JP2009002200A - 液体送出装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/12Differential gearings without gears having orbital motion
    • F16H48/19Differential gearings without gears having orbital motion consisting of two linked clutches

Abstract

【課題】液体送出装置の製品コストを削減すると共に小型軽量化を図ることができる液体送出装置を提供すること。
【解決手段】同一の外径を有するオイルポンプ202a及び電動モータ凸部203aは、その外径に対応した内径を有する凹部挿入孔213aに重なり合って内嵌される。フランジボルト230aを介して電動モータ凸部203aがオイルポンプ202aに押さえつけられて、オイルポンプ202aが電動モータ凸部203aとケース61との間に固定される。よって、オイルポンプ202a自体に固定の為のボルトが挿入される孔を設ける必要が無く、オイルポンプ202aが小型化される。また、ボルトにて固定する作業が不要となり、オイルポンプ202aをケース61に組み付ける作業を簡略化することができる。よって、オイル供給機構200aの製品コストを削減すると共に小型軽量化を図ることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体送出装置に関するものであり、特に、液体送出装置の製品コストを削減すると共に小型軽量化を図ることができる液体送出装置に関するものである。
一般的に、機械(潤滑対象)を滑らかに動作させたり、機械を構成する部品同士が摺動することで発生する摩擦熱などを除去するために、液体送出装置を使用して機械にオイル(液体)を供給することが行われる。例えば、特許文献1には、エンジンにオイルを供給する液体供給装置が開示されている。
ここで、図14を参照して、従来の液体送出装置1200について説明する。図14は、従来の液体送出装置1200の断面図であり、理解を容易とするために電動モータ1201に関しては、一部外観を図示している。
図14に示すように、液体送出装置1200は、ケース1061に凹設される凹部挿入孔1213と、その凹部挿入孔1213に収容されるオイルポンプ1202と、そのオイルポンプ1202をケース1061に固定するポンプボルトPと、そのオイルポンプ1202にモータ軸部1207を介して駆動力を付与する電動モータ1201と、その電動モータ1201をケース1061に固定するモータボルトMとを備えて構成されている。
特開平5−33624号公報(段落第0017、図2)
しかしながら、上述した液体送出装置1200のようにオイルポンプ1202をボルトPで締結して組み付ける構成では、オイルポンプ1202自体にボルトPを取り付ける孔を設けるため、その孔が形成される部位を確保する分、オイルポンプ1202が大きくなり、そのオイルポンプ1202によって構成される液体送出装置1200が大型化すると共に重量が増加するという問題点があった。また、締結にボルトPが必要なので、締結の為の部品数の増加に伴って液体送出装置の重量が増加するという問題点があった。さらに、部品数の増加に伴って組み付け箇所が増加して組み付け作業が増えるので、製品コストが嵩むという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、液体送出装置の製品コストを削減すると共に小型軽量化を図ることができる液体送出装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の液体送出装置は、液体を送出する液体送出手段と、その液体送出手段に駆動力を付与する駆動手段と、前記液体送出手段に供給される前記液体を貯留する液体貯留室と、その液体貯留室に連通され潤滑対象から前記液体を前記液体貯留室に供給する供給通路と、前記液体送出手段に連通され前記液体送出手段の駆動により送出された液体を送出する送出通路とを備える液体送出装置にであって、前記駆動手段と共に前記液体貯留室を形成し、前記液体送出手段を収容するケース部材と、そのケース部材と前記駆動手段とを結合する結合部材とを備え、前記駆動手段は、前記液体貯留室内に向かって突出する少なくとも1つの壁部を備え、前記ケース部材と前記駆動手段とが前記結合部材により結合されることで、前記液体送出手段が前記壁部の突出先端と前記ケース部材の底面との間に狭持されるように構成されている。
請求項2記載の液体送出装置は、請求項1記載の液体送出装置において、前記液体貯留室の内側面にて前記壁部の外側面が係止されることにより、前記駆動手段と前記ケース部材との相対位置が位置決めされるように構成されている。
請求項3記載の液体送出装置は、請求項2記載の液体送出装置において、前記液体送出手段は、前記液体貯留室に貯留された前記液体を吸入する吸入口と、その吸入口より吸入された前記液体を前記送出通路に送出する送出口とを備え、前記壁部は、筒状に形成され、前記壁部の前記突出先端は、前記液体送出手段が前記吸入口を備える面と平行に形成されると共に前記吸入口及び前記送出口を囲うように構成されている。
請求項4記載の液体送出装置は、請求項1から3のいずれかに記載の液体送出装置において、前記液体送出手段は、前記駆動手段側から前記ケース部材側に向かって貫通される少なくとも1つの貫通孔と、その貫通孔に嵌合されると共に棒状に形成される少なくとも1つのピンとを備え、前記ケース部材は、前記貫通孔に嵌合されたピンが嵌合される少なくとも1つの孔を備え、前記壁部の前記突出先端は、前記貫通孔の少なくとも一部をふさいで配設されるように構成されている。
請求項5記載の液体送出装置は、請求項3又は4に記載の液体送出装置において、前記壁部の内側面は、前記突出先端に向かって前記壁部の外側面側に広がるように構成されている。
請求項6記載の液体送出装置は、請求項3から5のいずれかに記載の液体送出装置において、前記壁部は、前記突出先端に凹設されると共に前記供給通路側から前記液体貯留室側まで延設される切り欠き部を備える。
請求項1記載の液体送出装置によれば、駆動手段から液体送出手段に駆動力が付与されると、その駆動力によって液体送出手段が駆動され、液体貯留室に貯留される液体が送出通路から送出される。
ここで、本発明によれば、駆動手段と共に液体貯留室を形成し、液体送出手段を収容するケース部材と、そのケース部材と駆動手段とを結合する結合部材とを備え、駆動手段は、液体貯留室内に向かって突出する少なくとも1つの壁部を備え、ケース部材と駆動手段とが結合部材により結合されることで、液体送出手段が壁部の突出先端とケース部材の底面との間に狭持される構成であるので、例えば、液体送出手段がボルトにより固定される場合に比べて、液体送出手段を固定するボルトと、そのボルトが挿入されるために液体送出手段に形成される貫通孔と、その貫通孔に挿入されるボルトに螺着されるためにケース部材に形成されるねじ孔とを不要とすることができる。
即ち、ケース部材と駆動手段とを結合部材で結合すると、液体送出手段は、壁部の突出先端とケース部材の底面との間に固定されるので、液体送出手段をボルトによってケース部材の底面に固定する作業が不要となり、液体送出手段を組み付ける作業を簡略化することができる。
さらに、液体送出手段は、壁部の突出先端とケース部材の底面との間に固定されるので、ボルトが挿入されるための貫通孔を形成する必要が無く、その貫通孔が形成される部位を不要とすることができる。また、ケース部材には、ボルトが螺着されるためのねじ孔を形成する必要が無く、そのねじ孔が形成される部位を不要とすることができる。このように、ボルトを挿入するための貫通孔が形成される部位と、ボルトを螺着するためのねじ孔が形成される部位とを不要とすることができるので、液体送出手段およびケース部材を小型軽量化できる。
その結果、液体送出装置の製品コストを削減すると共に小型軽量化を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の液体送出装置によれば、請求項1記載の液体送出装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、壁部が液体貯留室に挿入され、液体貯留室の内側面にて壁部の外側面が係止されることにより、壁部が設けられる駆動手段と液体貯留室が形成されるケース部材との相対位置が決まる構成であるので、駆動手段のケース部材への組み付け位置が一義的に決まり、組み付け性を向上させることができる。また、液体送出手段を狭持する壁部によって駆動手段とケース部材との相対位置を決めることができ、駆動手段とケース部材との相対位置を決める部材を新たに設ける必要がない。
このように、液体送出手段を狭持する壁部によって駆動手段とケース部材との相対位置を決めることができるので、液体送出装置を構成する部品数を削減できる。その結果、液体送出装置の小型軽量化を図ると共に、駆動手段のケース部材への組み付け位置を一義的として組み付け性の向上を図ることができるという効果がある。
請求項3記載の液体送出装置によれば、請求項2記載の液体送出装置の奏する効果に加え、液体送出装置の製品コストを削減することができるという効果がある。
ところで、液体送出手段に貫通孔を設けてケース部材に液体送出手段をボルトにて固定する場合には、液体送出手段の液体を送り出す機能を妨げることを防止するために、液体送出手段の吸入口と送出口とを避けつつ駆動手段側からケース部材の底面側に向かって貫通孔を形成し、その貫通孔に挿入されたボルトを締結して液体送出手段を固定する。
その場合、液体送出手段がボルトによって締結されることで、その液体送出手段のボルトから離れた位置ほどケース部材の底面側から駆動手段側に向かってわずかに変形する(ケース部材の底面から離間する方向に反る)。よって、液体送出手段は、その変形によりその液体送出手段のボルトから離れた位置ほどケース部材の底面に押圧力を与えることができない。よって、ボルトの座面下での液体送出手段からケース部材の底面へ与えられる押圧力が一番大きく、そのボルトからそのボルトの径方向へ離れた位置ほど押圧力が小さくなる。
即ち、液体送出手段に貫通孔を形成し、その貫通孔に挿入されたボルトを締結して液体送出手段を固定する構成では、その貫通孔の近くの位置と離れた位置とで液体送出手段からケース部材の底面へ与えられる押圧力に差が生じ、液体送出手段の吸入口および送出口を囲んだ位置をケース部材の底面へ万遍なく押さえつけることができない。よって、液体送出手段とケース部材の底面との間の隙間から液体が漏れやすくなり、液体を効率良く送り出すことができないという問題点がある。
これに対し、本発明の液体送出装置によれば、壁部は筒状に形成され、その壁部の突出先端は、液体送出手段が吸入口を設ける面と平行に形成されると共に吸入口及び送出口を囲う構成であるので、壁部の突出先端にて液体送出手段に形成される吸入口及び送出口の外側を万遍なく押さえつけることができる。
よって、壁部から伝えられる押圧力が突出先端を介して液体送出手段に形成される送出口の外側に万遍なく伝えられるので、液体送出手段に形成される送出口の外側とケース部材の底面との間の隙間を壁部から伝えられる押圧力により万遍なく詰めることができる。よって、液体送出手段に形成される送出口の外側とケース部材の底面との間からの液体の漏れ量を少なく抑えることができる。
これにより、液体を効率良く送り出すことができるので、駆動手段の駆動能力を下げることができるので、駆動手段を小型化することができる。その結果、液体送出装置を小型軽量化することができるという効果がある。
また、壁部から伝えられる押圧力が突出先端を介して液体送出手段に形成される吸入口の外側に万遍なく伝えられるので、液体送出手段に形成される吸入口の外側とケース部材の底面との間の隙間を壁部から伝えられる押圧力により万遍なく詰めることができる。これにより、液体送出手段に形成される吸入口の外側とケース部材の底面との間の隙間から漏れる液体の量を少なく抑えることができる。
これにより、液体送出手段に形成される送出口の外側とケース部材の底面との間の隙間から漏れる液体の量および液体送出手段に形成される吸入口の外側とケース部材の底面との間の隙間から漏れる液体の量が低減される。よって、液体の漏れを防止するシールリングの張力を小さく設定できるので、シールリングに掛かる圧力が小さくなりシールリングの耐久性を向上させることができる。その結果、液体送出装置のメンテナンスに掛かるコストを削減することができるという効果がある。
請求項4記載の液体送出装置によれば、請求項1又は3に記載の液体送出装置の奏する効果に加え、組み付け性の向上を図ると共に液体送出装置の製品コストを削減しつつ小型軽量化を図ることができるという効果がある。
例えば、棒状に形成されたピンを使って、液体送出手段をケース部材に固定する方法の1つとして、ケース部材の底面に有底の孔を設け、その有底の孔に対向するように液体送出手段に別の有底の孔を設け、その液体送出手段の有底の孔にピンの一端を嵌合し、そのピンの他端とケース部材の有底の孔を嵌合させて、ケース部材と液体送出手段とをピンを介して固定する方法がある。
