JP2009002444A - 電動スプール弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 OCVにおける排出ポートの数を1つにしても、電磁アクチュエータを大型化することなく電磁アクチュエータ内の第1、第2容積変動室への異物の侵入を防ぐ。
【解決手段】 排出ポート13bを左端の1つにしてエンジンヘッド内に開放させることで、取付対象油路構造を簡単化できる。シャフト内呼吸通路25aをスプール呼吸孔14bに連通させることで電磁アクチュエータ12内の呼吸通路を簡素化でき、小型化できる。軸方向貫通穴14aの内部に通路区画部材31を配置し、軸方向貫通穴14aの内部にスプール内呼吸通路31aを区画形成することで、全呼吸通路の全長と容積が大きくなり、第1、第2容積変動室α、βへの異物の侵入を抑えることができる。通路区画部材31の左端を、遅角側スプールドレイン孔14gより左側に設けることで、排出オイルがスプール内呼吸通路31aの内部に侵入するのを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オイルの入力ポート、出力ポート、排出ポートをそれぞれ1つ以上備えた、即ち切り替えポート数が3つ以上(三方弁以上)の電動スプール弁に関する。
(従来技術)
三方弁以上のポート切替数を有する電動スプール弁の一例として、1つの入力ポート、2つの出力ポート、2つの排出ポートを備える五方弁構造の電磁スプール弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に示される電磁スプール弁は、内燃機関(以下、エンジンと称す)のカムシャフトの進角量を油圧制御するオイル・フロー・コントロール・バルブ(以下、OCVと称す)であり、吸気バルブまたは排気バルブの少なくても一方の開閉タイミングを可変させるバルブタイミング調整装置(以下、VVTと称す)に用いられる。
ここで、VVTは、油圧制御により機械的にカムシャフトを駆動するバルブタイミング可変機構(以下、VCTと称す)と、このVCTの油圧制御を行う油圧回路と、油圧回路に設けられるOCVを電気的に制御するECU(エンジン・コントロール・ユニットの略:制御装置)とから構成される。
VVTに用いられるOCVは、スリーブとスプールを組み合わせたスプール弁と、このスプール弁の一端に設けられて、スプールを軸方向に駆動する電磁アクチュエータ(電動アクチュエータの一例)とからなる。
スリーブには、1つの入力ポートと、進角室の油圧をコントロールする進角室出力ポートと、遅角室の油圧をコントロールする遅角室出力ポートと、進角室の油圧をドレインさせる進角室排出ポートと、遅角室の油圧をドレインさせる遅角室排出ポートとが設けられ、スプールの軸方向位置が電磁アクチュエータでコントロールされることで、進角室出力ポートと遅角室出力ポートの発生油圧がコントロールされ、その結果、エンジンのバルブタイミングがコントロールされるようになっている。
一方、電磁アクチュエータの内部には、作動に伴って空間容積が変化する容積変動室(以下、プランジャのスプールに近い側の容積変動室を第1容積変動室、プランジャのスプールから離れた側の容積変動室を第2容積変動室と称す)がある。特許文献1に開示される技術では、第1、第2容積変動室の容積変動を可能にするように、電磁アクチュエータ内の第1、第2容積変動室が、スリーブに形成された電磁アクチュエータ用呼吸孔を介して外部に連通するように設けられていた。
また、スプール弁の他端(電磁アクチュエータとは異なる側の端部)には、スリーブとスプールで囲まれるバネ室が形成されている。このバネ室は、スリーブに形成されたバネ室用呼吸孔を介して外部に連通するように設けられていた。
即ち、VVTに用いられる従来のOCVは、外部と連通する排出ポートとして、2つの排出ポート(進角室排出ポート、遅角室排出ポート)と、2つの呼吸孔(電磁アクチュエータ用呼吸孔、バネ室用呼吸孔)が設けられていた。
(問題点)
近年、OCVの取付側(エンジン)の油路構造を簡単化するとともに、OCVを小型化するために、スリーブに形成される排出ポートの数を1つにする要求がある。
この例を、図3を参照して説明する。なお、この図3は、問題点を説明するための参考図(後述する実施例1で用いる図)であって、周知技術ではない。
この図3のOCV3は、排出ポート13bをスリーブ13の他端(電磁アクチュエータ12とは異なる側の端部)の1つだけにしたものである。VCT側(進角室および遅角室)から排出されるオイルは、スプール14内に形成した軸方向貫通穴14a内に導かれる。
軸方向貫通穴14aの一端(電磁アクチュエータ12側)に、電磁アクチュエータ12内に通じる呼吸孔(以下、スプール呼吸孔14bと称す)を設けると、VCT側(進角室および遅角室)から排出されるエンジンオイルが、スプール呼吸孔14bを通って電磁アクチュエータ12内に導かれてしまう。
具体的に、スプール14に設けた2つの内外貫通穴(進角室および遅角室から排出されるオイルを軸方向貫通穴14a内に導くそれぞれに対応した孔:以下、進角側スプールドレイン孔14f、遅角側スプールドレイン孔14gと称す)のうち、特にスプール呼吸孔14bに近い遅角側スプールドレイン孔14gから軸方向貫通穴14aの内部に排出されたエンジンオイルが、スプール呼吸孔14bを通って電磁アクチュエータ12内に導かれてしまう。
VCT側(進角室および遅角室)から排出されるエンジンオイルの量は、VVTの作動に伴うものであるため多い。
