するように、ファンクションジェネレータなどにより変調した電圧を印加して、高速で強度またはオン・オフが変化する変調光を発光させてもよい。
ナノカーボン光源10は通電加熱により発光するので、プローブ15Aは真空中で用いられることが望ましい。プローブ15Aを大気中で用いる場合は、ナノカーボン光源10の表面をAl等のキャップ層で覆うことが望ましい。
使用時に、プローブ15Aは、突起17Aが測定対象の試料と対向するように保持される。試料を測定する間、ナノカーボン光源10に電圧または電流が印加され、ナノカーボン光源10から出射される赤外光IRで試料が照射される。赤外光の吸収により試料に局所的な熱膨張が生じ、試料に対して垂直な方向へカンチレバー16の位置が変位する。カンチレバー16のこの変位は、後述するように、第2の主面162を利用して光学的な手段により検出される。あるいは、ピエゾ歪抵抗を利用した自己検知方式で変位が検出されてもよい。
試料の熱膨張によるカンチレバー16の変位を検出するために、カンチレバー16は試料表面の凹凸に高感度で応答するように、たわみやすい形状に加工されている。プローブ15Aをタッピングモードで使用する場合は、所定の振動で試料表面を跳ねるように、さらにたわみやすい形状に加工される。
図2は、実施形態の赤外測定装置で用いられるナノカーボン光源10付きのプローブ15Bの構成例を示す。図2の(A)は使用態様の一例を示す図、(B)は(A)のA方向から見たプローブ15Bの先端部の模式図、(C)は(A)のB方向から見たプローブ15Bの斜視図である。プローブ15Aは、カンチレバー16と、カンチレバー16の端部で第1の主面161から突出する突起17Bを有する。突起17Bは、A方向、またはB方向から見たときに台形の形状をしており、台形の先端面にナノカーボン光源10が配置される。突起17Bの先端面にナノカーボン光源を配置することで、ナノカーボン光源10を試料に対してより近接させることができる。
ナノカーボン光源10は、突起17Bの先端面で電極12a、及び13aに接続されている。電極12a、及び13aは、カンチレバー16の第1の主面161に形成されている電極12b、及び13bに接続され、最終的には、図示しない外部の電流源または電圧源に電気的に接続されている。ナノカーボン光源10からの赤外光IRの照射により試料に生じる熱膨張がカンチレバー16の変位として検出されることは、図1と同様である。
図3は、図1のプローブ15Aを用いた赤外測定を説明する図である。試料台40の上に配置された試料20を、突起17Aに設けられたナノカーボン光源から出射される赤外光IRで照射する。プローブ15Aが試料20に対して所定の方向に走査される場合、試料20には、光吸収領域21と非光吸収領域22が交互に形成される。
先端のとがった錐形の突起17Aを用いる場合、試料20に生じた局所的な熱膨張は、プローブ15Aの最先端で検出され、突起17Aの先端形状で空間分解能SRが決まる。プローブ15Aの空間分解能SRは、一般的なAFMの空間分解能と同程度に高い。
図4は、図2のプローブ15Bを用いた赤外測定を説明する図である。台形の突起17Bを有するプローブ15Bでは、ナノカーボン光源10を試料20に近接、または接触させて赤外光IRを照射することができ、熱膨張測定の感度を向上できる。また、ナノカーボン光源10を試料20のごく近傍まで近づけるため、ナノカーボン光源10の表面の近傍(たとえば30nm以内)に発生する近接場を利用することができ、AFMと異なる原理による空間分解能の向上が期待できる。
ナノカーボン光源10により生成される近接場は、微小な穴や鋭いプローブの先端に外部からレーザ光を照射することで発生する近接場とは発生原理が異なり、ナノカーボン光源10の発光面自体から直接得られる。近接場を用いる場合も、空間分解能はナノカーボン光源10の大きさに依存する。1本の単層カーボンナノチューブや、グラフェンナノリボンなどの微細なナノカーボン材料を発光層に用いることで、数ナノメートル程度の空間分解能SRを実現することができる。
図3、及び図4に示す赤外測定では、一般的なAFM-IRと異なり、外部から赤外レーザ光をプローブの先端に照射する必要がない。一般的なAFM-IRでは、プローブの先端に強い近接場を発生させるために、先端を金属膜で覆うなどして金属化したプローブが用いられる。これに対し、実施形態で用いられるプローブは、プローブ15自体が発光部をもつので、プローブ先端に向けた外部からのレーザ照射や金コートは不要である。
