JP2008547016A - ナノ粒子標識、ナノ粒子標識を用いる診断方法、診断キット及び診断装置 - Google Patents
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Abstract
本発明による診断キットは、ナノ粒子−生体物質複合体、抽出溶液、集電極、及び電流ピーク測定部を含む。ナノ粒子−生体物質複合体は、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子、ナノ粒子と結合安定化物質を介して結合され、検出しようとする生体物質と特異的に結合する1種以上の生体結合物質、及び前記ナノ粒子と前記生体結合物質の結合をなす結合安定化物質を含む。抽出溶液は、ナノ粒子−生体物質複合体からナノ粒子を分離抽出する。集電極は抽出溶液からナノ粒子を捕集する。電流ピーク測定部は、集電極から捕集されたナノ粒子から対応電流ピークを測定する。本発明による診断キットは、ナノ粒子−生体物質複合体、抽出溶液、集電極、及び電流ピーク測定部を含む。ナノ粒子−生体物質複合体は、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子、ナノ粒子と結合安定化物質を介して結合され、検出しようとする生体物質と特異的に結合する1種以上の生体結合物質、及び前記ナノ粒子と前記生体結合物質の結合をなす結合安定化物質を含む。抽出溶液は、ナノ粒子−生体物質複合体からナノ粒子を分離抽出する。集電極は抽出溶液からナノ粒子を捕集する。電流ピーク測定部は、集電極から捕集されたナノ粒子から対応電流ピークを測定する。本発明による診断装置は、使い捨てチップ、電極、診断用試薬容器、電気測定用または光学測定用部分で構成され、ピペットまたは注射器形態であり、容器ストッパーには電極を内蔵する、情報技術が集積した小型電気化学的バイオセンサーである。
Description
本発明はナノ粒子標識、ナノ粒子標識を用いる診断方法及び診断キット、並びにこれを用いる診断装置に関するものである。また、本発明はナノ粒子標識の酸化/還元能力を用いる電気化学的診断方法、診断キット及びこれを用いる診断装置に関するものである。
最近、プロテオミク(proteomic)センシング装置を利用して多様な疾病状態を診断しようとする試みがあった。このために、プロテオミクセンシング装置は、使用者のための簡便な操作、低費用の達成だけでなく、優れた敏感度、選択性及び再現性を達成しなければならない。
プロテオミクセンシング装置は、主に診断装置として利用され、その代表的な例としては、抗原または抗体を認知する免疫センサーがある。
このような診断装置は、診断のために、所定の生体物質(タンパク質またはDNAなど)を検出することができる方法を確立しなければならない。従来の生体物質の検出方法として、有機染料などを用いる蛍光標識方法が知られている。蛍光標識は種類によって多様な色を発光して、目的生体物質に対する検出手段を提供する。
このような診断装置は、診断のために、所定の生体物質(タンパク質またはDNAなど)を検出することができる方法を確立しなければならない。従来の生体物質の検出方法として、有機染料などを用いる蛍光標識方法が知られている。蛍光標識は種類によって多様な色を発光して、目的生体物質に対する検出手段を提供する。
一方、多数の生体物質を同時に検出しようとする場合、それぞれ異なる色相で発光する多数の蛍光標識が必要になる。ところが、このように多数の色相が同時に発光する場合、光退色(photobleaching)現象が発生することができる。また、従来の蛍光標識は、光学的に狭小な励起(excitation)と発光バンド(emission band)を有する欠点があり、生体物質と結合する場合、生体物質の活性に否定的な影響を与えるなど、多くの限界を持っている実情である。
したがって、このような従来の標識方法の問題点を克服し、物理的に一層安定で機能的な標識方法が要求されている。また、同時に多数の生体物質を検出するより安定的で正確な方法が要求されている。
一方、このような要求に応えて、最近半導体量子ドット(semiconductor quantum dot;以下‘QD’という)ナノ粒子を利用する標識方法が知られている。しかし、従来のQDナノ粒子は、蛍光標識物質に比べ、物理的には安定しても、標識しようとする生体物質との結合性が低く、QDナノ金属粒子の表面加工上の制約を克服することができない。したがって、従来のQDナノ粒子は、光学分析法のための標識源としてだけ使用されていた。
したがって、生体物質との成功的な結合が可能であり、生体物質を容易に検出することが可能な新規のナノ粒子を利用する標識方法が要求される。
最近、バイオ分析装置は、生物学的試料の分析において、迅速で簡便であり、低費用がかかるという利点とともに、巨大ゲノム及び病源菌情報を得るための人間ゲノムプロジェクト研究及び医療用の目的で、自家診断の要求に応えて、絶え間なく開発されて来た。しかし、既存のバイオセンサー及びバイオチップなどは前途有望であると思われたが、現在実用的側面で究極的限界に直面しており、研究室基盤のバイオセンサーシステムもいまだ多くの技術的制約があり、産業的基盤の安定的分析装置もいまだ不備な実情である。特に、プロテオミクセンサー装置は、それぞれ異なる細胞型の複雑な機能と多様な疾病状態の診断に対して選択的にその応用性を広げることができる利点を有するが、装置具現の面で、既存の研究室基盤のタンパク質診断がより実質的で使用者に簡便であるだけでなく、その機能においても、規模の大きい研究用機器に劣らない敏感度、選択性及び再現性などが必須不可欠に要求される。
最近、バイオ分析装置は、生物学的試料の分析において、迅速で簡便であり、低費用がかかるという利点とともに、巨大ゲノム及び病源菌情報を得るための人間ゲノムプロジェクト研究及び医療用の目的で、自家診断の要求に応えて、絶え間なく開発されて来た。しかし、既存のバイオセンサー及びバイオチップなどは前途有望であると思われたが、現在実用的側面で究極的限界に直面しており、研究室基盤のバイオセンサーシステムもいまだ多くの技術的制約があり、産業的基盤の安定的分析装置もいまだ不備な実情である。特に、プロテオミクセンサー装置は、それぞれ異なる細胞型の複雑な機能と多様な疾病状態の診断に対して選択的にその応用性を広げることができる利点を有するが、装置具現の面で、既存の研究室基盤のタンパク質診断がより実質的で使用者に簡便であるだけでなく、その機能においても、規模の大きい研究用機器に劣らない敏感度、選択性及び再現性などが必須不可欠に要求される。
免疫学的検定(immunoassay)システムは、使用者に高忠実度(high−fidelity)を与えるタンパク質診断法であって、臨床的応用において、腎臓疾患、糖尿病、心臓疾患及び高血圧などの人間疾病を早期診断する最も画期的な道具である。免疫センサーがその代表的な例であって、患者疾病の早期診断だけでなく、多くのタンパク質複合物に対するスクリーニング(screening)に至るまで、広くて迅速で簡便で効率的な免疫学的検定ができるようにする。これに対し、ほとんどの研究は多色(multicolor)蛍光分析法による多重分析物質免疫学的検定法(multi−analyte immunoassays)に集中された。しかし、このような光学的基盤の免疫学的検定法はたいてい有機染色蛍光標識物質を使用するので、前記のように、光学的に敏感度は高くても、多くの限界に直面している。また、蛍光物質は生物分子の表面と反応して、生物学的機能性に損失を加える欠点も有する。
このような光学分析装置の問題点を克服するために、電気化学的センシングという技術の開発が試みられた。これは光学的分析に比べて工程が簡単で低費用であり、小型化が容易な利点を有する。しかし、去る数十年の間、その開発が進んできたにもかかわらず、いまだバイオ医療分野では商業化した装置の普及が非常に必要な実情である。
また、現在、既存の病院及び医療関連機関で使用している血糖及びその合併症の診断装置は、試薬処理手続きが複雑であり、分析に長時間かかり、さらに複雑で高価の装備と専門家に制限されたインターフェースは、実際には非専門人の患者には早期診断を非常にややこしくする。
したがって、本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、生体物質との結合性に優れ、純度が高くて物理的に安定した新規のナノ粒子標識を提供することにある。
本発明の他の目的は、生体物質との結合性に優れ、物理化学的に安定した新規のナノ粒子標識を用いる診断キットを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、生体物質との結合性に優れ、物理化学的に安定した新規のナノ粒子標識を用いる診断方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、生体物質との結合性に優れ、物理化学的に安定した新規のナノ粒子標識を用いる診断方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ナノ粒子標識を用いる自家診断が直ちに可能な診断装置を提供することにある。
前記のような技術的課題の解決のための、本発明の一特徴によるナノ粒子−生体物質複合体は、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子、所定の生体物質、及び一側に前記ナノ粒子と結合可能な電荷特性の置換基を有し、反対側に複数の水溶性置換基を有する高分子鎖を有し、一側の置換基を介してナノ粒子と結合し、反対側の複数の水溶性置換基を介してナノ粒子を安定化させ、複数の水溶性置換基を介して前記生体物質との結合をなす結合安定化物質を含む。
本発明の他の特徴によるナノ粒子を製造するナノ粒子の製造方法は、ヘキサデカノール、水酸化カリウム及びカーボンジスルフィドを反応させて、ヘキサデシルキサンタート(hexadecyl xanthate;以下‘HDX’という)カリウム塩を製造する段階、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子を収得したHDXカリウム塩と反応させてHDXメタルスルフィドナノ粒子を製造する段階、及びHDXメタルスルフィドナノ粒子に所定のアルキルアミンドーパントを反応させて、メタルスルフィドナノ粒子を製造する段階を含む。
本発明のさらに他の特徴による診断キットは、ナノ粒子−生体物質複合体、抽出溶液、集電極、及び電流ピーク測定部を含む。ナノ粒子−生体物質複合体は、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子、ナノ粒子と結合安定化物質を介して結合され、検出しようとする生体物質と特異的に結合する1種以上の生体結合物質、及び前記ナノ粒子と前記生体結合物質の結合をなす結合安定化物質を含む。抽出溶液は、ナノ粒子−生体物質複合体からナノ粒子を分離抽出する。集電極は、抽出溶液からナノ粒子を捕集する。電流ピーク測定部は、集電極から捕集されたナノ粒子から対応電流ピークを測定する。