しかしながら、その方法では、ケース部材または液体送出手段のどちらか一方にピンを嵌合する場合に、作業者は、目視することでピンと孔との位置関係を確認できるが、他方にピンを嵌合する場合は、作業者は、目視にてピンと孔との位置関係を確認できないため、ピンと孔とを手探りで嵌合させることになる。よって、液体送出手段をケース部材に組み付ける作業に手間が掛かることとなる。
また、その他の方法として、ケース部材の底面に有底の孔を設け、液体送出手段に駆動手段側からケース部材側に向かって貫通する貫通孔を設け、ケース部材の有底の孔と液体送出手段の貫通孔とにピンを嵌合させて、ケース部材と液体送出手段とをピンを介して固定する方法がある。
その方法では、作業者が液体送出手段に形成される貫通孔の一方の開口端(ケース部材に対向していない開口端)側からケース部材の有底の孔を目視することで、ケース部材の有底の孔と液体送出手段の貫通孔との位置を合わせてから、ケース部材の有底の孔と液体送出手段の貫通孔とにピンを嵌合させることができる。よって、組み付け性の向上を図ることができる。
しかしながら、液体送出手段に形成される貫通孔の一方の開口端(ケース部材に対向していない開口端)からピンが抜け出してしまうため、抜け出してこないように貫通孔をふさぐ必要がある。そのため、貫通孔に嵌合されたピンの抜けを防止する部材が必要となる。
これに対し、本発明の液体送出装置によれば、液体送出手段は、駆動手段側からケース部材側に向かって貫通される少なくとも1つの貫通孔と、その貫通孔に嵌合されると共に棒状に形成される少なくとも1つのピンとを備え、ケース部材は、貫通孔に嵌合されたピンが嵌合される少なくとも1つの孔を備え、壁部の突出先端は、貫通孔の少なくとも一部をふさいで配設される構成であるので、組み付け性を確保しつつピンが貫通孔および孔から抜け出ることを防止することができる。
このように、液体送出手段に貫通孔を設け、壁部の突出先端によって液体送出手段の貫通孔がふさがれるため、組み付け性を向上させるために貫通孔を設けても、その貫通孔に嵌合されたピンの抜けを防止する部材を新たに設ける必要が無い。よって、液体送出装置を構成する部品数を削減することができるので、組み付け性の向上を図ると共に液体送出装置の製品コストを削減しつつ小型軽量化を図ることができるという効果がある。
請求項5記載の液体送出装置によれば、請求項3又は4に記載の液体送出装置の奏する効果に加え、壁部の内側面は、突出先端に向かって壁部の外側面側に広がる構成であるので、液体貯留室の形状が液体送出手段側に向かって広がり、液体送出手段への液体の流れが円滑になり、液体貯留室に貯留された液体を液体送出手段によって効率よく送り出すことができるという効果がある。
請求項6記載の液体送出装置によれば、請求項3から5のいずれかに記載の液体送出装置の奏する効果に加え、壁部は、突出先端に凹設されると共に供給通路側から液体貯留室側まで延設される切り欠き部を有する構成であるので、液体送出装置の製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
例えば、壁部に外側面から内側面に向かって貫通する貫通孔を設ける場合には、その貫通孔を型で形成すると、型を割る手間が掛かるため一般的には切削にて加工する。そのため、部品1つ1つに切削にて貫通孔を加工するのでその加工コストがそのまま部品のコストに上乗せされる。
これに対し、本発明の液体送出装置によれば、壁部には、突出先端に凹設されると共に供給通路側から液体貯留室側まで延設される切り欠き部が形成される構成であるので、型を切り欠き部の欠けた方向に抜けば良いので型を割る手間を省くことができる。そのためその切り欠き部を形成するのに、あらかじめ切り欠き部の形状が形成された型によって、その切り欠き部を形成することが容易となる。また、その切り欠き部を形成するコストは、型の加工コストのみであるので、製品コストにはほとんど影響がない。その結果、切り欠き部の加工コストを削減できるので、液体送出装置の製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1実施の形態である駆動力調整機構60a,60bが搭載された四輪駆動車1について説明する。本実施の形態の駆動力調整機構60a,60bは、原動機10から出力される駆動力を後輪70a,70bにそれぞれ分配するものである。
図1は、駆動力調整機構60a,60bが搭載された四輪駆動車1を示した概略図である。なお、図1に示す矢印Xは、四輪駆動車1の前後方向を示しており、矢印Yは、四輪駆動車1の左右方向を示している。
図1に示すように、四輪駆動車1は、内燃機関であり駆動力を発生する原動機10と、その原動機10から連結軸91を介して入力された駆動力を変速部21により変速して出力するトランスミッション20と、そのトランスミッション20から連結軸92を介して入力された駆動力を前後駆動力分配装置分配部31により連結軸96と中央ドライブシャフト94とに分配する前後駆動力分配装置30と、その前後駆動力分配装置30によって連結軸96に分配された駆動力を前側ドライブシャフト93a,93bに分配する前輪デファレンシャルギヤ部32と、その前輪デファレンシャルギヤ部32で前側ドライブシャフト93a,93bに分配された駆動力が伝達されて回転動作する一対の前輪40a,40bと、前後駆動力分配装置30によって中央ドライブシャフト94に分配された駆動力が伝達され、その伝達された駆動力を後側ドライブシャフト95a,95bに分配する駆動力分配機構50と、その駆動力分配機構50により後側ドライブシャフト95a,95bに分配される駆動力の割合を調整する駆動力調整機構60a,60bと、その駆動力調整機構60a,60bによって後側ドライブシャフト95a,95bそれぞれに調整された駆動力が伝達されて回転動作する一対の後輪70a,70bと、駆動力調整機構60a,60bの各種制御を行う制御装置80とを有して構成されている。なお、駆動力分配機構50と駆動力調整機構60a,60bとは、箱形のケース61の内部に回転可能に固定されている。
なお、前輪デファレンシャルギヤ部32は、連結軸96から伝達される駆動力を前側ドライブシャフト93a,93bに分配すると共に連結軸96の回転数を前側ドライブシャフト93a,93bに分配する装置である。
駆動力分配機構50は、中央ドライブシャフト94と連結される入力ギヤユニット51と、入力ギヤユニット51に対して直交する方向(図1矢印Y方向)に配置される出力ギヤユニット52とを有して構成されている。よって、駆動力分配機構50は、入力ギヤユニット51に入力された駆動力を、出力ギヤユニット52により分配し、駆動力分配機構50の左右(図1矢印Y方向両側)に配置された駆動力調整機構60a,60bに駆動力を分配するものである。なお、駆動力分配機構50の詳細な説明は、図3を用いて後述する。
駆動力調整機構60a,60bは、駆動力分配機構50の左右(図1矢印Y方向)に対称に設置され、出力ギヤユニット52の両端部にそれぞれ連結されている。なお、駆動力調整機構60a,60bは、駆動力分配機構50の右側(図1矢印Y方向上側)が駆動力調整機構60aであり、駆動力分配機構50の左側(図1矢印Y方向下側)が駆動力調整機構60bである。
駆動力調整機構60aは、駆動力の伝達を調整する駆動力調整部100aと、駆動力調整部100aにオイルを送り出すオイル供給機構200aと、そのオイル供給機構200aにより圧送されたオイルの液圧を検出する圧力検出機構300aとを有して構成されている。駆動力調整部100aは、伝達される駆動力の調整をオイル供給機構200aがオイルを送り出すことで発生する液圧により行なわれる。また、その液圧は圧力検出機構300aにより検出され、その圧力検出機構300aの検出結果は制御装置80に入力される。駆動力調整機構60bは、駆動力調整機構60aと同様に構成されており、駆動力調整部100bと、オイル供給機構200bと、圧力検出機構300bとを有して構成されている。なお、駆動力調整機構60a,60bの詳細な説明は、図4〜図10を用いて後述する。
制御装置80は、圧力検出機構300a,300bからの入力線81a,81bとオイル供給機構200a,200bへの出力線82a,82bとが接続されるI/Oポート83と、主に液圧の情報に基づきオイル供給機構200a,200bを制御する圧力制御プログラム87と、その圧力制御プログラム87が書き込まれた記憶装置であるROM84と、その圧力制御プログラム87に基づき演算する演算装置であるCPU85と、I/Oポート83とROM84とCPU85とを電気的に接続する接続回路であるバスライン86とを有して構成されている。なお、本実施の形態では、制御装置80は、圧力検出機構300a,300bの検出結果に基づき、駆動力調整部100a,100bが作動するために必要なオイルを供給するオイル供給機構200a,200bを個別にフィードバック制御している。
次に、図2を参照して、駆動力調整機構60aの外観について説明する。図2は、駆動力調整機構60aと、駆動力分配機構50とを拡大して示した側面図である。なお、図2に示す矢印Xは、四輪駆動車1の前後方向を示しており、矢印Zは、四輪駆動車1の上下方向を示している。
駆動力調整機構60aは、上述したように、駆動力の伝達を調整する駆動力調整部100aと、駆動力調整部100aにオイルを送り出すオイル供給機構200aと、そのオイル供給機構200aより圧送されたオイルの液圧を検出する圧力検出機構300aとを有して構成されている。
オイル供給機構200aは、駆動力調整部100aの下側(図2矢印Z方向下側)に配置されている。また、オイル供給機構200aは、そのオイル供給機構200aにより駆動力調整部100aに供給されたオイルがその駆動力調整部100aから自然落下により排出され、再度、オイル供給機構200aに溜まる構成となっている。さらに、後述するが、本実施の形態では、オイル供給機構200aにオイル貯留室204a(図6参照)が設けられるので、従来のオートマチックトランスミッションやトランスファーケースの例にあるように、オイル貯留室がオイル供給機構200aの下方に配置される場合に比べてオイルを吸い上げて溜める仕事が不要になり、オイルを送り出す効率を向上することができる。
なお、駆動力分配機構50は、ハイポイドギヤを使用して駆動力を分配しているため、駆動力調整部100の回転軸心Pと駆動力分配機構50の回転軸心Tの延長線とは、交わらない構成となっている。
次に、図3から図6を参照して、駆動力分配機構50及び駆動力調整機構60aの詳細な構成について説明する。図3は、図2のIII−III線における駆動力分配機構50と駆動力調整機構60a,60bとの断面図である。なお、図3においては、断面線を省略して図示してある。また、図3に示す矢印Xは、四輪駆動車1の前後方向であり駆動力分配機構50の回転軸心T方向を示しており、矢印Yは、四輪駆動車1の左右方向であり駆動力調整部100a,100bの回転軸心P方向を示している。
まず、駆動力分配機構50について説明する。上述したように、駆動力分配機構50は、中央ドライブシャフト94(図1参照)により伝達される駆動力の向きを変え、その駆動力を、四輪駆動車1の左右(図1矢印Y方向)それぞれに配置されている駆動力調整機構60a,60bに分配するものである。
図3に示すように、駆動力分配機構50は、中央ドライブシャフト94(図1参照)により伝達された駆動力が入力される入力ギヤユニット51と、その入力ギヤユニット51に対して直交する方向(図3矢印Y方向)に配置され、入力ギヤユニット51に入力された駆動力を出力する出力ギヤユニット52とを有して構成されている。
入力ギヤユニット51は、入力ギヤユニット51が有するハイポイドギヤ53に出力ギヤユニット52が有するハイポイドギヤ54が嵌合されることで出力ギヤユニット52に連結され、中央ドライブシャフト94(図1参照)により伝達された駆動力を出力ギヤユニット52へ伝達するものである。
出力ギヤユニット52は、出力ギヤユニット52の両端部に形成される出力シャフトスプライン部55に、出力ギヤユニット52の左右(図3矢印Y方向)に配置されているハブ嵌合部103aが嵌合されることで、入力ギヤユニット51から伝達された駆動力を駆動力調整機構60a,60bに分配するものである。
よって、駆動力分配機構50は、ハイポイドギヤ53,54により入力ギヤユニット51と出力ギヤユニット52とが連結され、出力シャフトスプライン部55及びハブ嵌合部103aにより出力ギヤユニット52と駆動力調整機構60a,60bとが連結されるので、中央ドライブシャフト94(図1参照)により入力ギヤユニット51に入力された駆動力を出力ギヤユニット52の左右に配置されている駆動力調整機構60a,60bに分配することができる。
なお、入力ギヤユニット51と出力ギヤユニット52とは、ベアリングB1を介してケース61に回転可能に固定されている。よって、入力ギヤユニット51に入力された駆動力は、入力ギヤユニット51とケース61との摺動抵抗、及び、出力ギヤユニット52とケース61との摺動抵抗による大きな損失を受けることなく出力ギヤユニット52へ伝達される。
次に、駆動力調整機構60aの構成の概略について説明する。駆動力調整機構60aは、上述したように、駆動力の伝達を調整する駆動力調整部100aと、駆動力調整部100aにオイルを送り出すオイル供給機構200a(図1参照)と、そのオイル供給機構200aより送り出されたオイルの液圧を検出する圧力検出機構300a(図1参照)とを有して構成されている。