このため、大量のエンジンオイルがスプール呼吸孔14bを介して電磁アクチュエータ12内の第1、第2容積変動室α、βに出入りすることで、エンジンオイルに含まれる異物が第1、第2容積変動室α、βに侵入する可能性が高まる。特に、スプール呼吸孔14bに近い第1容積変動室αは、スプール呼吸孔14bから第1容積変動室αに至る呼吸通路の長さが短く、容積も小さいものになるため、第1容積変動室αの容積変動に伴い、軸方向貫通穴14aの内部からスプール呼吸孔14bを介して第1容積変動室αへエンジンオイルが容易に導かれてしまう。
即ち、スリーブ13に設けられる排出ポート13bの数を1つにすると、電磁アクチュエータ12内の第1、第2容積変動室α、βに、オイルに混入した異物が侵入し易くなる問題があった。
第1容積変動室αは、スプール14とプランジャ17の間に形成されて、スプール14とプランジャ17の摺動クリアランスに通じており、第2容積変動室βは、プランジャ17と固定部材(例えば、カップガイドG)の間に形成されて、プランジャ17の摺動クリアランスに通じている。このため、第1、第2容積変動室α、βに異物が侵入すると、スプール14およびプランジャ17の作動が妨げられる懸念がある。
なお、図には示さないが、スプール呼吸孔14bから第1、第2容積変動室α、βまでの呼吸通路(スプール呼吸孔14bから第1容積変動室αまでの呼吸通路を第1呼吸通路、スプール呼吸孔14bから第2容積変動室βまでの呼吸通路を第2呼吸通路と称す)の距離を長くし、且つ第1、第2呼吸通路の容積を大きくすることで、第1、第2容積変動室α、βに新しく入れ代わるオイル量を減少させ、異物の侵入を抑えることが考えられる。
しかし、スプール呼吸孔14bから第1、第2容積変動室α、βに至る第1、第2呼吸通路の距離を長くし、且つ第1、第2呼吸通路の容積を大きくしようとすると、電磁アクチュエータ12が大型化することとなり、OCV3に要求される小型化が達成できなくなってしまう。
特開2005−121136号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スリーブに設けられる排出ポートの数を1つにしても、電動アクチュエータを大型化することなく電動アクチュエータ内の容積変動室への異物の侵入を防ぐことのできる電動スプール弁の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用する電動スプール弁は、排出ポートがスリーブに1つだけ設けられるものである。そして、軸方向貫通穴の内部は、通路区画部材によってスプール呼吸孔に連通するスプール内呼吸通路が区画される。即ち、スプールの内部に呼吸通路(スプール内呼吸通路)が設けられる。これにより、スプール内呼吸通路の全長および容積が得られ、容積変動室の容積変動に伴ってオイルが移動しても、容積変動室に吸い込まれるオイル量のうち、新しく入れ代わるオイル量を抑えることができ、容積変動室への異物の侵入率を抑えることができる。
即ち、スリーブに設けられる排出ポートの数を1つにするものであるが、スプール内に通路区画部材によってスプール内呼吸通路が設けられるため、電動アクチュエータを大型化することなく、電動アクチュエータにおける容積変動室への異物の吸込みを防ぐことができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用する電動スプール弁においてスリーブに1つだけ設けられる排出ポートは、スリーブの他端(電動アクチュエータとは異なる側)に設けられるものである。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用する電動スプール弁において通路区画部材によってスプール内呼吸通路の区画が無くなる位置は、内外貫通穴の軸方向位置より、排出ポート側(スリーブの他端側、即ち電動アクチュエータとは異なる側)である。
内外貫通穴より軸方向貫通穴の内部に流入して排出ポートに向かう排出オイルの流れ向きと、電動アクチュエータに吸い込まれるオイルの流れ向きとが逆向きになる。
内外貫通穴より軸方向貫通穴の内部に流入して排出ポートに向かう排出オイルには、慣性力が付与されているため、排出オイルの流れ作用によって排出オイルがスプール内呼吸通路に侵入することを防ぐことができる。これにより、排出オイルに含まれる異物が電動アクチュエータ内へ侵入する不具合を回避することができる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用する電動スプール弁においてスリーブに1つだけ設けられる排出ポートは、外部と区画された大気圧空間(例えば、エンジンのシリンダヘッドとカムカバーで囲まれる空間)に向けて開放されるものである。
これにより、内外貫通穴より軸方向貫通穴の内部に流入した排出オイルが、排出ポートに向かって効率的に流れ、排出オイルがスプール内呼吸通路に流入し難くなる。
従って、スプール内呼吸通路から電動アクチュエータ内へ流入するオイル量を減少させることができ、電動アクチュエータ内への異物の吸込みを抑えることができる。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用する電動スプール弁において通路区画部材によって区画されるスプール内呼吸通路の容積は、「電動アクチュエータ内の容積変動に伴う呼吸によりスプール呼吸孔の内側を通過するオイル量」以上である。
これにより、スプール呼吸孔の内側を通過するオイルがスプール内呼吸通路に保持されることになり、容積変動室に吸い込まれるオイル量のうち、新しく入れ代わるオイルを極めて小さくすることができる。即ち、新たな異物が容積変動室へ侵入するのを防ぐことができる。
[請求項6の手段]
請求項6の手段を採用する電動スプール弁の通路区画部材は、内部が容積変動室に通じる筒状を呈するものである。
[請求項7の手段]
請求項7の手段を採用する電動スプール弁の通路区画部材は、軸方向貫通穴の内部を軸方向から見て、周方向の区画を行う板状を呈するものである。
[請求項8の手段]