本発明のさらに他の特徴による診断方法は、検出しようとする1種以上の生体物質と特異的に結合可能な1種以上の生体結合物質を決定する段階、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる群から1種以上の粒子を選択し、1種以上の生体結合物質とそれぞれ結合させて1種以上のナノ粒子−生体物質複合体を形成する段階、1種以上のナノ粒子−生体物質複合体を診断しようとする試料内に入れて混合して、検出しようとする1種以上の生体物質と1種以上のナノ粒子−生体物質の結合を誘導する段階、生体物質と特異的に結合したナノ粒子−生体物質複合体を分離する段階、分離されたナノ粒子−生体物質複合体からナノ粒子を分離して捕集する段階、及び捕集されたナノ粒子に対応する固有の電流ピークを測定する段階を含む。
本発明のさらに他の特徴による診断装置は、外装型ポテンショスタットを含むラック型ドッキングコンテナ500に連結されるドロペット型の診断装置400、使い捨てチップ300及び本体部200でなるマイクロピペット型診断装置、及び3電極を内蔵するストッパー110及び連結部40を介して外装型ポテンショスタットと連結されるストッパー型診断装置を提供する。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例を、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者が容易に実施し得るほどに詳細に説明する。しかし、本発明はいろいろの異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
本発明は、生体物質に対する信号発生標識として使用可能な新規のナノ粒子標識を提供しようとする。
本発明において、‘生体物質’は生物体内に存在する物質であって、特定の標識で検出される場合、生物学的用途に利用可能な物質を意味する。具体的に、DNAまたはRNAのような核酸、アミノ酸、または核酸−アミノ酸の複合体または抗体などを含む。
本発明において、‘生体物質’は生物体内に存在する物質であって、特定の標識で検出される場合、生物学的用途に利用可能な物質を意味する。具体的に、DNAまたはRNAのような核酸、アミノ酸、または核酸−アミノ酸の複合体または抗体などを含む。
本発明の実施例においては、生体物質として、腎臓及び心臓疾患関連早期臨床マーカー(marker)である人間血清アルブミン(human serum albumin(HSA))、人間マイクログロブリン(human β2−microglobulin(MG))、人間ミオグロブリン(human myoglobin(Mb))、C−反応性タンパク質(CRP)などを含む。
本発明の実施例によるナノ粒子の検出方法によって、前記のような生体物質の濃度を精密に測定することができる。一方、本発明の実施例によるナノ粒子の検出方法を用いる場合、本発明の実施例によるナノ粒子の検出方法の使用者は、測定された生体物質の濃度が所定の範囲を超過するかどうかによって所定の疾病の感染有無を検出対象に警告するか、所定の疾病に対する診断根拠として使用することができる。具体的に、糖尿病、高血圧などの特定疾病と関連する特定生体物質を、本発明のナノ粒子を標識として使用することにより、検出することができ、このような検出経過は当該特定疾病の診断資料として使用可能であるのが明らかである。
本発明の実施例において、ナノ粒子標識として使用されるナノ粒子は金属系ナノ粒子であって、解像度及び信号選択性に優れた金属ナノ粒子である。本発明の実施例で使用されるナノ粒子は、解像度及び信号選択性に優れた金属であれば特別に制限されない。本発明の実施例において、解像度は金属から発生する信号のピーク幅が狭くて、他の信号のピークと重畳なしに区別される特性を意味し、信号選択性は該当金属から生成される信号ピークの異なる金属から生成される信号ピークと区別し易く現れる程度を意味する。すなわち、解像度が高い場合、信号選択性が増加する。
本発明の実施例による金属ナノ粒子は、後述する本発明の実施例によるナノ結晶合成法によって収得される金属スルフィド(metal sulfide;以下‘MS’という)である。金属スルフィドに使用される金属としては、本発明の実施例では、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、タリウム(Tl)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)またはビスマス(Bi)が好ましく使用される。特に、亜鉛、カドミウム、鉛、または銅がより優れた解像度を有する選択的信号を生成するので、好ましく使用できる。
このような本発明の実施例による金属ナノ粒子の大きさは大部分の生体物質と大きさ範囲と類似するので、生体物質との‘ナノ粒子−生体物質複合体’の形成が容易である。
本発明の実施例によるナノ粒子標識は、生体物質と安定的に共有結合を形成することができる。この際、生体物質として、人体の疾病徴候を示す原因タンパク質を探知する特異抗体が使用できる。その後、金属ナノ粒子標識の電気化学的特性を利用して該当のナノ粒子を検出する。
本発明の実施例によるナノ粒子標識は、生体物質と安定的に共有結合を形成することができる。この際、生体物質として、人体の疾病徴候を示す原因タンパク質を探知する特異抗体が使用できる。その後、金属ナノ粒子標識の電気化学的特性を利用して該当のナノ粒子を検出する。
したがって、本発明の実施例によるナノ粒子標識を使用する場合、電気化学分析方法によって、受信される該当のナノ粒子標識の信号を分析し、ナノ粒子標識と結合した特異抗体の存在を感知し、これにより原因タンパク質を探知することができることになる。このような分析の結果によって原因タンパク質を感知することになり、その感知結果によって、特定疾病に対する徴候を診断することが可能になる。
本発明のさらに他の特徴による診断装置は、外装型ポテンショスタットを含むラック型ドッキングコンテナ500に連結されるドロペット型の診断装置400、使い捨てチップ300及び本体部200でなるマイクロピペット型診断装置、3電極を内蔵するストッパー110と連結部40を介して外装型ポテンショスタットと連結されるストッパー型診断装置を提供する。まず、ドロペット型の診断装置400を説明する。前記診断装置400は、生体試料を吸入する吸入装置10、サンプル注入口20、ポテンショスタットを内蔵するラック型のドッキングコンテナ500への連結部40、及び3極電極30を含んでなる。前記使い捨てドロペット400は、生体試料の不純物を除去する細工性膜15を含むことができる。ついで、マイクロピペット型診断装置を説明すれば、前記マイクロピペット型診断装置は、サンプル注入口20及び3電極30を含む使い捨てチップ300と、スプリング、ギアなどの各種部品を内蔵することができるピペットモジュール11、使い捨てチップ300との連結部40、モバイル回路90及びディスプレイモジュール100を含むポテンショスタットを内蔵する本体部200とを含んでなる。前記使い捨てチップ300の部分には、試料の不純物を除去する細工性膜15を含むことができる。ついで、ストッパー型診断装置を説明すれば、生体試料を含む容器のストッパー部110に3電極30を挿入し、3電極が生体試料部分と接するように容器内部に突出させ、3電極を介して測定された信号は連結部40を介して外装型ポテンショスタットに伝達される。
このように、本発明のナノ粒子標識を利用する生体物質検出及び診断キットは、各金属ナノ粒子の固有電流ピークを解釈して、検出しようとする生体物質を簡便で、かつ定量的で正確に測定することが可能である。よって、本発明のナノ粒子診断キットは、迅速、簡便な検出結果及び診断結果を示すことができる。
また、本発明のナノ粒子標識を利用する生体物質検出及び診断キットの検出限界は非常に低くて、微量の患者試料(小便、血液、体液)に含有された生体物質(抗原またはDNA)であっても正確に測定することができるので、キットの小型化が可能である。
したがって、本発明の実施例によるナノ粒子を標識として使用する診断キットは、人体の疾病(糖尿病、腎臓病、心臓疾患、癌など)を電気化学的に迅速で簡便に診断することができる。
本発明の診断装置はマイクロピペット形態のもので、容器ストッパーには電極を内蔵する情報技術が集積した小型の測定器機であって、極小量の小便、血液及び体液を含む患者試料から該当の物質を精密で簡便に診断することができるだけでなく、自家診断(point of care)が容易であるので、各種晩成疾患に対して患者が自ら対処することができるようにする。
以下、図1a及び図1bを参照して、本発明の実施例によるナノ粒子を標識として使用して特定生体物質を検出する方法について具体的に説明する。
図1aは本発明の実施例によるナノ粒子標識を利用してDNAを検出する方法を概略的に示す。図1aは検出対象が4種のDNA断片の場合、本発明のナノ結晶標識を利用して検出する方法を説明する。
図1aは本発明の実施例によるナノ粒子標識を利用してDNAを検出する方法を概略的に示す。図1aは検出対象が4種のDNA断片の場合、本発明のナノ結晶標識を利用して検出する方法を説明する。
まず、検出対象である4種のDNA断片(T1、T2、T3及びT4)にそれぞれ相補的な4種のDNA断片を求め、求められた4種のDNA断片にそれぞれ本発明のMSナノ粒子をそれぞれ結合させた。この際、DNA断片(T1)に相補的なDNA断片にZnSナノ粒子を、DNA断片(T2)に相補的なDNA断片にCdSナノ粒子を、DNA断片(T3)に相補的なDNA断片にPbSナノ粒子を、そしてDNA断片(T4)に相補的なDNA断片にCuSナノ粒子をそれぞれ結合した。
ついで、検出対象である4種のDNA断片(T1、T2、T3及びT4)を含む試料に、製造された本発明のナノ粒子で標識されたDNA断片を添加して、DNA混成化(hybridization)反応を実施した(S100)。
この際、混成化しなかったDNA断片を除去した後、混成化したDNA断片を硝酸溶液に溶解させる。その後、硝酸溶液に電極を入れ、特定の陰電位を印加して、陽イオン特性を有する本発明のナノ粒子を捕集した。本発明のナノ粒子として、陰イオン特性を有するナノ粒子を使用する場合は、陽電位を印加してナノ粒子を捕集することができる。
このように電極に捕集されたナノ粒子に、ナノ粒子検出方法の一つとして電圧ストリッピング法を実施して、各ナノ粒子に対応する電流ピークを測定した(S200)。
ついで、各ナノ粒子に対応する測定された電流ピークをサンプリングし、デジタル信号に変換して出力した(S300)。
ついで、各ナノ粒子に対応する測定された電流ピークをサンプリングし、デジタル信号に変換して出力した(S300)。
図1aはデジタル信号としてバーコードを利用した結果を示す。このようなデジタル信号を解釈して、当該デジタル信号に対応するナノ結晶を把握し、把握されたナノ結晶が結合したDNA断片、そしてそれに相補的に結合可能なDNA断片を順に把握することができる。よって、デジタル信号の解釈によって、検出しようとするDNA断片が検出対象試料に該当デジタル信号が意味する量で存在することが分かる。
ついで、図1bは本発明の実施例によるナノ粒子標識を利用して抗原を検出する方法を概略的に示す。
まず、検索しようとする4種の抗原(Ag1、Ag2、Ag3、Ag4)とそれぞれ特異的に結合可能な4種の抗体(Ab1、Ab2、Ab3、Ab4)に本発明のMSナノ粒子をそれぞれ結合した。この際、抗体(Ab1)にZnSナノ粒子を、抗体(Ab2)にCdSナノ粒子を、抗体(Ab3)にPbSナノ粒子を、そして抗体(Ab4)にCuSナノ粒子をそれぞれ結合した。
