JP2009000027A - 可変式電気牧柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有用植物の成長に伴う姿形,サイズの変化、食害を及ぼす動物の種類等に対応して、地面からの電気牧柵線の高さ及び電気牧柵面の傾斜角度を簡便に調節することが可能な、可変式電気牧柵を提供することを目的とする。
【解決手段】 電気牧柵線4を張架しうる電気絶縁性の碍子3と、碍子3を取り付けた碍子取り付け用柱2と、下部を地中に差込むことで固定が可能であり、環状面の向きが長手方向に対して0〜90℃傾いた環状構造部7を上端部に具備し、記環状構造部7を通過させて地中に差込んだ碍子取り付け用柱2の差込角度を変化させることで、碍子取り付け用柱2に取り付けた碍子3の地面からの高さ及び碍子取り付け用柱2の傾斜角度を調節でき、且つ、碍子取り付け用柱2を保定できる固定用支柱1と、からなる牧柵柱5を2以上設置し、碍子3を介して前記2以上の牧柵柱間に電気牧柵線4を張架してなることを特徴とする、可変式電気牧柵を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可変式電気牧柵に関し、詳しくは、有用植物の成長に伴う姿形,サイズの変化、食害等を及ぼす動物の種類等に対応して、地面からの電気牧柵線の高さ及び電気牧柵面の傾斜角度を簡便に調節することが可能な、可変式電気牧柵に関する。ここで、電気牧柵面とは、電気牧柵線と地面とによって形成される面(範囲)を指し、食害等を及ぼす動物の侵入等を防止乃至抑止しうる範囲を指している。
中山間地域では過疎高齢化に伴い農林地の利用・管理の放棄が進行している。そのため林業においては下草刈りの不履行やシカ、カモシカ等の野生草食獣による植林稚樹の食害の多発、また農業においては耕作放棄による農耕地での雑草・雑灌木の繁茂、それによる景観の損傷、病虫害や鳥獣害の多発等が深刻な問題となっている。そのため、農林地資源の保全と畜産的利用、獣害防止等を目的として、簡易に設置できる電気牧柵を用いて遊休農林地へ草食家畜を放牧することが盛んに行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
その際、放牧区域内に生えている果樹、園芸・工芸用樹種、また作物や野菜類、あるいは造林地における植林稚樹等の有用植物について以下の2点に留意する必要がある。 即ち、1)放牧家畜あるいは野生動物の食害から守ること、2)有用植物の周囲に生える雑草や雑灌木を家畜の採食により効果的に抑制することである。
しかし、有用植物は種類や生育ステージによりそのサイズ、姿形が大きく異なり、特に幼植物は生育に伴いそれらが著しく変化する。そのため姿形が多様でかつ可変性に富む有用植物を草食動物等の食害から守り、且つその周囲に生える雑草等の不用植物を家畜に採食させて抑圧するには、地面からの高さや牧柵面の角度が一定に固定された従来の固定式電気牧柵では不十分である。
例えば、果樹園の下草刈り用に牛等を放牧する場合、牛は果樹成木に付く枝葉のうち、高さ約2.5m以下にあるものを採食できる。この食害を防ぐには、成木の周囲を電気牧柵等で囲う必要がある。その際、従来の一般的な高さの電気牧柵では、成木に近づけて設置した場合、食害を防ぐことができない。食害を回避するには成木から遠く離れて柵を設置する必要がある。しかしその場合、果樹の下草が放牧牛に採食される面積は減少し、果樹園の下草刈り効果は低減する。また、新植された果樹幼木の場合、従来の電気牧柵では、幼木に近接して電牧線を多段張りに設置することで、幼木周囲の下草を採食させ抑制することは期待できるが、一方牛は牧柵最上段から首を乗り出して容易に幼木を採食する。こうした幼木に対する致命的食害を防ぐには幼木から離れた位置に柵を設置せねばならないが、その場合、雑草が繁茂しその被陰の影響によって幼木の生育阻害、枯死等を招くことが懸念される。