請求項8の手段を採用する電動スプール弁の通路区画部材は、スプールに固定されるものである。
[請求項9の手段]
請求項9の手段を採用する電動スプール弁の通路区画部材は、電動アクチュエータの出力をスプールに伝達するシャフトに固定されるものである。
[請求項10の手段]
請求項10の手段を採用する電動スプール弁の電動アクチュエータは電磁アクチュエータであり、プランジャの移動をスプールに伝達するシャフトの軸心には、一方がスプール呼吸孔に連通し、他方がプランジャの軸心に形成されたプランジャ内呼吸通路に連通するシャフト内呼吸通路が形成される。そして、シャフトは、シャフト内呼吸通路と第1容積変動室とを連通させる内外に貫通したシャフト呼吸孔を備える。
これにより、スプール呼吸孔と第1容積変動室とを連通する呼吸通路を極めて短くでき、電磁アクチュエータを小型化できる。
また、スプール呼吸孔と第1容積変動室とを連通する呼吸通路が極めて短いものであるが、スプール内に、長く容積の大きいスプール内呼吸通路が設けられているため、第1容積変動室への異物の吸込みを防ぐことができる。
最良の形態の電動スプール弁は、スプール弁と、このスプール弁の一端に設けられてスプール弁を駆動する電動アクチュエータ(例えば、電磁アクチュエータなど)とからなる。
スプール弁は、内部に軸方向へ伸びる挿通穴が形成されたスリーブと、このスプール弁の挿通穴の内周面において軸方向へ摺動自在に支持され、スリーブに形成されたオイルの入力ポート、オイルの出力ポート、オイルの排出ポートの連通状態を変化させるスプールとからなる。
電動アクチュエータ内に形成される容積変動室は、スプールの一端に設けられたスプール呼吸孔を介してスプール内を軸方向に貫通する軸方向貫通穴の内部に連通する。
軸方向貫通穴は、スリーブに1つだけ設けられた排出ポートに連通する。
出力ポートからスリーブ内に戻された排出オイルは、スプールの内外を貫通する内外貫通穴(スプールドレイン孔)を介して軸方向貫通穴内に導かれて、スリーブに1つだけ設けられた排出ポートから排出される。
軸方向貫通穴の内部には、スプール呼吸孔に連通するスプール内呼吸通路を区画形成する通路区画部材が設けられ、電動アクチュエータ内の容積変動室は、スプール内呼吸通路を介して呼吸(容積変動)を行う。
電動アクチュエータ内の容積変動室は、スプール内において通路区画部材で区画されたスプール内呼吸通路を介して呼吸を行うものであるため、電動アクチュエータが小型化されても、スプール内呼吸通路の長さおよび容積を確保することができ、呼吸により容積変動室に吸い込まれるオイル量のうち、新しく入れ代わるオイル量を抑え、容積変化室に異物が新たに侵入するのを防ぐことができる。
本発明をVVTにおけるOCVに適用した実施例1を、図1〜図3を参照して説明する。この実施例1では、先ず図2を参照して「VVTの構造」を説明し、次に図3を参照して本発明の要部が設けられていない「OCVの基本構造」を説明し、その後で図1を参照して「実施例1の特徴」を説明する。
なお、以下では実施例の理解補助のために、OCVの軸方向に沿う断面図の左側を左とし、右側を右として説明するが、実際の搭載方向に関わるものではない。
〔VVTの構造〕
VVTは、エンジンのカムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)に取り付けられて、バルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なVCT1と、このVCT1の作動を油圧制御する油圧回路2と、油圧回路2に設けられるOCV3を電気的に制御するECU4とから構成されている。
(VCT1の説明)
VCT1は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動されるシューハウジング5と、このシューハウジング5に対して相対回転可能に設けられ、カムシャフトと一体に回転するベーンロータ6とを備えるものであり、シューハウジング5内に構成される油圧アクチュエータによってシューハウジング5に対してベーンロータ6を相対的に回転駆動して、カムシャフトを進角側あるいは遅角側へ変化させるものである。
シューハウジング5は、エンジンのクランクシャフトにタイミングベルトやタイミングチェーン等を介して回転駆動されるスプロケットにボルト等によって結合されて、スプロケットと一体回転するものである。このシューハウジング5の内部には、図2に示すように、略扇状の凹部7が複数(この実施例1では3つ)形成されている。なお、シューハウジング5は、図2において時計方向に回転するものであり、この回転方向が進角方向である。
一方、ベーンロータ6は、カムシャフトの端部に位置決めピン等で位置決めされて、ボルト等によってカムシャフトの端部に固定されるものであり、カムシャフトと一体に回転する。
ベーンロータ6は、シューハウジング5の凹部7内を進角室7aと遅角室7bに区画するベーン6aを備えるものであり、ベーンロータ6はシューハウジング5に対して所定角度内で回動可能に設けられている。
進角室7aは、油圧によってベーン6aを進角側へ駆動するための油圧室であってベーン6aの反回転方向側の凹部7内に形成されるものであり、逆に、遅角室7bは油圧によってベーン6aを遅角側へ駆動するための油圧室である。なお、各室7a、7b内の液密性は、シール部材8等によって保たれる。
(油圧回路2の説明)
油圧回路2は、進角室7aおよび遅角室7bのオイルを給排して、進角室7aと遅角室7bに油圧差を発生させてベーンロータ6をシューハウジング5に対して相対回転させるための手段であり、クランクシャフト等によって駆動されるオイルポンプ9と、このオイルポンプ9によって圧送されるオイル(油圧)を進角室7aまたは遅角室7bに切り替えて供給するOCV3とを備える。
〔OCV3の基本構造〕