まず、検索しようとする4種の抗原(Ag1、Ag2、Ag3、Ag4)とそれぞれ特異的に結合可能な4種の抗体(Ab1、Ab2、Ab3、Ab4)に本発明のMSナノ粒子をそれぞれ結合した。この際、抗体(Ab1)にZnSナノ粒子を、抗体(Ab2)にCdSナノ粒子を、抗体(Ab3)にPbSナノ粒子を、そして抗体(Ab4)にCuSナノ粒子をそれぞれ結合した。
ついで、検出しようとする抗原を含む試料に、製造された本発明のナノ粒子で標識された抗体を添加してサンドイッチ免疫反応を実施した(S400)。
この際、抗原と特異的結合を行わない本発明のナノ粒子で標識された抗体を除去した後、結合した抗原−抗体複合体を硝酸溶液に溶解させた。その後、硝酸溶液に電極を入れ、特定陰電位を印加して、陽イオンの特性を有する本発明のナノ粒子を捕集し、捕集されたナノ粒子に特定ストリッピング電圧を印加してナノ粒子別に固有の信号ピークを測定した(S500)。
この際、抗原と特異的結合を行わない本発明のナノ粒子で標識された抗体を除去した後、結合した抗原−抗体複合体を硝酸溶液に溶解させた。その後、硝酸溶液に電極を入れ、特定陰電位を印加して、陽イオンの特性を有する本発明のナノ粒子を捕集し、捕集されたナノ粒子に特定ストリッピング電圧を印加してナノ粒子別に固有の信号ピークを測定した(S500)。
ついで、各ナノ粒子に対応する測定された電流ピークをサンプリングし、デジタル信号に変換して出力した(S600)。
このようなデジタル信号を解釈して、当該デジタル信号に対応するナノ結晶を把握し、把握されたナノ結晶が結合した抗体、そしてそれに特異的に結合可能な抗原を順に把握することができる。よって、デジタル信号の解釈によって、検出しようとする抗原が検出対象試料に当該デジタル信号が意味する量で存在することが分かる。
このようなデジタル信号を解釈して、当該デジタル信号に対応するナノ結晶を把握し、把握されたナノ結晶が結合した抗体、そしてそれに特異的に結合可能な抗原を順に把握することができる。よって、デジタル信号の解釈によって、検出しようとする抗原が検出対象試料に当該デジタル信号が意味する量で存在することが分かる。
以下、図2を参照して、本発明の実施例によるナノ粒子の製造方法について具体的に説明する。本発明の実施例によるナノ粒子は高い水溶性を有し、物理化学的安全性を有し、生体物質との高生物互換性を示す。
本発明の実施例によるナノ粒子の製造方法は、金属のヘキサデシルキサンタート(hexadecyl xanthate;以下‘HDX’という)カリウム塩の製造段階(S700)、メタルスルフィドナノ粒子の合成段階(S800)、及びナノ粒子の表面安定化キャッピング(capping)の段階(S900)を含む。
図2は本発明の実施例によるナノ粒子の製造方法を概略的に示す概念図である。
まず、HDXカリウム塩の製造段階(S700)について説明する。本実施例において、HDXは金属ナノ粒子を安定的にキャッピングしてメタルスルフィドを生成させる。図2では、ナノ粒子のための金属として、亜鉛、カドミウム、鉛及び銅を使用した。
まず、HDXカリウム塩の製造段階(S700)について説明する。本実施例において、HDXは金属ナノ粒子を安定的にキャッピングしてメタルスルフィドを生成させる。図2では、ナノ粒子のための金属として、亜鉛、カドミウム、鉛及び銅を使用した。
まず、同一濃度の0.04モールのヘキサデカノール(hexadecanol)9.69gと水酸化カリウム(KOH)2.24gを混合し、混合された溶液が全部溶解するまで150℃の温度で加熱した。混合溶液を100℃の温度で25mlのトルエンに入れ、均一に撹拌した。その後、カーボンジスルフィド(carbon disulfide)4.41gを常温で微量で少しずつ添加して黄色溶液を収得した。その後、さらに1時間強く撹拌させた後、溶液を100mlの石油エーテル(petroleum ether)に入れ、さらに2時間撹拌した。その後、溶液をガラス漏斗(glass funnel)でフィルタリングし、エーテルで洗浄する段階を数回繰り返して、最終産物としてHDXカリウム塩を収得した。具体的に、HDXカリウム塩を真空オーブンで完全に乾燥させ、さらに20mlの冷蒸溜水で洗浄した後、さらにガラス漏斗でフィルタリングし、乾燥し、エーテルで洗浄した後、メタノールで3回洗浄し、さらに乾燥させて、最終産物としてHDXカリウム塩を収得した。
本実施例では、前述したような多段階のフィルタリング及び洗浄過程によって、粒子が均一であり、溶解度と純度の高いHDXカリウム塩(C16CH2CH2OCS2 −)を収得することができた。
ついで、メタルスルフィドナノ粒子の合成(S800)及び表面安定化段階(S900)について説明する。
先に収得されたHDXカリウム塩(C16CH2CH2OCS2 −)を低温浸漬(decomposition)した。その後、HDXカリウム塩3.56gを5mlのメタノールに溶解させ、HDXカリウム塩を同一モール量のCdCl2、PbCl2、ZnCl2、CuCl2水溶液とそれぞれ2分間反応させた。反応の後、混合溶液を遠心分離した後、上澄液を除去して金属HDX型のメタルスルフィドナノ粒子を収得した(S800)。収得された金属HDXをメタノールで洗浄した後、真空オーブンで乾燥させた。
先に収得されたHDXカリウム塩(C16CH2CH2OCS2 −)を低温浸漬(decomposition)した。その後、HDXカリウム塩3.56gを5mlのメタノールに溶解させ、HDXカリウム塩を同一モール量のCdCl2、PbCl2、ZnCl2、CuCl2水溶液とそれぞれ2分間反応させた。反応の後、混合溶液を遠心分離した後、上澄液を除去して金属HDX型のメタルスルフィドナノ粒子を収得した(S800)。収得された金属HDXをメタノールで洗浄した後、真空オーブンで乾燥させた。
その後、収得された金属HDXをアルキルアミンドーパント(alkyl amine dopants)と混合させた。アルキルアミンドーパントは強力な電子供与能力を有し、金属HDX単一層を安定化させるものであると思われる。本発明の実施例に使用されるアルキルアミンドーパントとしては、強力な電子供与能力を持ち、金属HDXを安定化させるものであれば、大きく制限されないが、ヘキサデシルアミン(Hexadecylamine、以下‘HDA’という)、デシルアミン(decylamine、以下‘DA’という)、トリオクチルアミン(trioctylamine、以下‘TOA’という)が好ましく使用される。具体的に、本実施例では、Zn−HDX、及びCd−HDXに対してはHDAが使用され、Pb−HDXに対してはTOA及びDAが使用され、Cu−HDXに対してはTOA及びHDAが使用された。
アルキルアミンドーパントは、金属HDXとの混合に先立ち、まず、120℃まで加熱してから50℃まで冷却させた。その後、均一に撹拌しながら金属−HDX粉末0.05gを添加した。その後、100℃に加熱しながら30分間撹拌した後、温度を徐々に120℃まで上げ、1.5時間反応を持続させた。140℃で2分間最終反応を終えた後、徐々に70℃まで温度を降下させた。
得られた最終の金属結晶粒子はそれぞれ白色のZnSナノ結晶粒子、黄色のCdSナノ結晶粒子、黒色のPbSナノ結晶粒子、そして青緑色のCuSナノ結晶粒子であり、これらはメタノールによって凝集沈殿(flocculation)され、手軽い抽出のために試験管底に沈澱された。その後、遠心分離及び上澄液除去過程を多数回実施し、常温で乾燥させてきれいな粉末状の最終ナノ結晶粒子を収得した。
ついで、図3を参照して収得されたナノ粒子を標識として使用して所定の生体物質と結合させることにより収得されるナノ粒子−生体物質複合体の製造方法を具体的に説明する。本実施例では、生体物質として、anti−Mb、anti−HSA、anti−β2−MG、anti−CRP抗体を利用した。
図3は本発明の実施例によるナノ粒子−生体物質複合体の製造方法を概念的に示す概念図である。
図3aは本発明の実施例によるナノ粒子−抗体複合体の製造方法を概念的に示す。図3bは本発明の実施例によるナノ粒子−DNA複合体の製造方法を概念的に示す。
図3aは本発明の実施例によるナノ粒子−抗体複合体の製造方法を概念的に示す。図3bは本発明の実施例によるナノ粒子−DNA複合体の製造方法を概念的に示す。
ナノ粒子−生体物質複合体の製造方法は、先に収得した金属ナノ粒子(MS)を安定化物質とともに反応させて安定化させ、活性化物質で活性化させた後、生体物質を反応させてナノ粒子−生体物質複合体を収得する。
本発明の実施例で使用される安定化物質は、ナノ粒子を化学物理的に安定化させ、ナノ粒子の溶解度を増大させて、生体物質に対する生体互換性を増大させることで、ナノ粒子−生体物質複合体の安定化に寄与する。具体的に、安定化物質は、一側にナノ粒子と結合可能な化学的置換基を有し、反対側に複数の水溶性置換基を有する高分子物質で構成され、一側の化学的置換基でナノ粒子を取り囲んで結合し、反対側の水溶性置換基によって水溶性媒質からナノ粒子を保護してナノ粒子の安全性を保障する。また、反対側の水溶性置換基の一部を介して生体物質と共有結合を成して、ナノ粒子と生体物質間の結合を促進する。
本発明の実施例において、安定化物質は、好ましくはジチオールトレイトール(dithiolthreitol、以下‘DTT’という)またはジヒドロリポ酸(dihydrolipoic acid;以下‘DHLA’という)を使用する。このようなDTTまたはDHLAは、その表面化学的特性及び高い水溶液中の溶解度によってナノ粒子を格段に安定化させる。具体的に、DTTは、その分子構造上のチオール(−SH)基によってナノ粒子表面をナノ水準で強くて均一に取り囲んで、ナノ粒子の安定的な構造を維持するとともに、ナノ粒子の表面にヒドロキシル(hydroxyl)基を生成させて、ナノ粒子の水溶性を増大させる。ここで、安定化物質は、チオール(−SH)基の陰電荷的特性を利用して、陽電荷的特性を有するナノ粒子を均一に取り囲んで結合すると思われる。よって、安定化物質として、一側に陰電荷的特性を有する置換基が多数存在してナノ粒子を均一に取り囲んでナノ粒子を安定化させ、他側に水溶性置換基が多数存在してナノ粒子の水溶性を増大させる物質が好ましく使用される。本発明の実施例では、陰電荷的特性を有する置換基としてチオール(−SH)基を例として挙げたが、その他の陰電荷的特性を有する置換基も使用可能であり、具体的な例として水酸化基(−OH)も使用可能であると思われる。本実施例は陽電荷特性を有するナノ粒子を使用しているので、陰電荷的特性を有する安定化物質が好ましいが、陰電荷的特性を有するナノ粒子を使用する場合には、陽電荷特性を有する置換基を有する安定化物質が好ましく使用できる。
本発明の実施例で使用される活性化物質は、安定化物質の活性化を誘導して生体物質のアミノ基とカバーメート(carbamate)結合を形成することができるようにする。本発明の実施例において、活性化物質は好ましくは1,1−カルボニルジイミダゾール(1,1−carbonyl diimidazole、以下‘CDI’という)を使用した。
図3aを参照してナノ粒子−抗体複合体の製造方法を説明すれば、ナノ粒子をDTTとともに12時間撹拌させて水酸化(hydroxylated)した後(S1000)、CDIで活性化させた(S1100)。このように活性化した金属ナノ粒子(CdS、PbS、ZnS、CuS)をそれぞれ100ulのanti−Mb、anti−HSA、anti−β2−MG、ant−CRP(240M in 20mMの燐酸水溶液(PBS)、pH7.4)と常温で24時間撹拌させて反応させた(S1200)。反応の後、未反応抗体をジオキサン(dioxane)で除去した。最終の結果物を0.1M PBS(pH7.4、0.05% Tween 20)に分散させた。