図3に示すように、駆動力調整部100aは、駆動力分配機構50の出力ギヤユニット52により入力される駆動力が伝達される割合を調整する接続機構101aと、その接続機構101aに与える押圧力を増幅するカム機構131aと、そのカム機構131aに押圧力を与えるピストン機構151aと、カム機構131aにピストン機構151aとは逆の付勢力を与えるリリース機構171aとを有して構成されている。
また、駆動力調整機構60bの駆動力調整部100bは、駆動力調整機構60aの駆動力調整部100aと同様に構成されており、接続機構101bと、カム機構131bと、ピストン機構151bと、リリース機構171bとを有して構成されている。
次に、図4及び図5を参照して、駆動力調整機構60aの駆動力調整部100aの詳細な構成について説明する。なお、図4及び図5の説明においては、駆動力調整機構60aの駆動力調整部100aについて説明し、駆動力調整機構60bの駆動力調整部100bは、駆動力調整機構60aの駆動力調整部100aと同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
図4は、図3のA部分を拡大した断面図であり、駆動力調整機構60aの一部である駆動力調整部100aとケース61の一部とを示している。図5は、カム機構131aの概略を示した図であり、(a)は、カム機構131aの側面図であり、(b)は、図5(a)のVb−Vb線におけるカム機構131aの断面図である。
また、図4に示す矢印Xは、四輪駆動車1の前後方向であり駆動力分配機構50の回転軸心T方向を示しており、矢印Yは、四輪駆動車1の左右方向であり駆動力調整機構60aの駆動力調整部100aの回転軸心P方向を示している。さらに、図5に示す矢印Rは、駆動力調整機構60aの駆動力調整部100aの回転軸心Pを中心とする円周方向(図2紙面垂直方向)を示している。
まず、駆動力調整部100aの接続機構101a(図3参照)について詳細に説明する。図4に示すように、接続機構101aは、出力ギヤユニット52から伝達される駆動力が入力されるハブ部102aと、そのハブ部102aに連結される略円筒形状のクラッチドラム部105aと、そのクラッチドラム部105aの内側(回転軸心Pに向かう方向)に連結される複数のドライブプレート106a(本実施の形態では7個)と、その複数のドライブプレート106aの間に交互に一枚ずつ配置される複数のドリブンプレート107a(本実施の形態では7個)と、そのドリブンプレート107a及びドライブプレート106aに隣接して配置され、駆動力調整部100aの回転軸心P方向に並列される各プレート106a,107aの最も外側(矢印Y方向右側)に位置するクラッチリテーナ108aとを有して構成されている。
ハブ部102aは、略環状に形成された部材であり、出力ギヤユニット52に嵌合し略筒状に形成された筒状部102a1と、クラッチドラム部105aと連結される皿状に形成された皿状部102a2とを有して構成されている。筒状部102a1の内側面の一部には、ハブ嵌合部103aが形成されており、そのハブ嵌合部103aと出力ギヤユニット52の出力シャフトスプライン部55とによりスプライン継ぎ手が形成される。
また、皿状部102a2の外側面には、ハブ突起部104aが形成されており、クラッチドラム部105aの内側面には、複数のドラム溝部109aが形成されている。そのハブ突起部104aと、複数のドラム溝部109aとによりスプライン継ぎ手が形成される。よって、ハブ部102aは、出力シャフトスプライン部55から伝達された駆動力をクラッチドラム部105aに伝達することができる。
また、ハブ部102aは、クラッチドラム部105aに内嵌されるスナップリングS3aにより、クラッチドラム部105aに対して駆動力調整部100の回転軸心P方向左側(図4矢印Y方向左側)への動きが規制されている。
クラッチリテーナ108aは、略円板形状の板であり、ハブ部102aと同様にクラッチドラム部105aに内嵌されるものである。また、クラッチリテーナ108aは、クラッチドラム部105aに内嵌されるスナップリングS1aによりクラッチドラム部105aに対して駆動力調整部100aの回転軸心P方向右側(図4矢印Y方向右側)への動きが規制されている。
以上のことから、クラッチドラム部105aには、駆動力調整部100aの回転軸心P方向右側(図4矢印Y方向右側)からハブ部102aに作用する力がスナップリングS3aを介して作用すると共に、駆動力調整部100aの回転軸心P方向左側(図4矢印Y方向左側)からクラッチリテーナ108aに作用する力がスナップリングS1aを介して作用する。よって、クラッチドラム部105aは、ハブ部102aと、クラッチリテーナ108aとに作用する2つの力を受けることができる。後述するが、本実施の形態では、ハブ部102aとクラッチリテーナ108aとに作用する2つの力とは、カム機構131(図3参照)が発生する押圧力とその反力のことを意味している。
ドライブプレート106aは、略円板形状の板であり、ドライブプレート106aの外縁に形成されるドライブプレート突起部110aと、クラッチドラム部105aの内側面に形成される複数のドラム溝部109aとによりスプライン継ぎ手が形成されており、クラッチドラム部105aに内嵌されている。
ドリブンプレート107aは、略円板形状の板であり、ドリブンプレート107aの内側面に形成されるドリブンプレート突起部111aと、シャフト113aの一部に成型されるプレートスプライン軸部112aとによりスプライン継ぎ手が形成され、シャフト113aに外嵌されている。
なお、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとは、後述するカム機構131aのメインカム132aからの押圧力を受けることで、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの微小な隙間を詰めながらクラッチリテーナ108aに動きを規制されるまで、駆動力調整部100aの回転軸心P方向右側(図4矢印Y方向右側)に動作可能に構成されている。
よって、後述するカム機構131aのメインカム132aからの押圧力をドライブプレート106aとドリブンプレート107aとが受けてドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの隙間が詰められると、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの間に摩擦力が発生する。そのドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの間に発生する摩擦力は、カム機構131aのメインカム132aからの押圧力に応じて増加され、その押圧力に応じた駆動力がドライブプレート106aからドリブンプレート107aへと伝達される。その結果、クラッチドラム部105aからシャフト113aへ伝達される駆動力の割合が調整される。
次に、駆動力調整機構100aのカム機構131a(図3参照)について詳細に説明する。カム機構131aは、クラッチドラム部105aから伝達される駆動力を利用した増幅機構であり、駆動力調整部100の回転軸芯P方向(図4矢印Y方向)においてクラッチリテーナ108aと対向する位置に配置されている。
また、カム機構131a(図3参照)は、後述するピストン機構151a(図3参照)により押圧される押し圧部材140aと、その押し圧部材140aに押圧される複数(本実施の形態では2枚)のプライマリードライブプレート135aと、そのプライマリードライブプレート135aの間に配置されるプライマリードリブンプレート136aと、そのプライマリードリブンプレート136aに連結されるプライマリーカム133aと、シャフト113aに連結されるメインカム132aと、プライマリーカム133aとメインカム132aとに狭持される複数(本実施の形態では6個)のボール134aと、プライマリーカム133aに隣接するベアリングB2aとを有して構成されている。
プライマリードライブプレート135aは、略円板形状の板であり、プライマリードライブプレート135aの外縁に形成されるプライマリードライブプレート突起部137aと、クラッチドラム部105aの内側面に形成される複数のドラム溝部109aとによりスプライン継ぎ手が形成され、クラッチドラム部105aに内嵌されている。
プライマリードリブンプレート136aは、略円板形状の板であり、プライマリードリブンプレート136aの内側面に形成されるプライマリードリブンプレート突起部138aと、プライマリーカム突起部139aとによりスプライン継ぎ手が形成され、プライマリーカム133aに外嵌されている。
よって、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとは、後述するピストン機構151aからの押圧力を受けることでプライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの微小な隙間を詰めながら駆動力調整部100aの回転軸心Pの軸心方向右側(図4矢印Y方向右側)に動作可能に構成されている。また、プライマリードライブプレート135aは、クラッチドラム部105aに内嵌されるスナップリングS2aにより、クラッチドラム部105aに対して駆動力調整部100aの回転軸心Pの軸心方向右側(図4矢印Y方向右側)への動きが規制されている。
このように、後述するピストン機構151a(図3参照)からの押圧力をプライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとが受けて、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの隙間が詰まると、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの間に摩擦力が発生する。
そのプライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの間に発生する摩擦力は、ピストン機構151aからの押圧力に応じて増加され、その押圧力に応じた駆動力がプライマリードライブプレート135aからプライマリードリブンプレート136aへと伝達される。その結果、プライマリーカム133aへ伝達される駆動力の割合が調整される。
また、プライマリーカム133aのメインカム132aに対向する面には、プライマリーカム溝部141aが形成されており、メインカム132aのプライマリーカム133aに対向する面には、メインカム溝部142aが形成されている。このプライマリーカム溝141aとメインカム溝142aとの間に、ボール134aが挟持されている。
ここで、図5を参照して、プライマリーカム133aとメインカム132aとボール134aとの詳細な構成及び動作について説明する。なお、図5(a)は、図4の左側(図4矢印Y方向左側)から右側(図4矢印Y方向右側)を見た状態が図示されている。
図5(a)に示すように、プライマリーカム133aは、略環状の部材であり、メインカム132aと対向する面(図5(a)に示すプライマリーカム133aにおいて紙面垂直方向奧側の面)に環状のプライマリーカム溝部141aが形成されている。また、プライマリーカム133aの外周面には、プライマリーカム突起部139aが形成されており、このプライマリーカム突起部139aとプライマリードリブンプレート136a(図4参照)のプライマリードリブンプレート突起部138aとによりスプライン継ぎ手が形成される。
また、メインカム132aは、略環状の部材であり、プライマリーカム133aと対向する面(図5(a)に示すメインカム132aにおいて紙面垂直方向視手前側の面)に環状のメインカム溝部142aが形成されている。メインカム132aの内周面には、メインカム突起部144aが形成されており、そのメインカム突起部144aとシャフト113a(図4参照)に形成されるカムスプライン軸部143a(図4参照)とによりスプライン継ぎ手が形成される。
また、図5(a)に示すように、プライマリーカム溝部141aとメインカム溝部142aとは、同形状に形成されており、そのプライマリーカム溝部141aとメインカム溝部142aとの間にボール134aが複数個(本実施の形態では6個)収容されている。
次に、図5(b)を参照して、プライマリーカム133aに駆動力が伝達された時のメインカム132aと、プライマリーカム133aと、ボール134aとのそれぞれの動作について説明する。図5(b)に示すように、メインカム溝部142aとプライマリーカム溝部141aとは、溝部の深さが円周方向(図5(b)矢印R方向)に緩やかに変化している。
また、図5(b)において、プライマリーカム133aの実線で示されている状態が、プライマリーカム133aにクラッチドラム部105aからの駆動力が伝達されていない時の位置であり、ボール134aは、プライマリーカム溝部141aとメインカム溝部142aとの深い部分に収容されている。
なお、後述するリリース機構171aの説明のため、この位置を基準位置と称す。また、プライマリーカム133aが基準位置にある場合のメインカム132aとの距離は、駆動力調整部100aの回転軸心P方向(図5(b)矢印Y方向)において幅L1となる。