さらに、中山間地域に特有の起伏・緩急に富む傾斜面等の複雑地形条件下では、地面と電牧線間の間隔を常に一定に保って家畜が脱柵しないよう電気牧柵を設置することは、従来の可変性に乏しい電気牧柵では困難を伴う。
また、動物はその種類により、行動特性、サイズが異なるため、シカ用、イノシシ用などと種ごとに用いる電気牧柵は異なり、同一地域内で複数の動物種に対応する必要がある場合は、設置の費用と労力の面で解決すべき課題を抱える。また、イノシシ用防護柵では固定柵の上端が手前に傾くことが、柵飛び越え行動を心理的に抑圧する効果を持つと言われる。
そこで、電気牧柵線の地面からの高さと牧柵面の傾斜角度を自在に変更調節できる機能を賦与することによって、可変性に富む植物とより広範な動物種に対応可能で、動物の侵入に対し心理的抑圧効果を期待できる電気牧柵の開発が求められている。
特開2004−283012号公報 特公平6−33号公報
本発明は、有用植物の成長に伴う姿形,サイズの変化、食害を及ぼす動物の種類等に対応して、地面からの電気牧柵線の高さや電気牧柵面の傾斜角度を簡便に調節することが可能な可変式電気牧柵を提供することを目的とする。
さらに本発明は、放牧家畜の脱柵防止、放牧家畜や野生動物による有用植物の食害防止、野生動物による鳥獣害防止、有用植物周囲にある不用植物(雑草)の放牧家畜の採食による除去、などを行うことが可能な、可変式電気牧柵を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、固定が可能な固定用支柱の上端部に環状構造部を具備させ、碍子を取り付けた柱を前記環状構造部を通過させて地中に差込むことにより、この柱の差込角度を変化させることで、張架する電気牧柵線の地面からの高さ及び電気牧柵面の傾斜角度を簡便に調節でき、且つ、前記柱が保定できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
即ち、請求項1に係る本発明は、電気牧柵線を張架しうる電気絶縁性の碍子と、前記碍子を取り付けた碍子取り付け用柱と、下部を地中に差込むことで固定が可能であり、環状面の向きが長手方向に対して0〜90℃傾いた環状構造部を上端部に具備し、前記環状構造部を通過させて地中に差込んだ前記碍子取り付け用柱の差込角度を変化させることで、前記碍子取り付け用柱に取り付けた前記碍子の地面からの高さ及び前記碍子取り付け用柱の傾斜角度を調節でき、且つ、前記碍子取り付け用柱を保定できる固定用支柱と、からなる牧柵柱を2以上設置し、前記碍子を介して前記2以上の牧柵柱間に電気牧柵線を張架してなることを特徴とする、可変式電気牧柵である。
請求項2に係る本発明は、前記碍子取り付け用柱が、2以上の碍子を取り付けた柱である請求項1に記載の可変式電気牧柵である。
本発明によれば、簡易な構造でありながら、地面からの電気牧柵線の高さや電気牧柵面の傾斜角度を簡便に調節することが可能な、可変式電気牧柵を提供することができる。
また、本発明によれば、食害を与える動物の種類、植物の生長等の変化に対応して効果的に柵機能を発揮することができ、さらに、電気牧柵面を動物側に傾けること等により有用植物のすぐ近くに生える雑草等の不用植物まで採食させることを可能にしつつ、有用植物側への動物の侵入を心理的に抑圧することができる。
即ち、本発明によれば、放牧家畜の脱柵防止、放牧家畜や野生動物による有用植物の食害防止、野生動物による鳥獣害防止、有用植物周囲にある不用植物(雑草)の放牧家畜の採食による除去、などを行うことが可能な、可変式電気牧柵を提供することができる。
本発明の可変式電気牧柵は、放棄農林草地管理、鳥獣害回避、雑草防除、放牧、混牧林経営、果樹園等の下草管理、林間放牧、植林地地拵え、植栽木の食害防止、幼齢林下草刈りなどの用途に用いることができる。また、法面・公園・空き地等の家畜放牧による保全管理と畜産的利用などにおいて、放牧家畜の脱柵防止、放牧地内の有用植物保護、放牧地内の有用植物の周囲の雑草の抑制、及び食害を与える家畜や野生獣の侵入を防ぐことが必要な如何なる用途においても用いることができる。
