JP2008545792A - β−ラクタムの合成 - Google Patents

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Abstract

本発明は、β-ラクタムの製造法に関する。「ワンポット」合成として、イミンをケテンアセタールまたはエノラートで環縮合してβ-ラクタム生成物を生成する。本方法は通例、従来の方法よりも高い温度で行う。

Description

本発明は、一般に、β-ラクタム製造のための改良された合成法に関する。
β-ラクタムは、種々の用途において有用性を有する。それらは、生物活性を有し、従って、ある種の用途に使用される。それらは、種々の他の生物活性化合物の合成中間体としても機能する。
Chem. Rev. 1989, 89, 1447-1465において、Hartらは、β-ラクタムを生成するためにエノラート-イミン縮合反応を使用することを記載している。これらの経路には、亜鉛エノラートおよびレフォルマトスキー試薬、ならびに金属およびホウ素エノラートと不飽和窒素含有化合物との反応を使用することが含まれる。特に、Hartらは、N-非置換-3-エチル-4-プロピル-アゼチジン-2-オンを生成するための、N- (トリメチルシリル)イミンと、酪酸エチルのリチウムエノラートとの反応を開示している。一般に、中間体の分解の故に、反応は−78℃の温度条件を必要とする。
米国特許第5723634号において、Holtonらは、N-非置換-およびN-置換-3-ヒドロキシβ-ラクタムを生成する合成経路を記載している。リチウムエノラート(エチルトリエチルシロキシアセテートおよびリチウムジイソプロピルアミドから生成)が、イミン(アリールアルデヒトおよびリチウムヘキサメチルジシラジドから生成)と縮合環化して、3-トリエチルシロキシ-4-アリールアゼチジン-2-オンを生成する。得られたアリールアゼチジン-2-オンを、塩基の存在下の塩化ベンゾイルでの処理によって、N-ベンゾイルβ-ラクタムに変換することができる。
本発明の種々の態様の1つは、より少ない工程を有するβ-ラクタム製造法であって、従来法より高い温度で行うことができる製造法である。
1つの態様は、式1に対応するβ-ラクタムの製造法である。該方法は、アルコキシドまたはシロキシドの存在下に、式2に対応するイミンを、式3に対応するケテン(チオ)アセタールで処理することを含んで成る:
Figure 2008545792
Figure 2008545792
[式中、
X1aは、シリル保護基、金属であるか、またはアンモニウムを含んで成り;
X1bは、スルフヒドリルまたはヒドロキシル保護基であり;
X2aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6、-SX7または-NX8X9であり;
X2bは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6または-SX7であり;
X3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロシクロであり;
X6は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロまたはヒドロキシル保護基であり;
X7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロまたはスルフヒドリル保護基であり;
Xは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;
X9は、水素、アミノ保護基、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;
R1bは、酸素または硫黄であり;
R51、R52およびR53は、独立して、アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
但し、
X1aが金属でありR1bが酸素であるとき、X1bはシリル保護基であるものとする]。
他の目的および特徴は、一部は明らかであり、一部は以下に記載する。
本発明の方法によれば、N-非置換-3,4-置換β-ラクタムは、−78℃より高い温度で実施される「ワンポット」合成法によって、生成しうる。一般に、N-非置換-3,4-置換β-ラクタムの従来の合成法に使用されるリチウムエノラート中間体は、−78℃より高い温度では、イミンとの反応前に分解する。しかし、本発明の方法に使用されるケテン(チオ)アセタール中間体は、氷水浴、または0℃に近い反応温度を与える他の氷および溶媒混合物を用いて好都合に達成される温度において、分解しない。好都合にも、この方法は、中間体を分離する必要がなく、使用される反応物、反応時間および複雑さを減少させる一方で、全体としての収率および効率を増加させる。
一般に、イミンを、アルコキシドまたはシロキシドの存在下に、ケテン(チオ)アセタールと縮合環化して、β-ラクタム生成物を得る。この縮合環化反応の好ましい実施態様を、反応式1に示す。この反応式において、イミン2を、アルコキシドまたはシロキシドの存在下に、ケテン(チオ)アセタール3と縮合環化させて、β-ラクタム1を生成する。
Figure 2008545792
反応式1
[式中、X1a、X1b、X2a、X2b、X3、R1b、R51、R52およびR53は、先に定義したとおりであり、-ORは、アルコキシドまたはシロキシドイオンである]。
ケテン(チオ)アセタールは商業的に入手可能であり、またはカルボン酸からインサイチュで生成してもよく、イミンは商業的に入手可能なアルデヒドおよびジシラジドからインサイチュで生成しうる。
β-ラクタム
本発明の1つの態様は、式1に対応するβ-ラクタムの製造である。次に、式1に対応するβ-ラクタムを、N-アシル化またはN-シリル化して、式1Aに対応するβ-ラクタムを生成しうる:
Figure 2008545792
[式中、
X2a、X2b、X3およびX8は、式1に関して先に定義したとおりであり;
X5は、-COX10、-COOX10、-CONX8X10または-SiR51R52R53であり;
X10は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;
R51、R52およびR53は、独立して、アルキル、アリールまたはアラルキルである]。
一実施態様において、X2aは-OX6であり、X6はヒドロキシル保護基である。例えば、X2aは-OX6であってよく、X6は-SiR21R22R23であり、R21、R22およびR23は、独立して、アルキル、アリールまたはアラルキルである。1つの好ましい実施態様において、X2aは-OX6であり、X6は-SiR21R22R23であり、R21、R22およびR23は、独立して、メチル、エチル、プロピル、フェニルまたはベンジルである。
同様に、X2bは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6または-SX7であってよいが、一実施態様において、好ましくは、X2bは水素またはアルキルである。より好ましくは、X2bは水素である。
一実施態様において、X3は、アルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロシクロである。別の実施態様において、X3は、アルキル、アルケニル、フェニルまたはヘテロシクロである。例えば、X3は、シクロアルキル、例えばイソプロピル、アルケニル、例えばイソブテニル、またはヘテロシクロ、例えばフリルまたはチエニルであってよい。1つの好ましい実施態様において、X3は、フェニル、フリルまたはチエニルである。
1つの好ましい実施態様において、X5は-COX10であり、X10は、アルキル、アルケニルまたはアリールであり;例えば、X5は-COX10であってよく、X10はフェニルである。別の実施態様において、X5は-COOX10であり、X10はアルキルであり;例えば、X5は-COOX10であってよく、X10は、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルまたはtert-ブチルである。1つの好ましい実施態様において、X5は-COOX10であり、X10はtert-ブチルである。または、X5は-SiR51R52R53であり、R51、R52およびR53は、好ましくは、独立してアルキルであり;より好ましくは、R51、R52およびR53は、独立して、メチル、エチル、プロピルまたはブチルであり;さらに好ましくは、R51、R52およびR53はメチルである。
組合せにおいて、好ましい実施態様として挙げられるのは、X2aは-OX6であり、ここで、X6はヒドロキシル保護基であり、X2bは水素であり、X3は、アルキル、アリールまたはヘテロシクロ、好ましくはシクロアルキル、より好ましくは、フェニル、フリルまたはチエニルであり;X5は、水素、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アロイルまたはアルコキシカルボニル、好ましくは、ベンゾイル、アルコキシカルボニル、より好ましくは、ベンゾイル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニルまたはtert-ブトキシカルボニルである、式1および1Aに対応するβ-ラクタムである。特定の実施態様において、X2bは水素であり、X3はフェニルであり、X2aは-OX6であり、ここで、X6は-SiR21R22R23であり、ここで、R21、R22およびR23は、独立してアルキルであり、好ましくは、R21、R22およびR23は、独立して、メチル、エチルまたはプロピルである。
イミン
反応式1に示すように、式1に対応するβ-ラクタムは、式2
Figure 2008545792