図5(b)において、プライマリーカム133aの破線で示されている状態が、プライマリーカム133aにクラッチドラム部105aからの駆動力が伝達された時の位置であり、プライマリーカム133aがメインカム132aに対して円周方向(図5(b)矢印R方向右側)に移動している。この状態では、ボール134aは、プライマリーカム133aへ駆動力が伝達されていない時(実線で示した状態、基準位置)に比べて浅い部分に収容されている。
なお、後述するリリース機構171aの説明のため、この位置を作動位置と称す。また、プライマリーカム133aが作動位置にある場合のメインカム132aとの距離は、駆動力調整部100aの回転軸心P方向(図5(b)矢印Y方向)において幅L2となる。
図5(b)に示すように、プライマリーカム133aとメインカム132aとの幅は、幅L1に比べて幅L2の方が広くなっている。これは、プライマリーカム133aに伝達される駆動力により、プライマリーカム133aがメインカム132aに対して駆動力調整部100aの回転軸心Pを中心に回転した場合に、ボール134aが各溝部141a,142aの深さが浅い部分まで転がり、プライマリーカム133aとメインカム132aとの幅が広がるからである。その結果、プライマリーカム133aとメインカム132aとの間に、押圧力とその押圧力に対する反力とが発生する。また、その押圧力は、ピストン機構151aにより発生される押圧力の数十倍(本実施の形態では略20倍)に増幅されている。
このように、カム機構131a(図3参照)は、ピストン機構151a(図3参照)によって発生された押圧力を簡単な構成で増幅できる。よって、ピストン機構151a(図3参照)が小さな押圧力を発生するだけで、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとは大きな押圧力で押しつけられる。
また、ピストン機構151a(図3参照)の押圧力は、カム機構131a(図3参照)によって増幅されるので、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとを押しつけている力の略20分の1でよい。すなわち、カム機構131aを省略してピストン機構151aにて直接ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとを押さえつける場合に比べて、オイルポンプ202aにより発生すべき圧力値を小さく設定することができる。
よって、オイルポンプ202aを駆動させる電動モータ201aを小型化でき、駆動力調整機構60a(図1参照)の軽量化を図ることができる。さらに、電動モータ201aの消費電力を押さえることができるので車載された発電装置(図示せず)を小型化でき、四輪駆動車1の軽量化を図ることができる。また、電動モータ201aの消費電力が小さくなるので、その消費電力より大きな消費電力となるモータを電動モータ201aに用いることができ、それにより、モータの選択肢が増える。その結果、流通量が多く価格が低いモータを選択することも可能となりコスト削減を図ることができる。
また、カム機構131a(図3参照)は、クラッチドラム部105a(図4参照)とシャフト113a(図4参照)との回転速度差によって接続機構101a(図3参照)を押しつける方向(図3矢印Y方向)に広がる。即ち、クラッチドラム部105a(図4参照)とシャフト113a(図4参照)との回転速度差が大きいほど、カム機構131a(図3参照)が接続機構101a(図3参照)に向かって広がる速度が速くなる。
よって、クラッチドラム部105a(図4参照)とシャフト113a(図4参照)との回転速度差を大きく設定すれば、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの隙間を広く設定したとしても、駆動力調整機構60a(図1参照)の応答性を損なうことがない。従って、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの隙間を広く設定して引きずりトルクを低減させつつ駆動力調整機構60a(図1参照)の応答性を確保することができる。なお、引きずりトルクについては後述する。
また、カム機構131a(図3参照)を介してドライブプレート106a(図4参照)とドリブンプレート107a(図4参照)との隙間を詰めているので、ピストン機構151a(図3参照)は、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの隙間のみを詰めれば良い。
よって、ピストン機構151a(図3参照)に対してオイル供給機構200a(図6参照)から送り出されるオイル量が少なくてもクラッチドラム105a(図4参照)からの駆動力をシャフト113a(図4参照)に伝えることができる。従って、オイル供給機構200aに設けられるオイルポンプ202a(図6参照)を小型化することができるので、駆動力調整機構60a(図1参照)の軽量化を図ることができる。
ここで、図4を参照して、カム機構131aが発生する押圧力とその反力の伝わり方について説明する。本実施の形態では、プライマリーカム133aと、メインカム132aと、ボール134aとにより発生する押圧力は、複数のドライブプレート106aと、複数のドリブンプレート107aと、クラッチリテーナ108aと、スナップリングS1aとを介してクラッチドラム部105aに伝達される。また、プライマリーカム133aと、メインカム132aと、ボール134aにより発生される押圧力の反力は、ベアリングB2aと、ハブ部102aと、スナップリングS3aとを介してクラッチドラム部105aに伝達される。即ち、カム機構131aが発生する押圧力と、その反力とは、接続機構101aの構成部材によって伝達されクラッチドラム部105aに作用する。
よって、カム機構131aが発生する押圧力とその反力とは、クラッチドラム部105aに伝わりケース61やピストン機構151aなどには伝わらない。従って、カム機構131aが発生する押圧力とその反力とに基づいて駆動力調整機構60a(図1参照)の強度を確保する場合には、接続機構101aとカム機構131aとに対して強度の確保を行えば良く、ケース61やピストン機構151a又はベアリングB3aなどに対してスラスト力(図4矢印Y方向の力)に対する強度確保の必要はない。その結果、強度確保の対象となる部材が少なくなるので、ピストン機構151a又はベアリングB3aの小型化やケース61の薄肉化が可能となり、駆動力調整機構60a(図1参照)の軽量化及びコスト削減を図ることができる。
ここで、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの間で生じる引きずりについて説明する。ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの間で生じる引きずりとは、ドライブプレート106aと、ドリブンプレート107aとの間に介在するオイルによって、ドリブンプレート107aがドライブプレート106aに張り付き、ドリブンプレート107aがドライブプレート106aの動作する方向に引きずられる現象のことである。
また、この引きずりによって伝達される回転力を引きずりトルクと言い、オイルの粘性が高いほど、また、ドライブプレート106aと、ドリブンプレート107aとの間の隙間が狭いほど大きな引きずりトルクとなる。
この引きずりトルクの発生は、駆動力調整部100aの駆動力の伝達精度を悪化させるばかりではなく、ドライブプレート106aやドリブンプレート107aへの摩擦熱の発生や、オイルの温度上昇による油膜切れや、オイル性状の劣化や、四輪駆動車1としては、転がり抵抗の増加による燃費の悪化など、多くの弊害を伴う。
リリース機構171aは、皿ばねであり、メインカム132aが基準位置に向かって移動するようにメインカム132aを、ドライブプレート106a及びドリブンプレート107a、クラッチリテーナ108aから離間する方向に(図4矢印Y方向左側)に付勢しており、複数のドライブプレート106aと、複数のドリブンプレート107aとの引きずりトルクを低減させるものである。また、リリース機構171aは、略環状の弾性部材であり、図4に示すように、メインカム132aと、プレートスプライン軸部112aとの間に狭持固定されている。よって、メインカム132aが、ドライブプレート106a及びドリブンプレート107a、クラッチリテーナ108a側(図4矢印Y方向右側)に移動すると、ドライブプレート106a及びドリブンプレート107a、クラッチリテーナ108aから離間する方向(図4矢印Y方向左側)への付勢力が発生する。
また、リリース機構171aは、メインカム132aとドライブプレート106aとに働くオイルの粘着力と、メインカム132aの内周面に形成されるメインカム突起部144aとシャフト113aに形成されるカムスプライン軸部143aとの摩擦力と、ボール134aの転がり抵抗力とプライマリードライブプレート135a及びプライマリードリブンプレートの引きずりにより発生されるメインカム132aの反力とをあわせた力を上回る付勢力を発生するように構成されている。
つまり、リリース機構171aには、上記複数の力より大きな付勢力を発生するばね定数や初期荷重が設定されている。その結果、カム機構131からの押圧力の供給がなくなると、リリース機構171aの付勢力によりメインカム132aは作動位置から基準位置に向かって移動し、ドライブプレート106aとメインカム132aとの引きずりトルクを低減することができる。従って、引きずりによって余分な駆動力がクラッチドラム部105aからシャフト113aに伝達されることを低減することができる。
上述したように、本実施の形態では、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとは、後述するピストン機構151a(図3参照)により発生される押圧力によって摩擦力が発生する。そのプライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの間に発生する摩擦力によってクラッチドラム部105aから伝達される駆動力をカム機構131a(図3参照)により増幅し、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの間に摩擦力を発生させる構成となっている。即ち、ピストン機構151aの押圧力によって、各プレート135a,136a,106a,107aとの間に摩擦力を発生させることができる。
また、ピストン機構151a(図3参照)は、ピストン室154a内に発生する圧力の上昇によってピストン本体153aをプライマリードライブプレート135a及びプライマリードリブンプレート136aの方向(図4矢印Y方向)に移動して押圧力を発生する為、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの間に隙間を設定して引きずりトルクを低減させることができる。
これに対し、電磁力により押圧力を発生させ各プレート135a,136a,106a,107aとの間に摩擦力を発生させる方法があるが、この方法は、電磁力を発生させるためにコイルを通電し、アーマチャと呼ばれる部材の内部に磁束を発生させ、そのアーマチャをコイルが引きつけることで、押圧力を発生させることができる。即ち、アーマチャとコイルとの間に複数のプレート(本実施の形態では、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとを示す。)を配置し、アーマチャをコイルがひきつける力を複数のプレートの押圧力とし、その押圧力によりプレートとプレートとの間に摩擦力を発生させる構成となる。
この電磁力により押圧力を発生させる方法は、オイルの液圧を使用しないため、オイルの粘度の影響を受けにくい特徴があるが、その代わりに、アーマチャとコイルの間には磁束を通す必要がある。そのため、電磁力を使って押圧力を発生する方法は、磁束を通す部材(主に鉄)のみを用いて複数のプレートを構成しなければならない。
また、磁束を強く安定させるために、上述した複数のプレート(本実施の形態では、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとを示す。)とアーマチャとは常時接触させておく必要がある。その結果、プレートの引きずりが発生しその引きずりによってカム機構132aはスラスト力(図4矢印Y方向の力)を発生する。それにより、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの隙間が詰まりさらに引きずりが発生する。そのため、リリース機構171aには、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの隙間を詰めないように、そのスラスト力分の押圧力に勝るばね定数や初期荷重を設定する必要があり、リリース機構171aが大型化する。
