JP2008544905A - 航空機のエンジン取り付け構造体 - Google Patents

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Abstract

本発明は航空機のエンジン取り付け構造体に関し、前記構造体は、後方マウント構造体(54)および2つの横側取り付け具(26)を設けられた後方エンジンマウント(8)を備え、各横側取り付け具は、前後方向部分であって、これと関係する横パネル(22)の内側面に接し、前記内側面に固定状態に取り付けられる前後方向部分と、該後方マウント構造体(54)を固定するインタフェース(38)を備える横方向部分(30)であって、前記部分(30)は関係する該横パネルの凹部(48)を貫通するように構成される横方向部分とを備える。

Description

本発明は、概して、ターボジェット等、航空機のエンジンアタッチメントパイロンに関する。このタイプのアタッチメントパイロンはEMS(エンジン取り付け構造体)とも称され、複数のエンジンアタッチメントを介して、ターボジェットを航空機翼下に懸架し、あるいはそのターボジェットを同じ翼の上に取り付けるのに使用することが可能とされる。
そのようなアタッチメントパイロンは、ターボジェット等のエンジンと航空機翼の間にアタッチメントインタフェースを形成するために設計される。アタッチメントパイロンは、その関係するターボジェットによって発生された力をその航空機の構造体に伝達し、またエンジンと航空機との間の燃料送給、電気、油圧系統およびエアシステムを利用可能にする。
力を伝達するため、パイロンは、多くが箱形とされ、言い換えれば上下桁材および、横リブを介して相互に連結された2つの横パネルのアセンブリによって形成される剛構造体を備える。
パイロンにはまた、ターボジェットとパイロンの剛構造体との間に挿通される取り付けシステムが設けられ、このシステムは概ね少なくとも2つのエンジンアタッチメント、通常少なくとも1つの前方アタッチメントおよび少なくとも1つの後方アタッチメントを備える。
さらにまた、このアセンブリシステムは、ターボジェットによって発生された推力に抵抗する装置を備える。従来技術においては、その装置は、例えば、第1にターボジェットファンケーシングの後部に連結され、第2にそのターボジェットのケーシングに固定された後方アタッチメントに連結された2つの横方向コネクティングロッドとされる。
同様に、アタッチメントパイロンは、このパイロンの剛構造体と航空機翼の間に挿通される第2の取り付けシステムも備え、その第2システムは一般的に2つもしくは3つのアタッチメントからなる。
最後に、パイロンには諸系統を所定位置に分離かつ保持し、同時に空力フェアリングを支持するための二次構造体が設けられる。
上述のように、従来技術による旧来のアタッチメントパイロンには、通常は箱形の下部桁材に強固に固定される後方アタッチメントが設けられる。この特別の特徴は、後方アタッチメントを取り付けるには箱形内部へのアクセスが必要とされることを意味する。しかし、パイロン内部へのアクセスは極めて限定されることが多く、そのために組み立てに不可避的に困難を来たし、コストおよび時間的に不利とされる。
したがって、本発明の目的は、航空機エンジンアタッチメントパイロンを提案することによって、従来技術による実施形態に関して上述した欠点を少なくとも部分的に克服し、またそのようなパイロンを少なくとも1基備える航空機を提示することにある。
これを達成するため、本発明の目的とするのは航空機エンジンアタッチメントパイロンであって、箱形とされるこのパイロンは、上部桁材、下部桁材、2つの横パネルおよび該桁およびパネルを結合する横リブのアセンブリによって形成され、同パイロンはまた、後方アタッチメント構造体を取り付けられた後方エンジンアタッチメントを備える。本発明によれば、後方エンジンアタッチメントには2つの横ブラケットが設けられ、各ブラケットは前記横パネルの内側面に接する前後方向部分であって、該横パネルが該前後方向部分に関係しかつ前記内側面に取り付け固定される前後方向部分と、前記後方アタッチメント構造体のアタッチメントインタフェースを備える横方向部分であって、該横方向部分は前記関係する横パネルに形成された凹部を貫通するように構成される横方向部分とを備える。
