JP2008545939A - 空気ばね用のプラスチック製プランジャピストン - Google Patents
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Abstract
本発明は、空気ばね用のプランジャピストン(10)に関する。空気ばねは、緩衝されるべき構成部材(12)、特に車両フレームと、弾発する構成部材(14)、特に自動車の車軸支持体との間で働く。プランジャピストンは中空体として形成されており、この中空体の、下側に位置するプランジャピストン端部(16)は弾発する構成部材(14)と結合されており且つ上側に位置するプランジャピストン底部(18)は圧縮空気を供給可能な空気ばねベローズ(20)と結合されている。この空気ばねベローズ(20)は、他方では緩衝されるべき構成部材(12)と結合されており且つばね運動時にプランジャピストン周壁(22)の外面に沿って延展する。下側に位置するプランジャピストン端部(16)は、開いて形成されており且つ開口の縁部域を取り囲む補強部材(24)を備えている。
Description
本発明は、自動車において使用されるような空気ばねのためのプランジャピストンに関する。このような空気ばねは、緩衝されるべき構成部材、特に車両フレームと、弾発する構成部材、特に自動車の車軸支持体との間で働く。プランジャピストンは中空体として形成されており、この中空体の下側に位置するプランジャピストン端部は、弾発する構成部材と結合されており且つ上側に位置するプランジャピストン底部は、圧縮空気を供給可能な空気ばねベローズと結合されている。この空気ばねベローズも、やはり緩衝されるべき構成部材と結合されており且つばね運動時にプランジャピストン周壁の外面に沿って延展する。
このような空気ばねは、特に商用車において使用されるが、相対的に運動する2つの構成部材を相互に緩衝する必要のある機械においても使用される。空気ばねベローズ内で可変の空気圧により、ばね作用に影響を及ぼすことができる。
公知の空気ばねの場合は、特に構造条件又は構成空間制限に基づき、空気ばねベローズの下端部が取り付けられたプランジャピストンが、例えば車軸支持体等の弾発する構成部材に完全には支持されないという障害が発生する。このことは組立て時に、確実に機能する取付けに関して問題を生ぜしめる。
公知のプランジャピストンは中空体として形成されているので、不都合な組込み状況において、開いたプランジャピストン下端部が車軸支持体に当接する時に、更に応力問題が生じる恐れがある。この応力問題は、特に弾発する構成部材における、プランジャピストンの下端部の支持面の領域に生じる。その結果、変形又は亀裂形成及び剪断破砕がプランジャピストンに生じる恐れがあるので、空気ばねベローズがばね運動時にプランジャピストン周壁の外面に沿って正しく延展することは、最早確実には保証されていない。更に、不都合に変形する恐れのあるプランジャピストンは、空気ばねベローズと弾発する構成部材との間の十分な力伝達及び力配分を保証することはできない。いずれにしろ、空気ばねの満足のいくばね作用は保証されていない。
この障害を取り除くためには、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19720776号明細書又はドイツ連邦共和国特許出願公開第19733281号明細書に記載されているような空気ばねにおいて、弾発する構成部材に面した側の、プランジャピストンの開いた円形の下端部に、直接に円形の金属板を設けることが公知である。この板は、ねじ締結によりプランジャピストンと固着されている。当該の板は一方では、プランジャピストンの開いた端部が、特に板平面内で変形しないように保護するために役立つと同時に、プランジャピストン全体の形状安定性を保証するために寄与する。他方では、当該の板はプランジャピストンと弾発する構成部材との間で固定手段を得るために使用される。この目的のためには、当該の板にねじが設けられている。
公知の空気ばねにおいてプランジャピストンに組み込まれる板は、付加的にプランジャピストンに取り付けねばならない組込み部材を成している。これにより、製作コスト及び材料コストが不都合に高くなる。
従って本発明の課題は、簡単且つ廉価に製作され得るにもかかわらず、十分な形状安定性を有しており延いては不都合な変形及び亀裂形成に対して保護された空気ばね用のプランジャピストンを提供することである。更に、本発明によるプランジャピストンは、空気ばねベローズと弾発する構成部材との間で確実な力伝達及び力配分を保証しようとするものである。
