JP2009001513A - 腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤 - Google Patents

腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 副作用が弱く、優れた腸管吸収性を有する油溶性ポリフェノール製剤を提供する。
【解決手段】 油溶性ポリフェノール製剤は、油溶性ポリフェノールの吸収を高め、安全性の高い製剤である。油溶性ポリフェノール製剤の原料である油溶性ポリフェノールはカキノハ由来ポリフェノール、クコシ由来ポリフェノール、菊花由来ポリフェノール、マツバ由来ポリフェノール、ドクダミ由来ポリフェノール、緑茶由来ポリフェノールまたはユキノシタ由来ポリフェノールのうち、いずれかである。また、ここでいう油溶性ポリフェノール製剤は、クマササ由来リグニンに糖類を添加し、加熱して得られるものであり、医薬品、食品、化粧品、衛生用品や日用品として利用される。
【選択図】 なし

Description

この発明は、腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤に関するものである。
ストレスの多い現代人にとって抗酸化作用を有するポリフェノールの摂取は、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームに悩む人々に対して予防又は改善作用を呈する。
さらに、ポリフェノールには遺伝子の変異防止作用があり、癌などの誘引となる遺伝子変異を防御する働きが知られている。
しかし、水溶性ポリフェノールは、人や動物の腸管から吸収されにくいという欠点があり、カテキンなどの吸収率は5%以下であると報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。水溶性のポリフェノールを摂取しても体内に吸収されず、全身の組織には到達せず、その大部分は糞便に排泄される。
一方、油溶性ポリフェノールは胆汁に吸収されて粘膜細胞の細胞膜に働き、輸送されやすいという特徴があるものの(例えば、非特許文献2参照。)、腸管壁への接触時間が長いほど、ポリフェノールの吸収効率も高くなる。
ポリフェノール類の吸収性を高めた発明としては、吸収促進剤に関する発明がある(例えば、特許文献1参照。)。また、透過吸収促進剤に関する発明がある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、一般食品、保健機能食品または健康補助食品の機能増強組成物及びその方法の発明がある(例えば、特許文献3参照。)。
また、吸収 促進剤及びそのスクリーニング方法の発明がある(例えば、特許文献4参照。)。
リグニンを用いたポリフェノール類の吸収を高めた発明としては、チャーガ茸に代わるリグニンと食用茸類との組合せによる制癌剤と健康食品と飼料添加剤がある(例えば、特許文献5参照。)。
しかし、これらの発明は身体に有効性が高い油溶性ポリフェノールの吸収性を高めた発明は例がなく、特に、植物成分を利用した吸収性の向上に関する発明も少ない。
特開2007−16034公報 特開2006−36721公報 特開2005−34135公報 特開2002−257828公報 特開2005−154398公報 Catterall Fら、Xenobiotica、33、743−753(2003)。 Silberberg、Mら、 Eur.J.Nutr、45、88−96(2006)。
従来、ポリフェノールの吸収率は低く、体内に取り込まれずに、糞便中に排泄されるという問題点があった。このため、ポリフェノールの摂取量を高くする必要があり、経済的に無駄があった。
特に、水溶性ポリフェノールは吸収率が低いという問題点があった。
この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、腸管吸収性を持たせた油溶性ポリフェノール製剤を提供することにある。
また、油溶性ポリフェノールがカキノハ由来ポリフェノール、クコシ由来ポリフェノール、菊花由来ポリフェノール、マツバ由来ポリフェノール、ドクダミ由来ポリフェノール、緑茶由来ポリフェノールまたはドクダミ由来ポリフェノールのうち、いずれかである副作用が弱く、腸管吸収性を持たせた油溶性ポリフェノール製剤を提供することにある。
さらに、油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加して加熱した後、植物油で抽出して得られる副作用が弱く、腸管吸収性を持たせた油溶性ポリフェノール製剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、油溶性ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包させることにより腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤に関するものである。
請求項2に記載の発明は、油溶性ポリフェノールがカキノハ由来ポリフェノール、クコシ由来ポリフェノール、菊花由来ポリフェノール、マツバ由来ポリフェノール、ドクダミ由来ポリフェノール、緑茶由来ポリフェノールまたはユキノシタ由来ポリフェノールのうち、いずれかである腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤に関するものである。
請求項3に記載の発明は、油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加し、加熱して得られる腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1から3に記載の油溶性ポリフェノール製剤によれば、副作用が弱く、優れたポリフェノールの腸管吸収作用が発揮される。
以下、この発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
まず、油溶性ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包させることにより腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
ここでいう油溶性ポリフェノール製剤とは、天然に存在する、もしくは、発酵、酵素合成植物合成や化学合成により製造される油溶性ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包させた製剤である。
前記の油溶性ポリフェノールとは、油に溶解する脂溶性の高いポリフェノールである。