このように、上記提案の本発明は、後方アタッチメント構造体のアタッチメントインタフェースがしたがって前記箱形部の外側に位置することにより、アタッチメントパイロンに取り付けられる後方エンジンアタッチメントを容易に組み立てることが可能とされる。横ブラケットの前後方向部分はその関係する凹部を閉じるのが好ましいところを、この解決策においては、横方向部分を横パネルから外側向きに突出させ、その目的のために設けられた凹部を貫通させる。このようにこの格別の構成によって、アタッチメントインタフェースは、箱形部至近にいる、および例えばこのアタッチメントインタフェースにボルトを嵌めたいオペレータにとって直接かつ容易にアクセス可能とされる。
下部桁材には、2つの窪みから成る狭窄部が設けられ、該窪みに後方エンジンアタッチメントの2つの横ブラケットが納められることが好ましい。したがって、言い換えれば、下部桁材を後方エンジンアタッチメント部分で横方向沿いに湾曲させることにより、この後方アタッチメントの横ブラケットの前後方向部分の厚さを相殺する。該窪みは、2つの横ブラケットの存在を併せ、結果、2つの側面がおおよそ真直な形状を有する箱形となり、またそれによってそれらのブラケットにおけるポッドの空力的形状の最適化が可能とされる。
さらにまた、この特別の特徴によってアタッチメントパイロンの総質量の節減が創生され、すなわちそれは狭窄部によって下部桁材下の後方アタッチメント構造体の幅、および後方エンジンアタッチメントで箱形の幅が減少するからであることに留意されたい。
横パネルのそれぞれの凹部は下向きに開いているのが好ましい。さらにまた、下部桁材は2つの横パネルに設置固定された2つの横フランジを備えるのが好ましく、それによって後方アタッチメントの2つの横ブラケットのそれぞれの前後方向部分は2つの横フランジの1つと2つの横パネルの1つの間に挿入可能とされることに留意されたい。それに関しては、前後方向部分と前述した最後の2つの要素の間の接触も必要とされることに留意されたい。
また、後方アタッチメントの2つの横ブラケットのそれぞれの横方向部分は、後方アタッチメント構造体のアタッチメントインタフェースを画定するアタッチメントプレートと、アタッチメントプレートおよび前後方向部分に固定された補強リブとを備えることが好ましい。そのような場合には、補強リブは、パイロンの横方向および垂直方向によって画定される平行な面沿いに方向付けされることが好ましいであろう。
後方アタッチメントの2つの横ブラケットのそれぞれのアタッチメントインタフェースは、パイロンの横方向および前後方向によって画定される面の方向に方向付けされた平面とされることが好ましい。
後方アタッチメントの2つの横ブラケットのそれぞれは、一体部品として製作されるのが好ましく、かつチタン製とすることが好ましい。
後方アタッチメントは、それぞれがパイロンの垂直方向沿いに加えられた力に抵抗可能な、2つのアタッチメント半体を画定するように設計されるのが好ましいことに留意されたい。
この後方アタッチメントがパイロンの横方向沿いに加えられた力に対しても耐えることが必要とされる場合には、後方エンジンアタッチメントはまた、パイロンの横方向沿いに加えられた力に抵抗可能な第1の剪断ピンを備え、該第1の剪断ピンは、下部桁材を貫通しかつ後方アタッチメント構造体に納められる下端部を設けられ、その下端部にはリーマ仕上げ部が設けられ、これを第1のピンが貫通し、同ピンは後方アタッチメント構造体をも貫通することが可能とされるであろう。
したがって、この構成によって、後方アタッチメントがパイロンの横方向沿いに加えられた力に耐えることが可能とされるのみならず、リーマ仕上げ部と後方アタッチメント構造体を貫通するピンの間の協働によって、2つの横ブラケットの一方が損傷/破断した場合には、パイロンの垂直方向沿いに加えられた力にも耐えることが可能とされる。その結果、この巧妙な解決策によって、後方アタッチメント構造体の設計の複雑さを著しく増すことなく、垂直方向沿いの力を伝達するためのフェールセーフ機能が与えられる。特に、この部分はさらに一体部品として、好ましくはチタンから製作が可能とされ、それによって質量およびコスト節減を生じる利点がある。
第二に、静定アタッチメントシステムを得るため、機能的クリアランスをピンと剪断ピンリーマ仕上げ部との間に設け、それによって垂直方向沿いの力に、2つの横ブラケットの一方に損傷/破断が生じた場合に限り、このピンを通過させることが可能とされる。
