JP2009002458A - マリンホース - Google Patents
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Abstract
【課題】徐々に漏洩する液体燃料を検知することのできるマリンホースを提供する。
【解決手段】ホース本体10内における内側ゴム層11よりも径方向外側に設けられた空気通路14と、原油から発生する発生気体を検知可能な検知器41とを備え、検知器41を空気通路14内に存在する発生気体を検知可能に設けたことから、例えば内側ゴム層11から徐々に原油が漏洩するとともに、漏洩した原油が気体通路14内に侵入すると、原油からの発生気体が検知手段によって検知される。従って、内側ゴム層11から徐々に漏洩する原油を検知することができ、ホース本体10からの原油の漏洩による環境汚染を防止する上で極めて有利である。
【選択図】図1
【解決手段】ホース本体10内における内側ゴム層11よりも径方向外側に設けられた空気通路14と、原油から発生する発生気体を検知可能な検知器41とを備え、検知器41を空気通路14内に存在する発生気体を検知可能に設けたことから、例えば内側ゴム層11から徐々に原油が漏洩するとともに、漏洩した原油が気体通路14内に侵入すると、原油からの発生気体が検知手段によって検知される。従って、内側ゴム層11から徐々に漏洩する原油を検知することができ、ホース本体10からの原油の漏洩による環境汚染を防止する上で極めて有利である。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば原油等の液体燃料をタンカーから陸上のタンクに輸送するための液体燃料輸送用のマリンホースに関するものである。
一般に、この種のマリンホースとしては、耐油性の内側ゴム層と内側ゴム層の外側に配置された補強層とが設けられたホース本体と、ホース本体の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金とを備え、ホース本体内の補強層の外周面側にホース本体の軸方向に連通する通路を設けるとともに、ホース本体の軸方向端部における前記通路の端部に検知器を設け、内側ゴム層及び補強層の外側に漏洩した原油等の液体燃料が前記通路の端部まで流通すると、その液体燃料が検知器によって検知されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭55−33946号公報
ところで、前記マリンホースでは、内側ゴム層及び補強層の外側に漏洩した液体燃料が前記通路の端部まで流通すると、その液体燃料が検知器によって検知されるようになっているが、前記通路は細長く、液体燃料が前記通路の端部まで流通するには極めて大きな圧力が必要であることから、内側ゴム層及び補強層が液体燃料の圧力で瞬間的に大きく破損した場合は、検知器によって液体燃料が検知されるが、液体燃料が内側ゴム層及び補強層の外側に徐々に漏洩する場合は、検知器によって液体燃料が検知されないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、徐々に漏洩する液体燃料を検知することのできるマリンホースを提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、所定の液体燃料に対する耐油性を有する内側ゴム層と内側ゴム層よりも外側に配置された補強層とが少なくとも設けられた多層構造のホース本体と、ホース本体の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金とを備えたマリンホースにおいて、前記ホース本体内における内側ゴム層よりも径方向外側に設けられた気体通路と、前記所定の液体燃料から発生する発生気体を検知可能な検知手段とを備え、検知手段を気体通路内に存在する発生気体を検知可能に構成している。
これにより、ホース本体内における内側ゴム層よりも径方向外側に設けられた気体通路と、所定の液体燃料から発生する発生気体を検知可能な検知手段とを備え、検知手段を気体通路内に存在する発生気体を検知可能に構成したことから、例えば内側ゴム層から徐々に原油等の液体燃料が漏洩するとともに、漏洩した液体燃料が気体通路内に侵入すると、液体燃料からの発生気体が検知手段によって検知される。
本発明によれば、例えば内側ゴム層から徐々に原油等の液体燃料が漏洩するとともに、漏洩した液体燃料が気体通路内に侵入すると、液体燃料からの発生気体が検知手段によって検知されるので、内側ゴム層から徐々に漏洩する液体燃料を検知することができ、ホース本体からの液体燃料の漏洩による環境汚染を防止する上で極めて有利である。
図1乃至図4は本発明の一実施形態を示すもので、図1はマリンホースの要部断面図、図2はマリンホースの側面図、図3はコントロールボックスのブロック図、図4はコントロールボックスの判定部の動作を示すフローチャートである。
このマリンホースは、ホース本体10と、ホース本体10の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金20とを備えている。このマリンホースは、例えば海上に停泊しているタンカーと陸上のタンクとを接続し、タンカーから陸上のタンクに原油を給送するために用いられる。
ホース本体10は、原油に対する耐油性を有する内側ゴム層11と、内側ゴム層11の外周面側に配置された第1補強層12と、第1補強層12の外周面側に配置された第2補強層13と、第1補強層12と第2補強層13との間に設けられた気体通路14と、第2補強層13の外周面側に配置された浮力材層15と、内側ゴム層11、第1補強層12、第2補強層13、気体通路14及び浮力材層15を覆うように形成されたカバーゴム層16とを備えている。即ち、ホース本体10は各層11,12,13,15,16を有する多層構造である。