特に、以下の図1〜4を参考にして、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の可変式電気牧柵の一態様を示す斜視図であって、果樹園に設置された可変式電気牧柵を例にとり示した図である。図2は、本発明における固定用支柱の一態様を示す正面図である。図3は、本発明の可変式電気牧柵の他の態様を示す説明図である。図4は、本発明の可変式電気牧柵の別の態様を示す説明図である。
図1において、本発明の可変式電気牧柵は、主に、固定用支柱1と、碍子取り付け用柱2と、碍子3と、電気牧柵線4とからなり、碍子取り付け用柱2に取り付けられた碍子3を介して、固定用支柱1と、碍子取り付け用柱2と、碍子3とからなる2以上の牧柵柱5の間に、電気牧柵線4が張架されたものである。また、図1においては、牧柵柱5と直交方向に、かつ、地面と水平方向に、3本の電気牧柵線4を張架することにより、電気牧柵面6が形成される。
固定用支柱1は、碍子取り付け用柱2を保定することができ、これにより電気牧柵線4を保定し、牧柵柱を固定するものである。固定用支柱1としては、そのために必要な強度を有するものであれば如何なるものでも使用することができ、鉄筋、合成樹脂、グラスファイバー、スプリングスティール、FRP、竹、集成材などの材質のものを用いることができる。具体的には、鉄筋(丸鋼)製の材質であって、直径が8〜13mm、好ましくは9〜12mmのもの、もしくはスプリングスティール製の材質であって、直径が7〜9mmのものを用いることが好適である。
固定用支柱1の長手方向の長さ(地中埋設長を含む)は、850〜1200mm、好ましくは950〜1150mmのものであることが好適である。
固定用支柱1の下部にあたる一方の端は、図2で示すように、地面11に差込みやすい形状のものがよく、好ましくはグラインダーなどで研ぐことで鋭角化させておいたものが望ましい。また、固定用支柱1の下部には、支柱本体部分から分枝し、支柱本体部分の下端と同じ方向を向いた端を有する分枝構造部8を有することが望ましい。
分枝構造部8は、前記支柱本体部分と一体的に成形することができるが、前記支柱本体部分と同じ材質のものを加工し、支柱本体部分に溶接又はボルト等で固定したものであってもよい。また、支柱本体部分と異なる材質のものであっても、固定用支柱1自体の固定および碍子取り付け用柱2及び電気牧柵線4の保定に耐えうる強度のものであれば、如何なる材質のものを用いてもよい。
分枝構造部8の形状としては、支柱本体部分の軸方向に対して下向きに分枝した形状を有するものであり、固定用支柱1に、固定用支柱1自体の固定および碍子取り付け用柱2及び電気牧柵線4の保定に耐えうる強度を賦与しうる形状であれば、如何なる形状のものでもよい。
図2では、分枝構造部8として、支柱本体部分から、その長手方向、つまり軸方向に対して、直交するように分枝し、さらに支柱本体部分から60〜80mm程度離れた位置で支柱本体部分と平行になるように曲げられ、下端が支柱本体部分の下端と同じ方向を向いた、略L字状のものを示しているが、これに限定されるものではない。この分枝位置は、通常、固定用支柱1の下端から200mm前後の位置であることが望ましく、この分枝位置まで地中に埋め込むことが望ましい。なお、分枝構造部8の支柱本体部分と平行な部分は、90〜130mmであることが望ましい。また、分枝構造部8の下端は、地面11に差込みやすい形状のものがよく、好ましくはグラインダーなどで研ぐことで鋭角化させておいたものが望ましい。
分枝構造部8は、支柱本体部分から如何なる方向に向かって分枝したものであってもよいが、図3で示すように、固定用支柱1を側面方向から見て、環状構造部7の環状面が傾斜している位置とは、支柱本体部分を挟んで丁度反対の位置から分枝させたものは、前記した固定用支柱1の固定および保定に耐えうる強度を増加させることができる。
なお、固定用支柱1は、分枝構造部8を1以上有することで、前記した固定用支柱1の固定および保定に耐えうる十分な強度を賦与することができるが、必要に応じて、分枝構造部8を2以上有するものとすることで、前記した固定用支柱1の固定および保定に耐えうる強度を増加させることもできる。