図5は、ナノカーボン光源10の赤外発光スペクトルの模式図である。ナノカーボン光源10は、黒体放射によるブロードな発光を示すので、ナノカーボン材料をそのままナノカーボン光源10に用いると、試料20は800nm~20μmまでの広い波長帯域をカバーする光で照射され、単一の光源で赤外領域全体の光吸収が測定される。
図6は、ナノカーボン光源にバンドパスフィルタ14を設けたときの赤外光スペクトルの模式図である。バンドパスフィルタ14は、ナノカーボン材料の表面に、蒸着、スパッタ法、化学気相成長法、原子層体積法等で誘電体多層膜を成膜することで形成され得る。バンドパスフィルタ14を設けることで、特定波長の赤外光を試料20に照射するプローブ15が得られる。
図5及び図6では、台形の突起17Bの先端面にナノカーボン光源10を有するプローブ15Bを例にとって説明したが、錐形の突起17Aを有するプローブ15Aを用いる場合も、ナノカーボン光源10の表面にバンドパスフィルタ14を形成してもよい。
<第1実施形態>
図7は、第1実施形態の赤外測定装置50の模式図である。赤外測定装置50は、先端にナノカーボン光源10を有するプローブ15と、ナノカーボン光源10による試料20の照射で生じるプローブ15の変位を検出する変位検出システム51と、変位に基づいて試料20に生じた熱膨張を測定する熱膨張測定器55と、熱膨張に基づいて試料20の特性または内部構造を解析する情報処理装置35とを有する。
先端にナノカーボン光源10を有するプローブ15は、図1のプローブ15Aであってもよいし、図2のプローブ15Bであってもよい。プローブ15は、ナノカーボン光源10が、試料台40上の試料20と対向するように保持されている。試料20が配置される面をX-Y面、X-Y面と直交する高さ方向をZ軸方向とする。
変位検出システム51は、図7の例では、変位測定用の測定光源511と、ミラー512、及び513と、フォトディテクタ514を有する。測定光源511は、たとえばレーザダイオードであり、指向性のあるレーザ光を出力する。レーザ光はミラー512によりカンチレバー16の第2の主面162へ導かれる。第2の主面162で反射された光はミラー513により、フォトディテクタ514へ導かれる。カンチレバー16の第2の主面の少なくとも一部は、高反射膜で覆われていてもよい。
変位検出システム51は、カンチレバー16のZ軸方向の変位を高精度に検出でき、赤外光IRの吸収により試料20に生じたわずかな熱膨張を測定することができる。変位検出システム51は光テコ方式を用いているが、ピエゾ歪抵抗を利用した自己検知方式でカンチレバー16の変位を検出してもよい。
フォトディテクタ514は、入射したレーザ光の光量に応じた電気信号を出力する。フォトディテクタ514の出力は、熱膨張測定器55の入力に接続されている。熱膨張測定器55は、たとえば、フォトディテクタ514により検出される入射レーザ光の位相、すなわち検出時間の変化から、第2の主面162を通る光路長の変化を求め、試料20における局所的な熱膨張を測定してもよい。検出された入射レーザ光の位相に替えて、振幅、周波数などから、カンチレバー16の変位量に換算して、熱膨張量を測定してもよい。
熱膨張測定器55は、測定された熱膨張量を表す熱膨張信号を情報処理装置35に供給してもよい。情報処理装置35により、試料20の照射点での熱膨張に相当する赤外光吸収量を算出してもよい。
赤外測定装置50は、駆動機構36を有していてもよい。駆動機構36は、情報処理装置35の制御の下に、試料台40とプローブ15の少なくとも一方を駆動する。たとえば試料台40をX-Y面内で二次元走査することで、試料20に対してプローブ15の先端のナノカーボン光源10を相対的に走査してもよい。この場合、情報処理装置35は、試料20の内部に生じた光吸収の平面分布を生成する。駆動機構36は、試料台40をZ軸方向に駆動してもよい。この場合は、情報処理装置35で試料20の内部の光吸収の3次元分布を生成してもよい。
図8は、第1実施形態の変形例の赤外測定装置50Aの模式図である。赤外測定装置50Aでは、情報処理装置35により、プローブ15の先端に設けられたナノカーボン光源10のオン・オフまたは強度が、角周波数ωcで高速に変調される。熱膨張測定器55Aはプリアンプ551とロックインアンプ552を有する。赤外測定装置50Aのその他の構成は図7と同じであり、重複する説明を省略する。