[式中、
R51、R52およびR53は、独立して、アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
X3は、式1に関して先に定義したとおりである]
に対応するイミンから生成しうる。
ある実施態様において、R51、R52およびR53は、独立して、アルキルまたはアリールである。例えば、R51、R52およびR53は、独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルまたはベンジルであり;好ましくは、R51、R52およびR53は、独立して、メチル、エチルまたはプロピルである。X3に好ましい置換基は、式1および1Aに関して先に定義したとおりである。
組合せにおいて、R51、R52およびR53に好ましい置換基は、独立して、アルキルまたはアリールである。好ましくは、R51、R52およびR53は、独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルまたはベンジルであり、より好ましくは、R51、R52およびR53は、メチル、エチルまたはプロピルである。これらの実施態様において、X3は、アルキル、アリールまたはヘテロシクロ、好ましくはシクロアルキル、より好ましくは、フェニル、フリルまたはチエニルである。
一般に、上記の式2のイミンは、アルデヒドおよびジシラジド試薬から生成できる。アルデヒドは一般式:X3C(O)H(ここで、X3は式1に関して上記に定義したとおりである)を有し、ジシラジドは一般式:MN(Si(R51R52R53))2(ここで、Mは正イオンである)を有する。例えば、Mは金属であるか、またはアンモニウムを含んで成る。特に、金属は、IA、IIA族、遷移金属(ランタニドおよびアクチニドを包含する)、IIB、IIIA、IVA、VAまたはVIA族金属(GASバージョン)であってよい。アンモニウム含有置換基は、好ましくはテトラアルキルアンモニウムであり、テトラアルキルアンモニウム置換基のアルキル成分は、好ましくは、C1〜C10アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。R51、R52およびR53は、式2に関して上記に定義したとおりである。典型的に、ジシラジド試薬の電子豊富窒素原子が、アルデヒドのカルボニル炭素を攻撃して、イミンを形成する。この生成反応は、広範囲のアルデヒド置換基、ならびに窒素に結合した種々のシリル基を使用して進められる。1つの好ましい実施態様において、ジシラジド試薬は、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)またはナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)である。
ケテン(チオ)アセタールおよびエノラート
反応式1に示すように、式2に対応するイミンを、式3に対応するケテン(チオ)アセタールと反応させて、式1に対応するβ-ラクタムを生成し、式3に対応するケテン(チオ)アセタールまたはエノラートは、下記の構造:
Figure 2008545792
[式中、R1b、X1a、X1b、X2aおよびX2bは、先に定義したとおりである]
を有する。
R1bが酸素であるとき、式3はケテンアセタールまたはエノラートに相当する。R1bが硫黄であるとき、式3はケテンチオアセタールまたはエノラートに相当する。一般に、R1bは酸素であり、ケテンアセタールは式3Ox
Figure 2008545792
[式中、X1bはヒドロキシル保護基である]
に対応するのが好ましい。他の実施態様において、エノラート(X1bが金属であるか、またはアンモニウムを含んで成る)を使用することができる。
一実施態様において、X1aは、式:-SiR11R12R13(ここで、R11、R12およびR13は、独立して、アルキルまたはアリールである)を有するシリルヒドロキシル保護基である。この実施態様において、R11、R12およびR13は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルまたはベンジルである。より好ましくは、この実施態様において、R11、R12およびR13は、メチル、エチルまたはプロピルである。1つの特定実施態様において、X1aはトリメチルシリルである。
X2aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6、-SX7または-NX8X9であってよく、X2bは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6または-SX7であってよいが、一般に、X2aおよびX2bの1つ(かつ、1つのみ)が水素であるのが好ましい。さらに、X2aおよびX2bの1つが-OX6であり、X6がヒドロキシル保護基であるのが一般に好ましい。従って、1つの好ましい実施態様において、ケテン(チオ)アセタールまたはエノラート3は、式3A:
Figure 2008545792
[式中、X1aはシリルヒドロキシル保護基であり、X1bおよびX6はヒドロキシル保護基である]
に対応するケテンアセタールである。1つの好ましい実施態様において、X1aは-SiR11R12R13であり、X1bは-SiR14R15R16であり、X6は-SiR21R22R23であり、ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R22およびR23は、独立してアルキルである。例えば、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R22およびR23は、独立して、メチル、エチルまたはプロピルであってよい。1つの好ましい実施態様において、ケテン(チオ)アセタール3は式3Aに対応し、X1aはトリメチルシリルであり、X1bは-SiR14R15R16であり、X6は-SiR21R22R23であり、R14、R15、R16、R21、R22およびR23は独立してアルキルである。
一実施態様において、X2aは-OX6であり、ここで、X6およびX1aが、組み合わされて、式-Si(R21R22)OSi(R11R12)-を有する架橋シリル保護基を形成し、ここで、R11、R12、R21およびR22は、独立してアルキルまたはアリールである。これは、式33
Figure 2008545792
[式中、R1b、X1b、X2bは、先に定義したとおりである]
によって示される。
前記のように、R1bは酸素または硫黄であってよく、X1bはスルフヒドリルまたはヒドロキシル保護基であってよい。しかし、1つの好ましい実施態様において、R1bは酸素であり、X1bはヒドロキシル保護基、より好ましくはシリルヒドロキシル保護基、さらにより好ましくはトリメチルシリルまたはトリエチルシリルである。別の実施態様において、R11、R12、R21およびR22は、独立してアルキル、好ましくは、独立して、メチル、エチルまたはプロピルである。
一般に、式3および3Aのケテンアセタールは、反応式2に示すようにカルボン酸から生成できる。示されているように、反応式2および3はケテンアセタールの生成を示すが、酸素を硫黄で置き換えると、ケテンチオアセタールを生成することができる。例えば、先ず、カルボン酸をヒドロキシル保護基で保護して、保護エステルを形成する。次に、保護エステルをジシラジド剤(例えば、リチウムまたはナトリウム)およびシリル保護基で処理して、ケテンアセタールを形成する。
Figure 2008545792
一実施態様において、好ましくは、X2aは-OX6(ここで、X6は-Si(CH3)3)であり、X2bは水素である。この場合、カルボン酸をトリメチルシリルクロリドで処理して、トリメチルシリルエステルを生成する(例えば、X1bは-Si(CH3)3である)。次に、トリメチルシリルエステルをLHMDSまたはNaHMDS、および好ましくはトリメチルシリルクロリド(または他のヒドロキシル保護基)と接触させて、式3(R11、R12およびR13はメチルである)のケテンアセタールを生成する。実施態様の一例において、式3のケテンアセタールはトリス(トリメチルシリルオキシ)エテンであり、これは、グリコール酸およびトリメチルシリルクロリドから生成でき、Aldrichから商業的に入手可能である。
他の実施態様において、ケテン(チオ)アセタールよりもむしろエノラートを使用することができる。例えば、式4に対応する構造:
Figure 2008545792
[式中、Mは、金属であるか、またはアンモニウムを含んで成り;R1b、X1b、X2aおよびX2bは、式3に関して先に定義したとおりである]
を有するエノラートを使用しうる。金属およびアンモニウム含有イオンの例は、ジシラジド剤に関して先に記載されている。1つの好ましい実施態様において、金属はリチウムイオンである。
β-ラクタムを生成するためのイミンとケテン(チオ)アセタールとの反応
本発明の方法に関して、生成物(例えば、β-ラクタム)および反応物(例えば、イミンおよびケテン(チオ)アセタールまたはエノラート)の構造は先に記載されている。この方法は、アルコキシドまたはシロキシドの存在下に、イミンをケテン(チオ)アセタールまたはエノラートと反応させることによって、所望のβ-ラクタム生成物を与える。アルコキシドまたはシロキシドはインサイチュで生成することができるか、または反応混合物に導入することができる。いかなる理論にも拘束されるものではないが、アルコキシドまたはシロキシドがケテン(チオ)アセタールと相互作用して、β-ラクタム形成を促進する反応性中間体を形成するものと推測される。一般に、アルコキシドまたはシロキシドが正イオンと会合し、アルコキシドは式-ORaを有し、ここでRaはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、シロキシドは式-OSiR51R52R53を有し、ここでR51、R52およびR53は式2に関して先に定義したとおりである。正イオン(M)の例は、ジシラジド剤に関して先に記載したような金属およびアンモニウム含有イオンである。種々の好ましい実施態様において、アルコキシドまたはシロキシドをインサイチュで生成する。アルコキシドまたはシロキシドをインサイチュで生成する1つの方法は、アルデヒド(X3C(O)H)をジシラジド(MN(SiR51R52R53)2)で処理することである。これらの化学種は、イミン反応物の考察において先により詳しく記載されている。多くのこれら実施態様において、アルコキシドまたはシロキシドは-OSiR51R52R53、特に-OTMSである。