図3aで、MSQD−Abはメタルスルフィド量子ドットナノ粒子がDTTを介して抗体と結合した状態を概念的に示す。
図3bを参照してナノ粒子−DNA複合体の製造方法を説明すれば、ナノ粒子をDTTとともに12時間撹拌させて水酸化(hydroxylated)した後(S1300)、CDIで活性化させた(S1400)。このように活性化した金属ナノ粒子(CdS、PbS、ZnS、CuS)をそれぞれ100ulの4種のアミノ−DNAと常温で24時間撹拌させて反応させた(S1500)。反応の後、未反応DNA断片を除去してナノ粒子−DNA複合体を収得した。
図3bを参照してナノ粒子−DNA複合体の製造方法を説明すれば、ナノ粒子をDTTとともに12時間撹拌させて水酸化(hydroxylated)した後(S1300)、CDIで活性化させた(S1400)。このように活性化した金属ナノ粒子(CdS、PbS、ZnS、CuS)をそれぞれ100ulの4種のアミノ−DNAと常温で24時間撹拌させて反応させた(S1500)。反応の後、未反応DNA断片を除去してナノ粒子−DNA複合体を収得した。
図3bで、MS QD−DNAはメタルスルフィド量子ドットナノ粒子がDTTを介してDNAと結合した状態を概念的に示す。
図3a及び3bに示すように、本発明の実施例によるナノ粒子は、CDIによって活性化したDTTを介して抗体またはDNAのような生体物質と安定的に結合する。
図3a及び3bに示すように、本発明の実施例によるナノ粒子は、CDIによって活性化したDTTを介して抗体またはDNAのような生体物質と安定的に結合する。
以下、本発明の実施例による生体物質と結合したナノ粒子標識を検出することができる検出方法について説明する。
本発明の実施例では、ナノ粒子標識の検出方法で電気化学的分析方法を利用する。本発明で使用される電気化学的分析方法は、水溶液上で実施して、電位、電流、電気伝導度、インピーダンス、キャパシタンスまたは抵抗等を測定するものであって、小型化及び迅速な信号処理が可能であるので、小規模のアレイ分析に有用である。
本発明の実施例では、ナノ粒子標識の検出方法で電気化学的分析方法を利用する。本発明で使用される電気化学的分析方法は、水溶液上で実施して、電位、電流、電気伝導度、インピーダンス、キャパシタンスまたは抵抗等を測定するものであって、小型化及び迅速な信号処理が可能であるので、小規模のアレイ分析に有用である。
本発明の実施例では、電気化学的分析方法のうち、特に方形波陰極ストリッピング電圧法を利用する。
本発明の実施例で使用されるストリッピング電圧法は2段階に大別される。まず、ナノ粒子標識で標識された生体物質を所定の水溶液に入れ、電極を位置させ、電極を介して特定電位を印加する。印加電位によって、ナノ粒子金属は該当電極方向に移動して該当電極表面に捕集される。ついで、該当電極に捕集されたナノ粒子金属に所定の電位を印加して特定電流を導通させる。この際、各ナノ粒子金属は、酸化及び還元反応により、各金属ナノ粒子の種類によって特定ピークの電流を発生することになる。このような特定ピークの電流を測定して、ナノ粒子標識の存在及びその濃度を測定する。
本発明の実施例で使用されるストリッピング電圧法は2段階に大別される。まず、ナノ粒子標識で標識された生体物質を所定の水溶液に入れ、電極を位置させ、電極を介して特定電位を印加する。印加電位によって、ナノ粒子金属は該当電極方向に移動して該当電極表面に捕集される。ついで、該当電極に捕集されたナノ粒子金属に所定の電位を印加して特定電流を導通させる。この際、各ナノ粒子金属は、酸化及び還元反応により、各金属ナノ粒子の種類によって特定ピークの電流を発生することになる。このような特定ピークの電流を測定して、ナノ粒子標識の存在及びその濃度を測定する。
本発明の実施例によるストリッピング電圧法によるナノ粒子標識検出方法は、ピコモル(picomolar)レベルの高測定限界を提供する。このような測定限界は、本発明の実施例による高純度ナノ粒子を使用することにより達成される。また、本発明の実施例によるナノ結晶粒子の大きさを触媒的に調節してセンサー信号の敏感度を大きく向上させることが可能である。
本発明の実施例によるナノ粒子を利用して多数の生体物質を同時に検出しようとする場合、各生体物質に対してそれぞれ異なる金属ナノ粒子を使用する。この場合、各ナノ粒子は、金属の種類によって特定の電流ピークを示して、多数の生体物質を同時に検出することができるようにする。
本発明の実施例において、電気化学的検出方法として使用された方形波陰電極ストリッピング電圧法は、GPESソフトウェアによって運用されるAutolab 12(Eco Chemie、オランダ)で実施された。分析のために、1.5mlガラスセル(glass cell)に2×4mm大きさのスクリーンプリンティングカーボン作業電極(Acheson−ink)、Ag/AgCl基準電極(CH Instruments、Austin、TX)、及び白金カウンター電極(CH Instruments、Austin、TX)を使用した。具体的に、検出プリンティングカーボン電極として、水銀(II)イオンまたはビズマスイオンがコートされた電極を利用した。すべての遠心分離過程はMicromax centrifuge(ThermoIEC、MA)を利用して実施した。
本発明の実施例に適用される方形波陰電極ストリッピング電圧法を具体的に説明する。
まず、ナノ粒子標識で標識された生体物質を硝酸水溶液に溶かした後、硝酸水溶液に電極を位置させる。
まず、ナノ粒子標識で標識された生体物質を硝酸水溶液に溶かした後、硝酸水溶液に電極を位置させる。
その後、電極を介して1分間0.6Vを印加して前処理し、2分間陰電位として−1、4Vを印加して電極側に金属ナノ粒子を捕集する。この際、1mlの0.1Mアセテートバッファー(pH4.5)を使用する。その後、5秒の休止期後にストリッピング電圧を印加して、各金属ナノ粒子から生成される、各金属粒子の固有電流ピークを測定する。ストリッピング電圧の印加は、具体的に1.2V〜0.12Vの電位範囲で、ステップ電位(step potential)50mV、大きさ20mV、及び周波数25Hzで実施する。得られたカーブのベースラインの矯正は、GPESソフトウェアの‘moving average’モードで行われる。すべての最終結果は、ソフトウェア自体内の‘background subtraction’オプションを通じて保存される。
図4a〜4gは、本発明の実施例によって、電気化学的検出方法で4種の抗原を検出する過程を示す。
図4aは本発明の実施例によるZnS−anti−β2−MG、CdS−anti−Mb、PbS−anti−HSA及びCuS−anti−CRPを硝酸に溶解させて収得される電流ピークを示し、このような図4aの電流ピークは電気化学的検出方法で収得された電流ピークを解釈する基準になる。
図4aは本発明の実施例によるZnS−anti−β2−MG、CdS−anti−Mb、PbS−anti−HSA及びCuS−anti−CRPを硝酸に溶解させて収得される電流ピークを示し、このような図4aの電流ピークは電気化学的検出方法で収得された電流ピークを解釈する基準になる。
図4bは、検出対象試料内に抗原がない場合、電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示す。
図4c〜図4fは、検出対象試料のそれぞれに一つの抗原ターゲットがある場合、電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示す。
図4c〜図4fは、検出対象試料のそれぞれに一つの抗原ターゲットがある場合、電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示す。
図4gは、検出対象試料に4種の抗原ターゲットがある場合、電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示す。
図4c〜図4gのバーコード及びバーコード下の数字は抗原ターゲットの濃度を示す。
図4c〜図4gのバーコード及びバーコード下の数字は抗原ターゲットの濃度を示す。
図4aに示すように、各ナノ粒子(ZnS、CdS、PbS及びCuS)で標識された抗体は互いに確実に区別される電流ピークを有し、各抗原(Ag1、Ag2、Ag3、Ag4)にそれぞれ結合した後にも、その電流ピークが変わらないことが分かる。よって、収得される電流ピークから、検出対象試料内に含まれた各抗原を定量的に検出することができる。この際、各抗原に結合した各金属イオンによる電流ピークは、亜鉛−抗原(Ag1)(ZnS−anti−β2−MG)の場合は−1.12V、カドミウム−抗原(Ag2)(CdS−anti−Mb)の場合は−0.68V、鉛−抗原(Ag3)(PbS−anti−HSA)の場合は−0.53V、そして銅−抗原(Ag4)(CuS−anti−CRP)の場合は−0.13Vの電圧範囲で現れた。
このような本発明の実施例で適用した陰極ストリッピングを用いる電圧ストリッピング法では、電位金属ナノ粒子が選択的分析の容易な電流ピーク信号を導出した。本発明の実施例のナノ粒子として適した電位金属の選定は、陰極電圧区間で互いに重畳しないながら著しい電流ピークを有する金属を選定した。陰極ストリッピング法を利用するためには、陽極性電位金属が好ましかった。しかし、陽極ストリッピング法を用いる場合、陰極性電位金属が好ましく使用できる。
このように、陽極及び陰極を同時に用いて各電極に固有の電流ピークを生成するナノ金属を用いる場合、より多い金属をナノ粒子として利用することができる。結果として、より多数の生体物質を同時に検出することが可能になる。
このように収得された電流ピークは、アナログ/デジタル変換部で、所定のデジタル変換方法によってデジタル化することができる。具体的に、収得されたアナログ型の電流ピークは、サンプリングされて対応のデジタル信号として出力される。デジタル変換方法は、電流ピーク信号の信号値の代入によるデジタル化(digitization)過程とノーマライゼーション(normalization)過程を含む。デジタル化は、統計的最適スレショルド分割(statistical optimal threshold)と区分線形補間(piecewise linear interpolation)によって実施される。
その結果として獲得された電流ピーク信号は、その大きさとトレンドによってデジタル信号に変換され、有線または無線通信手段を介して遠隔地に伝送されるか、所定のデジタル文字に保存できる。このようなデジタル文字の具体的な例としてバーコードを挙げることができる。
図4b〜4gは電流ピーク信号が変換されたバーコードを示す。図4bは電流ピークが検出されないときのバーコードを示し、図4c〜4fはそれぞれナノ粒子−抗体複合体であるZnS−Ag1、CdS−Ag2、PbS−Ag3及びCuS−Ag4が検出されたとき、測定された電流ピーク信号をバーコードに変換した例を示す。図4gは4種のナノ粒子−抗体複合体ZnS−Ag1、CdS−Ag2、PbS−Ag3及びCuS−Ag4が同時に検出されたとき、測定された電流ピーク信号をバーコードに変換した例を示す。図4b〜4gに示すバーコードにおいて、4桁の数字はそれぞれZn、Cd、Pb及びCuの固有電流ピークに対応し、その大きさは測定された電流ピークの大きさに対応する。よって、図4b〜4gに示すバーコードから、該当ナノ粒子の存在及びその含量が分かり、それから該当ナノ粒子と複合体を形成した抗体の存在及びその含量を測定することができる。