ナノカーボン光源10は、1~10GHzの高速で直接変調が可能である。ナノカーボン光源10の直接変調に替えて、ナノカーボン光源10に周期的なパルス電圧や矩形電圧を印加することによっても、ナノカーボン光源10の発光を所定の角周波数ωcで変調することができる。
ナノカーボン光源10の変調速度をωcとすると、フォトディテクタ514の出力を、ロックインアンプ552でωcに同期して検出し、熱膨張を高感度に測定してもよい。ロックインアンプ552は、所定の位相に同期して微小な信号を繰り返し検出することができるが、ロックインアンプ552への入力前に、フォトディテクタ514の出力をプリアンプ551で増幅してもよい。
第1実施形態の赤外測定装置50または50Aでは、プローブ15の先端から直接、赤外光が試料20に向けて出力されるので、試料照射のための外部光源や、外部光源から赤外光を試料20に導くための光学系が不要である。ナノカーボン光源10によって試料20が直接照射されるので、試料20に生じる局所的な熱膨張の大きさが大きくなり、感度が高くなる。さらに、ナノカーボン光源10に印加される電流または電圧を調整することで発光強度を容易に制御できるので、試料20に適した強度で赤外光を照射することができる。熱により損傷されやすいたんぱく質や細胞などの生体試料の分析に有利である。
ナノカーボン光源10はまた、印加する変調信号を変えることで、所望の角周波数ωcで変調することができる。これにより、測定される試料20やノイズ低減にとって最適な周波数で測定することができる。赤外レーザ光源は、通常は周波数が固定されており、ナノカーボン光源10はレーザ光源と比べて周波数制御による測定の自由度が高い。試料20に合わせた周波数や、ノイズ低減や感度向上が可能な周波数を自由に選択できる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の赤外測定装置50Bの模式図である。第2実施形態では、試料20に生じる熱膨張に加えて、ナノカーボン光源10による近接場を利用して測定の感度をさらに向上する。
赤外測定装置50Bは、先端にナノカーボン光源10を有するプローブ15と、変位検出システム51と、熱膨張測定器55と、情報処理装置35と、駆動機構36を有する。赤外測定装置50Bはまた、光学素子31と、赤外検出器33と、信号測定器34を有する。信号測定器34の機能によっては、赤外検出器33の入射面側に分光計が配置されていてもよい。
変位検出システム51と熱膨張測定器55により、試料20に生じた熱膨張を測定する構成は、第1実施形態と同じである。駆動機構36により、プローブ15と試料台40の少なくとも一方が駆動されて、ナノカーボン光源10を試料20に対して相対的に走査する構成も、第1実施形態と同じである。
第2実施形態では、駆動機構36は、情報処理装置35の制御の下に、プローブ15と試料台40の少なくとも一方をZ軸方向にωpで振動させて、ナノカーボン光源10と試料20との間の距離を高速に変化させる。ナノカーボン光源10と試料20の間の距離がωpで変化することで、ωpで発生する近接場により試料20が照射される。試料20は、近接場とは別に、ナノカーボン光源10の遠隔場によっても照射される。
遠隔場光は、自由空間を伝搬する一般的な光であるが、近接場光は、媒質の界面近傍にのみ発生する非伝搬光である。近接場の強度は、ナノカーボン光源10からの距離に依存して指数関数的に減衰する。遠隔場と異なり、近接場の領域は回折限界に関係なく、光源の大きさに依存する。したがって、空間分解能は、ナノカーボン光源10のサイズで決まる。上述したように、ナノカーボン光源10は電子線リソグラフィなどの微細加工技術によりナノメートルオーダーまで微細化することができ、近接場を用いる場合も非常に高い空間分解能で赤外分析が可能になる。
ナノカーボン光源10により生成される近接場は、微小な穴や鋭いプローブの先端に、外部からレーザ光を照射することで発生する近接場とは発生原理が異なり、プローブ15の先端のナノカーボン光源10自体から発生する。
試料20が近接場光で照射されることで、角周波数ωpで近接場光の吸収または散乱が生じる。試料20からの反射光または透過光を検出することで、試料20により生じた近接場の吸収を測定することができる。図9では、透過型の光学系で試料20の透過光が検出されているが、この例に限定されず、反射型の光学系を構成して試料20での反射光を検出してもよい。