さらに、この方法は、中間体を分離せずに1つの容器で行うことができる。しかし、出発物質およびβ-ラクタム生成物によって、反応物の添加順序が変化しうる。例えば、ケテンアセタールの出発物質としてカルボン酸を使用する場合、上記の反応式2に従ってケテンアセタールの生成が行われる。0℃〜5℃において、Z-およびE-リチウムエノラート中間体は、それらがイミンと反応してβ-ラクタムを生成するより速く分解する。リチウムエノラートとイミンとの反応の代わりに、リチウムエノラートを塩化シリルとさらに反応させて、ケテンアセタールを生成することができる。この場合、ケテンアセタールはインサイチュで生成されるか、または商業的に入手可能であり、アルデヒド(例えば、X3C(O)H)およびジシラジド(例えば、MN(SiR51R52R53)2、例えばLHMDSまたはNaHMDS)のイミン生成物との縮合環化を受けて、シス-およびトランス-β-ラクタムを高収率で生成する(反応式3参照)。
Figure 2008545792
反応式3の実施態様の一例において、R11、R12およびR13はメチルであり、X1bはヒドロキシル保護基であり、X2aは-OX6であり、X2bは水素であり、X3はフェニル、フリルまたはチエニルであり、X6はヒドロキシル保護基である。反応式3のより好ましい実施態様において、R11、R12およびR13はメチルであり、X1bは-Si(CH3)3であり、X2aは-OX6であり、X2bは水素であり、X3はフェニル、フリルまたはチエニルであり、X6は-Si(CH3)3である。
反応式3に示されている反応経路に代えて、所望のケテンアセタールが商業的に入手可能な場合に、下記の反応式4を使用して所望のβ-ラクタムを生成する。典型的に、アルデヒド(例えば、X3C(O)H)を強塩基(例えばMN(SiR51R52R53)2、例えばLHMDSまたはNaHMDS)で処理して、イミンを生成し、該イミンをインサイチュでケテンアセタールと接触させて、所望のβ-ラクタムを生成する。反応式4の1つの実施態様において、好ましくは、R51、R52およびR53はメチルである。
Figure 2008545792
さらに別の代替法は、反応式5に示されるように、エノラートとイミンとを反応させてβ-ラクタムを形成する方法である。この反応経路において、0〜5℃において極性非プロトン溶媒中で、保護エステルをジシラジドと反応させて、Z-およびE-エノラートを形成する。次に、エノラート溶液を−25℃〜−30℃に冷却し、過剰のエノラートを、アルデヒドとジシラジドとの反応生成物の溶液に接触させる。反応混合物の温度を約−25℃未満に約1〜2時間維持し、次に、反応混合物を約−5℃〜0℃に昇温する。
Figure 2008545792
好ましくは、変換のための溶媒は極性非プロトン溶媒である。これまでの発明者らの経験では、非極性塩素化溶媒、例えばジクロロメタンおよびクロロホルムは、低い転化率を与える傾向があることが示されている。極性非プロトン溶媒の例は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジメチルホルムアミド(DMF)などである。種々の実施態様のいくつかにおいて、極性非プロトン溶媒はDMEである。
一般に、反応経路が反応式3、4または5のいずれに従おうと、いったんイミンとケテンアセタールとの反応またはイミンとエノラートとの反応が終了すれば、反応をクエンチすることができる。クエンチングは、例えば、クエンチング剤の添加によって行うことができる。クエンチング剤の選択によって、C3シリル保護ヒドロキシル基を保護したままにするか、またはクエンチング手順の間に脱保護する。例えば、反応を氷酢酸での中和によってクエンチする場合、さらなる工程において、例えば、触媒量の炭酸ナトリウムの存在下でのメタノリシスによって、C3ヒドロキシル基を脱保護する必要がある。これに対して、反応を飽和重炭酸ナトリウムの添加によってクエンチする場合、C3ヒドロキシル基はクエンチング反応の間に脱保護される。
いったん反応がクエンチしたら、有機溶媒の添加、次に、所望の生成物を含有する有機相の水性相からの分離によって、所望のβ-ラクタム生成物を分離する。次に、有機相を水および塩水で洗浄することができる。
最後に、有機相を乾燥し、濾過し、濃縮することができる。有機相を、化学乾燥剤、例えば硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、または他の類似物質の使用によって乾燥させることができる。典型的に、有機相をシリカのパッドで濾過するが、セライトまたは他の類似物質を使用することもできる。一般に、有機相を回転蒸発によって濃縮するが、類似の溶媒除去方法、例えば高真空下での攪拌などを使用することもできる。
いったん所望される式1のN-非置換β-ラクタムが生成されると、それらを、適切な試薬との接触によって、式1AのN-置換β-ラクタムに変換することができる。例えば、式1のβ-ラクタムの-NH基をアミノ保護基と反応させて、アミド基、カルバメート基、チオカルバメート基、尿素基などを形成することができる。さらに、保護反応から生成された基を、最終生成物に組み込むことができる。この変換用の試薬の例は、ジカーボネート(例えば、ジ-tert-ブチルジカーボネート)、ハロホルメート(例えば、メチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、プロピルクロロホルメート、イソプロピルクロロホルメート、ブチルクロロホルメート、イソブチルクロロホルメート、ペンチルクロロホルメート)、酸ハロゲン化物(塩化アセチル、塩化エタノイル、塩化プロパノイル、塩化ブタノイル、塩化プロパノイル)などである。
さらに、保護ヒドロキシル基がC3位置(例えば、R2)に存在する場合、ヒドロキシル基を脱保護して、非保護ヒドロキシル基を形成することができ、活性C3ヒドロキシル基のさらなる誘導体化を行うことができる。一実施態様において、ヒドロキシル基のメタノリシスは、触媒量の炭酸ナトリウムの存在下に行われる。一般に、シリル保護基を除去する方法は既知である。いったん保護基が除去されると、例えば、非保護ヒドロキシル基をエステル化、アルキル化、アリール化して、種々のβ-ラクタム誘導体を生成することができる。
β-ラクタムの用途
一般に、β-ラクタムは生物学的に活性であり、生物活性化合物を生成するための合成中間体として使用することができる。例えば抗生物質、例えば、ペニシリン、セファロスポリン、ペネム、トリネムおよびそれらの誘導体は、β-ラクタム環構造を有する。さらに、β-ラクタムは、抗生物質効能以外の生物学的特性を有することが見出されている。β-ラクタムは、セリンプロテアーゼ阻害剤、例えばヒト白血球エラスターゼ(HLE)またはトロンビン、アシル-CoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、およびヒトサイトメガロウイスル阻害剤として機能することができる。
さらに、β-ラクタムは、合成中間体として使用され、芳香族β-アミノ酸およびそれらの誘導体、ペプチド、ポリアミン、ポリアミノアルコール、アミノ糖およびポリアミノエーテルの製造に使用されている。一般に、四員β-ラクタム環の環ひずみは、開環によって生じる種々のキラル強化化合物の製造に利用されている。他の例において、バッカチンIIIまたは10-デアセチルバッカチンIIIまたはそれらの誘導体の1つと、シス-β-ラクタムとの接触によって、β-ラクタムをタキソールおよび他のタキサン誘導体の製造に使用している。一般に、変換の過程において、C-13位置のアルコキシド基が、環カルボニル炭素におけるシス-β-ラクタムを攻撃し、これによって、β-ラクタム環が開いて、C-13側鎖(例えば、イソセリンエステル)を生じる。
定義:
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用される用語「アシル」は、有機カルボン酸の-COOH基からヒドロキシ基を除去することによって生成される基、例えばRC(O)-を意味し、ここで、Rは、R1、R1O-、R1R2N-またはR1S-であり、R1は、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、R2は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用される用語「アシルオキシ」は、酸素結合(-O-)を介して結合した前記のアシル基、例えばRC(O)O-を意味し、ここで、Rは用語「アシル」に関して定義したとおりである。
他に指定しなければ、本明細書に記載されるアルキル基は、主鎖に1〜8個の炭素原子、および20個までの炭素原子を含有する低級アルキルであるのが好ましい。それらは、置換または非置換で、直鎖または分岐鎖または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシルなどを包含する。