後方エンジンアタッチメントはまた、第1の剪断ピンに破損が生じた場合に限り、パイロンの横方向沿いに加えられた力に抵抗可能な第2の剪断ピンを備えることが好ましく、第2の剪断ピンは、下部桁材を貫通しかつ後方エンジンアタッチメント構造体に納められる下端部を設けられ、その下端部にはリーマ仕上げ部が設けられ、これを第2のピンが貫通し、該ピンは後方アタッチメント構造体をも貫通する。したがって、この第2の剪断ピンは、横方向沿いに加えられた力を伝達するフェールセーフ機能を果たすものと理解すべきであり、それは同ピンは後方アタッチメント構造体のハウジングにクリアランスのある状態で取り付けられるのが好ましいことを意味する。さらにまた、第2のピンはリーマ仕上げ部と協働するとともに垂直方向沿いに加えられた力を伝達する第2のフェールセーフ機能を与え、ひいてはそれによって後方アタッチメントの2つの横ブラケットのそれぞれに明確な安全系を存在させる利点がある。それを達成するため、2つの剪断ピンは2つの横ブラケットの至近に置くことが好ましい。
2つの横ブラケットに関係する2つのいわゆるフェールセーフ機能は、後方エンジンアタッチメントが、下部桁材を貫通しかつ後方アタッチメント構造体に納められる下端部を設けられた第1の補助ピンをも備え、その下端部にリーマ仕上げ部が設けられ、これを第1のピンが貫通し、後方エンジンアタッチメントはまた、下部桁材を貫通しかつ後方アタッチメント構造体に納められる下端部を設けられた第2の補助ピンを備え、その下端部にリーマ仕上げ部が設けられ、これを第2のピンが貫通することが保証されることによってさらに向上することが可能とされる。
第1および第2のピンは、パイロンの前後方向沿いに方向付けされるのが好ましい。さらにまた、第1および第2の剪断ピン、および前記第1および第2の補助ピンは、それぞれパイロンの同じ横リブを貫通する上端部を有する。
本発明の別の目的は、以上に説明したようなアタッチメントパイロンを少なくとも1つ備える航空機である。
本発明の他の利点および特徴は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。但し以下の説明は本発明を制限するものではない。
以下、図面を参照して説明する。
図1に関し、この図は航空機(図示せず)の翼3の下に固定するように設計された航空機エンジンアセンブリ1を示し、このアセンブリ1には、本発明の好適な一実施形態によれば、アタッチメントパイロン4が設けられる。
概して、エンジンアセンブリ1は、ターポジェット2等のエンジンおよびアタッチメントパイロン4を備え、アタッチメントパイロンには、特に、複数のエンジンアタッチメント6,8,9が設けられ、かつこれらのアタッチメントが固定される剛構造体10を備える。ちなみに、アセンブリ1はポッド(図示せず)に囲繞されるように設計されること、およびアタッチメントパイロン4は別の一連のアタッチメント(図示せず)を備え、それによってこのアセンブリ1が航空機翼下に確実に懸架されることに留意されたい。
以下の説明を通じて、慣例に従い、Xはパイロン4の前後方向を指し、これはターボジェット2の前後方向と同じと見なされ、この方向Xはターボジェット2の前後方向軸線5に平行とされる。さらに、パイロン4に対して横の方向はYと称され、ターボジェット2の横方向と同じと見なされてよく、かつZは垂直方向または高さであり、これら3つのX、YおよびZ方向は相互に直交する。
さらに、用語「前」および「後」は、ターボジェット2によって加えられる推力の結果として生起する航空機の移動方向についていうものと見なされたく、その方向を模式的に矢印7により示す。
図1には、エンジンアタッチメント6,8,9およびアタッチメントパイロン4の剛構造体10のみ示すことが分かる。このパイロン4の図示しない他の構成要素、例えば、剛構造体10の航空機翼下のアタッチメント手段、あるいは諸系統の分離および保守と同時に空力フェアリングを支持するための二次構造体等は、従来技術で見られかつ当業者の知るものと同一もしくは同様の旧来の要素である。したがって、それらについては詳細な説明を省く。
剛構造体10は旧来の箱形とされ、共にX方向沿いおよびほぼXY面もしくはXY面から僅かに傾斜して延在する上部桁材18および下部桁材20から、かつ共にX方向沿いおよびほぼXY面に延在する2つの横パネル22(図1では1つのみ見える)によって形成される。その箱形の内部にYZ面沿いおよび前後方向間隔で配置された横リブ24が剛構造体10の剛性を補強する。ちなみに、要素18,20,22は一体製作もしくは隣接区分同士の組み立てによって製作可能とされることに留意されたい。