このようにデジタル化した信号は、所定のデジタルリーダー装置またはバーコードリーダー装置によって読み取られ、所定の保存媒体に保存できる。具体的に、本発明の診断キットを病院で使用する場合、各患者に対する診断結果はデジタル化して病院の患者サンプルデータベースに保存できる。
また、各生体分子(タンパク質、DNA、RNA、細胞)標識個体のバーコードバンド幅は最近脚光を浴びている無線IT技術である符号分割多元接続(Code Division Multiple Access;以下‘CDMA’という)またはユビキタス技術に組み合わせることで、無線医療診断通信機器と統合することができる。
このような本発明の電気化学的分析法は安定的な結果を示す。電気化学的分析法の安全性を5回にかけた反復テストによって評価した。下記表1に示すように、100ng/ml(水準4)の濃度で相異なる四つの抗原を含む試料が非常に高い再現性を表した。
表1は、亜鉛ナノ粒子、カドミウムナノ粒子、鉛ナノ粒子、及び銅ナノ粒子にそれぞれ結合した抗原(Ag1、Ag2、Ag3、Ag4)がそれぞれ9.3%、7.1%、11.2%、及び10.3%の相対標準偏差(relative standard deviation;以下‘R.S.D’という)を表すことを示す。
以下、図5を参照して本発明の実施例によるナノ粒子標識を用いる診断方法について説明する。
図5は本発明の実施例に他のナノ粒子標識を用いる診断方法の流れ図を示す。
図5は本発明の実施例に他のナノ粒子標識を用いる診断方法の流れ図を示す。
まず、診断しようとする目的によって、検出しようとする生体物質を選定する(S2100)。例えば、特定疾病を診断しようとする場合、該当の特定疾病によって発生する特異タンパク質を選定する。
ついで、検出しようとする生体物質と特異的に結合可能な生体結合物質を選定する(S2200)。例えば、特定抗原を検出しようとする場合、該当の特定抗原と特異的に結合する抗体を生体結合物質として選定する。
その後、生体結合物質に、本発明の実施例によって収得されたナノ粒子を結合させて、ナノ粒子−生体物質複合体を形成する(S2300)。このようなナノ粒子−生体物質複合体の形成方法は先に詳細に説明したので、ここでは省略する。
形成されたナノ粒子−生体物質複合体を、生体物質を検出しようとする試料内に混合することにより、検出しようとする生体物質とナノ粒子−生体物質複合体の結合反応を引き起こす(S2400)。
結合反応の後、検出しようとする生体物質と特異的に結合したナノ粒子−生体物質複合体を分離して同定する(S2500)。
分離されたナノ粒子−生体物質複合体を硝酸水溶液などの溶液に溶解させてナノ粒子を分離し(S2600)、電気化学的分析方法によって、ナノ粒子に対して固有の電流ピークを測定する(S2700)。このような電気化学的分析方法は先に詳細に説明したので、ここでは省略する。
分離されたナノ粒子−生体物質複合体を硝酸水溶液などの溶液に溶解させてナノ粒子を分離し(S2600)、電気化学的分析方法によって、ナノ粒子に対して固有の電流ピークを測定する(S2700)。このような電気化学的分析方法は先に詳細に説明したので、ここでは省略する。
その後、測定されたナノ粒子に対応する電流ピークを分析して、該当ナノ粒子の正体を推定し(S2800)、推定されたナノ粒子から、ナノ粒子と結合した生体物質を推定する(S2900)。推定された生体物質の有無及び生体物質の濃度などを利用して特定疾病などの発現有無を診断する。
以下、図6〜図12を参照して本発明の実施例によるナノ粒子標識を用いる診断装置について説明する。
図6(a)はラック型ドッキングコンテナ500に連結される使い捨てドロペット(dropette)型診断装置400を示す。図6(b)は使い捨てチップ300と本体部200でなるマイクロピペット型診断装置の主要構成要素を説明する概略図である。まず、図6(a)の使い捨てドロペット型の診断装置について説明する。前記診断装置400は、生体試料を吸入する吸入装置10、サンプル注入口20、ポテンショスタットを内蔵するラック型ドッキングコンテナ500への連結部40、及び3極電極300を含んでなる。前記使い捨てドロペット400は、生体試料の不純物を除去する細工性膜15を含むことができる。次に、図6(b)のマイクロピペット型診断装置を説明する。マイクロピペット型診断装置は、サンプル注入口20及び3電極30を含む使い捨てチップ300と、スプリング及びギアなどの各種部品を内蔵することができるピペットモジュール11、使い捨てチップ300への連結部40、モバイル回路90及びディスプレイモジュール100を含み、ポテンショスタットを内蔵する本体部200とを含んでなる。前記使い捨てチップ300は、生体試料の不純物を除去する細工性膜15を有することができる。
図6(a)はラック型ドッキングコンテナ500に連結される使い捨てドロペット(dropette)型診断装置400を示す。図6(b)は使い捨てチップ300と本体部200でなるマイクロピペット型診断装置の主要構成要素を説明する概略図である。まず、図6(a)の使い捨てドロペット型の診断装置について説明する。前記診断装置400は、生体試料を吸入する吸入装置10、サンプル注入口20、ポテンショスタットを内蔵するラック型ドッキングコンテナ500への連結部40、及び3極電極300を含んでなる。前記使い捨てドロペット400は、生体試料の不純物を除去する細工性膜15を含むことができる。次に、図6(b)のマイクロピペット型診断装置を説明する。マイクロピペット型診断装置は、サンプル注入口20及び3電極30を含む使い捨てチップ300と、スプリング及びギアなどの各種部品を内蔵することができるピペットモジュール11、使い捨てチップ300への連結部40、モバイル回路90及びディスプレイモジュール100を含み、ポテンショスタットを内蔵する本体部200とを含んでなる。前記使い捨てチップ300は、生体試料の不純物を除去する細工性膜15を有することができる。
図7は使い捨てドロペットの実質的な構成モデルを示す。吸入装置は弾性材からなっているので、手の圧力で押したとき、使い捨てドロペットの内部物質を押し出し、手の圧力を減らしたとき、弾性力で原状に回復する間に使い捨てドロペットの内部に物質を吸入する。細孔性膜15は生体試料内の不純物を除去する役目をする。3極電極はスクリーンプリントされた電極であって、作業電極W、カウンター電極C、及び基準電極Rで構成され、連結部40を介して、ポテンショスタットを内蔵するラック型ドッキングコンテナ500と連結される。反応槽60は2部分で構成されており、A部分は抗体及び電磁ビーズを含む試薬を含んでおり、試料及び試薬を混合させる部分である。B部分は緩衝溶液を含んでいる分析用容器部である。
図8は使い捨てドロペット200のラック型のドッキングコンテナを示す。図8(a)は反応槽60を含むラック型ドッキングコンテナの斜視図を示す。図8(b)はラック型ドッキングコンテナの断面図を示す。ラック型ドッキングコンテナは、磁力を利用して、特定抗原が認知された電磁ビーズ複合体のみを選別的に分離することができる磁石部80を有する。
図9は本発明のバイオセンサーを使用する患者小便試料(尿タンパク質)の免疫学的検定過程を示すものである。
図10は使い捨て容器と電極が付着されたストッパーでなる最も単純な自己バイオ分析用システムの概略図である。前記診断装置の生体試料保存容器のストッパー部110は3電極30、及び外装型ポテンショスタットに連結する連結部40を有する。
図10は使い捨て容器と電極が付着されたストッパーでなる最も単純な自己バイオ分析用システムの概略図である。前記診断装置の生体試料保存容器のストッパー部110は3電極30、及び外装型ポテンショスタットに連結する連結部40を有する。
図11は本発明のピペット型センサーによって同時分析された3種の抗原物質の濃度増加による陰電極免疫ストリッピング電流信号を示すグラフである。
図12は本発明の診断装置を応用した多様なバイオセンサーモデルを示す概略図である。図12(A)はマイクロピペットと磁気選別機が合体されたモデルであって、磁気選別機が外装型に別に考案される必要がない。図12(B)は血中生体分子測定用であって、必要時に使用可能なモードである。試料の収集は既存の注射器の原理と同様であり、血液を採取すると同時にすべてのバイオ分析及び診断が完了する。図12(C)は使い捨て注射器内に電極部を形成したモデルであり、図12(D)は図12(C)のモデルに磁気選別機レバーを装着したモデルである。
図12は本発明の診断装置を応用した多様なバイオセンサーモデルを示す概略図である。図12(A)はマイクロピペットと磁気選別機が合体されたモデルであって、磁気選別機が外装型に別に考案される必要がない。図12(B)は血中生体分子測定用であって、必要時に使用可能なモードである。試料の収集は既存の注射器の原理と同様であり、血液を採取すると同時にすべてのバイオ分析及び診断が完了する。図12(C)は使い捨て注射器内に電極部を形成したモデルであり、図12(D)は図12(C)のモデルに磁気選別機レバーを装着したモデルである。
以下、本発明の実施例による診断方法の一具現例として、多数の抗体及びそれぞれの抗体に対応するナノ粒子標識を使用して実施したマイクロアレイ免疫学的検定法を具体的に説明する。
まず、BDバイオコートストレプトアビジン(BioCoat streptavidin)分析プレートが平衡に到逹するまで、PBST(phosphate buffer saline containing 0.05(v/v) Tween 20、pH7.2)バッファー100ulを各ウェル(well)に約15分間分注した。その後、各ウェルを100ulのTTLバッファー(100mM TrisHCl、pH8.0、0.1% Tween and 1M LiCl)で洗浄した。先に収得されたナノ粒子標識抗体をそれぞれ1000mg/l濃度で4ulずつ準備して84ulのTTLバッファーと混合させ、30分間常温でシェーキング(100rpm)し、インキュベーションさせた。その後、上澄液を吸引(aspiration)で除去し、各ウェルを100ulのTTLバッファー(250mM TrisHCl、0.1% Tween 20)で2回洗浄した。
ついで、互いに異なる濃度の4種の抗原を5ulずつ取り、80ulのTTLバッファー(750mM NaCl、150mM sodium citrate)に添加し、キャプチャー抗体が固定されたマイクロウェルに分注した後、30分間インキュベーションさせ、各抗原を対応キャプチャー抗体と反応させた後、各ウェルをさらに100ulのTTLバッファーで洗浄した。
その後、先に前処理されたナノ粒子標識された抗体を100ulのTTLバッファーに溶解させ、ナノ粒子標識溶液を抗原の捕獲されたウェルに添加し、30分間インキュベーションを行って抗原抗体反応させた後、100ulのTTLバッファーで洗浄した。