他に指定しなければ、本明細書に記載されるキラルアルキル基は、キラルアルコールまたはキラルオキサゾリドンから誘導される。キラルアルキル基の例は、メントール、ネオメントール、ボルネオール、イソピノカンフェネオール、トランス-2-フェニル-1-シクロヘキサノール、10-ジシクロヘキシルスルファモイル-D-イソボルネオール、8-フェニルメントール、シンコニン、シンコニジン、キニーネ、キニジン、N-メチルエフェドリンおよび4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オンの一つの光学異性体から誘導される。
他に指定しなければ、本明細書に記載されるアルケニル基は、主鎖に2〜8個の炭素原子、および20個までの炭素原子を含有する低級アルケニルであるのが好ましい。それらは、置換または非置換で、直鎖または分岐鎖または環状であってよく、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、へキセニルなどを包含する。
他に指定しなければ、本明細書に記載されるアルキニル基は、主鎖に2〜8個の炭素原子、および20個までの炭素原子を含有する低級アルキニルであるのが好ましい。それらは、置換または非置換で、直鎖または分岐鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、へキシニルなどを包含する。
本明細書に記載される「アミノ保護基」は、保護されたアミノ基において反応を遮断する部分であって、さまざまな化合物の他の置換基を損なわないよう、充分穏やかな条件下に容易に除去されるものである。例えば、アミノ保護基は、カルボベンジルオキシ(Cbz)、t-ブトキシカルボニル(t-BOC)、アリルオキシカルボニルなどである。アミノ基の種々の保護基、およびそれらの合成は、「Protective Gropus in Organic Synthesis」, T.W. GreeneおよびP.G.M Wuts, John Wiley & Sons, 1999に見出される。
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用される用語「芳香族」は、任意に置換された単素または複素環式芳香族基を意味する。このような芳香族基は、好ましくは環部分に6〜14個の炭素を有する単環式、二環式または三環式基である。用語「芳香族」は、下記に定義する「アリール」および「ヘテロアリール」基を包含する。
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用される用語「アリール」または「アル(ar)」は、任意に置換された単素環式芳香族基、好ましくは環部分に6〜12個の炭素を有する単環式または二環式基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルを意味する。フェニルおよび置換フェニルがより好ましいアリールである。
本明細書において使用される用語「アラルキル」は、アリール基で置換された、任意に置換されたアルキル基を意味する。アラルキル基の例は、置換または非置換ベンジル、エチルフェニル、プロピルフェニルなどである。
用語「カルボン酸」は、RC(O)OH化合物を意味し、ここでRは、水素、または置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、置換アリールであってよい。
用語「ヘテロ原子」は、炭素および水素以外の原子を意味する。
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用される用語「ヘテロシクロ」または「複素環式」は、任意に置換され、完全に飽和されているかまたは不飽和の、単環式または二環式、芳香族または非芳香族基であって、少なくとも1個の環に少なくとも1個のヘテロ原子を有し、各環に好ましくは5または6個の原子を有する基を意味する。ヘテロシクロ基は、1または2個の酸素原子、および/または1〜4個の窒素原子を環に有するのが好ましく、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りに結合する。例示的なへテロシクロ基は、下記のような複素環式芳香族を包含する。例示的な置換基は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテルの1つまたはそれ以上である。
本明細書において単独でまたは他の基の一部として使用される用語「ヘテロアリール」は、任意に置換された芳香族基であって、少なくとも1個の環に少なくとも1個のヘテロ原子を有し、各環に好ましくは5または6個の原子を有する基を意味する。ヘテロアリール基は、1または2個の酸素原子、および/または1〜4個の窒素原子、および/または1または2個の硫黄原子を環に有するのが好ましく、炭素を介して分子の残りに結合する。例示的なへテロアリールは、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ビフェニル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリルなどである。例示的な置換基は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテルの1つまたはそれ以上である。
本明細書に記載される用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」は、元素炭素および水素のみから成る有機化合物または基を意味する。これらの基は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール基を包含する。これらの基は、他の脂肪族または環状炭化水素基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール基、例えば、アルカリール、アルケナリールおよびアルキナリールも包含する。他に規定しない限り、これらの基は、好ましくは1〜20個の炭素原子を有する。
本明細書に記載される「置換ヒドロカルビル」基は、少なくとも1個の炭素以外の原子で置換されたヒドロカルビル基であり、炭素鎖原子が、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、珪素、燐、硼素、硫黄またはハロゲン原子で置換された基を包含する。これらの置換基は、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテルを包含する。
本明細書に記載される用語「ヒドロキシ保護基」は、保護されたヒドロキシ基において反応を遮断する部分であって、さまざまな化合物の他の置換基を損なわないよう、充分穏やかな条件下に容易に除去されるものである。ヒドロキシ保護基の例は、次のような基である:エーテル(例えば、アリル、トリフェニルメチル(トリチルまたはTr)、ベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、p-メトキシフェニル(PMP))、アセタール(例えば、メトキシメチル(MOM)、β-メトキシエトキシメチル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、エトキシエチル(EE)、メチルチオメチル(MTM)、2-メトキシ-2-プロピル(MOP)、2-トリメチルシリルエトキシメチル(SEM))、エステル(例えば、ベンゾエート(Bz)、アリルカーボネート、2,2,2-トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカーボネート)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS))など。ヒドロキシ基の種々の保護基、およびそれらの合成は、「Protective Gropus in Organic Synthesis」, T.W. GreeneおよびP.G.M Wuts, John Wiley & Sons, 1999に見出される。
本明細書に記載される用語「スルフヒドリル保護基」は、保護されたスルフヒドリル基において反応を遮断する部分であって、さまざまな化合物の他の置換基を損なわないよう、充分穏やかな条件下に容易に除去されるものである。スルフヒドリル保護基の例は、シリルエステル、ジスルフィドなどである。スルフヒドリル基の種々の保護基、およびそれらの合成は、「Protective Gropus in Organic Synthesis」, T.W. GreeneおよびP.G.M Wuts, John Wiley & Sons, 1999に見出される。
以下の実施例により、本発明を説明する。
実施例1:トリメチルシリル2-(トリメチルシリルオキシ)アセテートの製造
Figure 2008545792
トリメチルシリル2-(トリメチルシリルオキシ)アセテートは、多くの供給業者から入手可能である。しかし、それは、2当量のピリジンの存在下に、低価格のグリコール酸(75ドル($)/Kg、Aldrichより)およびトリメチルシリルクロリド(80ドル/Kg、Aldrichより)から容易に生成できる。典型的には、グリコール酸(76.05g、1mol)を、乾燥ピリジン(164mL、2mol)に溶解し、次に、混合物を氷水浴中で攪拌しながら0〜5℃に冷却した。純トリメチルシリルクロリド(108.64g、1mol)を滴下して、発熱を40℃未満に調節した。塩化ピリジニウムが易流動性固形物として沈殿した。ヘプタン(500mL)を添加して、攪拌を補助した。第二当量の純トリメチルシリルクロリドを添加し、反応が終了するまで混合物を周囲温度22〜40℃で30分間攪拌した。混合物をヘプタン(1L)でさらに希釈し、塩を沈殿させた。ヘプタン層を、中孔質インラインフィルターを経て回転蒸発器に吸い入れ、濃縮して、トリメチルシリル2-(トリメチルシリルオキシ)アセテートの透明油状物(215g、0.98mol)を得た。それを回転蒸発器において70〜75℃で、6〜8mmHgの真空下に蒸留した。