次に、ターボジェット2には前部に環状ファンダクト14を画定する大型のファンケーシング12が設けられ、後部端近辺にこのターボジェットのコアを包囲するより小さい中央ケーシング16が設けられる。なお、中央ケーシング16から後部方向にケーシング16より大きい噴出ケーシング17が伸長する。明らかに、ケーシング12,16および17は相互に強固に固定される。
図1で分かるように、前記複数のエンジンアタッチメントは、前方エンジンアタッチメント6、実際には2つのアタッチメント半体を形成する後方エンジンアタッチメント8、およびターボジェット2によって創生される推力に抵抗する装置を形成するアタッチメント9からなる。図1に模式的に示すように、この装置9は、例えば、第1にファンケーシング12の後方部分に、第2に後方アタッチメント8に嵌合されたスプレッダビームに連結された2つの横方向連接棒(側面図のため、一方のみ見える)とすることが可能とされる。また、それらの連接棒の後方端は、後部アタッチメントから前方でスプレッダビームに連結も可能とされることに留意されたい。
剛構造体10の角錐15およびファンケーシング12に固定された前方エンジンアタッチメント6は、旧来はターボジェット2によりYおよびZ方向沿いに創生された力にのみ抵抗可能とし、したがってX方向沿いに加えられた力には無策に設計されていた。ちなみに、この前方アタッチメント6は、ファンの固定ブレードが取り付けられかつ中央ケーシングの前方端に至近のファンケーシング内部に貫入するのが好ましい。
後方エンジンアタッチメント8は、本発明の特別の特徴とされ、図2から図5を参照してより詳細に説明する。概ね同アタッチメントは噴出ケーシング17とパイロンの剛構造体10との間に挿入される。同アタッチメントは、軸5およびZ方向により画定される平面Pを中心に対称に配置された2つのアタッチメント半体を形成し、それらのアタッチメント半体のそれぞれがターボジェット2によってZ方向沿いに創生された力に対し抵抗可能とし、XおよびY方向沿いに加えられた力には無抵抗に設計されるのが好ましい。さらに、この後方アタッチメントはターボジェット2により、中心部を伴うY方向沿いに創生された力に対し抵抗することも可能とされた。
かくして、図1aで模式的に分かるように、X方向沿いに加えられた力はアタッチメント9による抵抗を受け、Y方向沿いに加えられた力は前方アタッチメント6および後方アタッチメントの中心部による抵抗を受け、かつZ方向沿いに加えられた力は前方アタッチメント6および2つの後方アタッチメント半体の協働による抵抗を受ける。
また、X方向まわりに加えられたモーメントはアタッチメント8の2つのアタッチメント半体により垂直方向の抵抗を受け、Y方向まわりに加えられたモーメントはアタッチメント8の2つのアタッチメント半体とアタッチメント6の協働により垂直方向の抵抗を受け、Z方向まわりに加えられたモーメントはアタッチメント8の中心部を介しアタッチメント6の協働により横方向の抵抗を受ける。
図2は後方エンジンアタッチメント8を示し、その要素の中には、明解にするためにあえて割愛したものもある。まず、アタッチメント8の2つの後方アタッチメント半体を形成する部分について説明するが、同アタッチメント半体は、それぞれZ方向沿いに加えられる力に対してのみ抵抗し、上述の平面Pを中心に対称に配置される。
したがって、2つの後方アタッチメント半体は同一であるため、以下、右側のアタッチメント半体についてのみ説明する。概して、このアタッチメント半体は、前後方向部分28および横方向部分30からなり、かつ好ましくはYおよびZ方向沿いに対称方向付けされた平面を有する横ブラケット26を備える。したがって、前後方向部分28はX方向沿いに、おおよそXZ面内に延在し、下部桁材20の横フランジ34に接する内側面32を備える。ちなみに、当業者は、このフランジ34もおおよそXZ面沿いに方向付けされ、それによって横パネル22の下部桁材20への、リベット締めおよび/またはフィッシュプレーティング(fish-plating)による組み立てが可能とされることを知っている。
横方向部分30は、後方アタッチメント構造体(この図2には示さず)のためのアタッチメントインタフェース38を画定するアタッチメントプレート36を備え、このインタフェース38は、XY面に方向付けされた平面とされる。第二に、横方向部分30はアタッチメントプレート36の上面に固定された補強リブ40および前後方向部分28の外側面42を備え、それらのリブ40は、平行なYZ面沿いに方向付けされる。インタフェース38は、図2で分かるように、下部桁材20の下面に横方向沿いにおおよそ連続可能とされるのが好ましいであろう。