たとえば、カキノハ由来油溶性ポリフェノール、カキノハ由来油溶性カテキン、カキノハ由来油溶性ステロール、クコシ由来油溶性ポリフェノール、クコシ由来油溶性ゼアキサンチン、菊花由来油溶性ポリフェノール、マツバ由来油溶性ポリフェノール、ドクダミ由来油溶性ポリフェノール、ユキノシタ由来油溶性ポリフェノール、緑茶由来油溶性ポリフェノール、緑茶由来油溶性カテキンなどである。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料に植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料を発酵させた後に、植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料に脂肪酸を添加し、エステル合成酵素などの酵素により反応させた後に、植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
また、この油溶性ポリフェノールは、抗癌作用、制吐作用、抗ヒスタミン作用、抗リウマチ作用、抗神経痛作用、酸化防止作用、抗ウイルス作用、催淫作用、去痰作用などの医学的かつ薬理学的に有用な作用がある。
カキノハ由来油溶性ポリフェノールは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
カキノハ由来油溶性カテキンは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるカテキンである。
カキノハ由来油溶性ステロールは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるステロールである。
クコシ由来油溶性ポリフェノールは、クコシを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
クコシ由来油溶性ゼアキサンチンは、クコシを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるゼアキサンチンである。
菊花由来油溶性ポリフェノールは、食用の菊花を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
マツバ由来油溶性ポリフェノールは、マツバを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
ドクダミ由来油溶性ポリフェノールは、ドクダミを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
ユキノシタ由来油溶性ポリフェノールは、ユキノシタを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
緑茶由来油溶性ポリフェノールは、緑茶葉を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
緑茶由来油溶性カテキンは、緑茶葉を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるカテキンである。
前記の植物油とは、ヤシ油、パーム油、大豆油、オリーブ油、ナタネ油、コメ油、胚芽油、コーン油、ベニバナ油、アマニ油、アーモンド油、ゴマ油、カカオ油、キャノーラ油、グレープシード油、エゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シソ油、茶油、ツキミソウ油、パンプキンシード油、ピーナッツ油、ブドウ油、ヘーゼルナッツ油、綿実油、落花生油などの食用又は化粧品に用いられる油が好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、クマササ由来リグニンに内包された製剤である。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、油溶性ポリフェノールとクマササ由来リグニンとを混合して得ることができる。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、リグニンがポリフェノール骨格を有することから、油溶性ポリフェノールの芳香環と分子間結合力により結合する。
クマササ由来のリグニンは、クマササの乾燥粉末から熱水やエタノールにより抽出して溶媒を留去することにより得られる。たとえば、株式会社ナチュラルライフ製のクマササを原料として得ることは、農薬などの混入が少ないことから、好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、油溶性ポリフェノールとクマササ由来リグニンと糖類を添加して加熱した後、植物油で抽出して得ることは、安定した油溶性ポリフェノール製剤を低コストで、かつ、少ない工程で得ることができることから、好ましい。
たとえば、前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加し、加熱して得ることは、経済的かつ効率的に製造されることからより好ましい。
油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量を下回る場合には、製剤として剤形を維持できないおそれがある。
油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン100重量を上回る場合には、油溶性ポリフェノールが遊離されず、吸収率が維持できないおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、糖類が0.1重量を下回る場合、製剤として剤形を維持できないおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、糖類が10重量を上回る場合、糖分含量が高くなり、吸湿するおそれがある。
油溶性ポリフェノール、クマササ由来リグニン及び糖類は、加熱される。
加熱は、ホットプレートや加熱釜などの温度制御ができる加温装置を用いることが好ましい。
加温条件としては、温度が60℃から96℃が好ましく、加温時間は、1時間から12時間が好ましい。
加温温度が60℃を下回る場合、剤形が維持されず、崩壊するおそれがある。
加温温度が96℃を上回る場合、油溶性ポリフェノールが分解されるおそれがある。
加温時間が1時間を下回る場合、剤形が維持されず、崩壊するおそれがある。
加温時間が12時間を上回る場合、油溶性ポリフェノールが分解されるおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、食事として摂取した場合、リグニンの皮膜により口腔内、食道や胃では分解や吸着することなく、小腸内まで輸送される。