実施例1A
Figure 2008545792
Hartらによって報告されているリチウムエノラート(トリメチルシリル(トリメチルシリルオキシ)アセテートをリチウムヘキサメチルジシラジドで処理することによって生成)と、トリメチルシリルベンズアルジミン(アルデヒド(下記の1a-f)およびリチウムヘキサメチルジシラジドからインサイチュで生成)との反応を試験した場合、エノラートの分解が、0〜5℃におけるそれとイミンとの反応より速く生じた。この問題は、エノラートの反応の温度を-25℃に下げ、過剰量(例えば2当量)のエノラートを使用することによって解決された。
従って、ベンズアルデヒド(5.3g、0.05mol)を、0℃で、THF中のLHMDSの1.0M溶液(150mL、0.15mol)に添加し、混合物を30分間攪拌し、次に、-30〜-25℃に冷却した。反応温度が-30℃になると、THF中のトリメチルシリル2-(トリメチルシロキシ)アセテートエステル(22.0g、0.1mol、2当量)の1M溶液を滴下して、発熱を調節し、反応温度を-25℃未満に維持した。混合物をこの温度で1時間攪拌し、次に、-5〜0℃に温めた。混合物をこの温度で18時間攪拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(100mL)で鎮め、1-ブタノール(500mL)で抽出した。1-ブタノールを真空蒸発させ、残渣を、メタノール(75mL)および炭酸ナトリウム(0.5g、0.005mol)に周囲温度にて約1時間で取った。次に、反応混合物を、酢酸(0.6g、0.010mol)、トリエチルアミン(2g、0.02mol)で鎮め、酢酸エチル100mLで希釈した。混合物をシリカゲル(50g)のパッドで濾過し、結晶が形成されるまで、濾液を回転蒸発器において40℃で濃縮した。混合物を0℃の氷浴で30分間冷却し、結晶を真空濾過によって収集し、冷酢酸エチルで洗浄し、4.13g(収率50%)の恒量になるまで乾燥し、白色粉末を得た。融点140〜145℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 2.26 (d J=9.4 Hz, 1H), 4.96 (d, 4.96 Hz, 1H), 5.12 (m, 1H), 4.15 (bm, 1H), 7.41 (m, 5H)
実施例2:3-ヒドロキシ-4-置換-アゼチジン-2-オンの製造
THF中のLHMDSの1M溶液(100mL、0.1mol)を0℃に冷却し、実施例1のように調製したTHF中のトリメチルシリル2-(トリメチルシリルオキシ)アセテート(22.0g、0.1mol)の1M溶液を滴下して、発熱を調節し、温度を0℃〜5℃に維持した。この溶液に、1当量のトリメチルシリルクロリドを添加し、次に、1当量のLHMDSおよび1当量のベンズアルデヒドを攪拌しながら0〜15℃で14時間にわたって添加した。3-トリメチルシリルオキシ-β-ラクタム生成物が、5:1のシス:トランス比において定量的収量で観察された(反応混合物のHNMRによる)。この方法は下記の式6に示されている。
Figure 2008545792
シリルエーテルのメタノリシスは、触媒量の炭酸ナトリウムを使用して、周囲温度において15分間で容易に行われ、所望の生成物シス-ヒドロキシ-4-置換-β-ラクタムが、酢酸エチルからの濃縮後に48%の単離収率で晶出した。
実施例3:3-ヒドロキシ-4-チエニル-アゼチジン-2-オンの製造
典型には、リチウムヘキサメチルジシラジドの1.0M THF溶液(140mL、0.14mol)を窒素下に、THF(140mL)で希釈し、氷水浴で0〜5℃に冷却した。トリメチルシリル2-(トリメチルシリルオキシ)アセテート(33.4g、0.14mol)を20分間にわたって滴下した。このエノラート溶液に、トリメチルシリルクロリド(17.7mL、0.14mol)を添加し、5分間攪拌した後、第二部分のTHF中のLHMDS溶液(100mL、0.10mol)を10分間にわたって添加した。この溶液に2-チオフェンカルボキシアルデヒド(11.2g、0.1mol)を15〜20分間にわたって滴下して、発熱を5℃未満に調節した。この溶液を0〜5℃で14時間攪拌して、イミンを完全に消失させた。
反応物を氷酢酸(6g、0.10mol)で中和し、酢酸エチル(400mL)で希釈し、2Lの分液漏斗に移した。混合物を、水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルのパッドで濾過し、濃縮して、黄色固形物を得た。固形物をメタノール(300mL)および固体Na2CO3(1.0g)に取り、混合物を周囲温度で15分間攪拌した。2:1の酢酸エチル:ヘキサンで溶離するTLCモニタは、非極性TMS-エーテル(Rf=0.7)から極性生成物(Rf=0.25)への完全な変換を示した。反応を氷酢酸(0.6mL)で鎮め、混合物を濃縮して、固形物を得た。固形物を熱い酢酸エチル(500mL)に溶解し、不溶性塩をシリカゲルのパッドでの濾過によって除去した。濾液を40℃で回転蒸発下に約40mLの量に濃縮して、結晶形成を誘発した。混合物を周囲温度に冷却し、結晶(8.13g、0.048mol、収率48%)を白色粉末として収集した。さらに、実施例4に記載されるように、反応を炭酸水素ナトリウムで鎮め、1-ブタノールおよび酢酸エチルで抽出する場合に、工程をワンポット操作で好都合に行った。
実施例4:種々のアゼチジン-2-オンの製造
ケテンアセタールトリス(トリメチルシリルオキシ)エテンは、市販製品であり、下記の反応式7に示されているように、種々のアルデヒドから出発するβ-ラクタムの合成に使用することができる。従って、ベンズアルデヒドをリチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液で0℃において処理した場合、N-トリメチルシリルベンズアルジミンが、当量のリチウムトリメチルシラノレートと共に同時に生成した。この混合物をケテンアセタールと共に10〜15℃で14時間攪拌して、反応式7における反応と同様にβ-ラクタムを生成した。このケテンアセタール反応は、我々が試験した種々の芳香族およびエノール化可能脂肪族化合物に一般的であることが見出され(表1参照)、あらゆる場合に、主にシス-β-ラクタムを生成した。
Figure 2008545792
Figure 2008545792
反応条件を最適化するために、ケテンアセタールを添加する前に、0.8当量のトリメチルシリルクロリドを添加した。この変更によって、生成物β-ラクタムaの単離収率が66%に増加した(式8)。従って、容易に入手できるベンズアルデヒドおよびトリス(トリメチルシリルオキシ)エテンで開始する単一操作において、我々は、タキサン合成の重要な中間体であるβ-ラクタムaを高純度で得た。
Figure 2008545792
1つの実験において、THF中のLHMDSの0.5M溶液を、-10〜0℃に冷却し、次に、1.0当量のベンズアルデヒドを15分間にわたって添加して、発熱性イミン反応温度を15℃未満に調節した。反応温度が-10〜-5℃になったら、純トリス(トリメチルシリル)エテン(1.2当量)を添加した。混合物をこの温度で14時間攪拌した。反応の終了を、イミンの消失に関するHNMRによってモニタした。終了した時点で、トリメチルシリルクロリド(1当量)を添加して、リチウムトリメチルシラノレートを揮発性ヘキサメチルジシロキサンに変換した。反応混合物の1/10の量の水で、反応物を2回洗浄して、塩化リチウム塩を除去した。THF溶液に触媒量の1.0M HClを添加し、2時間攪拌して、TLC分析(EtOAc:ヘプタン、3:1)によってモニタされる中間体(Rf=0.8)の完全脱シリル化を行って、生成物(Rf=0.2)を得た。反応物中の塩酸をトリエチルアミンで鎮め、混合物をシリカゲルのパッドで濾過し、次に、回転蒸発下にTHFを酢酸エチルと交換した。結晶を白色固形物として収集し、冷酢酸エチルで洗浄した。β-ラクタムa: 融点140〜145℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)(ppm):2.26(d, J=9.4Hz, 1H), 4.96(d, J=4.96Hz, 1H), 5.12(m, 1H), 4.15(bm, 1H), 7.41(m, 5H)
別の試験において、ベンズアルデヒドをLHMDSの1.0M THF溶液(100mL、0.1mol)に0℃で添加し、混合物を15分間攪拌し、次に、TMSCl(10mL、0.08mol)を添加した。この溶液に、トリス(トリメチルシリルオキシ)エチレン(40mL、0.12mol)を添加し、混合物を-10〜-5℃で24時間攪拌した。混合物を周囲温度に2時間温め、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(25mL)で鎮め、周囲温度で30分間攪拌し、相を分離した。水性相を1-ブタノール(200mL)で逆抽出し、有機相を合わせ、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルのパッドで濾過し、濃縮して、固形物を得た。固形物を熱い酢酸エチル(800mL)に取り、不溶性固形物をシリカゲルのパッドでの濾過によって除去した。濾液を40℃で回転蒸発下に約15mLの量に濃縮して、結晶形成を誘発した。混合物を周囲温度に冷却し、結晶(10.73g、0.025mL、収率66%)を白色粉末として収集した。β-ラクタムa:融点140〜145℃;1H NMR(400MHz、CDCl3)(ppm):2.26(d, J=9.4Hz, 1H), 4.96(d, J=4.96Hz, 1H), 5.12(m, 1H), 4.15(bm, 1H), 7.41(m, 5H)