次いで、より具体的に図3および図4に関し、本発明の特別の特徴は、前後方向部分28の外側面42が、これに関係する横パネル22の内側面44に接するという事実にあることが分かる。したがって、前後方向部分28は横パネル22と下部桁材20のフランジ34との間に捕捉され、これらの3つの直接重畳要素は相互に、好ましくはフィッシュプレーティング(fish-plating)によって組み立てられる。
横方向部分30をパネル22から横方向外向きに突出可能とするため、このパネルには下向きに開く凹部48が設けられ、同凹部を横方向部分が貫通する。したがって、この構成においては、アタッチメントプレート36の少なくとも一部が、図3で明らかに分かるように、パネル22を越えてY方向に位置する。図4は、凹部48の切開部が形成され、それによってリブ40の貫通を可能とし、同リブはしたがってまた、この凹部48を貫通してパネル22から横方向外向きに突出する。
再度、図3に関して、下部桁材20にはY方向沿いに狭窄部50が設けられ、この狭窄部50は、2つの後方アタッチメント半体の2つの横ブラケット26が嵌合する2つの窪み52によって形成される。したがって、前後方向部分28の内側面32は下部桁材のフランジ34によって画定される窪み52に接し、そのためこのフランジ部分には箱形内部寄りの僅かな湾曲が設けられる。
窪み52の幾何学的形状は、同窪み内に収容される前後方向部分28の有する外側面42が桁材20のフランジの正しい部分の外面とおおよそ連続し、それによってパネル22のXZ面沿いにおおよそ方向付けされた翼支持面が形成されるように求められる。
次に、より具体的に図4に関し、一体にかつチタンから製作されるのが好ましい各横ブラケット26は、したがって、下部桁材20の下横方向に配置される後方アタッチメント構造体54に固定される。したがって、この構造体54は、また平面Pを対称面として含み、アタッチメントインタフェース38に接し、かつアタッチメントプレート36およびこの構造体54の上部を貫通する垂直ボルト56を介して該インタフェースに固定される。
次いで、構造体54は、右側の後方アタッチメント半体の不可欠の部分を形成する二又部材58を備え、これに末端取り付け具60がX方向沿いに方向付けされたピン62を介して関着される。図4で分かるように、末端取り付け具もしくはロッド60は垂直から傾斜し、それによって上向き方向の平面Pにより近くなる。
なお、同じくX方向沿いに方向付けされた第2のピン64も末端取り付け具60の下端に設けられ、それによって、この末端取り付け具はターボジェットケーシング2に強固に固定されたブラケット/二又部材(図示せず)に関着される。以上により、したがって、各後方アタッチメント半体は関着された末端取り付け具60、二又部材58およびブラケット26を備え、2つのアタッチメント半体の2つの二又部材58も同じ後方アタッチメント構造体54内に結合され、一体部品から製作されるのが好ましいことが理解される。
以上の説明は、後方アタッチメント8が2つのアタッチメント半体を形成し、各半体はZ方向沿いに加えられた力に対し抵抗可能とされることを示す。本発明においては、後方アタッチメント8をY方向沿いに加えられた力にも抵抗可能とすることを企図している。
図2、図3および図5を併せて参照し、その企図を達成するため、後方エンジンアタッチメント8は、Z方向に方向付けされた第1の剪断ピン66も備える構成とされ、このピン66はY方向沿いに加えられた力に抵抗するように、かつさらに特別に、それらの力を後方アタッチメント構造体54とアタッチメントパイロンの剛構造体10との間に通過可能とするように設計される。
ピン66は、フレーム形式の横リブ24の1つに位置する上端68(図5でのみ見える)を備え、この端部68はまた、このフレームの内部に突出位置を占め、容易にアクセス可能とされる。ピン66は次いで下向きに伸長し、順次関係するリブ24の下部および下部桁材20を貫通する。同ピンは、次いで箱形の桁材20から下向きに突出する下端70を備え、後方アタッチメント構造体54のオリフィス72内に納められる。したがって、この端部70の表面とオリフィス72との間の接触がY方向沿いの力に対し抵抗する。ちなみに、オリフィス72は、剪断ピン66の形状におおよそ相補的な概ね楕円形状を有し、アタッチメント構造体54の上部のめくら穴とされることに留意されたい。