さらに、小腸では胆汁により分散される。そして、小腸リパーゼが働き、リグニンと油溶性ポリフェノールの結合が分解されて油溶性ポリフェノールが胆汁とミセルを形成する。
また、油溶性ポリフェノールのミセルは小腸の微絨毛で膜を透過するように吸収されて体内に輸送される。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、食事として摂取した場合、油溶性ポリフェノールを単独で摂取した場合に比して、最低で3倍、最大で30倍という高い吸収率を示す。
前記の糖類とは、グルコサミン、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マルトース、マルチトール、キシリトールなどの糖類であり、このうち、グルコサミンやフラクトースは製剤を安定に保つことから、より好ましく、焼津水産化学工業株式会社のエビやカニの甲羅から得られるグルコサミン、ムソー、やまと蜂蜜、フラクトースジャパン製のフラクトースは品質も高いことから、好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、医薬品製剤、化粧品製剤、健康食品製剤、食品製剤の他、ペットや家畜用のサプリメントや飼料に利用することができる。
次に、カキノハ由来ポリフェノール、クコシ由来ポリフェノール、菊花由来ポリフェノール、マツバ由来ポリフェノール、ドクダミ由来ポリフェノール、緑茶由来ポリフェノールまたはユキノシタ由来ポリフェノールのうち、いずれかの油溶性ポリフェノールを用いた腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
ここでいう油溶性ポリフェノール製剤とは、カキノハ由来油溶性ポリフェノール、クコシ由来油溶性ポリフェノール、菊花由来油溶性ポリフェノール、マツバ由来油溶性ポリフェノール、ドクダミ由来油溶性ポリフェノール、緑茶由来油溶性ポリフェノール又はユキノシタ由来油溶性ポリフェノールのうちのいずれかである。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料に植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料を発酵させた後に、植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料に脂肪酸を添加し、エステル合成酵素などの酵素により反応させた後に、植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
また、この油溶性ポリフェノールは、抗癌作用、制吐作用、抗ヒスタミン作用、抗リウマチ作用、抗神経痛作用、酸化防止作用、抗ウイルス作用、催淫作用、去痰作用などの医学的かつ薬理学的に有用な作用がある。
カキノハ由来油溶性ポリフェノールは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
クコシ由来油溶性ポリフェノールは、クコシを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
菊花由来油溶性ポリフェノールは、食用の菊花を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
マツバ由来油溶性ポリフェノールは、マツバを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
ドクダミ由来油溶性ポリフェノールは、ドクダミを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
緑茶由来油溶性ポリフェノールは、緑茶葉を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
ユキノシタ由来油溶性ポリフェノールは、ユキノシタを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、クマササ由来リグニンに内包された製剤である。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、油溶性ポリフェノールとクマササ由来リグニンとを混合して得ることができる。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、リグニンがポリフェノール骨格を有することから、油溶性ポリフェノールの芳香環と分子間結合力により結合する。
クマササ由来のリグニンは、クマササの乾燥粉末から熱水やエタノールにより抽出して溶媒を留去することにより得られる。たとえば、株式会社ナチュラルライフ製のクマササを原料として得ることは、農薬などの混入が少ないことから、好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、油溶性ポリフェノールとクマササ由来リグニンと糖類を添加して加熱した後、植物油で抽出して得ることは、安定した油溶性ポリフェノール製剤を低コストで、かつ、少ない工程で得ることができることから、好ましい。
たとえば、前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加し、加熱して得ることは、効率的に製造されることからより好ましい。
油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量を下回る場合には、製剤として剤形を維持できないおそれがある。
油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン100重量を上回る場合には、油溶性ポリフェノールが遊離されず、吸収率が維持できないおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、糖類が0.1重量を下回る場合、製剤として剤形を維持できないおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、糖類が10重量を上回る場合、糖分含量が高くなり、吸湿するおそれがある。
油溶性ポリフェノール、クマササ由来リグニン及び糖類は、加熱される。
加熱は、ホットプレートや加熱釜などの温度制御ができる加温装置を用いることが好ましい。
加温条件としては、温度が60℃から96℃が好ましく、加温時間は、1時間から12時間が好ましい。
加温温度が60℃を下回る場合、剤形が維持されず、崩壊するおそれがある。
加温温度が96℃を上回る場合、油溶性ポリフェノールが分解されるおそれがある。
加温時間が1時間を下回る場合、剤形が維持されず、崩壊するおそれがある。