実施例5:トリメチルシリル2-(トリメチルシロキシ)アセテート
Figure 2008545792
グリコール酸(91.2g、2.4mol)を、窒素下の機械攪拌および還流冷却器によって、ピリジン(194g、2.45mol)およびアセトニトリル(600mL)に溶解した。トリメチルシリルクロリド(TMSCl、260g、2.4mol)を、添加漏斗から30分間にわたって添加した。混合物を30分間攪拌し、ヘキサン(250mL)を添加し、相を分離した。底相に2回目のヘキサン(100mL)を添加し、5分間激しく攪拌した。次に、相を分離し、ヘキサン相を合わせ、30℃で回転蒸発下に濃縮して、240g(91%)の既知のアセテートを得た。
実施例6:トリス(トリメチルシロキシ)エタン
Figure 2008545792
LHMDSの0.5M THF溶液(200mL、0.1mol)に、0℃で、トリメチルシリル-2-(トリメチルシロキシ)アセテート(23.9mL、0.1mol)を15分間にわたって滴下し、混合物をこの温度でさらに15分間攪拌して、リチウムエノラートを生成した。トリメチルシリルクロリド(12.5mL、0.1mol)を15分間にわたって添加して、エノラートをトリス(トリメチルシロキシ)エテン生成物として捕捉した。混合物を周囲温度に温め、THF溶媒を40℃で真空回転蒸発によって除去して、塩化リチウムを沈殿させた。混合物をヘキサン300mLおよびトリエチルアミン5mLに取り、5分間攪拌し、塩を沈降させた。上澄みを珪藻土のパッドで2回濾過して、透明溶液を得た。溶液を回転蒸発下に濃縮して、淡黄色油状物を得た。溶液を回転蒸発下に濃縮して、市販製品と同じ淡黄色油状物を得た。沸点:1mmHgにおいて90℃
実施例7:N-トリメチルシリル-3-トリメチルシロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
以前に報告されていないN-トリメチルシリルβ-ラクタムをトリメチルシリル-2-トリメチルシロキシ-アセテートから合成するワンポット法は、低温冷却を必要としない有効な経済的方法であることが分かった。発熱反応温度を30℃未満に調節する速度で、乾燥1,2-ジメトキシエタン(505mL)中のヘキサメチルジシラザン(390g、2.42mol)の磁気攪拌溶液に、窒素下に循環冷却機を使用して0℃で、n-ブチルリチウムの2.5M溶液(840mL、2.1mol)を添加して(45分間)、必要とされるLHMDS塩基をインサイチュで生成した。LHMDS溶液温度が10℃未満に達した時に、TMSCl(119.5g、1.1mol)とトリメチルシリル-2-(トリメチルシロキシ)アセテート(240g、1.1mol)との正味混合物を15分間にわたって添加して、トリス(トリメチルシロキシ)エテンをインサイチュで得た。次に、発熱反応温度を25℃未満に調節する速度で、純ベンズアルデヒド(106.12g、1.0mol)を添加して、N-トリメチルシリル-ベンズアルジミンをインサイチュで得た。5.4ppm(CDCl3)におけるケテンアセタール共鳴の消失が12時間の反応時間で生じたことが1HNMRモニタにより示されるまで、混合物を周囲温度(22℃)で反応させた。発熱反応温度を22℃未満に維持しながら、反応混合物を、トリメチルクロロシラン(TMSCl、108.64g、1.0mol)、トリエチルアミン(25.3g、0.25mol)、次に、酢酸(6.0g、0.1mol)で鎮めた。混合物をヘキサン(500mL)で希釈し、得られた塩化リチウム塩を、セライト(200g)のパッドでの濾過によって除去し、次に、フィルターケーキをヘキサン(250mL)で洗浄した。濾液を回転真空蒸発下に濃縮して残渣を得た。残渣をヘキサン(500mL)に取り、-25℃で静置して、結晶形成を誘発した。白色結晶を真空濾過によって収集し、-20℃の冷ヘキサン(200mL)で洗浄し、152gの恒量になるまで乾燥した。濾液を濃縮して残渣を得、ヘキサン(200mL)に取り、前記のように再結晶して、第二収集物32gを得た。収集物を合わせた(184g、収率60%)。HNMR分析によって、それが純粋なシス-N-トリメチルシリル-3-トリメチルシロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オンであることを確認した。融点:53〜55℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):0.11(s, 9H), 0.14(s, 9H), 4.63(d, J=5.01Hz, 1H), 5.06(d, J=5.01Hz, 1H), 7.31(m, 5H)
実施例8:シス-3-トリメチルシロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
ヘキサン(600mL)中のN-トリメチルシリル-3-トリメチルシロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン(140g、0.46mol)の溶液に、周囲温度で、トリエチルアミン(101g、1mol)、メタノール(22g、0.7mol)を添加し、混合物を15分間攪拌して、N-脱シリル化生成物の結晶を形成した。混合物を0℃に15分間冷却し、白色結晶を真空濾過によって収集し、冷ヘキサンで洗浄し、94g(収率87%)の恒量になるまで乾燥した。融点:118〜120℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):-0.08(s, 9H), 4.79(d, J=4.4Hz, 1H), 5.09(dd、J=4.4, 2.7Hz, 1H), 6.16(bm, 1H), 7.3〜7.4(m, 5H)
実施例9:シス-3-ヒドロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
メタノール(500mL)中のN-トリメチルシリル-3-トリメチルシロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン(150g、0.49mol)の不均質溶液に、触媒量のトリメチルクロロシラン(1.08g、1mmol)を添加し、混合物を周囲温度で攪拌して、透明溶液を得た。反応の薄層クロマトグラフィー(TLC)モニタ(酢酸エチルおよびヘキサン(3:1)で溶離)は、15分後に完全な変換が行われたことを示した。反応混合物をトリエチルアミン(10.1g、0.1mol)で鎮め、結晶が形成されるまでメタノールを40℃で回転蒸発下に除去した。酢酸エチル(300mL)を添加し、蒸発を継続して、残留メタノールを除去して、濃厚スラリーを得、次に、0〜5℃で20分間冷却した。白色結晶を真空濾過によって収集し、次に、0℃の冷酢酸エチル(75mL)で洗浄し、前記の所望生成物の恒量75g(収率94%)に乾燥した。
実施例10:1-(トリエチルシリルオキシ)-1,2-ビス(トリメチルシリルオキシ)エタン
Figure 2008545792
THF(100mL)中のジイソプロピルアミン(15.5mL、0.11mol)の溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(70mL、0.11mol)を15分間にわたって添加した。この温度でさらに15分間攪拌した後、トリエチルシリルクロリド(16.7mL、0.1mol)を10分間にわたって添加し、次に、トリメチルシリル-2-(トリメチルシロキシ)アセテート(24.4mL、0.1mol)を30分間にわたって添加した。反応物を-78℃で30分間攪拌し、低温浴を除去することによって周囲温度に温めた。THF溶媒を40℃で真空回転蒸発によって除去して、塩化リチウムを沈殿させた。混合物をヘキサン300mLおよびトリエチルアミン5mLに取り、5分間攪拌し、塩を沈降させた。上澄みを珪藻土のパッドで2回濾過して、透明溶液を得た。溶液を回転蒸発下に濃縮して、淡黄色油状物を、幾何異性体の混合物(4:1)として得た。
実施例11:トリエチルシリル-2-(トリエチルシリルオキシ)アセテート
Figure 2008545792
グリコール酸(76.05g、1mol)を、乾燥ピリジン(164mL、2mol)に溶解し、混合物を攪拌しながら氷水浴で0〜5℃に冷却した。純トリエチルシリルクロリド(115g、1mol)を滴下して、発熱を40℃未満に調節した。塩化ピリジニウムが易流動性固形物として沈殿した。ヘプタン(500mL)を添加して、攪拌を補助した。第二当量の純トリエチルシリルクロリドを添加し、反応が終了するまで混合物を周囲温度(22〜40℃)で30分間攪拌した。混合物をヘプタン(1L)でさらに希釈し、塩を沈殿させた。ヘプタン層を、中孔質インラインフィルターを経て回転蒸発器に吸い入れ、濃縮して、トリエチルシリル-2-(トリエチルシリルオキシ)アセテートエステルの透明油状物(215g、0.98mol)を得た。油状物を真空蒸留によってさらに精製した。沸点:128〜130℃、1.5mmHg
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):0.64(q, J=8.04Hz, 6H), 0.78(q, J=8.04, 6H), 0.97 (t, J=8.04, 2x9H), 4.2(s, 2H)
実施例12:トリス(トリエチルシロキシ)エタン
Figure 2008545792
エステルを、0.5M THF(200mL、0.1mol)溶液に15分間にわたって添加し、混合物をこの温度でさらに15分間攪拌して、リチウムエノラートを生成した。トリエチルシリルクロリド(16.7mL、0.1mol)を15分間にわたって添加して、エノラートをトリス(トリエチルシロキシ)エテン生成物として捕捉した。混合物を周囲温度に温め、THF溶媒を40℃で真空回転蒸発によって除去して、塩化リチウムを沈殿させた。混合物をヘキサン300mLおよびトリエチルアミン5mLに取り、5分間攪拌し、その間に塩を沈降させた。上澄みを珪藻土のパッドで2回濾過して、透明溶液を得た。溶液を回転蒸発下に濃縮して、淡黄色油状物を得た。