仮に、上述説明のこの実施形態が、横方向の力に対する抵抗に関して既に判明した従来技術に多少とも類似していたとしても、本発明の特別の特徴の1つは、第1のピン74が設けられ、順次、構造体54の前方部分、ピン66の下端70に形成されたリーマ仕上げ部76、および構造体54の中央部を貫通するという事実にある。
ピン74が、X方向沿いに方向付けされるのが好ましいピン形ピンとされるこの格別の構成により、リーマ仕上げ部76とピン74との間の協働の結果として、2つの横ブラケット26の1つ、およびとりわけ右側の後方アタッチメント半体に取り付けられたブラケットが、第1のピン66とこの右側アタッチメント半体との間が近いことから、破損/破断した場合に、Z方向沿いに加えられた力に対する抵抗手段が与えられる。これは、Z方向沿いの力を伝達するための、いわゆるフェールセーフ機能を構造体54の設計の複雑さを著しく増すことなく達成可能とするので有利とされる。さらに、ピン74とリーマ仕上げ部76との間にクリアランスが設けられ、それによって、右側の後方アタッチメントが破損/破断した場合でも、力伝達経路(force path)は機能し得ることに留意されたい。
右側のアタッチメント半体に関わるこのフェールセーフ機能を補強するため、後方エンジンアタッチメント8はまた、剪断ピン66とピンX方向沿い、およびしたがって好ましくはX方向沿いに整合された第1の補助ピン78を備える。明らかに、ピン74の方向は異なるであろうが、本発明の枠組みから外れることなく、XY面に留まることが好ましい。
このピン78の設計は、上述のピン66の設計と同様とされる。したがって、ピン78は、同様に前述の横リブ24に位置する上端80(図5でのみ見える)を備え、この端部80は、このリブによって形成されたフレームの内部に突出位置を占め、容易にアクセス可能とされる。ピン78は次いで下向きに伸長し、順次関係するリブ24の下部および下部桁材20を貫通する。同ピンは、次いで箱形の桁材20から下向きに突出する下端82を備え、後方アタッチメント構造体54のオリフィス86内に納められる。好ましくは、かつエンジンアタッチメントシステムを静的に確定的とし、第1の補助ピン78のY方向沿いに加えられた力に対する抵抗を防ぐために常に、同ピンは端部表面82とオリフィス86の表面との間にクリアランスを設けるように準備することが可能とされよう。ここでもやはり、オリフィス86は、補助ピン78の形状におおよそ相補的な概ね楕円形状を有し、アタッチメント構造体54の上部のめくら穴とされることに留意されたい。
図5で分かるように、後方アタッチメント8は、構造体54の中央部から突出するピン74が次いで、順次、ピン78の下端部82に形成されたリーマ仕上げ部84および構造体54の後方部分を貫通した後、同部分を外部に開くように設計される。ここでもやはり、ピン74とリーマ仕上げ部84との間にクリアランスが設けられ、それによって、要素74および82からなる力伝達経路(force path)は、右側の後方アタッチメントの損傷/破断後も機能し得ることが保証されることに留意されたい。
後方アタッチメント8は、以上に説明したものと同様の取り付け部で、左側のアタッチメント半体に関係する取り付け部を含み、それによって特に、通常はこの左側のアタッチメント半体によって果たされる、Z方向沿いの力を伝達するフェールセーフ機能を設ける。ピン66および78と同一の、第2の剪断ピン88および第2の補助ピン90がそれぞれ同様に設けられ、これらの第2のピン88,90には構造体54に納められる下端部92,94が設けられ、この両ピンを第2のピン96がリーマ仕上げ部98,100で貫通する。したがって、左側のアタッチメント半体に関係するピン/ピンアセンブリは、右側のアタッチメント半体に関係するピン/ピンアセンブリの平面Pを中心に対称とされ、これら2つのアセンブリ間の唯一の相異は、第2の剪断ピン88とこれに関係する、後方アタッチメント構造体に形成されたオリフィス(図示せず)との間に必要なクリアランスであることを理解されたい。やはり、この場合にも、そのクリアランスは、第1の剪断ピン66に損傷が生じた場合には第2の剪断ピン88のみがY方向沿いの力を伝達するフェールセーフ機能を果たすように選択される。