OCV3は、スプール弁11と電磁アクチュエータ12(電動アクチュエータの一例)とを結合した電磁スプール弁(電動スプール弁の一例)である。
(スプール弁11の説明)
スプール弁11は、スリーブ13、スプール14およびリターンスプリング15を備える。
スリーブ13は、略円筒形状を呈してエンジンの外部よりエンジンに挿入固定されるものであり、スリーブ13の内部には、スプール14を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴13aが形成されている。
スリーブ13には、左側から右へ向かって、エンジンヘッド内(エンジンのシリンダヘッドとカムカバーで囲まれる空間:外部と区画された大気圧空間)に開口する排出ポート13b、進角室7aに連通する進角室出力ポート13c、オイルポンプ9からオイルの供給を受ける入力ポート13d、遅角室7bに連通する遅角室出力ポート13eが形成されている。
排出ポート13bは、スリーブ13に1つだけ設けられるものであり、スリーブ13の左端(特許請求の範囲における他端に相当する)に形成され、外部(エンジンヘッド内)と内部(挿通穴13a内)とを連通する比較的大きい開口面積(排出オイルの通過抵抗が極めて小さい開口面積)を有する軸方向の貫通穴である。
入力ポート13d、進角室出力ポート13cおよび遅角室出力ポート13eは、スリーブ13の側面に形成された穴であり、各軸方向位置において外部(エンジンに形成された油路)と内部(挿通穴13a内)とを連通する径方向の貫通穴である。
スプール14は、スリーブ13の内径寸法(挿通穴13aの径)にほぼ一致した外径寸法を有するポート遮断用の大径部(ランド)を4つ備える。
また、スプール14の軸心には、軸方向へ貫通した軸方向貫通穴14aが形成されている。軸方向貫通穴14aの左端は、比較的大きい開口面積(排出オイルの通過抵抗が極めて小さい開口面積)に設けられている。一方、軸方向貫通穴14aの右端(特許請求の範囲における一端に相当する)には、比較的小さい開口面積(排出オイルの通過抵抗が軸方向貫通穴14aの中間部の通過抵抗より大きくなる開口面積)のスプール呼吸孔14bが設けられている。
各大径部の間には、スプール14の軸方向位置に応じて複数の入出力ポート(13c〜13e)の連通状態を変更する進角室ドレイン用小径部14c、オイル出力用小径部14d、遅角室ドレイン用小径部14eが形成されている。
進角室ドレイン用小径部14cは、遅角室7bに油圧が供給されている時に進角室7aの油圧をドレインするためのものであり、進角室ドレイン用小径部14cに導かれた排出オイルは、進角室ドレイン用小径部14cの底と軸方向貫通穴14a内とを連通する進角側スプールドレイン孔14f(スプールに2つ設けられる内外貫通穴のうち、電磁アクチュエータ12から離れた側の内外貫通穴)を介して軸方向貫通穴14aの内部に導かれ、排出ポート13bを通ってエンジンヘッド内に排出される。
オイル出力用小径部14dは、進角室7aまたは遅角室7bへ油圧を供給するためのものである。
遅角室ドレイン用小径部14eは、進角室7aに油圧が供給されている時に遅角室7bの油圧をドレインするためのものであり、遅角室ドレイン用小径部14eに導かれた排出オイルは、遅角室ドレイン用小径部14eの底と軸方向貫通穴14a内とを連通する遅角側スプールドレイン孔14g(スプールに2つ設けられる内外貫通穴のうち、電磁アクチュエータ12に近い側の内外貫通穴)を介して軸方向貫通穴14aの内部に導かれ、排出ポート13bを通ってエンジンヘッド内に排出される。
リターンスプリング15は、スプール14を右側に向けて付勢する圧縮コイルスプリングであり、スリーブ13の左側のバネ室13f内において、スリーブ13の軸端壁面とスプール14の間で軸方向に圧縮された状態で配置される。
(電磁アクチュエータ12の説明)
電磁アクチュエータ12は、コイル16、プランジャ17、ステータ18、ヨーク19、コネクタ20を備える。
コイル16は、通電されるとプランジャ17を磁気吸引するための磁力を発生する磁力発生手段であり、樹脂製のボビン21の周囲に絶縁被覆された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
プランジャ17は、磁気吸引ステータ22(後述する)に磁気吸引される磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)によって形成された円柱体であり、ステータ18の内側(具体的には、オイルシール用のカップガイドGの内側)で軸方向へ摺動自在に支持される。
ステータ18は、プランジャ17を軸方向に磁気吸引する磁気吸引ステータ22と、カップガイドGの外周を覆い、プランジャ17の周囲と磁気の受け渡しを行う磁気受渡ステータ23とからなる。
磁気吸引ステータ22は、スリーブ13とコイル16との間に挟まれて配置される円盤部22aと、この円盤部22aの磁束をプランジャ17の近傍まで導く筒状部22bとからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であって、プランジャ17と筒状部22bとの軸方向間には磁気吸引ギャップ(メインギャップ)が形成される。
筒状部22bは、プランジャ17と軸方向に交差可能に設けられている。筒状部22bの端部にはテーパが形成されており、プランジャ17のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
磁気受渡ステータ23は、カップガイドGを介してプランジャ17の外周を覆うとともに、ボビン21の内周に挿入配置されるステータ筒部23a、およびこのステータ筒部23aから外径方向に向かって形成され、外周に配置されるヨーク19と磁気結合されるステータフランジ23bからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、ステータ筒部23aとプランジャ17の径方向には磁束受渡ギャップ(サイドギャップ)が形成される。