試料20を透過または反射された光には、遠隔場の成分と、角周波数ωpで現れる近接場の成分とが含まれている。透過光は、光学素子31によって赤外検出器33に導かれる。光学素子31として、放物ミラー、平面ミラー、楕円面ミラー等が用いてもよいし、光学素子31を用いずに、直接、赤外検出器33で試料20からの光を検出してもよい。
赤外検出器33は、受光した赤外光の強度に応じた電気信号を出力する。信号測定器34は、赤外検出器33から入力された電気信号から近接場の成分を抽出し、測定する。信号測定器34として、ロックインアンプ、スペクトラムアナライザー、パワーメータ、周波数カウンタなどを用いることができる。
信号測定器34は、入力された電気信号から、角周波数N×ωP(Nは自然数)で近接場の成分を検出する。信号測定器34がロックインアンプである場合は、ナノカーボン光源10をωpで振動させる駆動信号またはナノカーボン光源10の出射光の位相に同期した信号を、参照信号としてロックインアンプに入力してもよい。入力された電気信号を角周波数N×ωp(Nは自然数)でロックイン検出することで、近接場成分のみを抽出することができる。
Nが2以上の場合、高次の振動数を用いて近接場の成分が検出される。近接場の大きさはナノカーボン光源10からの距離が大きくなると指数関数的に減少するので、角周波数ωpにおける光吸収または散乱の距離依存性は非調和振動になる。赤外検出器33からの信号を高次の振動数であるN×ωp(N=2,3,…)で復調することで、近接場成分を高感度に検出することができる。
高次の振動数を用いることは、ロックイン検出により遠隔場も検出されてしまう場合、例えば、ナノカーボン光源10の振動が大きくて、振動により遠隔場も変化してしまう場合などに、近接場の抽出精度を上げることができ有用である。
情報処理装置35は、熱膨張測定器55によって測定された熱膨張信号とともに、信号測定器34で得られた近接場成分を解析して、試料20の特性を推定する。ナノカーボン光源10と試料20の間の距離がωpで変化する場合であっても、試料20の熱膨張によって、ωpで振動するプローブ15の振動の中心位置が変化するので、プローブ15高さ方向の変位を検出できる。したがって、熱膨張測定器55と信号測定器34の双方で、試料20と作用した赤外光の変化を測定することができる。たとえば、熱膨張信号と近接場成分のそれぞれから求められる試料20の吸収スペクトルに基づいて、赤外波長の光に吸収感度を持つ特定の細胞や分子構造の有無、分布などが決定される。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の赤外測定で用いられるナノカーボン光源10C付きのプローブ15Cの模式図である。ナノカーボン光源10Cは、直線偏光を出力する。ナノカーボン光源10Cは、プローブ15Cの突起17の発光面に、所定の方向に配向したカーボンナノチューブの配列を設けることで形成される。プローブ15Cが、図1のような錐形の突起17Aを有する場合は、角体の側面または底面にカーボンナノチューブの配列が設けられる。電極12、及び13を介してナノカーボン光源10Cが通電加熱されると、カーボンナノチューブの配向方向に振動する直線偏光が得られる。
図11は、第3実施形態の赤外測定装置50Cの模式図である。赤外測定装置50Cは先端にナノカーボン光源10Cを有するプローブ15Cを用い、試料20Cを直線偏光で照射することにより生じる熱膨張を測定する。第2実施形態と同様に、熱膨張の測定と、近接場の測定を組み合わせてもよい。
試料20Cが光学的な異方性を有する場合、入射する赤外偏光の振動方向によって光吸収率が異なる。たとえば、試料台40を試料20Cの垂直軸のまわり(図11の例では、Z軸まわり)に回転することで、試料20Cに入射する直線偏光の振動の方向、すなわち偏光面の方向を変えることができる。
X-Y面内でナノカーボン光源10を試料20Cに対して相対的に走査した後に、直線偏光の方向を変えて再度、試料20Cを走査することで、試料20Cの異方性の分布を取得することができる。