非限定的な例として、以上に説明したにすぎない航空機用ターボジェット2のアタッチメントパイロン4に関して、当業者によってさまざまな変更がなされることは明らかである。それに関しては、このパイロン4は航空機翼下に懸架されるように適合した構成で示したのであるが、このパイロン4は、翼の上に取り付け可能な別の構成もあり得ることを強調しておく。
本発明の1つの好適な実施形態によるアタッチメントパイロンを備える、航空機エンジンアセンブリの一部を模式的に示す側面図である。 図1に示すアセンブリのエンジンアタッチメントのそれぞれの、力に対する抵抗を模式的に示す図である。 図1に示すパイロンの後方アタッチメントの一部斜視図である。 図2に示す部分の底面図である。 図2に無い後方エンジンアタッチメントの要素を加えた、同図と同様の図である。 図3のV‐V線での断面図である。
符号の説明
1 エンジンアセンブリ
2 ターボジェット
3 翼
4 アタッチメントパイロン
6,8,9 エンジンアタッチメント
10 剛構造体
18 上部桁材
20 下部桁材
22 横パネル
24 横リブ
26 横ブラケット
28 前後方向部分
30 横方向部分
32 内側面
34 横フランジ
36 アタッチメントプレート
38 アタッチメントインタフェース
40 補強リブ
42 外側面
44 内側面
48 凹部
50 狭窄部
52 窪み
54 後方アタッチメント構造体
62 ピン
64 第2のピン
66 第1の剪断ピン
68 上端
70 下端
72 オリフィス
74 第1のピン
76 リーマ仕上げ部
78 補助ピン
80 上端
82 下端
84 リーマ仕上げ部
86 オリフィス
88 第2の剪断ピン
90 第2の補助ピン
92,94 下端
96 第2のピン
98,100 リーマ仕上げ部

Claims (17)

  1. 航空機用のエンジン(2)のアタッチメントパイロン(4)であって、箱形の前記パイロンは、上部桁材(18)、下部桁材(20)、2つの横パネル(22)および前記桁材およびパネル(18,20,22)を結合する横リブ(24)のアセンブリによって形成され、さらに、後方アタッチメント構造体(54)を取り付けられた後方エンジンアタッチメント(8)を備えるアタッチメントパイロンにおいて、前記後方エンジンアタッチメント(8)には2つの横ブラケット(26)が設けられ、各ブラケットは前記横パネル(22)の内側面(44)に接する前後方向部分(28)であって、該横パネルが該前後方向部分に関係しかつ前記内側面(44)に取り付け固定される前後方向部分と、前記後方アタッチメント構造体(54)のアタッチメントインタフェース(38)を備える横方向部分(30)であって、前記横方向部分(30)は前記関係する横パネル(22)に形成された凹部(48)を貫通するように構成される横方向部分と、を備えることを特徴とするアタッチメントパイロン(4)。
  2. 前記下部桁材(20)には、2つの窪み(52)からなる狭窄部(50)が設けられ、該窪みに前記後方エンジンアタッチメント(8)の前記2つの横ブラケット(26)が納められることを特徴とする請求項1に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  3. 前記横パネル(22)のそれぞれの前記凹部(48)は下向きに開いていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  4. 前記下部桁材(20)は前記2つの横パネル(22)に設置固定された2つの横フランジ(34)を備えることと、前記後方アタッチメントの前記2つの横ブラケット(26)のそれぞれの前記前後方向部分(28)は前記2つの横フランジ(34)の1つと前記2つの横パネル(22)の1つとの間に挿入されることとを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  5. 前記後方アタッチメントの前記2つの横ブラケット(26)のそれぞれの前記横方向部分(30)は、前記後方アタッチメント構造体(54)の前記アタッチメントインタフェース(38)を画定するアタッチメントプレート(36)と、前記アタッチメントプレート(36)および前記前後方向部分(28)に固定された補強リブ(40)とを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  6. 