本発明のこの課題は、請求項1の特徴部に記載の構成、即ち、下側に位置するプランジャピストン端部が開いて形成されており且つ開口の縁部域を取り囲む補強部材を備えており、プランジャピストンが少なくとも部分的にプラスチックから成っており、前記補強部材が少なくとも部分的にプラスチックに埋め込まれていることを特徴とする、空気ばね用のプラスチック製プランジャピストンによって解決される。有利な改良は従属請求項にそれぞれ記載されている。
これによれば、下側に位置するプランジャピストン端部が開いて形成されており且つ開口の縁部域を取り囲む補強部材が設けられている。この補強部材は十分な形状安定性を保証し且つ不都合な変形及び亀裂形成に対する保護手段を提供する。例えば板等の付加的な補強装置を後から組み込むことを省くことができ、これにより組込み手間が最小限にされている。更に、付加的な組込み材料が節約されるので、材料費が削減され得る。
可能な限り制限される組込みスペースに関してプランジャピストンの外寸を小さく保持するためには、補強部材が開口の内側の縁部域に配置されていてよい。この場合、製作技術的に簡単に開口が円形に形成され且つ補強部材がリング部材として形成されていてよい。このようなリング状の補強部材は、特に変形に対する安定的な保護手段を提供する。
材料コスト及び製作コストを低く保持するためには、プランジャピストンが少なくとも部分的にプラスチックから成っており、この場合、補強部材は少なくとも部分的にプラスチックに埋め込まれている。この場合は例えばプレス法又は射出成形法が、方法技術的に容易な製作法として適用可能である。この目的のためには、補強部材は射出成形又はプレス前に容易に型工具に入れられて、次のプロセスでプラスチックにより包囲される。
補強部材の部分が露出しており、環境による影響に晒されている場合には、補強部材が耐食性材料、特に耐食性の鋼から成っていてよい。プラスチック製の補強材料又は例えばグラスファイバ等の無機材料の使用も考えられる。
択一的に、補強部材は完全にプラスチックにより取り囲まれていてよい。この場合は、補強部材が非耐食性の金属から成っていてもよい。
弾発する構成部材におけるプランジャピストンの組込みを特に簡単にすると同時に、このプランジャピストンの形状安定性を更に改善するためには、中空のプランジャピストンの内部に支持ピンが配置されていてよい。この支持ピンは、上側に位置するプランジャピストン底部から下側に位置するプランジャピストン端部に向かって延びており、支持ピンの下端部には、弾発する構成部材にプランジャピストンを組み込むためのねじ装置が取り付けられている。
腐食から保護するためには、支持ピンはプラスチックにより被覆されていてよい。
支持ピンは、組込み時に初めて挿入されるので、既に組込み前に垂直方向の変形に関して形状を安定化されるプランジャピストンは、支持ピンを巡ってほぼ管状のプラスチック部材が配置されていることにより形成されていてよく、このプラスチック部材の上端部はプランジャピストンと結合されている。
特に簡単且つ製作技術的に有利に、プランジャピストン周壁、プランジャピストン底部及び支持ピンの被覆部若しくはほぼ管状のプラスチック部材が、プラスチックから一体に製作されていてよい。この場合、特に廉価な射出成形法が適用可能である。
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
図示の空気ばねは、車両フレーム12(詳しくは図示せず)と商用車の車軸支持体14(詳しくは図示せず)との間に配置されている。この空気ばねは、圧縮空気を供給可能な空気ばねベローズ20を有しており、この空気ばねベローズ20の上縁部20aは車両フレーム12と結合されている。このためには、空気ばねベローズ20の上縁部がシール作用を以てばね皿13に取り付けられており、このばね皿13もやはり、車両フレーム12にねじ締結されている。
空気ばねベローズ20の下縁部20bは、プランジャピストン10の上側に位置するプランジャピストン底部18と、固定皿19との間にシール作用を以て締め込まれている。ばね運動に際して、空気ばねベローズ20はプランジャピストン周壁22の外面に沿って延展する。プランジャピストン10の内部には支持ピン26が配置されており、この支持ピン26の上端部27はねじ29によって固定皿19と結合されており且つ支持ピン26の下端部28はねじ締結部30を介して車軸支持体14と結合されている。ねじ29は緩衝器31を支持しており、この緩衝器31には空気ばねの最大弾発時に、空気ばねベローズ20のばね皿13が当接する。
プランジャピストン10は、プラスチックから射出成形法で製作されており且つ下側に位置するプランジャピストン端部16が開いた、円形の開口を備えた中空体として形成されている。前記開口の縁部域を取り囲んで、環状の鋼製の補強部材24が設けられている。製作時にこの補強部材24は射出成形前に射出成形型に入れられて、続く射出成形時に一緒に埋め込まれるので、当該の補強部材24はプラスチックにより完全に包囲されている。