下記の表2は、使用された各抗原(β2−MG、Mb、HSA、CRP)にそれぞれ対応するキャプチャー抗体(anti−β2−MG、anti−Mb、anti−HSA、anti−CRP)及びナノ粒子標識抗体(ZnS−anti−β2−MG、CdS−anti−Mb、PbS−anti−HSA、CuS−anti−CRP)を示す。ここで、キャプチャー抗体(anti−β2−MG、anti−Mb、anti−HSA、anti−CRP)はビオチニル化されている。
その後、20ulの1M硝酸水溶液を利用して3分間撹拌させ、ウェルに結合したナノ粒子抗体を溶解させた後、溶出されたナノ粒子標識に、10ppmの本実施例で使用される4種の金属をいずれも測定することができる水銀原子吸光基準溶液を含む1mlのアセテートバッファー(0.1M、pH4.5)を添加し、前述した電気化学法を利用して、各金属ナノ粒子から、各ナノ粒子に固有の電流ピークをそれぞれ測定した。
前記の表1から分かるように、ZnS−anti−β2−MGの検出限界は10.6ng/ml、CdS−anti−Mbの検出限界は9.5ng/ml、PbS−anti−HSAの検出限界は9.8ng/ml、そしてCuS−anti−CRPの検出限界は12.1ng/mlであることから、本発明の実施例による電気化学分析法の検出限界が非常に低いことが分かる。
したがって、典型的なタンパク尿(Proteinuria)患者の小便から検出されるタンパク質濃度範囲である40〜120mg/lが、診断において危険レベルを警告する範囲であるとすると、本発明のナノ粒子標識を使用する場合、その測定限界は前記濃度範囲よりずっと低いので、非常に微細な濃度の疾病因子までも検出可能であることが分かる。
このようなセンサー性能は、DNAを分析物質とした場合にもほぼ類似して現れる。すなわち、膀胱癌、乳房癌などを引き起こす癌遺伝子を検出することが可能なプローブに本発明の実施例によるナノ粒子標識を結合させた後に使用すると、高水準で診断することができる。
一方、より高い敏感度のために、大きさ及び形態が一層大きく調節されたバイメタル(bimetallic)ナノ粒子(例えば、CdS/ZnS core/shell構造)を使用することができる。バイメタルナノ粒子は2種のナノ粒子が互いに結合してなされる。具体的に、一つのナノ粒子の表面(core)に他種のナノ粒子を追加的に塗布することにより、拡張した大きさの合金粒子構造を形成する。バイメタルナノ粒子としてはCdS/ZnS、CdS/Pbs、またはCuS/ZnSを含み、いずれもcore/shell構造を形成する。
前述したように、本発明はナノ粒子標識を信号発生標識として用いて、検出しようとする生体物質を定量分析する方法を提供する。このように、特定の試料内で抗体またはDNAのような特定生体物質を定量的に検出することにより、検出対象に特定疾病の存在有無を診断することが可能である。
したがって、本発明のナノ粒子標識、ナノ粒子測定手段及び測定結果デジタル変換手段を含む特定の疾病に対する診断キットを構成することができる。この際、先に紹介したように、バーコードなどのようなデジタル手段を用いる場合、このような疾病診断がより容易に実施することができる。
本発明の診断キットのナノ粒子標識は、特定の生体物質を検出するためのさらに他の生体物質に結合されたナノ粒子を意味する。具体的に、特定のDNA断片を検出するため、その特定のDNA断片と相補的なDNA配列を有するDNA断片と結合したナノ粒子を意味する。さらに他の例として、特定の抗原を検出するために、その特定の抗原と特異的に結合する特定抗体に結合したナノ粒子を意味する。
このような本発明の診断キットのナノ粒子標識は、測定しようとする生体物質の種類によって交替して使用可能である。よって、一診断キットにおいて、ナノ粒子標識の交替だけで、DNA及びRNA分子(塩基配列分析による突然変異予測)、ペプチド、癌マーカー(cancer marker)、薬物(麻薬)、微生物(O157菌、食中毒菌、梅毒菌)などの多様な医学/生物学的診断が可能である。
本発明の診断キットのナノ粒子測定手段は、前述した電気化学的分析方法を具現することができる手段であれば特に制限されない。
そして、本発明の診断キットの測定結果のデジタル変換手段は、前述したように、バーコードを出力する手段であり得るが、これに限定されるものではなく、GSM(Global System for Mobile)、ブルートゥース、ユビキタス、CDMA(Code Division Multiple Access)などの尖端無線モバイルIT技術に統合できる。
そして、本発明の診断キットの測定結果のデジタル変換手段は、前述したように、バーコードを出力する手段であり得るが、これに限定されるものではなく、GSM(Global System for Mobile)、ブルートゥース、ユビキタス、CDMA(Code Division Multiple Access)などの尖端無線モバイルIT技術に統合できる。
このように、特定試料に対する診断結果がバーコードとして出力される場合、診断キットの利用者は、出力されたバーコードを病院などに設置されたバーコードリーダーで読み取って診断結果を迅速に分かることができる。このように、診断結果がデジタルとして出力される場合、診断結果は有線通信または無線通信を介して遠隔地に送信できる。よって、診断結果を評価し得るシステムを有する遠隔地は、診断キットから出力された診断結果を受信して特定試料に対する診断結果を評価し、その評価結果をさらに診断キット使用者に送信するように具現可能である。この場合、本発明の診断キットは、医学的、臨床的応用だけでなく、多様なプローブの交替によって、水質、食品などの環境モニタリング及び細菌戦、テロ(TNT)、犯罪(麻薬)などの分野で、監視システムに適用できる。
以上説明したように、本発明の実施例によるナノ粒子標識は、合成が簡便で、各金属ナノ粒子ごとに固有の酸化還元電位を持っているので、多数のナノ粒子標識の同時検出が可能である。よって、本発明の実施例によるナノ粒子標識を用いる場合、多数の生体物質検出及び診断キットの小型化が可能になる。
本発明のバイオセンサーは次のように製作した。
図6(a)に示すように、既存に広く使用される使い捨てドロペット内に適切な位置を選択してスクリーンプリンティングされた3電極を挿入し、その連結部に外装型ポテンショスタットを連結して、試料コンテナ内の尿タンパク質を定量分析するように、バイオセンサーを製作した。前記バイオセンサーは、磁力を利用して、特定抗原が認知された電磁ビーズ複合体のみを選別的に分離することができるので、ピペットで流体を注入し吸入する過程自体のみでも免疫学的検定過程を完了することができた。この際、前記ドロペットは透明な低密度ポリエチレン(low density polyethylene)で構成され、バルブ及びピペットが結合した堅固な単一体構造を有する。この親和力の小さい表面材質は、タンパク質、異物などとの結合によるノイズを防止し、ほぼ均一な一定の吸入及び放出(fixed sucking and dropping size;25mL)を可能にする。
図6(a)に示すように、既存に広く使用される使い捨てドロペット内に適切な位置を選択してスクリーンプリンティングされた3電極を挿入し、その連結部に外装型ポテンショスタットを連結して、試料コンテナ内の尿タンパク質を定量分析するように、バイオセンサーを製作した。前記バイオセンサーは、磁力を利用して、特定抗原が認知された電磁ビーズ複合体のみを選別的に分離することができるので、ピペットで流体を注入し吸入する過程自体のみでも免疫学的検定過程を完了することができた。この際、前記ドロペットは透明な低密度ポリエチレン(low density polyethylene)で構成され、バルブ及びピペットが結合した堅固な単一体構造を有する。この親和力の小さい表面材質は、タンパク質、異物などとの結合によるノイズを防止し、ほぼ均一な一定の吸入及び放出(fixed sucking and dropping size;25mL)を可能にする。
また、本発明は、図6(b)に示すように、既存に広く使用されるマイクロピペットの内部にポテンショスタットモジュールを内蔵させ、使い捨てチップ内に電極を挿入することで、バイオセンサーを製作した。前記バイオセンサーは、患者の試料をより容易に定量分析し、監視することができるようにした。この際、モバイルモジュールはピペットの内部に内蔵させた。
また、本発明は、既存の使い捨てガラスチューブ容器のストッパーに使い捨て3電極を挿入し、試薬及び試料が入れられたガラス容器をストッパーで覆って、下部に位置するマグネチックフラットフォームに付着させた。この単純な過程で診断が完了した。
また、本発明は、図11に示すように、次のように金属ナノ粒子の電圧署名(signature)を調査した。本発明は、バイオ分析法の高選択性を考慮した半導体ナノ粒子トレーサーの非オーバーラッピングプール(nonoverlapping pool)を得るために、ZnS、PbS及びCdSナノ粒子を選択して導入した。各抗原の濃度と一致する各金属イオンによるピークはそれぞれ−1.12V(Zn)、−0.68V(Cd)、−0.53V(Pb)の電圧範囲で観察された(図11参照)。
また、本発明のバイオセンサーを利用する電気化学的多重免疫学的検定法は次のように実施した。まず、方形波陰電極ストリッピング電圧(Square wave anodic stripping voltammetric:SWASV)法によって、1.5mlガラス電池(glasscell)に、2×4mmスクリーンプリンティングカーボン作業電極(screen−printed carbon(Acheson−ink)working electrodes)、Ag/AgCl基準電極(reference electrode)(CH Instruments、テキサス州、オースティン)、及び白金電極をカウンター電極として使用した。方形波陰電極ストリッピング電圧法(SWASV)は、ビズマスイオンがコートされたスクリーンプリンティングカーボンペースト電極を使用して実施した。
図1に示すように、容器A部位で、QD−抗原ナノ複合体を1分間前処理し(pretreatment)(0.6V)、−1、4Vで1分間蓄積(accumulation)する過程を実施した。この際、バッファーとしては、図1の容器B内の1mlの0.1Mアセテートバッファー(pH4.5)を使用し、ストリッピングは撹拌なしに5秒の休止期後に実行した。また、この過程において、具体的な器機運用変数は、−1.2V〜0.12Vの電位範囲で、ステップ電位(step potential)50mV、振幅20mV、及び周波数25Hzに調節した。
バイオセンサー性能において、否定的信号である抗体−抗原間の交差反応(cross reaction)を検査するために、非特異抗原であるヘモグロビン(Hb)とウシ血清アルブミン(bovine serum albumins:BSA)を試料に添加して信号を測定した。これにより、ほぼ無視し得る程度の信号が感知された。このような信号は、抗原がない試料でのノイズ信号とほぼ類似の程度であった。したがって、本発明のバイオセンサーは、非特異信号を効果的に除去する敏感度及び選択性が高いので、実際の診断において高効率を示すことを確認することができた。この際、試料が探知された電位区間は、−1.11V(b2−MG)、−0.67V(Mb)、−0.45V(HSA)に測定され、安定的な信号を示した(図11参照)。