測定時の赤外測定装置30Cの動作は、以下のとおりである。駆動機構36は、情報処理装置35の制御の下に、X-Y面内でナノカーボン光源10Cを試料20Cに対して相対的に走査する。このとき、走査軌跡上の各座標点で、直線偏光の照射により試料20Cに生じた熱膨張が、変位検出システム51と熱膨張測定器55によって測定され、測定結果が情報処理装置35に記録される。
次に、X-Y面内で、ナノカーボン光源10を試料20に対して相対的に90°回転させ、同じ走査軌跡で再度、試料20Cを走査する。試料20Cに入射する偏波の向きが異なるため、回転前と異なる吸収スペクトルが得られる。情報処理装置35で2つの吸収スペクトルの差を計算することで、直線二色性の正負や大きさを評価して試料20Cの配向性を推定することができる。
図12は、直線二色性イメージングを説明する模式図である。直線二色性とは、偏光の電場ベクトル(または磁場ベクトル)の振動方向が90度異なる2つの直線偏光に対する物質の吸収度の差によって生じる光学特性である。上述のように、試料20Cが光学的異方性を持つ場合、入射する直線偏光の振動方向によって吸収率が異なる。
熱膨張測定器55で、直交する2つの直線偏光に対する吸収率(m//,m)をそれぞれ測定する。情報処理装置35で、各走査点(座標)での2つの吸収率の差(m//-m)を計算する。差分の大きさが正になるか負になるかで、試料20Cの光学的な異方性とその分布を評価することができる。情報処理装置35が、画像信号への変換を含むデジタル画像処理機能をもつ場合は、測定値の分布を画像化することで、定量的で高解像の直線二色性イメージングが実現する。赤外測定装置50Cは、延伸などにより配向を持たせたポリマーフィルムや繊維の評価、配向性を持つ生体組織の機能評価などに応用することができる。
図11に戻って、駆動機構36により、ナノカーボン光源10Cと試料20Cの間の距離を角周波数ωpで変化させてもよい。この場合は、熱膨張の検出とともに、直線偏光の近接場成分を含む透過光(または反射光)が赤外検出器33で検出され、信号測定器34で直線偏光の近接場成分が測定される。ナノカーボン光源10Cの試料20Cに対する方向が90°回転され、偏波の方向が90°変化した直線偏光で、試料20Cは再度照射され信号測定器34で透過光に含まれる直線偏光の近接場の成分が測定される。
信号測定器34で測定された、直交する2つの直線偏光に対する吸収率(m//,m)は情報処理装置35に供給され、情報処理装置35で、各走査点(座標)での2つの吸収率の差(m//-m)が計算される。
熱膨張の測定による試料20Cの吸収スペクトルと、近接場成分の測定による試料20Cの吸収スペクトルを併用することで、測定精度が向上する。
以上、特定の実施形態にもとづいて本発明を説明してきたが、本発明は上述した構成例に限定されない。変位検出システム51によって直接、熱膨張による高さ変化を測定する他に、試料の熱膨張により変動するプローブ15の位相の変化や共振周波数の変化を測定することで、熱膨張量を検出して赤外吸収を測定してもよい。情報処理装置35としてスマートフォン等の移動端末を用いて、赤外測定結果を、サーバやクラウドに送信してもよい。ナノカーボン光源10の強度は電圧制御により調整可能なので、試料20の種類に応じて適切な強度の赤外光を照射してもよい。すべての実施形態で、ナノカーボン光源10にバンドパスフィルタ14を設けてもよい。
第2実施形態の赤外測定装置50Bと、第3実施形態の赤外測定装置50Cに、図8を参照して説明したナノカーボン光源のオン・オフ変調または強度変調を組み合わせてもよい。この場合、ナノカーボン光源10または10Cは角周波数ωcでオン・オフ変調され、熱膨張測定器55でωcに同期して熱膨張が測定されてもよい。信号測定器34では、N×ωp(Nは自然数)と、N×ωc(Nは自然数)の両方で近接場成分が測定されてもよい。
直線偏光のナノカーボン光源10Cに替えて、円偏光または楕円偏光を出射するナノカーボン光源を用いてもよい。円偏光は楕円偏光の特殊な場合(楕円偏光のうち、各方向の振幅の大きさが等しいものが円偏光)に該当するので、以下で楕円偏光というときは、円偏光も含むものとする。プローブ15の先端に、左楕円偏光を出射するナノカーボン光源(第1光源)と、右楕円偏光を出射するナノカーボン光源(第2光源)を隣接して配置してもよい。時計回りのらせん構造をもつカーボンナノチューブと、反時計回りのらせん構造をもつカーボンナノチューブでそれぞれナノカーボン光源を作製することで、第1光源と第2光源は得られる。