ヨーク19は、コイル16の周囲を覆う円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、左端に形成された爪部をカシメることでスリーブ13と結合される。
コネクタ20は、コイル16等を樹脂モールドする2次成形樹脂24の一部によって形成された結合手段であり、その内部には、コイル16の導線端部とそれぞれ接続されるコネクタ端子20aが配置されている。このコネクタ端子20aは、一端がコネクタ20内で露出するとともに、他端がボビン21に差し込まれた状態で2次成形樹脂24により樹脂モールドされている。
(シャフト25の説明)
OCV3は、プランジャ17による左側への駆動力をスプール14へ伝えるとともに、スプール14に与えられたリターンスプリング15の付勢力をプランジャ17へ伝えるシャフト25を備える。
このシャフト25は、非磁性体の金属板(例えば、ステンレス板等)をカップ形状に加工した中空部品であり、内部の中空部によりシャフト内呼吸通路25aが形成される。
シャフト25内に形成されたシャフト内呼吸通路25aは、シャフト25の左端に形成された穴を介してスプール14の右側のスプール呼吸孔14bと連通する。即ち、シャフト内呼吸通路25aは、スプール呼吸孔14b、軸方向貫通穴14aを介して排出ポート13bに連通する。
シャフト25には、軸方向の中間部において内外を連通するシャフト呼吸孔25bが形成されている。これにより、スプール14とプランジャ17の間(プランジャ17の左側)の第1容積変動室αは、シャフト呼吸孔25b→シャフト内呼吸通路25a→スプール呼吸孔14b→軸方向貫通穴14aを介して排出ポート13bと連通し、プランジャ17の移動に伴う容積変動(呼吸)が可能になる。
一方、カップ形状に加工されたシャフト25の右端には、カップ開口が設けられている。このカップ開口は、プランジャ17の軸心に形成されたプランジャ内呼吸通路17aと連通する。これにより、プランジャ17の右側の第2容積変動室βは、プランジャ内呼吸通路17a→シャフト内呼吸通路25a→スプール呼吸孔14b→軸方向貫通穴14aを介して排出ポート13bと連通し、プランジャ17の移動に伴う容積変動(呼吸)が可能になる。
ここで、カップガイドGの左側には、磁気吸引ステータ22と磁気結合してプランジャ17の吸引力を高める磁性体金属製の磁気対向部材26が挿入されており、この磁気対向部材26は、非磁性体金属(例えば、ステンレス板等)よりなる板バネ27によって固定されている。
なお、図3中に示す符号28はシール用のOリング、符号29はOCV3をエンジンに固定するためのブラケットである。
(ECU4の説明)
ECU4は、周知のコンピュータである。このECU4は、各種センサ等により読み込まれたエンジン運転状態(乗員による運転状態を含む)と、メモリに記憶されたプログラムとに基づいてコイル16の通電量(供給電流)をデューティ比制御するVVT制御機能を備えており、コイル16の通電量が制御されることでスプール14の軸方向位置が制御され、その結果、進角室7aおよび遅角室7bの油圧が制御されて、カムシャフトの進角位相をエンジン運転状態に応じた進角位相に制御する。
(VVTの作動説明)
車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを進角させる際、ECU4はコイル16への供給電流量を増加させる。すると、コイル16の発生する磁力が増加し、プランジャ17とシャフト25とスプール14が左側(進角側)へ移動する。すると、入力ポート13dと進角室出力ポート13cの連通割合が増加するとともに、遅角室出力ポート13eと排出ポート13bの連通割合が増加する。この結果、進角室7aの油圧が増加し、逆に遅角室7bの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に進角側へ変位し、カムシャフトが進角する。
逆に、車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを遅角させる際、ECU4はコイル16への供給電流量を減少させる。すると、コイル16の発生する磁力が減少し、プランジャ17とシャフト25とスプール14が右側(遅角側)へ移動する。すると、入力ポート13dと遅角室出力ポート13eの連通割合が増加するとともに、進角室出力ポート13cと排出ポート13bの連通割合が増加する。この結果、遅角室7bの油圧が増加し、逆に進角室7aの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に遅角側へ変位し、カムシャフトが遅角する。
〔実施例1の特徴〕
(実施例1の背景1)
上述のように、スリーブ13に形成される排出ポート13bの数を1つにし、排出ポート13bをエンジンヘッド内に開放させることで、OCV3が取り付けられるエンジンの油路構造を簡単化することができる。
また、第1、第2容積変動室α、βに連通するシャフト内呼吸通路25aを、スプール14に設けたスプール呼吸孔14bを介して軸方向貫通穴14aに連通させることで、電磁アクチュエータ12内の呼吸通路を簡素化でき、電磁アクチュエータ12の小型化が可能になる。
しかるに、図3に示すように、スプール呼吸孔14bを単に軸方向貫通穴14aに連通させるだけの構造であると、スプール14内に設けた軸方向貫通穴14aには進角室7aおよび遅角室7bから排出されたオイル(エンジンオイル)が導かれるものであるため、軸方向貫通穴14aに排出されたオイルがスプール呼吸孔14bを通って電磁アクチュエータ12の第1、第2容積変動室α、βへ導かれてしまい、第1、第2容積変動室α、βへオイルに含まれる異物が侵入する可能性が高まってしまう。
