JP2009000240A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表側パネル16F、裏側パネル16Rを配置した表示装置を遊技機に設ける。表側パネル16F/裏側パネル16Rのそれぞれの表示内容を表す描画コマンドに応じてVDP385は各パネルの表示データを生成する。CPU381は、遊技状態に応じて両パネルの描画コマンドを等しい更新周期で出力するモード;裏側パネルについての描画コマンドを休止し、表側パネルについてのみ描画コマンドを出力するモードなどを使い分ける。後者のモードでは、裏側パネル用の表示データの生成を休止する分、VDPは余剰の処理能力を表側パネルの表示データ生成に充てることができ、表側パネルで高解像度の画像やスプライト数の多い複雑な画像を表示させることが可能となる。
【選択図】 図3
Description
画像を表示するための表示データは、次の手順で生成される。
まず、演出表示を制御するためのCPUは、表示コマンドを受け取り、その内容を解析し、予め用意されたスケジュールデータを参照して、表示すべき画面の内容を決定する。
そして、このスケジュールデータに基づいて描画コマンドをVDP(Video Display Processor)に出力する。VDPは、この描画コマンドをビットマップ展開して画素単位での表示データを生成し、液晶パネルに出力する。
表示データを生成する回路には、生成されたデータを一時的に保持しておくためのバッファが設けられるのが通常である。
このような表示装置を用いると、前後の表示パネルの配置に起因して、演出表示の3次元的な視覚効果を高めることが可能となる。
特許文献2では、表示パネルに対して個別にVDPを用意することによって、表示データを生成可能としている。しかし、VDPの数の増大は、遊技機の製造コスト増大という新たな課題を招くことになる。VDPの数を増やす代わりに、処理能力を向上させる場合も同様である。
しかしながら、複数の表示パネルを併用すること自体が比較的新しい提案であるため、VDPの処理能力を表示パネルに応じて変化させるための具体的な方法については、全く検討されてはいなかった。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、VDPの数または能力増を要さず、複数の表示パネルを備えた表示装置の視覚効果を十分に活かした演出表示を実現することを目的とする。
表示パネルは、遊技盤面およびその周辺に設けることができる。例えば、パチンコ機であれば、発射された遊技球が流下する盤面およびその周辺に設けることができ、回胴式遊技機であれば回転リールおよびその周辺に設けることができる。
複数の表示パネルは並列に配置する他、種々の配置が可能である。例えば、遊技機の正面から見て前後に重ね合わせた配置としてもよい。つまり、表示パネルは、遊技盤面の奥から手前に所定間隔開けて配置し、それぞれの表示パネルの表示内容を重ね合わせた画像を遊技盤面の正面側から視認可能な位置関係としてもよい。手前または奥に位置する直近の表示パネル同士が、相互に法線方向に一定距離ずつ平行移動した位置関係となるような配置が相当する。表示パネルのサイズは必ずしも同一である必要はないが、重ね合わせた画像を視認できるようにするため、表示領域の少なくとも一部が重なり合う大きさおよび位置関係となっていることが好ましい。本明細書では、以下、このように前後に配置された表示パネルを「多層表示装置」と総称し、特に、表示パネルを2枚備えたものを「2層表示装置」と総称することがある。
画面データ記憶部は、各表示パネルに表示すべき画面の構成を規定する画面データを記憶する。画面データには、表示データ生成部に出力すべき描画コマンドが列挙されている。遊技状態に応じた表示を実現するためには、画面データと上述の表示コマンドとを対応づけて格納しておけばよい。
描画制御部は、遊技状態に応じて、各表示パネルに表示すべき画面を決定し、画面データに基づいて、表示パネルごとに描画コマンドを出力する。遊技状態が表示コマンドで得られている場合には、表示コマンドに対応した画面データを選択し、これに基づいて描画コマンドを出力すればよい。
遊技機では、データを扱う便宜上、各スプライトは縦横それぞれ64ピクセルなど一定の大きさの矩形領域を複数組み合わせて構成される。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクター」と呼ぶ。小さなスプライトの場合は、一つのキャラクターで表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば、横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクターで表現することができる。背景画像のように更に大きいスプライトであれば、更に多数のキャラクターを用いて表現することができる。キャラクターの数および配置は、スプライトごとに任意に指定可能である。
表示データ記憶部は、表示データの格納と、表示パネルへの出力とを円滑に並行して行うことができるよう、ダブルバッファとしておくことが好ましい。つまり、表示パネルごとに、表示データの記憶領域を複数箇所、設けておき、一方に表示データを書き込むとともに、他方から表示データを読み出すことが可能な構成としておくことが好ましい。
また、表示データ管理部は各表示パネルに対応づけて複数設けてもよい。この場合は、表示データ生成部は、表示パネルとの対応関係に依らず表示データを全ての表示データ管理部に出力すればよい。表示データ管理部の各々が、表示データ生成部から出力されたこれらの表示データのうち、自己の表示パネルに出力すべきデータを選択的に表示データ記憶部に格納すればよい。表示データの選択は、種々の方法を採ることが可能である。例えば、表示データのヘッダに、表示パネルを特定する情報を含めてもよい。また、表示パネルを特定する情報を、描画制御部が表示データ管理部に出力するようにしてもよい。
本発明では、このように更新周期が異なる第1モード、第2モードを使い分けることによって、表示データ生成部の処理能力を効率的に活用することができる。例えば、一部の表示パネルに、白のベタ画像を表示させたり、静止画や動きの遅い画像を表示させる場合には、この表示パネルの描画コマンドの更新周期を下げればよい。この結果、表示データ生成部の処理能力に余力が生じる。この余力を活用することによって、残余の表示パネルに複雑な画像を表示させたり、ノイズ対策処理を施して円滑かつ安定な表示を行ったりすることが可能となる。