しかし、本実施の形態では、ピストン機構151aの押圧力によって摩擦力を発生させる構成であるので、磁束を通す部材でプレートを構成しなくても良い。よって、透磁性のない材料(金属以外の材料)を使うことができる。そこで、本実施の形態では、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136a、及び、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aは、透磁性のないペーパー材を用いて構成されている。
このペーパー材は、金属材料を使った部材に比べて耐ジャダー性が良好な材料であるので、各プレート135a,136a及び106a,107aの摩擦面に金属材料を使ったプレートを使用する場合に対して、耐ジャダー性向上を目的とするプレートの表面形状の最適化や、プレートの表面処理による摩擦特性の安定化などの特殊加工や、摩擦特性を改善するための特殊オイルの使用などを行う必要がなくなる。その結果、プレートの表面形状の最適化や、プレートの表面処理による摩擦特性の安定化などの特殊加工を行うことによる製作工程の追加や、オイルに添加剤を追加しなくてよいので、製作工程におけるコスト削減を図れると共にランニングコスト削減を図ることができる。
また、磁束により押圧力を発生しないので、磁束を強く安定させる必要がなく、複数のプレート(本実施の形態では、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとを示す。)の間に隙間を持たせることができる。よって、プライマリードライブプレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの引きずりにより、カム機構132aがスラスト力を発生させドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの隙間が詰まることがないので、スラスト力分の押圧力に勝るばね定数や初期荷重を設定する必要がなく、リリース機構171aが大型化することを防止することができる。
また、電磁力を使って発生される押圧力と、オイルの液圧により発生される押圧力および駆動力によって増幅される押圧力とが混在しないので、プレートの材料の統一やオイル室の1室化及び同種オイルの使用が可能となり、コスト削減、部品管理工数削減および組み立て工数削減を図ることができる。
以上のように、本実施の形態では、オイルの液圧により発生される押圧力、及び、駆動力によって増幅される押圧力を用いるので、電磁力を使って発生される押圧力を用いる場合に比べて、プレートの材料の選択範囲が広くなり、耐ジャダー性が良好なペーパー材を選択し、プレートの表面形状の最適化のための特殊加工や摩擦特性を改善する為の特殊オイルの使用の必要性がなくなる。さらに、引きずりが発生しづらいので小さな駆動力を伝達する場合の駆動力の制御精度を向上させることができる。
次に、ピストン機構151a(図3参照)について説明する。図4に示すように、ピストン機構151aは、オイル供給機構200a(図2参照)から送られてくるオイルの液圧により、押圧力を発生し、その押圧力をカム機構131a(図3参照)に伝達する機構であり、オイル供給機構200aから送られてくるオイルで満たされるピストン室154aと、オイル供給機構200aから送られてくるオイルの液圧により押圧力を発生させるピストン本体部153aと、ピストン本体部153aに外嵌されるシリンダー部152aと、ピストン室154aに満たされたオイルに混入した気体(空気)を放出するステムブリーダ155a(図6参照)と、ピストン本体部153aに対して駆動力調整部100aの回転軸心Pを中心として回転しているカム機構131aの押し圧部材140aにピストン本体部153aからの押圧力を円滑に伝達するベアリングB3aとを有して構成されている。
ピストン室154aは、略環形状をしたピストン本体部153aが略環形状をしたシリンダー部152aに内嵌されることにより形成される空間であり、オイル供給機構200a(図2参照)から送られてくるオイルで満たされている。そのピストン室154aの上部(図6矢印Z方向上部)には、ピストン本体部153aの上部に形成される貫通孔であるステムブリーダ155aが配設されており、ピストン室154aは、オイル回収室64aとステムブリーダ155aを介して連通されている。よって、オイル供給機構200aからピストン室154aへ送られてきたオイルは、そのオイルに混入した気体(空気)と共にオイル回収室64aへと放出される。
なお、ステムブリーダ155aは、主にオイルに混入した気体(空気)をオイル回収室64aへ放出するものであり、オイルに混入した気体(空気)を通り易く、オイルを通り難くするために環状の隙間形状としても良い。なお、その環状の隙間形状は、貫通孔であるステムブリーダ155aにその内径より小さな外径に形成される円筒部材を挿入して構成しても良い。
ベアリングB3aは、ピストン本体部153a(図3参照)と、カム機構131a(図3参照)の押し圧部材140aとの間に隣接して配置されており、カム機構131aの押し圧部材140aは、ハブ部102aの回転に伴って回転するのでピストン本体部153aに対して回転している。即ち、ベアリングB3aは、回転差による抵抗を発生させないように作動しており、ピストン本体部153aから伝達される押圧力は、カム機構131aの押し圧部材140aに円滑に伝達されている。
また、ピストン本体部153a(図3参照)から伝達される押圧力は、カム機構131a(図3参照)により増幅されるため、カム機構131aを有さない場合に比べて、そのピストン本体部153aから伝達される押圧力を十分小さくすることができる。よって、カム機構131aを有さない場合に比べて、ベアリングB3aを低負荷のものにすることができ、ベアリングB3aの選択肢が増えコスト削減を図ることができる。
次に、図6及び図7を参照して、オイル供給機構200aの構成ついて説明する。図6は、図2のVI−VI線における駆動力調整機構60aを示した断面図である。なお、図6においては、接続機構101a、カム機構131a及びリリース機構171aに関係する符号は省略して図示する。また、図6に示す矢印Yは、四輪駆動車1の左右方向であり駆動力調整部100aの回転軸心P方向を示しており、矢印Zは、四輪駆動車1の上下方向を示している。また、図7は、オイル供給機構200aを示した外観斜視図である。なお、図7においては、理解を容易とするため、ケース61の外形は図示しておらず、ケース61に形成される凹部挿入孔213a、第二供給通路212a及びフランジボルトねじ孔233aなどを破線にて図示している。
図6及び図7に示すように、オイル供給機構200aは、オイル回収室64aに貯まっているオイルを駆動力調整部100aに送り出すものであり、オイル回収室64aからオイルを回収する貫通孔である回収通路210aと、その回収通路210aからオイル回収穴208aを介して回収されたオイルが貯留されるオイル貯留室204aと、そのオイル貯留室204aに貯留されたオイルを駆動力調整部100aに接続される第二供給通路212a及び第一供給通路211aに送り出すオイルポンプ202aと、そのオイルポンプ202aにオイルを送り出すための駆動力を付与する電動モータ201aと、その電動モータ201aをケース61に形成される凹部挿入孔213aに固定するフランジボルト230aとを有して構成されている。
図6及び図7に示すように、オイルポンプ202aは、円柱形状に形成され、オイルポンプ202aに駆動力を伝達するモータ軸部207aと、そのモータ軸部207aの回転軸心に平行に形成される貫通孔である複数(本実施の形態では2個)のポンプ貫通孔235aと、そのポンプ貫通孔235aに嵌合される円柱形状のピン221aと、それら複数のピン221aの内の1のピン221aと他のピン221aとの間に配設されると共に円柱形状に形成されるオイルロータ236aと、そのオイルロータ236aにオイル貯留室204aで貯留されたオイルを供給するポンプ吸入口205aと、そのポンプ吸入口205aからオイルロータ236aに供給されたオイルを第二供給通路212aに送出するポンプ吐出口206aとを有して構成されている。
また、図7に示すように、オイルロータ236aは、モータ軸部207aによって伝達された回転力を使ってオイルを送り出すものであり、オイルポンプ202aの内部に収容されている。そのオイルロータ236aにオイルを供給するポンプ吸入口205aは、オイル貯留室204aの深部に隣接されており、また、オイルロータ236aに供給されたオイルを排出するポンプ吐出口206aは、ポンプ吸入口205aより上部(図7上部)で且つ凹部挿入孔213aの底面に対向して形成されている。
図7に示すように、電動モータ201aは、オイルポンプ202aに回転力を伝達すると共に円柱形状に形成されたモータ軸部207aと、そのモータ軸部207aの回転中心線S方向(図7左右方向)に突設されると共に円筒形状に形成された電動モータ凸部203aと、その電動モータ凸部203aに連設されると共に電動モータ凸部aの径方向外側に向かって立設されるモータフランジ224aと、そのモータフランジ224aを貫通して形成されると共にモータ軸部207aの回転中心線Sと平行に配設されるフランジボルト挿通孔225aとを有して構成されている。
モータ軸部207aは、モータ軸部207aの回転中心線Sが円筒形状に形成された電動モータ凸部203aの内側であり且つ凹部挿入孔213aの中心線Mから水平方向(図9左右方向)に離れた位置に配設されると共に、モータ軸部207aの先端部はオイルロータ236aに接続されている。即ち、オイルロータ236aとモータ軸部207aとは、凹部挿入孔213aの中心線Mから水平方向(図9左右方向)に離れた位置で接続されている。なお、モータ軸部207aは、オイル貯留室204aの内部に配設されている。
図6及び図7に示すように、電動モータ凸部203aは、オイルポンプ202aと略同一の直径を有する略円筒形状の部材であり、その外周面の円周方向に凹設されるシールリング溝223aと、オイルを回収するオイル回収穴208aとオイル貯留室204aの内壁を形成するポンプ内壁209aとを有して構成されている。また、シールリング溝223aには、ゴム状弾性体にて形成される環状のシールリング222aが嵌合されている。
オイル回収穴208aは、電動モータ凸部203aの上部(図6矢印Z方向上部)に設置される切り欠き部位であり、回収通路210aを介してオイル回収室64aに連結されている。
ポンプ内壁209aは、オイル回収穴208aに連成される電動モータ凸部203aの内側の壁であり、電動モータ凸部203aの突出先端に向かって電動モータ凸部203aの外側面側に広がると共にオイル回収穴208aに向かって上昇傾斜して形成されている。
図6に示すように、電動モータ201aと、電動モータ凸部203aと、オイルポンプ202aとは、四輪駆動車1(図1参照)が水平面上に停止している場合に、水平方向となる駆動力調整部100aの回転軸心P方向(図6矢印Y方向)に向かって隣接して配置されており、オイル貯留室204aは、電動モータ凸部203aに連設される電動モータ201aと、電動モータ凸部203aの突出先端(図6矢印Y方向左側先端)に密接されるオイルポンプ202aと、電動モータ凸部203aの内側面とに囲まれて形成されている。
図7に示すように、モータ軸部207aは、オイル貯留室204aの内部に配設されているので、電動モータ201aとオイルポンプ202aとが最短距離(直線上)で接続されている。よって、オイル貯留室204aの外部にモータ軸部207aを配置する必要が無く、オイル供給機構200aを小型化することができる。
また、オイル貯留室204aとオイルポンプ202aとは、水平方向(図6矢印Y方向)に隣接して配置されているので、例えば、オイル貯留室がオイルポンプ202aから離れた下方に配置され、その下方に配置されたオイル貯留室から吸い上げ通路を介してオイルを吸い上げる場合に比べて、オイルを吸い上げる仕事と通路内の管路抵抗とを削減することができる。
また、図6に示すように、オイルポンプ202aは、オイル貯留室204aに隣接する面(図6矢印Y方向右側の面)にポンプ吸入口205aが配置されると共に、凹部挿入孔213aの底面に対向する面(図6矢印Y方向左側の面)にポンプ吐出口206aが配置されている。よって、オイル貯留室204aからオイルを送り出す際にはオイルの送られる方向が直線方向となるので、管路抵抗の影響を受けにくく、効率良くオイルを送り出すことができる。
また、オイル回収室64aからオイル貯留室204aに気体(空気)を混入したオイルが流入した場合、ポンプ内壁209aがオイル回収穴208aに向かって上昇傾斜して形成されているので、ポンプ内壁209aにより気体(空気)がオイル回収孔208aに円滑に移送される。また、ポンプ吸入口205aがオイル貯留室204aの深部(図6矢印Z方向下部)に配設されているので、ポンプ吸入口205aまで到達する気体(空気)の割合が非常に少なくなる。
このように、混入した気体(空気)は、オイル回収室64aへ排出されやすく、且つ、オイルポンプ202aに流入し難いので、オイルポンプ202aにオイルと気体(空気)が混入したときに発生する異音を押さえることができると共に、オイルポンプ202aが送り出すオイルに気体(空気)が混入し難く、ダンパー効果を低減し、オイルポンプ202aによって発生されるオイルの液圧を早期に所望の液圧(ピストン機構151aを押圧するのに必要な液圧)にまで上昇させることができる。