ナノ結晶粒子は、TEM電子燎微鏡によって、そのサイズ及び形態を観察した結果、CdS、ZnS及びPbSナノ結晶粒子はそれぞれ3.9、4.5、15.7nmのサイズを現した。最終電圧ピークの大きさ及び位置は各抗原の濃度と一致するので、これによりマルチ−ターゲット定量分析が容易になることが分かった。言い換えれば、腎臓及び心血管疾患において、濃度の増加は、図11に示すように、抗原の増加であると予測可能であった(25〜125ng/ml)。図11は本発明のピペット型センサーによって同時分析された3種の抗原物質の25ng/mL濃度別増加による陰電極免疫ストリッピング電流信号を示すグラフである。ピークの電圧区間の平らなベースライン(baseline)(CdとZnピーク間の区間、またはPbピーク以後の区間)は抗原6個〜8個まで追加の同時分析のための拡張が可能であることを示唆する(図11参照)。すなわち、実際に拡張可能な金属粒子として、Ga、Cu、As、TlまたはBiなどを使用することができる。
また、5回にかけた反復テストによってセンサーの安全性を評価した。その結果、センサーは、100ng/ml(水準4)の濃度で、互いに異なる三つの抗原を含む試料で非常に高い再現性を現した。Zn、Cd、及びPbは、下記の表3に示すように、それぞれ9.3%、7.1%、及び11.2%の標準偏差ピークを現した。
典型的な蛋白尿患者の小便から検出されるタンパク質濃度範囲である40〜120mg/Lが診断において危険レベルを警告する範囲であると仮定すると、本発明のバイオセンサーは、初期25ng/ml抗原試料に対する信号対雑音(signal−to−noise)応答は10.5ng/mlの測定限界(detectionlimit)を示した。この結果は、患者の危険レベルの範囲よりずっと低い区間でもごく低い濃度の疾病因子までも検出可能であることを意味し、図11に示すように、抗原濃度の増加に比例する信号からも分かる。また、このような低い探知限界は、従来の文献で発表された光学免疫センサーの結果に比べ、非常に向上した敏感度及び選択的解像度を示す。より高い敏感度の増幅のためには、大きさと形態がもう少し調節されたバイメタル(bimetallic)ナノ粒子(例えば、CdS/ZnS core/shell構造)が未来に好適な候補物質として交替可能であろう。
本発明のバイオセンサーを使用して、バーコード、RFID、ユビキタスシステムの信号処理を次のように実施した。獲得されたアナログ信号はデジタル信号処理によってデジタル化され、医療診断及び通信のために、バーコード、RFID、ユビキタスシステム方法を適用した。マルチプレックス(Multiplex)電気的タンパク質コーディングは、免疫学的検定のマルチ−レドックス(redox)コーディングを3種の相異なるQD粒子に対して精密に調節された濃度で実施した。このような粒子の電気的維持可能性(electrical tenability)が電気化学的マルチプレックス法の最適化に寄与した。
バーコード出力(readout)を迅速にするためのデジタル信号処理は、獲得された直線アナログコーディング信号をバーコード化させるデジタルプログラムによって実施した。割り当てられたフレキシブルバンド幅はセンサーの内外部の物理的リーダーモジュールによってデジタル処理され、データベースで実際の患者サンプルを確認した。また、DNA、RNA及び細胞だけでなく、各タンパク質のバンド幅は、携帯電話技術において広く使用されるCDMA技術を使用して全体的に区分できる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義する本発明の基本概念を利用する当業者の多くの変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
以上説明したように、本発明は、使用者に便利な小型電気化学センサーを使用する生体物質の多重マルチプレックス分析を行うための医学用デジタル信号処理が統合された自家診断(point of care)装置を提供する。このようなシステムは、プローブのみを交替して、タンパク質、DNA、ウイルス、細菌などの幅広いスペクトラムを有する物質の診断に使用されるバイオセンサーであるとともに、分析時間及び過程を画期的に短縮させた簡便な診断器具である。また、これは、そのほかの装置の欠点を大幅に緩和させ、革新的な敏感度を有する電気化学的バイオ同時測定システムの進歩した必須要素である携帯型(hand−held)、電池式(battery−powered)、実時間(real−time)、使い易さ(easy−to−use)などの小型診断システムのすべての必要条件を満足させる。
また、本発明のバイオセンサーの核心技術であるバーコード無線遠距離通信による医学信号伝達体系は、なによりも患者の実時間状態を分子水準で早期モニタリングして情報化するという側面で、広く波及効果を及ぼすことができ、患者の疾病に対する臨床情報を迅速に交流させることで、既存の病院診断の際に要求された多くの煩わしさを効果的に軽減させる。さらに、前記バイオセンサーは、DNA、タンパク質、ペプチド、ホルモン受容体などの多様な生物分子センサープローブの交替のみによって、タンパク質だけでなく、DNA、RNA分子、ペプチド、微生物などの多様な医学/生物学的検出に共に適合し、公害物質、水質の検査などの環境分野への導入が期待され、食料品の品質評価及び毒性検査などの食品産業、生物化学戦、軍、警機関でのテロ及び犯罪の監視と早期警報システムにも広範囲な応用が期待される。
図3bは本発明の実施例によるナノ粒子−DNA複合体の製造方法の概念図である。
図4aは本発明の実施例によるZnS−anti−β2−MG、CdS−anti−Mb、PbS−anti−HSA及びCuS−anti−CRPを硝酸に溶解させて電流ピークを収得し、当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して得られるバーコードを示すグラフである。
図4bは検出対象試料内に抗原がない場合、電流ピーク信号を示すグラフである。
図4c〜図4fは検出対象試料のそれぞれに一つの抗原ターゲットがある場合の電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示すグラフである。
図4c〜図4fは検出対象試料のそれぞれに一つの抗原ターゲットがある場合の電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示すグラフである。
図4gは検出対象試料に4種の抗原ターゲットがある場合、電流ピーク信号及び当該電流ピーク信号をデジタル信号に変換して具現されるバーコードを示すグラフである。
図5は本発明の実施例によるナノ粒子標識を用いる診断方法を示す流れ図である。
図6は使い捨てドロペット(dropette)型診断装置(a)及び使い捨てチップを用いるマイクロピペット型診断装置(b)の主要構成要素を説明する概略図である。
図7は使い捨てドロペットの実質的構成を示すモデルである。
図8はピペットチップ及び試薬容器が結合したドッキング型診断装置の電気分析装置を説明する概略図である。図8(a)は使い捨てドロペット型に連結されるラック型ドッキングコンテナの斜視図を示し、図8(b)はその断面図を示す。
図9は本発明の診断装置を使用する患者小便試料(尿タンパク質)の免疫学的検定過程を示す。
図10は使い捨て容器と電極が付着されたストッパーでなる最も単純な自己バイオ分析用システムの概略図である。
図11は本発明のピペット型センサーによって同時分析された3種の抗原物質の濃度増加による陰電極免疫ストリッピング電流信号を示すグラフである。
図12は本発明の診断装置を応用した多様なバイオセンサーモデルを示す概略図である。
10:吸入装置;
11:スプリング及びギアなどの各種部品を内蔵する一般ピペットモジュール;
15:細工性膜;
20:サンプル注入口;
30:3極電極;
40:ドッキングコンテナへの接続部;
50:ディスプレイ;
60:反応槽;
70:ラックホルダー;
80:希土類金属磁石;
90:モバイル回路;
100:小型ストリップセンサー/ディスプレイモジュール;
110:電極が付着されたストッパー;
120:一般試験用ガラス容器;
130:シリンダー型PVCプラットフォーム;
200:本体部;
300:使い捨てチップ;
400:ドロペット;
500:ラック型ドッキングコンテナ
11:スプリング及びギアなどの各種部品を内蔵する一般ピペットモジュール;
15:細工性膜;
20:サンプル注入口;
30:3極電極;
40:ドッキングコンテナへの接続部;
50:ディスプレイ;
60:反応槽;
70:ラックホルダー;
80:希土類金属磁石;
90:モバイル回路;
100:小型ストリップセンサー/ディスプレイモジュール;
110:電極が付着されたストッパー;
120:一般試験用ガラス容器;
130:シリンダー型PVCプラットフォーム;
200:本体部;
300:使い捨てチップ;
400:ドロペット;
500:ラック型ドッキングコンテナ
Claims (49)
- 亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子;
所定の生体物質;及び
一側に前記ナノ粒子と結合可能な電荷特性の置換基を有し、反対側に複数の水溶性置換基を有する高分子鎖を有し、前記一側の置換基を介して前記ナノ粒子と結合し、前記反対側の複数の水溶性置換基を介して前記ナノ粒子を安定化させ、前記複数の水溶性置換基を介して前記生体物質との結合をなす結合安定化物質;
を含む、ナノ粒子−生体物質複合体。 - 前記ナノ粒子が、メタルスルフィド型であることを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記ナノ粒子が、亜鉛、カドミウム、鉛及び銅よりなる金属群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記ナノ粒子が、2種以上のナノ粒子と結合して形成されるナノ粒子複合体を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記生体物質が、DNAまたはRNAを含む核酸、アミノ酸、核酸−アミノ酸の複合体、脂肪、糖蛋白質、Ca2+、cAMP、cGMP、IP3及びDAGを含む信号伝達物質、及び抗体よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記結合安定化物質が、ジチオールトレイトール(dithiolthreitol)またはジヒドロリポ酸(dihydrolipoic acid)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記結合安定化物質が所定の活性化物質によって活性化し、活性化した結合安定化物質が前記生体物質との結合をなすことを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記活性化物質が1,1−カルボニルジイミダゾール(1,1−carbonyldiimidazole)であることを特徴とする、請求項7に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 前記結合安定化物質と前記生体物質との結合がカバーメート(carbamate)結合であることを特徴とする、請求項7に記載のナノ粒子−生体物質複合体。
- 生体物質を標識するナノ粒子を製造するナノ粒子の製造方法において、