(不具合を解決する技術1)
この実施例1のOCV3は、上記の不具合を回避する技術として、図1に示すように、軸方向貫通穴14aの内部に通路区画部材31を配置し、軸方向貫通穴14aの内部にスプール呼吸孔14bに連通するスプール内呼吸通路31aを区画形成する技術を採用する。
この実施例においてスプール14内に設けられる通路区画部材31は、内部がシャフト内呼吸通路25aを介して第1、第2容積変動室α、βに通じるものであり、図1(b)に示すように、円筒形状を呈する。
この通路区画部材31は、スプール14に固定されるものである。具体的に、この実施例では、スプール呼吸孔14bの内周面に圧入等の固定技術で結合されたものである。
通路区画部材31の材質および固定技術は、特に限定するものではないが、スプール呼吸孔14bの内周面に圧入固定する場合は、圧入による破損が生じない材質および厚みで設けられる。具体的な一例を示すと、通路区画部材31は、アルミニウム、ステンレス、黄銅等により設けられている。
スプール内呼吸通路31aを形成する通路区画部材31の内径寸法は、呼吸が容易に実施できる径に設定される。具体的に、プランジャ17の移動時には、第1容積変動室αと第2容積変動室βの容積変化量の差がスプール内呼吸通路31aによる呼吸量となり、その呼吸量を伴う呼吸が円滑に行われるように、通路区画部材31の内径寸法が設定される。
このように、軸方向貫通穴14aの内部に通路区画部材31を設け、スプール14の内部にスプール内呼吸通路31aを設けることで、スプール内呼吸通路31aのオイル取入口から第1、第2容積変動室α、βへ至る呼吸通路の全長が長くなるとともに、その呼吸通路の全容積が大きくなる。即ち、少なくてもスプール内呼吸通路31aが設けられることで、スプール内呼吸通路31aの長さおよび容積が確保される。これにより、第1、第2容積変動室α、βの容積変動に伴ってスプール呼吸孔14b内をオイルが移動しても、第1、第2容積変動室α、βに吸い込まれるオイル量のうち、新しく入れ代わるオイル量を抑えることができ、第1、第2容積変動室α、βへの異物の侵入率を抑えることができる。
即ち、この実施例1のOCV3は、スリーブ13に設けられる排出ポート13bの数を1つにするものであるが、スプール14内に通路区画部材31を設けてスプール内呼吸通路31aを設けることにより、電磁アクチュエータ12を大型化することなく、第1、第2容積変動室α、βへの異物の吸込みを防ぐことができる。
(実施例1の背景2)
進角側スプールドレイン孔14fより軸方向貫通穴14aの内部に流入した排出オイル(進角室7aから排出されたオイル)は、図1(a)の矢印に示すように、進角側スプールドレイン孔14fに近い排出ポート13bに向かって流れる。即ち、進角側スプールドレイン孔14fより軸方向貫通穴14aの内部に流入した排出オイルは、スプール内呼吸通路31aの内部へ流れ込み難い。
一方、遅角側スプールドレイン孔14gより軸方向貫通穴14aの内部に流入した排出オイルは、排出ポート13bから離れているため、軸方向貫通穴14aの流れ抵抗等によりスプール内呼吸通路31aに侵入する可能性がある。軸方向貫通穴14aに排出された排出オイルが、排出オイルの流れ作用でスプール内呼吸通路31aに侵入すると、スプール内呼吸通路31aの内部のオイルの入れ代わりが生じる。このため、第1、第2容積変動室α、βの呼吸により、スプール内呼吸通路31aの内部に新たに侵入したオイルが第1、第2容積変動室α、βに導かれ、異物が侵入する可能性が生じる。
(不具合を解決する技術2)
そこで、この実施例1では、遅角側スプールドレイン孔14gより軸方向貫通穴14aの内部に流入した排出オイルが、スプール内呼吸通路31aに侵入しないようにするために、通路区画部材31によってスプール内呼吸通路31aの区画が無くなる位置(即ち、通路区画部材31の左端)を、遅角側スプールドレイン孔14gの軸方向位置より、排出ポート13b側(左側)に設け、スプール内呼吸通路31aのオイル吸込口を左向きに開口させる技術を採用している。
遅角側スプールドレイン孔14gより軸方向貫通穴14aの内部に流入した排出オイル(遅角室7bから排出されたオイル)は、図1(c)に示すように、排出ポート13bに向かって流れる。即ち、遅角側スプールドレイン孔14gより軸方向貫通穴14aの内部に流入した排出オイルは、軸方向貫通穴14a内において左側へ向かって流れる。
一方、電磁アクチュエータ12の作動に伴い、電磁アクチュエータ12内に吸い込まれるオイルの流れ方向は、反排出ポート13b側(右向き)となり、遅角側スプールドレイン孔14gより軸方向貫通穴14aの内部に流入して排出ポート13bに向かう排出オイルと逆になる。
遅角側スプールドレイン孔14gより軸方向貫通穴14aの内部に流入して排出ポート13bに向かう排出オイルには、慣性力が付与されている。このため、排出オイルの流れ作用によって排出オイルがスプール内呼吸通路31aの内部に侵入することを防ぐことができる。即ち、排出オイルの流れ作用により、排出オイルがスプール内呼吸通路31aの内部に侵入するのを防ぐことができ、結果的に電磁アクチュエータ12内へ異物が侵入する不具合を回避することができる。
図4を参照して、実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において、上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
上記実施例1では、円筒形状を呈する通路区画部材31を用いる例を示した。
これに対し、この実施例の通路区画部材31は、図4(b)に示すように、軸方向貫通穴14aの内部を軸方向から見て、周方向の区画を行う板状を呈するものである。