次に、図8及び図9を参照して、オイルポンプ202aと電動モータ201aとケース61と詳細な構成について説明する。なお、説明においては図14を参照する。図8は、図2のVIII−VIII線におけるオイル供給機構200aを示した断面図である。なお、図8においては、理解を容易とするために電動モータ201aの一部は外観を図示している。また、図9は、図8のIX−IX線における電動モータ凸部203aとケース61とを示した断面図である。なお、図9においては、ケース61の一部を図示している。
オイルポンプ202aは、ケース61にフランジボルト230aが締結されることでケース61と電動モータ凸部203aとの間に固定される。その電動モータ凸部203aは、1つの部材でありながらオイルポンプ202aをケース61に固定する機能を含めて3つの機能を有しているので、オイル供給機構200aを構成する部品数を削減でき、オイル供給機構200aを小型軽量化することができる。
例えば、オイルポンプ1202(図14参照)をボルトP(図14参照)で締結して組み付ける構成では、オイルポンプ1202自体にボルトPを取り付ける孔を設けるため、その孔が形成される部位を確保する分、オイルポンプ1202が大きくなり、そのオイルポンプ1202によって構成される液体送出装置1200(図14参照)が大型化すると共に重量が増加する。
図8に示すように、本実施の形態では、オイルポンプ202aの外径と、電動モータ凸部203aの外径と、凹部挿入孔213aの内径とは略同一であるので、オイルポンプ202aと電動モータ凸部203aとは重なり合って凹部挿入孔213aに内嵌される。
また、オイルポンプ202aの対向面間の厚さで、ポンプ吐出口206a(図7参照)が形成されると共に凹部挿入孔213aの底面に対向している面と、ポンプ吸入口205a(図7参照)が形成されると共にオイル貯留室204aに隣接している面との厚さ(モータ軸部207aの回転軸心方向の長さ)は、L4の寸法値に設定されており、モータフランジ224aのケース61に対向する面から電動モータ凸部203aの先端までの高さは、L5の寸法値に設定されている(L3<L4+L5)。
また、凹部挿入孔213aの深さは、モータ軸部207aの回転軸心方向に向かってケース61の端面からL4とL5との寸法値を足した寸法値より短いL3の寸法値に設定されている。よって、凹部挿入孔213aにオイルポンプ202aと電動モータ凸部203aとを重なり合わせて挿入すると、ケース61とモータフランジ224aとの間に寸法値L6の隙間が形成される。
よって、フランジボルト230aがフランジねじ孔233a螺着されると、モータフランジ224aに形成されるフランジボルト挿通孔225aを介して電動モータ201aがケース61に対して押さえつけられて、ケース61とモータフランジ224aとの間に形成される寸法値L6の隙間によって電動モータ凸部203aがオイルポンプ202aのみをケース61に押さえつけて、オイルポンプ202aが電動モータ凸部203aとケース61との間に固定される。その結果、オイルポンプ202aをケース61にボルトにて固定する作業が不要となり、オイルポンプ202aをケース61に組み付ける作業を簡略化することができるので、オイル供給機構200aの製品コストを削減することができる。
また、オイルポンプ202aに固定の為のボルトが挿入される孔を設ける必要が無く、孔を設けるための部位を不要とすることができるので、オイルポンプ202aを小型化することができる。また、オイルポンプ202aを固定するボルト(図示せず)を省略することができるので、オイル供給機構200aを軽量化することができる。よって、オイル供給機構200aを小型軽量化することができる。その結果、オイル供給機構200aの製品コストを削減すると共に小型軽量化を図ることができる。
図9に示すように、オイルロータ236aは、モータ軸部207aに接続されるインナーロータ237aと、そのインナーロータ237aを内嵌しインナーロータ237aによって回転される環状のアウターロータ238aとを有する。また、電動モータ凸部203aは、円筒形状に形成され、その外径は、凹部挿入孔213aの内径と略同一であり、回転中心は、凹部挿入孔213aの中心線Mと同一である。さらに、モータ軸部207aの回転中心線Sは、凹部挿入孔213aの中心線Mから水平方向(図9左右方向)に離れた位置に配設されている。
即ち、回転中心の位置が異なる円筒形状の外形を有する部材を同時に嵌合させるので、モータ軸部207aは、電動モータ凸部203aの周り止めの部材となり、電動モータ凸部203aは、モータ軸部207aの周り止めの部材となる。
よって、凹部挿入孔213aに電動モータ凸部203aが内嵌され、モータ軸部207aがオイルポンプ202aに接続されることにより、電動モータ凸部203aが設けられる電動モータ201aとケース61との相対位置が一義的に決まる。その結果、オイルポンプ202aのケース61への組み付け位置が一義的に決まり、組み付け性を向上させることができる。
また、オイルポンプ202aを狭持する電動モータ凸部203aによってオイルポンプ202aとケース61との相対位置を決めることができるので、オイルポンプ202aとケース61との相対位置を決める部材を新たに設けることを不要とすることができる。
よって、オイル供給機構200aを構成する部品数を削減することができるので、組み付け性の向上を図ると共にオイル供給機構200aの製品コストを削減しつつ小型軽量化を図ることができる。
このように、オイルポンプ202aをケース61に押さえつける機能を有する電動モータ凸部203aは、オイルポンプ202aとケース61との相対位置を決める部材としても機能することができる。
図6及び図7に示すように、オイルポンプ202aは、円柱形状に形成され、オイル貯留室204aに隣接している面(図6矢印Y方向右側の面)には、ポンプ吸入口205aが形成され、凹部挿入孔213aの底面に対向している面(図6矢印Y方向左側の面)には、ポンプ吐出口206aが形成されている。
即ち、作業者がオイルポンプ202aを円筒形状に形成される凹部挿入孔213aに嵌合させる場合には、オイルポンプ202aの形状が円柱形状であるため、円周方向の固定位置を一義的に決めることが困難である。よって、ポンプ吸入口205aをオイル貯留室204aの深部に隣接させ、ポンプ吐出口206aをポンプ吸入口205aより上部(図7上部)に確実に位置させるためには、一義的に円周方向の固定位置を決める必要がある。
そのために、本実施の形態では、凹部挿入孔213aの底部には、有底の孔である複数(本実施の形態では2個)のピン挿入孔226aが形成されているので、作業者は、オイルポンプ202aに形成される複数(本実施の形態では2個)のピン挿入孔226aをポンプ貫通孔235aの一方からが目視することで、ポンプ貫通孔235aをピン挿入孔226aに重ね合うようして、オイルポンプ202aを凹部挿入孔213aに挿入することができる。よって、作業者が目視にて組み付け位置を確認できるので、オイルポンプ202aの凹部挿入孔213aへの組み付け性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、ピン221aと、ピン挿入孔226a及びポンプ貫通孔235aとのそれぞれの軸心がモータ軸部207aの軸心に平行に形成されており、ピン挿入孔226aとポンプ貫通孔235aとピン221aとの位置が重なり合えば、ピン挿入孔226aとポンプ貫通孔235aとにピン221aが嵌合されるので、そのピン221によって凹部挿入孔213aに挿入されるオイルポンプ202aの円周方向の動きが規制される。
そのオイルポンプ202aの動きを規制しているピン221aは、ポンプ貫通孔235a内部においてモータ軸部207aの軸心方向(図8左右方向)に移動可能なため、抜け止めを施す必要がある。ポンプ貫通孔235aのケース61側の端部には、有底の孔であるピン挿入孔226aが配設されているため抜け出すことは無いが、その反対側の端部には、抜け止めをするためにポンプ貫通孔235aを塞ぐ部材を設けなければならない。
ここで、図9に示すように、本実施の形態では、電動モータ凸部203aの内周面とオイルポンプ202aとの接線で構成される円の直径D1は、複数(本実施の形態では2個)のピン挿入孔226aを結ぶ線を直径として複数(本実施の形態では2個)のピン挿入孔226aに外接する円の直径D2より小さく設定されているので、電動モータ凸部203aは、ポンプ貫通孔235aを塞ぐことができる。よって、ポンプ貫通孔235aを備えつつピン221aがピン挿入孔226aおよびポンプ貫通孔235aから抜け出ることを防止することができる。
このように、オイルポンプ202aにポンプ貫通孔235aを設け、電動モータ凸部203aによってオイルポンプ202aのポンプ貫通孔235aが塞がれるため、ポンプ貫通孔235aに嵌合されたピン221aの抜けを防止する部材を新たに設けることを不要とすることができる。
よって、オイル供給機構200aを構成する部品数を削減することができるので、組み付け性の向上を図ると共にオイル供給機構200aの製品コストを削減しつつ小型軽量化を図ることができる。このように、オイルポンプ202aをケース61に固定する機能を有する電動モータ凸部203aは、ポンプ貫通孔235aを塞ぐ部材としても機能することができる。
即ち、電動モータ凸部203aは、オイルポンプ202aをケース61に固定し、ピン221aが嵌合されているポンプ貫通孔235aを塞ぎ、凹部挿入孔213aの内周面と嵌合される。このように、電動モータ凸部203aは、1つの部材でありながら3つの機能部材として機能することができるので、オイル供給機構200aを構成する部品数を削減でき、オイル供給機構200aを小型軽量化することができる。
図8に示すように、電動モータ201aと、電動モータ凸部203aと、オイルポンプ202aとは水平方向(図6矢印Y方向)に隣接して配置されており、且つ、電動モータ201aと、電動モータ凸部203aとの直径が同一なので、電動モータ201aと、電動モータ凸部203aとを凹部挿入孔213aへ重ねて挿入でき、且つ、簡単に組みつけができる。
また、電動モータ201aと電動モータ凸部203aとオイルポンプ202aとは、モータ軸部207aの回転中心線S方向(図8左右方向)に隣接され一体に形成されているので、オイル供給機構200aを小型化することができるだけでなく、電動モータ201aと電動モータ凸部203aとオイルポンプ202aとを組み合わせて他の装置に簡単に取り付けて使用することができる。よって、電動モータ201aと電動モータ凸部203aとオイルポンプ202aとが一体に形成された装置の汎用性を高めることができる。
また、例えば、図14に示すように、オイルポンプ1202aに貫通孔を設けてケース1061にオイルポンプ1202aをボルトPにて固定する場合には、オイルポンプ1202aの液体を送り出す機能を妨げることを防止するために、オイルポンプ1202aに形成されるポンプ吸入口1205a(図示せず)及びポンプ吐出口1206a(図示せず)を避けつつ電動モータ1201a側からケース1061に形成される凹部挿入孔1213aの底面側に向かって貫通孔を形成し、その貫通孔に挿入されたボルトPを締結することでオイルポンプ1202aが固定される。
その場合、オイルポンプ1202aがボルトPによって締結されることで、そのオイルポンプ1202aのボルトPから離れた位置ほどケース1061に形成される凹部挿入孔1213aの底面側から電動モータ1201a側に向かってわずかに変形する(ケース61の底面から離間する方向に反る)。
よって、オイルポンプ1202aは、その変形によりそのオイルポンプ1202aのボルトPから離れた位置ほどケース1061に形成される凹部挿入孔1213aの底面に押圧力を与えることができない。その結果、ボルトPの座面下でのオイルポンプ1202aからケース1061の底面へ与えられる押圧力が一番大きく、そのボルトPからそのボルトPの径方向へ離れた位置ほど押圧力が小さくなる。
即ち、オイルポンプ1202aに貫通孔を形成し、その貫通孔に挿入されたボルトPを締結してオイルポンプ1202aを固定する構成では、その貫通孔の近くの位置と離れた位置とでオイルポンプ1202aからケース1061の底面へ与えられる押圧力に差が生じ、オイルポンプ1202aのポンプ吸入口1205a(図示せず)およびポンプ吐出口1206a(図示せず)を囲んだ位置をケース1061の底面へ万遍なく押さえつけることができない。よって、オイルポンプ1202aとケース1061の底面との間の隙間からオイルが漏れやすくなり、オイルを効率良く送り出すことができない。
これに対し、図9に示すように、本実施の形態によれば、電動モータ凸部203aは筒状に形成され、その電動モータ凸部203aの突出先端は、オイルポンプ202aのポンプ吸入口205aを設ける面と平行に形成されていると共にポンプ吸入口205a及びポンプ吐出口206aを囲うように構成されているので、電動モータ凸部203aの突出先端にてオイルポンプ202aに形成されるポンプ吸入口205a及びポンプ吐出口206aの外側を万遍なく押さえつけることができる。