一方の光源をオンにして試料20を走査した後に、他方の光源をオンにして同じ軌跡で試料20を再走査する。熱膨張測定器55は、たとえば、第1光源による試料20の照射結果から第1の熱膨張を測定した後に、第2光源による試料20の照射結果から第2の熱膨張を測定してもよい。情報処理装置35で左楕円偏光に対する吸収率と、右楕円偏光に対する吸収率の差分、比率などに基づいて、試料20のキラリティの分布を特定してもよい。
熱膨張の測定に加えて、ωpでの近接場の発生と、ωcでのナノカーボン光源のオン・オフ変調を行う場合は、信号測定器34として、デュアルモードロックインアンプ、スペクトラムアナライザーなどを用いて、ωcに同期する成分と、ωpに同期する成分を同時に測定してもよい。このうち、ωcに同期する成分を情報処理装置35からナノカーボン光源10にフィードバックして、ナノカーボン光源の強度を安定化してもよいし、情報処理装置35にて、ωcに同期する成分とωpに同期する成分に基づいて、ナノカーボン光源10の強度変動に起因する測定結果の揺らぎを補正してもよい。
いずれの場合も、ナノカーボン光源10から赤外光を直接、試料20に照射することができるので、外部赤外レーザを用いる場合と比較して、熱膨張を高感度で測定することができる。
10、10C ナノカーボン光源
12、13 電極
15、15A、15B、15C プローブ
16 カンチレバー
161 第1の主面
162 第2の主面
17A、17B 突起
20、20C 試料
50、50A、30B、30C 赤外測定装置
31 光学素子
33 赤外検出器
34 信号測定器
35 情報処理装置
36 駆動機構
51 変位検出システム
55 熱膨張測定器

Claims (8)

  1. 先端に設けられたナノカーボン光源と、前記ナノカーボン光源が設けられたカンチレバーと、を有するプローブと、
    前記ナノカーボン光源による試料への赤外光の照射によって生じた前記ナノカーボン光源と前記試料との間の距離の変位を検出する変位検出システムと、
    前記変位に対応して前記試料に生じた熱膨張を測定する測定器と、
    測定された前記熱膨張に対応した前記試料の前記赤外光の吸収に基づいて前記試料の特性または内部構造を解析する情報処理装置と、
    を有する赤外測定装置。
  2. 前記ナノカーボン光源は、第2の角周波数でオン・オフ変調される、請求項1に記載の赤外測定装置。
  3. 前記ナノカーボン光源と前記試料の間の距離を第1の角周波数で変化させる駆動機構と
    前記ナノカーボン光源から出射される光によって照射された前記試料の透過光または反射光を検出する赤外検出器と、
    前記赤外検出器の出力から前記第1の角周波数で現れる近接場成分を抽出し測定する信号測定器と、
    をさらに有し、
    前記第1の角周波数に対応して、前記ナノカーボン光源の近接場及び遠隔場によって、前記試料に前記赤外光が照射される、請求項1に記載の赤外測定装置。
  4. 前記ナノカーボン光源は第2の角周波数でオン・オフ変調され、
    前記信号測定器は、前記第1の角周波数のN倍(Nは自然数)の角周波数、前記第2の角周波数のN倍(Nは自然数)の角周波数とに同期して、前記近接場成分を測定する、
    請求項3に記載の赤外測定装置。
  5. 前記駆動機構は、前記ナノカーボン光源を前記試料に対して相対的に走査し、
    前記情報処理装置は、前記試料の赤外吸収スペクトルの分布を生成する、
    請求項3または4に記載の赤外測定装置。
  6. 前記プローブは前記カンチレバーの第1の主面から突出する突起有し、
    前記ナノカーボン光源は前記突起の先端またはその近傍に設けられている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の赤外測定装置。
  7. 前記プローブは、前記ナノカーボン光源から特定波長の光を取り出すフィルタ、
    を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の赤外測定装置。
  8. 前記ナノカーボン光源は、直線偏光された前記赤外光を前記試料に照射する、請求項1~7のいずれか1項に記載の赤外測定装置。
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