加温時間が12時間を上回る場合、油溶性ポリフェノールが分解されるおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、食事として摂取した場合、リグニンの皮膜により口腔内、食道や胃では分解や吸着することなく、小腸内まで輸送される。
さらに、小腸では胆汁により分散される。そして、小腸リパーゼが働き、リグニンと油溶性ポリフェノールの結合が分解されて油溶性ポリフェノールが胆汁とミセルを形成する。
また、油溶性ポリフェノールのミセルは小腸の微絨毛で膜を透過するように吸収されて体内に輸送される。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、食事として摂取した場合、油溶性ポリフェノールを単独で摂取した場合に比して、最低で3倍、最大で30倍という高い吸収率を示す。
前記の糖類とは、グルコサミン、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マルトース、マルチトール、キシリトールなどの糖類であり、このうち、グルコサミンやフラクトースは製剤を安定に保つことから、より好ましく、焼津水産化学工業株式会社のエビやカニの甲羅から得られるグルコサミン、ムソー、やまと蜂蜜、フラクトースジャパン製のフラクトースは品質も高いことから、好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、医薬品製剤、化粧品製剤、健康食品製剤、食品製剤の他、ペットや家畜用のサプリメントや飼料に利用することができる。
次に、油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加し、加熱して得られる腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
ここでいう油溶性ポリフェノール製剤とは、天然に存在する、もしくは、発酵、酵素合成植物合成や化学合成により製造される油溶性ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包させた製剤である。
前記の油溶性ポリフェノールとは、油に溶解する脂溶性の高いポリフェノールである。たとえば、カキノハ由来油溶性ポリフェノール、カキノハ由来油溶性カテキン、カキノハ由来油溶性ステロール、クコシ由来油溶性ポリフェノール、クコシ由来油溶性ゼアキサンチン、菊花由来油溶性ポリフェノール、マツバ由来油溶性ポリフェノール、ドクダミ由来油溶性ポリフェノール、ユキノシタ由来油溶性ポリフェノール、緑茶由来油溶性ポリフェノール、緑茶由来油溶性カテキンなどである。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料に植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料を発酵させた後に、植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
前記の油溶性ポリフェノールは、原材料に脂肪酸を添加し、エステル合成酵素などの酵素により反応させた後に、植物油や鉱物油を添加し、攪拌し、抽出することにより得られる。
また、この油溶性ポリフェノールは、抗癌作用、制吐作用、抗ヒスタミン作用、抗リウマチ作用、抗神経痛作用、酸化防止作用、抗ウイルス作用、催淫作用、去痰作用などの医学的かつ薬理学的に有用な作用がある。
カキノハ由来油溶性ポリフェノールは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
カキノハ由来油溶性カテキンは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるカテキンである。
カキノハ由来油溶性ステロールは、カキノハを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるステロールである。
クコシ由来油溶性ポリフェノールは、クコシを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
クコシ由来油溶性ゼアキサンチンは、クコシを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるゼアキサンチンである。
菊花由来油溶性ポリフェノールは、食用の菊花を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
マツバ由来油溶性ポリフェノールは、マツバを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
ドクダミ由来油溶性ポリフェノールは、ドクダミを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
ユキノシタ由来油溶性ポリフェノールは、ユキノシタを乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
緑茶由来油溶性ポリフェノールは、緑茶葉を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるポリフェノールである。
緑茶由来油溶性カテキンは、緑茶葉を乾燥し、植物油やエタノールで抽出して得られるカテキンである。
前記の植物油とは、ヤシ油、パーム油、大豆油、オリーブ油、ナタネ油、コメ油、胚芽油、コーン油、ベニバナ油、アマニ油、アーモンド油、ゴマ油、カカオ油、キャノーラ油、グレープシード油、エゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シソ油、茶油、ツキミソウ油、パンプキンシード油、ピーナッツ油、ブドウ油、ヘーゼルナッツ油、綿実油、落花生油などの食用又は化粧品に用いられる油が好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、クマササ由来リグニンに内包された製剤である。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、油溶性ポリフェノールとクマササ由来リグニンとを混合して得ることができる。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、リグニンがポリフェノール骨格を有することから、油溶性ポリフェノールの芳香環と分子間結合力により結合する。
クマササ由来のリグニンは、クマササの乾燥粉末から熱水やエタノールにより抽出して溶媒を留去することにより得られる。たとえば、株式会社ナチュラルライフ製のクマササを原料として得ることは、農薬などの混入が少ないことから、好ましい。
油溶性ポリフェノール製剤は前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加して加熱した後、植物油で抽出して得る。