よって、電動モータ凸部203aから伝えられる押圧力が突出先端を介してオイルポンプ202aに形成されるポンプ吐出口206aの外側に万遍なく伝えられるので、オイルポンプ202aに形成されるポンプ吐出口206aの外側とケース61に形成される凹部挿入孔213aの底面との間の隙間を電動モータ凸部203aから伝えられる押圧力により万遍なく詰めることができる。
これにより、オイルポンプ202aに形成されるポンプ吐出口206aの外側とケース61に形成される凹部挿入孔213aの底面との間からのオイルの漏れ量を少なく抑えることができる。この結果、オイルを効率良く送り出すことができるので、電動モータ201aの駆動能力を下げて、電動モータ201aを小型化することができる。その結果、液体送出装置を小型軽量化することができる。
また、電動モータ凸部203aから伝えられる押圧力が、突出先端を介してオイルポンプ202aに形成されるポンプ吸入口205aの外側に万遍なく伝えられるので、オイルポンプ202aに形成されるポンプ吸入口205aの外側とケース61の底面との間の隙間を電動モータ凸部203aから伝えられる押圧力により万遍なく詰めることができる。これにより、オイルポンプ202aに形成されるポンプ吸入口205aの外側とケース61の底面との間の隙間から漏れる液体の量を少なく抑えることができる。
これにより、オイルポンプ202aに形成されるポンプ吐出口206aの外側とケース61の底面との間の隙間から漏れる液体の量、及び、オイルポンプ202aに形成されるポンプ吸入口205aの外側とケース61の底面との間の隙間から漏れる液体の量が低減される。よって、液体の漏れを防止するシールリングの張力を小さく設定できるので、シールリングの耐久性を向上させることができる。その結果、液体送出装置のメンテナンスに掛かるコストを削減することができる。
オイル供給機構200aは、気体(空気)が混入した循環後のオイルを回収し、気体(空気)を分離してから、そのオイルをピストン機構151aに送り出している。しかし、オイルに混入している気体(空気)を完璧に取り除くことは非常に難しい。そこで、ピストン機構151aは、オイルに混入している気体(空気)を取り除くために、ピストン室154aの上部(図6矢印Z方向上部)にステムブリーダ155aを配置している。
よって、気体(空気)が混入したオイルがピストン機構151aに送り出された場合でも、気体(空気)はピストン室154aの上部に自然に移送され、そのピストン室154aに溜まった気体(空気)は、ステムブリーダ155aからオイルと一緒にオイル回収室64aへ排出される。
このように、ピストン室154aに気体(空気)が混入したオイルが送られても、その気体(空気)は滞留することなく排出されるので、オイル供給機構200aから送られてくるオイルの液圧を安定してピストン本体部153aの押圧力に変えることができる。
また、オイルポンプ202aが停止された状態が長く続くと、ピストン室154a内のオイルはオイルポンプ202aの隙間を通ってオイル回収室64aに徐々に逆流し、ピストン室154a内には、オイルの変わりにステムブリーダ155aを通って気体(空気)が流入する。
このように、ピストン室154a内に気体(空気)が流入した状態からピストン室154a内の圧力を所定の圧力まで上昇させる場合には、ピストン室154a内をオイルで充満させる必要があり、オイルが充満されるまでは、気体(空気)が混在しているためピストン室154a内の圧力の上昇が鈍くなる。よって、所定の圧力値になるまでに時間がかかり制御精度が悪化する。
ここで、本実施の形態では、電動モータ201aを常時運転させピストン室154a内に常にオイルが供給されるように構成されている。これにより、ピストン室154a内が常にオイルで充満され、ピストン室154aにオイルが充満される時間が省略される。よって、ピストン室154a内の圧力の上昇の遅れが無くなり、制御精度を改善することができる。
また、ピストン室154a内の圧力値の大きさは、ピストンシール部材218a,219aの摺動抵抗より大きくしても良い。この場合、ピストン本体153aが押圧力を発生しプライマリープレート135aとプライマリードリブンプレート136aとの隙間を詰めることができる。よって、ピストン室154aの圧力上昇に遅れることなくプライマリープレート135aからプライマリードリブンプレート136aに駆動力が伝達される。
よって、ピストン室154a内の圧力上昇に対する駆動力伝達の応答遅れが無くなり、制御精度を改善しつつ応答性を速くすることができる。
さらに、ピストン室154a内の圧力値の大きさを、その圧力値によりカム機構131aが発生する押圧力がリリース機構171aの付勢力より小さくなるように設定しても良い。この場合、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとにカム機構131aからの押圧力が作用しないので、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとに引きずりトルクを低減することができる。よって、余分な駆動力がクラッチドラム部105a(図4参照)からシャフト113a(図4参照)に伝達されることを低減することができる。
また、上述したリリース機構171aの付勢力は、量産された場合の下限の付勢力に設定しても良い。この場合、量産品においてもドライブプレート106aとドリブンプレート107aとにカム機構131aからの押圧力が作用しないので、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとに引きずりトルクを低減することができる。よって、量産品においても余分な駆動力がクラッチドラム部105a(図4参照)からシャフト113a(図4参照)に伝達されることを低減することができる。
このように、本実施の形態では、オイルポンプ202aによりピストン室154a内に所定の圧力を常時発生させることにより、ドライブプレート106aとドリブンプレート107aとの間に発生する引きずりトルクを低減させ、余分な駆動力を伝えることなく応答性を向上させることができる。
次に、図10を参照して、駆動力調整機構60aのオイル通路の構成について詳細に説明する。図10は、駆動力調整機構60aのオイル通路の構成を示した図であり、(a)は、駆動力調整機構60aの回転軸心P方向視におけるオイルの通路の概略を示した概略図であり、(b)は、図10(a)のVIIb−VIIb線における断面図であり、(c)は、図10(a)のVIIc−VIIc線における断面図である。
なお、図10においては、斜線で示された部分がオイル通路である。また、図10においては、オイル通路以外の断面線は省略して図示する。図10に示す矢印Xは、四輪駆動車1(図1参照)の前後方向であり、駆動力分配機構50(図1参照)の回転軸心T方向を示しており、矢印Zは、四輪駆動車1の上下方向を示している。
駆動力調整機構60aのオイル通路は、ピストン機構151aのピストン本体部153aを動作させるためのオイルを供給する通路である。さらに、駆動力調整機構60aのオイル通路は、オイルを循環させることでオイルに混入した気体(空気)を滞留させること無く排出する機構であり、気体(空気)の混入によるダンパー効果を低減し、オイルの液圧を早期に安定させるものである。
図10(a)に示すように、駆動力調整機構60aのオイル通路は、主に、略環状のピストン室154aと、そのピストン室154aに連通して形成される圧力検出通路301aと、圧力検出通路301aに取着されるセンシング部302aと、ピストン室154aに連通して形成される第一供給通路211aとによりオイルの流れる流路が形成される。
さらに、図10(c)に示すように、駆動力調整機構60aのオイル通路は、第一供給通路211aに連通して形成される第二供給通路212aと、その第二供給通路212aにオイルを送り出すオイルポンプ202aと、そのオイルポンプ202aへ供給されるオイルを貯めているオイル貯留室204aと、そのオイル貯留室204aとオイル回収室64aとに連通して形成される回収通路210aと、ピストン室154aの上部に連通して形成されるステムブリーダ155aと、そのステムブリーダ155aによりピストン室154aと連通されるオイル回収室64aとによりオイルの流れる流路が形成される。
図10(a)に示すように、ピストン室154aは、環状の通路であり、その上部(図10(a)矢印Z方向上部)にステムブリーダ155aを有している。即ち、ピストン室154aに流入したオイルに混入している気体(空気)は、ピストン室154aの壁面(湾曲した面)に沿って移送され、オイルポンプ202aより送り出されたオイルと共にピストン室154aの上部に取着されるステムブリーダ155aから排出される。
よって、オイルに混入している気体は、ピストン室154aの湾曲した面により上部へ移送されるので、ピストン室154a内に留まることを抑制することができる。その結果、気体(空気)の混入によるダンパー効果を低減し、オイルの液圧を早期に安定させることができる。
また、図10(a)に示すように、圧力検出通路301aは、水平面に対して傾斜を持つ直線形状の孔であり、圧力検出通路301aの上端(図10(a)矢印Z方向上端)は、ピストン室154aのステムブリーダ155aより下方に開口214aを介して連通して形成されている。
よって、圧力検出通路301aは、ピストン室154aに向かって上昇傾斜して形成されるので、圧力検出通路301aに混入した気体(空気)を圧力検出通路301aの壁面に沿ってピストン室154aに移送することができる。従って、圧力検出通路301aに混入した気体(空気)は、ステムブリーダ155aから円滑に排出されるので、ピストン室154aと圧力検出通路301aとに気体(空気)が滞留した場合に比べて、オイルの液圧による気体(空気)の容積変化分と同じ容積のオイルをオイルポンプ202aから圧送する必要が無くなり、ダンパー効果を低減できるので、オイルポンプ202aより送り出されたオイルの液圧を早期に安定させることができる。
また、圧力検出通路301aの下端部(図10(b)矢印Z方向下端部)に連成される第二取付口217aには、センシング部302aを螺着するためのネジ溝が形成され、センシング部302aは、圧力検出通路301aの第二取付口217aに螺着されることで取り付けられる。
このように、センシング部302aは、ステムブリーダ155aより下方(図10(a)矢印Z方向下方)に取り付けられるので、ステムブリーダ155aの上方(図10(a)矢印Z方向上方)に気体(空気)が残留しても気体(空気)の影響を受けない。その結果、センシング部302aによって計測されるオイルの液圧の測定精度を向上させることができる。
図10(c)に示すように、第一供給通路211aは、圧力検出通路301aと同様に、水平面に対して傾斜を持つ直線形状の孔であり、第一供給通路211aの上端は、ピストン室154aに連通して形成され、第一供給通路211aの下端部には、取付口215aが連成され、ピストン室154aに向かって上昇傾斜して形成されている。
よって、第一供給通路211aに混入した気体(空気)は、第一供給通路211aの壁面に沿って移送され、ピストン室154aに排出される。従って、圧力検出通路301aと同様に、オイルの液圧による気体(空気)の容積変化分と同じ容積のオイルをオイルポンプ202aから圧送する必要が無くなり、ダンパー効果を低減できるので、オイルポンプ202aより送り出されたオイルの液圧を早期に安定させることができる。
センシング部302a(図10(b)参照)にて検出されたオイルの液圧値は、センシング部302aにより電気信号に変えられ、入力線81a(図1参照)を介して制御装置80(図1参照)へ送られる。また、オイル供給機構200aを構成する電動モータ201aは、センシング部302aより送られた電気信号を元に制御装置80により出力線82a(図1参照)を介して制御される。即ち、検出されたオイルの液圧値を元に制御装置80により電動モータ201aはフィードバック制御が実施されている。よって、オイルの液圧の検出精度を向上させることは、フィードバック制御の精度を向上させることにつながる。
具体的には、そのフィードバック制御は、ROM84(図1参照)に格納された圧力制御プログラム87(図1参照)を用いて、センシング部302a(図10(b)参照)から送られた電気信号に対応した出力信号を設定するものである。なお、上述したように圧力制御プログラム87は、目標とする駆動力を伝達するのに必要な圧力をピストン室154aに供給するように、電動モータ201aに供給される電力値を設定するものである。
電動モータ201a及びオイルポンプ202aは、コスト削減を図るために汎用品が使用されるが、汎用品である電動モータ201aは出力バラツキを持っており、汎用品であるオイルポンプ202aは摺動抵抗のバラツキを持っている。即ち、電動モータ201aに供給される電力値が一定であっても、電動モータ201aにより発生されるピストン室154a内の圧力にバラツキが生じる。
しかし、本実施の形態では、フィードバック制御によりセンシング部302aの電気信号に基づいて、目標とする駆動力を伝達するのに必要な圧力がピストン室154aに供給されるように、電動モータ201aを制御するので、汎用品である電動モータ201a及びオイルポンプ202aを使用したとしても、ピストン室154a内の圧力値を所望の値に調整することができる。