ヘキサデカノール、水酸化カリウム及びカーボンジスルフィドを反応させて、ヘキサデシルキサンタート(hexadecyl xanthate;HDX)カリウム塩を製造する段階;
亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子を収得したHDXカリウム塩と反応させてHDXメタルスルフィドナノ粒子を製造する段階;及び
前記HDXメタルスルフィドナノ粒子に所定のアルキルアミンドーパントを反応させて、メタルスルフィドナノ粒子を製造する段階を含む、ナノ粒子の製造方法。 - 前記ナノ粒子が、亜鉛、カドミウム、鉛及び銅よりなる金属群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。
- 前記HDXカリウム塩の製造段階は、
前記ヘキサデカノールと前記水酸化カリウムを混合し、混合された溶液がすべて溶解するまで加熱する段階;
前記混合溶液をトルエンに入れて均一に撹拌させ、前記カーボンジスルフィドを添加する段階;
前記混合溶液を石油エーテルに入れ、さらに撹拌する段階;及び
前記混合溶液をガラス漏斗でフィルタリングし、エーテルで洗浄する過程を繰り返す段階を含むことを特徴とする、請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。 - 前記アルキルアミンドーパントは、ヘキサデシルアミン、デシルアミン及びトリオクチルアミンよりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。
- HDX亜鉛スルフィドナノ粒子またはHDXカドミウムスルフィドナノ粒子に対しては、前記アルキルアミンドーパントとしてヘキサデシルアミンを使用し、HDX鉛スルフィドナノ粒子に対しては、前記アルキルアミンドーパントとしてデシルアミンまたはトリオクチルアミンを使用し、HDX銅スルフィドナノ粒子に対しては、前記アルキルアミンドーパントとしてヘキサデシルアミンまたはトリオクチルアミンを使用することを特徴とする、請求項13に記載のナノ粒子の製造方法。
- ナノ粒子標識を利用して所定の生体物質を検出する診断キットにおいて、
亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる金属群から選択される一種以上のナノ粒子、前記ナノ粒子と結合安定化物質を介して結合され、検出しようとする生体物質と特異的に結合する1種以上の生体結合物質、及び前記ナノ粒子と前記生体結合物質の結合をなす結合安定化物質を含むナノ粒子−生体物質複合体;
前記ナノ粒子−生体物質複合体から前記ナノ粒子を分離抽出する抽出溶液;
前記抽出溶液から前記ナノ粒子を捕集する集電極;及び
前記集電極から捕集された前記ナノ粒子に対応する電流ピークを測定する電流ピーク測定部;
を含む、診断キット。 - 前記ナノ粒子がメタルスルフィド型であることを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記ナノ粒子が、亜鉛、カドミウム、鉛及び銅よりなる金属群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記ナノ粒子が2種以上のナノ粒子と結合して形成されるナノ粒子複合体であることを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記生体物質が、DNAまたはRNAを含む核酸、アミノ酸、核酸−アミノ酸の複合体、脂肪、糖蛋白質、Ca2+、cAMP、cGMP、IP3及びDAGを含む信号伝達物質、及び抗体よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記結合安定化物質が、ジチオールトレイトールまたはジヒドロリポ酸であることを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記捕集された前記ナノ粒子から測定される電流ピークをデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換部をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 4種以上のナノ粒子−生体物質複合体を使用して4種以上の生体物質を同時に検出することを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記抽出溶液が硝酸溶液を含むことを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記ナノ粒子が陽イオン特性を有する場合、前記集電極に所定の陰電位を印加し、前記ナノ粒子が陰イオン特性を有する場合、前記集電極に所定の陽電位を印加することを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記電流ピーク測定部は、前記集電極に捕集された前記ナノ粒子に所定の電位を印加して、前記ナノ粒子を酸化/還元反応させ、前記ナノ粒子の酸化/還元反応から発生する各ナノ粒子に固有の電流ピークを測定することを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記集電極に所定の陰電位または陽電位を印加して、それぞれ陽イオン特性のナノ粒子または陰イオン特性のナノ粒子を捕集し、前記電流ピーク測定部は、捕集された前記ナノ粒子からそれぞれ発生する前記ナノ粒子に固有の電流ピークをそれぞれ測定することを特徴とする、請求項25に記載の診断キット。
- 前記デジタル信号を解釈し、前記デジタル信号に対応する生体物質の正体及び/または検出された生体物質の含量を推定するデジタル信号リーダー部をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記デジタル信号を所定のバーコードに変換するバーコード変換部をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- 前記デジタル信号を有線または無線通信を介して所定の遠隔診断部に伝送し、前記遠隔診断部から前記デジタル信号の解釈結果を受信する通信部をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の診断キット。
- ナノ粒子標識を用いる診断方法において、
検出しようとする1種以上の生体物質と特異的に結合可能な1種以上の生体結合物質を決定する段階;
亜鉛、カドミウム、鉛、銅、ガリウム、ヒ素、タリウム、ニッケル、マンガン及びビスマスよりなる群から1種以上の粒子を選択し、前記1種以上の生体結合物質とそれぞれ結合させて1種以上のナノ粒子−生体物質複合体を形成する段階;
前記1種以上のナノ粒子−生体物質複合体を診断しようとする試料内に入れて混合して、前記検出しようとする1種以上の生体物質と1種以上のナノ粒子−生体物質の結合を誘導する段階;
前記生体物質と特異的に結合したナノ粒子−生体物質複合体を分離する段階;
分離されたナノ粒子−生体物質複合体から前記ナノ粒子を分離して捕集する段階;及び
前記捕集されたナノ粒子に対応する固有の電流ピークを測定する段階;
を含む、診断方法。 - 前記ナノ粒子が、メタルスルフィド型であることを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記ナノ粒子が、亜鉛、カドミウム、鉛及び銅よりなる金属群から選択される1種であることを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記ナノ粒子が、2種以上のナノ粒子と結合して形成されたナノ粒子複合体であることを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記生体物質が、DNAまたはRNAを含む核酸、アミノ酸、核酸−アミノ酸の複合体、脂肪、糖蛋白質、Ca2+、cAMP、cGMP、IP3及びDAGを含む信号伝達物質、及び抗体よりなる群から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記ナノ粒子−生体物質複合体の形成段階が、
一側にナノ粒子と結合可能な電荷特性の置換基を有し、反対側に複数の水溶性置換基を有する高分子鎖型の結合安定化物質を前記ナノ粒子と結合させて前記ナノ粒子を安定化させる段階;
前記安定化されたナノ粒子に結合した結合安定化物質を活性化させる段階;及び
前記活性化した結合安定化物質と前記生体結合物質を結合させる段階;
を含むことを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。 - 前記活性化段階は、前記ナノ粒子−結合安定化物質複合体にカルボニルジイミダゾールを反応させて前記結合安定化物質を活性化させることを含むことを特徴とする、請求項35に記載の診断方法。
- 前記検出しようとする生体物質がDNAまたはRNAの場合、前記生体結合物質は該当DNAまたはRNAと相補的に結合可能な相補鎖を含むDNAまたはRNAであることを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記検出しようとする生体物質が抗原の場合、前記生体結合物質は前記抗原と特異的に結合する抗体であることを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記測定された電流ピークをデジタル信号に変換する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の診断方法。
- 前記変換されたデジタル信号を有線または無線通信を介して所定の遠隔診断部に伝送する段階;及び
前記遠隔診断部から前記デジタル信号に対する診断結果を受信する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項39に記載の診断方法。 - 生体試料を吸入する装置を備えるマイクロピペットを含むことを特徴とする、請求項15ないし29のいずれか1項に記載の診断キット。
- 前記マイクロピペットは、スクリーンプリンティングされた使い捨て電極を含む使い捨てチップ、及び前記使い捨てチップの電極と接続される外装型ポテンショスタットを含むことを特徴とする、請求項41に記載の診断キット。
- 前記マイクロピペットは、生体試料の不純物を除去する細工性膜を含むことを特徴とする、請求項41に記載の診断キット。
- 試薬を収容している容器が挿入されるラック型のドッキングコンテナに磁石を備えることを特徴とする、請求項41に記載の診断キット。
- 前記マイクロピペット内にモバイルチップを内蔵することを特徴とする、請求項41に記載の診断キット。
- 前記マイクロピペット内に電気化学的測定モジュールまたは光学測定モジュールを含むことを特徴とする、請求項41に記載の診断キット。
- 生体試料の保存容器のストッパー部分に電極を含むことを特徴とする、請求項15ないし29のいずれか1項に記載の診断キット。
- ポテンショスタットと連結される電極を含む、使い捨てチップ。
- 生体試料の不純物を除去する細工性膜を含むことを特徴とする、請求項48に記載の使い捨てチップ。
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