油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量を下回る場合には、製剤として剤形を維持できないおそれがある。
油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン100重量を上回る場合には、油溶性ポリフェノールが遊離されず、吸収率が維持できないおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、糖類が0.1重量を下回る場合、製剤として剤形を維持できないおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール1重量に対し、糖類が10重量を上回る場合、糖分含量が高くなり、吸湿するおそれがある。
油溶性ポリフェノール、クマササ由来リグニン及び糖類は、加熱される。
加熱は、ホットプレートや加熱釜などの温度制御ができる加温装置を用いることが好ましい。
加温条件としては、温度が60℃から96℃が好ましく、加温時間は、1時間から12時間が好ましい。
加温温度が60℃を下回る場合、剤形が維持されず、崩壊するおそれがある。
加温温度が96℃を上回る場合、油溶性ポリフェノールが分解されるおそれがある。
加温時間が1時間を下回る場合、剤形が維持されず、崩壊するおそれがある。
加温時間が12時間を上回る場合、油溶性ポリフェノールが分解されるおそれがある。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、安定した油溶性ポリフェノール製剤を低コストで、かつ、少ない工程で得ることができる。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、食事として摂取した場合、リグニンの皮膜により口腔内、食道や胃では分解や吸着することなく、小腸内まで輸送される。
さらに、小腸では胆汁により分散される。そして、小腸リパーゼが働き、リグニンと油溶性ポリフェノールの結合が分解されて油溶性ポリフェノールが胆汁とミセルを形成する。
また、油溶性ポリフェノールのミセルは小腸の微絨毛で膜を透過するように吸収されて体内に輸送される。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、食事として摂取した場合、油溶性ポリフェノールを単独で摂取した場合に比して、最低で3倍、最大で30倍という高い吸収率を示す。
前記の糖類とは、グルコサミン、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マルトース、マルチトール、キシリトールなどの糖類であり、このうち、グルコサミンやフラクトースは製剤を安定に保つことから、より好ましく、焼津水産化学工業株式会社のエビやカニの甲羅から得られるグルコサミン、ムソー、やまと蜂蜜、フラクトースジャパン製のフラクトースは品質も高いことから、好ましい。
前記の油溶性ポリフェノール製剤は、医薬品製剤、化粧品製剤、健康食品製剤、食品製剤の他、ペットや家畜用のサプリメントや飼料に利用することができる。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明は例であり、形態を変化させて実施することができる。
まず、カキノハ由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
岐阜県内で無農薬にて栽培されたカキノハ3kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、30℃で、60回/分の攪拌速度で10時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、90℃で滅菌し、冷却してカキノハ由来ポリフェノール760gを得た。
このカキノハ由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及び焼津水産化学工業製のグルコサミン500gを添加し、85℃で2時間加熱した。
冷却して目的とするカキノハ由来ポリフェノール含有製剤の5.2kgを得た。これを実施例1の検体とした。
次に、クコシ由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
中国で栽培されたクコシ2kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、35℃で、100回/分の攪拌速度で20時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、90℃で滅菌し、冷却してクコシ由来ポリフェノール660gを得た。
このクコシ由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及びフラクトースジャパン製の果糖500gを添加し、80℃で3時間加熱した。
冷却して目的とするクコシ由来ポリフェノール含有製剤の5.3kgを得た。これを実施例2の検体とした。
次に、菊花由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
山形県で栽培された菊の花2.6kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、33℃で、90回/分の攪拌速度で18時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、88℃で滅菌し、冷却して菊花由来ポリフェノール3.5kgを得た。
このクコシ由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及びフラクトースジャパン製の果糖500gを添加し、80℃で4時間加熱した。
冷却して目的とする菊花由来ポリフェノール含有製剤の5.2kgを得た。これを実施例3の検体とした。
次に、マツバ由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
長野県で栽培されたアカマツの葉2kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、37℃で、95回/分の攪拌速度で18時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、89℃で滅菌し、冷却してマツバ由来ポリフェノール3.1kgを得た。
この菊花由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及び焼津水産化学工業製のグルコサミン500gを添加し、88℃で3時間加熱した。