また、オイル供給機構200a自体の温度が変化することでオイルの粘性と各部クリアランスと電動モータ201aの出力特性とが変化し、電動モータ201aに供給される電力値に対する、ピストン室154a内の圧力値が変化する場合がある。しかし、本実施の形態では、フィードバック制御によりセンシング部302aの電気信号に基づいて、目標とする駆動力を伝達するのに必要な圧力がピストン室154aに供給されるように、電動モータ201aを制御するので、オイル供給機構200a自体が温度変化しオイルの粘性と各部のクリアランスと電動モータ201aの出力特性とが変化したとしてもピストン室154a内の圧力値を所望の値に調整することができる。
このように、フィードバック制御によりバラツキやオイル供給機構200aの温度変化などに関係なくピストン室154aの圧力を精度良く設定することができるので、オイル供給機構200aにより駆動力の伝達が調整される駆動力調整部100aを搭載する四輪駆動車1(図1参照)の運転状況が変化しても、所望する駆動力を出力ギヤユニット52(図1参照)から後輪70a(図1参照)に伝達することができる。
そこで、図10(b)に示すように、本実施の形態では、センシング部302aをピストン室154aではなく圧力検出通路301aに取り付けている。上述したが、圧力検出通路301aは、上端がピストン室154aに連通して形成されているので、圧力検出通路301aの内部ではオイルの流れが発生しづらい構造になっている。さらに、圧力検出通路301a内の気体は、ピストン室154aに移送されるので、センシング部302aはオイル内に位置することになる。
よって、オイルの流れによる圧力損失が発生することがないので、オイルの流れによる影響を受けることなく、ピストン室154a内のオイルの液圧を測定することができる。これにより、センシング部302aが気体に触れずにオイル内に位置しているのでオイルの液圧の検出精度を向上させることができる。
次に、図11を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態は、圧力検出通路301aにセンシング部302aを取り付ける構成としたが、これに代えて、第2実施の形態では、第1供給通路211aにセンシング部302aを取り付ける構成とした。よって、第2実施の形態では、センシング部302aの取り付け位置以外は第1実施の形態と同様となるので、第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図11は、第2実施の形態における駆動力調整機構60aを示した断面図である。なお、図11においては、駆動力調整機構60aの符号は省略して図示する。また、図11に示す矢印Yは、四輪駆動車1の左右方向であり駆動力調整機構60a,60bの回転軸心P方向を示しており、矢印Zは、四輪駆動車1の上下方向を示している。
図11に示すように、センシング部302aは、第一供給通路211aの上端(図8矢印Z方向上端)に連成される第二開口216aと対称な位置である第一供給通路211aの下端(図8矢印Z方向下端)に形成される第二取付口217aに取り付けられている。この場合、第1供給通路211aの下端を遮蔽する埋栓が不要となるので、部品点数を削減でき、コスト削減を図ることができる。また、センシング部302aを取り付けるだけで、第1供給通路211aを外部に対して遮蔽できるので、製作工程を削減でき、コスト削減を図ることができる。また、第2実施の形態では、圧力検出通路301aが不要となるので、加工の手間が無くなり、コスト削減を図ることもできる。
次に、図12及び図13を参照して、第3実施の形態について説明する。図12は、第3実施の形態におけるオイル供給機構3200aの断面図であり、図2のVIII−VIII線における断面図に対応する。なお、図12においては、理解を容易とするために電動モータ3201aの一部は外観を図示している。図13は、図12のXII−XII線における電動モータ凸部3203aとケース3061とを示した断面図である。なお、図13においては、ケース3061の一部を図示している。
本発明の第1実施の形態(図8及び図9参照)では、モータフランジ224aを介してフランジボルト230aをフランジボルトねじ孔233aに螺着させることで電動モータ201aがケース61に固定される場合を説明したが、図12及び図13に示すように、第3実施の形態では、フランジボルト230aを使用せずに電動モータ3201aがケース3061に直接固定されるように構成されている。なお、上記各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
即ち、第3実施の形態では、内周面にめねじ3240aが形成される凹部挿入口3213aと、外周面におねじ3241aが形成される電動モータ凸部3203aと、回転中心線3Sが凹部挿入口3213aと電動モータ凸部3203aとの中心線3Mに一致するように配設されるモータ軸部3207aとを備え、中心線3Mを回転中心として電動モータ凸部3203aが回転し、おねじ3241aがめねじ3240aに螺着されるように構成されている。
よって、モータ軸部3207aをインナーロータ3237aに嵌合させつつモータ軸部3207aを中心としておねじ3241aを回転させ、めねじ3240aと螺着させることができる。これにより、モータフランジ224aとフランジボルト230a(図8参照)とを不要とすることができる。また、電動モータ3210aをケース3061に組み付ける作業と固定する作業(螺着)とを同時に行うことができる。その結果、オイル供給機構200aの組み付け性の向上を図ると共にオイル供給機構200aの製品コストを削減しつつ小型軽量化を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法・角度など)は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、上記各実施の形態では、ステムブリーダ155aは、ピストン室154aに隣接するピストン本体部153aの上部に取着されている場合を説明したが、必ずしもピストン本体部153aの上部に取着される必要はなく、例えば、ピストン本体部153aの最上部に取着されても良い。この場合、気体(空気)が滞留せずに円滑に排出されるので、オイルの液圧による気体(空気)の容積変化分と同じ容積のオイルをオイルポンプ202aから圧送する必要が無くなり、ダンパー効果が低減されるので、オイルポンプ202aより送り出されたオイルの液圧を早期に安定させることができる。また、ステムブリーダ155aは、センシング部302aより上部に配置すれば、センシング部302aが常にオイル内に存在することとなるので、少なくともセンシング部302aの上部であれば、如何なる場所に取り付けても良い。
また、上記各実施の形態では、リリース機構171aに皿ばねを用いる場合を説明したが、必ずしも皿ばねである必要はなく、例えば、環形のゴム状弾性体を用いても良い。
また、上記各実施の形態では、電動モータ凸部203aが円筒形状に形成される場合を説明したが、必ずしも円筒形状に形成される必要はなく、例えば、シールリング222aより電動モータ凸部203aの突出先端側を凹部挿入孔213aの内周面に沿うと共に各々が対向する位置に配設される複数の柱形状に形成しても良い。この場合、電動モータ凸部203aを軽量化できるので、オイル供給機構200aの小型軽量化を図ることができる。加えて、オイル貯留室204aの容積を増加させることができるので、オイルポンプ202aにオイルを安定して供給することができる。
本発明の第1実施の形態における四輪駆動車の概略図である。 駆動力調整機構の外観図である。 図2のIII−III線における駆動力分配機構と駆動力調整機構との断面図である。 図3のA部分を拡大した断面図である。 カム機構の概略を示した図であり、(a)は、カム機構の側面図である。(b)は、図5(a)のVb−Vb線におけるカム機構の断面図である。 図2のVI−VI線における駆動力調整機構の断面図である。 オイル供給機構を示した外観斜視図である。 図2のVIII−VIII線におけるオイル供給機構を示した断面図である。 図8のIX−IX線における電動モータ凸部とケースとを示した断面図である。 駆動力調整機構のオイル通路の構成を示した図であり、(a)は、駆動力調整機構の回転軸心P方向視におけるオイルの通路の概略を示した概略図であり、(b)は、図10(a)のVIIb−VIIb線における断面図であり、(c)は、図10(a)のVIIc−VIIc線における断面図である。 第2実施の形態における駆動力調整機構を示した断面図である。 第3実施の形態におけるオイル供給機構の断面図である。 図12のXII−XII線における電動モータ凸部とケースとを示した断面図である。 従来の液体送出装置の断面図である。
符号の説明
61,3061 ケース(ケース部材)
64a,64b オイル回収室(潤滑対象の一部)
100a,100b 駆動力調整部(潤滑対象の一部)
151a,151b ピストン機構(潤滑対象の一部)
171a,171b リリース機構(潤滑対象の一部)
200a,200b オイル供給機構(液体送出装置)
201a,201b 電動モータ(駆動手段)
202a,202b,3202a,3202b オイルポンプ(液体送出手段)
203a,203b,3203a,3203b 電動モータ凸部(壁部)
204a,204b,3204a,3204b オイル貯留室(液体貯留室)
205a,205b ポンプ吸入口(吸入口)
206a,206b ポンプ吐出口(送出口)
207a,207b,3207a,3207b モータ軸部(駆動手段の一部)
208a,208b オイル回収穴(切り欠き部)
209a,209b ポンプ内壁(壁部の内側面)
210a,210b 回収通路(供給通路の一部)
211a,211b 第一供給通路(送出通路の一部)
212a,212b 第二供給通路(送出通路の一部)
213a,213b,3213a,3213b 凹部挿入孔(ケース部材の一部)
221a,221b ピン
226a,226b ピン挿入孔(孔)
230a,230b,3240a,3240b フランジボルト(結合部材の一部)
233a,233b,3241a,3241b フランジボルトねじ孔(結合部材の一部)
235a,235b ポンプ貫通孔(貫通孔)
236a,236b,3236a,3236b オイルロータ(液体送出手段の一部)
300a,300b 圧力検出機構(潤滑対象の一部)
301a,301b 圧力検出通路(潤滑対象の一部)

Claims (6)

  1. 液体を送出する液体送出手段と、その液体送出手段に駆動力を付与する駆動手段と、前記液体送出手段に供給される前記液体を貯留する液体貯留室と、その液体貯留室に連通され潤滑対象から前記液体を前記液体貯留室に供給する供給通路と、前記液体送出手段に連通され前記液体送出手段の駆動により送出された液体を送出する送出通路とを備える液体送出装置において、
    前記駆動手段と共に前記液体貯留室を形成し、前記液体送出手段を収容するケース部材と、
    そのケース部材と前記駆動手段とを結合する結合部材とを備え、
    前記駆動手段は、前記液体貯留室内に向かって突出する少なくとも1つの壁部を備え、
    前記ケース部材と前記駆動手段とが前記結合部材により結合されることで、前記液体送出手段が前記壁部の突出先端と前記ケース部材の底面との間に狭持されるように構成されていることを特徴とする液体送出装置。
  2. 前記液体貯留室の内側面にて前記壁部の外側面が係止されることにより、前記駆動手段と前記ケース部材との相対位置が位置決めされるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の液体送出装置。
  3. 前記液体送出手段は、前記液体貯留室に貯留された前記液体を吸入する吸入口と、
    その吸入口より吸入された前記液体を前記送出通路に送出する送出口とを備え、
    前記壁部は、筒状に形成され、前記壁部の前記突出先端は、前記液体送出手段が前記吸入口を備える面と平行に形成されると共に前記吸入口及び前記送出口を囲うように構成されていることを特徴とする請求項2記載の液体送出装置。
  4. 前記液体送出手段は、前記駆動手段側から前記ケース部材側に向かって貫通される少なくとも1つの貫通孔と、その貫通孔に嵌合されると共に棒状に形成される少なくとも1つのピンとを備え、
    前記ケース部材は、前記貫通孔に嵌合されたピンが嵌合される少なくとも1つの孔を備え、
    前記壁部の前記突出先端は、前記貫通孔の少なくとも一部をふさいで配設されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体送出装置。
  5. 前記壁部の内側面は、前記突出先端に向かって前記壁部の外側面側に広がるように構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の液体送出装置。
  6. 前記壁部は、前記突出先端に凹設されると共に前記供給通路側から前記液体貯留室側まで延設される切り欠き部を備えることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の液体送出装置。
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