内側ゴム層11はアクリロニトリルブタジエンゴム等の周知の耐油性ゴムから成り、ホース本体10の最も径方向内側に設けられている。即ち、ホース本体10の内側ゴム層11の中を原油が流通するようになっている。
第1補強層12は単一または複数の耐圧コード層から成る。耐圧コード層はナイロンコード、ポリエステルコード、金属コード等によって補強されたゴム層であり、ホース本体10に用いられる周知の構造を有するものである。
第2補強層13は単一または複数の耐圧コード層から成る。耐圧コード層はナイロンコード、ポリエステルコード、金属コード等によって補強されたゴム層であり、ホース本体10に用いられる周知の構造を有するものである
空気通路14は第1補強層12と第2補強層13との間に設けられ、発泡ウレタン等のスポンジ状部材によって第1補強層12と第2補強層13との間に空間を設けることにより形成されている。ここで言う空間は、スポンジ状部材内に設けられた互いに連続する細かな空間により形成されている。これにより、空気通路14はホース本体10の軸方向に延びるように形成され、空気通路14内は気体が移動可能になっている。
空気通路14は第1補強層12と第2補強層13との間に設けられ、発泡ウレタン等のスポンジ状部材によって第1補強層12と第2補強層13との間に空間を設けることにより形成されている。ここで言う空間は、スポンジ状部材内に設けられた互いに連続する細かな空間により形成されている。これにより、空気通路14はホース本体10の軸方向に延びるように形成され、空気通路14内は気体が移動可能になっている。
浮力材層15は発泡ウレタン等のスポンジ状部材から成り、マリンホースを海上に浮かせるために設けられている。
カバーゴム層16はスチレンブタジエンゴムやクロロプレンゴム等の耐候性を有するゴム材料から成る。
尚、内側ゴム層11、各補強層12,13、浮力材層15及びカバーゴム層16を有する多層構造のマリンホースは一般的であり、必要に応じて浮力材層15を省いた構成にすることも可能であり、その他の構成を追加することも可能である。
各口金20は金属材料から成り、他のマリンホースの口金20と着脱自在に接続されるようになっている。
ホース本体10の軸方向一端側にはコントロールユニット40が設けられている。コントロールユニット40は、原油から発生する発生気体(原油に含まれる硫化水素等の揮発性成分を含む)を検知可能な検知器41と、検知器41と接続されている判定部42と、判定部42に接続されている表示装置43とを有する。検知器41は例えば半導体を用いたにおいセンサから成る。即ち、検知器41の半導体の近傍の気体が空気の場合は、半導体に電気が流れ難いが、半導体の近傍の気体が原油から発生する可燃性の発生気体になると、半導体に電気が流れ易くなるので、検知器41によって発生気体を検知することができる。検知器41の検知部は口金20に設けられた連通路20aを介して空気通路14に連通するように設けられている。尚、検知器41は発生気体を検知可能であれば良いので、触媒反応等を利用した機器によって構成することも可能であり、発生気体と化学反応する反応物質の化学反応を利用した機器によって構成することも可能である。例えば、発生気体が硫化水素である場合は、反応物質として酢酸鉛を用いることにより、酢酸鉛が硫化水素と反応して硫化鉛を生成するので、周知の検出器によって硫化鉛を検出するように構成する。この場合でも、酢酸鉛を塗布した基材及び検出器という周知の簡単な機器を用いることができるので、設置が容易である。一方、判定部42はマイクロコンピュータ等の周知の機器から成る。尚、判定部42をワイヤードオア回路を利用した周知のアナログ回路から構成することも可能である。表示装置43は検知器41が発生気体を検知したか否かを表示可能な周知の機器から成り、コントロールユニット40におけるホース本体10から露出している部分に設けられている。
以上のように構成されたマリンホースは、内側ゴム層11から原油が漏洩すると、その漏洩を検知することができる。原油の漏洩を検知する場合について、判定部42の動作を示すフローチャートを参照しながら説明する。
例えば内側ゴム層11から徐々に原油が漏洩し、漏洩した原油が第1補強層12を膨潤させて第1補強層12の外周面側に達するか、漏洩した原油が第1補強層12と内側ゴム層11との間の接着界面を膨潤させて第1補強層12と内側ゴム層11との接着界面の端部に達することにより、漏洩した原油が空気通路14内に侵入し、原油からの発生気体が検知器41によって検知されると(S1)、ホース本体10に原油漏れが生じていると判定するとともに(S2)、表示装置43に所定の表示を行わせる(S3)。
このように、本実施形態によれば、ホース本体10内における内側ゴム層11よりも径方向外側に設けられた空気通路14と、原油から発生する発生気体を検知可能な検知器41とを備え、検知器41を空気通路14内に存在する発生気体を検知可能に構成したことから、例えば内側ゴム層11から徐々に原油が漏洩するとともに、漏洩した原油が気体通路14内に侵入すると、原油からの発生気体が検知器41によって検知される。従って、内側ゴム層11から徐々に漏洩する原油を検知することができ、ホース本体10からの原油の漏洩による環境汚染を防止する上で極めて有利である。ここで、原油の圧力で内側ゴム層11及び第1補強層12が瞬間的に大きく破損し、気体通路14内に勢い良く原油が侵入する場合でも、検知器41によって発生気体が検知されるので、内側ゴム層11からの原油の漏洩を検知することができる。
また、気体通路14をホース本体10の軸方向に延びるように形成したので、気体通路14が設けられている範囲内であれば、第1補強層12の外周面側に漏洩した原油が気体通路14内に侵入する。このため、原油からの発生気体が検知器41によって検知され、原油の漏洩を早期に検知することができるので、ホース本体10からの原油の漏洩による環境汚染を防止する上で極めて有利である。