冷却して目的とするマツバ由来ポリフェノール含有製剤の5.4kgを得た。これを実施例4の検体とした。
次に、ドクダミ由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
長野県で栽培されたドクダミの葉2kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、35℃で、100回/分の攪拌速度で13時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、89℃で滅菌し、冷却してドクダミ由来ポリフェノール3.3kgを得た。
このドクダミ由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及びフラクトースジャパン製の果糖500gを添加し、83℃で2時間加熱した。
冷却して目的とするドクダミ由来ポリフェノール含有製剤の5.3kgを得た。これを実施例5の検体とした。
次に、緑茶由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
静岡県で栽培された緑茶葉2kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、37℃で、90回/分の攪拌速度で12時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、90℃で滅菌し、冷却して緑茶由来ポリフェノール3.2kgを得た。
この緑茶由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及び焼津水産化学工業製のグルコサミン500gを添加し、83℃で2時間加熱した。
冷却して目的とする緑茶由来ポリフェノール含有製剤の5.3kgを得た。これを実施例6の検体とした。
次に、ユキノシタ由来ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包した油溶性ポリフェノール製剤について説明する。
神奈川県で栽培されたユキノシタ3kgを水洗後、乾燥させて粉砕した。この1kgに大豆油5kgを添加し、35℃で、88回/分の攪拌速度で13時間攪拌した。
これをろ過布によりろ過し、88℃で滅菌し、冷却してユキノシタ由来ポリフェノール3.1kgを得た。
このユキノシタ由来ポリフェノール500gに、安理ジャパン製のクマササ由来リグニン5kg及びフラクトースジャパン製の果糖500gを添加し、80℃で3時間加熱した。
冷却して目的とするユキノシタ由来ポリフェノール含有製剤の5.3kgを得た。これを実施例7の検体とした。
以下に、実施例1で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例1)
試験には健全な年齢21歳〜68歳の男性10名及び年齢29歳〜60歳の女性10名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例1で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、カキノハ由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例1で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、カキノハ由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、4.6倍に増加していた。
この結果、実施例1で得られたポリフェノール製剤は、カキノハ由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例1の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
以下に、実施例2で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例2)
試験には健全な年齢23歳〜78歳の男性3名及び年齢22歳〜68歳の女性4名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例2で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、内包をしていないクコシ由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例2で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、内包をしていないクコシ由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、6.7倍に増加していた。
この結果、実施例2で得られたポリフェノール製剤は、クコシ由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例2の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
以下に、実施例3で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例3)
試験には健全な年齢24歳〜56歳の男性4名及び年齢29歳〜56歳の女性3名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例3で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、内包をしていない菊花由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例3で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、内包をしていない菊花由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、4.2倍に増加していた。
この結果、実施例3で得られたポリフェノール製剤は、菊花由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例3の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
以下に、実施例4で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例4)