なお、この実施例2の通路区画部材31は、実施例1と同様、スプール呼吸孔14bの内周面に圧入等の固定技術で結合されたものであり、通路区画部材31においてスプール呼吸孔14bに結合される部分には、スプール内呼吸通路31aとシャフト内呼吸通路25aとを連通する連通孔31bが形成されている。
この実施例2を採用しても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
図5を参照して、実施例3を説明する。
この実施例3は、実施例1と同様、円筒形状を呈する通路区画部材31を用いるものであるが、この実施例3の通路区画部材31は、実施例1に比較して軸方向に長く延ばして設けられ、通路区画部材31によって区画されるスプール内呼吸通路31aの容積を、第1容積変動室αと第2容積変動室βの容積変化量の差(つまり、呼吸によりスプール呼吸孔14bの内側を通過するオイル量)以上に設けたものである。
これにより、容積変動により第1、第2容積変動室α、βに出入りするオイルは、常にスプール内呼吸通路31aに保持されることになり、第1、第2容積変動室α、βに吸い込まれるオイル量のうち、新しく入れ代わるオイルを極めて小さくすることができる。即ち、スプール内呼吸通路31aのオイル吸込口から吸われて第1、第2容積変動室α、βに到達するオイルを無くすことができる。このため、電磁アクチュエータ12の作動により第1、第2容積変動室α、βが容積変動を行っても、新たな異物が第1、第2容積変動室α、βへ侵入するのを防ぐことができる。
また、この実施例3では、通路区画部材31が軸方向に長く延ばされて、通路区画部材31によってスプール内呼吸通路31aの区画が無くなる位置(即ち、スプール内呼吸通路31aのオイル吸込口:通路区画部材31の左端)が、進角側スプールドレイン孔14fの軸方向位置より、排出ポート13b側(左側)に設けられ、スプール内呼吸通路31aのオイル吸込口が左向きに開口する構造を採用している。
具体的には、スプール内呼吸通路31aのオイル吸込口が、排出ポート13bの近くで開口するように設けられている。
進角側スプールドレイン孔14fより軸方向貫通穴14aの内部に流入して排出ポート13bに向かう排出オイルには、慣性力が付与されているため、排出オイルの流れ作用によって排出オイルがスプール内呼吸通路31aへ侵入することを防ぐことができる。即ち、排出オイルに含まれる異物が、排出オイルの流れ作用により電磁アクチュエータ12内へ侵入する不具合を確実に回避することができる。
図6を参照して、実施例4を説明する。
この実施例4は、実施例2と同様、板状を呈する通路区画部材31を用いるものであるが、この実施例4の通路区画部材31は、実施例3と同様、実施例2に比較して軸方向に長く延ばして設けられ、通路区画部材31によって区画されるスプール内呼吸通路31aの容積を、第1容積変動室αと第2容積変動室βの容積変化量の差(つまり、呼吸によりスプール呼吸孔14bを通過するオイル量)以上に設けたものである。
この実施例4を採用しても、実施例3と同様の作用効果を得ることができる。
図7を参照して、実施例5を説明する。
上記実施例1〜4では、通路区画部材31をスプール14に固定する例を示した。
これに対し、この実施例5は、通路区画部材31をシャフト25に固定するものである。
具体的に、この実施例5は、実施例3と同様に軸方向に長く延ばされた円筒形状の通路区画部材31を用いるものであるが、この実施例5の通路区画部材31はシャフト25に固定したものである。
通路区画部材31とシャフト25とは、別体で設けて接合技術(例えばろう付け、溶接、圧入等)で結合するものであっても良いし、プレス加工等の加工技術で一体的に設けるものであっても良い。
なお、この実施例5ではスプール14とシャフト25が環状に当接するものであるため、軸方向貫通穴14aの内側と第1容積変動室αとの直接連通が阻止されるようになっている。
この実施例5を採用することで、実施例3と同様の効果を得ることができる。また、通路区画部材31とシャフト25をプレス加工等で一体に設ける場合は、部品点数を減らすことができ、コストを抑えることが可能になる。
〔変形例〕
上記の実施例では、電動アクチュエータの一例として電磁アクチュエータ12を用いる例を示したが、作動に伴って内部で容積変動を行う他の電動アクチュエータであっても良い。
上記の実施例では、磁気吸引ステータ22と磁気受渡ステータ23とを別体に設ける例を示したが、磁気吸引ステータ22と磁気受渡ステータ23とを一体のステータ18として設け、磁気吸引ステータ22と磁気受渡ステータ23の間に磁気遮断部や磁気抵抗部を設けても良い。
上記の実施例で示したVCT1および油圧回路2は一例であって、他の構成を備えたVCT1および油圧回路2を用いても良い。
上記の実施例では、VVTに用いられるOCV3に本発明を適用する例を示したが、VVT以外の用途に用いられる電動スプール弁(例えば、自動変速機の油圧制御用の電動スプール弁等)に本発明を適用しても良い。