本発明の可変式電気牧柵は、地面が土である地形であれば好適に用いることができる。詳しくは、この固定用支柱1の下部を、地中に180〜220mm差込むことで、固定用支柱1自体を固定することができ、碍子取り付け用柱2及び電気牧柵線4を保定することができる。なお、固定用支柱1が分枝構造部8を有しない形状である場合には、固定用支持柱1の下部をより深く差込む必要がある。具体的には、地中に250〜300mm差込むことが必要になる。
また、地面が、湿地、砂場などの場合には、前記した深さより、より一層深く固定用支柱1を差込むことで、固定用支柱1自体を固定することができ、碍子取り付け用柱2、電気牧柵線4及び電気牧柵面6を保定することができる。
固定用支柱1の上端部にあたる他方の端は、図2に示すように環状構造部7を有する。上端部の環状構造部7は、支柱の上端部を環状に加工したものであることが強度の点から好ましいが、前記支柱本体部分と同じ材質のものを環状に加工し、支柱本体部分に溶接又はボルト等で固定したものでもよい。また、支柱本体部分と異なる材質のものであっても、碍子取り付け用柱2及び電気牧柵線4の保定に耐えうる強度のものであれば、如何なる材質のものを用いてもよい。
環状構造部7の直径(内径)は、碍子取り付け用柱2を通すことができ、一方の端を地面11に差込んだ前記碍子取り付け用柱2を保定できる大きさ(電気牧柵面6の角度が大幅に変わらない程度に維持できる大きさ)であり、且つ、碍子取り付け用柱2の可動角度が最大にとれるように(少なくとも、軸の長手方向に対する角度(図3における角度α)と碍子取り付け用柱2の外径を考慮して、碍子取り付け用柱2を地面に対して垂直に差込めるように)、具体的には内径が35〜45mm、好ましくは42mm程度であることが望ましい。
なお、環状構造の形状は、円であることが最も好ましいが、楕円であってもよく、さらには八角形、六角形、四角形などの多角形であってもよい。
固定用支柱1の上端部の環状構造部7の環状面の向きは、軸の長手方向に対する角度(図3における角度α)が、0〜90°の傾きの範囲であればよいが、特に20〜50°の傾きの範囲であると、環状構造部7の中を通す碍子取り付け用柱2の差込角度を広く調節することができるため望ましい。具体的には、40°程度であることが好ましい。
なお、環状構造部7の直径(内径)と環状面の角度の具体的な例として、直径(内径)42mmの環状構造部7を、軸の長手方向に対する角度(図3における角度α)を40°の角度で取り付けた固定用支柱1を例示すると、直径(外径)が21mmまでの太さの碍子取り付け用柱2(本発明では8〜25mmのものを用いることを想定している)を地面に対して垂直に差込むことができ、電気牧柵線4を最も高い位置に張架することが可能となる。
碍子取り付け用柱2は、碍子3を取り付けることが可能な棒状の柱である。碍子取り付け用柱2としては、電気牧柵線4を張架し、風雨や動物の接触に耐えうる強度と性質をもった材質のものであれば、如何なるものでも用いることができる。具体的には、市販の農業用ポール(イボ竹)、竹の桿、笹の桿、丸鋼、グラスファイバー製ポール、塩化ビニル等の合成樹脂製パイプを用いることができるが、特には、農業用ポールであるイボ竹を用いることが望ましい。碍子取り付け用柱2の直径としては、8〜25mm、好ましくは10〜20mm、のものを用いることが好適である。
碍子取り付け用柱2の長手方向の長さは、1200〜2500mm、好ましくは1500〜2400mmのものであることが好適である。
なお、家畜や野生獣の侵入を有刺鉄線により防止しようとする場合には、柵柱は家畜や野生獣の体重の負荷に耐えうる強度のものが必要となるが、本発明に用いる電気牧柵の場合、碍子取り付け用柱2は、上記した程度の強度を有するものであればよい。また、簡便に扱うことができる点からも、軽量であることが望ましく、1本あたり100〜500g、具体的には、竹の桿の場合には120〜230g程度、イボ竹の場合には470g程度のもの(例えば直径20mm、長さ2100mm程度のとき)であることが望ましい。