また、本発明は、更新周期の変化によって、上述の余力を生じさせている。一部の表示パネルの解像度を低減させることによって、上述の余力を生じさせることも可能ではあるが、この方法では、表示データの格納時または表示パネルへの出力時において、スケーラによって、動作モードごとに異なる調整率で解像度を調整する必要が生じ、制御が複雑化する。これに対し、更新周期の変更によれば、動作モードによって、表示データの生成周期が変化するだけであるため、解像度の調整をするまでなく利用可能となり、比較的簡易な処理で制御可能となる利点がある。
このように表示パネル単位で複数回に分けて表示データを生成することにより、全表示パネル分をまとめて生成する場合に比較して、表示データ生成部の処理能力が低くても、十分に表示データの生成処理が可能となる利点がある。また、この態様では、複数回のうちの所定回数だけ表示データの生成を休止することにより、比較的簡易な制御で、所定の表示パネルの更新周期を低減することができる利点がある。
こうすることによって、白等のベタ画像および静止画であれば支障なく表示させ続けることができる。
また、表示データ記憶部がダブルバッファとして構成されている場合、即ち表示パネルごとの表示データが複数箇所に格納されている場合には、これらの複数の表示データを交互に用いるようにしてもよい。こうすることによって、2〜3の静止画の繰り返しで表現される程度の比較的単純な画像等であれば、支障なく表示させることが可能となる。
例えば、所定の模様を、若干、位置を変えて表示させる2つの表示データを交互に使用すれば、この模様が揺れているかのような表示を実現することができる。波を描いた模様に適用すれば、水面の波を表現すること等が可能となる。
例えば、第2モードでは、描画制御部は、更新周期を低下させたことによって生じる余剰の時間に、表示データ生成部に、他の表示パネル用の表示データを生成させるようにしてもよい。
こうすることによって、他の表示パネルに配置するスプライトの数、その他の描画コマンドの数を増やすなどによって、より興趣を高め得る表現豊かな表示を行わせることが可能となる。
また、他の表示パネルの解像度を高めても良い。スケーラ等に対して、出力解像度を調整するよう指示を出力するといった処理が併せて要求されることがあるが、この調整処理も余力の範囲内で行うことが可能である。
例えば、各表示パネルの表示データは所定の周期で生成され、出力されるため、表示データ管理部は、これに合わせて表示データ記憶部への表示データの格納先を周期的に変更可能とすることが好ましい。同様に、格納された表示データの出力も、読み出し元を周期的に変更して、複数の表示パネルに順次、出力可能とすることが好ましい。このように構成した上で、動作モードへの切り換えに対応可能とするため、表示データの格納先の変更サイクルと、表示データの読み出し元の変更サイクルとは、第1モードおよび第2モードごとに、相互に独立して制御可能とすることが好ましい。
第2モードでは、表示データの更新周期が低減されるため、一部の表示パネルに対しては、表示データの格納周期を低減したり、表示データの格納を休止したりすることが好ましい。また、表示データが更新されないため、その表示パネルに対する表示データの出力を停止したり、読み出し元を固定したりすることが好ましい。上述の態様では、表示データの格納および読み出しについて、多様な制御が可能となるため、第2モードにおいて、従前に生成された表示データを有効に活用して表示を行わせることが可能となる。
また、上述の変更サイクルと、予め表示データ管理部が記憶しておき、動作モードに応じて、これらを使い分ける態様としてもよい。
更に、描画制御部から描画コマンドを出力する際など所定のタイミングで、表示データ管理部に対して、表示データの格納先および読み出し元を指示するようにしてもよい。
A.遊技機の構成:
B.制御用ハードウェア構成:
C.画面表示例:
D.表示データ生成・出力概要:
D1.モードI:
D2.モードII:
D3.モードIII:
D4.モードIV:
D5.レジスタの設定:
E.表示制御処理:
E1.全体処理:
E2.描画コマンド出力処理〜モードI、II:
E3.描画コマンド出力処理〜モードIII:
E4.描画コマンド出力処理〜モードIV:
F.描画処理:
F1.描画処理の変形例(1):
F2.描画処理の変形例(2):
G.効果:
H.変形例:
図1は実施例としてのパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1は、中央に遊技領域6を備えた遊技盤4が取り付けられている。遊技者は、ハンドル8を操作して遊技領域6内に遊技球を打ち込み、入賞口に入賞させる遊技を行うことができる。入賞口の一つである始動入賞口9に遊技球が入賞すると、パチンコ機1は抽選を行い、その結果に応じて「大当り」か否かが決まる。大当り発生時には、大入賞口10が所定期間開放するなどの大当り遊技が行われる。
図2はパチンコ機1の制御用ハードウェア構成を示すブロック図である。パチンコ機1は、メイン制御基板3、払出制御基板25、サブ制御基板35、装飾図柄制御基板30などの各制御基板の分散処理によって制御される。メイン制御基板3、払出制御基板25、サブ制御基板35は、それぞれ内部にCPU、RAM、ROMなどを備えたマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記録されたプログラムに従って種々の制御処理を実現する。本実施例では、サブ制御基板35と装飾図柄制御基板30とは別基板として構成しているが、両者を統合した基板としてもよい。この場合、サブ制御基板35の機能と装飾図柄制御基板30の機能を、複数のCPUの分散処理で実現してもよいし、単独のCPUで実現する構成としてもよい。
本実施例のLCD16は図の右側に示した通り、2層表示装置として構成されている。即ち、LCD16は、表側パネル16Fと裏側パネル16Rの2枚の液晶パネルが、間隔Dだけ開けて平行に配置されている。表側パネル16F、裏側パネル16Rは、それぞれ左右方向に800画素、上下方向に600画素の同一解像度である。表側パネル16Fは、透明電極を用いた透明の表示パネルであり、液晶パネルに限らず、透明な種々のパネルを用いることが可能である。裏側パネル16Rも液晶パネルに限らず、例えば、有機EL、LED、プラズマディスプレイなどを用いることができる。
例えば、演出表示の一部が手前に飛び出して感じる表示を行ったり、表側パネル16Fに表示された障害物を覗き込むようにすることで裏側パネル16Rの表示内容が見えるようにしたりすることが可能である。
装飾図柄制御基板30には、まず、表示データの生成を制御するためのマイクロコンピュータとしてCPU381、RAM382、ROM383が備えられている。