前記補強リブ(40)は、前記パイロンの横方向(Y)および垂直方向(Z)によって画定される平行な平面に沿って方向付けされることを特徴とする請求項5に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  7. 前記後方アタッチメントの前記2つの横ブラケット(26)のそれぞれの前記アタッチメントインタフェース(38)は、前記パイロンの横方向(Y)および前後方向(X)によって画定される平面の方向に方向付けされた平面とされることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  8. 前記後方アタッチメントの前記2つの横ブラケット(26)のそれぞれは、一体部品として製作されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  9. 前記後方アタッチメントの前記2つの横ブラケット(26)のそれぞれは、チタンから製作されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  10. 前記後方アタッチメント(8)は、それぞれが前記パイロンの垂直方向(Z)に沿って加えられた力に抵抗可能な、2つのアタッチメント半体を画定するように設計されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  11. 前記後方エンジンアタッチメント(8)はまた、前記パイロンの横方向(Y)に沿って加えられた力に抵抗可能な第1の剪断ピン(66)を備え、前記第1の剪断ピン(66)は、前記下部桁材(20)を貫通しかつ前記後方アタッチメント構造体(54)に納められる下端部(70)を設けられ、その下端部(70)にはリーマ仕上げ部(76)が設けられ、これを第1のピン(74)が貫通し、該ピンは前記後方アタッチメント構造体(54)をも貫通することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  12. 前記後方エンジンアタッチメント(8)はまた、前記第1の剪断ピン(66)に破損が生じた場合に限り、前記パイロンの横方向(Y)に沿って加えられた力に抵抗可能な第2の剪断ピン(88)を備え、前記第2の剪断ピン(88)は、前記下部桁材(20)を貫通しかつ前記後方アタッチメント構造体(54)に納められる下端部(92)を設けられ、その下端部(92)にはリーマ仕上げ部(98)が設けられ、これを第2のピン(96)が貫通し、該ピンは前記後方アタッチメント構造体(54)をも貫通することを特徴とする請求項11に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  13. 前記後方エンジンアタッチメント(8)はまた、前記下部桁材(20)を貫通しかつ前記後方アタッチメント構造体(54)に納められる下端部(82)を設けられた第1の補助ピン(78)を備え、その下端部(82)にはリーマ仕上げ部(84)が設けられ、これを前記第1のピンが貫通することを特徴とする請求項12に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  14. 前記後方エンジンアタッチメント(8)はまた、前記下部桁材(20)を貫通しかつ前記後方アタッチメント構造体(54)に納められる下端部(94)を設けられた第2の補助ピン(90)を備え、その下端部(94)にはリーマ仕上げ部(100)が設けられ、これを前記第2のピン(96)が貫通することを特徴とする請求項13に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  15. 前記第1および第2のピン(74,96)は、前記パイロンの前後方向(X)に沿って方向付けされることを特徴とする請求項14に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  16. 前記第1および第2の剪断ピン(66,88)および前記第1および第2の補助ピン(78,90)は、それぞれ前記パイロンの同じ横リブ(24)を貫通する上端部(68,80)を有することを特徴とする請求項15に記載のアタッチメントパイロン(4)。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアタッチメントパイロン(4)を備えることを特徴とする航空機。
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