碍子取り付け用柱2は、前記固定用支柱1の上端部の環状構造部7の中を通して、一方の端を地面11に、好ましくは地中に50〜100mm差込むことで、簡便に保定することができる。
なお、この時に、碍子取り付け用柱2を差込む角度を変化させることによって、電気牧柵面6の角度を調節することができる。具体的には地面に対し、約30〜90°の範囲で調節することができる。
また、碍子取り付け用柱2としては、長さを調節できるもの(長さ可変式のもの)を用いることもできる。
さらに、長さの異なる碍子取り付け用柱2を用意し、各場面に応じた適切な長さの碍子取り付け用柱2を用いることもできる。
碍子取り付け用柱2に取り付ける碍子3は、電気牧柵線4の保定に使用できる、つまり電気牧柵線4を支え受け、支持できるもので、しかも絶縁素材の碍子であれば、如何なるものでも用いることができるが、通常の市販のポール用絶縁碍子を用いることができる。
碍子3の碍子取り付け用柱2への取り付けは、碍子3が固定できる方法であれば如何なる方法で行うことができる。具体的には、ヒートンと蝶ネジの間に碍子3の絶縁部と碍子取り付け用柱2を挟み、蝶ネジを締め付けて固定することができる。
碍子3は、碍子取り付け用柱2に任意の数を取り付けることができる。碍子取り付け用柱2には、碍子3を1個だけ取り付けてもよいが、好ましくは2個以上、最も好ましくは4個以上を取り付けることによって、碍子取り付け用柱2に複数の電気牧柵線4を、動物の侵入あるいは脱柵の防止に対して効果的に張架することができる。
また、碍子3は、碍子取り付け用柱2の任意の位置に取り付けることができ、張架する電気牧柵線4の高さを調節することができる。また、碍子3を2個以上取り付ける時は、これらを任意の間隔で取り付けることができ、張架される電気牧柵線4の間隔を調節することができる。
なお、碍子3は、固定用支柱1に取り付けることも可能である。しかしこの場合、固定用支柱1に取り付けた碍子3間で張架された電気牧柵線4の高さの調節は、碍子3の取り付け位置の調節によってのみ行うことが可能となる。
碍子3を介して張架される電気牧柵線4としては、通常の電気牧柵線として用いることができるものであれば、如何なるものでも用いることができるが、例えば、市販の電気牧柵線である、ステンレス線を合成樹脂線に編みこんだワイヤー(ポリワイヤー)やアルミ合金材製の線を用いることができる。
電気牧柵線4の碍子3への取り付けは、電気牧柵線4が固定できるように通常の方法で行えばよい。
なお、電気牧柵線4にかけられる電圧としては、家畜や野生獣に痛みを与え、電気牧柵線4への接触を嫌がることを学習させる程度の電圧が好ましく、殺傷させる程の強い電圧をかけることは好ましくない。具体的には、6000〜9000Vの電圧をかけることができる。なお、通常はインパルスとして間歇的に通電させる。
前記固定用支柱1と、碍子取り付け用柱2と、碍子3とからなる牧柵柱5は、地中に差込まれた固定用支柱1の下部によって地面11に固定され設置されており、2以上の牧柵柱5の間に、碍子3を介して電気牧柵線4が張架される。
即ち、牧柵柱5は、本発明の可変式電気牧柵の構成において、電気牧柵線4を張架するための支柱の役割を果たす。
電気牧柵線4は、隣り合った牧柵柱5の間に張架することができる。
また、電気牧柵線4は、牧柵柱5の長手方向(碍子取り付け用柱2の長手方向でもある)に対して、ほぼ直交方向に張架されることが好ましいが、前記直交方向に対して傾斜した角度で張架することもできる。
隣り合った牧柵柱5の間に張架される電気牧柵線4は、地面11、他の電気牧柵線4、牧柵柱5自体などと接触しない状態であれば如何なる状態にも張ることができるが、好ましくは電気牧柵線4が弛まない程度の強さで、張架することが望ましい。