ROM383には、表示データを生成するための表示プログラム、表示コマンドに対し表示すべき画面、表示の時間、表示の順序を規定するスケジューラ、表側パネル16Fおよび裏側パネル16Rの各画面構成を規定する画面データが記憶されている。画面データの内容については後述するが、この段階では、LCD16の画素に対応したデータとはなっていない。
CPU381は、ROM383を参照して、表示コマンドに応じた画面データを抽出し、描画コマンドとしてVDP(Video Display Processor)385に出力する。
もっとも、VDP385が1600×600画素、または800×1200画素分を超える表示データを生成する処理能力を有している場合には、表側パネル16Fおよび裏側パネル16Rの表示データを一度に生成させる構成をとってもよい。一例として、表側パネル16F、裏側パネル16Rの表示画面を横または縦に並べた画像を表す画面データをVDP385に出力すればよい。更に、表側パネル16F、裏側パネル16Rのそれぞれの表示データを2回以上に分けて生成してもよい。
以下、ビットマップ展開するための記憶領域を「キャンバス」と呼ぶ。
スプライトレジスタ385sは、画面データのうち、スプライトの配置や重ね合わせの順序などを示す描画コマンドを受け取るためのレジスタであり、ダブルバッファとして構成されている。つまり、第1バッファ、第2バッファという二つの等しい容量のバッファが備えられている。従って、VDP385は、CPU381から出力された描画コマンドが第1バッファに書き込まれている間、第2バッファに保持されている描画コマンドを読み出して表示データの生成処理を実行することができる。
VDPレジスタ385vは、表示データを生成する際の条件設定を指定するコマンド(以下、「条件設定コマンド」と呼ぶ)を記憶するためのレジスタである。条件設定コマンドには、例えば、描画コマンドが複数のレイヤから構成されている場合に、各レイヤの重ね合わせ順序、表示/非表示の設定などが含まれる。条件設定コマンドは比較的低容量であり、書き込みの所要時間が短いことから、VDPレジスタ385vはダブルバッファとはなっていない。
フレームメモリ397への格納およびフレームメモリ397からLCD16への出力は、パネルインタフェース390によって制御される。本実施例では、後述する通り、VDP385から表側パネル16F用の表示データ(以下、「表側データ」と呼ぶ)、および裏側パネル16R用の表示データ(以下、「裏側データ」と呼ぶ)が交互に出力される。パネルインタフェース390は表側データ/裏側データの種別に応じて、それぞれフレームメモリ397内の所定のアドレスに格納する。格納先は、CPU381から出力されるフィールド信号に応じて、予めパネルインタフェース390のレジスタに記憶されている順序に従って切り換えられる。
パネルインタフェース390は、フレームメモリ397への表示データの格納または読み出し時に、表示データのサイズを表示パネル16の画素数(800×600画素)に適合するよう拡大または縮小可能としてもよい。
ただし、表側データおよび裏側データ双方の表示データをそろえるためには、16msecの処理を2回行う必要があるため、LCD16の表示内容自体は32msecで更新する。このため、本実施例では、パネルインタフェース390F、390Rは、既に生成済みの表側データおよび裏側データを読み出し、LCD16に出力する処理を16msec周期で2回繰り返す。この間に次の表側データ、裏側データがそろうため、パネルインタフェース390F、390Rは次の周期では、LCD16に新たな表示データを出力可能となる。
本実施例では、パネルインタフェース390F、390Rは、このように同一画像を16msecで2回表示しつつ、表示内容を32msecで更新しながらLCD16への表示を行う。
図4は画面表示例を示す説明図である。
図4(a)には表側パネル16Fの表示例を示した。この例では、中央に矩形の窓状に非表示領域を設けた枠が表示されている。
図4(b)には裏側パネル16Rの表示例を示した。この例では、図4(a)の非表示領域に対応する部分に、スロットのリールが表示される。先に説明した通り、本実施例では、画面表示は、スプライトを配置することで構成される。図4(b)では、例えば、7の数字を表す部分がスプライトCHとして構成されている。スプライトCHを3つ、位置を左右方向にずらして配置することにより、図示するように数字の7が3つ横にならんだ状態の表示を実現することができる。
図4(c)は、LCD16を正面から見た状態を表している。表側パネル16Fの非表示部分を通して、裏側パネル16Rに表示されたスロットを見ることができる。表側パネル16Fと裏側パネル16Rは奥行きを持たせて配置されているため、遊技者は、表側パネル16Fに表示された枠の奥で、本当にリールが回転しているかのような3次元的な視覚効果を楽しむことができる。
本実施例では、VDP385による表示データの生成を、以下に示す4通りの動作モードで行うことができる。
モードI…16msecの更新周期で表側データ、裏側データを交互に生成する。;
モードII…モードIと同じ更新周期で表側データを生成するが、裏側データの生成は休止し、この期間にノイズ対策処理を実行する。;
モードIII…表側データを上下2つの領域に分割し、16msecの更新周期で、上側、下側データを交互に生成する。この間、裏側データの生成は休止する。;
モードIV…裏側データの生成を休止し、32msecの更新周期で表側データを生成する。
本実施例では、モードIを基本的な動作モードとして用いつつ、モードII〜IVを遊技状態に応じて使い分ける。
以下では、各動作モードの内容について、モードIからの切り換え方法も含めて説明する。
図5はモードIの内容を示す説明図である。VDP385への画面データ出力の様子、および表示データの格納、読み出し等を示すタイミングチャートである。表側データ、裏側データのそれぞれがフレームメモリ397に格納され、表側パネル16F、裏側パネル16Rに出力される様子を示した。VDP385のスプライトレジスタ385sには、表側データ、裏側データの順で繰り返し描画コマンドが書き込まれる。表側データ、裏側データの組み合わせが、LCD16に表示するフレーム画像を構成することになる。
第2バッファへの転送が完了すると、第1バッファは書き込み可能となるから、CPU381は、第1バッファにフレーム1の裏側データ「裏1」の描画コマンドを書き込む。この書き込みは、VDP385からの「表1」の表示データの出力と並行して行われる。