本発明者らの経験では、前記実施例4で用いた、β-ラクタム生成のためのケテンアセタールとイミンとの反応のための標準的条件下には、トリス(トエリエチルシリルオキシ)エテンは、所望のβ-ラクタムを生成するようにイミンとあまりよく反応しない傾向を示した。
実施例13:1,2-ビス(トリエチルシリルオキシ)-1-(トリメチルシリルオキシ)エテン
Figure 2008545792
THF(100mL)中のジイソプロピルアミン(15.5mL、0.11mol)の溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(70mL、0.11mol)を15分間にわたって添加した。この温度でさらに15分間攪拌した後、トリエチルシリルクロリド(16.7mL、0.1mol)を10分間にわたって添加し、次に、トリエチルシリル-2-(トリエチルシロキシ)アセテート(37.6g、0.1mol)を30分間にわたって添加した。反応物を-78℃で30分間攪拌し、低温浴を除去することによって周囲温度に温め、THF溶媒を40℃で真空回転蒸発によって除去して、塩化リチウムを沈殿させた。混合物をヘキサン300mLおよびトリエチルアミン5mLに取り、5分間攪拌し、塩を沈降させた。上澄みを珪藻土のパッドで2回濾過して、透明溶液を得た。溶液を回転蒸発下に濃縮して、淡黄色油状物を幾何異性体の1:1混合物として得た。
実施例14:シス-3-トリエチルシロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
発熱反応温度を30℃未満に調節する速度で、乾燥1,2-ジメトキシエタン(50mL)中のヘキサメチルジシラザン(39g、0.242mol)の磁気攪拌溶液に、窒素下に循環冷却機を使用して0℃で、n-ブチルリチウムの2.5M溶液(84.0mL、0.21mol)を添加して(15分間)、必要とされるLHMDS塩基をインサイチュで生成した。LHMDS溶液温度が-30℃未満に達した時に、TMSCl(12g、0.11mol)の正味溶液を添加し、トリエチルシリル-2-(トリエチルシロキシ)アセテート(33.5g、0.11mol)を15分間にわたって添加して、1,2-ビス(トリエチルシリルオキシ)-1-(トリメチルシリルオキシ)エテンを、幾何異性体の混合物(6:1)としてインサイチュで得た。次に、発熱反応温度を-25℃未満に調節する速度で、純ベンズアルデヒド(10.6g、0.10mol)を添加して、N-トリメチルシリル−ベンズアルジミンをインサイチュで得た。ヘキサン溶媒を真空除去し、5.43ppm(CDCl3)におけるケテンアセタール共鳴の消失が14時間の反応時間後に生じたことが1HNMRモニタにより示されるまで、混合物を周囲温度(22℃)で反応させた。発熱反応温度を22℃未満に維持しながら、反応混合物を、トリメチルクロロシラン(TMSCl、10.8g、1.0mol)、トリエチルアミン(2.53g、0.025mol)および酢酸(0.60g、0.01mol)で鎮めた。混合物をヘキサン(50mL)で希釈し、得られた塩化リチウム塩を、セライト(20g)のパッドでの濾過によって除去し、次に、フィルターケーキをヘキサン(25mL)で洗浄した。濾液を回転真空蒸発下に濃縮して残渣を得た。残渣を、ヘキサン(50mL)、トリエチルアミン(5mL)およびメタノールに周囲温度で取り、15分間攪拌した。混合物のTLC分析(酢酸エチル:ヘキサン(2:1)で溶離)は、10分間の反応時間後に所望生成物(Rf=0.45)への完全な変換を示した。次に、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、シリカゲル(25g)のパッドで濾過し、結晶が形成されるまで濃縮した。結晶を真空濾過によって収集し、ヘキサンで洗浄し、7.68gの恒量の白色易流動性粉末に乾燥した。周囲温度で2時間静置した後に、濾液から第二収集物2.8gを得た。合わせた収率は38%であった。融点:98〜100℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):0.44(m, 6H), 0.78(t, J=8.0Hz, 9H), 4.80(d, J=4.80, 1H), 5.08(dd, 4.80, 2.80, 2H), 6.18(bs, 1H), 7.28〜7.38(m, 5H)
実施例15:シス-N-t-ブトキシカルボニル-3-(2-メトキシ-2-プロポキシ)-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
ラセミシス-3-ヒドロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン(100g、0.61mol)を、THF(2.7L)に、周囲温度において約25mL/gで溶解し、次に、-10〜-15℃に冷却した。TsOH一水和物触媒(3.5g、0.018mol、3mol%)を添加し、次に、2-メトキシプロペン(65mL、1.1〜1.2当量)を滴下して、発熱反応を調節した。反応をTLCによってモニタし、2-メトキシプロペン(2.9mL)を、出発物質が消失するまで必要に応じて添加した。トリエチルアミン(85mL、0.612mol)を添加して、TsOH触媒を鎮めた。ジ-tert-ブチルジカーボネート(160.5g、0.735mol、1.2当量)をDMAP(2.25g、0.018mol、3mol%)と共に添加し、反応を、周囲温度で、終了するまで進めた。混合物を、使用したTHFとほぼ同量のヘプタン(1.97L)で希釈し、シリカゲル(100g)床で濾過して、極性触媒を除去した。フィルターケーキを酢酸エチル:ヘプタンの1:1混合物1Lで洗浄して、完全な生成物回収を確実にした。結晶形成が生じるまで濾液を濃縮した。結晶を収集し、2%トリエチルアミンを含有する氷冷ヘプタンで洗浄した。粉末を、真空下に(0.1mmHg)、周囲温度(22℃)で161.0g(0.48mol、78%)の恒量になるまで乾燥した。融点:90〜92℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):0.92(s, 3H), 1.21(s,3H), 1.37(s, 9H), 1.58(s, 3H), 3.12(s, 3H), 5.03(d, J=5.69Hz, 1H), 5.17(d, J=5.69Hz, 1H), 7.33(m, 5H)
実施例16:ラセミシス-3-トリメチルシリルオキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
無水ジメトキシエタン(200mL)中のヘキサメチルジシラザン(HMDS、460mL、2.2mol)の溶液に、0℃で、n-ブチルリチウムの2.5M溶液(nBuLi、800mL、2.0mol)を45分間にわたって添加して、反応温度を40℃未満に維持した。添加後に、ベンズアルデヒドを反応混合物に1時間にわたって添加して、反応温度を40℃未満に維持した。添加後に、混合物を0℃に冷却し、トリス(トリメチルシロキシ)エタン(643g、2.2mol)を添加し、混合物を、反応が終了するまで(12時間)攪拌し、反応の終了は、エテン出発物質の消失によって確認した。反応混合物を、トリメチルシリルクロリド(TMSCl、217.28g、1.0当量)、トリエチルアミン(50mL)および酢酸(20mL)で鎮め、酢酸エチル(1.0L)で希釈した。リチウム塩を、焼結漏斗での濾過によって除去した。濾液を濃縮乾固した。固形物をヘプタン(1.0L)に取り、メタノール(96g、1.5当量)で20〜40℃において処理して、生成物の結晶を得た。固体生成物をブフナー漏斗での真空濾過によって収集し、ヘプタン中15%の冷酢酸エチルで洗浄した。固形物を酢酸エチル(1.5L)に取り、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム(200g)で乾燥し、濃縮して、白色粉末を得た。融点:118〜120℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):-0.08(s, 9H), 4.79(d, J=4.4Hz, 1H), 5.09(dd, J=4.4、2.7Hz, 1H), 6.16(bm, 1H)、7.3〜7.4(m,5H)
実施例17:ラセミシス-N-t-ブトキシカルボニル-3-トリメチルシリルオキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
ラセミシス-3-トリメチルシリルオキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン(11.5g、48.9mmol)を、テトラヒドロフラン(THF、250mL)に、周囲温度で窒素下に溶解し、ジ-tert-ブチルジカーボネートをN,N-4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.185g、1.5mmol)と共に添加し、混合物を、ガスの発生が止むまで磁気攪拌した。混合物をシリカゲル(10g)床で濾過し、回転蒸発器で濃縮して、白色固体生成物を得た。生成物を冷ヘプタン(50mL)で洗浄し、真空濾過によって収集し、周囲温度で真空下に(0.2mmHg)、12.3g(75%)の恒量になるまで乾燥した。融点:75〜77℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):-0.07(s, 9H), 1.38(s, 9H), 5.01(d, J=5.6Hz, 1H), 5.06(d, J=5.6Hz, 1H), 7.26〜7.38(m, 5H)