牧柵柱5は、本発明の可変電気牧柵の使用目的に応じて、2以上の任意の数を設置することができる。具体的には、1haの農地を想定した場合、80〜140本の牧柵柱5を設置することが望ましい。
牧柵柱5は、張架される電気牧柵線4が、地面11、他の電気牧柵線4、牧柵柱5自体、有用植物や雑草などの周辺の植物などと接触しない状態を保てる限りは、任意の間隔で設置することができるが、電気牧柵線4が弛まない程度に張れる間隔で設置することが望ましい。具体的には、3〜5mの間隔で設置することが望ましい。
設置する碍子取り付け用柱2の向き(全体としての牧柵柱5の向き)は、図3で示すように有用植物12の軸に対して上に凸の向きで設置する、即ち碍子取り付け用柱2の上端が下端より有用植物に近づく方向に設置することもできる。しかしながら、好ましくは、図4で示すように、有用植物12の軸に対して下に凸の向きで設置する、即ち碍子取り付け用柱2の上端が下端より有用植物から遠ざかる方向に設置する方が、有用植物12付近の雑草15を、放牧家畜13などに採食させることができるため望ましい。さらに、図4で示すように、下に凸で設置した場合は、野生獣14の柵の飛び越えに対しての心理的な抑止効果も奏されることができる。
2以上の牧柵柱5の間に張架される電気牧柵線4の数は、碍子3の説明で前記したように、1本でもよいが、好ましくは2本以上、さらに好ましくは4本以上であることが望ましい。2本以上の複数の電気牧柵線4を張架することによって形成される電気牧柵面6は、動物の浸入を物理的及び心理的に防ぐ効果が得られる。
2以上の牧柵柱5の間に複数本の電気牧柵線4を張架する場合の電気牧柵線4どうしの間隔は、碍子3の説明で前記したように、任意の間隔をとることができる。
2以上の牧柵柱5の間に張架される電気牧柵線4の地面からの高さは、前記したような4通りの方法で調節することができる。即ち、「固定用支柱1の上端部の環状構造の中を通す碍子取り付け用柱2の差込角度を変化させる方法」、「碍子取り付け用柱2への碍子3の取り付け位置を調節する方法」、「長さの異なる碍子取り付け用柱2を用いる方法」及び「長さの調節できる碍子取り付け用柱2を用いる方法」である。
上記4通りの方法を組み合わせて行うことで、より広範囲に、具体的には100〜2350mmの範囲の高さの調節が可能になるが、より簡便に調節する際には、「固定用支柱1の上端部の環状構造の中を通す碍子取り付け用柱2の差込角度を変化させる方法」のみで行うことで、碍子3の取り付けをし直す手間がなく、即座に電気牧柵線4の地面からの高さを調節することができる。
なお、図1のような3本の電気牧柵線4を張架した場合の具体例を示すと、果樹園の下草刈りに牛を放牧する場合には、最上端の電気牧柵線4を1500〜1700mmに、最下端の電気牧柵線4を400〜500mmに、電気牧柵線4どうしの間隔を300〜500mmに張架すると、果樹の枝葉を食害から守ることができると同時に、果樹の根元近くまで下草をウシに採食させられ、果樹園の下草管理が効率的に行えるなどの効果が得られて好適である。
また、山間地の農林草地、果樹園でのシカ、カモシカなどの食害を防止する場合には、最上端の電気牧柵線4を1500〜1600mm程度に、最下端の電気牧柵線4を350〜450mm程度に、電気牧柵線4どうしの間隔を400〜500mm程度に張架すると、シカが柵を飛び越えて侵入するのを防げるなどの効果が得られて好適である。
なお、小動物の侵入が想定される場合、地面から一番下に張架する最下端の電気牧柵線4は、タヌキなどの場合は100mm程度に、イノシシなどの場合は150〜200mm程度に張架することが望ましい。
2以上の牧柵柱5の間に複数の電気牧柵線4を張架した場合、牧柵柱5とその間に張架された一番上の電気牧柵線4と一番下の電気牧柵線4で囲まれた面に、図1で示すような、電気牧柵面6が形成される。
電気牧柵面6の角度は、前記した「固定用支柱1の上端部の環状構造の中を通す碍子取り付け用柱2の差込角度を変化させる方法」によって調節することができる。具体的には地面から30〜90°の範囲で調節することができる。