フィールド397F[0]に「表1」、397R[0]に「裏1」の表示データが格納されるまでの間、LCD16には、従前の処理で格納済みの「表0」、「裏0」なる表示データがフィールド397F[1]、397R[1]から出力される。この出力は、16msecごとに2回続けて行われる。
フィールド397F[0]、397R[0]への「表1」、「裏1」の表示データの格納が完了すると、次のタイミングで、LCD16には、フィールド397F[0]、397R[0]から、これらの表示データが出力される。この出力と並行して、フィールド397F[1]、397R[1]には、次のフレーム画像を構成する「表2」、「裏2」の表示データが順次、格納される。
このように、LCD16への出力は、同一の読み出しメモリから、16msec周期で2回ずつ同じ表示データが繰り返して出力され、同じ画面が表示される。LCD16の表示画面内容は、32msec周期で切り替わることになる。
(1)モードI→モードIIの切り換え:
図6はモードIIの内容を示す説明図である。モードIからモードIIへの切り換えの様子を含めてタイミングチャートを示した。この例では、フレーム1の出力までは、モードIで動作しており、フレーム2以降がモードIIで動作している。
モードIIは、例えば、裏側パネル16Rに白色のベタ画像を表示させることで、表側パネル16Fを背面から明るく照明する状態としつつ、表側パネル16Fに動画表示を行う態様に利用可能である。
図の例では、裏側パネル16Rに、「裏1」で表される画面を継続的に出力する例を示したが、「裏0」、「裏1」を交互に出力する態様を採っても良い。例えば、「裏0」と「裏1」で若干、位置の異なる模様を表示させた画像を用意しておけば、両者を交互に表示することによって、模様が揺れているかのような表示を実現することができる。「裏0」「裏1」に水面の波を模した表示を用意しておけば、水面波の様子を表現することが可能である。
モードIIからモードIへの切り換えは、容易に行うことができる。モードIIにおいて、休止していた描画コマンドの出力(図6中の破線部分)を再開すればよい。これと合わせて、裏側パネル16Rへの表示データの読み出し元を固定していたのを解除し、モードIと同様、フィールド397R[0]、397[1]とを32msec周期で切り換えるように設定すればよい。
(1)モードI→モードIIIの切り換え:
図7はモードIIIの内容を示す説明図である。モードIからモードIIIへの切り換えの様子を含めてタイミングチャートを示した。この例では、フレーム1の出力までは、モードIで動作しており、フレーム2以降がモードIIIで動作している。
モードIIIでは、以下で説明する通り、表側パネル16F用のフィールド397F[0]、397F[1]を、更にそれぞれ2等分して用いる。2等分されたそれぞれの領域を、上/下のサフィックスを付けて表す。
読み出し元のアドレスをフィールド397R[0]および397[1]に交互に切り換えることにより、「裏0」、「裏1」の表示データを交互に出力するようにしてもよい。
VDP385は、この描画コマンドに応じ、16msecの周期で「表2上」、「表2下」などの表側データを生成し、出力する。「表2上」のデータは、フィールド397F[0]上または397F[1]上のフィールドに順次、書き込まれる。「表2下」のデータは、フィールド397F[0]下または397F[1]下のフィールドに順次、書き込まれる。2回に分けて作成された表示データによって、表側パネル16F用の表示データが完成するのである。フレーム3についても同様である。
LCD16への出力は、各フレームのデータがそろった後に行われる。例えば、「表2」の表示データは、「表2上」、「表2下」の表示データがそれぞれ生成された後に行われる。表側パネル16Fの表示内容が結果として32msecの周期で更新される点はモードIと同様である。
ただし、後者の態様を利用する場合、モードI、モードIIIのそれぞれにおいて、表側パネル16Fの画素数に応じて、出力される表示データの解像度を調整する処理を施す必要がある。パネルインタフェース390において、モードI、IIIのそれぞれで異なる倍率で表示データの拡大・縮小を行えばよい。モードIIIにおいて高解像度で生成された表示データの画質を維持する観点から、モードIIIにおいては表示データの縮小を施すことは避け、モードIにおいて、必要な拡大を施すことが好ましい。
モードIIIからモードIへの切り換え方法について説明する。まず、CPU381は、表2上、表2下のように画面を上下に分割することなく、16msecで表側パネル用の全体の描画コマンドを出力する。モードIIIにおいて、下側の描画コマンドを出力していた期間(図中の「表2下」、「表3下」参照)には、裏側パネル用の描画コマンドを出力する。
また、モードIIIでは、フィールド397F[0]、397F[1]をそれぞれ2等分して用いていたが、この分割を解除し、VDP385からの表示データを、フィールド397F[0]または397F[1]にそれぞれ格納する。
そして、これらの処理と合わせて、裏側パネル16Rへの表示データの読み出し元を固定していたのを解除し、モードIと同様、フィールド397R[0]、397[1]とを32msec周期で切り換えるように設定すればよい。
(1)モードI→モードIVの切り換え:
図8はモードIVの内容を示す説明図である。モードIからモードIVへの切り換えの様子を含めてタイミングチャートを示した。この例では、フレーム2の出力までは、モードIで動作しており、フレーム2以降がモードIVで動作している。
読み出し元のアドレスをフィールド397R[0]および397[1]に交互に切り換えることにより、「裏0」、「裏1」の表示データを交互に出力するようにしてもよい。
図示する通り、モードIからモードIVに切り換える過渡期のフレーム2では、CPU381は、16msecの期間で描画コマンドを出力する。しかし、これに対応する裏側パネル用の描画コマンドは出力されない。従って、VDP385は、「表2」に対応する表示データを、モードIの倍の期間、即ち32msecかけて生成することができる。
VDP385が「表2」の表示データを生成している間、CPU381は、次のフレーム3の描画データを32msecかけて出力する。モードIであれば、「表3」の描画コマンドを出力し始めてから16msec経過した時点でDMA転送が行われるが、モードIVでは、これをキャンセルする。図中にDMA信号を破線で示したのは、モードIで出力されるべきDMA信号がキャンセルされることを表している。フレーム4においても同様である。