支持ピン26を巡ってほぼ管状のプラスチック部材32が配置されており、このプラスチック部材32の上端部34はプランジャピストン底部18と結合されている。プラスチック部材32はその上端部34に向かって円錐状に拡がっている。プラスチック部材32の下端部には、車軸支持体14のための拡げられた当接領域33が形成されている。組込み時に支持ピン26は、ほぼ管状のプラスチック部材32に挿し通されて、一方では固定皿19と且つ他方では車軸支持体14とねじ締結される。
プランジャピストン周壁22、プランジャピストン底部18及びほぼ管状のプラスチック部材32は、射出成形法でプラスチックから一体に製作されている。有利には、プランジャピストン10によって取り囲まれた内室に、複数の補強部材、例えば補強リブが一体に成形されていてよい。この場合は離型上の理由から、前記補強部材はプランジャピストン10の開いた端部に対してアンダカット無しで形成されている。これらの補強部材は、例えばプランジャピストン周壁22の内側を、プランジャピストン底部及び/又はプラスチック部材32に結合することができる。
Claims (11)
- 緩衝されるべき構成部材(12)と弾発する構成部材(14)との間で働く空気ばね用のプランジャピストン(10)であって、該プランジャピストンが中空体として形成されており、該中空体の、下側に位置するプランジャピストン端部(16)が弾発する構成部材(14)と結合されており且つ上側に位置するプランジャピストン底部(18)が圧縮空気を供給可能な空気ばねベローズ(20)と結合されており、該空気ばねベローズもやはり、緩衝されるべき構成部材(12)と結合されており且つばね運動時にプランジャピストン周壁(22)の外面に沿って延展するようになっている形式のものにおいて、
下側に位置するプランジャピストン端部(16)が開いて形成されており且つ開口の縁部域を取り囲む補強部材(24)を備えており、プランジャピストン(10)が少なくとも部分的にプラスチックから成っており、前記補強部材(24)が少なくとも部分的にプラスチックに埋め込まれていることを特徴とする、空気ばね用のプラスチック製プランジャピストン。 - 補強部材(24)が前記開口の内側の縁部域に配置されている、請求項1記載のプランジャピストン。
- 前記開口が円形に形成されており、前記補強部材(24)がリング部材として形成されている、請求項1又は2記載のプランジャピストン。
- 補強部材(24)が耐食性の材料から成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載のプランジャピストン。
- 補強部材(24)がプラスチックにより完全に包囲されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のプランジャピストン。
- 補強部材(24)が非耐食性の金属から成っており且つプラスチックにより完全に包囲されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のプランジャピストン。
- 中空のプランジャピストン(10)の内部に支持ピン(26)が配置されており、該支持ピンが、上側に位置するプランジャピストン底部(18)から下側に位置するプランジャピストン端部(16)に向かって延びており、当該支持ピン(26)の下端部(28)に、弾発する構成部材(14)にプランジャピストン(10)を組み付けるためのねじ装置(30)が取り付けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載のプランジャピストン。
- 支持ピン(26)がプラスチックで被覆されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のプランジャピストン。
- 支持ピン(26)を巡ってほぼ管状のプラスチック部材(32)が配置されており、該プラスチック部材の上端部(34)がプランジャピストン底部(18)と結合されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のプランジャピストン。
- プランジャピストン周壁(22)、プランジャピストン底部(18)及び支持ピンの被覆部又はほぼ管状のプラスチック部材(32)が、プラスチックから一体に製作されている、請求項8又は9記載のプランジャピストン。
- 請求項1から10までのいずれか1項記載のプランジャピストン(10)が設けられた空気ばね。
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