電気牧柵面6の角度は、目的とする状況に応じて自由に調節することができる。例えば、果樹園において放牧が行われている場合、電気牧柵面6を家畜側に傾けて形成することにより、有用植物を家畜の食害から保護しながら、有用植物のすぐ近くに生える雑草等の不用植物まで採食させることを可能にする。また、山間地の農地などでの野生動物の侵入を防止したい場合、電気牧柵面6を野生動物が侵入しうる側に傾けて形成することにより、有用植物側への野生動物の侵入を心理的に抑圧することができる。
なお、果樹の幹から外縁の枝先までの距離、外縁の枝先の地面からの高さ、家畜の体高や首の長さ、侵入が予想される野生獣の種類など、それぞれの条件に適した角度の電気牧柵面6を形成することができる。
なお、本発明の可変式電気牧柵によって保護される、有用植物12としては、放牧家畜や野生動物の口の届く範囲に枝葉を展開する全ての植物、即ち野菜や果実など農作物、園芸用の花木、果樹、工芸・特用樹などの出荷対象となる植物や、絶滅危惧植物などの保護対象となる植物などが含まれるが、特には、嗜好性の高いイネ、ムギ、ダイズなどの農作物、スギ、ヒノキなどの稚樹、カキ、クリなどの果樹などを保護することに好適である。
また、本発明の可変式電気牧柵によって脱柵及び食害が防止できる放牧家畜13としては、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、アイガモなどを挙げることができるが、特には、ウシなどの大型の家畜の脱柵及び食害を効果的に防ぐことができる。
なお、本発明の可変式電気牧柵によって侵入及び食害が防止できる野生獣14としては、シカ、イノシシ、カモシカ、クマ、サル、タヌキなどを挙げることができるが、特には、シカ、イノシシの侵入及び食害を効果的に防ぐことができる。
如上の如く、本発明の可変式電気牧柵は、有用植物の成長に伴う姿形,サイズの変化、動物の種類等に対応して、電気牧柵線4の地面からの高さ及びで電気牧柵面6の傾斜角度を調節することにより、動物の採食によってもたらされる有用植物の食害の回避と、有用植物周囲の雑草等不用植物の繁茂抑制の双方を同時に可能とすることができる。
本発明は、農業(放棄農林地管理、鳥獣害防止、雑草防除)、畜産業(放牧管理、混牧林経営)、果樹栽培(下草管理、植栽木の食害防止)、林業(林間放牧管理、植林地地拵え、幼齢林下草刈り、植栽木の食害防止)、緑地管理(法面・公園・空き地等の家畜放牧による植生(草生)保全管理と緑化木の保護育成、及び畜産的利用)など、多くの産業分野での利用が期待される。
本発明の可変式電気牧柵の一態様を示す斜視図である。 本発明における固定用支柱の一態様を示す正面図である。 本発明の可変式電気牧柵の他の態様を示す説明図である。 本発明の可変式電気牧柵の別の態様を示す説明図である。
符号の説明
1 固定用支柱
2 碍子取り付け用柱
3 碍子
4 電気牧柵線
5 牧柵柱
6 電気牧柵面
7 環状構造部
8 分枝構造部
11 地面
12 有用植物
12a 果実、花など
13 放牧家畜
14 野生獣
15 雑草

Claims (2)

  1. 電気牧柵線を張架しうる電気絶縁性の碍子と、前記碍子を取り付けた碍子取り付け用柱と、下部を地中に差込むことで固定が可能であり、環状面の向きが長手方向に対して0〜90℃傾いた環状構造部を上端部に具備し、前記環状構造部を通過させて地中に差込んだ前記碍子取り付け用柱の差込角度を変化させることで、前記碍子取り付け用柱に取り付けた前記碍子の地面からの高さ及び前記碍子取り付け用柱の傾斜角度を調節でき、且つ、前記碍子取り付け用柱を保定できる固定用支柱と、からなる牧柵柱を2以上設置し、前記碍子を介して前記2以上の牧柵柱間に電気牧柵線を張架してなることを特徴とする、可変式電気牧柵。
  2. 前記碍子取り付け用柱が、2以上の碍子を取り付けた柱である請求項1に記載の可変式電気牧柵。
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