「表3」の描画コマンドが、出力開始から32msec経過した時点でDMA転送させると、VDP385によって、やはり32msecの期間かけて「表3」の表示データの生成が行われる。
VDP385は、スプライトレジスタ385sに新たな描画コマンドが書き込まれたことをトリガとして、表示データの生成を開始するように構成されている。VDP385は、仮に描画コマンドの一部しか処理できていない場合でも、新たな描画コマンドが書き込まれると、従前の処理を中断して、新たな描画コマンドの処理を開始するのである。モードIIIでは、描画コマンドの書き込みが32msec周期とされるため、VDP385からの表示データの出力も特別な制御を施すまでなく、結果として32msec周期で行われることになるのである。
また、垂直同期(VSYNC)は、VDP385からの表示データの出力に合わせて出力されるため、モードIVでは、特別な制御を施すまでなく、32msecで出力されることになる。
もっとも、上述の制御は、一例に過ぎない。VDP385における表示データの生成処理の周期をレジスタ等で設定可能な構成となっている場合には、CPU381が、動作モードの切り換えに先だって、この設定を変更すればよい。
図9はモードIVからモードIへの切り換えを示す説明図である。フレーム1はモードIVで出力され、フレーム2以降でモード1に切り換えられる。
CPU381は、図示する通り、表2の描画データを32msecかけて書き込む。この書き込み動作自体は、モードIVでの処理と同様である。ただし、「表2」の描画コマンドを出力した後、CPU381は、「裏2」の描画コマンドを出力する。この出力は、モードIでの処理に合わせて、16msecの期間で行う。
VDP385は、これらの描画コマンドに応じて、それぞれ16msecで「表2」、「裏2」の表示データを出力する。「表2」の表示データは、フィールド397F[0]、397F[1]に格納される。「裏2」の表示データは、フィールド397R[0]、397R[1]に格納される。
CPU381は、「裏2」の描画コマンドを出力した後は、モードIに完全に移行し、16msec周期で、「表3」、「裏3」の描画コマンドを出力する。VDP385も、これらの描画コマンドを16msec周期で処理し、表示データ「表3」、「裏3」を出力する。
図10はパネルインタフェース390のレジスタ設定を示す説明図である。
本実施例では、フレームメモリ397の4つのフィールド397F[0]、397F[1]、397R[0]、397R[1]をダブルバッファとして用いるため、フィールド信号のハイ・ロウに従って、表示データの格納先、LCD16に表示データを出力するための読み出し元を、交互に切り換えながら動作する。本実施例では、この切り換えシーケンスを、CPU381が、パネルインタフェース390のレジスタに予め規定しておくものとした。
先に図5〜図9で示した通り、本実施例では、動作モードに応じて、表示データのフレームメモリ397への格納先および読み出し元を切り換える。従って、動作モードを切り換える際には、レジスタの設定も図10に示す通り、変更する必要がある。
図中には、フィールド信号のハイ・ロウに応じて4段階を1サイクルとして、切り換えシーケンスを示した。説明の便宜上、それぞれ期間A〜Dと称するものとする。各欄の「W」は表示データの格納先であることを示し、「R」は表示データの読み出し元であることを示している。以下、各モードの切り換えシーケンスについて説明する。
従って、フィールド397F[0]に表側データを書き込む(期間A)と、次の期間Bでは、裏側データをフィールド397R[0]に書き込む。この時、期間A、Bを通じて、フィールド397F[1]、397R[1]は、LCD16への表示データの読み出し元となる。
次に、表示データの格納先が切り換えられる。期間Cで、フィールド397F[1]に表側データを書き込む(期間C)と、次の期間Dでは、裏側データをフィールド397R[1]に書き込む。この時、期間C、Dを通じて、フィールド397F[0]、397R[0]は、LCD16への表示データの読み出し元となる。
モードIIでは、本来、裏側データが出力されるべき期間B、Dでは、表示データの格納は行われない。表側データが出力される期間A、Cで、表示データの格納が行われる。表示データの格納には、期間Aでフィールド397F[0]、期間Cでフィールド397F[1]が、交互に使用される。
表示データの格納は、モードIIIの期間A〜Dに対し、フィールド397F[0]上(期間A)、フィールド397F[0]下(期間B)、フィールド397F[1]上(期間C)、フィールド397F[1]下(期間D)が順次、使用される。
また、裏側データは生成されないため、期間A〜Dを通じて、フィールド397R[0]から表示データを出力する設定とした。フィールド397R[1]を読み出し元として使用してもよい。
一方、裏側データは生成されないため、期間A〜Dを通じて、フィールド397R[0]から表示データを出力する設定とした。フィールド397R[1]を読み出し元として使用してもよい。
E1.全体処理:
図11は表示制御処理のフローチャートである。CPU381がVDP385に対して描画コマンド等を出力し、表示データを生成させるために実行する処理である。この処理は、本実施例では16msec周期の割込処理として実行される。
この処理を開始すると、CPU381は、処理を実行するための準備として、多重割込みを許可し(ステップS10)、ノイズキャンセル・判定処理を行う(ステップS11)。そして、割込端子の端子レベルを確認し(ステップS12)、端子レベルが異常の場合には、ノイズ等の影響による異常なトリガに基づいて表示制御処理が開始されたものと判断し、そのまま処理を終了する。
動作モードの切換は、2段階で判断される。
第1段階は、メイン制御基板3からのコマンドに基づく判断である。先に図2で説明した通り、本実施例では、メイン制御基板3が、入賞の有無など、種々の遊技状態を検知し、LCD16で行うべき演出内容を表すコマンドを出力する。動作モードは、演出内容に応じて決まるから、第1に、このメイン制御基板3からのコマンドに基づいて、いずれの動作モードでの表示を行うべきかが決定される。
例えば、モードIからモードIIへの切換時は、図9に示したように、フレーム1の「裏1」の描画コマンドの出力を終えた時点で切り換える必要がある。第1段階でモードIIへの切換をすべきと判断されたとしても、「表1」を出力し終えた時点では、モードIIへの切換を行うべきタイミングにはないと判断されるのである。
まず、遊技機が起動時であり、現在の動作モードが確定していない段階では、無条件にモードの切換タイミングにあると判断され、パネルインタフェース390のレジスタをモードIの状態(図10参照)に設定すべきと判断される。