(a)遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)A−A線に沿う断面図、(c)進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例1)。 VVTの概略図である。 本発明の要部が搭載されていないOCVの軸方向に沿う断面図である。 (a)遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)A−A線に沿う断面図、(c)進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例2)。 (a)遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)A−A線に沿う断面図、(c)進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例3)。 (a)遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)A−A線に沿う断面図、(c)進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例4)。 (a)遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)A−A線に沿う断面図、(c)進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例5)。
符号の説明
3 OCV(電動スプール弁)
11 スプール弁
12 電磁アクチュエータ(電動アクチュエータ)
13 スリーブ
13a 挿通穴
13b 排出ポート
13c 進角室出力ポート
13d 入力ポート
13e 遅角室出力ポート
14 スプール
14a 軸方向貫通穴
14b スプール呼吸孔
14f 進角側スプールドレイン孔(内外貫通穴)
14g 遅角側スプールドレイン孔(内外貫通穴)
16 コイル
17 プランジャ
17a プランジャ内呼吸通路
25 シャフト
25a シャフト内呼吸通路
25b シャフト呼吸孔
31 通路区画部材
31a スプール内呼吸通路
α 第1容積変動室
β 第2容積変動室

Claims (10)

  1. 内部に軸方向へ伸びる挿通穴が形成されたスリーブを有するとともに、前記挿通穴の内周面において軸方向へ摺動自在に支持され、前記スリーブに形成されたオイルの入力ポート、オイルの出力ポート、オイルの排出ポートの連通状態を変化させるスプールを有するスプール弁と、
    前記スリーブの一端に設けられ、前記スプールに軸方向の駆動力を与える電動アクチュエータとを具備する電動スプール弁において、
    前記電動アクチュエータ内に形成される容積変動室は、前記スプールの一端に設けられたスプール呼吸孔を介して前記スプール内を軸方向に貫通する軸方向貫通穴の内部に連通し、
    前記軸方向貫通穴は、前記スリーブに1つだけ設けられた前記排出ポートに連通し、
    前記出力ポートから前記スリーブ内に戻されたオイルは、前記スプールの内外を貫通する内外貫通穴を介して前記軸方向貫通穴内に導かれて、前記スリーブに1つだけ設けられた前記排出ポートから排出され、
    前記軸方向貫通穴の内部には、前記スプール呼吸孔に連通するスプール内呼吸通路を区画形成する通路区画部材が設けられることを特徴とする電動スプール弁。
  2. 請求項1に記載の電動スプール弁において、
    前記スリーブに1つだけ設けられる前記排出ポートは、前記スリーブの他端に設けられることを特徴とする電動スプール弁。
  3. 請求項2に記載の電動スプール弁において、
    前記通路区画部材によって前記スプール内呼吸通路の区画が無くなる位置は、前記内外貫通穴の軸方向位置より、前記スリーブの他端に設けられた前記排出ポート側であることを特徴とする電動スプール弁。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記スリーブに1つだけ設けられる前記排出ポートは、外部と区画された大気圧空間に向けて開放されることを特徴とする電動スプール弁。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記通路区画部材によって区画される前記スプール内呼吸通路の容積は、前記電動アクチュエータ内の容積変動に伴う呼吸により前記スプール呼吸孔の内側を通過するオイル量以上であることを特徴とする電動スプール弁。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記通路区画部材は、内部が前記容積変動室に通じる筒状を呈することを特徴とする電動スプール弁。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記通路区画部材は、前記軸方向貫通穴の内部を軸方向から見て、周方向の区画を行う板状を呈することを特徴とする電動スプール弁。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記通路区画部材は、前記スプールに固定されることを特徴とする電動スプール弁。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記通路区画部材は、前記電動アクチュエータの出力を前記スプールに伝達するシャフトに固定されることを特徴とする電動スプール弁。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電動スプール弁において、
    前記電動アクチュエータは、通電により磁力を発生するコイル、このコイルの発生した磁力により軸方向へ駆動されるプランジャを備えた電磁アクチュエータであり、
    この電磁アクチュエータは、前記プランジャの前記スプール側に第1容積変動室が形成され、前記プランジャの前記スプールとは異なった側に第2容積変動室が形成され、
    前記プランジャの移動を前記スプールに伝達するシャフトの軸心には、一方が前記スプール呼吸孔に連通し、他方が前記プランジャの軸心に形成されたプランジャ内呼吸通路に連通するシャフト内呼吸通路が形成され、
    前記シャフトは、前記シャフト内呼吸通路と前記第1容積変動室とを連通させる内外に貫通したシャフト呼吸孔を備えることを特徴とする電動スプール弁。
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