試験には健全な年齢26歳〜51歳の男性3名及び年齢28歳〜59歳の女性3名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例4で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、内包をしていないマツバ由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例4で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、内包をしていないマツバ由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、3.7倍に増加していた。
この結果、実施例4で得られたポリフェノール製剤は、マツバ由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例4の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
以下に、実施例5で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例5)
試験には健全な年齢33歳〜59歳の男性4名及び年齢23歳〜66歳の女性4名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例4で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、内包をしていないドクダミ由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例5で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、内包をしていないドクダミ由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、3.7倍に増加していた。
この結果、実施例5で得られたポリフェノール製剤は、ドクダミ由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例5の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
以下に、実施例6で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例6)
試験には健全な年齢27歳〜54歳の男性3名及び年齢29歳〜60歳の女性4名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例4で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、内包をしていない緑茶由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例6で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、内包をしていない緑茶由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、5.1倍に増加していた。
この結果、実施例6で得られたポリフェノール製剤は、緑茶由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例6の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
以下に、実施例7で得られた検体を用いた吸収率の測定試験について説明する。
(試験例7)
試験には健全な年齢24歳〜59歳の男性4名及び年齢23歳〜62歳の女性3名を用いた。被験者は胃や腸管に疾病を持っていないことを確認した。
被験者は一晩、絶食後、午前9時に、実施例4で得られた検体の1gを摂取させ、300mLの水を飲ませた。摂取後1時間、3時間、6時間、12時間及び24時間後に、採血して血中ポリフェノール量を測定した。
この値からAUC量が判明し、体内移行・排泄の指標とした。
この約1週間後、同様に、内包をしていないユキノシタ由来ポリフェノールを前記製剤に含まれると同様のポリフェノール量を摂取させて、同様に、摂取後のポリフェノール量からAUC量を算出した。
その結果、実施例6で得られたポリフェノール製剤のAUC量は、内包をしていないユキノシタ由来ポリフェノールの摂取のAUC量に比して、4.4倍に増加していた。
この結果、実施例6で得られたポリフェノール製剤は、ユキノシタ由来ポリフェノールの吸収を増加させるものと考えられた。
なお、実施例7の検体の摂取により、自覚症状、体調、体温、血圧、血液検査値に異常は認められず、安全性が確認された。
本発明である油溶性ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包させることにより腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤は、吸収率の低いポリフェノールの吸収を高めることにより、医薬品、化粧品、健康食品、ペット用食品などの幅広い分野に利用できるものであり、医薬品、化粧品、健康食品、ペット産業のそれぞれを活性化するものである。
本製剤は、花粉症、鼻炎、皮膚炎、肺炎、気管支炎、肝炎など種々の炎症や生活習慣病に苦しむ患者又は半健康人のQOLを改善し、国民生活を快適にするものであり、かつ、薬剤の使用を削減することにより医療費を削減し、通院時間を労働時間に活用できることなどから、優れた経済効果が期待できる。
クマササは、山林に多数繁茂し、その大部分は廃棄され、廃棄物として処理されている。本発明は、廃棄物を有効に活用する点から廃棄物を減少させ、廃棄物による土壌や海洋の富栄養による環境破壊を予防できる。加えて、クマササを商品として活用することにより、林業の発展に寄与するものである。

Claims (3)

  1. 油溶性ポリフェノールをクマササ由来リグニンに内包させることにより腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤。
  2. 前記油溶性ポリフェノールがカキノハ由来ポリフェノール、クコシ由来ポリフェノール、菊花由来ポリフェノール、マツバ由来ポリフェノール、ドクダミ由来ポリフェノール、緑茶由来ポリフェノールまたはユキノシタ由来ポリフェノールのうち、いずれかである請求項1に記載の腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤。
  3. 油溶性ポリフェノール1重量に対し、クマササ由来リグニン5重量〜100重量、糖類0.1重量〜10重量を添加し、加熱して得られる請求項1に記載の腸管吸収性を高めた油溶性ポリフェノール製剤。
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