切換タイミングにある場合には、パネルインタフェース390のレジスタを、モードIIまたはIIIの状態(図10参照)に設定すべきと判断される。
これらの状態は、次にフィールド信号がハイとなる時点から、モードIに移行可能な状態にあると言える。従って、上記タイミングでモードIへの切換を実行することができる。切換タイミングにあるときは、パネルインタフェース390のレジスタを、モードIの状態(図10参照)に設定すべきと判断される。
切換タイミングにある場合には、パネルインタフェース390のレジスタを、モードIVの状態(図10参照)に設定すべきと判断される。
動作モードの切換タイミングにない場合には、CPU381は、この設定処理をスキップする。
モードIVの場合は、図8に示した通り、32msecの周期で描画コマンドの出力および表示データの生成が行われる。しかし、本実施例では、いずれの動作モードにおいても表示制御処理は16msecの割り込み処理として統一的に実行するものとした。従って、32msecの期間をかけて描画コマンドの出力等を行う場合でも、CPU381は、16msec単位で一旦、描画コマンドの出力を中断し、フィールド信号の切換(ステップS200)を実行する。
図12はモードI、IIにおける描画コマンド出力処理のフローチャートである。CPU381が実行する処理であり、表示制御処理(図11)のステップS100に相当する処理である。
そして、フィールド信号がハイであれば(ステップS112)、表側パネル16F用の画像の描画コマンドをスプライトレジスタ385sに設定する(ステップS113)。
フィールド信号がロウの場合には(ステップS112)、モードに応じて処理が異なる。モードIで動作している時は(ステップS114)、裏側パネル16R用の画像の描画コマンドをスプライトレジスタ385sに設定する(ステップS115)。モードIIで動作している時は(ステップ114)、CPU381は、RAMのバックアップ処理を行う(ステップS116)。この処理は、ノイズ対策処理の一例として挙げたものであり、CPU381は、RAMのバックアップに限らず、レジスタの整合性チェックや上書きなど、ノイズ対策に有効な種々の処理を行うことができる。また、ノイズ対策だけでなく、例えば、不正行為が行われているか否かの検知などを行うようにしてもよい。
図13はモードIIIにおける描画コマンド出力処理のフローチャートである。CPU381が実行する処理であり、表示制御処理(図11)のステップS100に相当する処理である。
先に図7で説明した通り、モードIIIでは、表側パネル16Fの画像を上下2回に分けて生成する。フィールド信号がハイの時には、上半分の描画コマンドを出力し、ロウの時には下半分の描画コマンドを出力する。
フィールド信号がハイの場合には(ステップS120)、上半分の描画コマンドを出力するため、まず表示エリアVAを設定し(ステップS121)、スプライトレジスタ385sの初期化およびVDPレジスタ385vの設定を行う(ステップS122)。
表示エリアVAの設定は、モードIIIの時だけでなく、他の動作モードにおいても同様に行われる。上下に分けて描画を行う処理を説明する便宜上、モードIIIでは、表示エリアVAの設定(ステップS121)を明記したに過ぎない。
CPU381は、描画コマンド出力と並行して、スプライトの最適化を行う(ステップS125)。
スプライトの最適化とは、VDP385に定義された表示エリアVAから全体が外れるようなスプライトを、描画コマンドから省略する処理である。先に説明した通り、VDP385は描画コマンドに従って、仮想的に設けられたキャンバス上に描画を行い、その中からLCD16の表示エリアに対応するデータを切り出して表示データを生成する。従って、スプライトの位置によっては、キャンバス上に描画しても、描画結果が表示エリアから完全に外れるということが生じうる。スプライトの最適化は、このようなスプライトをキャンバス上に描画するという無駄な処理を回避し、VDP385の処理効率を向上させるために行われる処理である。
スプライトの最適化は、省略することも可能である。また、モードIIIのみならず、他の動作モードにおいても、行うことができる。
図中に移動方法について模式的に示した。
図の左側に示すように、上側の描画コマンド設定時に、表示エリアVA1に、スプライトSP1が描かれたとする。ステップS130の処理では、スプライトの位置を固定し、表示エリアVA1を下側に移動させる方法を採ることができる。この結果、図の右側に示すように、表示エリアVA2とスプライトSP2という位置関係が実現され、表示エリアVA1の下側に連続する画像が描画されることになる。
また、別の方法として、図中の破線で描いたスプライトSP3のように、表示エリアVA1の位置を固定し、スプライトの座標を相対的に上側に300ピクセル移動する方法を採っても良い。
上述の方法はいずれを用いても良いが、スプライトを移動させる方法では、全スプライトの座標を修正する必要があるのに対し、表示エリアを移動させる方法では、表示エリアの設定を変更するだけで足りるため、簡易な処理で済むという利点がある。
ここでは、上半分の処理におけるスプライト最適化(ステップS125)で、表示エリアVAから外れると判断されたスプライトを処理対象として復活させることもある。また、上半分の処理では、処理対象として残されたスプライトが、表示エリアから外れると判断されることもある。このように、ステップS131の処理では、上半分の処理時のスプライト最適化(ステップS125)の結果に関わらず、改めて全スプライトに対して、表示エリア内か否かを判断する必要がある。
図14はモードIVにおける描画コマンド出力処理のフローチャートである。CPU381が実行する処理であり、表示制御処理(図11)のステップS100に相当する処理である。
先に図8で示した通り、モードIVでは、フィールド信号がロウ・ハイと1回ずつ変化する32msecの期間を利用して描画コマンドの設定および表示データの生成を行う。ただし、これらの処理も、16msec周期の割り込み処理によって行われる。本実施例では、フィールド信号がロウの時に、新たなフレームの描画コマンドの設定、表示データの生成を開始するが、16msec経過時に一旦中断し、次にフィールド信号がハイとなってから、引き続き従前の処理を継続するという方法を採った。
フィールド信号がロウの場合には、新たなフレームの描画コマンドを出力するため、VDP385のスプライトレジスタ385sの初期化およびVDPレジスタ385vの設定を行い(ステップS141)、コマンド解析処理を行って(ステップS142)、スプライトレジスタ385sに描画コマンドを出力する(ステップS143)。