また、気体通路14を、第1補強層12と第2補強層13との間にスポンジ状部材によって空間を設けることにより形成したので、第1補強層12の何れの位置から原油が漏洩しても、漏洩した原油が気体通路14内に侵入し、ホース本体10からの原油の漏洩による環境汚染を防止する上で極めて有利である。
尚、本実施形態では、第1補強層12と第2補強層13との間にスポンジ状部材によって空間を設けて気体通路14を形成したものを示した。これに対し、第1補強層12と第2補強層13との間の所定位置に合成ゴム等から成るエラストマー部材を配置することにより、第1補強層12と第2補強層13との間に空間を設けることも可能である。この場合、ホース本体10の軸方向に延びる長尺状のエラストマー部材を互いにホース本体10の周方向に間隔をおいて配置したり、単一の長尺状のエラストマー部材を螺旋状に配置することにより、第1補強層12と第2補強層13との間に気体通路14を構成する空間を設けることが可能である。
また、本実施形態では、コントロールユニット40の判定部42によって燃料漏れの有無を判定するようにしたものを示したが、判定部42を設けずに表示装置43に検知器41の検知結果を直接表示させることも可能である。
尚、本実施形態では、コントロールユニット40に判定部42及び表示装置43を設けたものを示したが、判定部42及び表示装置43を設ける代わりにコントロールユニット40に情報送信装置を設けるとともに、マリンホースの外部に情報受信装置を設け、情報受信装置によって検知器41の検知結果の表示等を行うことも可能である。この場合、情報受信装置を陸上に設けことが可能となり、燃料漏れの監視を効率的に行う上で極めて有利である。
また、本実施形態では、気体通路14を第1補強層12と第2補強層13との間に設けたものを示したが、気体通路14をホース本体10を構成する各層11,12,13,15,16のうち隣り合う任意の2つの層の間に設けることも可能である。さらに、浮力材層15を気体通路として利用することも可能である。即ち、浮力材層15はスポンジ状部材から成り、浮力材層15内は気体が移動可能であることから、検知器41を浮力材層15内に存在する発生気体を検知可能に設けることにより、浮力材層15が気体通路14と同等の機能を発揮するとともに、第2補強層13の外側への原油の漏洩を検知することができる。
尚、本実施形態では、検知器41をホース本体10の軸方向一端側に設けたものを示したが、検知器41は気体通路14内に存在する発生気体を検知できれば良いので、検知器41を設ける位置はホース本体10の軸方向一端側に限定されることはない。
また、本実施形態では、内側ゴム層11が原油に対して耐油性を有する耐油性ゴムから成るものを示したが、給送する液体燃料の種類に応じ、内側ゴム層11のゴム材料を選定するとともに、検知器41の構成を選定することにより、各種液体燃料用のマリンホースにおいて前述と同様の効果を達成することが可能である。
10…ホース本体、11…内側ゴム層、12…第1補強層、13…第2補強層、14…空気通路、15…浮力材層、16…カバーゴム層、20…口金、40…コントロールユニット、41…検知器、42…判定部、43…表示装置。
Claims (3)
- 所定の液体燃料に対する耐油性を有する内側ゴム層と内側ゴム層よりも外側に配置された補強層とが少なくとも設けられた多層構造のホース本体と、ホース本体の軸方向の両端にそれぞれ設けられた口金とを備えたマリンホースにおいて、
前記ホース本体内における内側ゴム層よりも径方向外側に設けられた気体通路と、
前記所定の液体燃料から発生する発生気体を検知可能な検知手段とを備え、
検知手段を気体通路内に存在する発生気体を検知可能に構成した
ことを特徴とするマリンホース。 - 前記気体通路をホース本体の軸方向に延びるように形成した
ことを特徴とする請求項1記載のマリンホース。 - 前記気体通路を、ホース本体を構成する各層のうち隣り合う任意の2つの層の間に空間を設けることにより形成した
ことを特徴とする請求項1または2記載のマリンホース。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007164995A JP2009002458A (ja) | 2007-06-22 | 2007-06-22 | マリンホース |
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---|---|---|---|---|
JP2012107739A (ja) * | 2010-10-26 | 2012-06-07 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 流体輸送用可撓管、腐食性ガスの抜き取り方法、流体輸送システム |
WO2017135041A1 (ja) * | 2016-02-04 | 2017-08-10 | 横浜ゴム株式会社 | マリンホースの状態監視システム |
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JP2003156180A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-30 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 流体移送用ホース及びその漏洩流体監視方法 |
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2007
- 2007-06-22 JP JP2007164995A patent/JP2009002458A/ja active Pending
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