実施例18:ラセミ(±)-シス-N-t-ブトキシカルボニル-3-ジフェニルメチルシリルオキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン
Figure 2008545792
THF(70mL)中のラセミ(±)-シス-3-ヒドロキシ-4-フェニル-アゼチジン-2-オン(4.5g、27.8mmol)の溶液に、窒素下に、トリエチルアミン(8.4g、83.4mmol)、DMAP(100mg、0.83mmol)を添加し、0℃に冷却した。ジフェニルメチルシリルクロリド(7.1g、30.6mmol)を滴下し、TLC(酢酸エチルとヘキサンとの3:1混合物で溶離)によって示される出発物質の完全消失まで、混合物を0℃で30分間攪拌した。ジ-tert-ブチルジカーボネート(Boc2O、6.68g、30.6mmol)を添加し、混合物を周囲温度で3時間攪拌して、TLC(3:1 酢酸エチル:ヘプタン)によって示される所望生成物への完全な変換を得た。混合物をヘプタン(150mL)で希釈し、シリカゲル(20g)で濾過し、濾液を濃縮して固形物を得た。固形物をヘプタン(150mL)から再結晶して、白色粉末(9.5g、74%)を得た。融点:98℃。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):0.46(s, 3H), 1.39(s, 9H), 4.94(d, J=5.5Hz, 1H), 5.04(d, J=5.5Hz, 1H), 7.2〜7.4(m 15H)

Claims (34)

  1. 式1に対応するβ-ラクタムの製造法であって、アルコキシドまたはシロキシドの存在下に、式2に対応するイミンを、式3に対応するケテン(チオ)アセタールまたはエノラートで処理することを含んで成る方法:
    Figure 2008545792
    Figure 2008545792
    [式中、
    X1aは、シリル保護基、金属であるか、またはアンモニウムを含んで成り;
    X1bは、スルフヒドリルまたはヒドロキシル保護基であり;
    X2aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6、-SX7または-NX8X9であり;
    X2bは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロ、-OX6または-SX7であり;
    X3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロシクロであり;
    X6は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロまたはヒドロキシル保護基であり;
    X7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクロまたはスルフヒドリル保護基であり;
    Xは、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;
    X9は、水素、アミノ保護基、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;
    R1bは、酸素または硫黄であり;
    R51、R52およびR53は、独立して、アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
    但し、
    X1aが金属でありR1bが酸素であるとき、X1bはシリル保護基であるものとする]。
  2. X1aがシリル保護基である、請求項1に記載の方法。
  3. 式2のイミンは、式:X3C(O)Hのアルデヒドを式:MN(SiR51R52R53)2(ここで、Mは金属であるか、またはアンモニウムを含んで成る)のジシラジドで処理することによって生成する、請求項1または2に記載の方法。
  4. アルコキシドまたはシロキシドは、式:X3C(O)Hのアルデヒドを式:MN(SiR51R52R53)2(ここで、Mは金属であるか、またはアンモニウムを含んで成る)のジシラジドで処理することによって生成する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 式1のβ-ラクタムを、中間体を分離または精製せずに1つの容器内で製造する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 反応混合物のための溶媒は極性非プロトン溶媒を含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 溶媒が1,2-ジメトキシエタンを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 式3のケテンアセタールが、式3A:
    Figure 2008545792
    [式中、X1bは-SiR14R15R16であり;
    R14、R15およびR16は、独立して、アルキルまたはアリールであり;
    X6はヒドロキシル保護基である]
    の構造を有する、請求項1および3〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 式1のβ-ラクタムを、式1Aのβ-ラクタムに変換することをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法:
    Figure 2008545792
    [式中、
    X5は、-COX10、-COOX10、-CONX8X10または-SiR51R52R53であり;
    X10は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである]。
  10. X2aがアルキルまたは-OX6である、請求項1〜7および9のいずれか1つに記載の方法。
  11. X2aが-OX6である、請求項10に記載の方法。
  12. X6がヒドロキシル保護基である、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
  13. X2bが水素である、請求項1〜7および9〜12のいずれか1つに記載の方法。
  14. X3が、アルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロシクロである、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  15. X3がアルケニルである、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  16. X3がアリールである、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  17. X3がヘテロシクロである、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  18. X3がシクロアルキルである、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  19. X3が、フェニル、シクロプロピル、イソブテニル、フリルまたはチエニルである、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
  20. X1aが-SiR11R12R13であり、R11、R12およびR13は、独立してアルキルである、請求項1、3〜7および10〜19のいずれか1つに記載の方法。
  21. R11、R12およびR13がメチルである、請求項20に記載の方法。
  22. R51、R52およびR53が、独立して、アルキルまたはアリールである、請求項1〜21のいずれか1つに記載の方法。
  23. R51、R52およびR53が、独立して、メチル、エチルまたはプロピルブチルである、請求項1〜21のいずれか1つに記載の方法。
  24. R51、R52およびR53がメチルである、請求項1〜21のいずれか1つに記載の方法。
  25. R1bが酸素である、請求項1〜7および10〜24のいずれか1つに記載の方法。
  26. X1bがヒドロキシ保護基である、請求項25に記載の方法。
  27. ヒドロキシ保護基が-SiR14R15R16である、請求項26に記載の方法。
  28. R14、R15および16が、独立して、アルキル、アリールまたはアラルキルである、請求項27に記載の方法。
  29. R14、R15およびR16が、独立して、メチル、エチルまたはプロピルである、請求項27に記載の方法。
  30. X5が-COX10または-COOX10である、請求項9〜19のいずれか1つに記載の方法。
  31. X6が、水素またはヒドロキシ保護基である、請求項9〜19のいずれか1つに記載の方法。
  32. X10が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロシクロである、請求項30または31に記載の方法。
  33. X10が、アルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロシクロである、請求項30または31に記載の方法。
  34. X10が、アルキル、アリールまたはヘテロシクロである、請求項30または31に記載の方法。
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