この時点では、全ての描画コマンドを出力できなくても、16msecの期間が終了すると、CPU381は、描画コマンド出力処理を一旦終了する。先に図8において破線で示した通り、この時点では、DMA転送の指示は出力されない。
この出力が完了すると、CPU381は、VDP385に対してDMA転送を指示して(ステップS151)描画コマンド出力処理を終了する。
図15は描画処理のフローチャートである。CPU381から描画コマンドを受け取ったVDP385が順次、スプライトを描画して表示データを生成するために実行する処理である。全ての動作モードで共通の処理である。
以下では、それぞれのスプライトに対して、一義的な識別番号として「スプライトNo.」が付されているものとして説明する。
図中に設定データの内容を例示した。識別番号としての「スプライトNo.」、スプライトを配置すべきキャンバス上の配置座標(XPOS,YPOS)、およびスプライトの表示/非表示を切り換えるためのフラグが含まれる。この他のデータを含めても差し支えない。
本実施例では、図中には、裏側パネル16RにスプライトSP2を表示し、表側パネル16Fに非表示部分SP1を設ける例を示した。こうすることで、表側パネル16Fを通して裏側パネル16Rに表示されたスプライトSP2を視認することができ、先に図4で示したように立体的な表示を実現することができる。
かかる表示は、表示用のスプライトSP2と、非表示部分用の白色のスプライトSP1を個別に設けておき、裏側パネル16R、表側パネル16Fのそれぞれの対応する位置に配置することにより、実現することができる。
遊技状態によって、一部のスプライトしか用いないことが決まっている場合には、その中の「スプライトNo.」の最大値としてもよい。
図16は描画処理の変形例(1)を示す説明図である。実施例(図15)では、非表示部分を設けるために固有のスプライトを用意する場合について例示した。変形例では、表示用に設けられたスプライトの色を白色に変換することにより、非表示部分を設ける例について説明する。
図中にスプライトの設定データ例を示した。変形例では、実施例(図15)と同様の設定データに加えて、スケールおよび色変換フラグが追加されている。スケールは、「スプライトNo.」で指定されたスプライトの拡大/縮小率を示す実数データである。色変換フラグは、白色変換をするか否かを示す。本来の表示状態でスプライトを用いる場合には、色変換フラグはオフとしておき、非表示部分として用いる時には色変換フラグをオンとすればよい。
これらの処理が完了すると、VDP385は、スプライトを配置して描画を行う(ステップS317)。
以上の処理を、VDPは実施例と同じく「スプライトNo.」を順次、増大させながら、所定の上限値NLimに至るまで繰り返し実行する(ステップS318、S319)。
非表示部分として用いる場合には、スプライトのスケールを1より大きい値に設定し、スプライトを若干拡大することが好ましい。こうすることにより、スプライトの明瞭化に当り、遊技者の視点の変動の影響を抑制することができる。変形例(1)では、このように非表示部分の拡大縮小も比較的容易に行うことができる利点がある。
図17は描画処理の変形例(2)を示す説明図である。変形例(2)でも、変形例(1)と同様、表示用のスプライトを白色化することによって、非表示部分を設ける。ただし、変形例(1)では色データを変換する例を示したのに対し、変形例(2)では表示時に用いるカラーパレットの使い分けによって、この白色化を実現する。
図中に設定データ例を示した。変形例(2)では、表示時に用いるべきカラーパレットの指定が含まれている。VDP385は、表示設定されているスプライトについて(ステップS323)、指定に従ってスプライトを配置する(ステップS324)。VDP385は、以上の処理を、順次、スプライトNo.を加算しながら、全スプライトについて完了するまで繰り返し実行する(ステップS325、S326)。
図中にカラーパレットとスプライトの表示態様の関係を例示した。左側に示すスプライトSPを表示させる場合を考える。スプライトSPは、輪郭や眉毛等を示す色データ#2と、その他の部分を示す色データ#1の2色で構成されているとする。
カラーパレット1は、表示用に用意されたものであり、#1の色データに対して白色、#2の色データに対して黒色を割り当てている。カラーパレット#2は、非表示部分を設けるために用意されたものであり、#1、#2の双方に対して白色が割り当てられている。
カラーパレット#1が指定されている場合には、#2の色データに黒、その他の色データに白が割り当てられる結果、図中の右側に示す状態で表示が行われる。
これに対し、カラーパレット#0が指定されている場合には、#1、#2の色データに共に、白色が割り当てられる結果、図中の右側に示すように、全体が白色の非表示部分となる。
また、多種多様なカラーパレットを用意しておくことにより、非表示部分の表示態様にバリエーションを持たせることが可能となる。
例えば、図中に示したスプライトの輪郭部分を色データ#3とし、カラーパレット1では、#3に黒色を割り当てる。カラーパレット2においては、#1および#2に白色を割り当てるとともに、#3に黒色を割り当てる。こうすることにより、非表示部分で用いる場合でも、スプライトの輪郭部分のみを黒色で残した表示が可能となる。また、更にカラーパレット3として#1〜#3に白色を割り当てたものを用意しておけば、完全に白色化された非表示部分を設けることも可能となる。
このように、変形例(2)の方法では、多様なカラーパレットを用意することによって、スプライトの表示態様を多種多様に変化させることが可能となる。
以上で説明した本実施例の遊技機によれば、描画コマンドの出力および表示データの生成を、種々の動作モードで行うことができる。
モードIは、表裏双方の表示パネルに、同等の複雑さの画像を表示するのに適している。かかる表示としては、例えば、図4に示したような3次元的な表示などが挙げられる。
かかる状況下で、モードIIは表側パネル16Fの画像も比較的簡易で足りる時に適用できる。例えば、遊技機の起動画面や、種々のエラー表示などが挙げられる。モードIIを適用すれば、裏側パネル16R用の表示データの生成を休止することによって生じた余剰の時間を利用して、ノイズ対策処理などを行うことが可能となり、遊技機の動作、表示の安定化を図ることが可能となる。
モードIIIおよびモードIVは、表側パネル16Fに高精細な画像を表示する場面に適用できる。例えば、2次元的な画面ではあっても、映画等から切り取った迫力ある動画を表示する場合や、多くのスプライトを用いた複雑なグラフィックス画像を表示する場合などが挙げられる。遊技者の目を引くことが目的の一つとなるデモ画面や、大当たりが生じた時の表示画面などに有用である。
(1) 実施例では、LCD16が2層表示装置の場合を例示した。本実施例は、かかる構造のみならず、並列に配置されている場合も含めて、複数の表示パネルを備える遊技機に適用可能である。
また、表示パネルは2枚に限らず、3枚以上備えられていても良い。そのサイズも統一されている必要はなく、異なるサイズであってもよい。
図18は異なる動作モードで共通の描画コマンドを処理した場合の様子を示す説明図である。図18(b)のキャラROM386に含まれるCH1〜CH9のスプライトを配置して画面を構成する場合を考える。VDP385の処理能力上、32msecの処理時間をかければCH1〜CH9の全スプライトを描画することができるが、16msecの処理時間ではCH1〜CH4の処理しかできないとする。
従って、この場合には、図示する通り、CH1〜CH9の全てのスプライトが画面上に表示されることになる。
従って、この場合には、図示する通り、
スプライトCH5〜CH9を省略した形で画像が表示されることになる。
また、一部のスプライトが欠ける点を有効活用し、モードI、IIでは、遊技者に印象を与えやすいスプライトが欠落するように構成することによって、共通の描画コマンドを用いながら異なる表示画面を表示させるという態様で用いることもできる。
図19はキャラクタデータを切り換える表示例を示す説明図である。図の左側に表示画面DISPを例示した。この表示画面DISPでは、スプライトCH1〜CH9が用いられている。
キャラクタデータ386Aは、モードIVにおいて32msecで表示データの生成を行えるように構成された高解像度のデータである。モードIVでは、このデータを用いることにより、表示画面DISPAに示すように高解像度の表示画面を表示させることができる。
図19の例では、モードI、モードIVでの兼用を示したが、キャラクタデータ386AはモードIIIで利用することもでき、キャラクタデータ386BはモードIIで利用することも可能である。
図11で説明した通り、フィールド信号はCPU381が切り換えるため(図11のステップS200)、モードIVの時に32msec周期で切り換えるよう、この処理を変更すればよい。
また、モード切換判定条件(図11中の表)において、「モードIV→モードI」は、フィールド信号のハイ・ロウに関わらず、その切換タイミングであればいつでもモード切り換えが可能と判断されることになる。
この場合、VDP385が表側パネル16F、裏側パネル16Rのいずれの表示データかを判断して、表示データの出力先を、それぞれのパネルインタフェースに振り分けてもよい。また、VDP385は、表側用、裏側用の双方のパネルインタフェースに表示データを出力し、各パネルインタフェースが、表側用/裏側用の別を判断して、必要な表示データを抽出する構成を取ってもよい。
実施例では、LCD16を表示装置として用いる場合を例示したが、本発明は他の種類の表示装置を用いる場合にも適用可能である。
実施例では、モードII〜IVにおいて、裏側パネルを固定画像とする例を示したが、逆に表側パネルを固定画像としてもよい。
3…メイン制御基板
4…遊技盤
4a…表示部
4b…操作スイッチ
6…遊技領域
8…発射ハンドル
9…始動入賞口
10…大入賞口
12…パネル装飾ランプ
15a…入賞検出器
16…LCD
16F…表側パネル
16R…裏側パネル
18…大入賞口ソレノイド
20…払出モータ
21…賞球払出装置
22…払出球検出器
24…モータ駆動センサ
25…払出制御基板
29…スピーカ
30…装飾図柄制御基板
31…枠装飾ランプ
32、34…ランプ中継基板
35…サブ制御基板
41…特別図柄表示装置
47…発射制御基板
48…タッチ検出部
49…発射モータ
381…CPU
382…RAM
383…ROM
386…キャラROM
385…VDP
385s…スプライトレジスタ385s
385v…VDPレジスタ
390…パネルインタフェース
397…フレームメモリ
397F、397R…フィールド
Claims (6)
- 遊技機であって、
遊技中に所定の演出表示を行うための複数の表示パネルと、
各表示パネルに表示すべき画面の構成を規定する画面データを記憶する画面データ記憶部と、
前記遊技状態に応じて、各表示パネルに表示すべき画面を決定し、前記画面データに基づいて、前記表示パネルごとに描画コマンドを出力する描画制御部と、
前記描画コマンドに応じて、前記演出表示用の表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データ生成部によって生成された表示データを、表示パネルごとに記憶する表示データ記憶部と、
前記表示データの前記表示データ記憶部への格納を制御するとともに、該表示データを所定のタイミングで前記表示装置の各表示パネルに出力する表示データ管理部とを備え、
前記描画制御部は、
全表示パネルについて同一の更新周期で前記描画コマンドを出力する第1モードと、
一部の表示パネルに対し、他の表示パネルよりも低い更新周期で前記描画コマンドを出力する第2モードとを
遊技状態に応じて切り換え可能な遊技機。 - 請求項1記載の遊技機であって、
前記第2モードでは、前記一部の表示パネルを非更新とする遊技機。 - 請求項1または2記載の遊技機であって、
前記表示データ管理部は、前記第2モードにおいて、更新周期を下げられた表示パネルに対しては、従前の処理によって前記表示データ記憶部に記憶済みの表示データを出力させる遊技機。 - 請求項1〜3いずれか記載の遊技機であって、
前記第2モードでは、前記描画制御部は、更新周期を低下させたことによって生じる余剰の時間に、前記表示データ生成部に、他の表示パネル用の表示データを生成させる遊技機。 - 請求項1〜3いずれか記載の遊技機であって、
前記第2モードでは、前記描画制御部は、更新周期を低下させたことによって生じる余剰の時間に、ノイズ対策のための所定の処理を行う遊技機。 - 請求項1〜5いずれか記載の遊技機であって、
前記表示データ管理部は、前記表示データ記憶部への前記表示データの格納先を周期的に変更する変更サイクルと、前記表示データ記憶部から前記表示パネルへの前記表示データの読み出し元を周期的に変更する変更サイクルとを、前記第1モードおよび第2モードごとに、相互に独立して制御可能である遊技機。
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